JP3605707B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に係り、詳しくは複数の現像器と、該複数の現像器のうち所望の現像器を潜像が形成された像担持体に対向する現像位置に該複数の現像器のうち所望の現像器を移動する現像器移動手段と、該現像器の現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、該現像バイアスを切り換える現像バイアス切換手段とを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー複写機やカラープリンタ等の画像形成装置として、感光体等の像担持体の小型化や装置全体の小型化を図るために、複数の現像器を備えた移動式(例えば回転式)の現像装置を備えたものが提案されている。かかる画像形成装置において、像担持体上の潜像を現像する場合は像担持体上の潜像が現像位置を通過する前に現像装置の所望の現像器を現像位置へ移動して現像を行なう。そして、現像が終了した後は、該現像器を現像位置外の位置へ退避させるように移動する。
【0003】
上記移動式の現像装置を備えた画像形成装置において、例えば表面にトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を用いて現像を行なう現像器を備えた場合には、現像器を現像位置に移動する際、現像器が現像位置に到達する前に現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触して、所望の現像域外に、すなわち潜像形成領域外にトナーが付着することがあった。また、現像終了後、該現像器を現像位置以外の位置へ移動させる際も、同様に現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触して、所望の現像域外にトナーが付着することがあった。
【0004】
かかる現像域外へのトナー付着を防止するために、例えば特公平6−42099号公報では、現像器の現像剤担持体への現像バイアスの印加を、該現像器が現像位置に達する前から、該現像器が現像位置を離脱し所定距離移動した後まで行なう画像形成装置が提案されている。また例えば、特開平4−328783号公報では、像担持体上の潜像を現像する際、現像担持体表面の磁気ブラシを像担持体に接触させる時期を、現像剤担持体の始動後及び現像バイアスの印加後とし、磁気ブラシを像担持体から離隔させる時期を、現像剤担持体の動作停止及び現像バイアスの印加の解除前とする現像方法が提案されている。また例えば、特開平4−335667号公報では、現像器が現像位置にあるときのみ現像剤担持体を回転駆動させるものであって、所望の現像器が現像位置に到達する前に現像バイアスを現像剤担持体に印加し、現像終了後は該現像器を現像位置外に移動した後に現像剤担持体に印加している現像バイアスを解除する現像制御方式が提案されている。
【0005】
ところで、上記提案の画像形成装置等において現像器を移動するときに直流成分及び交流成分からなる現像バイアスを現像剤担持体に印加する場合、現像剤担持体上の現像剤の汲み上げ量によっては不具合が生じるおそれがあることが、本発明者による研究実験の結果わかった。例えば、現像剤としてトナー及びキャリアからなる二成分現像剤を用いた場合、現像剤担持体上の現像剤の汲み上げ量が多くなると、現像剤担持体上の現像剤を像担持体に接触させる前に該現像バイアスを印加し、かつ現像終了後現像剤担持体上の現像剤を像担持体表面から離した後に該現像バイアスの印加を停止しても、像担持体表面に現像剤のキャリアやトナーが付着することがあることがわかった。そして、この不要なキャリアやトナーの付着は、上記現像バイアスの交流成分で発生した振動電界によって、現像剤担持体上の拘束力の弱い先端側のキャリアやトナーが活性化され、像担持体側に移動しやすくなっているためであるということがわかった。このように像担持体表面に現像剤のキャリアやトナーが付着すると画質の低下や現像剤の無駄な消費につながってしまう。
【0006】
そこで、本出願人は、現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に、画像形成時に用いる現像バイアスよりも該現像剤担持体上の現像剤が該像担持体側に移動しにくい電界を発生させる現像バイアスを現像剤担持体に印加するように現像バイアスを切り換える画像形成装置を提案した(特願平7−199151号参照)。この構成の画像形成装置によれば、現像剤担持体上の現像剤の汲み上げ量が多い場合でも、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への離接時における不要な現像剤の像担持体への付着を防止できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に現像剤担持体と像担持体との間に形成する電界の大きさは、現像バイアスだけでなく現像剤担持体に対向する像担持体の帯電電位にも依存し、例えば像担持体の特性が経時や環境等によって変化して帯電電位がねらいの電位からずれると適正な電界が得られず、像担持体の表面に現像剤のキャリアやトナーが付着してしまうおそれがあることが、本発明者による研究実験の結果わかった。
【0008】
また、画像形成装置の種類によっては、現像位置に移動して現像に用いる現像器毎に像担持体の帯電電位を切り換える場合がある。例えば、各色に対応した複数の現像器を有するカラー画像形成装置には、カラーバランスを保ったり、現像時の各色のトナー付着を一定に保ったりするために、書き込み光量とともに像担持体の帯電電位を各色の現像器毎に制御するプロセス制御装置を備えているものがある。特に、ハイライト部からシャドー部まで各色バランスを保つためには、帯電電位と書き込み光量の両方を制御するのが一般的である。ところが、このように現像位置に移動して現像に用いる現像器毎に像担持体の帯電電位を切り換えると、現像バイアスと帯電電位との電位差が変化するため、たとえ上記現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接離する際に、画像形成時と異なる上記現像バイアスを現像剤担持体に印加しても、現像剤担持体と像担持体との間に形成する電界の大きさが、現像剤付着を防止するために必要な適正値にならず、像担持体の表面に現像剤のキャリアやトナーが付着してしまうおそれがあることがわかった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、複数の現像器のうち所望の現像器を現像位置へ移動して像担持体上の潜像を現像する画像形成装置であって、経時や環境等によって像担持体の特性が変化したり、各現像器を現像位置に移動させる度毎に像担持体の帯電電位を切り換えたりする場合でも、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への離接時における不要な現像剤の像担持体への付着を防止することができる画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の現像器と、像担持体を一様に帯電した後、該像担持体の一様に帯電された部分に対して露光を行うことにより該像担持体上に潜像を形成する手段と、該潜像が形成された像担持体に対向する一つの現像位置に該複数の現像器のうち所望の現像器を移動する現像器移動手段と、該現像器の現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、該像担持体の一様帯電電位を現像位置に移動する現像器毎に切り換える帯電電位切換手段とを備え、該現像位置から離す向きに現像器を移動させつつ該現像位置に近づける向きに次の現像器を移動させるようにして該現像位置に位置する現像器を切り換える画像形成装置において、該現像位置から移動して退避しようとする現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体から離間し終わった後に、該一様帯電電位の切り換えによる像担持体上の電位切換位置が現像領域に到達するように、且つ、該現像位置に移動しようとする次の現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体に接触し始める前に、該電位切換位置が該現像領域を通過し終わるように、該帯電電位切換手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記現像バイアスを切り換える現像バイアス切り換え手段と、該像担持体の帯電電位を検出する帯電電位検出手段と、該帯電電位検出手段の検出結果に基づいて、該現像剤担持体上の現像剤の該像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを、画像形成時に用いる現像バイアスよりも現像剤担持体上の現像剤が像担持体側に移動しにくい電界を発生させる現像バイアスに切り換えるように、該現像バイアス切換手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3の発明は、画像形成時に直流成分及び交流成分からなる現像バイアスを印加する請求項2の画像形成装置において、上記現像剤担持体上の現像剤の上記像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを、直流成分のみからなる現像バイアスに切り換えるように、上記現像バイアス切換手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1乃至3の発明においては、像担持体上に形成された潜像を現像する際に、現像器移動手段によって現像装置の所望の現像器を現像位置に移動させ、該現像器の現像剤担持体上の現像剤を像担持体に接触させる。そして、画像形成時には、現像バイアス印加手段によって現像バイアスが印加された現像剤担持体上に担持された現像剤を、該像担持体上の潜像に接触させて該潜像を現像する。そして、該現像器による現像が終了した後は、現像器移動手段によって該現像器を現像位置外に移動させ、現像剤担持体上の現像剤を像担持体から離す。
そして、帯電電位切換手段により、像担持体の一様帯電電位を現像位置に移動する現像器毎に切り換える。ところが、現像器を現像位置から移動して退避させる際、その移動開始前に一様帯電電位を切り換えてしまうと、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、該像担持体上の電位切換位置がある幅をもった現像領域を通過するため、現像剤担持体上の現像剤が像担持体から離間する際に現像バイアスの切換を行っても、該像担持体上の電位切換位置の上流側又は下流側で現像剤の付着が発生するおそれがある。
そこで、帯電電位切換手段を制御し、該現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体から離間し終わった後に、一様帯電電位の切り換えによる像担持体上の電位切換位置を現像領域に到達させることにより、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、該像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過しないようにする。
また、次の現像器を現像位置に移動する際は、その移動終了後に一様帯電電位を切り換えてしまうと、該現像器の現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、該像担持体上の電位切換位置がある幅をもった現像領域を通過するため、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触する際に現像バイアスの切換を行っても、該像担持体上の電位切換位置の上流側又は下流側で現像剤の付着が発生するおそれがある。
そこで、帯電電位切換手段を制御し、該現像器の現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触し始める前に、一様帯電電位の切り換えによる像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過し終わるようにすることにより、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、該像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過しないようにする。
【0014】
特に、請求項2の発明においては、帯電電位検出手段により像担持体上の帯電電位を検出し、該帯電電位検出手段の検出結果に基づいて、該現像剤担持体上の現像剤の該像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを切り換えるように現像バイアス切換手段を制御することにより、像担持体の帯電電位が変化した場合でも、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に、画像形成時に用いる現像バイアスを印加したときよりも現像剤担持体上の現像剤が像担持体側に移動しにくい電界を、像担持体と現像剤担持体との間に発生させ、不要な現像剤が像担持体側に移動して該像担持体に付着しないようにする。
【0015】
また特に、請求項3の発明においては、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に直流成分のみからなる現像バイアスを印加することにより、交流成分によって現像剤を活性化して移動しやすくするという作用を無くし、現像剤担持体と像担持体との間で現像剤を移動しにくくする。これにより、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に、不要な現像剤が像担持体側に移動して該像担持体に付着しないようにする。
【0020】
【発明の実施形態】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真式カラー複写機(以下、カラー複写機という)に適用した一実施形態について説明する。
まず、図2を用いて、本実施形態に係るカラー複写機の概略構成及び動作について説明する。このカラー複写機は、カラー画像読取装置(以下、カラースキャナという)1、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)2、給紙バンク3、後述する制御部等で構成されている。
【0021】
上記カラースキャナ1は、コンタクトガラス101上の原稿4の画像を照明ランプ102、ミラー群103a,b,c、及びレンズ104を介してカラーセンサ105に結像して、原稿4のカラー画像情報を、例えばRed,Green,Blue(以下、それぞれR,G,Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。カラーセンサ105は、本例ではR,G,Bの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成され、原稿4の画像を色分解した3色のカラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラースキャナ1で得たR,G,Bの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、Black(以下、Bkという),Cyan(以下、Cという),Magenta(以下、Mという),Yellow(以下、Yという)のカラー画像データを得る。
【0022】
上記Bk,C,M,Yのカラー画像データを得るためのカラースキャナ1の動作は次のとおりである。後述のカラープリンタ2の動作とタイミングを取ったスキャナスタ−ト信号を受けて、照明ランプ102及びミラー群103a,b,c等からなる光学系が矢印左方向へ原稿4を走査し、1回の走査毎に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを得る。そして、その都度カラープリンタ2で順次顕像化しつつ、これを重ねあわせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
【0023】
上記カラープリンタ2は、像担持体としての感光体ドラム200、書き込み光学ユニット220、現像装置としてのリボルバ現像ユニット230、中間転写装置260、定着装置270等で構成されている。
【0024】
上記感光体ドラム200は矢印の反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリ−ニング装置201、除電ランプ202、帯電器203、帯電電位検出手段としての電位センサ204、リボルバ現像ユニット230の選択された現像器、現像濃度パターン検知器205、中間転写装置260の中間転写ベルト261などが配置されている。
【0025】
また、上記書き込み光学ユニット220は、カラースキャナ1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿4の画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム200に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット220は、光源としての半導体レーザー221、図示しないレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミラー222とその回転用モ−タ223、f/θレンズ224、反射ミラー225などで構成されている。
【0026】
また、上記リボルバ現像ユニット230は、Bk現像器231K、C現像器231C、M現像器231M、Y現像器231Y、及び各現像器を矢印の反時計方向に回転させる後述のリボルバ回転駆動部などで構成されている。各現像器は、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光体ドラム200の表面に接触させて回転する現像スリ−ブと、現像剤を汲み上げて撹拌するために回転する現像剤パドルなどで構成されている。各現像器231内のトナーはフェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、各現像スリ−ブには図示しない現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源によって負の直流電圧Vdcに交流電圧Vacが重畳された現像バイアスが印加され、現像スリ−ブが感光体ドラム200の金属基体層に対して所定電位にバイアスされている。
【0027】
複写機本体の待機状態では、リボルバ現像ユニット230はBk現像器231Kが現像位置にセットされており、コピ−動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBkカラー画像データの読み取りが開始し、このカラー画像データに基づきレーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C,M,Yについても同様)。このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Bk現像スリ−ブを回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後Bk静電潜像領域の現像動作を続けるが、静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置にくるまで、リボルバ現像ユニット230が回転する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が到達する前に完了させる。
なお、このリボルバ現像ユニット230については、後で詳しく説明する。
【0028】
また、上記中間転写装置260は、中間転写ベルト261、ベルトクリ−ニング装置262、紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という)263などで構成されている。中間転写ベルト261は駆動ローラ264a、転写対向ロ−ラ264b、クリ−ニング対向ロ−ラ264c及び従動ロ−ラ群に張架されており、図示しない駆動モ−タにより駆動制御される。この中間転写ベルト261の材質は、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン)であり、その電気抵抗は表面抵抗で108〜1010Ω/cm2程度である。またベルトクリ−ニング装置262は、入口シ−ル、ゴムブレ−ド、排出コイル、入口シ−ル及びゴムブレ−ドの接離機構等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベルト261に転写した後の2、3、4色目の画像をベルト転写している間はブレード接離機構によって中間転写ベルト261面から入口シ−ル、ブレ−ドを離間させておく。また紙転写器263は、コロナ放電方式にてAC電圧+DC電圧、又はDC電圧を印加して、中間転写ベルト261上の重ねトナー像を転写紙5に一括転写する。
【0029】
また、カラープリンタ2内の転写紙カセット207及び給紙バンク3内の転写紙カセット300a,b,cには、各種サイズの転写紙5が収納されており、指定されたサイズの転写紙5のカセットから、給紙コロ208,301a,b,cによってレジストロ−ラ対209方向に給紙、搬送される。また、OHP用紙や厚紙などの手差し給紙用にプリンタ2の右側面に手差しトレイ210がある。
【0030】
上記構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、まず感光体ドラム200は矢印の反時計方向に、中間転写ベルト261は矢印の時計回りに図示しない駆動モ−タによって回転される。中間転写ベルト261の回転に伴ってBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト261上に重ねてトナー像が形成される。
【0031】
上記Bkトナー像形成は次のように行なわれる。帯電器203はコロナ放電によって感光体ドラム200を負電荷で約−700Vに一様帯電する。そして、半導体レーザ221はBkカラー画像信号に基づいてラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様荷電された感光体ドラム200の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。そして、このBk静電潜像にBk現像スリーブ上の負帯電のBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはBkトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。そして、感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト261の表面に、ベルト転写器265によって転写される(以下、感光体ドラム200から中間転写ベルト261へのトナー像転写をベルト転写という)。
【0032】
感光体ドラム200上の若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて感光体クリ−ニング装置201で清掃される。ここで回収されたトナーは回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
【0033】
感光体ドラム200側ではBk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザー光書き込みで、C静電潜像形成を行う。そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、かつC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバー現像ユニット230の回転動作が行なわれ、C現像器231Cが現像位置にセットされてC静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器231Bの場合と同様にリボルバー現像ユニット230の回転動作を行ない、次のM現像器231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。
なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBK,Cの工程と同様であるので説明は省略する。
【0034】
上記中間転写ベルト261には、感光体ドラム200に順次形成するBk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像が形成され、次の転写工程において、この4色のトナー像が転写紙5に紙転写器263により一括転写される。
【0035】
上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙5は上記転写紙カセット又は手差しトレイのいずれかから給送され、レジストローラ対209のニップで待機している。そして、紙転写器263に中間転写ベルト261上のトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙5の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対209が駆動され、転写紙5とトナー像とのレジスト合わせが行われる。そして、転写紙5が中間転写ベルト261上のトナー像と重ねられて正電位の紙転写器263の上を通過する。このとき、コロナ放電電流で転写紙5が正電荷で荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙5上に転写される。続いて紙転写器263の左側に配置した図示しないAC+DCコロナによる分離除電器との対向部を通過するときに、転写紙5は除電され、中間転写ベルト261から剥離して搬送ベルト211に移る。
【0036】
そして、中間転写ベルト261面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙5は、紙搬送ベルト211で定着装置270に搬送され、所定温度に制御された定着ロ−ラ271と加圧ロ−ラ272のニップ部でトナー像が溶融定着され、排出ローラ対212で装置本体外に送り出され、図示しないコピ−トレイに表向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
【0037】
一方、ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリ−ニング装置201(ブラシロ−ラ、ゴムブレ−ド)でクリ−ニングされ、除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙5にトナー像を転写した後の中間転写ベルト261の表面は、ベルトクリ−ニング装置262のブレードを再びブレ−ド接離機構で押圧することによってクリ−ニングされる。
【0038】
ここで、リピ−トコピ−のときは、カラースキャナ1の動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト261の方は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙5への一括転写工程に引き続き、表面のベルトクリ−ニング装置262でクリ−ニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
【0039】
以上は、4色フルカラーコピ−を得るコピ−モ−ドであったが、3色コピ−モ−ド、2色コピ−モ−ドの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。
【0040】
また、単色コピ−モ−ドの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像器のみを現像作動状態にして、ベルトクリ−ニング装置262のブレ−ドを中間転写ベルト261に押圧状態のまま連続してコピ−動作を行う。
【0041】
また、A3サイズのフルカラーコピーモードの場合には、中間転写ベルト261が1周するごとに1色のトナー像を形成し、4回転で4色のトナー像を形成していくのが望ましいが、装置全体を小さく、つまり中間転写ベルト261の周長を抑え、小サイズの場合のコピースピードを確保し、かつ最大サイズのコピースピードも落さないようにするためには、中間転写ベルト261が2周する間に1色のトナー像を形成するのが好ましい。この場合には、Bkトナー像を中間転写ベルト261に転写した後、次の中間転写ベルト261の1周では、カラープリンタ2における現像及び転写が行なわれずに空回転し、その次の1周で次色のCトナーによる現像を行ない、そのCトナー像を中間転写ベルト261に転写するように順次行なっていく。このとき現像器切り換えのためのリボルバ現像ユニット230の回転動作は、上記空回転時に行なう。
【0042】
次に、上記リボルバ現像ユニット230について説明する。
図3はリボルバ現像ユニット230の各現像器231K,C,M,Yが一体となった現像器ユニット40の内部構造を示す断面図である。この現像器ユニット40は図示しないほぼ円盤状の前後端板間に設けられた仕切り壁とを備えている。この仕切り壁は黒トナーを収容した円筒状の黒トナーボトルを挿入可能な中空円筒部82と、該中空円筒部82から放射状に伸びて該中空円筒部82まわりの空間を円周方向に互いにほぼ同型の4つの現像室に区画する現像器ケーシング部83、83C、83M、83Yとからなっている。これらの各現像室内に現像剤としてのキャリア及び各色のトナーからなる二成分現像剤がそれぞれ収容されている。図示の例では感光体ドラム200に対向する現像位置にあるのが黒トナーとキャリアを収容した黒現像器231Kの現像室で、図中反時計回りの順に、イエロートナーとキャリアを収容したイエロー現像器231Yの現像室、マゼンタトナーとキャリアを収容したマゼンタ現像器231Mの現像室、シアントナーとキャリアを収容したシアン現像器231Cの現像室になっている。
【0043】
ここで、4つの各現像室の内部構造はまったく同様であるので、以下、図3において現像位置にある黒現像室を例にとって内部構造を説明し、他の現像室の内部構造については対応する部材の符号として、黒現像室における符号と同じ数字にイエロー、マゼンタ、シアンの各現像室を区別するためY、M、Cの添字を付した符号を図中に示し、説明を省略する。
【0044】
図中現像位置にある黒現像器231Kにおいて、現像器ケーシング部83には感光体ドラム200に向けた開口部が形成され、該開口部を介して一部が露出するように現像室内に内部に磁石を配置した現像スリーブからなる現像剤担持体としての現像ローラ84が設けられている。また現像室内には現像ローラ84に担持されて感光体ドラム200との対向部に搬送される現像剤量を規制するドクタブレード85、該ドクタブレード85で規制されて現像室内に押し留められた現像剤の一部を中心軸線方向に沿って後から前に搬送する上搬送スクリュウ86とそのガイド87、及び、現像室内の現像剤を撹拌する撹拌パドル88が設けられている。この撹拌パドル88は現像ローラ84の幅方向にわたって複数の現像剤排出孔89aが形成された中空円筒部89と、該中空円筒部89の周面から放射状に伸びる複数の撹拌板部90とを備えている。この中空円筒部89内には、中心軸線方向に沿って上記上搬送スクリュウ86とは逆の向きに現像剤を搬送する下搬送スクリュウ91が収容されている。この下搬送スクリュウ91の下方の現像器ケーシング部83には、現像室内の現像劣化に伴う現像剤交換時に、劣化現像剤排出口や必要に応じて未使用現像剤(トナー混合済み)の投入口として使用するため回転軸線方向に延びる剤排出口92が形成され、該排出口92を外側から覆うキャップ93がねじ94などで固定されている。
【0045】
なお、上記排出口92からの劣化現像剤排出を効率的に行うには、リボルバ現像ユニットを図示しない収容台を介して複写機本体から引き出し、後述する現像入力歯車95(図4参照)などを治具などを用いて回転させ、現像ローラ84、上下搬送スクリュウ86、91及びパドル88を回転させながら劣化現像剤を排出することが望ましい。また、上記排出口92から未使用現像剤を投入するときにも、同様にして現像ローラ84、上下搬送スクリュウ86,91及び撹拌パドル88を回転させれば、現像剤に均一に分散させることができる。
【0046】
図4は黒現像器231Kの上下搬送スクリュウ86,91の中心軸52を含む面による縦断面図である。同図に示すように上下搬送スクリュウ86,91の前側端部は現像ローラ84の有効幅領域よりも外側(図示の例では現像器ユニット40の前端壁50の外側)まで延在し、この延在個所に上搬送スクリュウ86で搬送されてきた現像剤を、下搬送スクリュウ91上に自重で落下させための落下部96が設けられている。そして、下搬送スクリュウ91の前側端部は落下部96よりも更に前側まで延び、図示しないトナー収容器ユニットの各現像室に対応させて設けられたトナー補給ローラ97下方の連通室内まで延在している。これにより、現像ローラ84で汲み上げられた現像剤のうちドクタブレード85で規制され、かつガイド87及び上搬送スクリュウ86で前側まで搬送された現像剤が上記落下部96で下搬送スクリュウ91上に落下し、該下搬送スクリュウ91で現像ローラ84の有効幅内に搬送され、該有効幅内の撹拌パドル中空円筒部の現像剤排出口から現像室内に排出され、再び現像ローラ84に担持され得るようになる。つまり、現像室内での現像剤のいわゆる横撹拌が行われる。そして撹拌パドル88の中空円筒部82の現像剤排出口から現像室下部の現像剤溜りに排出された現像剤が撹拌パドル88の回転によりその撹拌板部でいわゆる縦撹拌が行われる。また上記トナー補給ローラ97の回転により上記連通室内の下搬送スクリュウ91上に落下したトナーが、該下搬送スクリュウ91により落下部96まで搬送され、ここで上搬送スクリュウ86から落下した現像剤内に取り込まれて互いに混合され、この混合された現像剤が上記現像剤排出口から現像室内に入ることにより、現像室内の現像剤のトナー濃度を上昇させる。
【0047】
図5(a)は現像器ユニット40の後端壁51を前側から見た透視図である。この後端壁部、具体的には後端壁51に固設されたリボルバ入力歯車79よりも後側に図示の各歯車が設けられている。すなわち、上記後端壁51などを貫通してリボルバ入力歯車79よりも後側まで突出した現像ローラ84の軸端部に現像ローラ歯車98が固設され、同様にリボルバ入力歯車79よりも後側まで突出した上下搬送スクリュウ86,91それぞれの軸端部に上下搬送スクリュウ歯車99、100が固設されている。そして、図示の例では現像ローラ歯車98と下搬送スクリュウ歯車100とに噛み合うアイドル歯車101と、本体後側板53に取り付けられ現像駆動用モータ80により駆動される現像出力歯車81とに噛み合うための現像入力歯車95が、現像器ユニット40の後端壁51の背面側に取り付けられている。これらの歯車が後端壁側に設けられているリボルバ現像ユニットが図示しない収納台に担持されて複写機本体内に挿入されることにより、図5(a)に示すように本体側の現像出力歯車81とリボルバ現像ユニット側の現像入力歯車95とが噛み合う。これと同時に同じく同図5(a)に示すように本体側のリボルバ出力歯車78にリボルバ現像ユニット側のリボルバ入力歯車79が噛み合う。
【0048】
なお、図6(a)は同リボルバ現像ユニットの駆動モータ部の平面図、図6(b)は同駆動モータ部の正面図である。これらの図からわかるように、上記収納台挿入に伴い複写機本体側とリボルバ現像ユニット側の歯車との噛み合いが良好に行われるように、収納台スライド方向に後退可能に本体側の歯車78、81が取り付けられ、かつ付勢手段としてのスプリング102、103により本体前側に押し出し付勢されている。これにより、本体側の歯車78、81とリボルバ現像ユニット側の歯車79、95が収納台挿入時に干渉する関係にある場合にも、本体側歯車78、81が退避して収納台の挿入が完全に行われ得る。そしてその後の本体側歯車78、81の駆動に伴って歯車の干渉を解消でき、上記付勢力により最もリボルバ現像ユニット側に本体歯車78、81が押し出され、リボルバ現像ユニット側の歯車79、95との完全な噛み合いが実現できる。
【0049】
上記完全な噛み合いが実現できた状態の図5(a)において、現像出力歯車81が図中矢印Aで示す向きに駆動され、これに噛み合う現像入力歯車95を介して上下搬送スクリュウ歯車99、100が回転して上下搬送スクリュウが回転駆動される。また同現像入力歯車95、下搬送スクリュウ歯車100及びアイドル歯車101を介して現像ローラ歯車98が回転して現像ローラ84が回転駆動される。
【0050】
ここで、上記現像ローラ84等を回転駆動する現像駆動は、現像位置にある現像器のみの現像ローラ84等を回転駆動するようになっている。そして、現像器を現像位置にセットする際に現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触する前に本体歯車81とリボルバ現像ユニット側の歯車95とが確実に噛み合い、かつ、現像器を現像位置から離す際に現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200から完全に離れるまで本体歯車81とリボルバ現像ユニット側の歯車95とが確実に噛み合うように構成されている。そのために、本体歯車81とリボルバ現像ユニット側の歯車95の噛み合い位置は、リボルバ現像ユニットの中心に近い部分に設定されている。
【0051】
また、本実施例では前述のステッピングモータなどからなるリボルバ駆動用モータ77で駆動されるリボルバ出力歯車79を、図5(a)に示すように図中矢印B向きに回転駆動してリボルバ現像ユニットを矢印C向きに回転させることにより、現像位置に位置させる現像器の切換えを行い、かつ、リボルバ現像ユニットの後端壁51の周面部の所定個所に形成した凹部65に、位置決めコロ66を入り込ませて嵌合せさ、リボルバ現像ユニットの位置決めを行っている。ところが、上記リボルバ駆動用モータのバラツキやリボルバ現像ユニット側の負荷バラツキにより、リボルバ現像ユニットの回転角が所望の回転角(例えば回転方向で1つ上流側の現像器を現像位置に移動させる場合には90度)に満たない場合には、位置決めコロ66が対応する凹部65に嵌合し切れずに正確な位置決めができず現像ローラ84と感光体ドラム200との間隔が所望の間隔と異なってしまったりする。
【0052】
そこで、リボルバ駆動用モータ77の回転制御を、所望角度の回転は確実に行えるよう上記バラツキを考慮して該所望角度よりも多少大きな角度(例えば3度程度大きな角度)に相当する制御値を用いて行う。そして、このような制御値で回転制御した結果実際にリボルバ現像ユニットが所望角度を越えて回転した場合にも正確に位置決めが行なえるように現像駆動モータの駆動開始によりリボルバ現像ユニットに与える回転モーメントを利用して正確な位置決めを行う。すなわち、図5(a)に示すように現像位置にある現像器の現像入力歯車95に噛み合っている現像出力歯車81の図中矢印A向きの回転(通常の現像駆動時の向きの回転)により、図中白抜きの矢印Dで示す通常のリボルバ現像ユニットの回転の向きとは逆の向きの回転モーメントを該ユニットに与えて該ユニットを戻せるようにし、かつ、該ユニットの戻りを、位置決めコロ66が対応する凹部65に嵌合した時点でストップさせてリボルバユニットの回転をロックできるように、該位置決めコロ66を取り付けたブラケット64が該戻り向きの回転に対してカウンタになるようにブラケット支軸である位置決めピン63の位置及びリボルバ現像ユニットに対する当接姿勢を決定している。更に、上記制御値による回転制御でリボルバ現像ユニットが所望角度を越えて回転して一旦入り込んだ凹部65を抜け出すときの駆動系の負荷を軽減するためには、図5(b)に示すように位置決めが通常回転時に抜け出すときの凹部部分65aの傾斜をロック用の凹部部分65aよりもなだらかにして抜け出し易くすることが望ましい。
【0053】
なお、図3に図示の例では、例えばイエロー現像器231Yについて示すように現像ローラ84Yとドクタブレード85Yとを支持する前後端壁部が、他の前後端壁部から分離可能な小端壁部104に構成されている。これにより、現像室内の清掃や部品交換に際して、小端壁部104ごと現像ローラ84Y及びドクタブレード85Yを取り外して現像室内にアクセスしやすいようになっている。
【0054】
また図5(c)に示すように現像位置に位置する現像器の現像ローラ軸98a端に対向する本体後側板53の定位置には、現像バイアス電源105に接続された現像バイアス印加用の導電性の棒状端子106がブラケット107により収納台スライド方向(スラスト方向)に後退可能に取り付けられ、かつ付勢手段としての導電性のスプリング107aにより複写機本体前側に押し出し付勢されている。また、上記棒状端子106の先端部は半球状に形成され、かつ、現像ローラ84の軸端部は該半球より若干極率半径が大きい断面円孤状のへこみが形成され、これらにより、リボルバ現像ユニットの回転に伴って棒状端子106との対向部に到来する現像ローラ84軸端部と、棒状端子106先端との係合離脱時の接触付加軽減及び係合中における接触安定が図られている。
【0055】
また、上記棒状端子106は、上記現像駆動と同様に現像位置にある現像器のみに現像バイアスが印加させるようになっている。そして、上記現像駆動と同様に、現像器を現像位置にセットする際に現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触する前に棒状端子106と現像ローラ84軸端部が確実に接触し、かつ、現像器を現像位置から離す際に現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200から完全に離れるまで棒状端子106と現像ローラ84軸端部が確実に接触するように構成されている。
【0056】
図1の制御手段としての制御部500は、本体500Aで演算制御処理を行うマイクロコンピュータを備え、この本体500Aには、演算制御処理のための基礎プログラム及びこれらの処理のための基礎データを蓄積しているROM500B、並びに各種データを取り込むためのRAM500Cが接続されている。そして、この本体500Aには、I/Oインターフェース500Dを介して外部機器が接続され、I/Oインターフェース500Dの入力側には、感光体ドラム200の対向に付設されている現像濃度パターン検知器(発光素子と受光素子との組み合わせからなる光学センサ)205と、同じく感光体ドラム200の対向に付設されている電位センサ204が接続されている。この電位センサ204は、感光体ドラム200の現像位置前の帯電電位を検出するようになっている。
【0057】
また、I/Oインターフェース500Dの出力側には、現像ローラ駆動部駆動部501、現像バイアス切換手段としての現像バイアス制御駆動部502、帯電電位切換手段としての帯電制御駆動部503、トナー補給駆動部504、レーザ発光駆動部505、現像リボルバ駆動部506が各々接続されている。
【0058】
上記現像バイアス制御駆動部502は、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを上記棒状端子106に印加できるように構成されている。また、この現像バイアス制御駆動部502は、上記制御部500からの制御信号に基づいて、交流電圧の出力を後述する直流電圧と独立してON/OFFの切換ができ、かつ、直流電圧の出力値を後述する所定のタイミングで変化させることができるように構成されている。
【0059】
上記帯電制御駆動部503は、帯電器(帯電チャージャ)203に接続されており、帯電器203にバイアスを印加できるように構成されている。また、帯電制御駆動部503は、制御部500からの制御信号に基づいて、帯電器203へのバイアス出力値を所定のタイミングで切り換えて変化させることができるように構成されている。
【0060】
図7は、上記構成のカラー複写機におけるリボルバ現像ユニット230のリボルバ回転用モータ77の駆動、現像バイアスの印加、現像スリーブ駆動用のモータ80の駆動、帯電器203へのバイアスの印加、及び電位センサ204の出力を示したタイミングチャートである。同図に示すように、リボルバ回転用モータ77を回転させる前、つまりBk現像器231Kの現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触している状態で、電位センサ204により感光体ドラム200の表面の帯電電位を検出する。そのときの検出電位をVD(K)としたとき、リボルバー現像ユニット230の回転直前の現像バイアスの直流(DC)成分VBr(K)は、VBr(K)=VD(K)−(−160)で算出し、通常作像時の現像バイアスVB(K)から算出したVBr(K)に切り換えられる。図1の例では、上記VD(K)が−670Vであり、VBr(K)=−670−(−160)=−510となり、リボルバー現像ユニットの回転直前に現像バイアスをVB(K)=−500VからVBr(K)=−510Vに切り換える。
【0061】
その後、現像バイアスの交流(AC)成分の印加をOFFし、リボルバ回転用モータ77をONしてリボルバ現像ユニット230を回転させ、感光体ドラム200表面から現像剤が離間するようになっている。このようにリボルバ現像ユニット230の回転に伴う現像ローラ84上の現像剤と感光体ドラム200との接離の際に、現像バイアスの交流成分の印加をOFFすることにより、交流成分によって現像剤を活性化して移動しやすくするという作用を抑えるので、感光体ドラム200へのキャリア及びトナーの付着を防止できる。
【0062】
また、本実施形態に係るカラー複写機では、ハイライト部からシャドー部まで各色バランスを保つため、書き込み光量と帯電電位を制御している。そのため、上記リボルバ回転用モータ77の回転中又は該モータ77の回転に先だって、感光体ドラム200の帯電電位を、次の色(C)のための帯電電位に切り換えるように帯電制御駆動部503を制御している。この帯電電位は、プロセスコントロールで最適な電位に設定されている。
【0063】
ところで、上記帯電電位の切り換えを現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触している状態で行うと、その感光体ドラム200上の電位変化位置が現像領域に達したときに現像バイアスを切り換えても、該現像領域にある幅(現像ニップ)が存在するため、感光体ドラム200に現像剤のキャリアやトナーが付着してしまうおそれがあった。
【0064】
そこで、本実施形態では、上記帯電電位の切り換えをC現像器231Cの移動終了前に行うように帯電制御駆動部503を制御し、C現像器231Cの現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触し始める前に、該帯電電位切換による感光体ドラム200上の電位変化位置が現像領域を通過し終わるようにすることにより、現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触している状態で、感光体ドラム200上の電位変化位置が現像領域を通過しないようにしている。これにより、感光体ドラム200の帯電電位の切り換えを行っても、C現像器の移動に伴って現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200から離間する際に、不要な現像剤が感光体ドラム200に付着するのを確実に防止できる。
また、感光体ドラム200の帯電電位の切換及び現像器231の移動を同時に行うため、該帯電電位の切換及び現像器231の移動をそれぞれ異なる時間帯に行う場合に比較してコピースピードをアップすることができる。
【0065】
なお、上記帯電電位の切り換えは、上記Bk現像器231Kの現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200から離れる離間時に近いタイミングで行ってもよい。この場合には、上記帯電電位の切り換えをBk現像器231Kの移動開始後に行うように帯電制御駆動部503を制御し、Bk現像器231Kの現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200から離間し終わった後に、該帯電電位切換による感光体ドラム200上の電位変化位置を現像領域に到達させることにより、現像ローラ84上の現像剤が感光体ドラム200に接触している状態で、感光体ドラム200上の電位変化位置が現像領域を通過しないようにする。
【0066】
次に、上記帯電電位の切り換えを行った後、所定のタイミングで電位センサ204により感光体ドラム200の帯電電位を検出する。このときの検出電圧をVD(C)としたとき、リボルバー現像ユニット230の回転時の現像バイアスの直流成分VBr(C)は、VBr(C)=VD(C)−(−160)で算出し、上記現像バイアスVBr(K)からVBr(C)に切り換えられる。図1の例では、上記VD(K)が−700Vであり、VBr(K)=−700−(−160)=−540となり、リボルバー現像ユニットの回転時に現像バイアスをVBr(K)=−510VからVBr(C)=−540Vに切り換えられる。
【0067】
その後、感光体ドラム200に次色のC現像器231Cの現像ローラ上の現像剤が接触するようになっている。この現像剤の接触後、現像バイアスの直流成分を上記VBr(C)から通常作像時のVB(C)に切り換えられ、交流成分の印加をONするように制御される。
【0068】
なお、上記図1の例では、Bk現像器231KからC現像器231Cに切り換える場合について示しているが、C現像器231CからM現像器231Mに切り換える場合、及びM現像器231MからY現像器231Yに切り換える場合についても、同様な現像バイアス及び帯電電位の制御を行うことができる。このとき、各現像器に対する感光体ドラム200の帯電電位の値は、プロセスコントロールにより最適な電位に設定される。
【0069】
以上、本実施形態のカラー複写機によれば、電位センサ204により感光体ドラム200の帯電電位を常に検出して、この検出結果に基づいて、リボルバ現像ユニット230の回転に伴う現像ローラ84上の現像剤と感光体ドラム200との接離の際に印加する現像バイアスの直流成分の値を決定するので、各色毎に帯電電位を変化させたり、経時又は環境変動などによって感光体ドラム200の特性が変化したりする場合でも、リボルバー現像ユニットの回転に伴う現像ローラ84上の現像剤と感光体ドラム200との接離の際に、現像剤付着防止に適した現像バイアスが印加され、感光体ドラム200への現像剤のキャリア及びトナーの付着を防止できる。
【0070】
なお、上記実施形態に係るカラー複写機では、負帯電のトナーを含む二成分現像剤を用いた反転現像方式を採用しているが、本発明は、正帯電のトナーを用いるものや、一成分現像剤を用いるものや、正規現像方式を採用した場合にも適用でき、同様な効果が得られるものである。
【0071】
【発明の効果】
請求項1乃至3の発明によれば、現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体から離間し終わった後に、一様帯電電位の切換による像担持体上の電位切換位置を現像領域に到達させることにより、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、該像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過しないようになるので、像担持体の一様帯電電位の切り換えを行っても、現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤の像担持体からの離間の際に、不要な現像剤が像担持体に付着するのを確実に防止できるという効果がある。
また、現像器の現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触し始める前に像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過し終わるようにすることにより、現像剤担持体上の現像剤が像担持体に接触している状態で、像担持体上の電位切換位置が現像領域を通過しないようになるので、像担持体の一様帯電電位の切り換えを行っても、現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接触の際に、不要な現像剤が像担持体に付着するのを確実に防止できるという効果がある。さらに、像担持体の帯電電位の切換及び現像器の移動を同時に行うことができるため、該帯電電位の切換及び現像器の移動をそれぞれ異なる時間帯に行う場合に比較して画像形成スピードをアップすることができるという効果がある。
【0072】
特に、請求項2の発明によれば、帯電電位検出手段の検出結果に基づいて該現像剤担持体上の現像剤の該像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを切り換えることにより、像担持体の帯電電位が変化した場合でも、画像形成時に用いる現像バイアスよりも現像剤担持体上の現像剤が像担持体側に移動しにくい電界を、像担持体と現像剤担持体との間に発生することができるので、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に不要な現像剤が像担持体に付着するのを防止できるという効果がある。
また特に、請求項3の発明によれば、現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に、画像形成時の交流成分及び直流成分からなる現像バイアスから、直流成分のみからなる現像バイアスに切り換えることにより、交流成分によって現像剤を活性化して移動しやすくするという作用を無くして現像剤担持体と像担持体との間で現像剤を移動しにくくするので、現像器の移動に伴う現像剤担持体上の現像剤の像担持体への接離の際に、不要な現像剤が像担持体に付着するのをさらに防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラー複写機の制御系のブロック図。
【図2】同カラー複写機の概略構成を示す正面図。
【図3】同カラー複写機のリボルバ現像ユニットの断面図。
【図4】同リボルバ現像ユニットの現像器とトナー収容器との連絡構造の説明図。
【図5】(a)は同リボルバ現像ユニットの駆動系を示す正面からの透視図。
(b)は同リボルバ現像ユニットの位置決め機構の説明図。
(c)は同リボルバ現像ユニットの各現像器への現像バイアス供給装置の説明図。
【図6】(a)は同リボルバ現像ユニットの駆動モータ部の平面図。
(b)は同駆動モータ部の正面図。
【図7】同リボルバー現像ユニットのリボルバ回転用モータの駆動、現像バイアスの印加、現像スリーブ駆動用のモータの駆動、帯電器へのバイアスの印加、及び電位センサの出力を示したタイミングチャート。
【符号の説明】
77 リボルバ回転用モータ
84 現像ローラ
105 現像バイアス電源
200 感光体ドラム
204 電位センサ
230 リボルバ現像ユニット
231 現像器
500 制御部
502 現像バイアス制御駆動部
503 帯電制御駆動部
506 リボルバ駆動部
Claims (3)
- 複数の現像器と、像担持体を一様に帯電した後、該像担持体の一様に帯電された部分に対して露光を行うことにより該像担持体上に潜像を形成する手段と、該潜像が形成された像担持体に対向する一つの現像位置に該複数の現像器のうち所望の現像器を移動する現像器移動手段と、該現像器の現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、該像担持体の一様帯電電位を現像位置に移動する現像器毎に切り換える帯電電位切換手段とを備え、該現像位置から離す向きに現像器を移動させつつ該現像位置に近づける向きに次の現像器を移動させるようにして該現像位置に位置する現像器を切り換える画像形成装置において、
該現像位置から移動して退避しようとする現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体から離間し終わった後に、該一様帯電電位の切り換えによる像担持体上の電位切換位置が現像領域に到達するように、且つ、該現像位置に移動しようとする次の現像器の現像剤担持体上の現像剤が該像担持体に接触し始める前に、該電位切換位置が該現像領域を通過し終わるように、該帯電電位切換手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記現像バイアスを切り換える現像バイアス切り換え手段と、
該像担持体の帯電電位を検出する帯電電位検出手段と、
該帯電電位検出手段の検出結果に基づいて、該現像剤担持体上の現像剤の該像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを、画像形成時に用いる現像バイアスよりも現像剤担持体上の現像剤が像担持体側に移動しにくい電界を発生させる現像バイアスに切り換えるように、該現像バイアス切換手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成時に直流成分及び交流成分からなる現像バイアスを印加する請求項2の画像形成装置において、
上記現像剤担持体上の現像剤の上記像担持体への接離の際に印加する現像バイアスを、直流成分のみからなる現像バイアスに切り換えるように、上記現像バイアス切換手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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