JP4946057B2 - 電子機器、制御方法、および、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器、制御方法、および、プログラムに関する。
近年のコンパクトディスクプレーヤーや、ハードディスク内蔵ポータブルオーディオプレイヤーなどの、ポータブル型のデータ再生装置は、楽曲データ等を記憶するハードディスク装置等を備えるようになってきた。そして、ハードディスク装置等の記憶媒体の記憶容量は、近年、著しく増加してきている。
これに伴い、ポータブル型のデータ再生装置の記憶媒体に記憶されるデータの数や種類は増加し、それらのデータを分類・管理する必要がでてきた。
ポータブル型のデータ再生装置の記憶媒体に記憶される楽曲データは、階層型のファイル構造によって分類・管理される場合が多い。ユーザは再生する楽曲データを選択・再生するために、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作を行う。しかし、記憶媒体の大容量化に伴い記憶される楽曲データ数が膨大になってきたために、それらの楽曲データを分類するための階層数も増加してきた。そのため、ユーザが、所望の楽曲データを選択するために行う操作は、非常に煩雑になってきている。
さらに、ポータブル型のデータ再生装置は、近年、著しく小型化され、そのデータ再生装置に配置される操作釦も小型化されてきている。そのため、ユーザは、小型化された操作釦に対して、非常に煩雑な操作を行わなければならない。
このような問題を解決するものとして、データ再生装置に配置された操作釦の押圧時間を計時し、計時された時間が任意の一定時間を超えたか否かを判定することができる操作モード制御装置などが開示されている(例えば特許文献1参照)。これにより、一つの操作釦で複数の操作が可能となり、操作釦の小型化・増加をしなくてもよい。
特公平06−101190号公報
しかしながら、上述の操作モード制御装置は、操作釦の押圧時間を計時するので、押圧時間を計時しない装置と比較して、操作釦の押下に対する応答が悪い。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、操作釦の小型化・増加をせずに、操作釦の押下に対する応答を悪化させず、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作に係る操作性を向上させる電子機器、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電子機器は、階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する電子機器において、矩形状の検出領域においてユーザによる操作を検出する操作部とユーザによる前記操作部への操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とする。
尚、前記電子機器はポータブル音楽機器であり、前記データは音楽データであってもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る制御方法は、階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する制御方法において、矩形状の検出領域において操作を検出する操作部へのユーザの操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御ステップを有し、前記制御ステップにおいて、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とする。
尚、前記データは音楽データであってもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する電子機器のコンピュータに、矩形状の検出領域において操作を検出する操作部へのユーザの操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御ステップを実行させ、前記制御ステップにおいて、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とする
尚、前記電子機器はポータブル音楽機器であり、前記データは音楽データであってもよい。
本発明の電子機器、制御方法、および、プログラムによれば、操作釦の小型化・増加をせずに、操作釦の押下に対する応答を悪化させず、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作に係る操作性を向上させる。
以下、本発明の最良の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
この発明の実施形態1に係るポータブル音楽機器100は、図1のブロック図に示すような、記憶部103に記憶されたデータ(例えば、MP3(MPEG1 Audio Layer-3)等の楽曲データ)を再生可能な機器である。ポータブル音楽機器100は、制御部101と、操作部102と、記憶部103と、表示部104と、端子118と、イヤホン119と、から構成される。ユーザは、再生された楽曲を、イヤホン119を介して聴くことができる。
まず、記憶部103は、ハードディスク等の記憶装置で構成される。記憶部103は、楽曲データ等のデータに加えて、楽曲データ等のファイル構造を規定する階層情報等が記憶されている。例えば、楽曲データ等が図2に示すようなファイル構造から構成され、共通のジャンル名をメタ情報にもつ楽曲データは、階層構造の階層1に該当するフォルダに一括され、共通のアーティスト名をメタ情報にもつ楽曲データは、階層構造の階層2に該当するフォルダに一括して記憶される。また、階層毎に対応させるメタ情報は任意であり、階層3に該当するフォルダにアーティスト名やアルバム名をメタ情報にもつ楽曲データを記憶するようにしてもよい。
また、この階層情報は、図3(A)に示すようなフォルダテーブル401と、図3(B)に示すようなデータ管理テーブル402と、で構成される。
図3(A)に示すフォルダテーブル401は、記憶部103に記憶されたデータを収容するフォルダ、つまり、階層構造のデータの管理単位となるフォルダのうち、現在実行対象とする一つのフォルダ(カレントフォルダ)内のデータを管理するためのテーブルである。具体的には、フォルダテーブル401には、カレントフォルダ内に属する複数のフォルダ、又は、楽曲データを識別するためのデータ番号、及び、フォルダ・ファイル名が記憶される。
例えば、図2のようなファイル構造において、カレントフォルダがフォルダ(1:2)であれば、フォルダテーブル401には、フォルダ(1:2:1)、フォルダ(1:2:2)等のデータ番号と、それに対応するフォルダ名が記憶される。また、カレントフォルダがフォルダ(1:2:1)であれば、図4(A)に示すように、フォルダテーブル401には、データ001、データ002等のデータ番号と、それに対応するファイル名が記憶される。
一方、図3(B)に示すデータ管理テーブル402は、選択・再生対象の楽曲データを管理するためのテーブルである。具体的には、データ管理テーブル402には、カレントフォルダのデータ番号を特定するカレントフォルダ番号と、カレントフォルダが位置する階層順位(階層の深さ)を示す階層番号と、カレントフォルダ内の選択・再生対象となる1つのデータを特定するデータ番号と、カレントフォルダ内に属するデータの総数を示す総データ数と、を記憶する。
例えば、図2のようなファイル構造において、カレントフォルダがフォルダ(1:1)であれば、階層番号は「002」、総データ数は「002」となる。また、カレントフォルダがフォルダ(1:2:1)であれば、図4(B)に示すように、階層番号は「003」、総データ数は「006」等となる。
図1に戻って、操作部102は、光学スライド112や、ボタンスイッチ113等を備え、ユーザの操作に従った指示情報を入力する。例えば、この光学スライド112の表面をユーザによって指で右方向になぞられれば、カレントフォルダが位置する階層順位を一つ下位に変更し、逆に、左方向になぞられれば、階層順位を一つ上位に変更する。
この光学スライド112の構成について図5(A)、(B)を参照して説明する。図5(A)は、光学スライド112の上面図であり、図5(B)は、光学スライド112の側面図である。
図5(A)に示すように、光学スライド112は、光検出部201A、201B、201C、201Dから構成される。また、光学スライド112の上面にはユーザが指を置くための透明なウィンドウ204が備えられる。
各光検出部201(A、B、C、D)は、図5(B)に示すように、ウィンドウ204と、光205を放射する発光素子202(例えば、赤外線LED(Light Emitting Diode))と、指で反射された光205を受光し、受光した光量に比例した電圧を有する電圧信号を出力する光センサ203(例えば、フォトダイオードや、フォトトランジスタ)とから構成される。各光センサ203は、反射光の有無に応じて、比較的大きな電位差を有する電圧信号を、セレクタ206を介して後述するA/Dコンバータ109、割り込みコントローラ108に出力する。また、光検出部201は、反射光を受光したときに、互いに異なる電圧を出力する。
具体的には、例えば、光検出部201Aの上に指が置かれたときに、光検出部201Aの光センサ203は、1.2[V]の電圧を出力し、光検出部201Bの上に指が置かれたときに、光検出部201Bの光センサ203は、2.4[V]の電圧を出力し、光検出部201Cの上に指が置かれたときに、光検出部201Cの光センサ203は、1.8[V]の電圧を出力し、光検出部201Dの上に指が置かれたときに、光検出部201Dの光センサ203は、2.2[V]の電圧を出力する。ただし、いずれの電圧も、後述するセレクタ206所定の基準電圧、例えば、0.9Vよりも高い。
いずれの光センサ203も、反射光を受光しないときには、例えば、0.3V程度の基準電圧下の低い電圧を出力する。
セレクタ206は、複数の入力端と1つの出力端を有し、複数の入力端に供給される電圧信号のうち、基準電圧以上の電圧を有する信号のみを選択して出力する。この例では、光検出部201のサイズと指のサイズの関係から、基準電圧以上の電圧を有する信号を出力するのは、いずれか1つの光検出部201のみとする。なお、いずれの入力電圧信号も基準電圧以下の場合には、セレクタ206は、基準電圧レベル以下の所定電圧を出力する。
セレクタ206は、出力電圧信号をA/Dコンバータ109に供給する。
また、各光検出部201の出力はオア回路ORを介して割り込みコントローラ108に供給される。オア回路ORは、いずれかの光検出部201の出力する電圧信号の電圧が基準電圧以上となると、論理「1」(アクティブレベル)の信号を割り込みコントローラ108に供給する。
以上の処理により、ユーザが光学スライド112の上に指をおくと、いずれかの光検出部201から基準レベル以上の電圧信号が出力されて、オア回路ORを介して割り込みコントローラ108にアクティブレベルの信号が供給され、CPU105に割り込み信号が供給される。これにより、CPU105がユーザの指の動きの検出動作を行うことが可能となる。
さらに、セレクタ206が指を検出している状態にある光検出部201の出力する電圧信号を選択して出力する。この電圧信号が、A/Dコンバータ109を介してCPU105に供給される。
従って、割込信号によって指の検出動作を開始したCPU105は、A/Dコンバータ109の出力データから、指の位置を判別することができる。
図1に戻って、制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)105、割り込みコントローラ108、A/Dコンバータ109、RAM(Random Access Memory)107、ROM(Read Only Memory)106、音声信号出力部111、及び、信号増幅器110等から構成されており、CPU105がROM106に格納された各種プログラム(再生制御プログラム114、階層移動プログラム115、入力コード処理アプリケーション116、入力処理ドライバ117等)を適宜実行することによって、ポータブル音楽機器100の動作を制御する。
割り込みコントローラ108は、CPU105と操作部102との間に接続され、操作部102からの割り込み要求を受け、CPU105に割り込み要求信号を発生させる。
A/Dコンバータ109は、操作部102から供給されたアナログ信号をディジタル信号に変換して出力する。
また、RAM107は、CPU105がプログラムを実行する際、ワークメモリとして用いられるものである。
ROM106は、読み出し専用の記憶装置である。ROM106は、上述した再生制御プログラム114、階層移動プログラム115、入力コード処理アプリケーション116、入力処理ドライバ117等の書き換える必要のない情報(プログラム)を記憶する。
再生制御プログラム114は、操作部102からの指示信号に基づいて、記憶部103に記憶された楽曲データをRAM107にロードし、再生するためのプログラムである。具体的には、RAM107に楽曲データをロードし、この楽曲データを、例えば、MP3デコーダ(図示せず)に供給して復号し、さらに、音声信号出力部111に供給して、音声データ(アナログ信号)を信号増幅器110に出力させる。
階層移動プログラム115は、操作部102からの指示信号に基づいて、図2に示す階層構造の階層内を移動するためのプログラムである。具体的には、操作部102からの指示信号に基づいて、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号を変更することで、図2に示す階層構造の階層内を移動する。
また、階層移動プログラム115は、図2に示す階層構造の階層内を移動したときに、表示部104に表示させる画面を切り替える。切り替える画面の順番は、階層構造の階層順位に依存し、例えば、図6に示すような順番で切り替える。楽曲データを再生していないときは、図7(A)に示すようなホーム画面を表示部104に表示させておく。操作部102からの階層を移動させる指示信号に基づいて、表示部104に表示させる画面を、ジャンル画面や、アーティスト画面等といった所定の画面に切り替える。そして、階層移動プログラム115は、前述したフォルダテーブル401、データ管理テーブル402に応じて、各画面上の適切な位置にフォルダ・ファイル名や、ハイライトを表示させる。具体的には、フォルダテーブル401に記憶されたフォルダ・ファイル名を表示部104の所定の表示領域に表示させる。また、データ管理テーブル402のデータ番号で指定したデータを表示している表示領域をハイライトさせる。
次に、入力処理ドライバ117は、A/Dコンバータ109からの出力信号に対応する入力コードを生成する。例えば、指が光検出部201Aのウィンドウ204に置かれた場合、「010」という入力コードを生成し、指が光検出部201Dのウィンドウ204に置かれた場合、「011」という入力コードを生成するようにしてもよい。
入力コード処理アプリケーション116は、入力処理ドライバ117によって生成された入力コードを受け取り、その入力コードに基づいて操作部102からの入力に対応する処理を決定する。これによって、操作部102における、ユーザの別々の操作に対応した動作が実行される。具体的には、上記した操作部102、A/Dコンバータ109、階層移動プログラム115、入力処理ドライバ117、入力コード処理アプリケーション116、及びCPU105が協働することによって、図2に示すような階層型のファイル構造で規定される階層内を効率良く行き来する。例えば、光検出部201B、光検出部201C、光検出部201Dの順にウィンドウ204をなぞられれば、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号を変更し、カレントフォルダの階層順位を一つ下位に移動させる。
音声信号出力部111は、記憶部103から読み出した音楽データをアナログ信号に変換して出力するD/Aコンバータから構成される。
信号増幅器110は、記憶部103から音声信号出力部111に読み出した音楽データ(アナログ信号)を、指定された増幅率で増幅して端子118を介してイヤホン119に出力するアナログ回路である。
表示部104は、蛍光表示管(VFD:Vacuum Fluorescent Display)や液晶モニタ(LCD:Liquid Crystal Display)等のフラットパネルディスプレイから構成され、制御部101に制御され、操作状況等をユーザに明らかにするための文字列等を表示する。また、表示部104は、階層移動プログラム115に従って処理するCPU105からの信号に基づいて、例えば、ホーム画面、ジャンル画面、アーティスト画面、トラック画面、再生画面といった所定の画面を表示する。
ホーム画面、ジャンル画面、アーティスト画面、トラック画面、再生画面、は図7に示すような画面である。図7(A)に示すホーム画面は、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名等の選択項目を表示する画面である。図7(B)に示すアーティスト画面は、アーティスト名の一覧を表示する画面である。図7(C)に示すアルバム画面は、アルバム名の一覧を表示する画面である。図7(D)に示すトラック画面は、トラック番号の一覧を表示する画面である。図7(E)に示す再生画面は、再生中の楽曲データの、曲名、アルバム名、再生時間等を表示する画面である。
以上、本発明の実施形態1に係るポータブル音楽機器100の構成を説明してきた。
次に、上記構成を備える本装置の具体的動作について図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示す階層移動処理は、操作部102に配置される光学スライド112の操作による割り込み入力によって開始される。また、この割り込み入力によって、階層移動処理を開始した場合、全ての処理が終了するまで、光学スライド112の操作による他の割り込み入力は受け付けない。
制御部101のCPU105は、この割り込み入力があった時に、どのように光学スライド112が操作されたかを判別する。これは、前述したように、入力処理ドライバ117が生成した入力コードで判別する。
まず、CPU105は、指の置かれた光検出部201が光学スライド112の端部(光検出部201A、又は、光検出部201D)であるか否か判別する(ステップS101)。ここで、光学スライド112の端部に指が置かれていないと判別した場合(ステップS101;No)、他の処理として(ステップS106)、階層移動処理を終了する。
一方、ステップS101で、光学スライド112の端部に指が置かれていると判別した場合(ステップS101;Yes)、CPU105は、光学スライド112が指でなぞられるか否かを判別する(ステップS102)。具体的には、CPU105は、ステップS101で光検出部201Aのウィンドウ204に指が置かれたと判別した場合、光検出部201Aの隣の位置に配置された光検出部201Bのウィンドウ204に指が置かれたか否かで指でなぞられたか否かを判別する。また、ステップS101で光検出部201Dのウィンドウ204に指が置かれたと判別した場合、光検出部201Dの隣の位置に配置された光検出部201Cのウィンドウ204に指が置かれたか否かで指でなぞられたか否かを判別する。
ここで、CPU105は、光検出部201Aから光検出部201Bのウィンドウ204上を指でなぞられたと判別した場合(ステップS102;Yes)、処理対象とするカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層に移動する(ステップS103)。
具体的には、一つ下位の階層に移動する場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾に:1を追加する。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2)であるときは、カレントフォルダフォルダ番号をフォルダ(1:2:1)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402の各データを更新する。
ただし、階層順位を下位に変更する場合において、図4(B)に示すように、データ管理テーブル402のデータ番号がフォルダではない場合、CPU105は、再生制御プログラム114を起動し、データ番号で指定する楽曲データを再生する。
また、階層順位を上位に変更する場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾のセミコロンと一桁の数字を取り除く。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2:1)であるときは、カレントフォルダフォルダ番号をフォルダ(1:2)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402の各データを更新する。
さらに、CPU105は、ステップS103でカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層へ移動させたとき、表示部104に所定の画面を表示する。具体的には、CPU105は、フォルダテーブル401に記憶されたフォルダ・ファイル名を表示部104の所定の表示領域に表示させる。
その後、CPU105は、階層移動処理を終了する。
一方、ステップS102で、CPU105は、光学スライド112が指でなぞられていないと判別した場合(ステップS102;No)、光学スライドから指が離されるまで、光学スライド112が指でなぞられるか否かの判別を繰り返す(ステップS104;No、ステップS102)。
ここで、CPU105は、指が離されたと判別した場合(ステップS104;Yes)、処理対象とするカレントディレクトリを最下位又は最上位の階層へ移動させる(ステップS105)。
具体的には、処理対象とするカレントディレクトリを最下位の階層に移動させる場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾に:1を最下位の階層に到達するように追加する。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2)であるときに、階層3が最下位の階層であれば、カレントフォルダ番号をフォルダ(1:2:1)とする。また、階層4が最下位の階層であれば、カレントフォルダ番号をフォルダ(1:2:1:1)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402のデータ番号をデータ001とし、カレントフォルダ内で先頭のデータを選択もしくは再生する。
また、このとき、CPU105は、図7(E)に示すように、再生中の楽曲データの、曲名、アルバム名、再生時間等を表示部104に表示させ、階層移動処理を終了する。
一方、処理対象とするカレントディレクトリを最上位の階層に移動させる場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号をフォルダ()に変更する。
また、このとき、CPU105は、図7(A)に示すように、ホーム画面を表示部104に表示させ、階層移動処理を終了する。
ただし、楽曲データを再生中に、CPU105が、光学スライド112がプラス方向に指でなぞられたと判別した場合や、光学スライド112の端部(光検出部201D)に指が置かれたと判別した場合は、上記の階層移動処理(ステップS103、S105)は実行しない。このとき、CPU105は、図7(E)に示すような、再生中の楽曲データの曲名等を表示部104に表示させたままにして、階層移動処理を終了させる。
ここまでに説明した、階層移動処理が、本実施形態1に係るポータブル音楽機器100の制御部101において行われる。これにより、操作釦の小型化・増加をせずに、操作釦の押下に対する応答を悪化させず、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作に係る操作性を向上させる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、CPU105が、光学スライド112が指でなぞられたことを判別した場合に、処理対象とするカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層に移動させていた。しかし、本発明では、光学スライド112が指でなぞられる以外の状態を判別した場合に、処理対象とするカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層に移動させてもよい。
例えば、図5(A)に示す光検出部201Bのウィンドウ204、又は、光検出部201Cのウィンドウ204に指が置かれることを判別した場合に、処理対象とするカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層に移動させてもよい。
本実施形態2のポータブル音楽機器100は、図1に示すように、実施形態1のポータブル音楽機器100と同様の構成からなる。
上記構成を備える本装置の具体的動作について図9のフローチャートを参照して説明する。図9に示す階層移動処理は、操作部102に配置される光学スライド112の操作による割り込み入力によって開始される。また、この割り込み入力によって、階層移動処理を開始した場合、全ての処理が終了するまで、光学スライド112の操作による他の割り込み入力は受け付けない。
制御部101のCPU105は、この割り込み入力があった時に、どのように光学スライド112が操作されたかを判別する。これは、前述したように、入力処理ドライバ117が生成した入力コードで判別する。
まず、CPU105は、指の置かれた光検出部201が光学スライド112の端部(光検出部201A、又は、光検出部201D)であるか否か判別する(ステップS201)。
ここで、光学スライド112の端部に指が置かれていると判別した場合(ステップS201;Yes)、処理対象とするカレントディレクトリを最下位又は最上位の階層へ移動させる(ステップS202)。
具体的には、処理対象とするカレントディレクトリを最下位の階層に移動させる場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾に:1を最下位の階層に到達するように追加する。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2)であるときに、階層3が最下位の階層であれば、カレントフォルダ番号をフォルダ(1:2:1)とする。また、階層4が最下位の階層であれば、カレントフォルダ番号をフォルダ(1:2:1:1)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402のデータ番号をデータ001とし、カレントフォルダ内で先頭のデータを選択もしくは再生する。
また、このとき、CPU105は、図7(E)に示すように、再生中の楽曲データの、曲名、アルバム名、再生時間等を表示部104に表示させ、階層移動処理を終了する。
一方、処理対象とするカレントディレクトリを最上位の階層に移動させる場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号をフォルダ()に変更する。
また、このとき、CPU105は、図7(A)に示すように、ホーム画面を表示部104に表示させ、階層移動処理を終了する。
ただし、楽曲データを再生中に、CPU105が、光学スライド112の中央右部(光検出部201C)や端部(光検出部201D)に指が置かれたと判別した場合は、階層移動処理(ステップS202、S204)は実行しない。このとき、CPU105は、図7(E)に示すような、再生中の楽曲データの曲名等を表示部104に表示させたままにして、階層移動処理を終了する。
一方、ステップS201で、CPU105は、光学スライド112の端部に指が置かれていないと判別した場合(ステップS201;No)、指の置かれた光検出部201が光学スライド112の中央左部又は中央右部(光検出部201B、又は、光検出部201C)であるか否か判別する(ステップS203)。
ここで、CPU105は、中央左部又は中央右部に指が置かれていると判別した場合(ステップS203;Yes)、処理対象とするカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層に移動する(ステップS204)。
具体的には、一つ下位の階層に移動する場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾に:1を追加する。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2)であるときは、カレントフォルダのフォルダ番号をフォルダ(1:2:1)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402の各データを更新する。
ただし、階層順位を下位に変更する場合において、図4(B)に示すように、データ管理テーブル402のデータ番号がフォルダではない場合、CPU105は、再生制御プログラム114を起動し、データ番号で指定する楽曲データを再生する。
また、階層順位を上位に変更する場合には、CPU105は、図3(B)に示すデータ管理テーブル402のカレントフォルダ番号の末尾のセミコロンと一桁の数字を取り除く。例えば、カレントフォルダ番号がフォルダ(1:2:1)であるときは、カレントフォルダのフォルダ番号をフォルダ(1:2)とする。そして、CPU105は、データ管理テーブル402の各データを更新する。
さらに、CPU105は、ステップS204でカレントディレクトリを一つ下位又は上位の階層へ移動させたとき、表示部104に所定の画面を表示する。具体的には、CPU105は、フォルダテーブル401に記憶されたフォルダ・ファイル名を表示部104の所定の表示領域に表示させる。
その後、CPU105は、階層移動処理を終了する。
一方、ステップS203で、CPU105は、中央左部又は中央右部に指が置かれていないと判別した場合(ステップS203;No)、他の処理として(ステップS205)、階層移動処理を終了する。
ここまでに説明した、階層移動処理が、本実施形態2に係るポータブル音楽機器100の制御部101において行われる。これにより、操作釦の小型化・増加をせずに、操作釦の押下に対する応答を悪化させず、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作に係る操作性を向上させる。
また、本実施形態2に係るポータブル音楽機器100の制御部101において行われる階層移動処理は、内部タイマで指が置かれている時間を計時しない。これにより、階層型のファイル構造によって分類・管理される階層内を行き来する操作に係る操作性をより向上させる。
さらに、本実施形態2での階層移動処理では、指の置かれる位置が中央に近いときに、処理対象となるカレントディレクトリを一つ上位又は下位の階層に移動させ、指の置かれた位置が中央から離れると、カレントディレクトリを最上位又は最下位の階層に移動させている。これにより、ユーザは、無意識的に操作方法を予測できるため、階層内を行き来する操作を容易に行える。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
例えば、上記各実施形態に係るポータブル音楽機器100は、光学スライド112を一つ備えていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、図10に示すように、操作部102に、二つの光学スライド112を交差させて配置するようにしてもよい。この場合、例えば、上下方向に長い光学スライド112の端部に指が置かれたときに、処理対象となるカレントディレクトリを末端の階層に移動させ、中央部に指が置かれたときに階層を一つ上位又は下位に移動させるようにしてもよい。そして、左右方向に長い光学スライド112を他の任意の操作に割り当てるようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、光学スライド112の(右)端部に指が置かれた場合に、階層構造の最下位の階層にカレントディレクトリを移行させ、カレントディレクトリ内で先頭の楽曲データを再生するようにしていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、光学スライド112の(右)端部に指が置かれた場合に、階層構造の最下位の一つ上位の階層にカレントディレクトリを移行させてもよい。この場合、表示部104には、図7(D)に示すようなトラック画面を表示させるようにする。
本発明は、光学スライド112の端部に指が置かれたときに、カレントディレクトリを移行させる階層は任意に設定してよい。
さらに、上記各実施形態において、階層構造を図2に示すような構造にしていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、任意の階層構造にしてよい。この階層構造に合わせて、光学スライド112の操作によりカレントディレクトリを移動させる度に、表示部104に表示させる画面は、任意の画面でよい。
また、上記各実施形態において、光学スライド112は、4つの光検出部を備えていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、光検出部の個数は任意の個数でよい。例えば、光検出部を6個用意し、指の置かれる位置が中央に近いときほど、処理対象となるカレントディレクトリを移動させる階層数を少なくし、指の置かれた位置が中央から離れるほど、移動させる階層数を多くするようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態において、操作部102は光学スライド112を備えていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、ユーザに操作されるデバイスは、光学スライド112である必要はなく、線型上の入力位置検出が可能なデバイスであれば、任意のデバイスでよい。
また、上記各実施形態において、CPU105が実行するプログラムは、予めROM106に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存のポータブル音楽装置に適用することで、上記各実施形態にかかる制御と同様の制御を実行可能としてもよい。このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、インターネットなどの通信媒体を介して提供可能である他、例えば、メモリカードなどの記録媒体に格納して配布してもよい。
本発明の各実施形態に係るポータブル音楽機器の構成の一例を示すブロック図である。 記憶部に階層化されて記録される楽曲データ等の階層構造の一例を示す図である。 (A)がフォルダテーブルの一例を示す図であり、(B)がデータ管理テーブルの一例を示す図である。 (A)がカレントフォルダの階層順位が最下位のときのフォルダテーブルの一例を示す図であり、(B)がカレントフォルダの階層順位が最下位のときのデータ管理テーブルの一例を示す図である。 光学スライドの構成を示す図である。(A)は、光学スライドの上面図である。(B)は、光学スライドの側面図である。 階層構造の階層内を行き来するときの表示部における表示の順番の例を示す図である。 階層構造の階層内を行き来するときの表示部における表示例を示す図である。 本発明の実施形態1に係る操作部に配置された光学スライドの操作による割り込み入力によって開始する、階層移動処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る操作部に配置された光学スライドの操作による割り込み入力によって開始する、階層移動処理を説明するフローチャートである。 光学スライドを二つ備える操作部の構成を示す図である。
符号の説明
100 ポータブル音楽機器
101 制御部
102 操作部
103 記憶部
104 表示部
105 CPU
106 ROM
107 RAM
108 割り込みコントローラ
109 A/Dコンバータ
110 信号増幅器
111 音声信号出力部
112 光学スライド
114 再生制御プログラム
115 階層移動プログラム
116 入力コード処理アプリケーション
117 入力処理ドライバ
118 端子
119 イヤホン
201 光検出部
202 発光素子
203 光センサ
204 ウィンドウ
401 フォルダテーブル
402 データ管理テーブル

Claims (6)

  1. 階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する電子機器において、
    矩形状の検出領域においてユーザによる操作を検出する操作部と
    ユーザによる前記操作部への操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御部と、
    を備え
    前記制御部は、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とする電子機器。
  2. 前記電子機器はポータブル音楽機器であり、
    前記データは音楽データであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する制御方法において、
    矩形状の検出領域において操作を検出する操作部へのユーザの操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御ステップを有し、
    前記制御ステップにおいて、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とする制御方法。
  4. 前記データは音楽データであることを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
  5. 階層型のファイル構造で記憶されているデータを処理する電子機器のコンピュータに、
    矩形状の検出領域において操作を検出する操作部へのユーザの操作に応じて、前記ファイル構造における処理対象とする階層順位を移動させる制御ステップを実行させ、
    前記制御ステップにおいて、前記検出領域における、前記検出領域の中央から離れた第1の位置にユーザが接触した場合、前記第1の位置よりも前記検出領域の中央に近い位置である第2の位置にユーザが接触した場合よりも、移動させる階層数を多くすることを特徴とするプログラム。
  6. 前記電子機器はポータブル音楽機器であり、
    前記データは音楽データであることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
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