JP3633060B2 - 低結晶性エチレン系ランダム共重合体およびその組成物 - Google Patents

低結晶性エチレン系ランダム共重合体およびその組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低結晶性エチレン系ランダム共重合体およびその組成物に関し、さらに詳しくは低温特性に優れ、かつ力学特性等にも優れた低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体およびその加硫・架橋用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低結晶性のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムは、耐熱性、耐オゾン性、耐候性等に優れており、自動車のシール部材等の用途に広く使用されている。しかし、近年における環境問題やコストダウンといった要求から、自動車用ゴム部品を軽量化することが望まれており、例えばゴムスポンジ材に対しては、機械的強度や圧縮永久歪の改良が求められている。
ゴムスポンジ材の機械的強度を改良するためには、ポリマー主鎖中にエチレン連鎖による結晶性を付与する方法が提案されているが、この方法では低温特性に悪影響を及ぼすことが多い。また、圧縮永久歪はポリマー構造中のジエン成分の含量を高くすることにより改良できるが、このような方法では機械的強度は改良されず、またその他の物性にも悪影響を及ぼすことがある。そこで、ゴムスポンジ材に対して、機械的強度と圧縮永久歪を改良し、他の物性においても満足できる材料の開発が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ゴムスポンジ材として機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性が優れ、かつ低温特性にも優れる新規な低結晶性エチレン系ランダム共重合体およびその加硫・架橋用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の重合触媒を用い、従来のエチレン−プロピレン−非共役ジエン系共重合体(EPDM)にさらに少量の高級α−オレフンを共重合させることにより、力学特性、低温特性等がさらに優れた共重合体が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用い、エチレン(A) 、プロピレン(B) 、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンの群から選ばれるα−オレフィン(C) および非共役ジエン(D) の混合物を重合することにより得られる共重合体であって、
(1)成分(A) が60〜92モル%、成分(B) が7.5〜39.5モル%、成分(C) が0.5〜10モル%の範囲にあり、
(2)よう素価が0.5〜50の範囲にあり、
(3)ムーニー粘度(ML1+4, 100℃) が10〜400の範囲にあり、
(4)X線回析法で求めた結晶化度が0〜20%の範囲にあることを特徴とする低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体、並びに前記低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体と加硫剤および/または架橋剤とを含有してなる組成物、を要旨とする。
【0005】
本発明の低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体(以下、単に「エチレン系ランダム共重合体」という。)は、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用いて得られる、エチレン(A) 、プロピレン(B) 1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンの群から選ばれるα−オレフィン(以下、「高級α−オレフン」という。)(C) および非共役ジエン(D) の共重合体からなる。
本発明のエチレン系ランダム共重合体中のエチレンの含量は、60〜92モル%、好ましくは60〜85モル%の範囲、プロピレンの含量は、7.5〜39.5モル%、好ましくは15〜35モル%の範囲、高級α−オレフンの含量は、0.5〜10モル%、好ましくは1〜5モル%、さらに好ましくは1〜2.9モル%の範囲にある。
本発明のエチレン系ランダム共重合体に使用される高級α−オレフンとしては、好ましくは1−ヘキセン、1−オクテンが用いられる。これらの高級α−オレフィンは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のエチレン系ランダム共重合体に使用される非共役ジエンとしては、例えばEPDMに通常用いられる全ての非共役ジエンを用いることができるが、具体的には、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1, 4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1, 5−ヘキサジエン、1, 6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1, 7−オクタジエン、1, 8−ノナジエン、7−メチル−1, 6−オクタジエン、1, 9−デカジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられ、好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが用いられる。これらの非共役ジエンは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明のエチレン系ランダム共重合体のよう素価は、0.5〜50、好ましくは5〜40の範囲にある。
本発明のエチレン系ランダム共重合体のムーニー粘度(ML1+4, 100℃) (以下、単に「ムーニー粘度」という。)は、10〜400、好ましくは30〜350の範囲にある。 本発明のエチレン系ランダム共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、通常、10万〜180万、好ましくは20万〜150万の範囲にあり、また分子量分布Mw/Mn(但し、Mnは数平均分子量)が、通常、2〜10、好ましくは2.5〜6の範囲にある。
さらに、本発明のエチレン系ランダム共重合体は低結晶性であり、そのX線回折法より求めた結晶化度は、0〜20%、好ましくは0〜10%の範囲にある。 本発明のエチレン系ランダム共重合体は、通常のEPDMに比べて、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性に優れている特徴を有し、かつ低温特性も優れている。
【0006】
本発明のエチレン系ランダム共重合体は、エチレン、プロピレン、高級α−オレフンおよび非共役ジエンの混合物を、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用い、通常、不活性炭化水素媒体中で重合することにより製造される。この重合反応は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。
前記不活性炭化水素媒体としては、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げられ、特に脂肪族炭化水素が好ましい。
本発明のエチレン系ランダム共重合体を製造する際に用いられる触媒系成分のうち、バナジウム化合物としては、例えばオキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、アルキルバナデート、オキシ三塩化バナジウムとアルコールとの反応混合物(バナジウム化合物とアルコールとの反応モル比は、通常、1/3〜1/1)、オキシ三塩化バナジウムとアルコール以外の電子供与体との反応混合物(バナジウム化合物と電子供与体との反応モル比は、通常、1/3〜1/0.5)等が挙げられる。
前記アルキルバナデートとしては、例えばエチルバナデート、n−プロピルバナデート、イソプロピルバナデート、n−ブチルバナデート、sec−ブチルバナデート、2−エチルヘキシルバナデート等が挙げられ、オキシ三塩化バナジウムと反応させるアルコールとしては、例えばエチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられ、またオキシ三塩化バナジウムと反応させるアルコール以外の電子供与体としては、例えばアミン類、ケトン類、エーテル類等が挙げられる。 これらのバナジウム化合物のうち、好ましくはオキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、アルキルバナデート、オキシ三塩化バナジウムとアルコールとの反応混合物が用いられる。
【0007】
また、有機アルミニウム化合物としては、例えば一般式RAlX(3−n) (式中、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子、nは1≦n≦3である。)で表されるアルキルアルミニウムハライド化合物、アルキルアルミニウム化合物等を挙げることができる。
前記アルキルアルミニウムハライド化合物としては、例えばエチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルセスキアルミニウムクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、イソブチルセスキアルミニウムクロリド等が挙げられ、また前記アルキルアルミニウム化合物としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、好ましくはエチルセスキアルミニウムクロリドが用いられる。前記有機アルミニウム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記触媒系におけるバナジウム化合物とアルミニウム化合物とのモル比は、通常、1/200〜1/3、好ましくは1/100〜1/4である。
このような触媒系を用いて得られる本発明のエチレン系ランダム共重合体は、ランダム性が良好で、低結晶性である特徴を有する。
また、前記触媒系を用いて重合を行う際に、水素を適当圧力で導入することにより、得られる共重合体の分子量を調節することができる。
本発明のエチレン系ランダム共重合体を製造する重合反応は、通常、約10〜100℃、好ましくは20〜70℃の温度範囲で行われる。また、共重合反応時の圧力は、通常、0kg/cm を越え100kg/cm 以下、好ましくは0kg/cm を越え50kg/cm 以下の範囲である。
【0008】
次に、本発明の組成物は、前述したエチレン系ランダム共重合体と加硫剤および/または架橋剤(以下、これらをまとめて「加硫・架橋剤」という。)とを含有してなるものである。
加硫・架橋剤としては、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化イオウ、セレン、テルル等の無機系加硫剤;モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、チウラムジスルフィド類、ジチオカルバミン酸塩等の含硫黄有機化合物;1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物類等が挙げられる。
加硫・架橋剤の配合量は、加硫・架橋剤の種類に応じて適宜選定されるが、例えば、硫黄の場合、エチレン系ランダム共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合であり、また有機過酸化物の場合、エチレン系ランダム共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部の割合である。
加硫・架橋剤として硫黄を用いる場合は、必要に応じて加硫促進剤、加硫促進助剤を併用することができる。
前記加硫促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒドアンモニア類;ジフェニルグアニジン、ジ(o−トリル)グアニジン、o−トリルーピグアニド等のグアニジン類;チオカルバニリド、ジ(o−トリル)チオウレア、N,N’−ジエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジラウリルチオウレア等のチオウレア類;メルカプトベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアゾールジスルフィド、2−(4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)−メルカプトベンゾチアゾ−ル、(N,N’−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール類;N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類;ジメチルチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルチオカルバミン酸テルル、ジメチルチオカルバミン酸鉄等のカルバミン酸塩類;ブチルチオキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸塩類等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫促進剤の配合量は、エチレン系ランダム共重合体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合である。
前記加硫促進助剤としては、例えば酸化マグネシウム、亜鉛華、リサージ、鉛丹、鉛白等の金属酸化物;ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛等の有機酸(塩)類が挙げられ、特に亜鉛華、ステアリン酸が好ましい。これらの加硫促進助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫促進助剤の配合量は、エチレン系ランダム共重合体100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の割合である。
また、加硫・架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、必要に応じて架橋助剤を併用することができる。
前記架橋助剤としては、例えば硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の硫黄化合物;エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、メタフェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド等の多官能性モノマー;p−キノンオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンオキシム等のオキシム化合物等が挙げられる。これらの架橋助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
架橋助剤の配合量は、エチレン系ランダム共重合体100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の割合である。
【0009】
さらに、本発明の組成物には、所望により、充填剤、軟化剤、発泡剤や、可塑剤、滑剤、粘着付与剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の他の各種添加剤を配合することもできる。 前記充填剤としては、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック;微粒子ケイ酸、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等の無機充填剤;あるいはハイスチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラン樹脂、石油樹脂等の有機充填剤が挙げられる。これらの充填剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記軟化剤としては、ゴムに通常用いられる、例えばアロマティック油、ナフテニック油、パラフィン油等のプロセスオイル;ヤシ油等の植物油等が挙げられる。これらの軟化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記発泡剤としては、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、無水硝酸ナトリウム等の無機発泡剤;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’−ジスルホンヒドラジドジフェニルスルホン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスホルムアミド等の有機発泡剤が挙げられ、またこれらの発泡剤に共に、尿素系、有機酸系、金属塩系等の発泡助剤を併用してもよい。これらの発泡剤および発泡助剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明の組成物には、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、他のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、ブチルゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他のゴムおよび/または樹脂の一種以上を混合して使用することもできる。
本発明の組成物を調製する際には、従来から公知の混練機、押出機、加硫装置等を用いることができる。
本発明の組成物を調製する際に使用される加硫・架橋剤、充填剤、軟化剤、発泡剤等の配合方法、配合順序としては、特に限定されないが、例えば、バンバリーミキサー等を用いて、エチレン系ランダム共重合体、充填剤、軟化剤等を混合した後、ロール等を用いて加硫・架橋剤、発泡剤、発泡助剤等を加える方法が挙げられる。
次に、通常の加硫ゴム製造に供される手法に従い、例えば、本発明の組成物を金型内に入れ、加熱して発泡、加硫を行うか、あるいは押出成形機を用いて任意形状に成形したのち、加硫槽内で加熱して加硫を行うことにより加硫ゴムを製造することができる。
本発明のエチレン系ランダム共重合体および組成物は、各種電線の被覆材、電気絶縁部品、ルーフィング、チューブ、ベルト、土木建築資材、ロール、スポンジ製品や、自動車部品としてウェザーストリップ、ラジエーターホース、ヒーターホース、ブレーキホース、プロテクター、マフラーハンガー、ラジエーターパッキング、ブレーキカップ、ランプ用パッキング、バンパー等に好適に使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例中の測定・評価は、以下の方法により実施した。
(イ)プロピレン含量および高級α−オレフン含量(モル%)
13C−NMR法により測定した。
(ロ)よう素価
赤外線吸収スペクトル法により測定した。
(ハ)ムーニー粘度
JISK6300に準拠して、測定温度100℃、予熱1分、測定4分にて測定 した。
(ニ)MwおよびMw/Mn
トリクロロベンゼン溶媒を使用し、135℃で、ゲルパーミエーションクロマト グラフィー(GPC)により測定した。
(ホ)引張り試験
JISK6301に準拠して、3号型試験片を用い、測定温度25℃、引張り速 度500mm/分の条件で、引張り強さTB(MPa)および引張り切断時伸びEB( %)を測定した。
(ヘ)硬さ試験
JISK6301に準拠して、スプリング硬さ(JIS−A硬度)を測定した。
(ト)圧縮永久歪試験
JISK6301に準拠して、100℃×70時間の条件で測定した。
(チ)低温ねじり試験
JISK6301に準拠して、T2(℃)、T5(℃)、T10(℃)を測定した 。
(リ)結晶化度
X線回析法により測定した。
【0011】
【実施例】
実施例1
(エチレン系ランダム共重合体の合成)
容量200リットルのオートクレーブ反応器中で、n−ヘキサンを80リットル/時、エチレンを200リットル/時、プロピレンを125リットル/時、1−ヘキセンを2.5リットル/時、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)を325ミリリットル/時、重合触媒として、エチルアルミニウムセスキクロリドのヘキサン溶液をエチルアルミニウムセスキクロリドとして3.5×10−3モル/リットル・時、四塩化バナジウムのヘキサン溶液を四塩化バナジウムとして6.8×10−4モル/リットル・時の速度で供給し、気相部の水素濃度7.2モル%、温度35℃、圧力6kg/cm、平均滞留時間0.75時間の条件下で連続重合を行なった。
反応器から取り出した重合液に反応停止剤として少量の水を加え、n−ヘキサンを水蒸気蒸留により系外に除去したのち、乾燥して共重合体を得た。
得られた共重合体は、エチレン含量80モル%、プロピレン含量17モル%、1−ヘキセン含量2.8モル%、よう素価12、ムーニー粘度92、Mw46.3万、Mw/Mn2.9、結晶化度0%のエチレン系ランダム共重合体であった。
(組成物の調製と評価)
前記エチレン系ランダム共重合体を用い、表1に示された成分から加硫剤成分を除いた各成分を、ラボプラストミル(内容量250ミリリットル)を用い、回転数60rpm、100℃で200秒間混練りして、コンパウンドAを得た。その後、コンパウンドAに加硫剤成分を加え、50℃に保持した10インチロールで5分間混練りして、コンパウンドBを得た。
次いで、このコンパウンドBを、170℃に加熱した熱プレスにより、プレス圧150kgf/cm の圧力下で15分加熱して、120×120×2mmの加硫シートおよび圧縮永久歪試験用サンプルを作製し、各種特性を評価した。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性および低温特性が優れていた。評価結果を表2に示す。
【0012】
実施例2
(エチレン系ランダム共重合体の合成)
1−ヘキセンの代わりに1−オクテンを用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体を得た。
この共重合体は、エチレン含量79.7モル%、プロピレン含量17.5モル%、1−オクテン含量2.8モル%、よう素価11.5、ムーニー粘度82、Mw37.4万、Mw/Mn3.0、結晶化度0.3%のエチレン系ランダム共重合体であった。
(組成物の調製と評価)
前記エチレン系ランダム共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンパウンドAおよびコンパウンドBの調製、各種特性評価を行なった。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性および低温特性が優れていた。評価結果を表2に示す。
【0013】
実施例3
(エチレン系ランダム共重合体の合成)
1−ヘキセンの代わりに1−デセンを用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体を得た。
この共重合体は、エチレン含量80.1モル%、プロピレン含量17.4モル%、1−デセン含量2.5モル%、よう素価11.5、ムーニー粘度75、Mw34.3万、Mw/Mn3.0、結晶化度0.3%のエチレン系ランダム共重合体であった。
(組成物の調製と評価)
前記エチレン系ランダム共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンパウンドAおよびコンパウンドBの調製、各種特性評価を行なった。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性および低温特性が優れていた。評価結果を表2に示す。
【0014】
実施例4
(エチレン系ランダム共重合体の合成)
ENBの代わりにジシクロペンタジエン(DCP)を用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体を得た。
この共重合体は、エチレン含量80.1モル%、プロピレン含量17モル%、1−ヘキセン含量2.9モル%、よう素価10.5、ムーニー粘度81.5、Mw38.7万、Mw/Mn3.3、結晶化度0.5%のエチレン系ランダム共重合体であった。
(組成物の調製と評価)
前記エチレン系ランダム共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンパウンドAおよびコンパウンドBの調製、各種特性評価を行なった。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性および低温特性が優れていた。評価結果を表2に示す。
【0015】
比較例1
(共重合体の合成)
エチレンを200リットル/時、プロピレンを150リットル/時の速度で供給し、1−ヘキセンを用いない以外は、実施例1と同様にして、共重合体を得た。
この共重合体は、エチレン含量78.5モル%、プロピレン含量21.5モル%、よう素価12.5、ムーニー粘度91.5、Mw37.0万、Mw/Mn2.6、結晶化度0.7%であった。
(組成物の調製と評価)
前記共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンパウンドAおよびコンパウンドBの調製、各種特性評価を行なった。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪、低温特性が全体的に不充分であった。評価結果を表2に示す。
【0016】
比較例2
(共重合体の合成)
ENBの代わりにDCPを用いた以外は、比較例1と同様にして、共重合体を得た。
この共重合体は、エチレン含量78.9モル%、プロピレン含量21.1モル%、よう素価11.5、ムーニー粘度84、Mw37.2万、Mw/Mn2.7、結晶化度0.8%であった。
(組成物の調製と評価)
前記共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、コンパウンドAおよびコンパウンドBの調製、各種特性評価を行なった。
その結果、該共重合体を用いた組成物は、機械的強度、圧縮永久歪、低温特性が不充分であった。評価結果を表2に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0003633060
【0018】
【表2】
Figure 0003633060
【0019】
【発明の効果】
本発明のエチレン系ランダム共重合体は、ゴムスポンジ材として、機械的強度、圧縮永久歪等の力学特性、低温特性に優れている。したがって、本発明のエチレン系ランダム共重合体およびその組成物は、電子・電気部品、機械部品、土木建築資材、自動車部品等の幅広い分野において、極めて好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用い、エチレン(A) 、プロピレン(B) 、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンの群から選ばれるα−オレフィン(C) および非共役ジエン(D) の混合物を重合することにより得られる共重合体であって、
    (1)成分(A) が60〜92モル%、成分(B) が7.5〜39.5モル%、成分(C) が0.5〜10モル%の範囲にあり、
    (2)よう素価が0.5〜50の範囲にあり、
    (3)ムーニー粘度(ML1+4, 100℃) が10〜400の範囲にあり、
    (4)X線回析法で求めた結晶化度が0〜20%の範囲にあることを特徴とする低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体。
  2. 請求項1記載の低結晶性エチレン−α−オレフン−非共役ジエン系ランダム共重合体と加硫剤および/または架橋剤とを含有してなる組成物。
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