JP3602176B2 - 塵芥収集車の積込制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、上下に昇降する上下動パネルの下端に、回動自在な積込パネルを設けたプレス式又はセンターレス式の塵芥収集車の積込制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
塵芥収集車はシャーシフレーム上に収集箱と積込装置を内装したテールゲートとを搭載しており、テールゲートの後端開口部から投入した塵芥を収集箱内に収容しながら市街地等を走行している。
【0003】
塵芥収集車の積込装置としては、テールゲートの側面の案内溝に沿って上下に摺動する上下動パネルの下端に揺動する積込パネルを取付け、上下動パネルと積込パネルとを連動させて収集箱内に塵芥を積み込むプレス式又はセンターレス式の積込装置が知られている。
【0004】
図6には、このプレス式又はセンターレス式の積込装置を備えた塵芥収集車の後部が示されている。収集箱1の後部には、テールゲート2が枢着され、これに積込装置が内蔵されている。この積込装置は、テールゲート2内を上下に摺動する上下動パネル3と、この上下動パネル3の下端に枢着された積込パネル4とからなり、上下動パネル3は油圧式の上下動用油圧シリンダ5により上下動駆動され、積込パネル4は揺動用油圧シリンダ6により揺動駆動されるようになっている。
【0005】
図6乃至図9には、積込装置による一般的な積込工程(積込サイクル)が示されている。図6は積込パネル4の反転工程、図7は上下動パネル3の下降工程、図8は積込パネル4のかき込み工程、図9は上下動パネル3の上昇行程を示し、これら工程はシーケンシャルに電気的に制御され、各工程を順次経てテールゲート2内へ投入された塵芥が収集箱1内へ収集されるようになっている。
【0006】
このような従来の積込装置では、図7から図9に至る圧縮行程において、固い塵芥をかき込んだ際、積込パネル4の作動が停止されて、円滑な積込作業が阻害されるといったことがある。
【0007】
従来、固い塵芥を積み込む際、上下動パネル3の上昇時、積込パネル4が固い塵芥を噛み込み、上下動パネル3の上昇が停止した場合には、手動の「停止ボタン」が押されて、1サイクルの積込作動が中断され、次いで、手動の「反転ボタン」が押されると、積込パネルが反転されて、噛み込みが解除され、手動操作により塵芥が積み込まれる。その後、手動の「起動ボタン」が押されると、上下動パネル3が上昇されて、図10に示すように、スタート位置で停止される。次回の積込サイクルが始められるときには、「起動ボタン」が押される。このような制御回路を、以下、「継続回路」という。
【0008】
このように、固い塵芥を噛み込んだ場合に、手動により「反転ボタン」を操作して噛み込みを解除することは煩雑であるため、このような問題を解決した制御回路として、実開平6−56015号公報には、「反転優先回路」が開示されている。この「反転優先回路」では、固い塵芥を積み込む際、上下動パネル3の上昇時、積込パネル4が固い塵芥を噛み込み、上下動パネル3の上昇が停止した場合には、上記のような「反転ボタン」が設けられておらず、手動の「起動ボタン」が押されれば、積込パネル4は、図11に矢印で示すように、即時に反転されて噛み込みが解除され、その後、上下動パネルの下降→積込パネルのかき込み→上下動パネルの上昇の1サイクルの積込動作が行われるように構成されている。これにより、手動により固い塵芥の噛み込みを解除する必要がなく、作業者の負担が軽減されている。なお、当該公報には、固い塵芥が投入された場合に、かき込み動作の途中に積込パネルを上昇パネルと共に上昇させる回路と、柔らかい塵芥の場合には、積込パネルと上下動パネルとを同時に作動させない回路とを切り換えるスイッチが積込用の操作盤に設けられている制御回路も開示されている。これにより、積込パネルと上下動パネルとを同時に作動させない回路による作動時間を省き全体的な積込作業時間の短縮化が図られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
塵芥収集車は、多くのゴミ集積ステーションを巡回して収集している。また、その日のうちに収集するゴミの種類やゴミ集積ステーションの場所は決まっており、車両の管理者より作業者が指示される。作業者は作業時間を短縮するためにゴミ集積ステーション間をできるだけ早く移動する必要があることから、上下動パネルが上昇動作中(図9)に作動を停止されることが頻繁にある。
【0010】
さらに、このような塵芥収集車により収集される塵芥には、上記のような粗大ゴミ等の固い塵芥以外に、水分を多く含んだ厨雑芥等の柔らかい塵芥がある。上述した「反転優先回路」の場合、固い塵芥を収集するには都合よく構成されているが、その反面、柔らかい塵芥を収集する場合には、この柔らかい塵芥の飛散等の問題がある。即ち、上下動パネル3がその上昇途中(図9)に作動を停止した状態にて塵芥車が次の塵芥集積ステーションへ移動した場合には、「起動ボタン」が押されると、図11に矢印で示すように、積込パネル4の反転動作から始動されるため、ホッパーに残っている水分の多い厨雑芥が積込パネル4の反転動作により、ホッパーの外に飛散され、作業者にかかったり、道路を汚したりするといった問題がある。
【0011】
一方、上下動パネル3がその上昇途中(図9)に作動を停止した状態にて「起動ボタン」の押し込みにより始動される場合に、上昇パネル3の上昇動作から始動される「継続回路」では、積込パネル4の反転動作から始動されないため、上記のような塵芥の飛散といった問題が生起される虞れは少ない。反面、この「継続回路」では、上記のように、固い塵芥の噛み込み時の解除が煩雑であるといった問題がある。
【0012】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、上述した継続回路と反転優先回路とを切換える切換スイッチを設け、これにより、塵芥の種類に応じた適切な制御回路で良好に収集を行えるようにした塵芥収集車の積込制御装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1に係る塵芥収集車の積込制御装置は、
上下動パネルを上下に昇降させる上下動用油圧シリンダと、積込パネルを前後に揺動させる揺動用油圧シリンダとを油圧回路及び電気回路により駆動制御して、積込パネルの反転、上下動パネルの下降、積込パネルのかき込み、及び上下動パネルの上昇の1サイクルの積込作業を行わせる塵芥収集車の積込制御装置において、
上記上下動パネルの上昇途中にその上昇が停止し、上記1サイクルの積込作業を開始させる起動ボタンが操作された場合に、上記積込パネルを反転させた後に次の積込作業を開始させる反転優先回路と、
上記上下動パネルの上昇途中に停止ボタンが操作されてその上昇が停止し、その後に上記起動ボタンが操作された場合には、上記積込パネルを反転させることなく上記上下動パネルを引き続き上昇させる継続回路と、
上記反転優先回路と上記継続回路とを切り換えるための切換スイッチと、
を備えることを特徴としている。
【0014】
また、請求項2に係る積込制御装置は、
上記切換スイッチは、収集箱前部に配設されたコントロールボックス内に取付けられていることを特徴としている。
【0015】
【作用】
請求項1によれば、反転優先回路と継続回路とを切り換えるための切換スイッチが設けられている。そのため、例えば、塵芥が固いものからなり、噛み込みの虞れがある場合には、切換スイッチにより反転優先回路に切り換えられていると、上下動パネルの上昇途中に、たとえ固い塵芥が積込パネルにより噛み込まれた場合であっても、起動ボタンの作動により即座に積込パネルが反転されるため、噛み込みが解除され、良好な積込作業を行うことができる。
【0016】
一方、塵芥が水分を多く含んだ柔らかい塵芥である場合には、切換スイッチにより継続回路に切り換えられていると、上下動パネルの上昇途中に、次の集積ステーションへの移動のために上下動パネルの動作が停止された場合、起動ボタンの作動により積込パネルが反転されることなく即座に上昇されるため、柔らかい塵芥の飛散といった事態を未然に回避することができる。
【0017】
以上のように、塵芥の種類に応じた適切な制御回路で良好に収集を行うことができる。
【0018】
また、請求項2によれば、切換スイッチは、通常人の手に触れにくい収集箱前部に配設されたコントロールボックス内に取付けられている。そのため、運転室の操作盤内に設けられている場合には、切換スイッチの誤操作の虞れがあるが、不用意な誤操作を確実に防止できる。特に、継続回路のつもりで反転優先回路に切換えられている場合には、柔らかい塵芥が予期せずに飛散することになり非常に危険であるが、このような事態を未然に防ぐことができる。また、切換スイッチまでの配線も最も短く簡単である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例に係る塵芥収集車の積込制御装置を図面を参照しつつ説明する。なお、従来に係る部材と同じ部材については、同じ符号を用いる。
【0020】
図1は本発明の一実施例に係る塵芥収集車の全体斜視図、及び制御装置の配置図であり、図2は図1に示す塵芥収集車の後部を示す側面図であり、図3は本発明の一実施例に係る塵芥収集車の積込制御装置の油圧回路図であり、図4は同積込制御装置の電気回路図であり、図5は、図1に示すコントロールボックスの部分切欠正面図である。
【0021】
図2に示すように、1は収集箱を示しており、この収集箱1の後部にはテールゲート2が枢着されている。このテールゲート2には上下動自在な上下動パネル3と、この上下動パネル3の下端に枢着された積込パネル4とからなる塵芥積込装置が内蔵されている。上下動パネル3は上下動用油圧シリンダ5で上下駆動され、積込パネル4は揺動用油圧シリンダ6で揺動駆動されてるようになっている。
【0022】
また、リミットスイッチ10(図4では、SW3−aに対応)は上下動パネル3の上限位置を検出し、リミットスイッチ11(図4では、SW3−bに対応)は上下動パネル4の下限位置を検出し、リミットスイッチ12(図4では、SW3−dに対応)は積込パネル4の反転位置を検出し、リミットスイッチ13(図4では、SW3−cに対応)は積込パネル4のかき込み完了位置を検出するように構成されている。
【0023】
図1に示すように、運転室内には、積込操作盤30が配設されており、収集箱1の前部には、後述する切換スイッチSW−6が内蔵されたコントロールボックス20が配設されており、さらに、この前部には、図3の油圧回路で説明する5連マルチバルブ31が配設され、ロータリソレノイド32及び排出板スイッチ33が配設されている。なお、テールゲート2において、符号34はT/G降下確認スイッチであり、符号35は反転・かき込みスイッチである。
【0024】
図3に示すように、上下動用油圧シリンダ5及び揺動用油圧シリンダ6はそれぞれ切換弁V1,V2を介して油圧ポンプPに接続されている。揺動用油圧シリンダ6のベース側室6aと切換弁V2とを接続する管路15の途中には、アンロード弁18が接続されている。なお、17はメインリリーフ弁である。
【0025】
図4に示すように、電源Eに連なるメインの選択スイッチSW−1は、排出と積込とを切り換えるようになっている。積込側の図4の左側の母線には、停止ボタンSW−5を介して、積込用の起動ボタンSW−2に接続され、ここから、各々並列に、後述するリレーCR−7の接点CR−7a及びリレーCR−8の接点CR−8aを介して、各々キープリレーKR−1のセット側及びリセット側に接続されている。このキープリレーKR−1は、一度励磁されると、反対側(即ち、リセット側)に通電されない限り、コイルが励磁されていなくても、セット側の接点Sを保持するものであり、セット側及びリセット側が同時に励磁されたときには、セット側が優先される。なお、起動ボタンSW−2、リレーCR−8の接点CR−8a、及ぶキープリレーKR−1のリセット側が接続されているのは、積込パネル5が下限の位置で停止したとき、リセット側にしてかき込み動作をさせたのち上昇させるためである。また、停止ボタンSW−5から、リレーCR−1の接点CR−1aを介して、さらに、キープリレーKR−1のセット側の接点及びリレーCR−7の接点CR−7bを介して、リレーCR−1に接続されている。リレーCR−1は、本実施例に係る積込制御装置の電気回路の自己保持を形成するためのリレーであり、積込作業中は上下動パネル3が上限位置にあって接点CR−7bが開いているときには、接点Sが閉じられており、上下動パネル3が上限位置にないときには、接点CR−7bが閉じており、常時リレーCR−1が励磁されてその接点CR−1aが積込作業中は常時閉じられている。これにより、リレーCR−1は自己保持回路を形成している。
【0026】
本実施例では、リレーCR−7の接点CR−7aに並列に、継続回路と反転優先回路とを切り換える切換スイッチSW−6が接続されている。これにより、後述するように、塵芥の種類に応じて適切に制御回路を切換えることができる。
【0027】
上記選択スイッチSW−1の図4の右側の母線には、各々並列に、上下動パネル3の上限位置を検出するリミットスイッチSW3−a(図2では、符号10に対応)に、リレーCR−7が接続され、上下動パネル3の下限位置を検出するリミットスイッチSW3−b(図2では、符号11に対応)に、リレーCR−8が接続され、積込パネル4のかき込み完了位置を検出するリミットスイッチSW3−c(図2では、符号13に対応)に、リレーCR−9が接続され、積込パネル4の反転位置を検出するリミットスイッチSW4−d(図2では、符号12に対応)に、リレーCR−10が接続されている。
【0028】
さらに、上記選択スイッチSW−1の図4の右側の母線には、リレーCR−1の接点CR−1aを介して、キープリレーKR−1のリセット側の接点Rとセット側の接点Sとが並列に接続されている。接点Rには、リレーCR−9の接点CR−9bを介して、揺動用油圧シリンダ6にかき込み動作をさせるためのソレノドSO−cが接続されており、これらに並列に、接点Rには、リレーCR−9の接点CR−9aを介して、上下動用油圧シリンダ5に上昇動作をさせるためのソレノイドSOL−bが接続されている。接点Sには、リレーCR−10の接点CR−10aを介して、上下動用油圧シリンダ5に下降動作をさせるためのソレノイドSOL−aが接続されており、これらに並列に、接点Sには、リレーCR−10の接点CR−10aを介して、ソレノイドSOL−dが接続されている。
【0029】
上述した切換スイッチSW−6(図5では、符号22に対応)は、図5に示すように、収集箱1の前部に配設されたコントロールボックス20の下方に内蔵されている。なお、図5において、符号21は、リレー基板である。このように、切換スイッチ22(SW−6)は、通常人の手に触れにくい収集箱1の前部に配設されたコントロールボックス20内に取付けられているため、運転室の操作盤内に設けられている場合には、切換スイッチ22(SW−6)の誤操作の虞れがあるが、不用意な誤操作を確実に防止できる。特に、継続回路のつもりで反転優先回路に切換えられている場合には、柔らかい塵芥が予期せずに飛散することになり非常に危険であるが、このような事態を未然に防ぐことができる。また、切換スイッチ22(SW−6)までの配線も最も短く簡単である。
【0030】
次に、図4を参照しつつ、積込制御装置の作用を説明する。
【0031】
通常の積込サイクルでは、当初、図10に示すような状態、即ち、上下動パネル3は上昇位置にあり、積込パネル4はかき込み完了位置にある状態で停止されている。また、メイン電源スイッチSW1は「積込」側に切換えられると、上下動パネルの上限位置を検知するスイッチSW3−aがONにされ、リレーCR−7が励磁されて接点CR−7aが導通される。
【0032】
ここで、積込起動ボタンSW2が押されると、キープリレーKR−1のセット側が励磁され、接点Sが導通される。キープリレーKR−1は、一度励磁されると、反対側(即ち、リセット側)に通電されない限り、セット側の接点Sを保持する働きをする。そのため、この接点Sが導通されると、ソレノイドSOL−dが励磁され、図3の油圧回路において、揺動用油圧シリンダ6が収縮して、積込パネル4は図6に示す反転位置に回動される。積込パネル4が反転完了位置になると、積込パネルの反転完了位置を検知するスイッチSW3−dがONされ、リレーCR−10が励磁されて、接点CR−10bが開かれ、ソレノイドSOL−dが励磁されなくなり、その結果、図3の油圧回路において、バルブV2 は中立位置に切換えられ、揺動用油圧シリンダ4は停止される。
【0033】
上述したリレーCR−10の励磁により、同時に、接点CR−10aが閉じられて、ソレノイドSOL−aが励磁されて、上下動用油圧シリンダ5が収縮され、図7に示すように、上下動パネル3が下降される。上下動パネル3が下限位置に到達すると、上下動パネルの下限位置を検知するスイッチSW3−bがONされ、リレーCR−8が励磁されて接点CR−8aが導通され、キープリレーKR−1のリセット側が励磁され、接点Sが遮断され、接点Rが導通される。これにより、ソレノイドSOL−aは励磁されなくなり、上下動用油圧シリンダ3が停止され、ソレノイドSOL−cが励磁されて、揺動用油圧シリンダ4が伸張され、図8に示すように、積込パネル6がかき込み動作を開始する。
【0034】
積込パネル6がかき込み完了位置に到達すると、かき込み完了位置を検知するスイッチSW3−cがONされて、リレーCR−9が励磁され、その接点CR−9bが遮断され、ソレノイドSOL−cは励磁されなくなる。その結果、揺動用油圧シリンダ4は停止され、接点CR−9aがONされ、ソレノイドSOLーbが励磁されて、上下動用油圧シリンダ3が伸張され、図9に示すように、上下動パネル5及び積込パネル6が上昇される。
【0035】
上下動パネル3が上限位置に到達すると、上限位置を検知するスイッチSW3−aがONされて、リレーCR−7が励磁され、その接点CR−7bが開かれ、リレーCR−1への通電が遮断され、その接点CR−1aが開かれ、これにより、積込動作が終了する。
【0036】
次に、「反転優先回路」に設定されている場合には、切換スイッチSW−6が「反転」側に切換えられている。これにより、上昇行程の途中に、固い粗大ゴミを噛み込んだ場合には、リミットスイッチSW3−a〜dに連動したリレーCR−7〜10の接点の開閉に無関係に、「起動ボタン」SW−2が押される。これにより、キープリレーKR−1のセット側が励磁されてその接点Sが閉じられる。その結果、ソレノイドSOL−dが付勢されて、積込パネル4が反転される。その後、次回の積込動作が開始される。これにより、上下動パネル3の上昇途中に、たとえ固い塵芥が積込パネル4により噛み込まれた場合であっても、起動ボタンSW−2の作動により即座に積込パネル4が反転されるため、噛み込みが解除され、良好な積込作業を行うことができる。
【0037】
一方、「継続回路」に設定されている場合には、切換スイッチSW−6が「継続」側に切換えられている。そのため、上下動パネル3の上昇途中に、次の集積ステーションへの移動のために上下動パネル3の動作が停止ボタンSW−5が押されて停止された場合、次のステーションで起動ボタンSW−2が押されると、リミットスイッチSW3−a,SW3−dがともに遮断されているため、キープリレーKR−1のセット側が励磁されず、リセット側の接点Rが保持されている。そのため、ソレノイドSOL−dは付勢されず、積込パネル4は反転されない。その結果、ソレノイドSROL−bが付勢されて、上下動パネル3が引き続き上昇される。従って、塵芥が水分を多く含んだ柔らかい塵芥である場合に、上下動パネル3の上昇途中に、次の集積ステーションへの移動のために上下動パネル3の動作が停止された場合であっても、起動ボタンSW−2の作動により積込パネル4が反転されることなく即座に上昇されるため、柔らかい塵芥の飛散といった事態を未然に回避することができる。
【0038】
一般に、塵芥収集車では、その日その日に収集する塵芥は決まっているため、車両管理者がそのに収集する塵芥の種類に応じて一日の始めに適宜制御回路を選択しておけば、塵芥の種類に応じた適切な制御回路で良好に収集を行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されないのは勿論であり、種々変形可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1によれば、塵芥が固いものからなり、噛み込みの虞れがある場合には、切換スイッチにより反転優先回路に切り換えられていると、上下動パネルの上昇途中に、たとえ固い塵芥が積込パネルにより噛み込まれた場合であっても、起動ボタンの作動により即座に積込パネルが反転されるため、噛み込みが解除され、良好な積込作業を行うことができる。
【0041】
一方、塵芥が水分を多く含んだ柔らかい塵芥である場合、上下動パネルの上昇途中に、次の集積ステーションへの移動のために上下動パネルの動作が停止された場合であっても、起動ボタンの作動により積込パネルが反転されることなく即座に上昇されるため、柔らかい塵芥の飛散といった事態を未然に回避することができる。
【0042】
以上のように、塵芥の種類に応じた適切な制御回路で良好に収集を行うことができる。
【0043】
また、請求項2によれば、切換スイッチは、通常人の手に触れにくい収集箱前部に配設されたコントロールボックス内に取付けられている。そのため、運転室の操作盤内に設けられている場合には、切換スイッチの誤操作の虞れがあるが、不用意な誤操作を確実に防止できる。特に、継続回路のつもりで反転優先回路に切換えられている場合には、柔らかい塵芥が予期せずに飛散することになり非常に危険であるが、このような事態を未然に防ぐことができる。また、切換スイッチまでの配線も最も短く簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る塵芥収集車の全体斜視図、及び制御装置の配置図。
【図2】図1に示す塵芥収集車の後部を示す側面図。
【図3】本発明の一実施例に係る塵芥収集車の積込制御装置の油圧回路図。
【図4】同積込制御装置の電気回路図。
【図5】図1に示すコントロールボックスの部分切欠正面図。
【図6】反転行程の説明のための塵芥収集車の後部の模式的断面図。
【図7】下降行程の説明のためのテールゲートの模式的断面図。
【図8】かき込み行程の説明のためのテールゲートの模式的断面図。
【図9】上昇行程の説明のためのテールゲートの模式的断面図。
【図10】積込作業の初期位置を示すテールゲートの模式的断面図。
【図11】上昇行程の途中に停止した後の反転行程の説明のためのテールゲートの模式的断面図。
【符号の説明】
1 収集箱
3 上下動パネル
4 積込パネル
5 上下動用油圧シリンダ
6 揺動用油圧シリンダ
SW−6 切換スイッチ
20 コントロールボックス
Claims (2)
- 上下動パネルを上下に昇降させる上下動用油圧シリンダと、積込パネルを前後に揺動させる揺動用油圧シリンダとを油圧回路及び電気回路により駆動制御して、積込パネルの反転、上下動パネルの下降、積込パネルのかき込み、及び上下動パネルの上昇の1サイクルの積込作業を行わせる塵芥収集車の積込制御装置において、
上記上下動パネルの上昇途中にその上昇が停止し、上記1サイクルの積込作業を開始させる起動ボタンが操作された場合に、上記積込パネルを反転させた後に次の積込作業を開始させる反転優先回路と、
上記上下動パネルの上昇途中に停止ボタンが操作されてその上昇が停止し、その後に上記起動ボタンが操作された場合には、上記積込パネルを反転させることなく上記上下動パネルを引き続き上昇させる継続回路と、
上記反転優先回路と上記継続回路とを切り換えるための切換スイッチと、
備えることを特徴とする塵芥収集車の積込制御装置。 - 上記切換スイッチは、収集箱前部に配設されたコントロールボックス内に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車の積込制御装置。
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JP32317094A JP3602176B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 塵芥収集車の積込制御装置 |
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JP32317094A JP3602176B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 塵芥収集車の積込制御装置 |
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JPH08175605A JPH08175605A (ja) | 1996-07-09 |
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1994
- 1994-12-26 JP JP32317094A patent/JP3602176B2/ja not_active Expired - Lifetime
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