JPH0664512A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
車両用ブレーキ制御装置Info
- Publication number
- JPH0664512A JPH0664512A JP24006492A JP24006492A JPH0664512A JP H0664512 A JPH0664512 A JP H0664512A JP 24006492 A JP24006492 A JP 24006492A JP 24006492 A JP24006492 A JP 24006492A JP H0664512 A JPH0664512 A JP H0664512A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- piston
- control piston
- hydraulic
- hydraulic pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 アンチロック制御とトラクションコントロー
ル或いは自動ブレーキ保持の制御を、共通の制御ピスト
ン、共通の電磁バルブにより行うことができる車両用ブ
レーキ制御装置を提案する。 【構成】 前記シリンダ本体1内にフェイルセイフピス
トン2と制御ピストン3とが配置され、別個の圧力源3
0により液圧が作用している時に、制御ピストン3がフ
ェイルセイフピストン2から離れるとホイールシリンダ
からブレーキ液の還流を許容し、液圧が作用しなくなっ
た時に、流路を強制的に連通する機能を有する一つのバ
ルブ15を備え、更に液圧の作用で容積が増大する液圧
室Cと容積を減少する液圧室Gとを区画する二つのピス
トンからなり、且つ両液圧室を連通する流路10に、バ
ルブ28を備え、作用する液圧を制御することにより車
輪に作用するブレーキ力を制御でき圧力源30により車
輪に自動的に制動力を加えることができるようにした。
ル或いは自動ブレーキ保持の制御を、共通の制御ピスト
ン、共通の電磁バルブにより行うことができる車両用ブ
レーキ制御装置を提案する。 【構成】 前記シリンダ本体1内にフェイルセイフピス
トン2と制御ピストン3とが配置され、別個の圧力源3
0により液圧が作用している時に、制御ピストン3がフ
ェイルセイフピストン2から離れるとホイールシリンダ
からブレーキ液の還流を許容し、液圧が作用しなくなっ
た時に、流路を強制的に連通する機能を有する一つのバ
ルブ15を備え、更に液圧の作用で容積が増大する液圧
室Cと容積を減少する液圧室Gとを区画する二つのピス
トンからなり、且つ両液圧室を連通する流路10に、バ
ルブ28を備え、作用する液圧を制御することにより車
輪に作用するブレーキ力を制御でき圧力源30により車
輪に自動的に制動力を加えることができるようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪の制動力を自動調
整しながら車両を方向安定性良く、かつ安全に停止或い
は発進させることができる車両用ブレーキ制御装置に関
するものである。
整しながら車両を方向安定性良く、かつ安全に停止或い
は発進させることができる車両用ブレーキ制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車輪のロック状態をコントロ
ールユニット(電子制御装置)で評価し、この評価に基
づいて車輪のブレーキ装置に供給されるブレーキ液圧を
低下させ、上昇させ、又は一定に保持させ、車輪に作用
するブレーキ力を制御するようにしたアンチロック装置
と、マスタシリンダとは別個の圧力源により車輪に自動
的に制動力を加え、車両発進時に発生する駆動輪のスリ
ップ率を自動的に調整するようにしたトラクションコン
トロールとを組み合わせた車両の制動装置が知られてい
る。
ールユニット(電子制御装置)で評価し、この評価に基
づいて車輪のブレーキ装置に供給されるブレーキ液圧を
低下させ、上昇させ、又は一定に保持させ、車輪に作用
するブレーキ力を制御するようにしたアンチロック装置
と、マスタシリンダとは別個の圧力源により車輪に自動
的に制動力を加え、車両発進時に発生する駆動輪のスリ
ップ率を自動的に調整するようにしたトラクションコン
トロールとを組み合わせた車両の制動装置が知られてい
る。
【0003】こうした車両用の制動装置の一例として実
開平3−52597号公報に記載されたものがある。こ
の装置は、アンチロック制御のためのアンチロックモジ
ュレータと、トラクションコントロール用のブレーキ制
御アクチュエータとを別個に備えており、夫々にブレー
キ液圧を制御するための電磁バルブを備えている。
開平3−52597号公報に記載されたものがある。こ
の装置は、アンチロック制御のためのアンチロックモジ
ュレータと、トラクションコントロール用のブレーキ制
御アクチュエータとを別個に備えており、夫々にブレー
キ液圧を制御するための電磁バルブを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両の制動装置は、アンチロック制御を行うための
アンチロックモジュレータとトラクションコントロール
のためのブレーキ制御アクチュエータ、及び、前記アン
チロックモジュレータと前記トラクションコントロール
を実行するための電磁バルブが夫々別個に必要となり、
この結果、装置が大型化するばかりでなく構成が複雑に
なり、部品点数も多くなって装置の軽量化、小型化、コ
ストダウンの面で不利である。
来の車両の制動装置は、アンチロック制御を行うための
アンチロックモジュレータとトラクションコントロール
のためのブレーキ制御アクチュエータ、及び、前記アン
チロックモジュレータと前記トラクションコントロール
を実行するための電磁バルブが夫々別個に必要となり、
この結果、装置が大型化するばかりでなく構成が複雑に
なり、部品点数も多くなって装置の軽量化、小型化、コ
ストダウンの面で不利である。
【0005】そこで本発明は、アンチロック制御とトラ
クションコントロール或いは自動ブレーキ保持の制御
を、共通の制御ピストン、共通の電磁バルブにより行う
ことができるようにして上述の問題点を解消せんとする
ものである。また、本装置は、共通の制御ピストンと電
磁バルブとによってアンチロック制御とトラクションコ
ントロール或いは自動ブレーキ保持を行うようにし、こ
れによって電磁バルブの開閉制御のソフトの対応のみで
多機能のブレーキシステムを実現できる車両用ブレーキ
制御装置を提案せんとするものである。
クションコントロール或いは自動ブレーキ保持の制御
を、共通の制御ピストン、共通の電磁バルブにより行う
ことができるようにして上述の問題点を解消せんとする
ものである。また、本装置は、共通の制御ピストンと電
磁バルブとによってアンチロック制御とトラクションコ
ントロール或いは自動ブレーキ保持を行うようにし、こ
れによって電磁バルブの開閉制御のソフトの対応のみで
多機能のブレーキシステムを実現できる車両用ブレーキ
制御装置を提案せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、車輪
のロック状態を電子制御装置で評価し、この評価に基づ
いて車輪のブレーキ装置に供給されるブレーキ液圧を低
下させ、上昇させ、又は一定に保持して、車輪に作用す
るブレーキ力を制御できるようにすると共にマスタシリ
ンダとは別個の圧力源により車輪に自動的に制動力を加
えることができるようにした車両用ブレーキ制御装置に
おいて、前記ブレーキ制御装置は、マスタシリンダとホ
イールシリンダとを連通する流路内にシリンダ本体を有
し、前記シリンダ本体内には互いに当接可能に配置した
フェイルセイフピストンと制御ピストンとが配置され、
前記フェイルセイフピストンは、マスタシリンダとは別
個の圧力源により液圧が作用している時に、制御ピスト
ンがフェイルセイフピストンから離れるとホイールシリ
ンダからマスタシリンダ方向へのみブレーキ液の還流を
許容する機能を有し、且つ、マスタシリンダとは別個の
圧力源からの液圧が作用しなくなった時に、マスタシリ
ンダとホイールシリンダとの流路を強制的に連通する機
能を有している一つのバルブを備え、更に前記制御ピス
トンは、前記別個の圧力源からの液圧の作用で容積が増
大する液圧室と容積を減少する液圧室とを区画し、且つ
前記二つの液圧室を連通する流路に、該流路を開閉する
バルブを備え、前記制御ピストンに作用する液圧を制御
することにより車輪に作用するブレーキ力を制御できる
ようにすると共にマスタシリンダとは別個の圧力源によ
り車輪に自動的に制動力を加えることができるようにし
たことを特徴とするものである。
のロック状態を電子制御装置で評価し、この評価に基づ
いて車輪のブレーキ装置に供給されるブレーキ液圧を低
下させ、上昇させ、又は一定に保持して、車輪に作用す
るブレーキ力を制御できるようにすると共にマスタシリ
ンダとは別個の圧力源により車輪に自動的に制動力を加
えることができるようにした車両用ブレーキ制御装置に
おいて、前記ブレーキ制御装置は、マスタシリンダとホ
イールシリンダとを連通する流路内にシリンダ本体を有
し、前記シリンダ本体内には互いに当接可能に配置した
フェイルセイフピストンと制御ピストンとが配置され、
前記フェイルセイフピストンは、マスタシリンダとは別
個の圧力源により液圧が作用している時に、制御ピスト
ンがフェイルセイフピストンから離れるとホイールシリ
ンダからマスタシリンダ方向へのみブレーキ液の還流を
許容する機能を有し、且つ、マスタシリンダとは別個の
圧力源からの液圧が作用しなくなった時に、マスタシリ
ンダとホイールシリンダとの流路を強制的に連通する機
能を有している一つのバルブを備え、更に前記制御ピス
トンは、前記別個の圧力源からの液圧の作用で容積が増
大する液圧室と容積を減少する液圧室とを区画し、且つ
前記二つの液圧室を連通する流路に、該流路を開閉する
バルブを備え、前記制御ピストンに作用する液圧を制御
することにより車輪に作用するブレーキ力を制御できる
ようにすると共にマスタシリンダとは別個の圧力源によ
り車輪に自動的に制動力を加えることができるようにし
たことを特徴とするものである。
【0007】
〔アンチロック制御時〕車輪速度が急降下して車輪ロッ
クの発生状態となると、コントロールユニットからの指
令により第一電磁バルブ25を閉じ、第二電磁バルブ2
7を開く。このことにより制御液圧室F内の液圧はリザ
ーバ11に抜け、従って制御ピストン3bへの液圧力は
急速に降下し、制御ピストン3a、3bは一体となって
図の右方に移動する。この制御ピストン3a、3bの移
動により座金20を介して第1制御ピストン3aと当接
している係止杆19も追随して右方に移動し、スプリン
グ17の付勢力によってボール18が弁座16に着座し
て主経路のマスタシリンダM/C側とホイールシリンダ
W/C側の間の連通は遮断される。
クの発生状態となると、コントロールユニットからの指
令により第一電磁バルブ25を閉じ、第二電磁バルブ2
7を開く。このことにより制御液圧室F内の液圧はリザ
ーバ11に抜け、従って制御ピストン3bへの液圧力は
急速に降下し、制御ピストン3a、3bは一体となって
図の右方に移動する。この制御ピストン3a、3bの移
動により座金20を介して第1制御ピストン3aと当接
している係止杆19も追随して右方に移動し、スプリン
グ17の付勢力によってボール18が弁座16に着座し
て主経路のマスタシリンダM/C側とホイールシリンダ
W/C側の間の連通は遮断される。
【0008】これと同時にホイールシリンダからボール
バルブ28、係止杆33の周囲の通路、及び流路10を
通って流入したブレーキ液圧によって液室Cが増大し、
液圧室Gが減少するが液圧室Cの増大量>液圧室Gの減
少量となっている為ブレーキ液圧(ホイールシリンダW
/C側の液圧)は急速に降下する。前記ブレーキ液圧の
降下にて車輪速度が回復傾向に向かい、これがある程度
まで回復したときには、第一電磁バルブ25を開路さ
せ、制御液圧室F内の液圧値を上昇させ、このことで第
1、第2制御ピストン3a、3bを図2中左方に移動せ
しめて液室C内のブレーキ液をホイールシリンダ内に供
給してブレーキ液圧の再加圧を行う。
バルブ28、係止杆33の周囲の通路、及び流路10を
通って流入したブレーキ液圧によって液室Cが増大し、
液圧室Gが減少するが液圧室Cの増大量>液圧室Gの減
少量となっている為ブレーキ液圧(ホイールシリンダW
/C側の液圧)は急速に降下する。前記ブレーキ液圧の
降下にて車輪速度が回復傾向に向かい、これがある程度
まで回復したときには、第一電磁バルブ25を開路さ
せ、制御液圧室F内の液圧値を上昇させ、このことで第
1、第2制御ピストン3a、3bを図2中左方に移動せ
しめて液室C内のブレーキ液をホイールシリンダ内に供
給してブレーキ液圧の再加圧を行う。
【0009】〔自動ブレーキ時或いはトラクションコン
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開いて、これにより制御液圧室F内の液圧は
リザーバに抜ける。第2制御ピストン3bは液圧室Eに
作用するアキュムレータ圧により図中右方に移動する。
この時、第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピ
ストン3aもスプリング21により図中右方に移動し、
ボールバルブ15が閉じられる。この状態で第2制御ピ
ストン3bは更に左方に移動するが、液圧室Cの断面積
>液圧室Gの断面積であるので第1制御ピストン3aの
移動量が少ないため、第1制御ピストン3aと第2制御
ピストン3bとは図3に示すように離れ、これによって
係止杆33の押圧力が無くなるためボールバルブ28の
ボール32がスプリング31によって弁座29に押し付
けられ流路10を閉じる。この状態で更に制御ピストン
3bが図中右方に移動すると液圧室Gに液圧が発生し、
この液圧がブレーキシリンダに作用してブレーキがかか
ることになる。
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開いて、これにより制御液圧室F内の液圧は
リザーバに抜ける。第2制御ピストン3bは液圧室Eに
作用するアキュムレータ圧により図中右方に移動する。
この時、第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピ
ストン3aもスプリング21により図中右方に移動し、
ボールバルブ15が閉じられる。この状態で第2制御ピ
ストン3bは更に左方に移動するが、液圧室Cの断面積
>液圧室Gの断面積であるので第1制御ピストン3aの
移動量が少ないため、第1制御ピストン3aと第2制御
ピストン3bとは図3に示すように離れ、これによって
係止杆33の押圧力が無くなるためボールバルブ28の
ボール32がスプリング31によって弁座29に押し付
けられ流路10を閉じる。この状態で更に制御ピストン
3bが図中右方に移動すると液圧室Gに液圧が発生し、
この液圧がブレーキシリンダに作用してブレーキがかか
ることになる。
【0010】〔フェイルセイフ時〕液圧系の失陥時には
この液圧室Bの液圧が失われ、液圧室B内のピストン面
積S2 に作用する液圧が無くなる。また、第2制御ピス
トン3bの液圧室E、制御液圧室Fの液圧も無くなる。
このため、フェイルセイフピストン及び第1、第2制御
ピストン3a、3bがマスタシリンダ圧によって移動
し、これに伴って、ボールバルブ15が係止杆19によ
って強制的に開かれる。一方、第2制御ピストン3b内
のボールバルブ28も第1、第2制御ピストン3a、3
bが当接状態となっているため流路10は開かれてい
る。従って液圧系の失陥時には、マスタシリンダからの
液圧が直接ブレーキシリンダに作用しブレーキがかか
る。
この液圧室Bの液圧が失われ、液圧室B内のピストン面
積S2 に作用する液圧が無くなる。また、第2制御ピス
トン3bの液圧室E、制御液圧室Fの液圧も無くなる。
このため、フェイルセイフピストン及び第1、第2制御
ピストン3a、3bがマスタシリンダ圧によって移動
し、これに伴って、ボールバルブ15が係止杆19によ
って強制的に開かれる。一方、第2制御ピストン3b内
のボールバルブ28も第1、第2制御ピストン3a、3
bが当接状態となっているため流路10は開かれてい
る。従って液圧系の失陥時には、マスタシリンダからの
液圧が直接ブレーキシリンダに作用しブレーキがかか
る。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の実施例に係る車両用ブレーキ制御
装置の通常状態を示す断面図である。図において1は車
両用ブレーキ制御装置のシリンダ本体を示し、この本体
1の中にはフェイルセイフピストン2と制御ピストン3
a、3bを収納するバルブ室4、5が形成されている。
前記バルブ室4、5は本体1の中央部の通路6で連通さ
れている。バルブ室4は図中左端のポート7を介してマ
スタシリンダM/Cに接続されており、一方バルブ室5
はポート8を介してブレーキ装置のホイールシリンダW
/Cに接続されている。前記フェイルセイフピストン2
と制御ピストン3a、3bの中心部には流路9、10が
形成されており、それぞれの流路9、10には後述する
構成を有するボールバルブ15、28が配置されてい
て、マスタシリンダからの油圧は通常状態ではポート7
→ボールバルブ15→流路9→通路6→流路10→ボー
ルバルブ28を通ってブレーキシリンダに供給されるよ
うになっている。
する。図1は本発明の実施例に係る車両用ブレーキ制御
装置の通常状態を示す断面図である。図において1は車
両用ブレーキ制御装置のシリンダ本体を示し、この本体
1の中にはフェイルセイフピストン2と制御ピストン3
a、3bを収納するバルブ室4、5が形成されている。
前記バルブ室4、5は本体1の中央部の通路6で連通さ
れている。バルブ室4は図中左端のポート7を介してマ
スタシリンダM/Cに接続されており、一方バルブ室5
はポート8を介してブレーキ装置のホイールシリンダW
/Cに接続されている。前記フェイルセイフピストン2
と制御ピストン3a、3bの中心部には流路9、10が
形成されており、それぞれの流路9、10には後述する
構成を有するボールバルブ15、28が配置されてい
て、マスタシリンダからの油圧は通常状態ではポート7
→ボールバルブ15→流路9→通路6→流路10→ボー
ルバルブ28を通ってブレーキシリンダに供給されるよ
うになっている。
【0012】バルブ室4には段付きのフェイルセイフピ
ストン2が摺動自在に収納されており、このフェイルセ
イフピストン2によってバルブ室4はA、B2室に区画
されている。前記A室はポート12を介してリザーバ1
1に連通しており、また、前記B室にはフェイルセイフ
ピストン2を図中右方に付勢するスプリング13が設け
られている。前記B室はポート14を介してアキュムレ
ータ30に連通されており、フェイルセイフピストン2
を図中左方に押圧する液圧室としての機能を有してい
る。フェイルセイフピストン2は左端に断面積S1 と液
圧室側に断面積S2 が形成されており、この断面積の関
係はアキュムレータ30からの液圧がフェイルセイフピ
ストン2に作用している状態では、マスタシリンダから
の液圧がフェイルセイフピストン2に作用しても、図1
に示す状態にフェイルセイフピストン2が偏奇するよう
に構成されている。
ストン2が摺動自在に収納されており、このフェイルセ
イフピストン2によってバルブ室4はA、B2室に区画
されている。前記A室はポート12を介してリザーバ1
1に連通しており、また、前記B室にはフェイルセイフ
ピストン2を図中右方に付勢するスプリング13が設け
られている。前記B室はポート14を介してアキュムレ
ータ30に連通されており、フェイルセイフピストン2
を図中左方に押圧する液圧室としての機能を有してい
る。フェイルセイフピストン2は左端に断面積S1 と液
圧室側に断面積S2 が形成されており、この断面積の関
係はアキュムレータ30からの液圧がフェイルセイフピ
ストン2に作用している状態では、マスタシリンダから
の液圧がフェイルセイフピストン2に作用しても、図1
に示す状態にフェイルセイフピストン2が偏奇するよう
に構成されている。
【0013】フェイルセイフピストン2内の中央部には
流路9が形成されており、この流路9中にはボールバル
ブ15が設けられている。ボールバルブ15はフェイル
セイフピストン2内に形成された弁座16向かってスプ
リング17により押されるボール18と、このボールを
通常は図示の如く弁座16から離間させる係止杆19と
からなっている。係止杆19は座金20を介して後述の
第1制御ピストン3aに当接すべく構成されており、係
止杆19の周囲と座金20とには流路が形成されてい
る。このため、フェイルセイフピストン2内の流路9は
後述する第1制御ピストン3aに形成した流路10に連
通されている。
流路9が形成されており、この流路9中にはボールバル
ブ15が設けられている。ボールバルブ15はフェイル
セイフピストン2内に形成された弁座16向かってスプ
リング17により押されるボール18と、このボールを
通常は図示の如く弁座16から離間させる係止杆19と
からなっている。係止杆19は座金20を介して後述の
第1制御ピストン3aに当接すべく構成されており、係
止杆19の周囲と座金20とには流路が形成されてい
る。このため、フェイルセイフピストン2内の流路9は
後述する第1制御ピストン3aに形成した流路10に連
通されている。
【0014】上記構成のボールバルブ15はアンチロッ
ク時にホイールシリンダからマスタシリンダ方向へのみ
ブレーキ液の還流を許容する機能を有すると共に、アン
チロック制御時であってもフェイルセイフ時にはマスタ
シリンダとホイールシリンダとの流路を強制的に連通す
る機能を有している。即ち、ボールのストロークLとフ
ェイルセイフピストン2のストロークSとは図1に示す
ようにS>Lとなるように設定されており、常時は図示
の如く係止杆19によってボールバルブ15を開いてマ
スタシリンダM/CからホイールシリンダW/Cへの液
圧送給を可能にしているが、フェイルセイフ時にはマス
タシリンダからの液圧によりフェイルセイフピストンが
図中右方に移動(フェイルセイフピストン2がストロー
クS移動)し、スプリング13の付勢力に抗して係止杆
19によってボールバルブ15の流路が強制的に開かれ
(図4参照)、マスタシリンダとホイールシリンダとの
流路を開放するようになっている。
ク時にホイールシリンダからマスタシリンダ方向へのみ
ブレーキ液の還流を許容する機能を有すると共に、アン
チロック制御時であってもフェイルセイフ時にはマスタ
シリンダとホイールシリンダとの流路を強制的に連通す
る機能を有している。即ち、ボールのストロークLとフ
ェイルセイフピストン2のストロークSとは図1に示す
ようにS>Lとなるように設定されており、常時は図示
の如く係止杆19によってボールバルブ15を開いてマ
スタシリンダM/CからホイールシリンダW/Cへの液
圧送給を可能にしているが、フェイルセイフ時にはマス
タシリンダからの液圧によりフェイルセイフピストンが
図中右方に移動(フェイルセイフピストン2がストロー
クS移動)し、スプリング13の付勢力に抗して係止杆
19によってボールバルブ15の流路が強制的に開かれ
(図4参照)、マスタシリンダとホイールシリンダとの
流路を開放するようになっている。
【0015】一方、バルブ室5には同室5をC、D、
E、F、Gの5の液圧室に区画する段付きの制御ピスト
ン即ち第1、第2制御ピストン3a、3bが摺動自在に
収納されている。前記C室はアンチロック制御時に、ブ
レーキシリンダからの液圧をボールバルブ28、流路1
0を介してC室に流入させ、ホイールシリンダ内のブレ
ーキ液圧を降下させる機能を有している。また、D室は
スプリング収納室として形成され、この室内には第1、
第2制御ピストン3a、3bを図中右方に付勢するスプ
リング21が設けられており、このD室はポート22を
介してリザーバタンク11に連通されている。E室はポ
ート23を介してアキュムレータ30に連通する液圧室
として形成されており、またF室はアンチロック時又は
自動ブレーキ時、ホイールシリンダ内の液圧を制御する
制御液圧室として構成されている。前記F室はポート2
4、常開型の第一電磁バルブ25を介してアキュムレー
タ30に連通されていると共に、ポート26、常閉型の
第二電磁バルブ27を介してリザーバタンク11に連通
されている。更に、前記G室は自動ブレーキ時或いはト
ラクションコントロール時にブレーキシリンダに液圧を
発生させるための液圧室である。
E、F、Gの5の液圧室に区画する段付きの制御ピスト
ン即ち第1、第2制御ピストン3a、3bが摺動自在に
収納されている。前記C室はアンチロック制御時に、ブ
レーキシリンダからの液圧をボールバルブ28、流路1
0を介してC室に流入させ、ホイールシリンダ内のブレ
ーキ液圧を降下させる機能を有している。また、D室は
スプリング収納室として形成され、この室内には第1、
第2制御ピストン3a、3bを図中右方に付勢するスプ
リング21が設けられており、このD室はポート22を
介してリザーバタンク11に連通されている。E室はポ
ート23を介してアキュムレータ30に連通する液圧室
として形成されており、またF室はアンチロック時又は
自動ブレーキ時、ホイールシリンダ内の液圧を制御する
制御液圧室として構成されている。前記F室はポート2
4、常開型の第一電磁バルブ25を介してアキュムレー
タ30に連通されていると共に、ポート26、常閉型の
第二電磁バルブ27を介してリザーバタンク11に連通
されている。更に、前記G室は自動ブレーキ時或いはト
ラクションコントロール時にブレーキシリンダに液圧を
発生させるための液圧室である。
【0016】前記アキュムレータ30には図示せぬポン
プによって常時所定の圧力が蓄圧されている。また、第
1制御ピストン3aの左端の断面積S3 と、第2制御ピ
ストン3bの右端の断面積S4 とはS3 >S4 の関係を
有するように形成されており、更に前記E室とF室とに
対応する制御ピストンの3bのピストン面積S5 とS6
はS5 <S6 の関係を有するように形成されている。従
って、アキュムレータ30からの液圧がE室及びF室に
作用している状態では第1、第2制御ピストン3a、3
bは図に示す状態をとることになり、またアキュムレー
タ30からの液圧が無くなった時(フェイルセイフ時)
には、後述するようにマスタシリンダからの液圧によっ
てG室に液圧を発生させることができることになる。
プによって常時所定の圧力が蓄圧されている。また、第
1制御ピストン3aの左端の断面積S3 と、第2制御ピ
ストン3bの右端の断面積S4 とはS3 >S4 の関係を
有するように形成されており、更に前記E室とF室とに
対応する制御ピストンの3bのピストン面積S5 とS6
はS5 <S6 の関係を有するように形成されている。従
って、アキュムレータ30からの液圧がE室及びF室に
作用している状態では第1、第2制御ピストン3a、3
bは図に示す状態をとることになり、またアキュムレー
タ30からの液圧が無くなった時(フェイルセイフ時)
には、後述するようにマスタシリンダからの液圧によっ
てG室に液圧を発生させることができることになる。
【0017】前記第1制御ピストン3aと第2制御ピス
トン3bとの中央部には流路10が形成されており、こ
の流路10にはボールバルブ28が設けられている。ボ
ールバルブ28は第2制御ピストン3bに形成された弁
座29向かってスプリング31により押されるボール3
2と、このボール32を通常は図示の如く弁座29から
離間させる係止杆33とからなっている。係止杆33の
周囲には通路が形成されていると共に、係止杆33は第
1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bとが当接状
態の時は第1制御ピストン3aに形成した突起によって
押され前記ボール32を弁座29から離間する機能を有
しており、後述するように第1制御ピストン3aと第2
制御ピストン3bとがボールのストロークよりも離れた
時には前記ボールバルブ28は流路を閉じる機能を有し
ている。なお、図1に示す例では第1制御ピストン3a
に形成された突起により、係止杆33を押しているが、
係止杆33の長さ等を工夫することにより必ずしもこの
ような突起は必要ではない。
トン3bとの中央部には流路10が形成されており、こ
の流路10にはボールバルブ28が設けられている。ボ
ールバルブ28は第2制御ピストン3bに形成された弁
座29向かってスプリング31により押されるボール3
2と、このボール32を通常は図示の如く弁座29から
離間させる係止杆33とからなっている。係止杆33の
周囲には通路が形成されていると共に、係止杆33は第
1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bとが当接状
態の時は第1制御ピストン3aに形成した突起によって
押され前記ボール32を弁座29から離間する機能を有
しており、後述するように第1制御ピストン3aと第2
制御ピストン3bとがボールのストロークよりも離れた
時には前記ボールバルブ28は流路を閉じる機能を有し
ている。なお、図1に示す例では第1制御ピストン3a
に形成された突起により、係止杆33を押しているが、
係止杆33の長さ等を工夫することにより必ずしもこの
ような突起は必要ではない。
【0018】次に上記構成の車両用ブレーキ制御装置に
ついてその作動を説明する。 〔通常時〕バルブ室4内の液圧室B及びバルブ室5内の
液圧室E及び制御液圧室Fにはアキュムレータ30から
の液圧が作用している。このためフェイルセイフピスト
ンはこのアキュムレータ圧によって図示状態に偏倚さ
れ、また第1、第2制御ピストン3a、3bは制御ピス
トン3bのピストン面積がS5 <S6 の関係となってい
ることから、スプリング21の付勢力に抗して、図1に
示す状態位置に偏倚される。そして、このような状態の
時にはボールバルブ15は図示の如く係止杆19によっ
て流路を開き、また第2制御ピストン3b内に設けられ
たボールバルブ28は係止杆33によって流路を開いて
いる。
ついてその作動を説明する。 〔通常時〕バルブ室4内の液圧室B及びバルブ室5内の
液圧室E及び制御液圧室Fにはアキュムレータ30から
の液圧が作用している。このためフェイルセイフピスト
ンはこのアキュムレータ圧によって図示状態に偏倚さ
れ、また第1、第2制御ピストン3a、3bは制御ピス
トン3bのピストン面積がS5 <S6 の関係となってい
ることから、スプリング21の付勢力に抗して、図1に
示す状態位置に偏倚される。そして、このような状態の
時にはボールバルブ15は図示の如く係止杆19によっ
て流路を開き、また第2制御ピストン3b内に設けられ
たボールバルブ28は係止杆33によって流路を開いて
いる。
【0019】このため、マスタシリンダとホイールシリ
ンダとは連通状態となっており、このような状態で車両
の制動のためにマスタシリンダM/Cに液圧を発生させ
れば、この発生液圧は常開状態に保持されているボール
バルブ15、流路9、流路10、係止杆33の周囲の通
路、ボールバルブ28、液圧室Gを通過してホイールシ
リンダW/Cに伝えられ、通常のブレーキ動作がなされ
ることになる。ブレーキ開放時は、上記流路を介してブ
レーキシリンダの液はマスタシリンダに還流する。
ンダとは連通状態となっており、このような状態で車両
の制動のためにマスタシリンダM/Cに液圧を発生させ
れば、この発生液圧は常開状態に保持されているボール
バルブ15、流路9、流路10、係止杆33の周囲の通
路、ボールバルブ28、液圧室Gを通過してホイールシ
リンダW/Cに伝えられ、通常のブレーキ動作がなされ
ることになる。ブレーキ開放時は、上記流路を介してブ
レーキシリンダの液はマスタシリンダに還流する。
【0020】〔アンチロック制御時〕車両制動によって
車輪ロックの発生を招いた場合には、車輪速度の降下、
上昇特性を測定することにより別途に設けた電気制御回
路からブレーキ緩め信号、ブレーキ再加圧信号が出力さ
れる。この信号により、前記第一、第二の電磁バルブ2
5,27が開、閉制御され、このことで制御液圧室Fの
液圧を降下、再上昇、保持させて、ブレーキ液圧の制御
をなし、車輪ロックを解消して路面との好適なスリップ
率を維持できることになる。
車輪ロックの発生を招いた場合には、車輪速度の降下、
上昇特性を測定することにより別途に設けた電気制御回
路からブレーキ緩め信号、ブレーキ再加圧信号が出力さ
れる。この信号により、前記第一、第二の電磁バルブ2
5,27が開、閉制御され、このことで制御液圧室Fの
液圧を降下、再上昇、保持させて、ブレーキ液圧の制御
をなし、車輪ロックを解消して路面との好適なスリップ
率を維持できることになる。
【0021】即ち、ブレーキ緩め信号が発生されるとき
は、車輪速度が急降下して車輪ロックの発生状態となっ
ているときであり、従ってこのことによって第一電磁バ
ルブ25の閉路と、第二電磁バルブ27の開路を同時に
行なわせる。このことにより制御液圧室F内の液圧はリ
ザーバ11に抜け、従って制御ピストン3bへの液圧力
は急速に降下する。他方制御ピストン3aにはスプリン
グ21の付勢力とホイールシリンダの圧力が、また、制
御ピストン3bの液圧室Eにはアキュムレータ圧が作用
しているため、該制御ピストン3a、3bは一体となっ
て図の右方に移動することになる。
は、車輪速度が急降下して車輪ロックの発生状態となっ
ているときであり、従ってこのことによって第一電磁バ
ルブ25の閉路と、第二電磁バルブ27の開路を同時に
行なわせる。このことにより制御液圧室F内の液圧はリ
ザーバ11に抜け、従って制御ピストン3bへの液圧力
は急速に降下する。他方制御ピストン3aにはスプリン
グ21の付勢力とホイールシリンダの圧力が、また、制
御ピストン3bの液圧室Eにはアキュムレータ圧が作用
しているため、該制御ピストン3a、3bは一体となっ
て図の右方に移動することになる。
【0022】そしてこの制御ピストン3a、3bの移動
により座金20を介して第1制御ピストン3aと当接し
ている係止杆19も追随して右方に移動し、図2に示す
ようにスプリング17によってボール18が弁座16に
着座して主経路のマスタシリンダM/C側とホイールシ
リンダW/C側の間の連通は遮断される。一方、ホイー
ルシリンダからボールバルブ28、流路10を通って液
圧室Cに流入したブレーキ液圧は液室Cの容積を増大し
同時に液圧室Gの容積を減少するが液圧室Cの増大量>
液圧室Gの減少量となっているため、ブレーキ液圧(ホ
イールシリンダW/C側の液圧)は急速に降下すること
になる。
により座金20を介して第1制御ピストン3aと当接し
ている係止杆19も追随して右方に移動し、図2に示す
ようにスプリング17によってボール18が弁座16に
着座して主経路のマスタシリンダM/C側とホイールシ
リンダW/C側の間の連通は遮断される。一方、ホイー
ルシリンダからボールバルブ28、流路10を通って液
圧室Cに流入したブレーキ液圧は液室Cの容積を増大し
同時に液圧室Gの容積を減少するが液圧室Cの増大量>
液圧室Gの減少量となっているため、ブレーキ液圧(ホ
イールシリンダW/C側の液圧)は急速に降下すること
になる。
【0023】このようなブレーキ液圧の急降下によって
車輪に対する過大なブレーキ力作用は減少し、従って車
輪速度が回復に向かうと、このことを電気制御回路が検
出してブレーキ緩め信号の出力は停止される。このとき
はこれ以上のブレーキ緩めが必要でない状態であるので
制御液圧室F内の液圧をそのときの液圧値に維持すれば
よく、このために第一電磁バルブ25及び第二電磁バル
ブ27を何れも閉路して液圧を保持する。
車輪に対する過大なブレーキ力作用は減少し、従って車
輪速度が回復に向かうと、このことを電気制御回路が検
出してブレーキ緩め信号の出力は停止される。このとき
はこれ以上のブレーキ緩めが必要でない状態であるので
制御液圧室F内の液圧をそのときの液圧値に維持すれば
よく、このために第一電磁バルブ25及び第二電磁バル
ブ27を何れも閉路して液圧を保持する。
【0024】更に前記ブレーキ液圧の降下にて車輪速度
が回復傾向に向かい、これがある程度まで回復したとき
には、制動距離の延伸防止のためにブレーキ液圧を再上
昇させることがよい。そこで本例においては、第一電磁
バルブ25をブレーキ再加圧信号の入力によって開路さ
せ、制御液圧室F内の液圧値を上昇させ、このことで第
1、第2制御ピストン3a、3bを図2中左方に移動せ
しめて液圧室C内のブレーキ液をホイールシリンダ内に
供給してブレーキ液圧の再加圧を図っているのである。
が回復傾向に向かい、これがある程度まで回復したとき
には、制動距離の延伸防止のためにブレーキ液圧を再上
昇させることがよい。そこで本例においては、第一電磁
バルブ25をブレーキ再加圧信号の入力によって開路さ
せ、制御液圧室F内の液圧値を上昇させ、このことで第
1、第2制御ピストン3a、3bを図2中左方に移動せ
しめて液圧室C内のブレーキ液をホイールシリンダ内に
供給してブレーキ液圧の再加圧を図っているのである。
【0025】なお、以上の動作制御のための信号を出力
する電気制御回路については従来より種々提供されてい
るものを用いればよく、既存の電子回路技術によって構
成できるものである。以上述べた別液圧系の液圧制御に
より、単に第一、第二の電磁バルブを開、閉切換するこ
とのみによりブレーキ液圧の好適な降下、保持、再加圧
の制御をなすことができることになる。
する電気制御回路については従来より種々提供されてい
るものを用いればよく、既存の電子回路技術によって構
成できるものである。以上述べた別液圧系の液圧制御に
より、単に第一、第二の電磁バルブを開、閉切換するこ
とのみによりブレーキ液圧の好適な降下、保持、再加圧
の制御をなすことができることになる。
【0026】〔自動ブレーキ時或いはトラクションコン
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開き、制御液圧室F内の液圧はリザーバに抜
ける。すると、第2制御ピストン3bは液圧室Eに作用
するアキュムレータ30圧により図中右方に移動する。
この時、第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピ
ストン3aも図中右方に移動するが、S3 >S4 となっ
ているため第1制御ピストン3aの移動量が第2制御ピ
ストン3aの移動量より少なく、第1制御ピストン3a
と第2制御ピストン3bとは図3に示すように離れ、こ
れによって係止杆33の押圧力が無くなるためボールバ
ルブ28のボール32がスプリング31によって弁座2
9に押し付けられ流路10を閉じる。
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開き、制御液圧室F内の液圧はリザーバに抜
ける。すると、第2制御ピストン3bは液圧室Eに作用
するアキュムレータ30圧により図中右方に移動する。
この時、第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピ
ストン3aも図中右方に移動するが、S3 >S4 となっ
ているため第1制御ピストン3aの移動量が第2制御ピ
ストン3aの移動量より少なく、第1制御ピストン3a
と第2制御ピストン3bとは図3に示すように離れ、こ
れによって係止杆33の押圧力が無くなるためボールバ
ルブ28のボール32がスプリング31によって弁座2
9に押し付けられ流路10を閉じる。
【0027】この状態で更に制御ピストン3bが図中右
方に移動すると液圧室Gに液圧が発生し、この液圧がブ
レーキシリンダに作用してブレーキがかかることにな
る。なお、この状態のときには第1制御ピストン3aが
図中右方に移動するためフェイルセイフピストン2内の
係止杆19も図中右方に移動し、これによって、ボール
バルブ15が流路9を閉じることになる。また、トラク
ションコントロール時には電子回路技術によって前記第
1、第2の電磁バルブ25,27を開、閉切換すること
で、ブレーキ液圧の好適な降下、保持、再加圧の制御を
なすことができ、効果的に車輪のスリップを防止でき
る。
方に移動すると液圧室Gに液圧が発生し、この液圧がブ
レーキシリンダに作用してブレーキがかかることにな
る。なお、この状態のときには第1制御ピストン3aが
図中右方に移動するためフェイルセイフピストン2内の
係止杆19も図中右方に移動し、これによって、ボール
バルブ15が流路9を閉じることになる。また、トラク
ションコントロール時には電子回路技術によって前記第
1、第2の電磁バルブ25,27を開、閉切換すること
で、ブレーキ液圧の好適な降下、保持、再加圧の制御を
なすことができ、効果的に車輪のスリップを防止でき
る。
【0028】〔フェイルセイフ時〕本例においては、仮
に何等かの原因によってアキュムレータ30の系の液圧
失陥が生じた場合には、フェイルセイフピストン2の動
作によってアンチロック制御が解除されるという構成と
なっている。即ち、本例においては、通常はフェイルセ
イフピストン2は液圧室B内に作用するアキュムレータ
30の液圧力により図1状態に静止しているが、液圧系
の失陥時にはこの液圧室Bの液圧も失われることにな
り、液圧室B内のピストン面積S2 に作用する液圧が無
くなる。このため、フェイルセイフピストンはピストン
面積S1 に作用するマスタシリンダからの液圧によって
図4に示す位置まで移動する。
に何等かの原因によってアキュムレータ30の系の液圧
失陥が生じた場合には、フェイルセイフピストン2の動
作によってアンチロック制御が解除されるという構成と
なっている。即ち、本例においては、通常はフェイルセ
イフピストン2は液圧室B内に作用するアキュムレータ
30の液圧力により図1状態に静止しているが、液圧系
の失陥時にはこの液圧室Bの液圧も失われることにな
り、液圧室B内のピストン面積S2 に作用する液圧が無
くなる。このため、フェイルセイフピストンはピストン
面積S1 に作用するマスタシリンダからの液圧によって
図4に示す位置まで移動する。
【0029】また、この時には第2制御ピストン3bの
液圧室E、制御液圧室F内の液圧も失われるためマスタ
シリンダからの液圧によって第1、第2制御ピストン3
a、3bも図4に示す位置まで移動する。フェイルセイ
フピストン2及び第1、第2制御ピストン3a、3bの
移動によって車両用ブレーキ制御装置は図4の状態にな
り、ボールバルブ15は係止杆19によって強制的に開
かれる。一方、第2制御ピストン3b内のボールバルブ
28も第1、第2制御ピストン3a、3bが当接状態と
なっているため流路10は開いている。従って液圧系の
失陥時には本アンチロック装置は単に主経路の連通路と
してのみ機能することにり、マスタシリンダからの液圧
が直接ブレーキシリンダに作用することになる。
液圧室E、制御液圧室F内の液圧も失われるためマスタ
シリンダからの液圧によって第1、第2制御ピストン3
a、3bも図4に示す位置まで移動する。フェイルセイ
フピストン2及び第1、第2制御ピストン3a、3bの
移動によって車両用ブレーキ制御装置は図4の状態にな
り、ボールバルブ15は係止杆19によって強制的に開
かれる。一方、第2制御ピストン3b内のボールバルブ
28も第1、第2制御ピストン3a、3bが当接状態と
なっているため流路10は開いている。従って液圧系の
失陥時には本アンチロック装置は単に主経路の連通路と
してのみ機能することにり、マスタシリンダからの液圧
が直接ブレーキシリンダに作用することになる。
【0030】以上のような構成をなす本実施例によれ
ば、アンチロック制御及びトラクションコントロールを
行うための制御ピストン及び電磁バルブを共通にするこ
とでブレーキ液圧の任意のパターンの制御を行なうこと
ができるという優れた効果が奏される。更にフェイルセ
イフ対策も良好になされているため、前記液圧系の失陥
時にアンチロック装置が障害となることもなく、実用的
な装置としての有用性は極めて高いものとなる。
ば、アンチロック制御及びトラクションコントロールを
行うための制御ピストン及び電磁バルブを共通にするこ
とでブレーキ液圧の任意のパターンの制御を行なうこと
ができるという優れた効果が奏される。更にフェイルセ
イフ対策も良好になされているため、前記液圧系の失陥
時にアンチロック装置が障害となることもなく、実用的
な装置としての有用性は極めて高いものとなる。
【0031】なお、本実施例はブレーキ緩め信号ブレー
キ再加圧信号の2信号を利用した制御としているが、こ
れは別にブレーキ保持信号を別に設けて制御するように
してもよいことは言うまでもなく、要はブレーキ液圧の
降下、上昇、保持に直接関係する前記第2制御ピストン
の制御液圧室内の液圧を、2つの電磁バルブを用いて好
適に給、排制御すればよいのである。また、各ホイール
シリンダの液圧制御は各車輪の状態に応じてそれぞれ独
立して行う。
キ再加圧信号の2信号を利用した制御としているが、こ
れは別にブレーキ保持信号を別に設けて制御するように
してもよいことは言うまでもなく、要はブレーキ液圧の
降下、上昇、保持に直接関係する前記第2制御ピストン
の制御液圧室内の液圧を、2つの電磁バルブを用いて好
適に給、排制御すればよいのである。また、各ホイール
シリンダの液圧制御は各車輪の状態に応じてそれぞれ独
立して行う。
【0032】続いて本発明の第2実施例を図5を参照し
て説明する。第1実施例ではアンチロック時に、ホイー
ルシリンダ内の液圧を液圧室Cに還流する流路を第1制
御ピストン3aに設けてあるが、第2実施例では、この
流路をシリンダ本体或いは本体外に形成した点で第1実
施例のものと相違している。なお、図中第1実施例と同
じ構成の部材には同一符号が付されており、それらの詳
細な説明は省略する。
て説明する。第1実施例ではアンチロック時に、ホイー
ルシリンダ内の液圧を液圧室Cに還流する流路を第1制
御ピストン3aに設けてあるが、第2実施例では、この
流路をシリンダ本体或いは本体外に形成した点で第1実
施例のものと相違している。なお、図中第1実施例と同
じ構成の部材には同一符号が付されており、それらの詳
細な説明は省略する。
【0033】図において1は車両用ブレーキ制御装置の
シリンダ本体を示し、この本体1の中にはフェイルセイ
フピストン2と制御ピストン3a、3bを収納するバル
ブ室4、5が形成されている。前記バルブ室4、5は本
体1の中央部の通路6で連通されている。バルブ室4は
図中左端のポート7を介してマスタシリンダM/Cに接
続されており、バルブ室5はポート8を介してブレーキ
装置のホイールシリンダW/Cに接続される。前記フェ
イルセイフピストン2及び第2制御ピストン3bの中心
部には流路9、10が形成されており、これら流路9、
10はシリンダ本体或いは別に配設した流路35によっ
て連通されている。
シリンダ本体を示し、この本体1の中にはフェイルセイ
フピストン2と制御ピストン3a、3bを収納するバル
ブ室4、5が形成されている。前記バルブ室4、5は本
体1の中央部の通路6で連通されている。バルブ室4は
図中左端のポート7を介してマスタシリンダM/Cに接
続されており、バルブ室5はポート8を介してブレーキ
装置のホイールシリンダW/Cに接続される。前記フェ
イルセイフピストン2及び第2制御ピストン3bの中心
部には流路9、10が形成されており、これら流路9、
10はシリンダ本体或いは別に配設した流路35によっ
て連通されている。
【0034】バルブ室4には第1実施例の場合と同じ機
能構成を有する段付きのフェイルセイフピストン2が摺
動自在に収納されている。一方、バルブ室5には同室5
をC、D、E、F、Gの5室に区画する段付きの第1、
第2制御ピストン3a、3bが摺動自在に収納されてお
り、第1、第2制御ピストン3a、3bはスプリング2
1によって図中右方に付勢されている。第2制御ピスト
ン3bの中央部には流路10が形成されており、この流
路10にはボールバルブ28が設けられている。ボール
バルブ28は第2制御ピストン3bに形成された弁座2
9向かってスプリング31により押されるボール32
と、このボール32を通常は図示の如く弁座29から離
間させる係止杆33とからなっている。
能構成を有する段付きのフェイルセイフピストン2が摺
動自在に収納されている。一方、バルブ室5には同室5
をC、D、E、F、Gの5室に区画する段付きの第1、
第2制御ピストン3a、3bが摺動自在に収納されてお
り、第1、第2制御ピストン3a、3bはスプリング2
1によって図中右方に付勢されている。第2制御ピスト
ン3bの中央部には流路10が形成されており、この流
路10にはボールバルブ28が設けられている。ボール
バルブ28は第2制御ピストン3bに形成された弁座2
9向かってスプリング31により押されるボール32
と、このボール32を通常は図示の如く弁座29から離
間させる係止杆33とからなっている。
【0035】係止杆33は第1制御ピストン3aと第2
制御ピストン3bとが図面に示すような当接状態の時は
前記ボール32を弁座29から離間する機能を有してお
り、第1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bとが
ボールのストローク距離よりも離れた時には前記ボール
バルブ28は流路を閉じる機能を有している。従って前
記流路9、10は流路35によって連通されており、マ
スタシリンダからの油圧は通常状態ではポート7→ボー
ルバルブ15→流路9→流路35→流路10→ボールバ
ルブ28を通ってブレーキシリンダに供給されるように
なっている。
制御ピストン3bとが図面に示すような当接状態の時は
前記ボール32を弁座29から離間する機能を有してお
り、第1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bとが
ボールのストローク距離よりも離れた時には前記ボール
バルブ28は流路を閉じる機能を有している。従って前
記流路9、10は流路35によって連通されており、マ
スタシリンダからの油圧は通常状態ではポート7→ボー
ルバルブ15→流路9→流路35→流路10→ボールバ
ルブ28を通ってブレーキシリンダに供給されるように
なっている。
【0036】次に上記構成のアンチロック装置について
その作動を説明する。 〔通常時〕バルブ室4内のB室及びバルブ室5内の液圧
室E及び制御液圧室Fにはアキュムレータ30からの液
圧が作用している。このためフェイルセイフピストンは
このアキュムレータ圧によって図示状態に偏倚され、ま
た第1、第2制御ピストン3a、3bはスプリング21
の付勢力に抗して、図5に示す状態位置に偏倚されてい
る。そして、このような状態の時にはボールバルブ15
は図示の如く係止杆19によって流路を開き、また第2
制御ピストン3b内に設けられたボールバルブ28は係
止杆33によって流路を開いている。このため、マスタ
シリンダとホイールシリンダとは連通状態となってお
り、このような状態で車両の制動のためにマスタシリン
ダM/Cに液圧を発生させれば、この発生液圧は常開状
態に保持されているボールバルブ15、流路9、流路3
5、流路10、ボールバルブ28、液圧室Gを通過して
ホイールシリンダW/Cに伝えられ、通常のブレーキ動
作がなされることになる。
その作動を説明する。 〔通常時〕バルブ室4内のB室及びバルブ室5内の液圧
室E及び制御液圧室Fにはアキュムレータ30からの液
圧が作用している。このためフェイルセイフピストンは
このアキュムレータ圧によって図示状態に偏倚され、ま
た第1、第2制御ピストン3a、3bはスプリング21
の付勢力に抗して、図5に示す状態位置に偏倚されてい
る。そして、このような状態の時にはボールバルブ15
は図示の如く係止杆19によって流路を開き、また第2
制御ピストン3b内に設けられたボールバルブ28は係
止杆33によって流路を開いている。このため、マスタ
シリンダとホイールシリンダとは連通状態となってお
り、このような状態で車両の制動のためにマスタシリン
ダM/Cに液圧を発生させれば、この発生液圧は常開状
態に保持されているボールバルブ15、流路9、流路3
5、流路10、ボールバルブ28、液圧室Gを通過して
ホイールシリンダW/Cに伝えられ、通常のブレーキ動
作がなされることになる。
【0037】〔アンチロック制御時〕車両制動によって
車輪ロックの発生を招いた場合には、車輪速度の降下、
上昇特性を測定することにより別途に設けた電気制御回
路からブレーキ緩め信号、ブレーキ再加圧信号が出力さ
れる。この信号により、前記第一、第二の電磁バルブ2
5,27が開、閉制御され、このことで制御液圧室Fの
液圧を降下、再上昇、保持させて、ブレーキ液圧の制御
をなし、車輪ロックを解消して路面との好適なスリップ
率を維持するように働くことになる。
車輪ロックの発生を招いた場合には、車輪速度の降下、
上昇特性を測定することにより別途に設けた電気制御回
路からブレーキ緩め信号、ブレーキ再加圧信号が出力さ
れる。この信号により、前記第一、第二の電磁バルブ2
5,27が開、閉制御され、このことで制御液圧室Fの
液圧を降下、再上昇、保持させて、ブレーキ液圧の制御
をなし、車輪ロックを解消して路面との好適なスリップ
率を維持するように働くことになる。
【0038】即ち、ブレーキ緩め信号が発生されるとき
は、車輪速度が急降下して車輪ロックの発生状態となっ
ているときであり、従ってこのことによって第一電磁バ
ルブ25の閉路と、第二電磁バルブ27の開路を同時に
行なわせる。このことにより制御液圧室F内の液圧はリ
ザーバ11に抜け、従って第2制御ピストン3bへの液
圧力は急速に降下する。他方制御ピストン3aにはスプ
リング21の付勢力とホイールシリンダ側の圧力が、ま
た、第1制御ピストン3bの液圧室Eにはアキュムレー
タ圧が作用しているため、該制御ピストン3a、3bは
ともに図の右方に移動することになる。そしてこの移動
により、第1制御ピストン3aと当接している係止杆1
9も追随して右方に移動し、ボールバルブ15が閉じら
れマスタシリンダM/C側とホイールシリンダW/C側
の間の連通を遮断する。この状態でホイールシリンダか
らのブレーキ液は、液圧室G、ボールバルブ28、流路
10、流路35を通って、液室Cに流入し、ブレーキ液
圧(ホイールシリンダW/C側の液圧)は急速に降下す
ることになる。
は、車輪速度が急降下して車輪ロックの発生状態となっ
ているときであり、従ってこのことによって第一電磁バ
ルブ25の閉路と、第二電磁バルブ27の開路を同時に
行なわせる。このことにより制御液圧室F内の液圧はリ
ザーバ11に抜け、従って第2制御ピストン3bへの液
圧力は急速に降下する。他方制御ピストン3aにはスプ
リング21の付勢力とホイールシリンダ側の圧力が、ま
た、第1制御ピストン3bの液圧室Eにはアキュムレー
タ圧が作用しているため、該制御ピストン3a、3bは
ともに図の右方に移動することになる。そしてこの移動
により、第1制御ピストン3aと当接している係止杆1
9も追随して右方に移動し、ボールバルブ15が閉じら
れマスタシリンダM/C側とホイールシリンダW/C側
の間の連通を遮断する。この状態でホイールシリンダか
らのブレーキ液は、液圧室G、ボールバルブ28、流路
10、流路35を通って、液室Cに流入し、ブレーキ液
圧(ホイールシリンダW/C側の液圧)は急速に降下す
ることになる。
【0039】このようなブレーキ液圧の急降下によって
車輪に対する過大なブレーキ力作用は減少し、従って車
輪速度が回復に向かうと、このことを電気制御回路が検
出してブレーキ緩め信号の出力は停止される。このとき
はこれ以上のブレーキ緩めが必要でない状態であるので
制御液圧室F内の液圧をそのときの液圧値に維持すれば
よく、このために第一電磁バルブ25及び第二電磁バル
ブ27を何れも閉路して液圧を保持する。
車輪に対する過大なブレーキ力作用は減少し、従って車
輪速度が回復に向かうと、このことを電気制御回路が検
出してブレーキ緩め信号の出力は停止される。このとき
はこれ以上のブレーキ緩めが必要でない状態であるので
制御液圧室F内の液圧をそのときの液圧値に維持すれば
よく、このために第一電磁バルブ25及び第二電磁バル
ブ27を何れも閉路して液圧を保持する。
【0040】〔自動ブレーキ時或いはトラクションコン
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開き、第2制御ピストン3bはアキュムレー
タ30からの液圧により図中右方に移動する。この時、
第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピストン3
aも図中右方に移動するがS2 >S4 となっているので
移動量が第2制御ピストン3aの移動量ほどではないた
め、第1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bが離
れ、これによって係止杆33の押圧力が無くなり、ボー
ルバルブ28が流路10を閉じる。この結果第2制御ピ
ストン3bが更に右方に移動すると液圧室Gに液圧が発
生し、この液圧がブレーキシリンダに作用してブレーキ
がかかることになる。
トロール時〕自動ブレーキ時或いはトラクションコント
ロール時には、第1電磁バルブ25が閉じ、第2電磁バ
ルブ27が開き、第2制御ピストン3bはアキュムレー
タ30からの液圧により図中右方に移動する。この時、
第2制御ピストン3bの移動につれ第1制御ピストン3
aも図中右方に移動するがS2 >S4 となっているので
移動量が第2制御ピストン3aの移動量ほどではないた
め、第1制御ピストン3aと第2制御ピストン3bが離
れ、これによって係止杆33の押圧力が無くなり、ボー
ルバルブ28が流路10を閉じる。この結果第2制御ピ
ストン3bが更に右方に移動すると液圧室Gに液圧が発
生し、この液圧がブレーキシリンダに作用してブレーキ
がかかることになる。
【0041】〔フェイルセイフ時〕また本例において
も、仮に何等かの原因によってアキュムレータ30の系
の液圧失陥が生じた場合には、フェイルセイフピストン
2の動作によってアンチロック制御が解除されるという
構成となっている。即ち、第1実施例と同様に、本例に
おいても、通常はフェイルセイフピストン2は液圧室B
内に作用するアキュムレータの液圧力により図5状態に
静止している。しかし液圧系の失陥時にはこの液圧室B
の液圧も失われることになり、液圧室B内のピストン面
積S2 に作用する液圧が無くなる。このため、フェイル
セイフピストンはピストン面積S1 に作用するマスタシ
リンダからの液圧によって図中右方に移動し、ボールバ
ルブ15は係止杆19によって強制的に開かれる。
も、仮に何等かの原因によってアキュムレータ30の系
の液圧失陥が生じた場合には、フェイルセイフピストン
2の動作によってアンチロック制御が解除されるという
構成となっている。即ち、第1実施例と同様に、本例に
おいても、通常はフェイルセイフピストン2は液圧室B
内に作用するアキュムレータの液圧力により図5状態に
静止している。しかし液圧系の失陥時にはこの液圧室B
の液圧も失われることになり、液圧室B内のピストン面
積S2 に作用する液圧が無くなる。このため、フェイル
セイフピストンはピストン面積S1 に作用するマスタシ
リンダからの液圧によって図中右方に移動し、ボールバ
ルブ15は係止杆19によって強制的に開かれる。
【0042】またこの時には第2制御ピストン3bの液
圧室E、制御液圧室F内の液圧も失われるためマスタシ
リンダからの液圧によって第1、第2制御ピストン3
a、3bも左方に移動するが、この時、第2制御ピスト
ン3b内のボールバルブ28も第1、第2制御ピストン
3a、3bが当接状態となっているため流路10が開い
ている。従って液圧系の失陥時には本アンチロック装置
は単に主経路の連通路としてのみ機能することにり、マ
スタシリンダからの液圧が直接ブレーキシリンダに作用
することになる。
圧室E、制御液圧室F内の液圧も失われるためマスタシ
リンダからの液圧によって第1、第2制御ピストン3
a、3bも左方に移動するが、この時、第2制御ピスト
ン3b内のボールバルブ28も第1、第2制御ピストン
3a、3bが当接状態となっているため流路10が開い
ている。従って液圧系の失陥時には本アンチロック装置
は単に主経路の連通路としてのみ機能することにり、マ
スタシリンダからの液圧が直接ブレーキシリンダに作用
することになる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、アンチロック制御及びトラクションコントロール
を行うための制御ピストン及び電磁バルブを共通にする
ことでブレーキ液圧の任意のパターンの制御を行なうこ
とができるという優れた効果が奏される。更にフェイル
セイフ対策も良好になされているため、前記液圧系の失
陥時にアンチロック装置が障害となることもなく、実用
的な装置としての有効性は極めて高いものとなる。更に
アンチロック時の制御ピストンとトラクションコントロ
ール時の制御ピストンとを共通にできるためアンチロッ
ク装置の構造を簡略化でき、これによって大幅なコスト
ダウンを実現できるという優れた効果を奏するものであ
る。
れば、アンチロック制御及びトラクションコントロール
を行うための制御ピストン及び電磁バルブを共通にする
ことでブレーキ液圧の任意のパターンの制御を行なうこ
とができるという優れた効果が奏される。更にフェイル
セイフ対策も良好になされているため、前記液圧系の失
陥時にアンチロック装置が障害となることもなく、実用
的な装置としての有効性は極めて高いものとなる。更に
アンチロック時の制御ピストンとトラクションコントロ
ール時の制御ピストンとを共通にできるためアンチロッ
ク装置の構造を簡略化でき、これによって大幅なコスト
ダウンを実現できるという優れた効果を奏するものであ
る。
【図1】本発明に係る第1実施例としての車両用アンチ
ロック装置の通常状態の断面図である。
ロック装置の通常状態の断面図である。
【図2】第1実施例のアンチロック制御時の装置の断面
図である。
図である。
【図3】第1実施例のトラクションコントロール時又は
自動ブレーキ保持時の装置の断面図である。
自動ブレーキ保持時の装置の断面図である。
【図4】第1実施例のフェイルセイフ時の装置の断面図
である。
である。
【図5】本発明に係る第2実施例としてのアンチロック
制御装置の通常状態の断面図である。
制御装置の通常状態の断面図である。
1 シリンダ本体 2 フェイルセイフピストン 3a 第1制御ピストン 3b 第2制御ピストン 4、5 バルブ室 9、10 流路 15、28 ボールバルブ 19、33 係止杆 25、27 電磁バルブ 30 アキュムレータ
Claims (5)
- 【請求項1】 車輪のロック状態を電子制御装置で評価
し、この評価に基づいて車輪のブレーキ装置に供給され
るブレーキ液圧を低下させ、上昇させ、又は一定に保持
して、車輪に作用するブレーキ力を制御できるようにす
ると共にマスタシリンダとは別個の圧力源により車輪に
自動的に制動力を加えることができるようにした車両用
ブレーキ制御装置において、 前記ブレーキ制御装置はマスタシリンダとホイールシリ
ンダとを連通する流路内にシリンダ本体1を有し、 前記シリンダ本体1内には互いに当接可能に配置したフ
ェイルセイフピストン2と制御ピストン3とが配置さ
れ、 前記フェイルセイフピストン2は、マスタシリンダとは
別個の圧力源30により液圧が作用している時に、制御
ピストン3がフェイルセイフピストン2から離れるとホ
イールシリンダからマスタシリンダ方向へのみブレーキ
液の還流を許容する機能を有し、且つ、マスタシリンダ
とは別個の圧力源30からの液圧が作用しなくなった時
に、マスタシリンダとホイールシリンダとの流路を強制
的に連通する機能を有している一つのバルブ15を備
え、 更に前記制御ピストン3は、前記別個の圧力源30から
の液圧の作用で容積が増大する液圧室Cと容積を減少す
る液圧室Gとを区画し、且つ前記二つの液圧室を連通す
る流路10に、該流路を開閉するバルブ28を備え、 前記制御ピストン3に作用する液圧を制御することによ
り車輪に作用するブレーキ力を制御できるようにすると
共にマスタシリンダとは別個の圧力源30により車輪に
自動的に制動力を加えることができるようにしたことを
特徴とする車両用ブレーキ制御装置。 - 【請求項2】 前記制御ピストンは、第1、第2制御ピ
ストンとからなり、前記第1、第2制御ピストンが当接
状態の時は前記流路10を開閉するバルブ28を開状態
に保持し、前記第1、第2制御ピストンが離れた状態の
時は前記流路を閉じ状態に保持できることを特徴とする
請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 【請求項3】 前記制御ピストンは、第1、第2制御ピ
ストンとからなり、前記第2制御ピストンは前記別個の
圧力源からの液圧の制御で移動し、前記二つの液圧室の
容積を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2
に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 【請求項4】 前記制御ピストンは、第1、第2制御ピ
ストンとからなり、前記第2制御ピストンは前記流路1
0を閉じた状態の時に前記別個の圧力源30からの液圧
により、ホイールシリンダに液圧を供給し得るように構
成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレー
キ制御装置。 - 【請求項5】 前記制御ピストンの移動により、前記二
つの液圧室の容積を同時に変化した時、液圧室Cの変化
量>液圧室Gの変化量としたことを特徴とする請求項2
に記載の車両用ブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24006492A JPH0664512A (ja) | 1992-08-18 | 1992-08-18 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24006492A JPH0664512A (ja) | 1992-08-18 | 1992-08-18 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0664512A true JPH0664512A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=17053954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24006492A Withdrawn JPH0664512A (ja) | 1992-08-18 | 1992-08-18 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0664512A (ja) |
-
1992
- 1992-08-18 JP JP24006492A patent/JPH0664512A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS61218463A (ja) | アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置 | |
US4555145A (en) | Anti-lock system for vehicles | |
JPH0624322A (ja) | 車両用アンチロック装置 | |
JPH0664512A (ja) | 車両用ブレーキ制御装置 | |
KR100235334B1 (ko) | 저가형 에이비에스와 티씨에스 통합 모듈레이터 | |
JPS6237256A (ja) | アンチスキツド制御装置 | |
JPH06107159A (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JP3561357B2 (ja) | 車両用アンチロックブレーキ制御装置 | |
JPH06312658A (ja) | 液圧ブレーキ装置 | |
JP3561358B2 (ja) | 車両用アンチロックブレーキ制御装置 | |
JP3605459B2 (ja) | 車両用アンチロックブレーキ制御装置 | |
JPH06107158A (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JPH0339856B2 (ja) | ||
JP2895668B2 (ja) | アンチスキッド制御装置 | |
JPH0423718Y2 (ja) | ||
JPH06321088A (ja) | ブレーキ制御装置 | |
JPS5850901B2 (ja) | アンチスキツドセイギヨソウチ | |
JP2583851Y2 (ja) | アンチスキッドブレーキ装置 | |
JPH07112658A (ja) | アンチスキッド制御装置 | |
JPH04230456A (ja) | アンチロックブレーキ用液圧調整装置 | |
JPS60166551A (ja) | 車両用アンチロツク装置 | |
JPH037536B2 (ja) | ||
JPH09202223A (ja) | アンチロック液圧制御装置 | |
JPH06115422A (ja) | アンチロック装置 | |
JPH0717379A (ja) | アンチスキッド制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991102 |