JP3605895B2 - スピーカの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は各種音響機器、映像機器に使用されるスピーカの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、スピーカには低不良率化と低コスト化が著しく要求されて来ているが、従来からのスピーカ設計手法による対応では既に限界になりつつある。
【0003】
そこで、別の観点から考えた対応手段として、スピーカの生産工法にまで範囲を広げた検討が必要になってきている。
【0004】
このような背景をもとに、以下に従来のスピーカ組立治具とこれを用いた製造方法について説明する。図5は従来のこの種のスピーカの生産に使用するスペーサ治具11を示すものであり、その材質は一般に樹脂や金属により構成されていた。
【0005】
(従来例1)
図6(a)〜(c)は従来のこの種のスピーカの製造工程を示すものであり、図6(a)のようにまずマグネット1をフレーム6と上部プレート2の組立品および下部プレート3によりはさみ込んで筐体4を構成する。次にこの筐体4の磁気ギャップ5に、別工程で組み立てられたボイスコイル8とダンパー9の組立品を偏心することなく結合するために、スペーサ治具11にてボイスコイル8のボビンの内周部と下部プレート3のセンターポールの外周部を支持しながら接着し、次に図6(b)のように、フレーム6の周縁部に振動板7の外周部を接着し、この振動板7の中心部とボイスコイル8のボビンを結合し、全ての接着剤が硬化した後、図6(c)のように前記スペーサ治具11を磁気ギャップ5から抜き取り振動板7の前面にダストキャップ10を接着して構成されていた。
【0006】
(従来例2)
また、別の従来例として振動板とダストキャップが一体化された従来例について、図7(a),(b)にそのスピーカの製造工程を示し説明する。先の従来技術と異なる点についてのみ説明すると、図7(a)のように振動板7Bとダストキャップ7Cが一体化されているため、この振動板7Bとダストキャップ7Cの一体品7Aをボイスコイル8のボビンに接着する際、スペーサ治具11を図7(b)のように、磁気ギャップ5から抜き取ってしまわなければならないことである。そのため、振動板7Bとダストキャップ7Cの一体品7Aをボイスコイル8のボビンに接着する際、支持体となるスペーサ治具11がないことから非常に不安定で、ギャップ不良を発生する要因となる。
【0007】
(従来例3)
さらに別の従来例として、ドームツィータの製造工法を図8(a)〜(c)に示す。まずマグネット1をリング13と上部プレート2の組立品および下部プレート3によりはさみ込んで筐体4を構成する。次にこの筐体4の磁気ギャップ5に、図8(a)のように別工程で組み立てられたボイスコイル8とダイアフラムと呼ばれる振動板7の組立品を振動板7の外周部とボイスコイル8が偏心することがないように、図8(b)のようにあらかじめ組立後制動抜きを実施して、リング13のガイドにより偏心することなく結合し、その後図8(c)のように、上部プレート2の前面にバッフル板14を結合して構成している。この場合、先の従来例と比較して異なるところは、ドームツィータの場合ダンパーがないことから、ボイスコイル8が偏心することがないように磁気ギャップ5に挿入する時に、スペーサ治具を使用することができないことである。そのため、あらかじめ振動板7とボイスコイル8の組立後、制動抜きを実施して、ボイスコイル8と振動板7の外周部の偏心をなくしてしまう必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のこの種のスピーカでは、ダストキャップ10を装着する前にスペーサ治具11を磁気ギャップ5から抜き取り、ダストキャップ10を装着しなければならないため、スペーサ治具11を抜き取ったあと、磁気ギャップ5内のボイスコイル8の中心保持ができなくなることによるギャップ不良がしばしば発生していた。
【0009】
また、製造工程についてもボイスコイル8と振動板7の接着剤が硬化するまでスペーサ治具11を抜き取ることができないため、接着剤の硬化乾燥時間により工程の短縮化を図ろうとしているスピーカ製造工程に悪影響を及ぼすものであった。
【0010】
さらに、振動板7Bとダストキャップ7Cが一体化された従来例についても、振動板7Bとダストキャップ7Cの一体品7Aをボイスコイル8のボビンに接着する際、支持体となるスペーサ治具がないことから非常に不安定で、中心保持ができなくなることによるギャップ不良がしばしば発生していた。
【0011】
次にドームツィータの場合についても振動板7とボイスコイル8の組立後、制動抜きを実施してスペーサ治具を使用せずリング13のガイドにより偏心することなく結合しているが、この制動抜きの精度及びリング13と上部プレート2を結合する時の偏心の精度、さらに振動板7をリング13に結合する時の偏心の精度を上げることに限界があり、ギャップ不良がしばしば発生していた。
【0012】
また、製造工程についても制動抜きを実施しなければならず、工程の短縮化に関して悪影響を及ぼすものであった。
【0013】
本発明はこのような従来の問題点を解消し、ギャップ不良の低減と製造工程の短縮化によるスピーカの低コスト化を図れる優れたスペーサ治具を用いたスピーカの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明によるスピーカの製造方法は、スピーカ組立治具における3個以上の針状の支持部もしくは2個以上の面状の支持部をダストキャップもしくは振動板に設けられた孔に通した状態でセンターポール外周部とボイスコイルボビン内周部間のギャップ部を支持し、ダストキャップもしくは振動板の接着剤硬化後に抜き取るようにしたものである。
【0015】
【作用】
この構成により、スピーカ組立治具を抜き取れる工程はダストキャップもしくは振動板の接着後、その接着剤が硬化乾燥した後に設定することができる。すなわち、最終工程に設定することができ、スピーカ組立治具を入れている時間中はボイスコイルの中心保持性を保つことができ、従来の工法と比較するとギャップ不良を著しく低下させることができる。
【0016】
また、接着剤の硬化乾燥時間を待つことなく次工程に進めることができることから、工程の短縮化を図ることが可能である。さらにドームツィータの場合、制動抜き工程を省略することもできる。
【0017】
従って、スピーカ製造工程上、短縮化によるスピーカの低コスト化を図ることが可能となるものである。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例によるスピーカ組立治具を使用した製造方法について図面を参照して説明する。図1(a),(b)は本発明の一実施例にて使用するスピーカ組立治具31を示すものであり、その材質は樹脂や金属により構成している。
【0019】
図1(a)は従来のスペーサのギャップ支持部に金属製のピン31aを4本用いたものでありこのピン31aにより、あらかじめ孔を設けたダストキャップもしくは振動板に、このピン31aを通して使用する。また、あらかじめ孔を設けていないダストキャップもしくは振動板については、このピン31aにより孔を開けて使用することもできる。
【0020】
図1(b)は従来のスペーサのギャップ支持部の面積を少なくし、複数の面状の支持部32aを設けたスピーカ組立治具32で、使用方法は上記と同様である。
【0021】
次に、本発明によるスペーサを使用したスピーカの製造工程について説明する。
【0022】
(実施例1)
図2(a),(b)は本発明のこの種のスピーカの製造工程を示すものであり、図2(a)のようにまずマグネット21をフレーム26と上部プレート22の組立品および下部プレート23によりはさみ込んで磁気回路24を構成する。次にこの磁気回路24の磁気ギャップ25に、別工程で組み立てられたボイスコイル28とダンパー29の組立品および振動板27を、その外周部をフレーム26に接着して配置させ、この振動板27の中心部とボイスコイル28のボビンを結合すべく接着剤を塗布し、次にスピーカ組立治具31を通したダストキャップ30を振動板27の前面に接着する。この時、スピーカ組立治具31の金属製のピン31aによりボイスコイル28のボビンの内周部と下部プレート23のセンターポールの外周部を支持しつつ、接着剤が硬化するまで乾燥させる。これが図2(b)の状態である。そして全ての接着剤が硬化した後、前記スピーカ組立治具31を磁気ギャップ25から抜き取り完成させる。
【0023】
(実施例2)
また、他の実施例として振動板とダストキャップが一体化された実施例について、図3(a),(b)にそのスピーカの製造工程を示し説明する。先の実施例と異なる点についてのみ説明すると、図3(a)のように振動板とダストキャップが一体化されているため、この振動板とダストキャップの一体品27Aにスピーカ組立治具31を通し、先の実施例同様図3(b)のようにボイスコイル28のボビンに接着剤を塗布し、振動板とダストキャップの一体品27Aを結合し、全ての接着剤が硬化した後、前記スピーカ組立治具31を磁気ギャップ25から抜き取り完成させる。
【0024】
(実施例3)
さらに他の実施例として、ドームツィータの製造工法を図4(a),(b)に示す。図4(a)のように、マグネット21をリング33と上部プレート22の組立品および下部プレート23によりはさみ込んで磁気回路24を構成する。次にこの磁気回路24の磁気ギャップ25に、別工程で組み立てられたボイスコイル28とダイアフラムと呼ばれる振動板27の組立品の振動板27にスピーカ組立治具31を通して配置し、図4(b)のようにスピーカ組立治具31の金属製のピン31aによりボイスコイル28のボビンの内周部と下部プレート23のセンターポールの外周部を支持させ、上部プレート22の前面にバッフル板34を結合し、全ての接着剤が硬化した後、前記スピーカ組立治具31を磁気ギャップ25から抜き取り完成させる。
【0025】
これらの実施例ではダストキャップもしくは振動板に小さな孔が開くことになるが、寸法が非常に小さいため実使用上、特に問題になることはない。また必要であれば、接着剤によりうめることもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ダストキャップもしくは振動板の接着剤硬化後、スピーカ組立治具を抜き取れる製造方法としていることから、すなわちスピーカ組立治具を抜き取る工程を最終工程に設定することができることから、スピーカ組立治具を入れている時間中はボイスコイルの中心保持性を保つことができ、従来の工法と比較するとギャップ不良を著しく低下させることができる。
【0027】
また、接着剤の硬化乾燥時間を待つことなく次工程に進むことができることから、工程の短縮化を図ることも可能である。さらにドームツィータの場合、制動抜き工程を省略することもできる。
【0028】
従って、ギャップ不良の低減と、スピーカ製造工程の短縮化によるスピーカの低コスト化を同時に実現することができる優れたスピーカ組立治具を使用したスピーカの製造方法を提供することが可能となり、その工業的価値は非常に大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用するスピーカ組立治具の一実施例の外観図
【図2】同第1の実施例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【図3】同第2の実施例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【図4】同第3の実施例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【図5】従来のスペーサ治具を示す外観図
【図6】第1の従来例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【図7】第2の従来例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【図8】第3の従来例によるスピーカの製造工程を示す断面図
【符号の説明】
24 磁気回路
25 磁気ギャップ
28 ボイスコイル
29 ダンパー
30 ダストキャップ
31,32 スピーカ組立治具
31a,32a ピン
Claims (1)
- 3個以上の針状の支持部もしくは2個以上の面状の支持部を、ダストキャップまたは振動板に通した状態で、センターポール外周部とボイスコイルボビン内周部間のギャップ部を支持するスピーカ組立治具を、ダストキャップまたは振動板の接着剤硬化後に抜き取るスピーカの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP22984395A JP3605895B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | スピーカの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22984395A JP3605895B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | スピーカの製造方法 |
Publications (2)
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JPH0984197A JPH0984197A (ja) | 1997-03-28 |
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Family Applications (1)
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JP22984395A Expired - Fee Related JP3605895B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | スピーカの製造方法 |
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1995
- 1995-09-07 JP JP22984395A patent/JP3605895B2/ja not_active Expired - Fee Related
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