JP3605597B2 - 回転電機用ステータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機用ステータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実公昭60−29319号公報や特開平7−7875号公報等には、複数の単位コアを環状に組み合わせてなるステータコアを用いた回転電機用ステータの製造技術が開示されている。単位コアは、ステータコアの環状継鉄部の一部を構成する継鉄部分と巻線が巻回される巻線巻回部とを有しており、継鉄部分の一方の端部に嵌合凹部を備え他方の端部に嵌合凸部を備えている。そして複数の単位コアの巻線巻回部には予め巻線を巻回して励磁巻線を構成する複数の単位巻線部を形成してある。従来の技術では、このような単位巻線部を形成した複数の単位コアを隣接する二つの単位コアの嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌め合わせることにより組み合わせて環状のステータコアを作り、その後所定の単位コアの巻線巻回部に形成した単位巻線部の引き出し線を順次半田付け接続して励磁巻線を構成することによりステータを製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の技術では、各単位コアを組み合わせてステータコアを作る作業が非常に面倒であった。また各単位コアに個別に巻線を巻回して巻線巻回部を形成する作業も非常に面倒であった。その上、ステータコアを組み立てた後に、各単位コアに形成した単位巻線部の引き出し線を順次半田付け接続する作業は、自動化が難しく、また面倒であった。そのため従来の技術では、ステータの製造効率を上げることが難しく、またステータの価格を低減化することも難しかった。また従来の技術で製造されたステータでは、半田付け接続の箇所が多いために、それだけ半田付け不良や断線が発生しやすく、製品の信頼性を上げることが難しい問題があった。
【0004】
本発明の目的は、途中に接続部がない励磁巻線を備えた回転電機用ステータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が改良の対象とする回転電機用ステータの製造方法では、ステータコアの環状継鉄部の一部を構成する継鉄部分71と巻線が巻回される巻線巻回部72とを有し且つ継鉄部分の一方の端部に嵌合凹部74を備え他方の端部に嵌合凸部75を備えている複数の単位コア7…の巻線巻回部72に巻線を巻回して励磁巻線を構成する複数の単位巻線部W0 を形成する。そして単位巻線部が形成された複数の単位コア7…を隣接する二つの単位コアの嵌合凹部74と嵌合凸部75とを嵌め合わせることにより組み合わせてステータを製造する。
【0006】
本発明においては、単位コア保持用治具9を用いて複数の単位コア7a〜7lをこの治具に保持させた状態で巻線の巻装を実施し、この治具を利用してステータコア6またはステータ1を組み立てる。本発明で用いる単位コア保持用治具9は、複数の単位コアをそれぞれ着脱自在に保持する複数の単位コア保持部材10…と隣接する二つの単位コア保持部材を相互に連結して複数の単位コア保持部材からなる単位コア保持部材列12を形成する複数の連結構造部11…とを備えている。この連結構造部11…は、単位コア保持部材列を環状形態にすることを許容するように構成されている。
【0007】
本発明の方法では、このような単位コア保持用治具9の複数の単位コア保持部材10…にそれぞれ複数の単位コア7a〜7lを保持させる(単位コア保持工程)。そしてこの単位コア保持工程に前後して、単位コア保持部材列12の形態を巻線機により複数の単位コアの巻線巻回部W0 に巻線を巻回できる巻線可能形態とし、その状態を保持する(治具保持工程)。ここで「巻線可能形態」とは、巻線機を用いて各単位コアの巻線巻回部に巻線を巻回できる形態であれば、どのような形態でよい。最も単純な巻線可能形態とは、単位コア保持部材列を直線状に並べる形態である。このような形態では、巻線機のノズル及び単位コア保持部材列の一方を他方に対して直線的に移動させることにより、励磁巻線を構成する単位巻線部を順次連続して形成することができる。また巻線可能形態を回転体の外周面に沿って取付けて円弧状にすると、巻線機のノズルの位置を変えずに、回転体を間欠的に回転させることにより、励磁巻線を構成する単位巻線部を順次連続して形成することができる。
【0008】
なお治具保持工程の後に、単位コア保持工程を実施するほうが、単位コア7a〜7lの治具9への取付けが容易である上、単位コア保持部材列12の形態の形成が容易になる。
【0009】
次に、本発明では巻線可能形態にある単位コア保持部材列12に保持された複数の単位コアの巻線巻回部に巻線機により巻線を巻回して励磁巻線を構成する複数の単位巻線部(W0 )を形成する(巻線部形成工程)。1相の励磁巻線を構成する単位巻線部を順次形成してもよいが、複数の巻線機を用いて複数相の励磁巻線を構成する複数の単位巻線部を同時期に形成してもよい。ここで「同時期」とは、複数相の励磁巻線を構成する複数の単位巻線部を同時に形成する場合だけでなく、複数相の励磁巻線を構成する複数の単位巻線部の巻回作業が一次的に重複する場合も含む。
【0010】
本発明の方法では、巻線部形成工程の後に、単位コア保持部材列12を環状形態にしながら複数の単位コア7a〜7lの隣接する二つの単位コアの嵌合凹部74と嵌合凸部75とを嵌め合わせて複数の単位コアを環状に組み合わせてステータコアまたはステータを組み立てる(組立て工程)。本発明では、単位コア保持用治具に複数の単位コアを保持させているため、単位コア保持部材列を環状形態にするだけで複数の単位コアを環状に組み合わせる作業を容易に行える。また複数の単位コアを環状に組み合わせた後も、単位コア保持用治具9が環状に組み合わせた複数の単位コアの形状維持部材として機能するため、その後にステータコアの外周に締め付け部材を装着する作業を行う場合や、ステータコアの外周に接着剤を含浸させて各単位コアを相互に固定する作業を行う場合に、作業性が向上する。
【0011】
本発明では、組立て工程の後に、単位コア保持用治具9からステータを取り外す(取外し工程)。前述のように、取り外す前にステータコア6を固定化する作業を行ってもよいが、取り外した後にステータコアを固定化する作業を行ってもよい。またステータコアを固定化する作業を行わずに、ステータを単位コア保持用治具から取り外し、ステータを回転電機のハウジングの筒状フレーム部2に圧入してもい。このようにすると固定化作業が不要になる。
【0012】
本発明の方法で用いるのに好適な単位コア保持用具9は、複数の単位コア7a〜7lをそれぞれ着脱自在に保持する複数の単位コア保持部材10と隣接する二つの単位コア保持部材を相互に連結して複数の単位コア保持部材からなる単位コア保持部材列12を形成する複数の連結構造部11…とを備えている。そして単位コア保持部材列を環状形態にすることを許容するように連結構造部11が構成されている。
【0013】
また本発明の方法により製造する回転電機用ステータは、インナーロータタイプのステータコアの環状継鉄部の一部を構成する円弧状の継鉄部分71と巻線が巻回される巻線巻回部72とを有し且つ継鉄部分の一方の端部に嵌合凹部74を備え他方の端部に嵌合凸部75を備えている複数の単位コア7…が、隣接する二つの単位コアの嵌合凹部74と嵌合凸部75とを嵌め合わせることにより組み合わされてステータコア6が構成されている。そして複数の単位コア7…の各巻線巻回部72に予め巻線が巻回されてなる複数の単位巻線部W0 により励磁巻線W1〜W3が構成される。特に、特徴的な構造としては、1相の励磁巻線を構成する複数の単位巻線部間を電気的に接続する渡り線部分W1c〜W3cに接続部が形成されることなく1本の巻線により励磁巻線が形成されている点である。このような構造であれば、半田付け接続の箇所が少なくなって、それだけ半田付け不良や断線が発生し難くなり、製品の信頼性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の方法により製造した本発明の回転電機用ステータ1を備えたインナーロータタイプの三相ステッピングモータ用のステータの概略正面図であり、図2は図1のA1−B2線断面図である。なお図1においては、構造を分かり易くするために、巻線巻回部72に巻装された単位巻線部W0 は断面にしており、また絶縁ボビン8は破線で示してある。
【0015】
これらの図において、2はモータのハウジングの一部を構成する筒状フレームであり、この筒状フレーム部2の両端には図示しないエンドキャップが取付けられるフランジ部3及び4が設けられている。エンドキャップはこのフランジ部3及び4の四隅に設けられた捩子孔5に捩子止めされる。
【0016】
6は筒状フレーム部2の筒状部に嵌合されたステータコアである。ステータコア6は、複数(12個)の単位コア7…が環状に組み合わされて構成されている。ステータコアの巻線巻回部には3相分の励磁巻線W1〜W3が巻装されている。これらの励磁巻線W1〜W3は、それぞれ渡り線部分に接続部が形成されることがないように1本の巻線により形成されている。W1a〜W3aは巻線の巻き始め部であり、W1b〜W3bは巻線の巻き終り部である。
【0017】
1つの単位コア7は、珪素鋼板が複数枚積層されて構成されて継鉄部分71及び巻線巻回部72を備えてなるコア本体73を備えている。このコア本体73には、ステータコア6の径方向外側及び径方向内側並びに周方向両端面を露出させるようにしてその外面を覆う絶縁樹脂製の二つ割りの絶縁ボビン8が嵌合されている。二つ割りの絶縁ボビン8は、単位コア7の積層方向両側から嵌合されて単位コア7の中央部でその先端部が重なり合う二つのボビン分割体81及び82により構成される。これら二つのボビン分割体81及び82は、コア本体73の積層方向両側端面を覆う端面部分81a及び82aの形状が同じになるように構成されている。図3に示した部分斜視図に見られるように、これらの端面部分81a及び82aには、径方向内側端部に周方向に間隔をあけて積層方向に延びる3つの起立壁部83が一体に形成され、また径方向外側端部に間隔をあけて積層方向に延びる2つの起立壁部84が一体に形成されている。これら内側の起立壁部83と外側の起立壁部84との間には、凹状嵌合構造の一部を構成する嵌合溝85が形成される。この嵌合溝85は、後述する継鉄部分71の嵌合凹部74及び嵌合凸部75が形成される一対の端部が対向する方向と直交する方向に対向する一対の端部の一方の端部に沿って形成されることになる。
【0018】
巻線巻回部72に巻回された巻線の巻き始め部W1a〜W3aは、2つの起立壁部83の間に形成された間隙部86と2つの起立壁部84の間に形成された間隙部87を通って導入される。そして同相の2つの単位巻線部間を電気的に接続する巻線の渡り線部分W1c〜W3c( 図1)は、2つの起立壁部83の間に形成された間隙部86から引き出されて嵌合溝85を通り、隣接する2つの単位コア7,7に設けられた絶縁ボビン8の隣接する起立壁部83の間に形成される所定の間隙部88を通って次の対応する巻線巻回部へと延びる。そして巻き終り部W1b〜W3bは隣接する2つの単位コア7,7に設けられた絶縁ボビン8の隣接する起立壁部83の間に形成される間隙部88を通って引き出される。
【0019】
単位コア7の継鉄部分71は、ステータコア6の環状継鉄部の一部を構成するものであり、継鉄部分71の周方向の一方の端部には嵌合凹部74を備え、また周方向の他方の端部には嵌合凸部75を備えている。また継鉄部分71の中央部には巻線巻回部72の基部の中心部と整合する位置に嵌合孔76が形成されている。この嵌合孔76は、継鉄部分71を積層方向に貫通している。その結果、嵌合孔76は、嵌合溝85に向って開口することになる。本実施例では、嵌合孔76は貫通孔になっているが、後述する単位コア保持部材の嵌合突起が嵌合されるものであればよい。そのため嵌合孔76は、必ずしも貫通孔である必要はなく、一方の端部から他方の端部に向って形成される有底の凹部でもよい。なお前述の嵌合溝85と嵌合孔76とにより、後述する単位コア保持部材に形成される凸状嵌合構造と嵌合される凹状嵌合構造が構成される。
【0020】
12個の単位コア7…が隣接する二つの単位コア7の嵌合凹部74と嵌合凸部75とを嵌め合わせることにより組み合わされて環状のステータコア6が構成される。単位コア7の巻線巻回部72には単位巻線部W0 が巻装されているため、12個の単位コア7…を組み合わせてステータコア6を構成し、ステータコア6を筒状フレーム2に嵌合すると、ステータ1を構成できる。
【0021】
次に、このステータ1を製造する本発明の方法について説明する。本発明では、図4(A)及び(B)に示すような単位コア保持用治具9を用いる。なお図4(A)及び(B)は単位コア保持用治具9の平面図及び正面図であり、両者の対応関係を明確にするために、両図を対応線で結んでいる。単位コア保持用治具9は、12個(複数)の単位コア7…をそれぞれ着脱自在に保持する12個(複数)の単位コア保持部材10と隣接する二つの単位コア保持部材10を相互に連結して12個の単位コア保持部材10…からなる単位コア保持部材列12を形成する12の連結構造部11…とを備えている。連結構造部11…は、単位コア保持部材列12を環状形態にすることを許容するように構成されている。
【0022】
単位コア保持部材10…は、金属製の本体10aと、絶縁ボビン8の嵌合溝85及び単位コア7の嵌合孔76に嵌合される嵌合突起を構成するピン体10bとを備えている。本体10aのピン体10bが設けられる側の側面10cは、ステータコア6の円柱状の外周面を構成する単位コア7の円弧状の外面と整合するように湾曲している。この側面10cの下側端部には、絶縁ボビン8の一対の起立壁部84の外側面と当接する一対の突出部10dが突設されている。また側面10cには、一対の突出部10dの間にピン体10bが固定される突起部10eが突設されている。ピン体10bは、突起部10eに形成された嵌合孔に基部が嵌合されており、先端側の外径寸法が基部側よりも小さくなっている。基部の外径寸法は、単位コア7の嵌合孔76の内径寸法にほぼ等しい。
【0023】
またピン体10bが延びる方向に位置する(または単位コア保持部材列12が延びる方向に延び且つ前述の側面10cと直交する方向に延びる)一対の端面10fには、後述する連結部材13の端部が嵌合される一対の凹部10gがそれぞれ形成されている。そしてこの一対の凹部10gの内部には、連結部材13の両端に形成された長孔13aが回動可能に嵌合される回動中心部材を構成する一対の軸部14が取付けられている。この軸部14の端部には、連結部材13の長孔13aが嵌合された後に抜け止め用の機械加工が加えられるため、連結部材13が外れることはない。但し、単位コア保持部材列12の一方の端部(図4の左端)に位置する単位コア保持部材10の外側の軸部14は、単位コア保持部材列12の他方の端部(図4の右端)に位置する単位コア保持部材10の外側の軸部14に嵌合された連結部材13の外側の長孔13aが後から挿入できるように抜け止め用の機械加工は施されていない。なお前述の凹部10gは、連結部材13の回動を許容するように形成されている。
【0024】
単位コア保持用治具9の連結構造部11は、単位コア保持部材10のピン体10b(嵌合突起)が突出する方向の両端に位置する一対の端面10fから該端面と直交する方向に延びる一対の軸部14(回動中心部材)と、両端部に軸部14を中心して所定の角度範囲内で回動可能でありしかも軸部14を中心にして軸部14の径方向に所定範囲で移動可能な一対の移動許容構造(一対の長孔13a)を有する一対の連結部材13とから構成される。一対の移動許容構造を構成する長孔13aは、単位コア保持部材列12が直線状に延ばされたときに、単位コア保持部材列12が延びる方向に延びる形状を有している。そして隣接する二つの単位コア保持部材10が、それぞれの単位コア保持部材10の対向する端面側に位置する一対の軸部14に一対の連結部材13が取付けられて相互に連結されて、単位コア保持用治具9が構成されている。
【0025】
本発明の方法では、図5に示すように、この単位コア保持用治具9の単位コア保持部材10…にそれぞれ単位コア7…を保持させる(単位コア保持工程)。なお図5では、理解を容易にするために単位コア7a〜7lだけを実線で示し、絶縁ボビン8及び単位コア保持用治具9をそれぞれ二点鎖線で示してある。単位コア保持部材10…のピン体10bに単位コア7の嵌合孔76を嵌合させるだけで、この作業は完了する。そして単位コア保持部材列12の形態を巻線機により複数の単位コア7a〜7lの巻線巻回部72に巻線を巻回できる巻線可能形態にして単位コア保持用治具9を保持する(治具保持工程)。本実施例では、単位コア保持部材列12を直線状に延ばして巻線可能形態としている。単位コア保持用治具9を保持する治具保持装置は図示していないが、この治具保持装置は単位コア保持部材列12が延びる方向に巻線機の巻線導出用のノズルとの間に相対的な直線運動を生じさせる構造を有している。具体的には、治具保持装置が単位コア保持部材列12が延びる方向に段階的または間欠的に移動して、各相の励磁巻線が巻装される。治具保持装置の移動範囲を短くするためには、治具保持装置の治具取付部を回転体として、単位コア保持部材列12をこの回転体の外周面に沿って取付けることができるようにその巻線可能形態を複数の単位コアが外側に向くように円弧状にする。そして巻線機のノズルの位置を変えずに、回転体を間欠的に回転させることにより、励磁巻線を構成する単位巻線部を順次連続して形成するようにしてもよい。
【0026】
単位コア保持工程と治具保持工程はいずれが先であってもよいが、単位コア保持工程を治具保持工程の後に実施するのが好ましい。これは単位コア7…を保持させた単位コア保持用治具9の重量は重く、また単位コア…が外れないように単位コア保持用治具9を治具保持装置に取付ける作業は面倒だからである。なお単位コアの数が少なく、また重量がさほど重くない場合には単位コア保持工程を治具保持工程よりも前に行ってもよい。
【0027】
次に図6及び図7に示すように、巻線可能形態にある単位コア保持部材列12に保持された単位コア7a〜7lの各巻線巻回部72に巻線機により巻線を巻回して励磁巻線を構成する単位巻線部W0 を形成する(巻線部形成工程)。本実施例では、1台の巻線機を用いて3相分の励磁巻線を巻装する。そのためまず図6に示すように、図示しない治具保持装置を巻線機に対して移動させて単位コア7a,7d,7g及び7jからなる第1の単位コア群の各単位コアの巻線巻回部72に順次巻線を巻回して、1相分の励磁巻線W1を巻装する。2相目の励磁巻線W2が巻回される第2の単位コア群は、単位コア7b,7e,7h,7kによって構成され、3相目の励磁巻線W3が巻回される第3の単位コア群は、単位コア7c,7f,7i及び7lによって構成される。なおこの巻線部形成工程では、励磁巻線の相数に等しい台数の巻線機を用意してそれぞれの巻線機の巻線巻回用のノズルから各励磁巻線の相数に等しい数の単位コア群の各単位コアに巻線を順次供給して複数相の励磁巻線を同時期に形成するようにしてよい。このようにすると、巻線作業時間が短くなる。
【0028】
図7に示すようにすべての励磁巻線の巻装が完了した後に、単位コア保持用治具9を図示しない治具保持装置から取り外す。そして図8に示すように単位コア保持部材列12を単位コア7a〜7lが内周側に位置するように湾曲させながら、各単位コア7a〜7lの隣接する二つの単位コアの嵌合凹部74と嵌合凸部75とを嵌め合わせて12個の単位コア7a〜7lを環状形態に組み合わせる(組立て工程)。この状態で、単位コア保持部材列12の両端部に設けた一対の連結部材13の長孔13aと一対の軸部14とを嵌合させ、環状形態が崩れないようにする。
【0029】
図9に示すように単位コア保持部材列12を環状形態した状態で、12個の単位コア7a〜7lによってステータ成形体が構成される。このステータ成形体を単位コア保持用治具9から取り外し(取外し工程)、図1に示すようなモータのハウジングの筒状フレーム部2に圧入することにより、ステータ成形体の形態の固定化を図ってステータの製造が完了する。なおステータ成形体を単位コア保持用治具9から外す前に、ステータ成形体の外周に締め付け金具を嵌めてその形態を固定し(固定化工程)、その後ステータ成形体を単位コア保持用治具9から取り外してステータとしてもよい。更に、ステータ成形体を単位コア保持用治具9から外す前に、ステータ成形体を構成する各単位コアの接合部を溶接して各単位コアを結合させてその形態を固定し、その後ステータ成形体を単位コア保持用治具9から取り外してステータとしてもよい。このようにステータ成形体の固定化は、単位コア保持用治具9から外す前または後のいずれで行ってもよい。
【0030】
本発明の方法で、回転電機用のステータを製造すると、1相の励磁巻線を構成する各単位巻線部間を電気的に接続する渡り線部分に接続部を形成することなく1本の巻線により1相分の励磁巻線を形成することができる。
【0031】
本発明によれば、単位コア保持用治具に複数の単位コアを保持させて展開した状態で1つの相に対応する複数の単位コアの巻線巻回部に順次巻線を巻回することができるため、各単位コアの巻線巻回部への巻線の巻回が容易になる。また単位コア保持部材列を環状形態にするだけで複数の単位コアを環状に組み合わせる作業を容易に行えるので、ステータコアの組立てが容易になる。また本発明によれば、途中に接続部を形成することなく1つの励磁巻線をステータコアに巻装することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の回転電機用ステータによれば、半田付け接続の箇所が少ないため、半田付け不良や巻線の断線が発生し難くなって、製品の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造した本発明の回転電機用ステータを備えたインナーロータタイプの三相ステッピングモータ用のステータの概略正面図である。
【図2】図1のA1−B2線断面図である。
【図3】単位コアの構造を説明するために用いる要部の概略斜視図である。
【図4】(A)及び(B)は単位コア保持用治具の平面図及び正面図である。
【図5】(A)及び(B)は単位コア保持用治具に単位コアを保持させた状態の平面図及び正面図である。
【図6】(A)及び(B)は単位コア保持用治具に保持させた単位コアに1相分の励磁巻線を巻装した状態の平面図及び正面図である。
【図7】(A)及び(B)は単位コア保持用治具に保持させた単位コアに3相分の励磁巻線を巻装した状態の平面図及び正面図である。
【図8】単位コア保持用治具に保持させた単位コアに3相分の励磁巻線を巻装した後に湾曲させて環状にする途中の状態を示す図である。
【図9】単位コア保持用治具に保持させた単位コアに3相分の励磁巻線を巻装した後に湾曲させて環状にした状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 筒状フレーム
6 ステータコア
7,7a〜7l 単位コア
71 継鉄部分
72 巻線巻回部
73 コア本体
74 嵌合凹部
75 嵌合凸部
76 嵌合孔
8 絶縁ボビン
9 単位コア保持用治具
10 単位コア保持部材
11 連結構造部
12 単位コア保持部材列
13 連結部材
14 軸部
Claims (1)
- インナーロータタイプのステータコア(6)の環状継鉄部の一部を構成する弧状の継鉄部分(71)と巻線が巻回される巻線巻回部(72)とを有し且つ前記継鉄部分の一方の端部に嵌合凹部(74)を備え他方の端部に前記嵌合凸部(75)を備えている複数の単位コア(7)が、隣接する二つの単位コアの前記嵌合凹部(74)と前記嵌合凸部(75)とを嵌め合わせることにより組み合わされて前記ステータコア(6)が構成され、
前記複数の単位コアの各巻線巻回部に予め巻線が巻回されてなる複数の単位巻線部(W0)により励磁巻線(W1〜W3)が構成され、
1相の前記励磁巻線(W1〜W3)を構成する複数の前記単位巻線部間を電気的に接続する渡り線部分(W1c〜W3c)に接続部が形成されることなく1本の巻線により前記励磁巻線が形成されている回転電機用ステータであって、
前記複数の単位コア(7)の前記継鉄部分(71)の中央部分には前記巻線巻回部(72)の基部の中心部と整合する位置に嵌合孔(76)がそれぞれ形成されていることを特徴とする回転電機用ステータ。
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