JP3612361B2 - 感熱孔版原紙へのデータ記録方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、感熱孔版原紙をドット状発熱部で加熱開孔してデータを記録する方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感熱製版装置のデータ記録装置として、主走査方向に所定の間隔を隔てて複数のドット状発熱部を配置したサーマルヘッドと、上記発熱部に対向するプラテンローラとを備え、例えばポリエステル系樹脂からなる二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムのみ、あるいは、上記フィルムに不織布や和紙等の多孔質性支持体を貼り合わせたものからなる感熱孔版原紙(以下「原紙」という。)を上記プラテンローラで発熱部に押し付け、原紙を上記主走査方向と直交する副走査方向に移動させながら発熱部を選択的に発熱させることにより、上記フィルムを加熱開孔してデータを記録するものが知られている。
【0003】
上記原紙に加熱開孔してデータを記録する場合、原紙に形成された孔が大きいと、これらの孔を通じて印刷用紙に付着するインクのドット径が大きくなり、これらのドットがつながって画質の低下を招くことになる。したがって、原紙に形成された孔は、その径が最適の大きさで、かつ個々に独立していることが望ましい。
【0004】
ところで、一般に熱可塑性樹脂フィルムの製造工程では、その延伸工程の最後で熱処理が加えられている。この熱処理は、延伸された後の歪みの原因となる熱収縮力をフィルムから除去するために行われるが、上記原紙に使用されるフィルムについては熱処理の時間やその加熱量等を調整して、フィルムに熱収縮力をある程度残存させているものが多い(特公平6−45267号公報参照)。これは、発熱部による熱で溶融した部分が速やかに開孔するように内部応力を残しておくためである。その一方で、残存する熱収縮力が強すぎると、フィルムに形成される孔が拡大して隣り合う孔とつながってしまい、上記不都合を生じることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記不都合に対処するために、従来より、フィルムの熱収縮率を微妙に設定して孔拡大を抑えたり、また、上記サーマルヘッドの発熱部の大きさを更に微細なものにすることで開孔を小さくしたりして、孔が連続するのを防止する工夫がなされてきた。
しかしながら、孔拡大を抑えるための熱収縮率の設定は、フィルムの穿孔感度すなわち開孔のしやすさを犠牲にするもので、開孔率の低下につながるという問題がある。また、上記発熱部を更に微細なものにすると、サーマルヘッドの熱効率が低下してやはり開孔率の低下を招くとともに、発熱部に熱が集中することによってサーマルヘッドの寿命が短くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、フィルムの穿孔感度の低下やサーマルヘッドの短寿命化を招くことなく、簡易な構成で感熱孔版原紙に完全に独立した開孔を形成できる感熱孔版原紙のデータ記録方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの観察によると、図7に示すように、フィルムに形成された開孔の連続は主として副走査方向すなわち原紙の移動方向に生じていることが判明している。その理由については本出願人による特願平5−116962号明細書で明らかにされているが、サーマルヘッドの発熱部への通電を停止した後も発熱部はしばらくはフィルム溶融点以上の温度を保っているために、原紙の移動との関係で副走査方向には発熱部の長さ以上の開孔が形成され、次の開孔領域にかかってしまうことなどによって発生するものである。したがって、副走査方向への孔の連続を防止して完全に独立した開孔を形成するためには、副走査方向への孔拡大を抑えることが重要となる。
【0008】
そのため、本発明者らはいかにして副走査方向の孔拡大を抑えるかについて鋭意研究した結果、次の2つの点を見い出した。
第1に、上記原紙のフィルムの一部領域を溶解温度以下で予備加熱すると、その部分が熱処理されて高結晶化することにより熱収縮力が減少し、発熱部で加熱しても穿孔しにくくなる。そこで、副走査方向に隣り合う開孔と開孔との境界部分を溶解温度以下で予備加熱しておくと、その部分のフィルム結晶性が高まって孔拡大ストッパの役割を果たす。
第2に、発熱部による1度の加熱によって適当な大きさの開孔を得ようとすると、いきおい開孔の副走査方向への拡大を生じて孔が連続してしまう。そこで、2つの発熱部を用いてフィルムへの開孔と、その開孔の拡大・整形を段階的に行うようにすれば、それぞれに独立した最適な大きさの開孔を得られる。
【0009】
本発明は上記知見に基づいてなされたもので、第1発明の感熱孔版原紙へのデータ記録方法は、主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を2列配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、副走査方向上流側の第1列の発熱部により上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に、上記原紙が開孔しない温度範囲で熱処理を施し、第2列の発熱部により上記熱処理部に隣接する被開孔部を開孔するものである。また、上記データ記録方法は、原紙の加熱繰り返しピッチをP、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチをS1、整数をnとしたときに、S1=P(n+0.5)の関係を満たすデータ記録装置によって実現される。
【0010】
また、第2発明の感熱孔版原紙へのデータ記録方法は、主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を2列配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、副走査方向上流側の第1列の発熱部により上記原紙を開孔し、第2列の発熱部により上記開孔を再加熱して整形するものである。
さらに、上記第2発明のデータ記録方法は、原紙の加熱繰り返しピッチをP、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチをS2、整数をnとしたときに、S2=nPの関係を満たすデータ記録装置によって実現される。
【0011】
また、第3発明の感熱孔版原紙へのデータ記録装置は、第1発明と第2発明にかかる各データ記録装置の特徴を併せて備えたもので、主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、上記発熱部を選択的に発熱させて感熱孔版原紙を開孔する感熱孔版原紙へのデータ記録装置において、上記発熱部を3列に配置するとともに、上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に、上記原紙が開孔しない温度範囲で熱処理を施す副走査方向上流側の第1列の発熱部と、この熱処理後に上記熱処理部に隣接する被開孔部を開孔する第2列の発熱部と、上記開孔を再加熱して整形する第3列の発熱部とで構成し、
上記原紙の加熱繰り返しピッチをP、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチをS1、第2列の発熱部と第3列の発熱部の中心間ピッチをS2、整数をnとしたときに、S1=P(n+0.5)、S2=nPの関係を満たすことを特徴とする。
【0012】
ここで、上記原紙には、例えばポリエステル系樹脂からなる延伸された熱可塑性樹脂フィルムのみ、あるいは、上記フィルムに不織布や和紙等の多孔質性支持体を貼り合わせたものの両方が含まれ、本発明による原紙への熱処理および開孔は上記フィルムに対して行われる。また、上記原紙の加熱繰り返しピッチとは、独立した開孔を副走査方向に連続して形成したときに隣接する2つの開孔の中心間ピッチをいう。さらに、整数である上記nは1または2とするのが好ましい。なお、上記各列の発熱部に対する原紙の移動は、連続移動または間欠移動のいずれでもよい。
【0013】
【作用】
上記第1発明によると、主走査方向に複数のドット状発熱部が2列配置されており、これら第1列の発熱部と第2列の発熱部が上記原紙に製版すべき画像データに応じて選択的に発熱する。ただし、副走査方向上流側の第1列の発熱部の発熱時の温度は、上記原紙を開孔するまでには至らない範囲に設定されるのに対して、第2列の発熱部は上記原紙を開孔し得る溶解温度以上に達する。上記原紙は、各列の発熱部と接触しながら副走査方向に移動する。このとき、上記第1列の発熱部は、上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に接触して発熱する。これは、原紙の加熱繰り返しピッチP、および、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチS1が、上記nを1としたときに、S1=1.5Pなる関係を満たすように各列の発熱部が配置されていることによる。第1列の発熱部と接触して熱処理された熱処理部はフィルム結晶性が高まり、熱収縮力が減少して穿孔感度が低下する。上記第2列の発熱部は、上記熱処理部に隣接する被開孔部に接触して開孔するが、過度の加熱や熱収縮力等に起因して上記開孔が副走査方向に拡大しようとしても上記熱処理部の存在によってくい止めるられる。したがって、副走査方向に開孔が連続することがなく、上記原紙に完全に独立した開孔が形成される。
【0014】
上記第2発明でも同様に、主走査方向に複数のドット状発熱部が2列配置されているが、発熱したときの温度は第1発明とは逆に、副走査方向上流側の第1列の発熱部が上記原紙を開孔し得る溶解温度以上になり、第2列の発熱部が開孔するまでには至らない範囲に設定される。また、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチS2は、上記nを1としたときに、原紙の加熱繰り返しピッチPと等しく設定され、S2=Pなる関係を満たしている。副走査方向に移動してきた原紙は第1列の発熱部に接触して開孔されるが、この開孔の大きさは隣接する開孔と連続しない最適な大きさに形成されてもよいし、それよりも小さめに形成されてもよい。
続いて、上記開孔は原紙の移動に従って第2列の発熱部と接触して再加熱される。ここで、上記開孔が最適な大きさよりも小さく形成されている場合、上記開孔縁部が溶融しないまでも再加熱によって軟化するために、開孔周囲に残留する内部応力により開孔が放射方向に拡がって整形される。上記開孔が拡がり開孔縁部に対する第2列の発熱部の加熱効果が小さくなるにつれて、開孔縁部の温度が低下して再び硬化し、周囲の内部応力との均衡を保って開孔の拡大が停止する。これにより、上記開孔は、他の開孔と副走査方向に連続することがない最適な大きさに整形され、開孔率が上がる。なお、第2列の個々の発熱部の長さおよびその発熱量は、第1列の発熱部で既に最適な大きさに形成された開孔を更に拡大することがない範囲に設定されるのが好ましい。
【0015】
上記第3発明では、第1発明と第2発明とを併せた工程によって原紙への開孔形成が行われる。すなわち、主走査方向に複数のドット状発熱部が3列に配置されており、副走査方向上流側の第1列の発熱部が被開孔部間の境界部分に熱処理をし、第2列の発熱部が開孔し、第3列の発熱部が開孔を拡大・整形する。したがって、本発明によれば、副走査方向について完全に独立し、かつ最適な大きさの開孔がより確実に形成される。
【0016】
【実施例】
まず、第1発明の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は感熱製版装置において、感熱孔版原紙を溶融開孔してデータを記録する記録装置であるサーマルヘッドの部分拡大平面図である。このサーマルヘッド1においてドット状の主発熱部であるメインヒータHMは主走査方向に沿って所定ピッチPをもって配置されている。また、ドット状の副発熱部であるサブヒータHS1は、上記主走査方向に直交する副走査方向に関してメインヒータHMの上流側に配置されるとともに、主走査方向に沿って上記メインヒータHMと同一ピッチPをもってそれぞれ配置されている。
【0017】
上記サブヒータHS1は、主走査方向の幅WがメインヒータHMと同一で、副走査方向の長さLS1がメインヒータHMの長さLMよりも短くしてある。また、メインヒータHMとサブヒータHS1の中心間ピッチS1は、各ヒータHM、HS1による原紙の加熱繰り返しピッチをメインヒータHM等の主走査方向ピッチと同一のP、整数をnとした場合に、S1=P(n+0.5)の関係を満たすように配置されており、図1ではnを1とした場合、すなわち、S1=1.5Pの場合を示してある。
ここで、上記各寸法の具体例としては、メインヒータHMおよびサブヒータHS1の主走査方向ピッチPを63.5μm、メインヒータHMとサブヒータHS1の中心間ピッチS1を95.25μm、メインヒータHMとサブヒータHS1の主走査方向の幅Wを30μm、メインヒータHMの副走査方向の長さLMを40μm、サブヒータHS1の副走査方向の長さLS1を10μmとするのが適当である。
【0018】
図2はサーマルヘッド1の副走査方向の拡大断面図で、非導電性基板2の上には、薄膜金属からなる所定長さの発熱抵抗体層3、アルミニウムからなる電極層4、保護膜層5が順次積層され、電極層4の一部をエッチングにより除去して上記メインヒータHMとサブヒータHS1が形成されており、上記電極層4を構成する電極41,42,43のうち電極41が電源に接続され、電極43が図示しないドライバに接続されている。このサーマルヘッド1に接するようにプラテンローラ6が矢印a方向に回転可能に配置されており、プラテンローラ6の外周面には副走査方向に沿って原紙7が通紙される。この原紙7は、サーマルヘッド1側に位置する熱可塑性樹脂フィルム71とプラテンローラ6側に位置する多孔質性繊維シート72とからなり、これらフィルム71と繊維シート72は接着剤等で一体的に貼着されている。
【0019】
上記構成からなるサーマルヘッド1を有する感熱製版装置の製版動作について説明する。
上記メインヒータHMおよびサブヒータHS1は原紙7に製版すべき画像データに応じて電流が通電されて選択的に発熱するが、図1のグラフに示すように、メインヒータHMの発熱温度T1は上記フィルム71の溶解温度T0以上に達するのに対して、サブヒータHS1の発熱温度T2は原紙7が開孔しない温度範囲である溶解温度T0以下に設定されている。
【0020】
上記原紙7は、サーマルヘッド1と接触しながらプラテンローラ6の回転にしたがって副走査方向に移動し、図2に示すように、発熱するメインヒータHMと接触した原紙7の被開孔部73が溶融開孔される。このとき、メインヒータHMと略同時に温度T2に発熱しているサブヒータHS1は、図3(a)に示すように、上記被開孔部73から副走査方向上流側に中心間距離S1=1.5Pだけ離れた原紙上の位置に接触して、開孔までには至らない熱処理部74を形成する。この熱処理部74は、図3(c)に示すように、後にメインヒータHMによって開孔される副走査方向に隣り合った被開孔部75,77間の境界部分に位置する。また、上記熱処理部74は熱処理によってフィルムが高結晶化し、熱収縮力が減少して穿孔感度が低下しているために、副走査方向への開孔拡大ストッパの役割を果たすことになる。
【0021】
続いて、原紙7が副走査方向に加熱繰り返しピッチPだけ移動したときにメインヒータHMおよびサブヒータHS1が再び発熱する。このとき、図3(b)に示すように、メインヒータHMにより上記熱処理部74に隣接する被開孔部75が溶融開孔されが、熱処理部74によって被開孔部75の副走査方向上流側への拡大がくい止められる。また、被開孔部75の開孔と同時に、サブヒータHS1によって熱処理部76が形成される。
その後も同様に、原紙7が加熱繰り返しピッチPだけ移動したときに、図3(c)に示す被開孔部77および熱処理部78が形成される。この被開孔部77は、上記熱処理部74によって副走査方向下流側への拡大がくい止められ、上記被開孔部75と連続することはない。
このように、熱処理部の存在によって副走査方向に隣り合う被開孔部間の連続を防止することができるので、図4に示すように、原紙にマトリックス状に被開孔部を形成した場合にも、それぞれが完全に独立した開孔を得ることができる。
【0022】
次に、第2発明の実施例について図5を参照して説明するが、特記する事項以外は上記実施例と同じであるため説明を省略する。
本実施例のサーマルヘッド20でも同様に、主走査方向に複数のドット状発熱部が2列配置されているが、上記実施例とは逆に、副走査方向に関して上流側の第1列の発熱部がメインヒータHM、その下流側の第2列の発熱部がサブヒータHS2としてあり、これらヒータ列の中心間ピッチS2は、原紙の加熱繰り返しピッチPと等しく設定されている。また、図5のグラフに示すように、メインヒータHMの発熱温度T1は原紙フィルム71の溶解温度T0以上に設定され、サブヒータHS2の発熱温度T2は上記溶解温度T0以下に設定されている。
【0023】
上記サーマルヘッド20では、原紙7の被開孔部がメインヒータHMとの接触位置に来たとき溶融開孔される。この開孔の大きさは、副走査方向に隣接する開孔と連続することがない最適な大きさに形成されるのが好ましいが、メインヒータHMの温度低下や被開孔部裏面の繊維が密であったり塊の状態になっているために熱が奪われてしまうことなどに起因して十分な大きさの開孔が得られない場合がある。この場合、上記開孔縁部がサブヒータHS2で再加熱されて溶融しないまでも軟化するために、開孔周囲に残留する内部応力に基づき上記開孔が拡大して最適な大きさに整形され、これにより開孔率を向上させることができる。
なお、メインヒータHMで既に最適な大きさに形成された開孔がサブヒータHS2により更に拡大することはない。
【0024】
第3発明のサーマルヘッド30は、上記サーマルヘッド1,20を組み合わせたものである。すなわち、図6に示すように、このサーマルヘッド30には、主走査方向に複数のドット状発熱部が3列配置してあり、副走査方向上流側から第1のサブヒータHS1、メインヒータHM、第2のサブヒータHS2で構成される。また、各ヒータ列の中心間ピッチは上記実施例と同様に、S1(=1.5P)、S2(=P)にそれぞれ設定されている。
上記構成からなるサーマルヘッド30では、第1のサブヒータHS1で被開孔部間の境界部分に熱処理部を形成し、メインヒータHMで被開孔部を開孔し、第2のサブヒータHS2で上記開孔を拡大・整形する。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、第1発明の感熱孔版原紙へのデータ記録方法およびその装置によれば、原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部間の境界部分に、第1列の発熱部(サブヒータ)により孔拡大ストッパの役割を果たす熱処理部を形成しているので、第2列の発熱部(メインヒータ)で形成される開孔が副走査方向へ拡大するのを防止することができ、それぞれが完全に独立した開孔を形成することができる。
【0026】
また、第2発明のデータ記録方法およびその装置によれば、第1列の発熱部(メインヒータ)で開孔したのち、第2列の発熱部(サブヒータ)で再加熱して開孔の拡大・整形を行うので、それぞれに独立した最適な大きさの開孔を形成することができる。さらに、第2列の発熱部によって開孔率を上げることができるので、第1列の発熱部による開孔率が低くても支障はない。したがって、第1列の各ドット状発熱部を開孔と開孔とを独立させるのに十分なサイズに微細化することが可能になるとともに、2回の加熱によって最適な大きさの開孔を得るようにしているので、発熱部に印加する電流を出来るだけ低く抑え、これらの耐久寿命を長くすることができる。
【0027】
また、第3発明のデータ記録装置によれば、第1発明と第2発明とを組み合わせた構成を備えており、第1列の発熱部(第1のサブヒータ)で被開孔部間に熱処理を施し、第2列の発熱部(メインヒータ)で開孔し、第3列の発熱部(第2のサブヒータ)で開孔の拡大・整形を行うので、それぞれが完全に独立した最適の大きさの開孔をより確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーマルヘッドの拡大平面図と温度分布図である。
【図2】図1のサーマルヘッドと原紙の拡大断面図である。
【図3】図1のサーマルヘッドによる開孔と熱処理の過程を説明する図である。
【図4】図1のサーマルヘッドで開孔した原紙の部分拡大図である。
【図5】別のサーマルヘッドの拡大平面図と温度分布図である。
【図6】図1と図5のサーマルヘッドを組み合わせたサーマルヘッドの拡大平面図と温度分布図である。
【図7】従来のサーマルヘッドで穿孔した原紙における開孔の連続状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1…サーマルヘッド、6…プラテンローラ、7…原紙、73,75,77…被開孔部、74,76,78…熱処理部、HM…メインヒータ、HS1,HS2…サブヒータ。
Claims (3)
- 主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を2列配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、第1列の発熱部により上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に上記原紙が開孔しない温度範囲で熱処理を施し、第2列の発熱部により上記熱処理部に隣接する被開孔部を開孔する感熱孔版原紙へのデータ記録方法。
- 主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、上記発熱部を選択的に発熱させて感熱孔版原紙を開孔する感熱孔版原紙へのデータ記録装置において、
上記発熱部を2列に配置するとともに、上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に、上記原紙が開孔しない温度範囲で熱処理を施す第1列の発熱部と、この熱処理後に上記熱処理部に隣接する被開孔部を開孔する第2列の発熱部とで構成し、
上記原紙の加熱繰り返しピッチをP、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチをS 1 、整数をnとしたときに、S 1 =P(n+0.5)の関係を満たすことを特徴とする感熱孔版原紙へのデータ記録装置。 - 主走査方向に沿って複数のドット状発熱部を配置し、これら発熱部と接触しながら副走査方向に感熱孔版原紙を移動させ、上記発熱部を選択的に発熱させて感熱孔版原紙を開孔する感熱孔版原紙へのデータ記録装置において、
上記発熱部を3列に配置するとともに、上記原紙上にあって副走査方向に隣り合う被開孔部と被開孔部との間の境界部分に、上記原紙が開孔しない温度範囲で熱処理を施す第1列の発熱部と、この熱処理後に上記熱処理部に隣接する被開孔部を開孔する第2列の発熱部と、上記開孔を再加熱して整形する第3列の発熱部とで構成し、
上記原紙の加熱繰り返しピッチをP、第1列の発熱部と第2列の発熱部の中心間ピッチをS 1 、第2列の発熱部と第3列の発熱部の中心間ピッチをS 2 、整数をnとしたときに、S 1 =P(n+0.5)、S 2 =nPの関係を満たすことを特徴とする感熱孔版原紙へのデータ記録装置。
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