JP3603883B2 - ディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造に関し、より具体的には、ディスクに照射される光ビームの照射角度の調整にねじを用いることに起因するガタツキを防止したディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)やミニディスク(MD)等のディスクドライブ装置では、光ピックアップからのビームがディスク面に所定の角度(通常、90°)で当るように調整する、ビーム角度調整機構を有している。近年の高密度記録されたディスクでは、ディスクの径方向のビット間隔を狭く設定している。この高密度記録された信号を読み出すために、ビーム出射位置における対物レンズの開口数(NA)を大きくとり、ビーム径を小径化している。レーザビームの光軸がディスクの信号面に対してわずかでも傾いた場合、開口数の3乗とディスク厚みに比例してコマ収差が発生することが知られている。このコマ収差は、再生信号波形に歪みを与え、電圧変動や機構の不安定性その他の要因を発生させる。このため、シャーシ上にレーザビームの光軸の傾きを調整するビーム角度調整機構を設けている。このビーム角度調整機構は、製造メーカや機種によって様々な方式がある。たとえば、光ピックアップがガイド軸に沿ってディスクの径方向にスライドする方式において、たとえば以下のような方式が知られている。
(a1)1本のガイド軸を用い、ガイド軸に沿う方向(ディスク径方向)の傾きは、ターンテーブルの傾きを変えることによって調整し、ガイド軸に交差する方向(径方向に交差する方向)の傾きは、ガイド軸に回動自由かつ移動自由に係合する光ピックアップのガイド軸周りの角度位置によって調整する。
(a2)2本のガイド軸を設けて、その2本のガイド軸の両端において、すなわち4箇所において、ガイド軸端部の固定高さを変え、光ピックアップの角度を変えることによって光ビームのディスクへの照射角度を調整する。
【0003】
上記の他にも、多くの調整方式がある。これらのビーム角度調整機構は、ディスクドライブ装置の製造中に、製造現場において組み付けられ、適正なビーム角度に設定される。
【0004】
図8は、上記(a2)の方式におけるビーム角度調整機構を示す図である。図8によれば、光ピックアップ102は、上面にビーム出射口となる対物レンズ122を備え、上記の2本のガイド軸に移動を案内され、ターンテーブル103に載置されたディスク107の径方向に移動する。2本のガイド軸104の両端は、シャーシ101に止めビス150で固定されたブラケット109に挟まれ、シャーシの下側からボルト106によって支えられ、その傾きが調整されている。ガイド軸104は、ばね140によってシャーシ101に近づくように付勢力を受けており、この付勢力に抗してブラケット109の下方に配置されたボルト106が、ガイド軸104の保持高さを調整する。この保持高さは、4箇所で調整されるので、ディスクの径方向およびそれに交差する方向に沿う光ピックアップの傾きを調整することができる。この結果、光ピックアップから出射されるビームがディスク面に対して直交する状態を確保できるよう調節することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、ボルト106はシャーシ101に設けられた雌ねじ110に螺合され保持高さが調整される。これら雄ねじと雌ねじとのねじ部分の間には、ねじ嵌合用の隙間Sが必ず設けられる。このため、ビーム角度調整機構の組み付け時にボルトを工具でねじ込んで調整しても、工具からのトルクが無くなった直後、もしくは調整後、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライド中に、または床に落下したりしたときの衝撃により、雄ねじと雌ねじとの間にガタツキが生じる場合があった。ガタツキが生じると、図10に示すように、雄ねじ106が傾き、ガイド軸104の保持高さが変動することが生じる。このような保持高さの変動は直ちにレーザビームの角度変動を生じ、上記の電圧変動や不安定性を招来する。
【0006】
上記の問題を解決するため、図11に示すように、シャーシ101に固定されたブラケット109内にばね片108を設け、雄ねじ106に一定方向に付勢力Fを付加することにより、雄ねじと雌ねじとの間のガタツキを防止する提案がなされた。ばね片は雄ねじ部分に対向し、表面が滑らかな押し面を備え、その押し面は雄ねじ部分の複数の山にわたって接する長さに形成されている。このようなばね片を用いることによりねじのガタツキが防止され、調整作業の効果を持続することができるようになった。
【0007】
しかし、上記のようにばね片を用いると、当然、部品点数が増え、かつブラケット内にばね片を所定の姿勢で配置する工数の増加が生じる。このため、ばね片などの部品点数を増大させることなく調整用のねじのガタツキを防止する構造の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、部品点数を増大させることなく、調整用ねじのガタツキを防止したディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクドライブ装置は、シャーシに取り付けられ、ディスクを装着して回転させるターンテーブルと、シャーシに固定されたガイド軸と、ガイド軸に回動自由に取り付けられガイド軸に沿って移動する光ピックアップと、ディスク面に光ピックアップからの光ビームが所定角度で照射するように設けられたビーム角度調整機構とを備えたディスクドライブ装置である。このビーム角度調整機構は、ターンテーブルに取り付けられてガイド軸に沿う方向におけるディスクの傾きを調整するターンテーブル角度調整機構と、光ピックアップに取り付けられてその光ピックアップのガイド軸の周りの角度位置を調整することによりガイド軸に交差する面内での光ビームの角度を調整する光ピックアップ角度調整機構とからなる。この光ピックアップ角度調整機構は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、2枚の鍔によってシャーシの縁を挟むように係合してシャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、雄ねじ部分と、鍔係合部と雄ねじ部分との間に位置する円柱状の圧入部とが、一体化された部材である。また、雌ねじ部は、光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定されたナットと、ナットと同軸にピックアップ支持部に開けられ、圧入部が密着圧入される圧入孔とを備える。そして、雄ねじ部材の鍔係合部をシャーシの縁に係合させ、雄ねじ部分をナットに螺合させ、かつ圧入部が圧入孔に圧入されることにより、シャーシと雌ねじ部との間の距離を調整する。
【0010】
この構造によれば、円柱状の圧入部および圧入孔の成形精度を、ねじ部に比べて、はるかに高精度に容易にとることができる。このため、製造コストを大きく増大させずに円形圧入孔に円柱圧入部が密着するように圧入することができる。上記の密着した圧入により、ねじ部のガタツキを防ぐことができる。上記の雄ねじ部材は、一体化された抓み部を有していてもよい。
【0011】
この雄ねじ部材は雌ねじ部と螺合したまま、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライドするとき、共にスライドする。鍔係合部とシャーシとの係合は上記の調整の際にシャーシが基準高さ位置となるように係合するが、調整が済んだ後は、シャーシと鍔係合部とは滑らかに接触しているだけである。このため、雄ねじ部材は、上記光ピックアップのスライドの際に、その鍔係合部をシャーシ上に滑らせながら共にスライドする。
【0012】
本発明の別のディスクドライブ装置では、光ピックアップ角度調整機構の雄ねじ部材は、2枚の鍔によってシャーシの縁を挟むように係合してシャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、その断面が長円形の雄ねじ部分とが一体化された部材である。また、雌ねじ部は、光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定された断面が円形のナットからなり、その円形の径は雄ねじ部分の長円形の長径より小さい。そして、雄ねじ部材の鍔係合部をシャーシの縁に係合させ、雄ねじ部分を円形のナットに螺合させて、シャーシと雌ねじ部との間の距離を調整する。
【0013】
この構造によれば、ビーム角度調整の際、雌ねじの円形の径より大きい長径を有する雄ねじは、弾性的に雌ねじにねじ込まれる。このため、雌ねじ面と長径部の雄ねじ面とは、互いに強い面圧を相手に及ぼし合う。このため、多少の衝撃ではガタツキを生じない螺合構造を得ることができる。上記の雄ねじ部材は、通常は、そのねじ先端はテーパ無しであるが、テーパ付きでもよいし、また不完全ねじでもよい。
【0014】
また、上記の光ピックアップのケースにおいて、ナットとケースとを一体射出成形加工によって一体物として作製してもよい。
【0015】
この構成により、樹脂射出成形の光ピックアップの支持部にナット(雌ねじ)を埋め込む際の圧入のばらつきを防止し、雌ねじの位置精度を高めることができる。上記の一体物内のナットは樹脂射出成形の際に、金属製または樹脂製ナットを予め埋め込んでから射出成形するインサート成形でもよい。また、金属製ナットを後から樹脂に圧入してもよい。さらに、金型の段階で雌ねじの型を形成して、その中に樹脂を射出し、ねじ山に沿って螺合を外しながら型から上記ケースを外してもよい。
【0016】
本発明のビーム角度調整構造は、ターンテーブルおよび光ピックアップの少なくとも一方に配置され、光ピックアップから出射される光ビームをディスク面に所定角度で照射させるように調整するビーム角度調整構造である。このビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、円柱状の圧入部と、雄ねじ部分とを有する。また、雌ねじ部は、光ピックアップと一体化した雌ねじ部分と、圧入部が圧入される圧入孔とを有する。
【0017】
上記の構造により、ビーム角度調整構造に用いられるねじのガタツキを容易に防止することができる。基準位置係合部は、2枚の鍔に限らずシャーシと係合してシャーシを基準位置として雌ねじ部との間の距離を調節できれば、どのような形状の係合部でもよい。また、上記雄ねじ部材および雌ねじ部材は、光ピックアップおよびターンテーブルのどちらに設けられてもよい。
【0018】
本発明における別のビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、断面が長円形の雄ねじ部分とを有する。雌ねじ部は、光ピックアップと一体化し、断面が長円形の長径より小さい径の円形の雌ねじ部分を有する。
【0019】
上記の構造によっても、部品点数を増やすことなくねじのガタツキを抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるディスクドライブ装置を示す平面図である。このディスクドライブ装置は、1本のガイド軸4が光ピックアップ2を支持するピックアップ支持部16に開けられた貫通孔を貫通している。ピックアップ支持部16は、光ピックアップと一体化して結合し光ピックアップの一部を構成する部材とみなすことができる。ピックアップ支持部16は、ガイド軸4の周りに回動自由に取り付けられ、ガイド軸4に沿ってスライドする。また、これは、光ピックアップ2が、ガイド軸4の周りに回動自由に取り付けられ、ガイド軸4に沿ってスライドする、と言い換えることができる。上記の光ピックアップのスライドは、ラック26とピニオン27とによって駆動される。図示していないディスクは、ターンテーブル3に載置される。レーザビームは光ピックアップの出射口である対物レンズ2aを通って、その対物レンズの上方に位置するディスクにビームを照射する。
【0022】
ビーム角度調整機構は、ターンテーブル3においてディスクの径方向の傾きを調整するターンテーブル角度調整機構25と、ディスクの径方向と交差する方向の傾きを調整する光ピックアップ角度調整機構10とから構成される。本発明のビーム角度調整構造は、スペースを少し余計にとるので、スペースの余裕がある光ピックアップに主に用いられるが、ターンテーブル角度調整機構に用いてもよい。
【0023】
光ピックアップ角度調整機構10は、シャーシ1の縁1aに係合する鍔係合部6bを有する雄ねじ部材6と、ピックアップ支持部16に設けられた雌ねじ部とから構成される。雄ねじ部材6は、シャーシの縁1aを基準高さ位置として、雌ねじ部と螺合する際、雄ねじ部材自身は高さ位置を変えず、雌ねじ部が高さ位置を変える。このため、ピックアップ支持部16は、雄ねじ部の高さ位置の変動に応じて高さ位置を変えガイド軸の周りに回転する。このピックアップ支持部は、ガイド軸4を支点とする長さ16aを有するアームとして機能する。
【0024】
図2は、本実施の形態におけるディスクドライブ装置の分解斜視図であり、光ピックアップの部分を選択的に拾い出している。ガイド軸4はボルト19などによって、シャーシに固定される。また、ピックアップ支持部に開けられた孔18の中を、ガイド軸4は貫通している。ピックアップ支持部19に設けられた雌ねじ部分(ナット)に螺合する雄ねじ部材6の鍔係合部6bは、シャーシの縁1aに係合して、雄ねじ部材6の高さ位置を一定に保つ。雄ねじ部材6は、雄ねじ部6aがピックアップ支持部に固定されたナットに螺合され、円柱状の圧入部6cが、雌ねじ部に設けられた圧入孔に密着するように圧入される。ねじ部分に比較して、円柱状の圧入部や圧入孔は、はるかに高い位置精度で工作することができる。
【0025】
図3は、光ピックアップ角度調整機構を示す図である。図3(a)は雌ねじ部15が設けられるピックアップ支持部16と、光ピックアップ2を示す図であり、図3(b)は雄ねじ部材6を示す図である。ピックアップ支持部16は光ピックアップ2を搭載したまま、ガイド軸の周りに回動することができる。雌ねじ部15には、金属製のナット15aが埋め込まれ、その下にナットの内径より径の大きい圧入孔15cが設けられている。ナット15aは樹脂製であってもよい。この雌ねじ部15は、光ピックアップ2およびピックアップ支持部16と一体的にガイド軸4の周りに回動する。
【0026】
雄ねじ部材6は、ナット15aと螺合するねじ部6aと、圧入孔15cに圧入される円柱状の圧入部6cと、2つの鍔の間にシャーシの縁1aを挟んで、シャーシの縁を基準高さ位置とする鍔係合部6bと、調整つまみ部6dとから構成されている。圧入孔15cの径はdoであり、また円柱状の圧入部6cの径も同じdoである。図4は、雄ねじ部材が雌ねじ部に螺合され、圧入孔に圧入部が圧入された状態を示す図である。雌ねじ部を構成する材料として金属製または樹脂製のナットを用いることができる。すなわち、射出成形の金型に予め金属製または樹脂製ナットを配置して、そこに樹脂を射出成形することができる。また、別部材として用いるナットの代わりに、樹脂の射出成形においてピックアップ支持部と一体化成形された雌ねじ部分を用いてもよい。すなわち、金型に雌ねじを構成するように、ねじを形成してもよい。製品取出しの際には、螺合を外すように回転させながら製品を型から取り出すことができる。上記の圧入部分において、遊びやガタツキが生じる余地は皆無である。このため、ねじ部に遊びやガタツキが生じても、圧入部分により遊びやガタツキの動きを排除することができる。
【0027】
図5は、上記の光ピックアップ角度調整機構10によってビーム角度が調整される機構を説明する図である。ピックアップ支持部16はガイド軸4の周りに回動自由である。シャーシの縁1aは、雄ねじ部材6の鍔係合部6bに挟まれることによって、雄ねじ部材を所定の高さに維持している。シャーシの縁は基準高さ位置を提供する。雄ねじ部材のつまみ部6dをつまんで回転させた場合、雄ねじ部材6は、シャーシとの係合のために移動することなく、ナット15aを上下に移動させる。すなわち、雌ねじ部15とシャーシ1との間の距離を変化させることができる。このため、ナット15aの高さを変えることによってピックアップ支持部16の角度位置を変える。このため、ピックアップ支持部16の傾きが変動し、レーザビームの角度が調整される。
【0028】
雄ねじ部材6は雌ねじ部と螺合したまま、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライドするとき、共にスライドする。鍔係合部とシャーシとの係合は上記の調整の際にシャーシが基準高さ位置となるように係合するが、調整が済んだ後は、鍔係合部はシャーシに載って、滑らかに接触しているだけである。このため、雄ねじ部材は、上記光ピックアップのスライドの際に、その鍔係合部6bをシャーシの縁1a上に滑らせながら共にスライドする。
【0029】
上記したように、圧入部分において、遊びやガタツキが生じる余地は皆無である。このため、部品点数を増やすことなく、圧入部分という簡単な機構により遊びやガタツキの動きを排除することができる。
【0030】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部材の特徴を示す図である。図6において、円形の雄ねじの断面中央部を所定の幅で削除し、接合する形状をとる。この結果、図7(a)に示すように、削除された幅の分だけ短い短径と、元の円形の径を有する長径とを有する細長い断面の雄ねじ部6aが形成される。図面には表していないが、ピックアップ支持部に設けられる雌ねじ部のナットの内径は、上記の長径より短くし、とくに、上記の短径と同じ長さにすることができる。図7(b)は、上記のような考え方で形成された雄ねじ部材6を示す図である。この雄ねじ部材には、圧入部(ボス)を設けなくてもよい。雄ねじ部材に雄ねじ部6aがナットに螺合された場合、長径部では雌ねじと弾性変形をともなってねじ込まれる。このため、長径部の雄ねじ面と雌ねじ面とは、互いに強い面圧を相手に及ぼし合う。このため、多少の衝撃ではガタツキを生じない螺合構造を得ることが可能になる。
【0031】
上記のビーム角度調整構造によれば、部品点数を増やすことなく調整構造に組み込まれるねじ部のガタツキや遊びを除去することができる。
【0032】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0033】
【発明の効果】
本発明のディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造を用いることにより、部品点数を増大させることなく、光ビームのディスクへの照射角度を所定の角度にするため、光ピックアップなどの部品の角度調整をガタツキなしに行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図2】図1のディスクドライブ装置において光ピックアップ関連部品を選んで表示した分解斜視図である。
【図3】(a)は、図1のディスクドライブ装置のピックアップ支持部に設けられた雌ねじ部を示す図であり、(b)は雄ねじ部材を示す図である。
【図4】図3(a)の雌ねじ部に図3(b)の雄ねじ部材をねじ込み圧入した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1において、ビーム角度を調整する原理を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部の特徴を示す図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部の断面図であり、(b)は雄ねじ部材を示す図である。
【図8】従来のディスクドライブ装置を示す図である。
【図9】図8のディスクドライブ装置において、シャーシの雌ねじ部に螺合されたボルトを示す図である。
【図10】ボルトのガタツキを示す図である。
【図11】従来のディスクドライブ装置においてボルトのガタツキを無くすためにばね片をブラケット内に配置した構造を示す図である。
【符号の説明】
1 シャーシ、1a シャーシの縁、2 光ピックアップ、2a 対物レンズ、3 ターンテーブル、4 ガイド軸、6 雄ねじ部材、6a 雄ねじ部、6b鍔係合部、6c 圧入部(ボス)、6d つまみ部、10 光ピックアップ角度調整機構、15 雌ねじ部、15a ナット、15c 圧入孔、16 ピックアップ支持部、16a 光ピックアップ角度調整機構におけるアーム、18 ガイド軸貫通孔、19 ガイド軸固定ボルト、25 ターンテーブル角度調整機構、26 ラック、27 ピニオン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造に関し、より具体的には、ディスクに照射される光ビームの照射角度の調整にねじを用いることに起因するガタツキを防止したディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)やミニディスク(MD)等のディスクドライブ装置では、光ピックアップからのビームがディスク面に所定の角度(通常、90°)で当るように調整する、ビーム角度調整機構を有している。近年の高密度記録されたディスクでは、ディスクの径方向のビット間隔を狭く設定している。この高密度記録された信号を読み出すために、ビーム出射位置における対物レンズの開口数(NA)を大きくとり、ビーム径を小径化している。レーザビームの光軸がディスクの信号面に対してわずかでも傾いた場合、開口数の3乗とディスク厚みに比例してコマ収差が発生することが知られている。このコマ収差は、再生信号波形に歪みを与え、電圧変動や機構の不安定性その他の要因を発生させる。このため、シャーシ上にレーザビームの光軸の傾きを調整するビーム角度調整機構を設けている。このビーム角度調整機構は、製造メーカや機種によって様々な方式がある。たとえば、光ピックアップがガイド軸に沿ってディスクの径方向にスライドする方式において、たとえば以下のような方式が知られている。
(a1)1本のガイド軸を用い、ガイド軸に沿う方向(ディスク径方向)の傾きは、ターンテーブルの傾きを変えることによって調整し、ガイド軸に交差する方向(径方向に交差する方向)の傾きは、ガイド軸に回動自由かつ移動自由に係合する光ピックアップのガイド軸周りの角度位置によって調整する。
(a2)2本のガイド軸を設けて、その2本のガイド軸の両端において、すなわち4箇所において、ガイド軸端部の固定高さを変え、光ピックアップの角度を変えることによって光ビームのディスクへの照射角度を調整する。
【0003】
上記の他にも、多くの調整方式がある。これらのビーム角度調整機構は、ディスクドライブ装置の製造中に、製造現場において組み付けられ、適正なビーム角度に設定される。
【0004】
図8は、上記(a2)の方式におけるビーム角度調整機構を示す図である。図8によれば、光ピックアップ102は、上面にビーム出射口となる対物レンズ122を備え、上記の2本のガイド軸に移動を案内され、ターンテーブル103に載置されたディスク107の径方向に移動する。2本のガイド軸104の両端は、シャーシ101に止めビス150で固定されたブラケット109に挟まれ、シャーシの下側からボルト106によって支えられ、その傾きが調整されている。ガイド軸104は、ばね140によってシャーシ101に近づくように付勢力を受けており、この付勢力に抗してブラケット109の下方に配置されたボルト106が、ガイド軸104の保持高さを調整する。この保持高さは、4箇所で調整されるので、ディスクの径方向およびそれに交差する方向に沿う光ピックアップの傾きを調整することができる。この結果、光ピックアップから出射されるビームがディスク面に対して直交する状態を確保できるよう調節することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、ボルト106はシャーシ101に設けられた雌ねじ110に螺合され保持高さが調整される。これら雄ねじと雌ねじとのねじ部分の間には、ねじ嵌合用の隙間Sが必ず設けられる。このため、ビーム角度調整機構の組み付け時にボルトを工具でねじ込んで調整しても、工具からのトルクが無くなった直後、もしくは調整後、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライド中に、または床に落下したりしたときの衝撃により、雄ねじと雌ねじとの間にガタツキが生じる場合があった。ガタツキが生じると、図10に示すように、雄ねじ106が傾き、ガイド軸104の保持高さが変動することが生じる。このような保持高さの変動は直ちにレーザビームの角度変動を生じ、上記の電圧変動や不安定性を招来する。
【0006】
上記の問題を解決するため、図11に示すように、シャーシ101に固定されたブラケット109内にばね片108を設け、雄ねじ106に一定方向に付勢力Fを付加することにより、雄ねじと雌ねじとの間のガタツキを防止する提案がなされた。ばね片は雄ねじ部分に対向し、表面が滑らかな押し面を備え、その押し面は雄ねじ部分の複数の山にわたって接する長さに形成されている。このようなばね片を用いることによりねじのガタツキが防止され、調整作業の効果を持続することができるようになった。
【0007】
しかし、上記のようにばね片を用いると、当然、部品点数が増え、かつブラケット内にばね片を所定の姿勢で配置する工数の増加が生じる。このため、ばね片などの部品点数を増大させることなく調整用のねじのガタツキを防止する構造の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、部品点数を増大させることなく、調整用ねじのガタツキを防止したディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクドライブ装置は、シャーシに取り付けられ、ディスクを装着して回転させるターンテーブルと、シャーシに固定されたガイド軸と、ガイド軸に回動自由に取り付けられガイド軸に沿って移動する光ピックアップと、ディスク面に光ピックアップからの光ビームが所定角度で照射するように設けられたビーム角度調整機構とを備えたディスクドライブ装置である。このビーム角度調整機構は、ターンテーブルに取り付けられてガイド軸に沿う方向におけるディスクの傾きを調整するターンテーブル角度調整機構と、光ピックアップに取り付けられてその光ピックアップのガイド軸の周りの角度位置を調整することによりガイド軸に交差する面内での光ビームの角度を調整する光ピックアップ角度調整機構とからなる。この光ピックアップ角度調整機構は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、2枚の鍔によってシャーシの縁を挟むように係合してシャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、雄ねじ部分と、鍔係合部と雄ねじ部分との間に位置する円柱状の圧入部とが、一体化された部材である。また、雌ねじ部は、光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定されたナットと、ナットと同軸にピックアップ支持部に開けられ、圧入部が密着圧入される圧入孔とを備える。そして、雄ねじ部材の鍔係合部をシャーシの縁に係合させ、雄ねじ部分をナットに螺合させ、かつ圧入部が圧入孔に圧入されることにより、シャーシと雌ねじ部との間の距離を調整する。
【0010】
この構造によれば、円柱状の圧入部および圧入孔の成形精度を、ねじ部に比べて、はるかに高精度に容易にとることができる。このため、製造コストを大きく増大させずに円形圧入孔に円柱圧入部が密着するように圧入することができる。上記の密着した圧入により、ねじ部のガタツキを防ぐことができる。上記の雄ねじ部材は、一体化された抓み部を有していてもよい。
【0011】
この雄ねじ部材は雌ねじ部と螺合したまま、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライドするとき、共にスライドする。鍔係合部とシャーシとの係合は上記の調整の際にシャーシが基準高さ位置となるように係合するが、調整が済んだ後は、シャーシと鍔係合部とは滑らかに接触しているだけである。このため、雄ねじ部材は、上記光ピックアップのスライドの際に、その鍔係合部をシャーシ上に滑らせながら共にスライドする。
【0012】
本発明の別のディスクドライブ装置では、光ピックアップ角度調整機構の雄ねじ部材は、2枚の鍔によってシャーシの縁を挟むように係合してシャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、その断面が長円形の雄ねじ部分とが一体化された部材である。また、雌ねじ部は、光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定された断面が円形のナットからなり、その円形の径は雄ねじ部分の長円形の長径より小さい。そして、雄ねじ部材の鍔係合部をシャーシの縁に係合させ、雄ねじ部分を円形のナットに螺合させて、シャーシと雌ねじ部との間の距離を調整する。
【0013】
この構造によれば、ビーム角度調整の際、雌ねじの円形の径より大きい長径を有する雄ねじは、弾性的に雌ねじにねじ込まれる。このため、雌ねじ面と長径部の雄ねじ面とは、互いに強い面圧を相手に及ぼし合う。このため、多少の衝撃ではガタツキを生じない螺合構造を得ることができる。上記の雄ねじ部材は、通常は、そのねじ先端はテーパ無しであるが、テーパ付きでもよいし、また不完全ねじでもよい。
【0014】
また、上記の光ピックアップのケースにおいて、ナットとケースとを一体射出成形加工によって一体物として作製してもよい。
【0015】
この構成により、樹脂射出成形の光ピックアップの支持部にナット(雌ねじ)を埋め込む際の圧入のばらつきを防止し、雌ねじの位置精度を高めることができる。上記の一体物内のナットは樹脂射出成形の際に、金属製または樹脂製ナットを予め埋め込んでから射出成形するインサート成形でもよい。また、金属製ナットを後から樹脂に圧入してもよい。さらに、金型の段階で雌ねじの型を形成して、その中に樹脂を射出し、ねじ山に沿って螺合を外しながら型から上記ケースを外してもよい。
【0016】
本発明のビーム角度調整構造は、ターンテーブルおよび光ピックアップの少なくとも一方に配置され、光ピックアップから出射される光ビームをディスク面に所定角度で照射させるように調整するビーム角度調整構造である。このビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、円柱状の圧入部と、雄ねじ部分とを有する。また、雌ねじ部は、光ピックアップと一体化した雌ねじ部分と、圧入部が圧入される圧入孔とを有する。
【0017】
上記の構造により、ビーム角度調整構造に用いられるねじのガタツキを容易に防止することができる。基準位置係合部は、2枚の鍔に限らずシャーシと係合してシャーシを基準位置として雌ねじ部との間の距離を調節できれば、どのような形状の係合部でもよい。また、上記雄ねじ部材および雌ねじ部材は、光ピックアップおよびターンテーブルのどちらに設けられてもよい。
【0018】
本発明における別のビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなる。雄ねじ部材は、シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、断面が長円形の雄ねじ部分とを有する。雌ねじ部は、光ピックアップと一体化し、断面が長円形の長径より小さい径の円形の雌ねじ部分を有する。
【0019】
上記の構造によっても、部品点数を増やすことなくねじのガタツキを抑えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるディスクドライブ装置を示す平面図である。このディスクドライブ装置は、1本のガイド軸4が光ピックアップ2を支持するピックアップ支持部16に開けられた貫通孔を貫通している。ピックアップ支持部16は、光ピックアップと一体化して結合し光ピックアップの一部を構成する部材とみなすことができる。ピックアップ支持部16は、ガイド軸4の周りに回動自由に取り付けられ、ガイド軸4に沿ってスライドする。また、これは、光ピックアップ2が、ガイド軸4の周りに回動自由に取り付けられ、ガイド軸4に沿ってスライドする、と言い換えることができる。上記の光ピックアップのスライドは、ラック26とピニオン27とによって駆動される。図示していないディスクは、ターンテーブル3に載置される。レーザビームは光ピックアップの出射口である対物レンズ2aを通って、その対物レンズの上方に位置するディスクにビームを照射する。
【0022】
ビーム角度調整機構は、ターンテーブル3においてディスクの径方向の傾きを調整するターンテーブル角度調整機構25と、ディスクの径方向と交差する方向の傾きを調整する光ピックアップ角度調整機構10とから構成される。本発明のビーム角度調整構造は、スペースを少し余計にとるので、スペースの余裕がある光ピックアップに主に用いられるが、ターンテーブル角度調整機構に用いてもよい。
【0023】
光ピックアップ角度調整機構10は、シャーシ1の縁1aに係合する鍔係合部6bを有する雄ねじ部材6と、ピックアップ支持部16に設けられた雌ねじ部とから構成される。雄ねじ部材6は、シャーシの縁1aを基準高さ位置として、雌ねじ部と螺合する際、雄ねじ部材自身は高さ位置を変えず、雌ねじ部が高さ位置を変える。このため、ピックアップ支持部16は、雄ねじ部の高さ位置の変動に応じて高さ位置を変えガイド軸の周りに回転する。このピックアップ支持部は、ガイド軸4を支点とする長さ16aを有するアームとして機能する。
【0024】
図2は、本実施の形態におけるディスクドライブ装置の分解斜視図であり、光ピックアップの部分を選択的に拾い出している。ガイド軸4はボルト19などによって、シャーシに固定される。また、ピックアップ支持部に開けられた孔18の中を、ガイド軸4は貫通している。ピックアップ支持部19に設けられた雌ねじ部分(ナット)に螺合する雄ねじ部材6の鍔係合部6bは、シャーシの縁1aに係合して、雄ねじ部材6の高さ位置を一定に保つ。雄ねじ部材6は、雄ねじ部6aがピックアップ支持部に固定されたナットに螺合され、円柱状の圧入部6cが、雌ねじ部に設けられた圧入孔に密着するように圧入される。ねじ部分に比較して、円柱状の圧入部や圧入孔は、はるかに高い位置精度で工作することができる。
【0025】
図3は、光ピックアップ角度調整機構を示す図である。図3(a)は雌ねじ部15が設けられるピックアップ支持部16と、光ピックアップ2を示す図であり、図3(b)は雄ねじ部材6を示す図である。ピックアップ支持部16は光ピックアップ2を搭載したまま、ガイド軸の周りに回動することができる。雌ねじ部15には、金属製のナット15aが埋め込まれ、その下にナットの内径より径の大きい圧入孔15cが設けられている。ナット15aは樹脂製であってもよい。この雌ねじ部15は、光ピックアップ2およびピックアップ支持部16と一体的にガイド軸4の周りに回動する。
【0026】
雄ねじ部材6は、ナット15aと螺合するねじ部6aと、圧入孔15cに圧入される円柱状の圧入部6cと、2つの鍔の間にシャーシの縁1aを挟んで、シャーシの縁を基準高さ位置とする鍔係合部6bと、調整つまみ部6dとから構成されている。圧入孔15cの径はdoであり、また円柱状の圧入部6cの径も同じdoである。図4は、雄ねじ部材が雌ねじ部に螺合され、圧入孔に圧入部が圧入された状態を示す図である。雌ねじ部を構成する材料として金属製または樹脂製のナットを用いることができる。すなわち、射出成形の金型に予め金属製または樹脂製ナットを配置して、そこに樹脂を射出成形することができる。また、別部材として用いるナットの代わりに、樹脂の射出成形においてピックアップ支持部と一体化成形された雌ねじ部分を用いてもよい。すなわち、金型に雌ねじを構成するように、ねじを形成してもよい。製品取出しの際には、螺合を外すように回転させながら製品を型から取り出すことができる。上記の圧入部分において、遊びやガタツキが生じる余地は皆無である。このため、ねじ部に遊びやガタツキが生じても、圧入部分により遊びやガタツキの動きを排除することができる。
【0027】
図5は、上記の光ピックアップ角度調整機構10によってビーム角度が調整される機構を説明する図である。ピックアップ支持部16はガイド軸4の周りに回動自由である。シャーシの縁1aは、雄ねじ部材6の鍔係合部6bに挟まれることによって、雄ねじ部材を所定の高さに維持している。シャーシの縁は基準高さ位置を提供する。雄ねじ部材のつまみ部6dをつまんで回転させた場合、雄ねじ部材6は、シャーシとの係合のために移動することなく、ナット15aを上下に移動させる。すなわち、雌ねじ部15とシャーシ1との間の距離を変化させることができる。このため、ナット15aの高さを変えることによってピックアップ支持部16の角度位置を変える。このため、ピックアップ支持部16の傾きが変動し、レーザビームの角度が調整される。
【0028】
雄ねじ部材6は雌ねじ部と螺合したまま、光ピックアップがガイド軸に沿ってスライドするとき、共にスライドする。鍔係合部とシャーシとの係合は上記の調整の際にシャーシが基準高さ位置となるように係合するが、調整が済んだ後は、鍔係合部はシャーシに載って、滑らかに接触しているだけである。このため、雄ねじ部材は、上記光ピックアップのスライドの際に、その鍔係合部6bをシャーシの縁1a上に滑らせながら共にスライドする。
【0029】
上記したように、圧入部分において、遊びやガタツキが生じる余地は皆無である。このため、部品点数を増やすことなく、圧入部分という簡単な機構により遊びやガタツキの動きを排除することができる。
【0030】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部材の特徴を示す図である。図6において、円形の雄ねじの断面中央部を所定の幅で削除し、接合する形状をとる。この結果、図7(a)に示すように、削除された幅の分だけ短い短径と、元の円形の径を有する長径とを有する細長い断面の雄ねじ部6aが形成される。図面には表していないが、ピックアップ支持部に設けられる雌ねじ部のナットの内径は、上記の長径より短くし、とくに、上記の短径と同じ長さにすることができる。図7(b)は、上記のような考え方で形成された雄ねじ部材6を示す図である。この雄ねじ部材には、圧入部(ボス)を設けなくてもよい。雄ねじ部材に雄ねじ部6aがナットに螺合された場合、長径部では雌ねじと弾性変形をともなってねじ込まれる。このため、長径部の雄ねじ面と雌ねじ面とは、互いに強い面圧を相手に及ぼし合う。このため、多少の衝撃ではガタツキを生じない螺合構造を得ることが可能になる。
【0031】
上記のビーム角度調整構造によれば、部品点数を増やすことなく調整構造に組み込まれるねじ部のガタツキや遊びを除去することができる。
【0032】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0033】
【発明の効果】
本発明のディスクドライブ装置およびビーム角度調整構造を用いることにより、部品点数を増大させることなく、光ビームのディスクへの照射角度を所定の角度にするため、光ピックアップなどの部品の角度調整をガタツキなしに行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図2】図1のディスクドライブ装置において光ピックアップ関連部品を選んで表示した分解斜視図である。
【図3】(a)は、図1のディスクドライブ装置のピックアップ支持部に設けられた雌ねじ部を示す図であり、(b)は雄ねじ部材を示す図である。
【図4】図3(a)の雌ねじ部に図3(b)の雄ねじ部材をねじ込み圧入した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1において、ビーム角度を調整する原理を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部の特徴を示す図である。
【図7】(a)は本発明の実施の形態2のビーム角度調整構造における雄ねじ部の断面図であり、(b)は雄ねじ部材を示す図である。
【図8】従来のディスクドライブ装置を示す図である。
【図9】図8のディスクドライブ装置において、シャーシの雌ねじ部に螺合されたボルトを示す図である。
【図10】ボルトのガタツキを示す図である。
【図11】従来のディスクドライブ装置においてボルトのガタツキを無くすためにばね片をブラケット内に配置した構造を示す図である。
【符号の説明】
1 シャーシ、1a シャーシの縁、2 光ピックアップ、2a 対物レンズ、3 ターンテーブル、4 ガイド軸、6 雄ねじ部材、6a 雄ねじ部、6b鍔係合部、6c 圧入部(ボス)、6d つまみ部、10 光ピックアップ角度調整機構、15 雌ねじ部、15a ナット、15c 圧入孔、16 ピックアップ支持部、16a 光ピックアップ角度調整機構におけるアーム、18 ガイド軸貫通孔、19 ガイド軸固定ボルト、25 ターンテーブル角度調整機構、26 ラック、27 ピニオン。
Claims (5)
- シャーシに取り付けられ、ディスクを装着して回転させるターンテーブルと、前記シャーシに固定されたガイド軸と、前記ガイド軸に回動自由に取り付けられ前記ガイド軸に沿って移動する光ピックアップと、前記ディスク面に前記光ピックアップからの光ビームが所定角度で照射するように設けられたビーム角度調整機構とを備えたディスクドライブ装置であって、
前記ビーム角度調整機構は、前記ターンテーブルに取り付けられて前記ガイド軸に沿う方向における前記ディスクの傾きを調整するターンテーブル角度調整機構と、前記光ピックアップに取り付けられてその光ピックアップの前記ガイド軸の周りの角度位置を調整することにより前記ガイド軸に交差する面内での前記光ビームの角度を調整する光ピックアップ角度調整機構とからなり、
前記光ピックアップ角度調整機構は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなり、
前記雄ねじ部材は、2枚の鍔によって前記シャーシの縁を挟むように係合して前記シャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、雄ねじ部分と、前記鍔係合部と雄ねじ部分との間に位置する円柱状の圧入部とが、一体化された部材であり、
前記雌ねじ部は、前記光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定されたナットと、前記ナットと同軸に前記ピックアップ支持部に開けられ、前記圧入部が密着圧入される圧入孔とを備え、
前記雄ねじ部材の鍔係合部を前記シャーシの縁に係合させ、前記雄ねじ部分を前記ナットに螺合させ、かつ前記圧入部が前記圧入孔に圧入されることにより、前記シャーシと前記雌ねじ部との間の距離を調整する、ディスクドライブ装置。 - シャーシに取り付けられディスクを装着して回転させるターンテーブルと、前記シャーシに固定されたガイド軸と、前記ガイド軸に回動自由に取り付けられ前記ガイド軸に沿って移動する光ピックアップと、前記ディスク面に前記光ピックアップからの光ビームが所定角度で照射するように設けられたビーム角度調整機構とを備えたディスクドライブ装置であって、
前記ビーム角度調整機構は、前記ターンテーブルに取り付けられて前記ガイド軸に沿う方向における前記ディスクの角度を調整するターンテーブル角度調整機構と、前記光ピックアップに取り付けられてその光ピックアップの前記ガイド軸の周りの角度位置を調整することにより前記ガイド軸に交差する面内での前記光ビームの角度を調整する光ピックアップ角度調整機構とからなり、
前記光ピックアップ角度調整機構は、雄ねじ部材と雌ねじ部材とからなり、
前記雄ねじ部材は、2枚の鍔によって前記シャーシの縁を挟むように係合して前記シャーシを基準高さ位置とする鍔係合部と、その断面が長円形の雄ねじ部分とが一体化された部材であり、
前記雌ねじ部は、前記光ピックアップの一部を構成するピックアップ支持部に固定された断面が円形のナットからなり、その円形の径は前記雄ねじ部分の長円形の長径より小さく、
前記雄ねじ部材の鍔係合部を前記シャーシの縁に係合させ、前記雄ねじ部分を前記円形のナットに螺合させて、前記シャーシと前記雌ねじ部との間の距離を調整する、ディスクドライブ装置。 - 前記ピックアップ支持部において、前記ナットと前記ピックアップ支持部とが一体射出成形加工によって一体物として作製されている、請求項1または2に記載のディスクドライブ装置。
- シャーシに取り付けられ、ディスクを装着して回転させるターンテーブルと、前記シャーシに固定されたガイド軸と、前記ガイド軸と回動自由に係合して前記ガイド軸に沿って移動する光ピックアップとを備えたディスクドライブ装置において、前記ターンテーブルおよび光ピックアップの少なくとも一方に配置され、前記光ピックアップから出射される光ビームを前記ディスク面に所定角度で照射させるように調整するビーム角度調整構造であって、
そのビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなり、
前記雄ねじ部材は、前記シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、円柱状の圧入部と、雄ねじ部分とを有し、
前記雌ねじ部は、前記光ピックアップと一体化した雌ねじ部分と、前記圧入部が圧入される圧入孔とを有する、ビーム角度調整構造。 - シャーシに取り付けられ、ディスクを装着して回転させるターンテーブルと、前記シャーシに固定されたガイド軸と、前記ガイド軸と回動自由に係合して前記ガイド軸に沿って移動する光ピックアップとを備えたディスクドライブ装置において、前記ターンテーブルおよび光ピックアップの少なくとも一方に配置され、前記光ピックアップから出射される光ビームを前記ディスク面に所定角度で照射させるように調整するビーム角度調整構造であって、
そのビーム角度調整構造は、雄ねじ部材と雌ねじ部とからなり、
前記雄ねじ部材は、前記シャーシを基準高さ位置としてそのシャーシに係合する基準位置係合部と、断面が長円形の雄ねじ部分とを有し、
前記雌ねじ部は、前記光ピックアップと一体化し、断面が前記長円形の長径より小さい径の円形の雌ねじ部分を有する、ビーム角度調整構造。
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