JP3605459B2 - 車両用アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に、車輪ブレーキの前記マスタシリンダおよびリザーバへの連通状態を制御可能であるとともにマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に介装されるオリフィスを有するブレーキ液圧制御手段が設けられる車両用アンチロックブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるアンチロックブレーキ制御装置において、ブレーキ液圧制御手段のオリフィスは、車輪ブレーキの液圧を減圧せしめたアンチロックブレーキ制御中にブレーキ液圧を増圧せしめるべくマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を連通状態としたときに、車輪ブレーキのブレーキ液圧が急激に増圧することを防止するために設けられているものである。
【0003】
しかるに、そのオリフィスが在るために、通常のブレーキ操作時にマスタシリンダの出力液圧が車輪ブレーキに直ちに作用することが抑制され、車輪ブレーキのブレーキ液圧増大が遅れることになる。そこで、特開昭64−70254号公報では、通常液圧路と、オリフィスを有する絞り通路とを備えた電磁切換弁がマスタシリンダおよびブレーキ液圧制御手段間に設けられ、マスタシリンダおよびブレーキ液圧制御手段間が、アンチロックブレーキ制御前には通常液圧路を介して、またアンチロックブレーキ制御時には絞り通路を介して接続されるように電磁切換弁の作動が制御されている。また実開平2−26967号公報では、アンチロックブレーキ制御中に作用する液圧ポンプの出力液圧がパイロット液圧室に作用するのに応じて絞りを形成するが、非アンチロックブレーキ制御中には絞りを形成しないようにした制御弁が、ブレーキ液圧制御手段および車輪ブレーキ間に設けられている。
【0004】
さらに上記オリフィスが在るために、車輪ブレーキのブレーキ液圧を速やかに減圧することが困難であり、特開平5−201320号公報では、車輪ブレーキ側からマスタシリンダ側への作動液の流れを許容するチェック弁が、ブレーキ液圧制御手段を迂回してマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間に設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開昭64−70254号公報および実開平2−26967号公報で開示された従来技術では、ブレーキ操作初期にマスタシリンダの出力液圧を車輪ブレーキに直ちに作用せしめることが可能となるものの、特開昭64−70254号公報のものでは電磁切換弁が必要となってコストの増大を招き、また実開平2−26967号公報のものではパイロット液圧路により液圧回路が複雑となる。さらに上記特開平5−201320号公報で開示された従来技術では、マスタシリンダの出力液圧を速やかに低下させて車輪ブレーキのブレーキ液圧を速やかに減圧することが可能であるものの、その減圧操作直後に再びマスタシリンダの出力液圧を増圧したときには、オリフィスの絞り作用により減圧開始前の圧力までブレーキ液圧を復帰させるのが遅れることになる。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成により、オリフィスが在るにもかかわらずブレーキ操作初期に車輪ブレーキのブレーキ液圧を速やかに増大せしめ、またマスタシリンダの出力液圧を急減直後に再増圧するようなブレーキ操作時にブレーキ液圧再増圧を迅速に行ない得るようにした車両用アンチロックブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間にアンチロックブレーキ制御のためのブレーキ液圧制御手段が設けられ、このブレーキ液圧制御手段は、マスタシリンダに接続されるオリフィスと、該オリフィスおよび車輪ブレーキ間に設けられる常開型電磁弁と、リザーバと、車輪ブレーキ及びリザーバ間に設けられる常閉型電磁弁と、吸入口が吸入弁を介してリザーバに接続されると共に吐出口が吐出弁を介してマスタシリンダ及びオリフィス間に接続されてアンチロックブレーキ制御時に作動する戻しポンプとを有している車両用アンチロックブレーキ制御装置において、マスタシリンダ及び車輪ブレーキ間には、ブレーキ液圧制御手段のオリフィス及び常開型電磁弁を迂回する迂回路が設けられ、この迂回路には、マスタシリンダに常時通じる第1入力室ならびに車輪ブレーキに常時通じる第1出力室に両端を臨ませるとともに第1入力室側にばね付勢された第1ピストンが第1ハウジングに摺動自在に嵌合されて成る第1アクチュエータと、マスタシリンダに常時通じる第2入力室ならびに車輪ブレーキに常時通じる第2出力室に両端を臨ませるとともに第2出力室側にばね付勢された第2ピストンが第2ハウジングに摺動自在に嵌合されて成る第2アクチュエータとが互いに並列に介設され、ブレーキ操作初期には、第1ピストンが第1出力室の容積を収縮する方向に移動することでマスタシリンダの出力液圧を車輪ブレーキに直ちに作用せしめることを可能とし、またアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁を閉弁し且つ常閉型電磁弁を開弁することでブレーキ液圧が低下するのに伴い第1ピストンを第1出力室側への移動端まで移動させておき、次に常開型電磁弁を開弁し且つ常閉型電磁弁を閉弁することでマスタシリンダの出力液圧が車輪ブレーキに再び作用する際にオリフィスの絞り作用でブレーキ液圧の緩増圧を可能としたことを特徴とする。
【0008】
また請求項2記載の発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間にアンチロックブレーキ制御のためのブレーキ液圧制御手段が設けられ、このブレーキ液圧制御手段は、マスタシリンダに接続されるオリフィスと、該オリフィスおよび車輪ブレーキ間に設けられる常開型電磁弁と、リザーバと、車輪ブレーキ及びリザーバ間に設けられる常閉型電磁弁と、吸入口が吸入弁を介してリザーバに接続されると共に吐出口が吐出弁を介してマスタシリンダ及びオリフィス間に接続されてアンチロックブレーキ制御時に作動する戻しポンプとを有している車両用アンチロックブレーキ制御装置において、マスタシリンダ及び車輪ブレーキ間には、ブレーキ液圧制御手段のオリフィス及び常開型電磁弁を迂回する迂回路が設けられ、この迂回路には、マスタシリンダに常時通じる入力室ならびに車輪ブレーキに常時通じる出力室に両端を臨ませたピストンと、該ピストンを摺動自在に嵌合させるハウジングと、前記入力室および出力室への非圧力作用時に前記ピストンをハウジングの中間位置に弾発保持すべくピストンおよびハウジング間に設けられる戻しばねとを有するアクチュエータが介設され、ブレーキ操作初期には、ピストンが出力室の容積を収縮する方向に移動することでマスタシリンダの出力液圧を車輪ブレーキに直ちに作用せしめることを可能とし、またアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁を閉弁し且つ常閉型電磁弁を開弁することでブレーキ液圧が低下するのに伴いピストンを出力室側への移動端まで移動させておき、次に常開型電磁弁を開弁し且つ常閉型電磁弁を閉弁することでマスタシリンダの出力液圧が車輪ブレーキに再び作用する際にオリフィスの絞り作用でブレーキ液圧の緩増圧を可能としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1は本発明の第1実施例を示すものであり、ブレーキ操作レバー1の操作に応じて液圧を出力するマスタシリンダ2と、車輪ブレーキ3との間にはブレーキ液圧制御手段4が設けられており、このブレーキ液圧制御手段4によって車輪ブレーキ3の液圧が制御されることにより、車輪ブレーキ3が装着された車輪がブレーキ時にロック状態に陥ることが防止される。
【0010】
ブレーキ液圧制御手段4は、マスタシリンダ2に接続されるオリフィス5と、該オリフィス5および車輪ブレーキ3間に設けられる常開型電磁弁6と、リザーバ7と、車輪ブレーキ3およびリザーバ7間に設けられる常閉型電磁弁8と、吸入口が吸入弁9を介してリザーバ7に接続されるとともに吐出口が吐出弁10を介してマスタシリンダ2およびオリフィス5間に接続される戻しポンプ11とを有して、従来周知の還流式に構成されるものである。
【0011】
而してアンチロックブレーキ制御時には戻しポンプ11が作動せしめられ、常開型電磁弁6の閉弁状態で常閉型電磁弁8が開弁されることにより車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が減圧され、常開型および常閉型電磁弁6,8がともに閉弁せしめられたときには車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が保持され、常閉型電磁弁8の閉弁状態で常開型電磁弁6が開弁せしめられたときには車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が増圧される。
【0012】
ところで、マスタシリンダ2および車輪ブレーキ3間には、ブレーキ液圧制御手段4を迂回する迂回路12が設けられており、該迂回路12に第1アクチュエータ13および第2アクチュエータ20が並列に介設される。
【0013】
第1アクチュエータ13は、第1入力室15および第1出力室16に両端を臨ませるとともに第1戻しばね17により第1入力室15側にばね付勢された第1ピストン18が第1ハウジング19に摺動自在に嵌合されて成るものである。第1入力室15はマスタシリンダ2に常時連通され、第1出力室16は車輪ブレーキ3に常時連通される。第1戻しばね17は、第1ピストン18および第1ハウジング19間に縮設されるようにして第1出力室16に収納される。また第1ハウジング19の内面には、第1ピストン18の第1出力室16に臨む端面周縁に当接して第1ピストン18の第1出力室16側への移動端を規制する規制段部19aが設けられる。
【0014】
第2アクチュエータ20は、第2入力室21および第2出力室22に両端を臨ませるとともに第2戻しばね23により第2出力室22側にばね付勢された第2ピストン24が第1ハウジング19と一体の第2ハウジング25に摺動自在に嵌合されて成るものである。第2入力室21はマスタシリンダ2に常時連通され、第2出力室22は車輪ブレーキ3に常時連通される。また第2戻しばね23は、第2ピストン24および第2ハウジング25間に縮設されるようにして第2入力室21に収納される。
【0015】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、平時にはブレーキ液圧制御手段4における常開型電磁弁6は開弁しており、また常閉型電磁弁8は閉弁している。この状態で、ブレーキ操作レバー1によりマスタシリンダ2を作動せしめると、該マスタシリンダ2の出力液圧はオリフィス5および常開型電磁弁6を経て車輪ブレーキ3に作用するとともに、第1アクチュエータ13の第1入力室15に作用し、第1アクチュエータ13の第1ピストン18が第1出力室16の容積を収縮する方向に作動し、容積縮少により増圧された第1出力室16の液圧が車輪ブレーキ3に作用することになる。すなわち、オリフィス5および常開型電磁弁6を流通することによる流通抵抗増大の影響を受けることなく、流通抵抗の小さな第1アクチュエータ13側から車輪ブレーキ3にブレーキ液圧を迅速に作用せしめ、車輪を速やかに制動することができる。この際、第2アクチュエータ20の第2ピストン24は第2出力室22側の移動端に在る。
【0016】
而してマスタシリンダ2の出力液圧が所定値に達して第1アクチュエータ13の第1ピストン18が規制段部19aに当接した後には、マスタシリンダ2の出力液圧は、オリフィス5および常開型電磁弁6を通してのみ車輪ブレーキ3に作用し、急激な増圧が抑えられる。また第1アクチュエータ13において第1出力室16の液圧が第1入力室15の液圧に等しくなったときには第1ピストン18が図1で示す位置まで第1戻しばね17により戻される。
【0017】
このようなブレーキ操作時に車輪がロック傾向となったことに伴なうアンチロックブレーキ制御にあたっては戻しポンプ11の作動が開始され、ブレーキ液圧を減圧するときには、常開型電磁弁6が閉弁されるとともに常閉型電磁弁8が開弁される。これにより、車輪ブレーキ3のブレーキ液圧はリザーバ7に吸収されたり、マスタシリンダ2側に戻されたりし、車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が減圧される。
【0018】
この際、第1アクチュエータ13においては第1出力室16の液圧が低下し、それに伴って第1ピストン18は第1出力室16側への移動端、すなわち規制段部19aに当接する位置まで移動する。
【0019】
車輪ブレーキ3のブレーキ液圧低下に伴なう制動力の減少により車輪のロック傾向が解消されると、制動力を回復すべく常開型電磁弁6が開弁されるとともに常閉型電磁弁8が閉弁される。したがってマスタシリンダ2の出力液圧がオリフィス5および常開型電磁弁6を介して車輪ブレーキ3に再び作用するようになり、オリフィス5の絞り作用により車輪ブレーキ3の急激な増圧を回避して的確な制動力の回復が可能となる。この際、第1アクチュエータ13では、第1ピストン18が第1出力室16側への移動端に在り、第2アクチュエータ20では、第2ピストン24が第2出力室22側への移動端に在る。
【0020】
このような常開型電磁弁6および常閉型電磁弁8の開・閉制御が高速で繰り返されることにより、車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が効率的に制御される。
【0021】
マスタシリンダ2の出力液圧と車輪ブレーキ3のブレーキ液圧とが等しい状態からブレーキ操作レバー1を戻してマスタシリンダ2の出力液圧を急激に低下させたときには、第2アクチュエータ20における第2入力室21の液圧が第2出力室22の液圧よりも低くなるのに応じて、第2ピストン24が第2入力室21側に移動して第2出力室22の容積が増大され、容積増大に応じて第2出力室22の液圧すなわち車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が速やかに低下せしめられる。したがって、常開型電磁弁6およびオリフィス5における絞り抵抗の影響を受けずに車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が速やかに低下せしめられる。
【0022】
またマスタシリンダ2の出力液圧を急激に低下させた直後に再びブレーキ操作レバー1を操作してマスタシリンダ2の出力液圧を増大せしめると、第1アクチュエータ13においては第1入力室15の液圧増大に応じて第1ピストン18が第1出力室16側に移動し、第2アクチュエータ20においては第2入力室21の液圧増大に応じて第2ピストン24が第2出力室22側に移動する。したがって、オリフィス5の絞り作用の影響を受けずに、容積収縮に伴なって増圧された第1および第2出力室16,22の液圧を車輪ブレーキ3に作用せしめ、車輪ブレーキ3のブレーキ液圧を速やかに元の液圧まで復帰させることができる。
【0023】
このようにして、マスタシリンダ2に常時通じる第1入力室15と、車輪ブレーキ3に常時通じる第1出力室16とに両端を臨ませた第1ピストン18が第1ハウジング19に摺動自在に嵌合されて成る第1アクチュエータ13が、ブレーキ液圧制御手段4を迂回する迂回路12に介設された簡単な構成により、ブレーキ操作初期にマスタシリンダ2の出力液圧を車輪ブレーキ3に直ちに作用せしめるとともにアンチロックブレーキ制御時の緩増圧を可能とすることができ、電磁弁やパイロット液圧路が必要であった従来のものに比べて、構成を簡素化し、コスト低減に寄与することができる。またマスタシリンダ2に常時通じる第2入力室21と、車輪ブレーキ3に常時通じる第2出力室22とに両端を臨ませるとともに第2出力室22側にばね付勢された第2ピストン24が第2ハウジング25に摺動自在に嵌合されて成る第2アクチュエータ20が、ブレーキ液圧制御手段4を迂回する迂回路12に第1アクチュエータ13と並列にして介設された簡単な構成により、マスタシリンダ2の操作によるブレーキ液圧の速やかな減圧と、減圧後の速やかな再増圧とを可能とすることができ、従来必要であったチェック弁を不要として構成を簡素化し、コスト低減に寄与することができる。
【0024】
この第1実施例においては、第1アクチュエータ13の第1ハウジング19と、第2アクチュエータ20の第2ハウジング25とが一体に構成されているが、両ハウジング19,25が別体に設けられていてもよい。
【0025】
図2は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0026】
ブレーキ液圧制御手段4を迂回する迂回路12がマスタシリンダ2および車輪ブレーキ3間に設けられており、該迂回路12にアクチュエータ26が介設される。
【0027】
このアクチュエータ26は、入力室27および出力室28に両端を臨ませたピストン29と、該ピストン29を摺動自在に嵌合させるハウジング30と、両圧力室27,28への非圧力作用時にピストン29をハウジング30の中間位置に弾発保持すべくピストン29およびハウジング30間に設けられる一対の戻しばね31,32とを備えるものであり、入力室27はマスタシリンダ2に常時連通され、出力室28は車輪ブレーキ3に常時連通される。また一方の戻しばね31は、ピストン29を出力室28側に付勢するばね力を発揮して入力室27に収納され、他方の戻しばね32は、ピストン29を入力室27側に付勢するばね力を発揮して出力室28に収納される。さらにハウジング30の内面には、ピストン29の出力室27に臨む端面周縁に当接してピストン29の出力室27側への移動端を規制する規制段部30aが設けられる。
【0028】
この第2実施例の作用について説明すると、ブレーキ操作レバー1の非操作状態ではアクチュエータ26のピストン29はハウジング30の中間位置に弾発保持されており、その状態でブレーキ操作レバー1によってマスタシリンダ2を作動せしめると、該マスタシリンダ2の出力液圧はオリフィス5および常開型電磁弁6を経て車輪ブレーキ3に作用するとともに、アクチュエータ26の入力室27に作用し、該アクチュエータ26のピストン29が出力室28の容積を収縮する方向に作動し、容積縮少により増圧された出力室28の液圧が車輪ブレーキ3に作用することになる。すなわち、オリフィス5および常開型電磁弁6を流通することによる流通抵抗増大の影響を受けることなく、流通抵抗の小さなアクチュエータ26側から車輪ブレーキ3にブレーキ液圧を迅速に作用せしめ、車輪を速やかに制動することができる。
【0029】
マスタシリンダ2の出力液圧が所定値に達してアクチュエータ26のピストン29が規制段部30aに当接した後には、マスタシリンダ2の出力液圧は、オリフィス5および常開型電磁弁6を通してのみ車輪ブレーキ3に作用し、急激な増圧が抑えられる。またアクチュエータ26において出力室28の液圧が入力室27の液圧に等しくなったときにはピストン29が図2で示す中間位置に戻される。
【0030】
アンチロックブレーキ制御時に車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が減圧されると、アクチュエータ26においては出力室28の液圧が低下し、それに伴ってピストン29は出力室28側への移動端、すなわち規制段部30aに当接する位置まで移動する。
【0031】
アンチロックブレーキ制御により車輪のロック傾向が解消されて常開型電磁弁6が開弁されるとともに常閉型電磁弁8が閉弁されると、マスタシリンダ2の出力液圧がオリフィス5および常開型電磁弁6を介して車輪ブレーキ3に再び作用するようになり、オリフィス5の絞り作用により車輪ブレーキ3の急激な増圧を回避して的確な制動力の回復が可能となる。この際、アクチュエータ26では、車輪ブレーキ3の液圧増大に伴ってピストン29がハウジング30の中間位置に戻されることになる。
【0032】
ブレーキ操作レバー1を戻してマスタシリンダ2の出力液圧を急激に低下させたときには、アクチュエータ26における入力室27の液圧が出力室28の液圧よりも低くなるのに応じて、ピストン29が入力室27側に移動して出力室28の容積が増大され、容積増大に応じて出力室28の液圧すなわち車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が速やかに低下せしめられる。したがって、常開型電磁弁6およびオリフィス5における絞り抵抗の影響を受けずに車輪ブレーキ3のブレーキ液圧が速やかに低下せしめられる。
【0033】
またマスタシリンダ2の出力液圧を急激に低下させた後、再びブレーキ操作レバー1を操作してマスタシリンダ2の出力液圧を増大せしめると、アクチュエータ26においては入力室27の液圧増大に応じてピストン29が出力室28側に移動する。したがって、オリフィス5の絞り作用の影響を受けずに、容積収縮に伴なって増圧された出力室28の液圧を車輪ブレーキ3に作用せしめ、車輪ブレーキ3のブレーキ液圧を速やかに元の液圧まで復帰させることができる。
【0034】
このようにして、ブレーキ液圧制御手段4を迂回する迂回路12にアクチュエータ26が介設された簡単な構成により、ブレーキ操作初期にマスタシリンダ2の出力液圧を車輪ブレーキ3に直ちに作用せしめるとともにアンチロックブレーキ制御時の緩増圧を可能とすることができ、またマスタシリンダ2の操作によるブレーキ液圧の速やかな減圧と、減圧後の速やかな再増圧とを可能とすることができる。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ブレーキ操作初期には、ピストン(請求項1では第1ピストン)が出力室(同じく第1出力室)の容積を収縮する方向に移動することでマスタシリンダの出力液圧を車輪ブレーキに直ちに作用せしめることを可能とし、またアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁を閉弁し且つ常閉型電磁弁を開弁することでブレーキ液圧が低下するのに伴いピストン(請求項1では第1ピストン)を出力室(同じく第1出力室)側への移動端まで移動させておき、次に常開型電磁弁を開弁し且つ常閉型電磁弁を閉弁することでマスタシリンダの出力液圧が車輪ブレーキに再び作用する際にオリフィスの絞り作用でブレーキ液圧の緩増圧を可能としたので、電磁弁やパイロット液圧路を不要とした簡単かつ低コストの構成で、ブレーキ操作初期にマスタシリンダの出力液圧を車輪ブレーキに直ちに作用せしめることを可能とするとともに、アンチロックブレーキ制御時の緩増圧を可能とすることができる。またマスタシリンダの出力液圧急減による車輪ブレーキのブレーキ液圧減少を速やかに行なうことができるとともに、急減圧操作直後の再増圧操作に伴って車輪ブレーキのブレーキ液圧を速やかに増圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用アンチロックブレーキ制御装置の液圧回路図
【図2】第2実施例の車両用アンチロックブレーキ制御装置の液圧回路図
【符号の説明】
2・・・・マスタシリンダ
3・・・・車輪ブレーキ
4・・・・ブレーキ液圧制御手段
5・・・・オリフィス
6・・・・常開型電磁弁
7・・・・リザーバ
8・・・・常閉型電磁弁
9・・・・吸入弁
10・・・吐出弁
13・・・第1アクチュエータ
15・・・第1入力室
16・・・第1出力室
18・・・第1ピストン
19・・・第1ハウジング
20・・・第2アクチュエータ
21・・・第2入力室
22・・・第2出力室
24・・・第2ピストン
25・・・第2ハウジング
26・・・アクチュエータ
27・・・入力室
28・・・出力室
29・・・ピストン
30・・・ハウジング
31,32・・・戻しばね
Claims (2)
- マスタシリンダ(2)および車輪ブレーキ(3)間にアンチロックブレーキ制御のためのブレーキ液圧制御手段(4)が設けられ、
このブレーキ液圧制御手段(4)は、マスタシリンダ(2)に接続されるオリフィス(5)と、該オリフィス(5)および車輪ブレーキ(3)間に設けられる常開型電磁弁(6)と、リザーバ(7)と、車輪ブレーキ(3)及びリザーバ(7)間に設けられる常閉型電磁弁(8)と、吸入口が吸入弁(9)を介してリザーバ(7)に接続されると共に吐出口が吐出弁(10)を介してマスタシリンダ(2)及びオリフィス(5)間に接続されてアンチロックブレーキ制御時に作動する戻しポンプ(11)とを有している車両用アンチロックブレーキ制御装置において、
マスタシリンダ(2)及び車輪ブレーキ(3)間には、ブレーキ液圧制御手段(4)のオリフィス(5)及び常開型電磁弁(6)を迂回する迂回路(12)が設けられ、
この迂回路(12)には、マスタシリンダ(2)に常時通じる第1入力室(15)ならびに車輪ブレーキ(3)に常時通じる第1出力室(16)に両端を臨ませるとともに第1入力室(15)側にばね付勢された第1ピストン(18)が第1ハウジング(19)に摺動自在に嵌合されて成る第1アクチュエータ(13)と、マスタシリンダ(2)に常時通じる第2入力室(21)ならびに車輪ブレーキ(3)に常時通じる第2出力室(22)に両端を臨ませるとともに第2出力室(22)側にばね付勢された第2ピストン(24)が第2ハウジング(25)に摺動自在に嵌合されて成る第2アクチュエータ(20)とが互いに並列に介設され、
ブレーキ操作初期には、第1ピストン(18)が第1出力室(16)の容積を収縮する方向に移動することでマスタシリンダ(2)の出力液圧を車輪ブレーキ(3)に直ちに作用せしめることを可能とし、
またアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁(6)を閉弁し且つ常閉型電磁弁(8)を開弁することでブレーキ液圧が低下するのに伴い第1ピストン(18)を第1出力室(16)側への移動端まで移動させておき、次に常開型電磁弁(6)を開弁し且つ常閉型電磁弁(8)を閉弁することでマスタシリンダ(2)の出力液圧が車輪ブレーキ(3)に再び作用する際にオリフィス(5)の絞り作用でブレーキ液圧の緩増圧を可能としたことを特徴とする、車両用アンチロックブレーキ制御装置。 - マスタシリンダ(2)および車輪ブレーキ(3)間にアンチロックブレーキ制御のためのブレーキ液圧制御手段(4)が設けられ、
このブレーキ液圧制御手段(4)は、マスタシリンダ(2)に接続されるオリフィス(5)と、該オリフィス(5)および車輪ブレーキ(3)間に設けられる常開型電磁弁(6)と、リザーバ(7)と、車輪ブレーキ(3)及びリザーバ(7)間に設けられる常閉型電磁弁(8)と、吸入口が吸入弁(9)を介してリザーバ(7)に接続されると共に吐出口が吐出弁(10)を介してマスタシリンダ(2)及びオリフィス(5)間に接続されてアンチロックブレーキ制御時に作動する戻しポンプ(11)とを有している車両用アンチロックブレーキ制御装置において、
マスタシリンダ(2)および車輪ブレーキ(3)間には、ブレーキ液圧制御手段(4)のオリフィス(5)及び常開型電磁弁(6)を迂回する迂回路(12)が設けられ、
この迂回路(12)には、マスタシリンダ(2)に常時通じる入力室(27)ならびに車輪ブレーキ(3)に常時通じる出力室(28)に両端を臨ませたピストン(29)と、該ピストン(29)を摺動自在に嵌合させるハウジング(30)と、前記入力室(27)および出力室(28)への非圧力作用時に前記ピストン(29)をハウジング(30)の中間位置に弾発保持すべくピストン(29)およびハウジング(30)間に設けられる戻しばね(31,32)とを有するアクチュエータ(26)が介設され、
ブレーキ操作初期には、ピストン(29)が出力室(28)の容積を収縮する方向に移動することでマスタシリンダ(2)の出力液圧を車輪ブレーキ(3)に直ちに作用せしめ ることを可能とし、
またアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁(6)を閉弁し且つ常閉型電磁弁(8)を開弁することでブレーキ液圧が低下するのに伴いピストン(29)を出力室(28)側への移動端まで移動させておき、次に常開型電磁弁(6)を開弁し且つ常閉型電磁弁(8)を閉弁することでマスタシリンダ(2)の出力液圧が車輪ブレーキ(3)に再び作用する際にオリフィス(5)の絞り作用でブレーキ液圧の緩増圧を可能としたことを特徴とする、車両用アンチロックブレーキ制御装置。
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JP34020495A JP3605459B2 (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 車両用アンチロックブレーキ制御装置 |
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