JP3598619B2 - エチレン系共重合体組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン系共重合体組成物に関わり、さらに詳しくは、機械的特性、耐寒性、混練・加工性等のバランスに優れた新規なエチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体は耐候性、耐熱性、耐寒性、耐オゾン性等に優れており、建築材料、自動車用部品、電線被覆材料などに広く用いられているが、該共重合体本来の特徴を損なわずに、その組成物にさらに高強度、高硬度等の機械的特性を付与することはこれまで困難であった。
例えば、エチレン含有量の多いエチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体を使用し、かつ多量の加硫剤と多量の補強剤を用い、少量の軟化剤や可塑剤を配合することによって、高硬度の加硫ゴムを得る方法が知られている。しかし、かかる方法では、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が非常に大きくなるため、バンバリーミキサーによる混練やロールによる加工が困難となり、また押出成形時および射出成形時の流動性も低下するという問題がある。
また、エチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体にポリスチレン系樹脂をブレンドして硬度を上げる方法も提案されているが、この場合は加硫ゴムの強度が低下するという問題がある。
しかも上記何れの方法の場合も、エチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体本来の耐寒性、耐熱性等の特性が損なわれるという問題がある。
さらに、エチレン65〜85重量%、α−オレフン1〜25重量%および非共役ジエン10〜18重量%からなるエチレン−α−オレフン−非共役ジエン共重合ゴムにイオウを配合したゴム組成物(特開平4−31450号公報参照)や、エチレン、炭素数3〜10のα−オレフンおよび非共役ジエンの各含有率、極限粘度、分子量分布(Mw/Mn)、結晶化度、α−オレフン・エチレン連鎖のモル分率に関連するB値、沸騰酢酸メチル可溶部量をそれぞれ特定し、13C−NMRスペクトル中に隣接した2個の3級炭素原子間のメチレン連鎖に基づくαβおよびβγシグナルが観測されない低結晶性エチレン系ランダム共重合体(特公平5−80493号公報参照)が提案されている。
しかしながら、これらの共重合ゴムや共重合体から得られる加硫ゴムについては、モジュラス、引張強度、破断伸び、硬度等の機械的特性は検討されているが、これらの機械的特性に加え、耐寒性等のエチレン/αオレフィン/非共役ジエン共重合体本来の特性を総合した面での検討がなされておらず、前記各公報記載の方法では、機械的特性と耐寒性との両面で優れたエチレン/αオレフィン/非共役ジエン系共重合体組成物を得るという技術課題は、依然解決されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術における前記事情を鑑みてなされたもので、その課題は、強度、硬度等の機械的特性と耐寒性との両面で優れ、さらに混練・加工性をも加味した特性バランスに優れた新規なエチレン系共重合体組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のエチレン系共重合体組成物が優れた特性バランスを具備することを見い出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、
下記成分(A)、(B)、(C)および(D)を含有することを特徴とするエチレン系共重合体組成物、
(A)下記成分(E)と成分(F)とからなる触媒、もしくは下記成分(G)と成分(H)とからなる触媒を用いられる重合により得られる、エチレン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンの群から選ばれるα−オレフィンと、非共役ジエンからなり、エチレン含有量が70〜95モル%の範囲にあり、非共役ジエン含有量がヨウ素価で0.5〜50の範囲にあり、GPCによって測定したポリスチレン換算重量平均分子量が5万〜50万の範囲にあるエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体、
(B)充填剤、
(C)可塑剤、
(D)加硫剤および/または架橋剤、
を要旨とする。
成分(E):下記一般式[1]で表される遷移金属化合物。
'' s (C 5 m ) p (R’ n E) q MQ 4-p-q ... [1]
式中、Mは周期律表第4族金属であり、(C 5 m ) はシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であり、各Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であるか、あるいは2つの隣接する炭素原子が結合して4〜8員の炭素環を作っており、Eは非結合電子対を有する原子であり、R’は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、R '' は炭素数1〜20のアルキレン基、ジアルキルけい素またはジアルキルゲルマニウムであって、2つの配位子を結合する基であり、sは1または0であり、sが1のとき、mは4、nはEの原子価より2少ない数であり、sが0のとき、mは5、nはEの原子価より1少ない数であり、n≧2のとき
各R’は同一でも異なっていてもよく、また各R’は結合して環を作っていてもよく、Qは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、pおよびqは0〜4の整数であり、かつ0<p+q≦4の関係を満たす。
成分(F):下記一般式 [ 2 ] で表されるユニットを有するアルミノキサン化合物。
−〔Al(R)−O〕− ... 2 ]
式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基である。
成分(G):下記一般式 [ 3 ] で表される遷移金属アルキル化合物。
'' s (C 5 m p (R ' n E) q MR ''' 4-p-q ... [ 3 ]
式中、Mは周期律表第4族金属であり、(C 5 m )はシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であり、各Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であるか、あるいは2つの隣接する炭素原子が結合して4〜8員の炭素環を作っており、Eは非結合電子対を有する原子であり、R ' は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、R '' は炭素数1〜20のアルキレン基、ジアルキルけい素またはジアルキルゲルマニウムであって、2つの配位子を結合する基であり、sは1または0であり、sが1のとき、mは4、nはEの原子価より2少ない数であり、sが0のとき、mは5、nはEの原子価より1少ない数であり、n≧2のとき
各R ' は同一でも異なっていても良く、また各R ' は結合して環を作っていても良く、
''' は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、pおよびqは0〜3の整数であり、かつ0<p+q≦4の関係を満たす。
成分(H):下記一般式 [ 4 ]で表されるイオン性化合物。
([L] k+ ) p ([M’A 1 2 ... n - q ... [ 4 ]
式中、[L] k+ はブレンステッド酸またはルイス酸であり、M’は周期律表第13〜15族元素であり、A 1 〜A n はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアルカリール基、炭素数7〜40のアラルキル基、炭素数1〜40のハロゲン置換炭化水素基、炭素数2〜20のアシルオキシ基または有機メタロイド基であり、kはLのイオン価で1〜3の整数であり、pは1以上の整数であり、q=(k×p)である。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の(A)成分であるエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体(以下、「特定エチレン系共重合体」という。)におけるエチレン含有量は、70〜95モル%の範囲、好ましくは80〜95モル%の範囲にある。この場合、エチレン含有量が70モル%未満では機械的強度が充分に発現されず、逆に95モル%を超えるとゴム弾性が損なわれる。
特定エチレン系共重合体におけるα−オレフィンは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、特定エチレン系共重合体における非共役ジエンとしては、例えば5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン等のノルボルネン系非共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の脂肪族非共役ジエン等が挙げられる。これら非共役ジエンは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
特定エチレン系共重合体中の非共役ジエン含有量は、ヨウ素価で0.5〜50の範囲、好ましくは5〜40の範囲にある。この場合、非共役ジエン含有量がヨウ素価で0.5未満では加硫ゴムとしたときの機械的強度が劣り、逆に50を超えるとゴム弾性が損なわれる。
特定エチレン系共重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量((以下、「Mw」という。)は、5万〜50万の範囲、好ましくは15万〜45万の範囲にある。この場合、Mwが5万未満では機械的強度が充分には発現できず、逆に50万を超えると加工性が損なわれる場合がある。
なお、特定エチレン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)(但し、MnはGPCにより測定したポリスチレン換算数平均分子量である。)には特に制限がないが、1.5〜10.0の範囲にあることが好ましく、とくに好ましくは1.5〜3.5の範囲である。この場合、分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満の共重合体は製造が困難であり、逆に10.0を超えると機械的強度、加工性等が低下する傾向がある。
【0006】
特定エチレン系共重合体は、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法等の適宜の方法により製造することができる。これらの重合操作は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。
前記溶液重合法あるいはスラリー重合法においては、反応媒体として、通常、不活性炭化水素が使用される。
このような不活性炭化水素溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、原料モノマーも炭化水素溶媒として利用することができる。
【0008】
成分(E)の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(第3級ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(3−第3級ブチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(第3級ブチルアミド)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(第3級ブチルアミド)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(フェノキシ)(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(oーフェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(o−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(o−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルアミド)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジエチルアミド)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジ第3級ブチルアミド)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(メチルアミド)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス(第3級ブチルアミド)ジルコニウムジクロリド等や、これらの化合物におけるジルコニウムを、チタニウムあるいはハフニウムに置換した化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記遷移金属化合物は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
【0009】
成分(F)は、記一般式[ 2 ] で表されるユニットを有するアルミノキサン化合物であり、その化学構造は未だ必ずしも明確ではないが、線状、環状またはクラスター状の化合物、あるいはこれらの化合物の混合物であると推定されている。
一般式 [ 2 ] 中、Rは、好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、特に好ましくはメチル基である。
前記アルミノキサン化合物は、前記R基を少なくとも1個有する有機アルミニウム化合物と水との反応を経る公知の方法によって製造することができる。
前記(E)成分と(F)成分との使用割合は、遷移金属とアルミニウム原子とのモル比で、通常、1:1〜1:100000、好ましくは1:5〜1:50000の範囲である。
【0011】
成分(G)の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジイソブチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ{ビス(トリメチルシリル)メチル}、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジイソブチル、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(インデニル)ジルコニウムジイソブチル、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(第3級ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(3−第3級ブチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジイソブチル、ジメチルシリルビス(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(第3級ブチルアミド)(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル(第3級ブチルアミド)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレン(第3級ブチルアミド)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(フェノキシ)(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリル(o−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレン(o−フェノキシ)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ジメチルアミド)ジルコニウムジメチル、ビス(ジエチルアミド)ジルコニウムジメチル、ビス(ジ第3級ブチルアミド)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(メチルアミド)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルビス(第3級ブチルアミド)ジルコニウムジメチル等や、これらの化合物中のジルコニウムを、チタニウムあるいはハフニウムに置換した化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記遷移金属アルキル化合物は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
前記遷移金属アルキル化合物は、予め合成して使用してもよいし、また前記一般式[ 3 ] における ’’’ をハロゲン原子に置換した遷移金属ハライドと、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、トリイソブチルアルミニウム、メチルリチウム、ブチルリチウム等の有機金属化合物とを,反応系内で接触させることにより形成させてもよい。
【0012】
成分(H)の具体例としては、テトラフェニルほう酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニルほう酸トリエチルアンモニウム、テトラフェニルほう酸トリブチルアンモニウム、テトラフェニルほう酸メチル(ジブチル)アンモニウム、テトラフェニルほう酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニルほう酸メチルピリジニウム、テトラフェニルほう酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラフェニルほう酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸トリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸トリブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸メチル(ジブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸メチルピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニルフェニル)ほう酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス[ビス(3,5−ジ−トリフルオロメチル)フェニル]ほう酸ジメチルアニリニウム、テトラフェニルほう酸フェロセニウム、テトラフェニルほう酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸フェロセニウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。前記イオン性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記(G)成分と(H)成分の使用割合は、モル比で、通常、1:0.5〜1:20、好ましくは1:0.8〜1:10の範囲である。
特定エチレン系共重合体を製造する際に使用される前記重合触媒は、それらの成分の少なくとも一部を適当な担体に担持して用いることができる。担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体、および有機担体の何れも用いることができる。また担持方法についても特に制限はなく、公知の方法を適宜利用してよい。
【0013】
次に、本発明の(B)〜(D)成分について説明する。
(B)成分である充填剤としては、例えばSRF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック;ホワイトカーボン、微粒子けい酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等の無機充填剤等が挙げられる。これらの充填剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
充填剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、10〜200重量部、好ましくは10〜100重量部である。
また、(C)成分である可塑剤としては、ゴムに通常用いられるアロマティック油、ナフテニック油、パラフィン油等のプロセスオイルや、やし油等の植物油等が挙げられる。これらのうち、プロセスオイルが好ましく、中でもパラフィン油が好ましい。前記可塑剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
可塑剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、30〜130重量部、好ましくは40〜100重量部である。
さらに、(D)成分である加硫剤および架橋剤について説明する。
前記加硫剤としては、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化イオウ、セレン、テルル等の無機系加硫剤;モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、チウラムジスルフィド類、ジチオカルバミン酸塩等の含硫黄有機化合物等が挙げられる。これらの加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
また、前記加硫剤とともに、加硫促進剤を併用することもできる。
このような加硫促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒドアンモニア類;ジフェニルグアニジン、ジ(o−トリル)グアニジン、o−トリルーピグアニド等のグアニジン類;チオカルバニリド、ジ(o−トリル)チオウレア、N,N’−ジエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジラウリルチオウレア等のチオウレア類;メルカプトベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアゾールジスルフィド、2−(4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)−メルカプトベンゾチアゾ−ル、(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール類;N−第3級ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類;ジメチルチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルチオカルバミン酸テルル、ジメチルチオカルバミン酸鉄等のカルバミン酸塩類;ブチルチオキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸塩類等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫促進剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
また、前記加硫剤および加硫促進剤に加え、必要に応じて加硫促進助剤を添加することもできる。
このような加硫促進助剤としては、例えば酸化マグネシウム、亜鉛華、リサージ、鉛丹、鉛白等の金属酸化物や、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛等の有機酸類等が挙げられ、特に亜鉛華、ステアリン酸が好ましい。これらの加硫促進助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫促進助剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
また、前記架橋剤としては、例えば1,1−ジ第3級ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ第3級ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、第3級ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3級ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(第3級ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物類等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
架橋剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
また、前記架橋剤とともに、架橋助剤を併用することもできる。
このような架橋助剤としては、例えば硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、メタフェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等の他官能性モノマー;p−キノンオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物等が挙げられる。これらの架橋助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
架橋助剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
【0014】
さらに、本発明のエチレン系共重合体組成物には、ブチルゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、他種のエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体、エチレン/α−オレフィン重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他のゴムあるいは樹脂を1種以上混合して使用することもできる。
本発明のエチレン系共重合体組成物を調製する際には、従来から公知の混練機、押出機、加硫装置等を用いることができる。
特定エチレン系共重合体と混合される充填剤、可塑剤、加硫剤および/または架橋剤等の配合方法、配合順序としては、特に限定されないが、例えば、バンバリーミキサー等を用いて、特定エチレン系共重合体、充填剤、可塑剤等を混合したのち、ロール等を用いて加硫剤および/または架橋剤等を加える方法が挙げられる。
次に、通常の加硫ゴム製造に供される手法で、例えば、エチレン系共重合体組成物を金型内に入れて温度を高めることにより加硫を行うか、あるいは押出成形機を用いて任意の形状に成形したのち加硫槽内で加熱して加硫を行うことにより、加硫ゴムを製造することができる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、電線被覆材、電気絶縁部品、ルーフィング、チューブ、ベルト、土木建築資材、スポンジ製品や、自動車部品としてウェザーストリップ、ラジエーターホース、ヒーターホース、ブレーキホース、プロテクター、マフラーハンガー、ラジエーターパッキング、ブレーキカップ、ランプ用パッキング、バンパー等に好適に使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を具体的に説明する。但し、本発明は、これらに実施例に何ら限定されるものではない。
各実施例および比較例中の測定・評価は、以下の方法により実施した。
エチレン含有量(モル%)
13C−NMR法により測定した。
よう素価
よう素滴定法により測定した。
MwおよびMw/Mn
ウオーター(WATERS)社製150C型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置を用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。
ムーニー粘度(ML1+4 100 ℃。以下同様。)
JIS K 6300に準拠し,L型ローターを用い、測定温度100℃、予熱1分、測定4分にて測定した。
ムーニースコーチ試験
JIS K 6300に準拠し、L型ローターを用い、Vmを125℃にて測定した。引張り試験
JIS K 6301に準拠し、3号型試験片を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で、引張強さTB(MPa)および引切断時伸びEB(%)を測定した。
硬さ試験
JIS K 6301に準拠し、スプリング硬さ(JIS−A硬度)を測定した。
圧縮永久歪試験
JIS K 6301に準拠し、100℃×70時間の条件で測定した。
低温ねじり試験(ゲーマン温度)
JIS K 6301に準拠し、T5(℃)を測定した。
【0016】
【実施例】
実施例1
(特定エチレン系共重合体の製造)
充分に窒素置換した内容量2リットルのステンレス製オートクレーブに、精製トルエン500ミリリットル、1ヘキセン500ミリリットル、ジシクロペンタジエン10ミリリットル、精製トルエン4ミリリットル中に溶解したアルミニウム原子換算で6ミリモルのメチルアルミノキサンを加え、40℃に昇温したのち、エチレンで加圧して、エチレン分圧を4kg/cmとした。
次いで、精製トルエン1.2ミリリットル中に溶解したジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド1.2μモルを添加して、重合を開始させた。反応中は温度を40℃に保ち、エチレン分圧が4kg/cmに保持されるように連続的にエチレンを供給しつつ、30分間反応を行った。反応終了後、ポリマー溶液を2リットルのメタノール中に投入してポリマーを析出させ、このポリマーをろ別し、減圧下で乾燥して、104gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が85.2モル%、よう素価が16、Mwが269,000、Mw/Mnが3.2、ムーニー粘度が45の特定エチレン系共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(イ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(イ)と、表1の(a)に示す成分から加硫剤成分を除いた各成分とを、ラボプラストミル(内容量250ミリリットル)を用い、回転数60rpm、100℃200秒間混練して、コンパウンド(i)を得た。次いで、コンパウンド(i)に加硫剤成分を加え、50℃に保持した10インチロールで5分間混練して、コンパウンド(ii)を得た。
次いで、このコンパウンド(ii)を、170℃に加熱した熱プレスにより、プレス圧150kgf/cmの圧力下で15分加熱して、120×120×2mmの加硫シートおよび圧縮永久歪試験用サンプルを作製し、各種特性を評価した。
その結果、エチレン系共重合体(イ)を用いた組成物は、硬度が高く、強度および耐寒性の両面で優れ、かつロール加工性も優れていた。評価結果を表2に示す。
【0017】
実施例2
(特定エチレン系共重合体の製造)
1−ヘキセンおよびジシクロペンタジエンの代わりに、それぞれ1オクテンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンを用い、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドの代わりにエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外は実施例1と同様に実施し、122gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が84.7モル%、よう素価が18、Mwが209,000、Mw/Mnが2.3、ムーニー粘度が52の特定エチレン系共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(ロ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(ロ)を用いた以外は実施例1と同様にして、コンパウンド(i)およびコンパウンド(ii)の調製、各種特性評価を行なった。
その結果、エチレン系共重合体(ロ)を用いた組成物は、硬度が高く、強度および耐寒性の両面で優れ、かつロール加工性も優れていた。評価結果を表2に示す。
【0018】
実施例3
(特定エチレン系共重合体の製造)
充分に窒素置換した内容量2リットルのステンレス製オートクレーブに、精製トルエン500ミリリットル、1−デセン500ミリリットル、1,4−ヘキサジエン15ミリリットル、メチルアルミノキサン6ミリモルを加え、40℃に昇温したのち、エチレンで加圧して、エチレン分圧を4kg/cmとした。
これとは別に、充分に窒素置換し、磁気攪拌子を入れた内容量50ミリリットルのガラス製フラスコに、精製トルエン1.2ミリリットル中に溶解したジメチルシリル(第3級ブチルアミド)(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド1.2μモル、精製トルエン2.4ミリリットル中に溶解したトリイソブチルアルミニウムを入れ、室温で30分攪拌して反応させた。次ぎに、精製トルエン6ミリリットル中に溶解したテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ジメチルアニリニウム6μモルを加え、室温で20分攪拌して反応させて、重合触媒を合成した。
この重合触媒を、前述のオートクレーブに添加して、重合を開始させた。反応中は温度を40℃に保ち、エチレン分圧が4kg/cmに保持されるように連続的にエチレンを供給しつつ、15分間反応を行った。反応終了後、ポリマー溶液を2リットルのメタノール中に投入してポリマーを析出させ、このポリマーをろ別し、減圧下で乾燥して、118gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が82.8モル%、よう素価が14、Mwが227,000、Mw/Mnが2.2、ムーニー粘度が50の特定エチレン系共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(ハ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(ハ)を用いた以外は実施例1と同様にして、コンパウンド(i)およびコンパウンド(ii)の調製、各種特性評価を行なった。
その結果、エチレン系共重合体(ハ)を用いた組成物は、硬度が高く、強度および耐寒性の両面で優れ、かつロール加工性も優れていた。評価結果を表2に示す。
【0019】
比較例1
(エチレン系共重合体の製造)
充分に窒素置換した内容量2リットルのステンレス製オートクレーブに、精製ヘキサン1リットル、5−エチリデン−2−ノルボルネン10ミリリットルを加えて、温度を20℃に設定したのち、エチレンを4.6ノルマルリットル/分、プロピレンを5.4ノルマルリットル/分、水素を0.5ノルマルリットル/分の速度で連続的に供給しつつ、容器内圧を4kg/cmに調整した。
次いで、精製ヘキサン6ミリリットル中に溶解したエチルアルミニウムセスキクロリド6ミリモル、精製ヘキサン1ミリリットル中に溶解した四塩化バナジウム0.3ミリモルを加えて、重合を開始させた。反応中は温度を20℃に保ち、エチレン、プロピレンおよび水素を当初の流量で供給しつつ、容器内圧を4kg/cmに保持して、30分間反応を行った。反応終了後、ポリマー溶液を2リットルのメタノール中に投入してポリマーを析出させ、このポリマーをろ別し、減圧下で乾燥して、105gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が83.6モル%、よう素価が16、Mwが266,000、Mw/Mnが3.4、ムーニー粘度が51のゴム状共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(ニ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(ニ)を用いた以外は実施例1と同様にして、コンパウンド(i)およびコンパウンド(ii)の調製、各種特性評価を行なった。
その結果、エチレン系共重合体(ニ)を用いた組成物は、硬度が低く、強度および耐寒性に劣り、かつ圧縮永久歪も不充分であった。評価結果を表2に示す。
【0020】
比較例2
(エチレン系共重合体の製造)
エチルアルミニウムセスキクロリドの代わりにジエチルアルミニウムクロリドを用いた以外は比較例1の操作を繰り返し、114gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が82.0モル%、よう素価が17、Mwが285,000、Mw/Mnが3.4、ムーニー粘度が56のゴム状共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(ホ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(ホ)を用い、配合組成を表1の(b)に示すとおりとした以外は実施例1と同様にして、コンパウンド(i)およびコンパウンド(ii)の調製、各種特性評価を行なった。
その結果、エチレン系共重合体(ホ)を用い、カーボンブラックを増量して硬度を高めた組成物は、機械的強度および耐寒性に劣り、圧縮永久歪も不充分であり、またロール加工性が著しく悪かった。評価結果を表2に示す。
【0021】
比較例3
(エチレン系共重合体の製造)
精製トルエン量を200ミリリットル、1−デセン量を800ミリリットルとした以外は比較例1と同様に実施し、96gのポリマーを得た。
このポリマーは、エチレン含有量が53.7モル%、よう素価が16、Mwが224,000、Mw/Mnが2.5、ムーニー粘度が42のゴム状共重合体であった。この共重合体をエチレン系共重合体(ヘ)とする。
(組成物の調製と評価)
エチレン系共重合体(ヘ)を用い、配合組成を表1の(b)に示すとおりとした以外は実施例1と同様にして、コンパウンド(i)およびコンパウンド(ii)の調製、各種特性評価を行なった。
その結果、エチレン系共重合体(ヘ)を用い、カーボンブラックを増量して硬度を高めた組成物は、機械的強度および耐寒性に劣り、圧縮永久歪も不充分であり、またロール加工性が著しく悪かった。評価結果を表2に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003598619
【0023】
【表2】
Figure 0003598619
【0024】
【発明の効果】
本発明のエチレン系共重合体組成物は、加硫用ゴム組成物として、硬度が高く、強度、圧縮永久歪等の機械的特性および耐寒性の両面で優れ、かつ混練・加工性にも優れている。したがって、本発明のエチレン系共重合体組成物は、電子・電気部品、機械部品、土木建築資材、自動車部品等の幅広い分野において、極めて好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記成分(A)、(B)、(C)および(D)を含有することを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
    (A)下記成分(E)と成分(F)とからなる触媒、もしくは下記成分(G)と成分(H)とからなる触媒を用いられる重合により得られる、エチレン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンの群から選ばれるα−オレフィンと、非共役ジエンからなり、エチレン含有量が70〜95モル%の範囲にあり、非共役ジエン含有量がヨウ素価で0.5〜50の範囲にあり、GPCによって測定したポリスチレン換算重量平均分子量が5万〜50万の範囲にあるエチレン/α−オレフィン/非共役ジエン共重合体、
    (B)充填剤、
    (C)可塑剤、
    (D)加硫剤および/または架橋剤。
    成分(E):下記一般式[1]で表される遷移金属化合物。
    '' s (C 5 m ) p (R’ n E) q MQ 4-p-q ... [1]
    式中、Mは周期律表第4族金属であり、(C 5 m ) はシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であり、各Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であるか、あるいは2つの隣接する炭素原子が結合して4〜8員の炭素環を作っており、Eは非結合電子対を有する原子であり、R’は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、R '' は炭素数1〜20のアルキレン基、ジアルキルけい素またはジアルキルゲルマニウムであって、2つの配位子を結合する基であり、sは1または0であり、sが1のとき、mは4、nはEの原子価より2少ない数であり、sが0のとき、mは5、nはEの原子価より1少ない数であり、n≧2のとき
    各R’は同一でも異なっていてもよく、また各R’は結合して環を作っていてもよく、Qは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、pおよびqは0〜4の整数であり、かつ0<p+q≦4の関係を満たす。
    成分(F):下記一般式 [ 2 ] で表されるユニットを有するアルミノキサン化合物。
    −〔Al(R)−O〕− ... 2 ]
    式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基である。
    成分(G):下記一般式 [ 3 ] で表される遷移金属アルキル化合物。
    '' s (C 5 m p (R ' n E) q MR ''' 4-p-q ... [ 3 ]
    式中、Mは周期律表第4族金属であり、(C 5 m )はシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であり、各Rは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であるか、あるいは2つの隣接する炭素原子が結合して4〜8員の炭素環を作っており、Eは非結合電子対を有する原子であり、R ' は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、R '' は炭素数1〜20のアルキレン基、ジアルキルけい素またはジアルキルゲルマニウムであって、2つの配位子を結合する基であり、sは1または0であり、sが1のとき、mは4、nはEの原子価より2少ない数であり、sが0のとき、mは5、nはEの原子価より1少ない数であり、n≧2のとき
    各R ' は同一でも異なっていても良く、また各R ' は結合して環を作っていても良く、
    ''' は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数7〜40のアルカリール基または炭素数7〜40のアラルキル基であり、pおよびqは0〜3の整数であり、かつ0<p+q≦4の関係を満たす。
    成分(H):下記一般式 [ 4 ]で表されるイオン性化合物。
    ([L] k+ ) p ([M’A 1 2 ... n - q ... [ 4 ]
    式中、[L] k+ はブレンステッド酸またはルイス酸であり、M’は周期律表第13〜15族元素であり、A 1 〜A n はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリール基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアルカリール基、炭素数7〜40のアラルキル基、炭素数1〜40のハロゲン置換炭化水素基、炭素数2〜20のアシルオキシ基または有機メタロイド基であり、kはLのイオン価で1〜3の整数であり、pは1以上の整数であり、q=(k×p)である。
  2. (A)成分のGPCによって測定したポリスチレン換算重量平均分子量が15万〜45万の範囲にある請求項1に記載のエチレン系共重合体組成物。
  3. (A)成分100重量部に対して、(B)成分10〜200重量部、(C)成分30〜130重量部、(D)成分0.1〜10重量部を含有する請求項1または請求項2に記載のエチレン系共重合体組成物。
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