JP3612838B2 - 部品整送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は部品整送装置に関するものであり、更に詳しくは細長い板状の部品を単層化、単列化し、ないしは更に表裏を整えて移送する部品整送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細長い板状の部品を整送する装置は各所で使用されている。例えば、電子部品であるチップ抵抗の製造工程の中には、片面にカーボン厚膜を設けた細長い板状のセラミック基板を単層、単列化し、更に表裏を整えて移送する工程がある。
【0003】
図1はその細長い板状のセラミック基板、すなわち部品Mの斜視図であり、図1のAはセラミック基板S の白い面を示し、図1のBはカーボン厚膜S の黒い面を示す。サイズの異なるものが数種存在するが、その代表例を挙げると、長さ48mm、幅2mm、厚さ0.6mmを有し、図1のAに示すように、白いセラミック基板S の面を上にして、矢印で示す長さ方向へ移送することが要請されている。以降、白いセラミック基板S の面を表とし、黒いカーボン厚膜S の面を裏とする。
【0004】
(従来例)従来、この部品Mの整送には図21の平面図で示すような捩り振動パーツフィーダ300と直線振動パーツフィーダ400とを組み合わせた部品整送装置20で行われて来た。以降、捩り振動パーツフィーダ300については図21に示されているボウル321について説明し、その駆動部は同様な後述の実施例の捩り振動パーツフィーダにおける駆動部で説明する。また、直線振動パーツフィーダ400は後述の実施例の直線振動パーツフィーダと細部では異なるものの基本的には同様であるので、ここにおいては説明を省略する。
【0005】
捩り振動パーツフィーダ300の振動盆としてのボウル321は底面322に部品Mが収容され、底面322からボウル321の周壁323の内面に沿って部品Mの移送路となる曲面トラック324と斜面トラック326とがそれぞれ半周を分担してスパイラル状に上昇して設けられている。曲面トラック324は図21における[22]−[22]線方向の断面図である図22も参照して、断面が浅皿状とされており、その一部において内周側に切欠き325が形成されており、過剰気味に移送されてくる部品M、例えば部品M は切欠き325から落下してボウル321の底面322へ戻される。
【0006】
また、後半の斜面トラック326は図21における[23]−[23]線方向の断面を示す図23を参照して、内周壁327を備えボウル21の径内方へ向かって下向き傾斜角度15度の平面に形成されている。図21へ戻り、斜面トラック326はその途中において、内周壁327の高さを低くした低内周壁328 、328 、328 が設けられ、周壁323に沿って長穴329 、329 が設けられている。図23を参照して、内周壁327に接して移送される部品Mのうち、積み重なって多層となっている部品M、例えば部品M は低内周壁328 を乗り越えて落下し底面322へ戻されることにより部品Mは単層化され、多列で移送されてくる部品M、例えば部品M は長穴329 から落下して底面322へ戻されることにより部品Mは単列化される。
【0007】
図21へ戻り斜面トラック326の下流端には導出ブロック332が設けられ、この部分から部品Mはボウル21の外側を移送されるようになっている。図21における[24]−[24]線方向の断面を示す図24を参照して、導出ブロック332はボウル321の周壁323の外面に固定されたブロック支持板331にボルト332bで取り付けられており、上流の斜面トラック326と内周壁327とに整合された斜面トラック336と内周壁337が設けられている。また、内周壁337側に部品Mが単列で移送される幅を残して斜面トラック336に長孔339が設けられ、2列になって移送されてくる部品Mは長孔339から落下しボウル321内へ戻される。このようにして、部品Mは導出ブロック332を通過した時点では確実に単列化される。
【0008】
図21へ戻り導出ブロック332に続いて、円弧状のトラックブロック342が設けられているが、図21における[25]−[25]線方向の断面図である図25を参照して、トラックブロック342はボルト342bによってブロック支持板331に固定され、導出ブロック332の斜面トラック336と整合された角度の傾斜面からなる斜面トラック346を有している。また、外周側から内周側へ挿通されたビス344bによって挟持部材343との間に内周壁プレート344を挟持している。内周壁プレート344は中心角105度の範囲に長く設けられており、1枚の部品Mの厚さに相当する高さとされるが、長孔345を有して上下方向への位置調整が可能となっており、部品Mの種類によって高さ調整される。そして、斜面トラック346を多層で移送される部品Mがある場合、上層の部品Mは内周壁プレート344を乗り越えてブロック支持板331上へ落下し、部品Mは単層化される。
【0009】
トラックブロック342の下流端部においては、図21における[26]−[26]線方向の断面図である図26を参照して、斜面トラック346と内周壁347との境界部を下方へ徐々に掘り下げて、斜面348aと斜面348bとからなる開き角度90度のV溝348が形成されている。従って、斜面トラック346を内周壁347に接して移送されてくる部品Mは斜面348bに傾倒して移送され、これに接続されている表裏矯正ブロック352へ移行する。図21における[27]−[27]線方向の断面を示す図27を参照して、表裏矯正ブロック352には上流のV溝348の斜面348bに整合する角度の斜面358bとボウル321の径内方へ向かって上向き傾斜角度30度の斜面358aとからなるVトラック358が形成され、その境界部分において斜面358aの下端部を切り欠いて細い角溝357が形成されている。部品Mは上流の斜面348bに続いて斜面358bに傾倒し移送されるが、その部品Mの表裏を検知するための光センサ356がサポート356sに固定して設置されている。
【0010】
光センサ356は発光素子と受光素子とを内蔵し、発光素子からの照射光が部品Mの面で反射され、受光素子で受光されるセラミックS の白い面と厚膜カーボンS の黒い面との反射光の強度の違いによって部品Mの表裏を検知する。また、斜面358bには移送されてくる部品Mの上側端面部にかかる位置に空気噴出孔355が開口されており、ブロック支持板331の下面から挿入螺着された圧縮空気配管359からの空気が噴出される。
【0011】
光センサ356は反射光の強度が大きい場合、部品Mは表向きであると検知し、空気噴出孔355から空気は噴出されず部品Mはそのまま移送されるが、反射光の強度が小さい場合は、部品Mは裏向きであると検知し空気噴出孔355から空気が瞬時的に噴出されるので、部品Mは斜面358aの方へ反転されて表向きとされる。なお、角溝357はこの反転を容易ならしめるべく設けられている。すなわち、部品Mはこの表裏矯正ブロック352の斜面358a、358bの何れかに傾倒し表向きになって移送される。
【0012】
表裏矯正ブロック352の下流には図22に示すように舟底状の底面、すなわち両側方へそれぞれ上向き傾斜角度10度の斜面368aと斜面368bとからなる舟底トラック368を設けた合流ブロック362が接続されている。図21における[28]−[28]線方向の断面を示す図28を参照して、合流ブロック362は内周部をボルト362bでブロック支持板331に固定されており、上流のVトラック358の斜面358aに傾倒している部品Mは合流トラック368の斜面368aに、斜面358bの部品Mは斜面368bに移送されてくる。
【0013】
合流トラック368の下流端部では、図21、図28に示すように斜面368aが徐々にボウル321の径内方へ向いて下向き傾斜角度15度の逆傾斜に掘り下げられて合流面369が形成されている。すなわち、斜面368a、368bの部品Mは何れも合流面369へ集められて合流ブロック362から下流へ移送される。
【0014】
図21に示すように合流ブロック362の下流には移送ブロック372、選別ブロック382、移送ブロック392が順に接続されている。移送ブロック372には移送ブロック392と同様でボウル321の径外方を向いて上向き傾斜角度15度の斜面トラック374が形成されているが、後述の図30に示すと同様の断面を有しているので、その説明は移送ブロック392において行う。
【0015】
移送ブロック372の下流の選別ブロック382は図21における[29]−[29]線方向の断面を示す図29を参照して、図示されていないボルトによりブロック支持板331に固定されており、上流の移送ブロック372における平面トラック374と整合する斜面トラック384と内周壁387が設けられている。また、その外周部に支柱388を立てて、これにセンサ・サポート386sをボルト388bで固定し、その先端部に光センサ386が取り付けられている。そして光センサ386は内周壁387に接して移送される部品Mの表裏を監視している。光センサ386は前述の表裏矯正ブロックにおける光センサ356と同様に構成され作用する。
【0016】
また、内周壁387に接して斜面トラック384を移送される部品Mの直下となる位置に空気噴出孔385aが開口され、かつ同じ径方向に位置して選別ブロック382の外周部に設けた空気噴出孔385bが斜面トラック384側へ開口されており、ブロック支持板331の下方から挿入螺着されている圧縮空気配管389a、389bがそれぞれに通じている。そして光センサ386が裏向きの部品Mを検知すると、空気噴出孔385a、385bから同時に空気が噴出されて裏向きの部品M は矢印のようにブロック支持板331上へ吹き飛ばされ排除される。
【0017】
選別ブロック382の下流には移送ブロック392が接続されているが、図21における[30]−[30]線方向の断面を示す図30を参照して、移送ブロック392は外周部をボルト392bでブロック支持板331に固定されており、設けられている斜面トラック394と内周壁397は上流の選別ブロック382における斜面トラック384と内周壁387に整合されている。なお、図21を参照してブロック支持板331へ排除された部品Mは下流側へ移送され、下流端部に設けたガイド板333に導かれてボウル321内に戻されるようになっている。また、上述したなかで、導出ブロック332、表裏矯正ブロック352は部品Mのサイズの種類に応じて交換される。
【0018】
移送ブロック392の下流端には部品Mを個送する直線振動パーツフィーダ400が接続されているが、これは実施例における直線振動パーツフィーダ200と基本的に同様であるので実施例において説明することとし、ここでの説明は省略する。
【0019】
従来例の部品整送装置20における捩り振動パーツフィーダ300は以上のように構成されるが、次にその作用について説明する。
【0020】
図21を参照し、ボウル321の底面322に収容されている部品Mは捩り振動を受けて周辺部へ移動されると共に矢印nで示す方向へ移送されて断面が浅皿状の曲面トラック324に乗る。曲面トラック324上において部品Mは表裏不定のまま多層、多列で移送されるが、図22を参照して、切欠き325に至り、2〜3列の部品Mを残して内周側の部品Mは落下しボウル321の底面322へ戻され、移送量の調整が行われる。
【0021】
切欠き325の直下流からは図23に示す斜面トラック326を移送されるが、内周壁327の高さを低くした低内周壁328 、328 、328 において積み重なっている部品Mは滑落して底面322へ戻されて部品Mの単層化がはかられる。また、周壁323に沿って設けられている長孔329 、329 において内周壁327に接して移送される部品Mはそのまま通過するが、2列〜3列で移送されて来た部品Mは落下し底面322へ戻され単列化がはかられる。
【0022】
次いで、部品Mは導出ブロック332を経てボウル321の外側へ導出されるが、図24を参照して、導出ブロック332の長孔339によって部品Mの1枚の幅に狭められている斜面トラック336を通過することにより部品Mは完全に単列化される。
【0023】
続いて部品Mは図25に示す斜面トラック346を移送されるが、部品Mの1枚の厚さに高さ調整されている長い内周壁プレート344に接して移送されることにより、多層の部品Mは滑落してブロック支持板331上へ排除され部品Mは完全に単層化される。
【0024】
部品Mは斜面トラック346の下流端部に設けられた図26のV溝348の斜面348bに傾倒して移送され、続く図27の表裏矯正ブロック352におけるVトラック358の斜面358bに傾倒し移送されるが、この間に光センサ356によって表裏の検知が行われる。すなわち、表向きの部品Mはそのまま通過するが、裏向きの部品Mが検知されると空気噴出孔355から瞬時的に空気が噴出されて、部品Mは斜面358aの方へ反転され表向きにされる。すなわち部品Mは斜面358aまたは斜面358bの何れかにおいて表向きとなって下流の合流ブロック362へ移送される。
【0025】
合流ブロック362においては部品Mは上流の斜面358a、または358bに続いて、図22の舟底トラック368の斜面368a、368bの何れかを表向きとなって移送されるが、下流端部において図28に示す合流面369へ集められ、移送ブロック372の斜面トラック374を経て図29の選別ブロック382へ移送される。
【0026】
選別ブロック382においては斜面トラック384を内周壁387に接して移送される部品Mの表裏が光センサ386によって監視されており、表向きの部品Mはそのまま通過するが、裏向きの部品Mが検知された場合には、空気噴出孔385a、385bから同時に瞬時的に空気が噴出されて、裏向きの部品Mは吹き飛ばされてブロック支持板331上へ排除される。ブロック支持板331上の部品Mは、その下流端部においてガイド板333に導かれてボウル321中へ戻される。
【0027】
選別ブロック382を通過した部品Mは図30の移送ブロック392における斜面トラック394を移送され、その下流端に接続されている直線振動パーツフィーダ400へ移行される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
従来の部品整送装置20は以上のように構成され作用するが、次に示すような難点を有している。すなわち、従来の部品整送装置20は1分間当り40枚の部品Mを整送する能力を持っているが、例えばこれを1分間当り80枚に向上させるべく、捩り振動の振幅を0.4mmから0.6mmに大きくした時、移送途中に表裏反転するものが生じるのである。表裏矯正ブロック352で表向きに整えたにもかかわらず下流の舟底トラック368、斜面トラック374で反転するものを生じて選別ブロック382で排除されるものが増大し、また、選別ブロック382で裏向きの部品Mを排除したにもかかわらず下流の斜面トラック394で反転されるものを生じるなど、目標とする整送能力の向上は達成し得なかった。
【0029】
従って本発明は、捩り振動の振幅を大きくして直線的で細長い板状の部品の移送量を向上させても次工程に供給されるまで部品が反転せず、移送能力の向上した部品整送装置を提供することを課題とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
以上の課題は、捩り振動パーツフィーダのボウルの底面から周壁に沿いスパイラル状に上昇して設けられたトラック上で直線的で細長い板状の部品の単層化、単列化と表裏の一定化とを行って排出する部品整送装置において、前記ボウルの外周側に取り付けた円形状の支持板を前記トラックの最上の周回部とし、前記部品の単層化手段、単列化手段、表裏の一定化手段が前記トラックの最上の周回部に設置されており、かつ前記単層化手段、前記単列化手段、前記表裏の一定化手段から排除される前記部品は、前記支持板を経由してガイド板にガイドされて前記ボウル内にある一周下の前記トラック部へ戻され、前記支持板の下流端から前記部品が、単層、単列で表向きで次工程へと供給されるようにし、且つ、それぞれ前記部品の単層化、単列化、及び表裏の一定化を行う単層化手段、単列化手段及び表裏の一定化手段はそれぞれ直線状の短い平面トラックを基体にして構成され、前記表裏の一定化手段は、前記部品の移送路に円弧形状に敷設され、断面を半円形状もしくは半楕円形状とした丸樋トラックに接続され、前記表裏の一定化手段で表とされた前記部品を前記丸樋を通って次工程に供給するようにし、前記丸樋トラック上を前記部品がその底面の四隅で四点接触して移送されるように、前記部品の幅と長さに対して前記丸樋トラックの前記円弧形状の半径と前記断面の前記半円形状ないしは半楕円形状の曲率半径とが設定されていることを特徴とする部品整送装置、によって達成される。
【0031】
【発明の実施の形態】
図面を使って本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図2は本発明の部品整送装置10の平面図であり、その主体となる捩り振動パーツフィーダ100において、部品Mの第1整列化ブロック52、第2整列化ブロック72、表裏矯正ブロック92はそれぞれ短い直線状の平面トラック54、74、94をベースにして構成され、これらの間や前後において円弧状に敷設される移送路は断面が半円形状の丸樋トラック44、64、84、114とされている。
【0033】
18は丸樋トラック114の断面を示し、部品Mは丸樋トラック114の中心線よりはやや外周側を移送されるが、その時、部品Mは底面の四隅で丸樋トラック114に四点接触する。なお、この丸樋トラック114の代わりに断面が半楕円形状のトラックとしてもよい。また、それらの曲率半径は主として整送する部品の幅に応じて設定される。また、図2の平面図で見て円弧状に敷設される丸樋トラック114の曲率半径は主として整送する部品の長さに応じて設定される。何れの曲率半径も整送する部品のサイズに応じて適宜されるものであり、一概には規定されない。それらの値は部品を円弧状に敷設されるトラックに対して四点接触させて移送させるように設定される。
【0036】
【実施例】
次に、本発明の部品整送装置について図面を参照して具体的に説明する。
【0037】
図2は部品Mについての実施例の部品整送装置10の平面図であり、捩り振動パーツフィーダ100と直線振動パーツフィーダ200とが組み合わされている。更に同様な捩り振動パーツフィーダ100’と直線振動パーツフィーダ200’との組み合わせからなる部品整送装置10’が示されているが、これらは捩り振動の方向が時計方向と反時計方向とになっている以外は全く同様に構成され作用するので、以降、一方の捩り振動パーツフィーダ100、直線振動パーツフィーダ200とからなる部品整送装置10についてのみ説明する。上記のほか、図2には付帯設備としての振動制御ボックス1、1’、光センサ用アンプ2と電磁弁ユニット3、およびコントローラ4が示されている。以下、捩り振動パーツフィーダ100について説明し、次いで直線振動パーツフィーダ200を説明する。
【0038】
捩り振動パーツフィーダ100は図2、および図2における[3]−[3]線方向の部分破断側面図である図3を参照して、部品Mを収容し整送するボウル21と、これに捩り振動を与える駆動部11とからなっている。駆動部11においては、図3に示すように、ボウル21の底板と一体的に固定されて可動コアを兼ねる可動ブロック12が等角度間隔に配置された傾斜板ばね13によって下方の固定ブロック14と連結されている。固定ブロック14上にはコイル15を巻装した電磁石16が可動ブロック12と僅かの間隙をあけ対向して設けられ、駆動部11の周囲は防音カバー17で覆われている。駆動部11はボウル21と共に防振ゴム18を介して基板19上に設置されており、基板19は防振ゴム8を介して架台9上に固定されている。そして、コイル15に交流が通電されることにより、図2で見てボウル21に時計方向の捩り振動を与え、ボウル21の底面22上の部品Mは矢印mで示す方向へ移送される。
【0039】
振動盆としてのボウル21においては、図2に示すように、部品Mを収容する底面22上に起点24sを有する平板トラック24がボウル21の周壁23の内面に沿いスパイラル状に上昇して設けられている。平板トラック24はボウル21の径外方へ向かってやや下向き傾斜に設けられており、部品Mは捩り振動によって配向され、周壁23に接し長さ方向へ移送される。
【0040】
平板トラック24の最上の周回部には平板トラック24の幅を狭める切欠き25が設けられており、過剰気味に幅一杯に移送される部品Mがある場合にこれを下方へ落下させる。平板トラック24の下流端には、短い直線状の導出ブロック32が設けられ、これに丸樋トラック44を設けたトラックブロック42が接続されており、部品Mはここからボウル21の外側を移送される。
【0041】
図4は導出ブロック32の近傍の拡大平面図である。図4における[5]−[5]線方向の断面図である図5も参照して、導出ブロック32はボウル21の周壁23の外面に固定したブロック支持板31にボルト32bで固定されており、断面が半円形の一部を欠落させた形状の導出トラック34が形成されている。そして、ボウル21の周壁23に接して平板トラック24を移送されてくる部品Mが導出トラック34の底部へ移行されるように位置合わせされている。
【0042】
また、図4における[6]−[6]線方向の断面図である図6も参照して、導出ブロック32の外周部の上面にノズル取付け部材33がボルト33bで固定されており、これに圧縮空気配管38が挿入され空気噴出ノズル39が取り出されて、下流のトラックブロック42における丸樋トラック44上へ向けられている。これは丸樋トラック44上において重なっている部品Mを切り離し、かつ早送りするためのものであり、常時空気が噴出されている。なお、トラックブロック42は下方からのボルト42bによってブロック支持板31に固定されている。図2における[7]−[7]線方向の断面を示す図7も参照して、丸樋トラック44は、外周部の上面に壁板43を取り付けたトラックブロック42のほぼ全長にわたって半円形状に形成されているが、図6に示すように、上流の導出トラック34との接続部分においては前述のように半円形の一部が欠落されている。
【0043】
なお、図7に示した丸樋トラック44の形状は後述する丸樋トラック64、84、114についても同様である。また、図7には前述した平板トラック24における切欠き25も示されている。そして部品Mは捩り振動による移送力のボウル21の径外方へ向かう成分によって、丸樋トラック44の中心線よりは外周側を移送され、かつ底面の四隅において四点接触して移送される。
【0044】
丸樋トラック44の下流端部には、下流の第1整送化ブロック52におけるL字トラック54と接続するために、底部が下方へ徐々に掘り込まれて斜面45aと斜面45bとからなる断面がV字形状のV溝45が形成されており、部品Mは主としてV溝45の斜面45bに傾倒して移送される。また、斜面45bの下流端部には部品Mが単列でのみ入り込み得る幅の浅溝46が形成されている。
【0045】
図8は第1整列化ブロック52の近傍の斜視図であり、図9は図8における[9]−[9]線方向の断面図、図10は同じく[10]−[10]線方向の断面図である。図9を参照して、上流のトラックブロック42に接続される第1整列化ブロック52にはボウル21の径外方へ向かって上向き傾斜角度45度で幅の広い斜面54bと、これに直角で狭幅の斜面54aとからなる断面がL字形状のL字トラック54が形成されており、部品Mは主として斜面54bに傾倒して移送される。なお、第1整列化ブロック52は外周部においてボルト52bでブロック支持板31に固定されている。
【0046】
L字トラック54の斜面54aは上流のV溝45の斜面45aと整列され、斜面54bはV溝45の斜面45bに設けた浅溝46の底面に整列されており、内周側の斜面54aの幅は図9においては部品Mの4枚が重なった厚さとされているが、直ちに破線で示すように、また図10に示すように2枚分の厚さとされている。この間、斜面54bは下流側へ向かって僅か上向き傾斜とされ下流端においては、上流のV溝45の斜面45bに対応する高さの面とされている。すなわち、第1整列化ブロック52を通過する間に、図8に示すように3層以上に積み重なった部分M は斜面54aで支持されないことから、ブロック支持板31上へ落下し排除される。
【0047】
図2へ戻り、第1整列化ブロック52の下流には円弧状に長いトラックブロック62が接続されており、ほぼその全長にわたって断面が半円形状の丸樋トラック64が形成され、図10に示すように、その外周部には壁板63が取り付けられている。また、上流の第1整列化ブロック52のL字トラック54との接続部分においては半円形状の一部を欠落させた形状とされている。そして第1整列化ブロック52の斜面54bに傾倒して移送される部品Mは丸樋トラック64の最低部よりは外周側へ移行されるように位置合わせされている。
【0048】
また、図8、図10を参照して、上流の第1整列化ブロック52の外周部の上面にはノズル取付け部材53がボルト53bで固定されており、これに圧縮空気配管58が挿入され空気噴出ノズル59が取り出されて、やや内周側から浅い角度で丸樋トラック64へ向けられている。これは丸樋トラック64上において重なり合っている部品Mを切り離し早送りするためのものであり、常時空気が噴出されている。
【0049】
図11は図2における[11]−[11]線方向の断面図であり、ブロック支持板31にボルト37bで取り付けられたガイド板37 を、その外周側のトラックブロック62と共に示す。すなわち、その部分においてボウル21の周壁23が欠落されており、排除されてブロック支持板31上を移送されてくる部品Mはガイド板37 に導かれてボウル21内の平板トラック24の最上の周回部へ戻されるようになっている。なお、ブロック支持板31は数箇所においてリブ31rで支えられている。
【0050】
図2へ戻り、丸樋トラック64の下流端部には、丸樋トラック44におけるV溝45と同様に、下流の第2整列化ブロック72のL字トラック74に接続するための斜面65aと斜面65bとからなるV溝65が形成されており、部品Mは主として、斜面65bに傾倒して移送される。また、斜面65bの下流端部には部品Mが単列でのみ入り込み得る浅溝66が形成されている。
【0051】
第2整列化ブロック72は、図2における[12]−[12]線方向の断面図である図12を参照して、外周部をブロック支持板31にボルト72bで固定されており、ボウル21の径外方へ向かって上向き傾斜角度45度で幅の広い斜面74bと、これに直角で狭幅の斜面74aとからなる断面がL字形状のL字トラック74が形成されている。そして部品Mは主として斜面74bに傾倒して移送される。なお、L字トラック74の斜面74aは上流のV溝65の斜面65aに整列され、斜面74bは斜面65bに設けた浅溝66の底面に整列されている。
【0052】
内周側の斜面74aは図12においては部品Mの4枚分の厚さに相当する幅とされているが、L字トラック74の両端部を除く中流部分では破線で示すように部品Mの1枚分の厚さに低くされている。従って第2整列化ブロック72を通過する間に、2層に重なった部品Mのうち上層の部品Mは斜面74aによって支持されず内周側のブロック支持板31上へ落下して排除され、部品Mは単層化される。
【0053】
また、図12に示すように上流側のトラックブロック62aの下流端部にノズル取付け部材63がボルト63bで固定されており、これに圧縮空気配管68が挿入され空気噴出ノズル69が取り出され、第2整送化ブロック72の上流端部において斜面74aに傾倒する部品Mがある場合に、これを下方からの噴出空気によって斜面74bへ反転させるようになっており、常時空気が噴出されている。
【0054】
更には図2における[13]−[13]線方向の断面を示す図13を参照して、第2整列化ブロック72の下流端においては、斜面74aは幅をやや大にして移送を安定化させると共に、斜面74bは上流のV溝65の斜面65bに対応する高さとされている。すなわち、斜面74bは上流端から下流側へ向かって僅か上向き傾斜とされると共に、下流側への上向き傾斜の度合を若干強めた斜面74b’を設けて、斜面74bを移送面とする溝が形成されており、部品Mが単列で移送される。
【0055】
また更には図2へ戻り、第2整列化ブロック72の下流には円弧状に長いトラックブロック82が接続されており、断面が半円形状の丸樋トラック84が形成されているが、図13に示すように第2整列化ブロック72との接続部分では半円形状の一部を欠いた形状とされている。そして、第2整列化ブロック72の斜面74bに傾倒して移送される部品Mは丸樋トラック84の最低部よりは外周側へ落ちるように位置合わせし、下方への小さい段差を付して配設されている。
【0056】
また、上流の第2整列化ブロック72の外周側中央の上面にはノズル取付け部材73がボルト73bで固定されており、これに圧縮空気配管78が挿入され空気噴出ノズル79が取り出されており、やや内周側から丸樋トラック84へ向けられている。これは丸樋トラック84において混み合っている部品Mを切り離し早送りするためのものであり、空気が常時噴出されている。このようにして丸樋トラック84においては部品Mは単層、単列となって移送される。
【0057】
図2へ戻り、丸樋トラック84の下流端部には、丸樋トラック44におけるV溝45と同様に、斜面85aと斜面85bとからなるV溝85が形成されており、部品Mは主として斜面85bに傾倒して移送される。
【0058】
トラックブロック82の下流端に表裏矯正ブロック92が接続されているが、図14は表裏矯正ブロック92の近傍の拡大平面図である。図14における[15]−[15]線方向の断面図である図15、同じく[16]−[16]線方向の断面図である図16を参照して、表裏矯正ブロック92には断面がV字形状で開き角度90度の斜面94aと斜面94bとからなるV字トラック94が形成されており、その外周部がボルト92bでブロック支持板31に固定されている。表裏矯正ブロック92は表裏不定で移送されてくる部品Mの表向きに整える箇所であり、部品Mの表裏を検知するための光センサ101と、部品Mが裏向きである場合にこれを反転させて表向きとするための空気噴出孔96が設けられている。
【0059】
図16に示すように、ブロック支持板31の下面にボルト102bで取り付けたセンサ用ブラケット102に光センサ101が螺着固定され、ブロック支持板31と選別ブロック92とを通じて設けた穴95内へ挿入されている。光センサ101は斜面94bの下端部に開口させた光路孔103上を通過する部品Mからの反射光によってその表裏を検知する。すなわち、光センサ101は従来例で使用した光センサ356と同様なタイプのものであり、発光素子と受光素子とを内蔵し、部品Mのセラミック基板S の白色面と、カーボン厚膜S の黒色面とからの反射強度の差から部品Mの表裏を検知する。なお、光センサ101に付着するゴミを除去するために、選別ブロック92の外周側から圧縮空気配管108が挿入螺着され、選別ブロック92内に設けた孔107を経由して光センサ101の先端へ空気を吹き付けるようになっている。
【0060】
また、図15に示すように、選別ブロック92の外周側から選別ブロック92内に設けた空気穴97へ通じるように圧縮空気配管98が挿入されており、空気穴97から斜面94bに開口させて2個の空気噴出孔96が設けられている。そして、光センサ101が裏向きの部品Mを検知した時に圧縮空気配管98に設けた図示しない電磁弁が瞬時的に開かれて空気噴出孔96から空気が噴出され、当該裏向きの部品Mは斜面94aへ反転されて表向きとなり移送される。
【0061】
図2へ戻り、表裏矯正ブロック92の下流には比較的短いトラックブロック112が接続されており、断面が半円形状の丸樋トラック114が形成されている。なお、図14および図14における[17]−[17]線方向の断面図である図17に示すように、トラックブロック112は上流のV字トラック94との接続部分において半円形状の一部を欠落させた形状とされており、かつ外周部の高さを削って、上流のV字トラック94の斜面94bに整合させた斜面を有するガイド部材115が選別ブロック92の下流端に接して取り付けられており、ボルト115bでトラックブロック112の外周部に固定されている。すなわち、部品Mの後端が光センサ101の光路孔103上を通過するまでは表裏矯正ブロック92上における姿勢を保持するように設けられている。
【0062】
更には、上流の表裏矯正ブロック92の外周部中央の上面にノズル取り付け部材93が固定されており、これに圧縮空気配管118が挿入され、空気噴出ノズル119が取り出されており、常時噴出される空気はガイド部材115に向けられている。この噴出空気により、ガイド部材115に沿って移送される斜面94a側、斜面94b側の何れの部品Mも途中で反転することが防がれる。
【0063】
なお、ブロック支持板31には図11のガイド板37 と同様なガイド板37 がトラックブロック112に近接して設けられており、ブロック支持板31へ落下した部品Mはボウル21内の平板トラック24へ戻される。
【0064】
捩り振動パーツフィーダ100の最下流のトラックブロック112に直線振動パーツフィーダ200が接続されているが、図2における[18]−[18]線方向の断面図である図18を参照して、トラックブロック112の内周部の上面にノズル取付け部材113がボルト113bで固定されており、これに圧縮空気配管128が挿入され空気噴出ノズル129が取り出されて、直線振動パーツフィーダ200におけるトラフ221へ向けられている。これはトラフ221上へ移行された部品Mの早送りと重なり防止のためのものであり、常時空気が噴出されている。
【0065】
直線振動パーツフィーダ200は図3を参照して、部品Mを単層、単列で移送する下流側へ向かって若干下向き傾斜のトラフ221と、これに直線振動を与える駆動部211とからなっている。
【0066】
駆動部211においては、トラフ221を設けたトラフブロック222と一体的な可動ブロック212が前後一対の傾斜板ばね213によって下方の固定ブロック214と連結されている。固定ブロック214上にはコイル215を巻装した電磁石216が固定されており、可動ブロック212から垂下されている可動コア212cと僅かの間隙をあけ対向して設けられている。固定ブロック214と一体的な固定ブロック217は前後一対の防振板ばね218を介してベースブロック219に取付られ、そしてベースブロック219は基板19に固定した架台208上に設置されている。そしてコイル215に交流が通電されることにより、トラフ221に矢印pで示す方向の直線振動を与える。
【0067】
トラフ221は、その平面図である図19、および図19における[20]−[20]線方向の断面図である図20、更には図18も参照して、トラフブロック222を掘り込んで溝形状に形成されており、その移送面は下流側へ向かって下向き傾斜角度3度とし、ボウル21側へ向かって下向き傾斜角度15度の傾斜が与えられている。またトラフ221の幅は上流部においては図18に示すように、捩り振動パーツフィーダ100からの移行を容易にするべくトラフブロック222に設けた側壁223bとトラフブロック222に取り付けた壁板223bとによって部品Mが2枚以上並ぶ幅とされているが、中流部以降では図20に示すように部品Mが単列でのみ移送される幅とし、かつ、その両側壁221a、221bは部品Mの1枚の厚さに相当する高さとされ、積み重なっている部品Mがボウル21側へ滑落し易くされている。
【0068】
トラフ221の中流部においては、図20に示すようにトラフブロック222の側面から上方へ向けて挿入穴227が穿設され、ブラケット224に螺着した光センサ226が挿入固定されており、挿入穴227からトラフ221の移送面に開口させて光路孔225が設けられている。光センサ226は前述の表裏矯正ブロック92における光センサ101と同様のタイプのものであり、光路孔225上を通過する部品Mの表裏を監視している。また、光センサ226によって裏向きの部品Mが検知された場合に、これを排除するための圧縮空気配管228がブラケット224へ挿入螺着されて光センサ226の挿入穴227へ通じており、瞬時的に空気を噴出する。すなわち、光路孔225が空気噴出に兼用されている。また、この空気噴出によって光センサ226のゴミも除去される。
【0069】
また、光センサ226の下流側において、ブラケット224の側面にノズル取付け部材232が固定されており、これに圧縮空気配管233が挿入され空気噴出ノズル231が取り出され、また、その下流側において、トラフブロック222の側面にノズル取付部材235が固定されており、これに圧縮空気配管236が挿入され空気噴出ノズル234が取り出されている。空気噴出ノズル231、234は何れもトラフ221に対して直角に向けられて、トラフ221を積み重なって移送される部品Mがある場合にこれを吹き飛ばして排除するために設けられている。なお、空気噴出ノズル231は裏向きの部品Mを排除する場合の補助空気としても働く。排除された部品Mは受け板238から還流板208上へ落下し、図7に示すボウル21の周壁23の開口28からボウル21内へ戻される。トラフ221の下流側部に設けられている部材239は必要な場合にトラフカバーを取り付けるためのものである。
【0070】
本発明の実施例による部品整送装置10は以上のように構成されるが、次にその作用を説明する。
【0071】
図2において、ボウル21の底面22に収容されている部品Mは捩り振動を受けて周辺部へ移動されると共に矢印mで示す方向へ移送され、起点24sから平板トラック24へ乗る。平板トラック24上を移送される間に部品Mが過剰気味である場合には、これらは切欠き25から落下して適量化される。部品Mは平板トラック24上を最上の周回部まで上昇され、図4、図5に示す導出ブロック32を経てボウル21の外側に敷設されたトラックブロック42の丸樋トラック44を移送される。部品Mは捩り振動の移送力のボウル21の径外方へ向かう成分によって丸溝トラック44の中心線、すなわち丸溝トラック44の最底部よりは外周側を移送される。この時点で部品Mは表裏不定のまま多層、多列となっており、図4、図6に示す空気噴出ノズル39からの噴出空気によって込み合っている部品Mは切り離され、移送が助けられる。
【0072】
丸樋トラック44の下流端部に至り、部品Mは主としてV溝45の斜面45bに傾倒して移送され単列で入り得る浅溝46を経て第1整列化ブロック52のL字トラック54へ送り込まれ、主としてその斜面54bに傾倒して移送される。図9に示すように斜面54aの幅は上流端部ではやや広いが、直下流から破線でで示す部品Mの2枚の厚さに相当する幅とされているので、積み重なって3層以上にある部品Mは斜面54aで支持され得ず、ブロック支持板31上へ落下し排除される。すなわち、第1整列化ブロック52を通過することにより、部品Mは最大2層の重なりで単列ないしは複列程度に粗く整列化される。なお、ブロック支持板31へ落下した部品Mは図11に示すガイド板37 に導かれてボウル21内の平板トラック24の最上部の周回へ戻される。
【0073】
第1整列化ブロック52を通過した部品Mは続くトラックブロック62の丸樋トラック64を移送される。この移行時、図10に示す空気噴出ノズル59から噴出される空気によって込み合っている部品Mがあれば切り離されて、かつ移送が助けられる。
【0074】
丸樋トラック64の下流端部に至り、部品Mは主としてV溝65の斜面65bに傾倒して移送されるが、更に斜面65bに設けられた単列でのみ部品Mが移送され得る浅溝66を経て第2整列化ブロック72のL字トラック74へ送り込まれる。
【0075】
図12、図13を参照してL字トラック74の斜面74bは部品Mを単列でのみ移送し得るように形成された溝の底面とされていることから、2列であった部品Mの中には斜面74aへ傾倒しするものを生ずるが、空気噴出ノズル69から噴出される空気によってこれらは吹き起こされ斜面74bへ反転される。また、斜面74aの幅は上流端ではやや広いが直下流から破線で示すように削られ、部品Mの1枚の厚さに相当する幅とされているので、2層以上に積み重なっている部品Mは斜面74aで支持され得ずに、ブロック支持板31上へ落下して排除される。すなわち、部品Mは第2整列化ブロック72を通過することにより、完全に単層化され、単列化される。
【0076】
第2整列化ブロック72を通過した部品Mはトラックブロック82の丸樋トラック84へ移送されるが、この時、部品Mは空気噴出ノズル79からの噴出空気によって込み合っているものは切り離されると共に移送が助けられる。
【0077】
部品Mは丸樋トラック84を単層、単列状態で移送されて下流端部に至り、V溝85の斜面85bに傾倒して移送され、図14の表裏矯正ブロック92におけるV字トラック94の斜面94bへ送り込まれる。図16に示すように部品Mは斜面94bに開口する光路孔103上を通過する時に、下方の光センサ101によって反射光の強度の大きさから部品Mの表裏が検知される。光センサ101が裏向きの部品Mを検知した時には斜面94bに設けた2個の空気噴出孔96から空気が瞬時的に噴出されて裏向きの部品Mは斜面94a側へ反転されて表向きとなり移送される。すなわち部品Mは表裏矯正ブロック92を通過することにより斜面94a、または斜面94bの何れかで表向きに傾倒されて下流側へ移送される。
【0078】
表裏矯正ブロック92を通過した部品Mはトラックブロック112に取り付けられているガイド部材115に当接して、すなわち斜面94bからの部品Mは裏面で当接し、斜面94aからの部品Mは側面で当接されて移送されるが、この間、空気噴出ノズル119から噴出される空気によって部品Mは反転を抑制され姿勢を変えることなく移送される。そして部品Mの後端が光路孔103上を通過した時点で、小さい段差を経て丸樋トラック114へ移行される。上述したように表裏矯正ブロック92の下流に接続する円弧状のトラックブロック112は他の円弧状のトラックブロック42、62、82よりも短く設定していること、またトラックブロック112には断面が半円形状の丸樋トラック114が形成されているので、部品Mは丸樋トラック114の移送面に四点接触して安定に移送されることから表裏矯正ブロック92で表向きに整えられた後には表裏の反転を発生することなく直線振動パーツフィーダ200へ送り込まれる。
【0079】
直線振動パーツフィーダ200においては、上流の丸樋トラック114からの部品Mはトラフ221の幅広の上流部へ移行される。この箇所に向けて、上流のトラックブロック112に設けられた空気噴出ノズル128から空気が噴出されているので、部品Mは重なりを生ずることなく滑らかに部品Mの単列の幅とされたトラフ221の中流部へ送り込まれる。中流部においては図20に示すようにトラフ221の移送面に開口させた光路孔225上を通過する部品Mの表裏を光センサ226が監視しており、裏向きの部品Mが検知されると圧縮空気配管228から瞬時的に空気が吹き込まれ光路孔225から噴出され空気噴出ノズル131からの空気にも補助されて裏向きの部品Mは受け板238へ排除される。
【0080】
また、トラフ221内を積み重なって移送されてくる部品Mがある場合、トラフ221の側壁221aが部品Mの1枚と同程度の高さとされている上、図19、図20に示す空気噴出ノズル231、234からの空気が側方から噴出されているので容易に吹き飛ばされ、受け板238の方へ排除される。このようにして直線振動パーツフィーダ200のトラフ221の下流端からは単層、単列で表向きに整えられた部品Mが排出される。受け板238へ排除された部品Mは還流板208を経て捩り振動パーツフィーダ100のボウル21内の平板トラック24上へ戻される。
【0081】
なお、本発明の実施の形態においては、第1整列化ブロック52と第2整列化ブロック72とのそれぞれにおいて部品Mの単層化と単列化とを同時に行なうようにしたが、単層化と単列化を独立して行なうようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明は以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0084】
表裏の一定化手段の下流端に接続される円弧状のトラックは断面を半円形状ないしは半楕円形状とすることにより、直線的で細長い板状の部品は移送面に四点接触して安定に移送され、表裏を整えた後は、高速で移送させたとしても部品が表裏を反転されるようなことは発生せず、従って反転した部品をボウル内へ戻すことは必要としなくなり、整送効率が大幅に向上される。更に、最上の周回部であるトラック部からガイド板により一周下のトラック部に単層化手段、単列化手段、表裏一定化手段から排除された部品が戻されるので更に整送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における整送対象の部品の斜視図であり、Aは表面、Bは裏面を表す。
【図2】実施例の部品整送装置の平面図である。
【図3】図2における[3]−[3]線方向の部分破断側面図である。
【図4】導出ブロック近傍の拡大平面図である。
【図5】図4における[5]−[5]線方向の断面図である。
【図6】図4における[6]−[6]線方向の断面図である。
【図7】図2における[7]−[7]線方向の断面図である。
【図8】第1整列化ブロック近傍の拡大斜視図である。
【図9】図8における[9]−[9]線方向の断面図である。
【図10】図8における[10]−[10]線方向の断面図である。
【図11】図2における[11]−[11]線方向の断面図である。
【図12】図2における[12]−[12]線方向の断面図である。
【図13】図2における[13]−[13]線方向の断面図である。
【図14】表裏矯正ブロック近傍の拡大平面図である。
【図15】図14における[15]−[15]線方向の断面図である。
【図16】図14における[16]−[16]線方向の断面図である。
【図17】図14における[17]−[17]線方向の断面図である。
【図18】図2における[18]−[18]線方向の断面図である。
【図19】直線振動パーツフィーダの平面図である。
【図20】図19における[20]−[20]線方向の断面図である。
【図21】従来例の部品整送装置の平面図である。
【図22】図21における[22]−[22]線方向の断面図である。
【図23】図21における[23]−[23]線方向の断面図である。
【図24】図21における[24]−[24]線方向の断面図である。
【図25】図21における[25]−[25]線方向の断面図である。
【図26】図21における[26]−[26]線方向の断面図である。
【図27】図21における[27]−[27]線方向の断面図である。
【図28】図21における[28]−[28]線方向の断面図である。
【図29】図21における[29]−[29]線方向の断面図である。
【図30】図21における[30]−[30]線方向の断面図である。
【符号の説明】
10 実施例の部品整送装置
11 駆動部
21 ボウル
22 底面
24 平板トラック
31 ブロック支持板
32 導出ブロック
37 ガイド板
37 ガイド板
39 空気噴出ノズル
42 トラックブロック
44 丸樋トラック
52 第1整列化トラック
54 L字トラック
54a 斜面
54b 斜面
59 空気噴出ノズル
62 トラックブロック
64 丸樋トラック
69 空気噴出ノズル
72 第2整列化ブロック
74 L字トラック
74a 斜面
74b 斜面
79 空気噴出ノズル
82 トラックブロック
84 丸樋トラック
92 表裏矯正ブロック
94 V字トラック
94a 斜面
94b 斜面
100 捩り振動パーツフィーダ
101 光センサ
103 光路孔
112 トラックブロック
114 丸樋トラック
119 空気噴出ノズル
129 空気噴出ノズル
200 直線振動パーツフィーダ
208 還流板
211 駆動部
221 トラフ
221a 側壁
221b 側壁
225 光路孔
226 光センサ
231 空気噴出ノズル
234 空気噴出ノズル
238 受け板
M 部品

Claims (2)

  1. 捩り振動パーツフィーダのボウルの底面から周壁に沿いスパイラル状に上昇して設けられたトラック上で直線的で細長い板状の部品の単層化、単列化と表裏の一定化とを行って排出する部品整送装置において、前記ボウルの外周側に取り付けた円形状の支持板を前記トラックの最上の周回部とし、前記部品の単層化手段、単列化手段、表裏の一定化手段が前記トラックの最上の周回部に設置されており、かつ前記単層化手段、前記単列化手段、前記表裏の一定化手段から排除される前記部品は、前記支持板を経由してガイド板にガイドされて前記ボウル内にある一周下の前記トラック部へ戻され、前記支持板の下流端から前記部品が、単層、単列で表向きで次工程へと供給されるようにし、且つ、それぞれ前記部品の単層化、単列化、及び表裏の一定化を行う単層化手段、単列化手段及び表裏の一定化手段はそれぞれ直線状の短い平面トラックを基体にして構成され、前記表裏の一定化手段は、前記部品の移送路に円弧形状に敷設され、断面を半円形状もしくは半楕円形状とした丸樋トラックに接続され、前記表裏の一定化手段で表とされた前記部品を前記丸樋を通って次工程に供給するようにし、前記丸樋トラック上を前記部品がその底面の四隅で四点接触して移送されるように、前記部品の幅と長さに対して前記丸樋トラックの前記円弧形状の半径と前記断面の前記半円形状ないしは半楕円形状の曲率半径とが設定されていることを特徴とする部品整送装置。
  2. 前記部品はチップ抵抗体であることを特徴とする請求項1に記載の部品整送装置。
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