JP3607155B2 - 車載用再生装置及び楽曲再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、容易な操作により所望の楽曲データを再生することのできる車載用再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用の電子機器において、車載用CD(コンパクトディスク)プレーヤに代表されるディスク再生装置が、最もポピュラーな機器の1つとして広まっている。このディスク再生装置は、利用者により装填された音楽CDに記録されている楽曲データを所定の順番に再生することができる。
【0003】
近年では、複数の音楽CDを格納し、各CDを随時切り替えて再生できる多連装ディスク再生装置も知られている。このような多連装ディスク再生装置は、例えば、10枚以上もの音楽CDを格納でき、長時間に渡る連続再生が可能である。
このような多連装ディスク再生装置には、一般に、再生対象の楽曲データの変更及びディスクの変更のために、図10に示すような操作キー100が操作パネルに配置され、利用者に操作される。
【0004】
具体的に説明すると、操作キー100は、右キー101と、左キー102と、上キー103と、下キー104とから構成される。これらのキーは、例えば、複数の音楽CDを格納した多連装ディスク再生装置が、任意のCD(楽曲データ)の再生中において、利用者により押下される。
右キー101は、利用者に押下されると、次の楽曲データの再生(曲送り)を指示する情報を生成し、多連装ディスク再生装置に供給する。また、左キー102は、前の楽曲データの再生を指示する情報又は、再生楽曲データの先頭を指示する情報を生成し、多連装ディスク再生装置に供給する。
【0005】
一方、上キー103は、利用者に押下されると、次のディスクの再生を指示する情報を生成し、多連装ディスク再生装置に供給する。また、下キー104は、前のディスクの再生を指示する情報を生成し、多連装ディスク再生装置に供給する。
すなわち、多連装ディスク再生装置は、利用者による上述の操作キー100(右キー101〜下キー104)の操作に従って、収納した複数の音楽CDから再生対象のCDを適宜切り替え、指定された楽曲データを再生する。このため、利用者は、上キー103等を使用して、効率よく再生対象の楽曲データが記録された音楽CDを切り替え、所望の楽曲データを再生することができる。
【0006】
最近では、MP3(MPEG Audio Layer−3)に代表される音声圧縮技術を応用した楽曲再生装置等(パーソナルコンピュータ等にて実行される楽曲再生ソフトも含む。)が知られている。このMP3は、容量が元の容量の10分の1程度まで圧縮されるにもかかわらず、所定の楽曲再生装置等にて再生した際に、音楽CDと同等の音質が得られるという特徴を有する。
MP3形式の楽曲データは、例えば、利用者がパーソナルコンピュータ等を使用して、所定の変換ソフトにより音楽CDに記録された楽曲データをエンコードすることにより得られる。また、他にも、インターネット等を介して、利用者が所定の音楽配信サイトからダウンロードすることによっても得られる。
【0007】
このようなMP3形式の音楽データは、例えば、利用者によりCD−R(Compact Disc Recordable)やCD−RW(Compact Disc Rewritable)等の記録媒体に記録され保存される場合も多い。
例えば、利用者は、10枚分の音楽CDの楽曲データをMP3形式に変換し、変換した楽曲データを1枚のCD−R等に記録する。そして利用者は、パーソナルコンピュータ上で楽曲再生ソフトを実行して、CD−R等に記録されたMP3形式の楽曲データを再生することにより、ディスクを入れ替えることなく音楽CD10枚分の楽曲を連続して聴くことができる。
すなわち、MP3形式の楽曲データをCD−R等に記録することにより、パーソナルコンピュータ等を、あたかも10枚の多連装CDチェンジャプレーヤとして、好みの楽曲を連続して再生させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、CD−R等には、10枚分もの音楽CDと同等の楽曲データをMP3形式にて記録可能である。このため、CD−R等に記録した楽曲データをパーソナルコンピュータ等にて再生するだけではなく、車載用再生装置にて再生することができれば、利用者にとってより好都合となる。
すなわち、MP3形式の楽曲データを記録したCD−R等を車載用再生装置にて再生することができれば、音楽CD10枚分もの楽曲データの再生を、多連装CDチェンジャプレーヤ等を搭載することなく実現することができる。そして、利用者は、長時間に渡るドライブの途中等であっても、連続して再生される楽曲を聴きながら、気持ちよく運転することができる。
【0009】
この場合、車載用再生装置において、CD−R等に記録されたMP3形式の楽曲データから所望の楽曲データの再生を指示する操作が、上述の多連装ディスク再生装置における操作と大きく異なると、利用者にとって操作性の著しい低下が予想される。
【0010】
具体的に説明すると、一般にCD−R等には、図11に示すように、MP3形式の楽曲データ(「FILE1−1」等)がフォルダ単位に階層化されて記録されている。
そして、図中の「FILE1−1」の楽曲データを再生中に「FILE2−2」の楽曲データを再生させたい場合、利用者は、例えば、上述の操作キー100等を操作して、再生対象の楽曲データを順に変化させる。つまり、利用者は、右キー101等を押下して、再生対象のファイル(楽曲データ)を「FILE1−1→FILE1−2→FILE1−3→FILE2−1→FILE2−2」と順に変化させ、所望の楽曲データの再生を指示する。
【0011】
すなわち、利用者は、所望の楽曲データを再生させる際に、再生対象の楽曲データの変更を指示する所定の操作キーをひたすら操作する必要があった。この操作は、上述の多連装ディスク再生装置にて、上キー103等を使用して、効率よく再生対象の楽曲データが記録された音楽CDを切り替え、そして、所望の楽曲データを再生する操作と大きく異なる。
そのため、上述の多連装ディスク再生装置の操作に慣れている利用者は、CD−R等に記録されたMP3形式の楽曲データから所望の楽曲データの再生を指示する操作を効率よく行うことができない。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、容易な操作により所望の楽曲データを再生することのできる車載用再生装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る車載用再生装置は、
楽曲データがトラック単位に記録されている楽曲媒体及び、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、楽曲データを再生する車載用再生装置であって、
再生対象となる楽曲媒体または記録媒体を変更する媒体変更手段と、
記録媒体における再生対象となるフォルダを変更するフォルダ変更手段と、
楽曲媒体または記録媒体の楽曲データの変更を指示するための第1の変更キー及び、媒体またはフォルダの変更を指示するための第2の変更キーを含む入力手段と、
前記入力手段における第2の変更キーの押下に応答して、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示する変更指示手段と、を備え、
前記変更指示手段は、楽曲媒体が再生対象の場合に前記媒体変更手段に媒体の変更を指示し、記録媒体が再生対象の場合に第2の変更キーの押下状態に従って、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示する、
ことを特徴とする。
【0015】
前記変更指示手段は、記録媒体が再生対象の場合に、第2の変更キーの押下時間の長短に従って、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示してもよい。
【0016】
前記入力手段は、上下左右からなる4方向の操作を入力するための十字キーを含み、
前記第1の変更キーは、十字キー中の左右2つのキーに対応して、楽曲データの前後の変更を指示し、
前記第2の変更キーは、十字キー中の上下2つのキーに対応して、媒体またはフォルダの前後の変更を指示してもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる車載用ディスク再生装置について、以下図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に適用される車載用ディスク再生装置の一例を示すブロック図である。この車載用ディスク再生装置は、ディスク5に格納された楽曲データを再生可能な機器であり、マイクロコンピュータ1と、キー入力部2と、ディスク位置検出部3と、光学ユニット4とから構成される。
なお、車載用ディスク再生装置において再生対象となるディスク5は、通常の音楽CD(CD−DA;Compact Disc Digital Audio)、CD−R(Compact Disc Recordable)及びCD−RW(Compact Disc Rewritable)等である。
【0020】
ここで、ディスク5は、図2(a)に示すようなオーディオフォーマットの音楽CD(CD−DA)又は、図2(b)に示すようなCD−ROMフォーマット(ISO9660フォーマット等)のCD−R及びCD−RW等からなる。
【0021】
具体的に説明すると、音楽CDのディスク5には、図2(a)に示すようにリードイン領域、データ領域、及び、リードアウト領域が配置されている。
リードイン領域には、TOC(Table Of Contents)等が配置されている。このTOCには、データ領域に記録された楽曲データのアドレスや再生時間等からなる目次情報が記録されている。
また、データ領域には、1又は、複数の楽曲データが記録されている。そして、リードアウト領域には、ディスク5の終端を示す情報が記録されている。
【0022】
一方、CD−R等のディスク5には、図2(b)に示すように、図2(a)の音楽CDに記録される情報の他に、PVD及び、パステーブルが配置されている。
PVD(Primary Volume Description)には、データ領域に記録された楽曲データ等のファイル構造を規定する情報(階層情報等)が記録されている。例えば、楽曲データが図2(c)に示すようなファイル構造から構成されている場合、PVDには、このファイル構造を規定する階層情報が記憶されている。
また、パステーブルには、PVDにて規定されるフィル構造中の各楽曲データが実際に記録されているアドレス、すなわち、データ領域に記録された楽曲データの実アドレス等が記憶されている。
【0023】
図2(b)に示すリードイン領域には、図2(a)と同様に、TOCが配置されている。なお、TOCには、PVDのアドレス等からなる目次情報が記録されている。
また、データ領域には、MP3(MPEG Audio Layer−3)形式にて圧縮された複数の楽曲データ等が記録されている。そして、リードアウト領域には、ディスク5の終端を示す情報が記録されている。
なお、CD−R等のディスク5には、図2(a)に示すオーディオフォーマットにて楽曲データ等が記録されている場合もある。すなわち、CD−R等のディスク5には、音楽CDの内容がそのまま記録されている場合もある。
【0024】
図1に戻って、マイクロコンピュータ1は、入力ポート1aと、RAM1bと、ROM1cと、CPU1dと、出力ポート1eと等を含んで構成され、車載用ディスク再生装置全体を制御する。
【0025】
入力ポート1aは、キー入力部2から入力信号を取得し、また、ディスク位置検出部3から位置信号を取得して、取得したこれらの信号をCPU1d等に供給する。
また、入力ポート1aは、光学ユニット4から送られるディスク情報信号を取得し、取得したディスク情報信号をRAM1bに格納する。
【0026】
RAM(Random Access Memory)1bは、入力ポート1aを介して光学ユニット4から送られたディスク情報信号を所定の領域に一時的に記憶する。なお、記憶したディスク情報信号にMP3形式の楽曲データが含まれる場合には、CPU1dによりデコードされる。
【0027】
また、RAM1bは、図3に示すような楽曲テーブル11及び、再生管理テーブル12を記憶する。
図3(a)に示す楽曲テーブル11は、ディスク5に記録された楽曲データを収容するフォルダ、つまり、階層構造の楽曲データの管理単位となるフォルダの内、再生対象となり得る楽曲データを管理するためのテーブルである。
具体的に楽曲テーブル11には、再生対象となり得る複数の楽曲データを識別するためのファイル名及び、ファイル番号が記憶される。なお、楽曲テーブル11に記憶されるファイル名は、現在の基準となるフォルダ(カレントフォルダ)内に属する複数のファイル名である。
【0028】
一方、図3(b)に示す再生管理テーブル12は、楽曲テーブル11に対応して、再生対象となるファイル名を管理するためのテーブルである。
具体的に再生管理テーブル12には、現在の基準となるフォルダを特定するカレントフォルダ名と、カレントフォルダ内の再生対象となる1つのファイル(楽曲データ)を特定する再生ファイル番号と、カレントフォルダ内に属するファイルの総数を示す総ファイル数とを記憶する。
【0029】
図1に戻って、ROM(Read Only Memory)1cは、CPU1dが実行するための後述する初期処理及び再生処理のプログラム等を予め記憶する。
【0030】
CPU(Central Processing Unit)1dは、ROM1cに記憶されたプログラムに従って、後述する初期処理及び再生処理を実行する。すなわち、CPU1dは、ディスク5の種別情報等を取得する初期処理及び、ディスク5に記録された楽曲データの再生を行う再生処理を実行する。
【0031】
出力ポート1eは、CPU1dの制御に従って、光学ユニット4を制御するための光学系制御信号を光学ユニット4に供給する。
また、出力ポート1eは、CPU1dによりRAM1bに一時的に記憶したMP3形式の楽曲データ(ディスク情報信号)がデコードされると、デコード後の楽曲データを図示せぬDAC(デジタル/アナログコンバータ)等を介して楽曲(音声)として出力する。
【0032】
キー入力部2は、所定のボタンスイッチやロータリスイッチ等からなり、利用者の操作に従った指示情報等を入力する。
例えば、キー入力部2は、図4(a)に示すような右キー21、左キー22、上キー23及び下キー24と、図4(b)に示すような決定キー25とを備える。そして、キー入力部2は、これらのキーの押下に応じた指示情報を入力し、入力した指示情報をCPU1dに供給する。
【0033】
具体的に説明すると、図4(a)に示す右キー21及び左キー22は、利用者に操作され、楽曲テーブル11内における再生対象となる楽曲データ(ファイル)を、現在の楽曲データより1つ後ろ又は、1つ前に変化させる指示情報を生成し、キー入力部2を介してマイクロコンピュータ1(CPU1d)に供給する。例えば、右キー21が押下されると、キー入力部2は、楽曲テーブル11内の再生対象となるファイルを、現在のファイルから1つ後ろのファイルに変化させる指示情報を取得して、CPU1dに供給する。この際、CPU1dは、再生管理テーブル12の再生ファイル番号に「1」を加算することで、楽曲テーブル11中の表示対象となるファイルを、1つ後ろに変化させる。なお、CPU1dは、加算後の再生ファイル番号が総ファイル数を超える場合、再生ファイル番号に初期値の「001」をセットする。
【0034】
一方、図4(a)に示す上キー23及び下キー24は、再生管理テーブル12にて管理されるカレントフォルダ(カレントフォルダ名)を、現在のフォルダから1つ後ろ又は、1つ前に変化させる指示情報を生成し、キー入力部2を介してCPU1dに供給する。
例えば、下キー24が押下されると、キー入力部2は、再生管理テーブル12のカレントフォルダ(カレントフォルダ名)の1つ前のフォルダに変化させる指示情報を取得し、CPU1dに供給する。この際、CPU1dは、ディスク5のPVDから、カレントフォルダの1つ前のフォルダを特定し、特定したフォルダのフォルダ名を再生管理テーブル12のカレントフォルダ名にセットする。このとき、CPU1dは、再生管理テーブル12の総ファイル数等も更新する。また、CPU1dは、変更後のカレントフォルダ内に属する各ファイルを検索し、検索したファイルのファイル名を楽曲テーブル11にセットする。
【0035】
また、図4(b)に示す決定キー25は、利用者に操作され、ファイル(楽曲データ)の再生を指示する情報を生成し、キー入力部2を介してCPU1dに供給する。
【0036】
ディスク位置検出部3は、装填されたディスク5が再生可能な所定位置に移動した際に、位置信号を生成し、生成した位置信号を入力ポート1aを介してCPU1dに供給する。
【0037】
光学ユニット4は、スピンドルサーボ回路、光ピックアップ、及び、トラッキングスレッドサーボ回路等を含んで構成される。光学ユニット4は、マイクロコンピュータ1に制御され、ディスク5に記録された楽曲データ等を読み出す。
具体的に光学ユニット4は、マイクロコンピュータ1から供給される光学系制御信号に従って、ディスク5に記録された楽曲データ等をディスク信号として取得する。
また、光学ユニット4は、ディスク5が音楽CD等の書き込み不能なディスクであるか、又は、CD−R等の書き込み可能なディスクであるかを示すディスク判別信号を取得する。
【0038】
以下、この発明の実施の形態にかかる車載用ディスク再生装置の動作について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、ディスク5に記録されている楽曲データの種別等を取得する初期処理を説明するためのフローチャートである。また、図6は、再生対象となるファイル(フォルダ)を選択し、選択した楽曲データの再生を行う再生処理を説明するためのフローチャートである。
まず、図5に示す初期処理について説明する。図5に示す初期処理は、電源投入後に、新たなディスク5が装填されたことを示す位置信号がディスク位置検出部3からCPU1dに供給された後に、開始される。
【0039】
まず、CPU1dは、RAM1bに記憶している種別情報をクリアする(ステップS10)。すなわち、CPU1dは、再生対象となるディスク5に記録されている楽曲データの種別等を記憶する種別情報をクリアする。
【0040】
CPU1dは、ディスク種別を検出する(ステップS11)。すなわち、CPU1dは、光学ユニット4を介して取得したディスク判別信号に従って、ディスク種別を検出する。具体的にCPU1dは、ディスク5が市販の音楽CDからなる書き込み不能なディスクであるか、又は、CD−R及びCD−RWからなる書き込み可能なディスクであるかを検出する。
【0041】
CPU1dは、検出したディスク種別がCD−R又はCD−RWであるか否かを判別する(ステップS12)。すなわち、CPU1dは、検出結果に従って、ディスク5が書き込み可能なCD−R等のディスクであるか否かを判別する。
【0042】
CPU1dは、CD−R等でない(書き込み不能なディスクである)と判別した場合、後述するステップS14に処理を進める。一方、CPU1dは、CD−R等である(書き込み可能なディスクである)と判別した場合、PVDが記録されているか否かを判別する(ステップS13)。すなわち、CPU1dは、ディスク5の所定位置に、ファイル構造を規定する情報(階層情報)が記録されているか否かを判別する。
【0043】
CPU1dは、PVDがないと判別した場合、及び、上述のステップS12にてディスク種別がCD−R等でないと判別した場合、ディスク5がCD−DAであるか否かを判別する(ステップS14)。すなわち、CPU1dは、リードイン領域のTOCに含まれる情報に従って、ディスク5に記録された楽曲データがCD−DA(音楽CD)であるか否かを判別する。
【0044】
CPU1dは、CD−DAであると判別した場合、種別情報に音楽CDを示す区分をセットする(ステップS15)。すなわち、CPU1dは、ディスク5に記録された楽曲データの種別が、音楽CDであることを示す区分を種別情報にセットし、RAM1bに記憶する。
一方、CD−DAでないと判別した場合、CPU1dは、そのまま初期処理を終了する。
【0045】
また、ステップS13にて、PVDが存在すると判別した場合、CPU1dは、MP3形式の楽曲データ(ファイル)が記録されているか否かを判別する(ステップS16)。すなわち、CPU1dは、PVD等に従って、ディスク5のデータ領域中に拡張子が「MP3」のファイル(楽曲データ)が記録されているか否かを判別する。
CPU1dは、MP3形式のファイルが存在しないと判別した場合、そのまま初期処理を終了する。
【0046】
一方、MP3形式のファイルが存在すると判別した場合、CPU1dは、種別情報にMP3をセットする(ステップS17)。すなわち、CPU1dは、ディスク5に記録された楽曲データの種別が、MP3形式であることを示す区分を種別情報にセットし、RAM1bに記憶する。
【0047】
CPU1dは、ディスク5のPVDを読み出し、先頭フォルダ内のファイルを検索する(ステップS18)。すなわち、CPU1dは、先頭フォルダ内に配置された各ファイルを検索する。
【0048】
CPU1dは、検索結果に従って、楽曲テーブル11及び再生管理テーブル12を生成する(ステップS19)。すなわち、CPU1dは、先頭フォルダ内に配置された各ファイルのファイル名等を楽曲テーブル11にセットし、また、カレントフォルダ名等を再生管理テーブル12にセットして、RAM1bに記憶する。
そして、CPU1dは、初期処理を終了する。上述の初期処理により、ディスク5に記録された楽曲データの種別を示す種別情報がRAM1bに記憶され、また、楽曲データがMP3形式である場合に、楽曲テーブル11等が生成されてRAM1bに記憶される。
【0049】
次に、図6に示す再生処理について説明する。図6に示す再生処理は、上述の初期処理の終了後に、開始される。
【0050】
まず、CPU1dは、RAM1bに記憶された種別情報がMP3を示す区分であるか否かを判別する(ステップS21)。すなわち、CPU1dは、再生対象のディスク5に記録された楽曲データが、MP3形式であるか否かを判別する。
【0051】
CPU1dは、種別情報がMP3でない(音楽CDである)と判別した場合、右キー21又は、左キー22が押下されたか否かを判別する(ステップS22)。すなわち、再生対象の楽曲データ(トラック)の前後の変更を指示する右キー21等が押下されたか否かを判別する。
CPU1dは、右キー21等が押下されていないと判別した場合、後述するステップS24に処理を進める。
【0052】
一方、右キー21等が押下されたと判別した場合、CPU1dは、再生対象のトラックを変更する(ステップS23)。すなわち、押下された右キー21等に従って、再生対象の楽曲データ(トラック)を1つ後ろ、又は、1つ前に変更する。
【0053】
CPU1dは、楽曲データを再生する(ステップS24)。すなわち、CPU1dは、右キー21等により選択された楽曲データ(トラック)を再生する。
【0054】
また、ステップS21にて、種別情報がMP3であると判別した場合、CPU1dは、右キー21又は、左キー22が押下されたか否かを判別する(ステップS25)。すなわち、CPU1dは、楽曲テーブル11内における再生対象となるファイル(楽曲データ)を、現在のファイルより1つ後ろ又は、1つ前に変化させる指示情報を、キー入力部2を介して取得したか否かを判別する。
CPU1dは、右キー21等が押下されていないと判別した場合、後述するステップS28に処理を進める。
【0055】
一方、CPU1dは、右キー21又は、左キー22が押下されたと判別した場合、押下された右キー21等に従って、再生管理テーブル12の再生ファイル番号を更新する(ステップS26)。すなわち、CPU1dは、再生管理テーブル12の再生フォルダ番号に「1」を加算(右キー21押下時)し、又は、再生フォルダ番号から「1」を減算(左キー22押下時)することで、楽曲テーブル11中の再生対象となるファイルを、前後いずれかに変化させる。
【0056】
なお、再生管理テーブル12の再生フォルダ番号が「001」の状態で、左キー22が押下されたと判別した場合に、CPU1dは、再生フォルダ番号に総ファイル数をセットする。
また、再生管理テーブル12の再生フォルダ番号が最後尾のファイル番号(総ファイル数と同じ値)の状態で、右キー21が押下されたと判別した場合に、CPU1dは、再生ファイル番号に先頭のファイル番号(「001」)をセットする。
【0057】
そして、CPU1dは、上キー23又は、下キー24が押下されたか否かを判別する(ステップS27)。すなわち、CPU1dは、再生対象となるファイルが配置されたフォルダを、現在のフォルダ(カレントフォルダ)の1つ後ろ又は、1つ前に変化させる指示情報を、キー入力部2を介して取得したか否かを判別する。
【0058】
CPU1dは、上キー23等が押下されたと判別した場合、PVDを読み出し、基準となるカレントフォルダを、現在のフォルダから1つ後ろ又は、1つ前のフォルダに変化させ、変更後のカレントフォルダに属する各ファイルを検索する(ステップS28)。
すなわち、CPU1dは、再生管理テーブル12のカレントフォルダ名を1つ後ろのフォルダ名(上キー23押下時)又は、1つ前のフォルダ名(下キー24押下時)に変化させる。そして、CPU1dは、変更後のカレントフォルダ内に属する各ファイルを検索する。
【0059】
そして、CPU1dは、検索結果に従って、楽曲テーブル11を更新する(ステップS29)。すなわち、CPU1dは、ステップS28にて検索された新たなカレントフォルダ内に属する各ファイルのファイル名を楽曲テーブル11にセットする。
【0060】
CPU1dは、再生管理テーブル12の再生ファイル番号を更新する(ステップS30)。また、CPU1dは、再生管理テーブル12の総ファイル数も更新する。
【0061】
CPU1dは、楽曲データを再生する(ステップS31)。すなわち、CPU1dは、再生管理テーブル12の再生ファイル番号にて差し示される楽曲テーブル11内のファイル(楽曲データ)を再生する。
【0062】
このように、音楽CD等(CD−DA)が車載用ディスク再生装置に装填された場合に、右キー21及び左キー22の押下に従って、再生対象の楽曲データ(トラック)を前後に変化させて再生する。また、MP3形式の楽曲データが記録されたCD−R等が装填された場合に、右キー21及び左キー22の押下に従って、再生対象の楽曲データ(ファイル)を前後に変化させるだけでなく、上キー23及び下キー24の押下に従って、フォルダを前後に変化させて、楽曲データを再生する。
【0063】
すなわち、図7に示すように、MP3形式の楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されているCD−R等から所望の楽曲データを再生する際に、上キー23及び下キー24を使用して、多連装ディスク再生装置のディスクの変更と同じ操作にて、フォルダの変更を指示することができる。
【0064】
このため、楽曲データが属するフォルダをあたかもディスクのように取り扱うことで、一般の多連装ディスク再生装置等の操作に慣れている利用者は、フォルダの変更を違和感なく指示でき、MP3形式の楽曲データから所望の楽曲データの再生を指示する操作を効率よく行うことができる。
この結果、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、容易な操作により所望の楽曲データを再生することができる。
【0065】
上記の実施の形態では、1枚のディスク5に記録されたMP3形式の楽曲データから所望の楽曲データを効率よく再生したが、複数のディスク5を格納するディスクチェンジャを備え、複数のディスク5から所望の楽曲データを効率よく再生してもよい。以下、ディスクチェンジャを備えた車載用ディスク再生装置について簡単に説明する。
【0066】
図8は、本発明の他の実施の形態に適用される車載用ディスク再生装置の一例を示すブロック図である。この車載用ディスク再生装置は、ディスクチャンジャ6を更に備え、複数のディスク5を切り替えながら楽曲データを再生可能な機器である。なお、マイクロコンピュータ1、キー入力部2、ディスク位置検出部3、及び、光学ユニット4の構成は、図1に示す車載用ディスク再生装置と同様である。
【0067】
ディスクチャンジャ6は、例えば、7枚のディスク5を格納することのできるディスク収納部を備える。そして、ディスクチャンジャ6は、マイクロコンピュータ1から供給されるディスクチェンジャ制御信号に従って、対応するディスク5を所定のディスク再生位置まで搬送する。
【0068】
以下、図8に示す車載用ディスク再生装置の動作について、図9を参照して簡単に説明する。
図9に示すように、音楽CD等(CD−DA)がディスクチェンジャ6に装填されている場合、一般の多連装ディスク再生装置と同様に、右キー21及び左キー22の押下に従って、再生対象の楽曲データ(トラック)を前後に変化させて再生する。また、上キー23及び下キー24の押下に従って、ディスクを前後に変化(1つ後ろ、又は、1つ前のディスクに変更)させ、楽曲データ(トラック)を再生する。
【0069】
一方、MP3形式の楽曲データが記録されたCD−R等がディスクチェンジャ6に装填されている場合、右キー21及び左キー22の押下に従って、再生対象の楽曲データ(ファイル)を前後に変化させるだけでなく、上キー23及び下キー24の押下に従って、フォルダの変更及びディスクの変更を行う。
具体的には、上キー23の押下が所定の時間内(短押し)である場合、1つ後ろのディスクに変化させる。また、上キー23の押下が所定の時間超(長押し)である場合、カレントフォルダを1つ後ろのフォルダに変化させる。
そして、下キー24の押下が所定の時間内(短押し)である場合、1つ前のディスクに変化させる。また、下キー24の押下が所定の時間超(長押し)である場合、カレントフォルダを1つ前のフォルダに変化させる。
【0070】
このため、楽曲データが属するフォルダをあたかもディスクのように取り扱い、また、実際のディスクも変更できることから、一般の多連装ディスク再生装置等の操作に慣れている利用者は、フォルダの変更及び、ディスクの変更を違和感なく指示でき、MP3形式の楽曲データから所望の楽曲データの再生を指示する操作を効率よく行うことができる。
この結果、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、容易な操作により所望の楽曲データを再生することができる。
【0071】
上記の実施の形態では、CD−R等からなるディスク5を再生する車載用ディスク再生装置について説明したが、再生対象の媒体はCD等に限られず、他にMD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)等を再生する車載用ディスク再生装置に適用可能である。また、スマートメディア(商標)、メモリスティック(商標)、MMC(Multi Media Card)等の媒体を再生可能な再生装置であってもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている媒体から、容易な操作により所望の楽曲データを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車載用ディスク再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】(a)が音楽CDに適用されるデータフォーマットの一例を示す模式図であり、(b)がCD−R等に適用されるデータフォーマットの一例を示す模式図であり、(c)が(b)のフォーマットにてディスクに記録されている楽曲データのファイル構造の一例を示す模式図である。
【図3】(a)が楽曲テーブルの一例を示す模式図であり、(b)が再生管理テーブルの一例を示す模式図である。
【図4】(a)、(b)共に、キー入力部に所定の信号を供給するキーの一例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る初期処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】操作キーの押下に対応して、再生対象となる楽曲データの変更について説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の他の形態に係る車載用ディスク再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】操作キーの押下に対応して、再生対象となる楽曲データの変更について説明するための模式図である。
【図10】従来の操作キーの一例を説明するための模式図である。
【図11】CD−R等に記録される階層化された楽曲データの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
1a 入力ポート
1b RAM
1c ROM
1d CPU
1e 出力ポート
2 キー入力部
3 ディスク位置検出部
4 光学ユニット
5 ディスク
6 ディスクチェンジャ
Claims (3)
- 楽曲データがトラック単位に記録されている楽曲媒体及び、楽曲データがフォルダ単位に階層化されて記録されている記録媒体から、楽曲データを再生する車載用再生装置であって、
再生対象となる楽曲媒体または記録媒体を変更する媒体変更手段と、
記録媒体における再生対象となるフォルダを変更するフォルダ変更手段と、
楽曲媒体または記録媒体の楽曲データの変更を指示するための第1の変更キー及び、媒体またはフォルダの変更を指示するための第2の変更キーを含む入力手段と、
前記入力手段における第2の変更キーの押下に応答して、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示する変更指示手段と、を備え、
前記変更指示手段は、楽曲媒体が再生対象の場合に前記媒体変更手段に媒体の変更を指示し、記録媒体が再生対象の場合に第2の変更キーの押下状態に従って、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示する、
ことを特徴とする車載用再生装置。 - 前記変更指示手段は、記録媒体が再生対象の場合に、第2の変更キーの押下時間の長短に従って、前記媒体変更手段及び前記フォルダ変更手段の何れかに変更を指示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載用再生装置。 - 前記入力手段は、上下左右からなる4方向の操作を入力するための十字キーを含み、
前記第1の変更キーは、十字キー中の左右2つのキーに対応して、楽曲データの前後の変更を指示し、
前記第2の変更キーは、十字キー中の上下2つのキーに対応して、媒体またはフォルダの前後の変更を指示する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用再生装置。
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