JP3956482B2 - スピーカの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種音響機器、映像機器に使用されるスピーカの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスピーカシステムの省スペース性向上のため、スピーカの薄型化への要望が強く、様々な工夫がなされてきた。以下に、薄型化を図った従来のスピーカについて、図2(a),図2(b)により説明する。図2(a)は磁気ギャップより内側にダンパーを配置し、その振幅スペースとして内磁型界磁部の内周部の空間を利用する薄型スピーカの断面図であり、図2(b)は製造方法を説明するための組立途上の断面図である。
【0003】
同図によると、1は内磁型の磁気回路ユニットであり、マグネット2、ヨーク3、プレート4からなり、磁気ギャップ5を形成するとともに、内部にダンパー9の振幅スペース6を有する。ボイスコイル8は上記磁気ギャップ5にはまりこむとともに、外周部をエッジ10を介してフレーム7に結合された主振動板11の内周部に結合される。12はダンパー9の中心部と主振動板11の上面との間に結合される副振動板である。
【0004】
以上のようなスピーカの組立ては、以下のように行われてきた。
ボイスコイル8をあらかじめスペーサ18と嵌合させ、垂直方向の位置決めができた状態で、スペーサ18ごとプレート4に嵌合する。次に、あらかじめ内周部に主振動板11の外周部を結合したエッジ10の外周部をフレーム7に結合し、主振動板11の内周部をボイスコイル8に結合する。このときボイスコイル8と磁気ギャップ5の間の空隙はスペーサ18によって一定に保たれている。次に、スペーサ18を抜き取り、ダンパー9の外周部をプレート4の内周部に結合し、ダンパー9の中心部と副振動板12の中心部を結合し、副振動板12の外周部を主振動板11の上面とそれぞれ結合してスピーカを完成するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来のスピーカでは、スペーサ18を抜き去った後はボイスコイル8はエッジ10を介してフレーム7に結合されているにすぎないため、他の振動系部品(ダンパー9、副振動板12等)の結合過程で磁気ギャップ5内のボイスコイル8の位置が動きやすく、エッジ10のコンプライアンスが大きくボイスコイル8の重量が大きい場合に、自重によってボイスコイル8が正規の位置より下がって歪みを発生したり、副振動板12とダンパー9の結合時に不要な力が加わってボイスコイル8の位置が当初の位置からずれてしまい、動作時にプレート4やヨーク3に接触して異常音を発生する可能性があった。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決した品質の安定した量産性に優れたスピーカの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のスピーカの製造方法は、フレームと、このフレーム上に結合された、側壁を有し、底面に孔を設けたヨークとこのヨーク上に配置されたマグネットとこのマグネット上に配置されたプレートからなり、上記ヨーク側壁と上記プレートの外周間に磁気ギャップを形成すると共に、内部にダンパーの振幅スペースを有する磁気回路ユニットと、上記磁気ギャップにはまり込むと共に、外周部をエッジを介して上記フレーム外周に結合された主振動板の内周部に結合されるボイスコイルと、外周が上記プレートに結合され、内周がセンターキャップに結合された上記ダンパーと、上記センターキャップに内周が結合されると共に、外周が上記主振動板の上面に結合される副振動板とで構成されるスピーカにおいて、振動系組立治具に挿入位置決めされた上記センターキャップの外周に上記ダンパーの内周及び上記副振動板の内周を結合するとともに、上記副振動板の外周に結合された主振動板を介してエッジとボイスコイルを結合して振動系ユニットを構成し、上記振動系ユニットから振動系組立治具を抜き取った後、磁気回路組立治具に挿入位置決めされた上記フレームに結合されたヨーク上に上記マグネットと上記プレートを結合して磁気ギャップを有する磁気回路ユニットを形成し、上記磁気回路組立治具の中央凸部を上記振動系ユニットの上記センターキャップに挿入するとともに、上記磁気ギャップに上記ボイスコイルを挿入して上記振動系ユニットと上記磁気回路ユニットの位置関係を特定し、上記ダンパーの外周部を上記プレートに、上記エッジの外周部を上記磁気回路に結合されたフレームにそれぞれ結合して形成するものであり、振動系ユニット、磁気回路ユニットがそれぞれおよび相互が精度よく組立できるので、上記ボイスコイルの磁気ギャップに対する下垂、傾斜、偏心が抑制され、異常音等による不良の低減が図れるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、フレームと、このフレーム上に結合された、側壁を有し、底面に孔を設けたヨークとこのヨーク上に配置されたマグネットとこのマグネット上に配置されたプレートからなり、上記ヨーク側壁と上記プレートの外周間に磁気ギャップを形成すると共に、内部にダンパーの振幅スペースを有する磁気回路ユニットと、上記磁気ギャップにはまり込むと共に、外周部をエッジを介して上記フレーム外周に結合された主振動板の内周部に結合されるボイスコイルと、外周が上記プレートに結合され、内周がセンターキャップに結合された上記ダンパーと、上記センターキャップに内周が結合されると共に、外周が上記主振動板の上面に結合される副振動板とで構成されるスピーカにおいて、振動系組立治具に挿入位置決めされた上記センターキャップの外周に上記ダンパーの内周及び上記副振動板の内周を結合するとともに、上記副振動板の外周に結合された主振動板を介してエッジとボイスコイルを結合して振動系ユニットを構成し、上記振動系ユニットから振動系組立治具を抜き取った後、磁気回路組立治具に挿入位置決めされた上記フレームに結合されたヨーク上に上記マグネットと上記プレートを結合して磁気ギャップを有する磁気回路ユニットを形成し、上記磁気回路組立治具の中央凸部を上記振動系ユニットの上記センターキャップに挿入するとともに、上記磁気ギャップに上記ボイスコイルを挿入して上記振動系ユニットと上記磁気回路ユニットの位置関係を特定し、上記ダンパーの外周部を上記プレートに、上記エッジの外周部を上記磁気回路に結合されたフレームにそれぞれ結合して形成するものであり、振動系ユニット、磁気回路ユニットがそれぞれおよび相互が精度よく組立して、上記ボイスコイルの磁気ギャップに対する下垂、傾斜、偏心を抑制して異常音等による不良の低減が図れるものである。
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について図1(a),図1(b)により説明する。なお、従来技術と同一部品は同一番号を付して説明する。
【0010】
図1(a)は本発明の一実施の形態の要部である振動系ユニットの組立を説明する断面図であり、図1(b)は振動系ユニットと磁気回路ユニットを結合組立するときの断面図である。
【0011】
同図によると振動系ユニットAの組立は、振動系組立治具16上でセンターキャップ13にダンパー9の内周を、また、センターキャップ13に副振動板12の内周を結合し、上記副振動板12の外周を主振動板11に結合し、上記主振動板11の内周をボイスコイル8と結合すると共に、上記振動板11の外周をエッジ10の内周と結合して振動系ユニットAを形成するものである。
【0012】
次に、磁気回路組立治具15に装着したフレーム7を結合したヨーク3上にマグネット2とプレート4を結合して磁気ギャップ5を形成した磁気回路ユニット1を形成する。
【0013】
更に振動系組立ユニットAを振動系組立治具16から外し、上記磁気回路組立治具15の中央凸部15aを上記センターキャップ13に挿入嵌合する。この時、上記中央凸部15aとセンターキャップ13によって上記振動系ユニットAと磁気回路組立治具15は位置決めされているので、上記ボイスコイル8は上記磁気ギャップ5内に偏心や歪むことなく位置決めされる。
【0014】
更に、ダンパー9の外周はプレート4上に、エッジ10の外周はフレーム7に結合され、磁気回路組立治具15から外されて製造されるものである。
【0015】
なお、上記実施の形態では磁気回路ユニット1は磁気回路組立治具15上で組み立てられるものとして説明したが、予め磁気回路ユニット1を組み立てておいても良いものである。
【0016】
以上のように本実施の形態によれば、振動系ユニットAは振動系組立治具16によって精度良く組み立てられ、磁気回路ユニット1とは磁気回路組立治具15を介して精度良く位置決めされるのでボイスコイル8を磁気ギャップ5内に正確に位置決めしてボイスコイル8を磁気ギャップ5に対して傾斜や偏心のない状態に保持することができ、異常音の発生を抑制し、不良の低減を図ることができるものである。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明のスピーカの製造方法は、ボイスコイルを磁気ギャップに対して傾斜や偏心のない状態に組み込めるので、ボイスコイルがプレートに接触して異常音を発する等の不良の低減が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のスピーカの製造方法の一実施の形態の要部である振動系ユニットの組立を説明する断面図
(b)同振動系ユニットと磁気回路ユニットを結合組立する状態を説明する断面図
【図2】(a)従来の薄型スピーカの断面図
(b)同製造方法を説明するための組立途上の断面図
【符号の説明】
1 磁気回路ユニット
2 マグネット
3 ヨーク
4 プレート
5 磁気ギャップ
7 フレーム
8 ボイスコイル
9 ダンパー
10 エッジ
11 主振動板
12 副振動板
15 磁気回路組立治具
15a 中央凸部
16 振動系組立治具
A 振動系ユニット
Claims (1)
- フレームと、このフレーム上に結合された、側壁を有し、底面に孔を設けたヨークとこのヨーク上に配置されたマグネットとこのマグネット上に配置されたプレートからなり、上記ヨーク側壁と上記プレートの外周間に磁気ギャップを形成すると共に、内部にダンパーの振幅スペースを有する磁気回路ユニットと、上記磁気ギャップにはまり込むと共に、外周部をエッジを介して上記フレーム外周に結合された主振動板の内周部に結合されるボイスコイルと、外周が上記プレートに結合され、内周がセンターキャップに結合された上記ダンパーと、上記センターキャップに内周が結合されると共に、外周が上記主振動板の上面に結合される副振動板とで構成されるスピーカの製造方法であって、振動系組立治具に挿入位置決めされた上記センターキャップの外周に上記ダンパーの内周及び上記副振動板の内周を結合するとともに、上記副振動板の外周に結合された主振動板を介してエッジとボイスコイルを結合して振動系ユニットを構成し、上記振動系ユニットから振動系組立治具を抜き取った後、磁気回路組立治具に挿入位置決めされた上記フレームに結合されたヨーク上に上記マグネットと上記プレートを結合して磁気ギャップを有する磁気回路ユニットを形成し、上記磁気回路組立治具の中央凸部を上記振動系ユニットの上記センターキャップに挿入するとともに、上記磁気ギャップに上記ボイスコイルを挿入して上記振動系ユニットと上記磁気回路ユニットの位置関係を特定し、上記ダンパーの外周部を上記プレートに、上記エッジの外周部を上記磁気回路に結合されたフレームにそれぞれ結合して形成するスピーカの製造方法。
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1998
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