JP3593302B2 - 画像測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顕微鏡測定装置や非接触三次元測定機などの画像測定装置、特にプログラム(パートプログラム)を用いた測定に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マニュアル操作型の画像測定装置やCNC(Computerized Numerical Control)画像測定装置などが知られており、ICやリードフレーム、ICパッケージの検査に用いられている。通常、画像測定装置で測定する際には、ICなどの測定対象(ワーク)をステージに載置し、カメラなどの撮影手段で撮影してCRT上に表示させる。そして、ワークを測定するためのパートプログラムを起動する。パートプログラムは、1つのサンプルについてオペレータが測定手順をティーチング(教示)し、ワークの位置や形状などの情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成されたものである。作成されたパートプログラムファイルから命令を順次読み出し、ステージ移動命令であれば駆動手段がステージを移動させ、ツール命令であればCRT上に表示されている画像内のワーク像にボックスツールや円ツールをセットする。そして、セットされたツールに基づいて画像内のワークエッジ点を検出し、検出したいくつかの点を最小2乗法などを用いて近似して連続したエッジとする。また、読み出したファイルが演算実行命令であれば連続したエッジに基づいてワーク像の線幅演算や円の中心演算、円の半径演算などを実行する。
【0003】
このように、従来の画像測定装置においては、測定を自動化するために測定したいワーク毎に測定経路を含む測定プログラムを作成して実行しており、同一形状のワークを複数測定する場合には、この測定プログラムを最初に1つだけマニュアル操作により測定しながらその測定手順を記録することで作成し、その後はワークを1つずつステージに載置し、座標系合わせ(測定の基準位置合わせ)のための測定を行い、続いて同一測定プログラムを実行していた。
【0004】
なお、座標系合わせのための測定は、マニュアルで行うこともできるが、通常はステージ上にワークを載置する場所にテープなどで目印を付け、その位置にワークを目測で載置してからワーク座標系を測定するためのプログラム(PCSプログラム)を実行して座標系合わせを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように毎回ワークをステージ上に載せ替えて測定するのは手間がかかり、複数種類のワークがある場合はその都度測定プログラムを入れ替えなくてはならず手間がかかる問題があった。
【0006】
そこで、複数のワークを一度にステージ上に載せて1つの測定プログラムで測定することが考えられるが、複数のワーク毎に作成された測定プログラムを単一の測定プログラムとしてまとめることから、全体の測定プログラムが長くなって作成するのが困難となる問題がある。また、複数のワークを測定中に何らかのエラーが生じた場合、測定プログラムを修正する手間もかかる問題がある。また、測定プログラムを修正後、再度測定を開始すると、測定プログラム内のエラー発生以前の部分は重複して測定することになり、無駄な測定となる問題もある。また、一つのパートプログラムを繰り返し実行することで複数のワークを測定する場合、測定結果が一つのファイルとしてまとめられるため、測定結果を統計処理する場合に結果ファイルをその都度編集する必要があり、統計処理も煩雑となる問題もある。
【0007】
一般に、ステージ上に多数のワークを載置した場合、測定に長時間を要するため、このような測定を一晩中または休日中、無人の状態で自動的に行いたいという要求が高い。すなわち、たとえ測定中にエラーが生じたとしても、全てのワークについて測定を行いたいという要求が高い。そして、測定後に、ステージ上に載置されたワークの内、どのワークが基準値に達しているか否か(公差内か否か)を迅速に把握でき、基準値に達していないワークに対しては、例えば容易に再測定したいと欲する場合も少なくない。従来装置においては、上記問題点のため、このような要求に十分応えることができず、多数のワークを容易かつ効率的に測定することができる装置あるいは方法が望まれていた。
【0008】
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、複数のワークを簡単な操作で効率的に測定することができる装置及び方法並びに媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、測定対象を載置するステージと、前記ステージに載置された測定対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で得られた画像内の測定対象像を測定する処理装置とを有し、前記測定対象として複数のワークを測定する画像測定装置であって、前記処理装置は、前記ステージを複数領域に区切ることで前記測定対象像を有する複数の測定領域に分割し、複数のワークのそれぞれは複数の測定領域の各測定領域に対応し、前記測定領域毎にワークの位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定する設定手段と、前記測定プログラムに基づき前記測定領域毎に前記測定対象像を測定する測定手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数領域状に仕切られたパレット内の複数の測定対象を撮影する撮影手段と、前記撮影手段で得られた画像内の測定対象像を測定する処理装置とを有する画像測定装置であって、前記処理装置は、前記複数領域に応じて測定エリアを複数の測定領域に分割し、複数の測定対象のそれぞれは複数の測定領域の各測定領域に対応し、前記測定領域毎に測定対象の位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定する設定手段と、前記測定プログラムに基づき前記測定領域毎に前記測定対象像を測定する測定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記測定手段は、各測定領域毎に所定の公差内か否かを判定し、各測定領域毎に判定結果を出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記測定手段は、各測定領域毎の測定結果を別個に出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記測定手段は、任意の測定領域に測定異常が生じても、前記複数領域内の全ての測定領域の測定を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記測定手段は、前記複数領域内の選択された測定領域のみを測定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記複数領域の各領域は任意形状であってマトリクス状に配置されており、前記測定領域は閉じたセル状であることを特徴とする。
また、本発明は、前記測定手段は、複数の前記測定領域を同時に撮像して、各測定領域毎に設定された測定プログラムを同時に、あるいは順次実行することを特徴とする。
また、本発明は、前記設定手段は、さらに形状要素毎に実行すべき形状毎測定プログラムを設定する手段を備え、前記測定手段は、さらに前記測定領域の前記測定対象像の形状要素を認識する形状認識手段を備え、この形状認識手段の認識結果に従って、前記形状毎測定プログラムを選択して実行することを特徴とする。
また、本発明の測定プログラムは必要な数値部分を変数で置き換えたプログラムであることを特徴とする。
また、本発明は、前記測定手段は、さらに、測定誤差を補正する誤差補正手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記パレットを装置に対して位置決めする位置決め手段をさらに有することを特徴とする。
また、本発明は、前記測定対象を自動交換する自動ワーク交換手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記パレットを自動交換する自動パレット交換手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ステージ上に載置された複数の測定対象としての複数のワークを撮影して得られた画像を処理することで前記測定対象を測定する方法であって、前記ステージを複数の領域に分割し、複数領域内の各測定領域を前記複数の測定対象のそれぞれに対応させるステップと、前記測定領域毎にワークの位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定するステップと、前記測定プログラムに基づいて前記測定領域毎に測定するステップとを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、複数領域状に仕切られたパレット内の複数の測定対象を撮影して得られた画像を処理することで前記測定対象を測定する方法であって、前記複数領域に応じて前記測定対象が存在するエリアを複数の測定領域に分割し、各測定領域を前記複数の測定対象のそれぞれに対応させるステップと、前記測定領域毎に測定対象の位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定するステップと、前記測定プログラムに基づいて前記測定領域毎に測定するステップとを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、各測定領域毎に測定結果が所定の公差内か否かを表示するステップをさらに有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、各測定領域毎に測定結果を表示するステップをさらに有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記測定するステップでは、一つの測定領域に測定異常が生じても全ての測定領域を測定することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記複数領域内で測定する測定領域を選択するステップをさらに有し、前記測定するステップでは、前記複数領域内の選択された測定領域のみを測定することを特徴とする。
また、本発明は、前記複数領域の各領域は任意形状であってマトリクス状に配置されており、前記測定領域は閉じたセル状であることを特徴とする。
また、本発明は、前記測定するステップは、複数の前記測定領域を同時に撮像して、各測定領域毎に設定された測定プログラムを同時に、あるいは順次実行するステップを有することを特徴とする。
また、本発明は、前記設定するステップは、さらに、形状要素毎に実行すべき形状毎測定プログラムを設定するステップを含み、前記測定するステップは、さらに、前記測定領域の前記測定対象像の形状要素を認識する形状認識ステップを備え、この形状認識ステップの認識結果に従って、前記形状毎測定プログラムを選択して実行するステップを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記測定プログラムは必要な数値部分を変数で置き換えたプログラムであることを特徴とする。
また、本発明は、前記測定するステップは、さらに、測定誤差を補正する誤差補正ステップを備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記測定対象を交換するステップを備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記パレットを交換するステップを備えることを特徴とする。
【0027】
このように、本発明においては、従来のように複数のワークをその都度測定するのではなく、複数領域という概念で包括的にとらえ、複数領域を単位として測定処理を実行する。複数のワークのそれぞれは複数領域内の各測定領域に対応し、各測定領域を指定することでワークを指定できる。そして、各測定領域毎に測定プログラムを設定することで、容易に複数のワークに対して測定用プログラムを設定し、測定を行うことができる。複数領域の各測定領域に測定プログラムを設定するという技術思想により、例えば複数領域がマトリクス状に配置されている場合には、ある行に同種類のワークが存在した場合にはその行に対して一括して同一測定プログラムを設定する、あるいは複数のワークのいずれかを選択的に測定したい場合に複数領域内の測定領域を選択して測定プログラムを設定することで、容易に対応することができる。また、複数ワークを連続して測定する場合、ある一つのワークについて測定異常が発生した場合に、従来においては単一のプログラムで測定していたためその箇所で処理が停止してしまうが、本発明においては測定領域(例えばセル)毎に測定プログラムが個別に設定されているため、次のセルへ測定処理を移行し複数領域内の全セルについて測定することも容易である。「測定プログラム」には、測定ツールを当てはめてエッジを検出し、検出したエッジに基づいて所定の演算(線幅演算や円の中心演算など)を行う、測定用パートプログラムの他、測定に先だって装置の座標系を各ワークの基準位置に合わせるPCSパートプログラムも含まれる。
【0028】
また、基本的に複数領域の各領域の位置や大きさは任意であり、ワークの各測定個所を指定する島状の1または複数の領域と、ワーク全体に渡るその他の領域といった指定が可能であるが、各領域が行列状態のように規則的に配置されたマトリクス状であれば、複数領域の位置指定が容易になる。
測定に当たっては、複数領域の内の単一の測定領域を撮像して、その測定プログラムを実行する他、複数領域の内の複数の測定領域を撮像して、それぞれに割り当てられた測定プログラムを同時に、または順次実行することによって、測定時間の短縮が図られる。これは、個々の測定領域が小さく、且つ隣接している場合には測定時間短縮に有効である。
さらに、形状要素(円、四角、直線等)毎に、対応する測定プログラムを前もってわりあてておき、実際のワークの測定では、各複数領域を撮像した結果から、測定対象像の形状要素を認識し、その結果によって実行すべき測定プログラムを選択して実行することによって、測定プログラムの作成効率が大きく向上する。この場合、測定プログラムは特開平8−14876号公報に開示された、必要な数値部分を変数で置き換えた、いわゆるパラメトリックプログラムが有効である。実際の測定にあたっては、前記変数には、前記測定対象像の認識結果から得られた形状パラメータ(円の直径や中心座標等)値を代入してから、この測定プログラムを実行する。このようにすれば、例えば円の測定では、円の大きさや位置に依存しない測定プログラムを作成することができるので、測定プログラムの共用化が可能になり、プログラム作成時間の大幅な短縮が可能になる。
また、測定対象像の撮像結果に対して、各種の誤差補正(温度によるワークや測定機の伸縮補正、測長指示精度の他、空間精度補正等)を行うことによって、測定精度を向上させることができる。
本発明は、ステージ上に複数の測定個所を有する1つのワークや、複数のワークが規則的に配置されている場合の他、内部が複数領域状に仕切られたパレットをステージ上に載置する場合にも対応する。パレットは、ステージ上に設けられた位置決め手段により位置決めされることで、装置に対する相対位置が規制され、測定が容易化される。
さらに、ワークを自動交換する自動ワーク交換装置にも対応しており、これによって夜間の連続無人運転も可能となって測定原価低減に効果がある。
さらに、パレットを自動交換する自動パレット交換装置にも対応しており、これによって同様な効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図1には、本実施形態における画像測定装置の全体構成斜視図が示されている。本実施形態の画像測定装置は、非接触画像計測型の測定機本体1、この測定機本体1のステージ移動操作をアシストする処理を実行すると共に必要な測定データ処理を実行するコンピュータシステム2、測定機本体1に対して必要な測定指令、あるいは測定パラメータを与える指令入力部3とキーボード32とマウス33、及び各部に安定した電力を供給する電源ユニット4を含んで構成される。
【0031】
測定機本体1は、架台11上にリードフレームやICなどの測定対象12を載置するステージが装着されており、このステージ13はX軸駆動軸14及びY軸駆動軸15によりX軸方向及びY軸方向に駆動されるようになっている。架台11の後端部には上方に延びるフレーム17が固定されており、このフレーム17にCCDカメラユニット18が支持されている。CCDカメラユニット18は、Z軸駆動軸19によりフレーム17に形成されたガイドレールに沿ってZ軸方向に移動可能になっている。CCDカメラユニット18の内部にはステージ13を上部から撮影するようにCCDカメラ20が取り付けられている。また、CCDカメラ20の下端には、ワーク12に照明光を照射するためのリング状の照明装置21が備えられている。CCDカメラユニット18で撮影されたワーク12の画像(ワーク像)は、コンピュータシステム2のCRT34上に表示される。
【0032】
図2には、本実施形態における画像測定装置の構成ブロック図が示されている。CCDカメラ20で撮影されたワーク12の画像信号は、A/D変換部35でデジタル画像データに変換され、多値画像メモリ36に格納される。多値画像メモリ36に格納されたデジタル画像データは、表示制御部37の動作によりCRT34上に表示される。CPU38は、プログラムメモリ39に格納されたパートプログラムに従って測定処理を実行する。ワークメモリ40は、CPU38の処理のための作業領域を提供する。
【0033】
また、ステージ13に対するCCDカメラ20のX、Y、Z軸方向位置をそれぞれ検出するためのX軸エンコーダ41、Y軸エンコーダ42及びZ軸エンコーダ43が設けられ、これらエンコーダ41、42、43からの出力はCPU38に供給される。照明制御部44は、CPU38で生成された指令値に基づいてアナログ量の指令電圧を生成し、照明装置21に供給する。
【0034】
以下、ステージ上に複数のワーク12が載置されている場合、特にマトリクス状に仕切られたパレット内に複数のワークが存在し、そのパレットをステージ上に載置した場合のCPU38で実行されるパートプログラムの作成処理及びパートプログラムの実行処理について図3〜図5の全体処理フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0035】
複数のワーク12を測定する場合のアプリケーション(以下、便宜上マトリクスプログラムと称する)は、CPU38で実行されるメインの画像測定プログラムのクライアントアプリケーションとして機能する。画像測定プログラム及びマトリクスプログラムはともにプログラムメモリ39内に記憶され、画像測定プログラムを起動した後に画像測定プログラムからAPIを発行することでマトリクスプログラムが起動する。起動は、例えばプルダウンメニューから選択することで実行することもできるが、画像測定プログラムが起動すると同時にマトリクスプログラムも起動するように構成することもできる。そして、このマトリクスプログラム内で測定パラメータを設定することで、複数のワーク12に対するパートプログラムが作成される。
【0036】
図7には、画像測定プログラムからマトリクスプログラムを起動した場合のCRT34画面が示されている。図において、既に作成されている既存のパートプログラムがアイコン100で示されており、選択したアイコンで示されるパートプログラムの詳細がウインドウ102に表示される。詳細ウインドウ102に表示される内容は、パートプログラム名、測定結果ファイル名、統計結果ファイル名、ワーク数である。測定結果ファイル名はこのパートプログラムを実行して得られた測定結果を格納するファイルの名前である。なお、本実施形態においては、後述するように複数のワークを測定して得られたファイルは各ワーク毎に生成されるので、このファイル名は各ワーク毎に生成されるファイルの親ファイルとして機能する。各ワーク毎の測定結果ファイルはオペレータがマニュアルで設定することもできるが、CPU38がマトリクスプログラムに従い自動的に順次作成することもできる。統計結果ファイル名は、測定結果を統計処理した場合の結果を格納するファイル名である。ワーク数は、ステージ上に載置されたワークの数であり、マトリクスの行及び列で規定される。図では、行7個、列7個の合計49個のワーク12がステージ上に載置されていることを示す。また、選択したアイコンで示されるパートプログラムで測定すべきワークの種類が模式的にウインドウ103に表示される。図では、選択したパートプログラムは複数のICを測定するものであることを示す。
【0037】
この画面において、新規に複数のワーク12を測定するためのパートプログラムを作成する場合には、アイコン100から「新規」アイコンを選択する。すると、CPU38が、マトリクスプログラムに従って図8に示されるような設定画面を表示する。
【0038】
図8の画面は基準座標系を設定するための画面であり、この画面上でパラメータを入力することで基準座標系を設定する(図3のS101)。ここで、基準座標系とは、ステージ上の(X、Y、Z)座標系に対し、複数のワーク12を有するパレットの座標系を意味し、(X、Y、Z)座標系の基準位置(例えば原点)に対するパレットの基準位置(例えば、矩形状のパレットであればそのうちの一隅の位置)で示される。このパレット基準位置は、X座標値、Y座標値、Z座標値を入力することで指定することができ(キー指定)、あるいは基準位置を自動的に検出する座標系合わせプログラム(PCSプログラム)を選択することで指定でき、あるいは特定のパートプログラムを選択することで指定することもできる。位置合わせウインドウ104内にはこれらのメニューが表示され、オペレータは適宜最適のメニューを選択することで、基準座標系、すなわちパレットの基準位置を設定する。
【0039】
座標系を設定した後、パレット内でマトリクス状に配列したワーク12の行数及び列数を設定する(S102)。この設定は、図8の画面において、上部の「位置」、「設定」、「結果」各タブの「設定」タブを選択することで実行することができる。「設定」タブを選択すると、図9に示されるような設定画面がCRT34上に表示される。
【0040】
図9において、行数、列数設定ウインドウ105が表示され、この行数、列数それぞれに数を入力することで測定すべきワーク12の行数及び列数を設定する。図では、マトリクス状に仕切られたパレットに縦7個、横7個の合計49個のワークが存在していることに鑑み、行数7、列数7と指定している。
【0041】
行数と列数を指定した後、測定の実行回数を指定する(S103)。実行回数は通常1回であるが、2回あるいはそれ以上繰り返して測定する必要もあることを考慮したものである。実行回数の指定も、図9の行数、列数設定ウインドウ105で指定することができ、実行回数に実行したい数を入力する。図では、1回と指定している。
【0042】
実行回数を指定した後、測定用パートプログラムを設定する(S104)。パートプログラムは、図9におけるパートプログラムウインドウ106で所定のパートプログラムファイルを選択することで設定する。このパートプログラムファイルは、既述したように1つのサンプルについてオペレータが測定手順をティーチング(教示)し、ワークの位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成されたものである。パートプログラムは、ワーク像のイメージ処理を実行してエッジを抽出して一時記憶するステップと、抽出されたエッジを読み出して所定の演算処理(線幅測定や円の中心座標測定、円の半径測定、真円度)を実行するステップを有している。イメージ処理は、ワーク像の測定部位に測定ツールを設定することで行うことができる。パートプログラムファイルは、プログラムメモリ39に予め格納しておくことができ、パートプログラムウインドウ106では、記憶された複数のパートプログラムファイルから所望のパートプログラムを選択することで指定する。なお、本実施形態では、図9に示されるように、パートプログラムは最大2個設定できるようになっている。これは、各ワークの位置が基準位置とずれていることを考慮して各ワークの基準位置を合わせるPCSパートプログラムと、基準位置を合わせた後に本来の測定を行う測定用パートプログラムを指定する場合があることに対応したものである。
【0043】
パートプログラムを指定した後、開始位置を設定する(S105)。開始位置とは、測定を開始する位置であり、一番最初に測定するワークの位置を基準として指定する。図9において、開始位置設定ウインドウ107で、X、Y、Zの値を入力することで開始位置を指定できる。
【0044】
開始位置を設定した後、測定結果ファイルを設定する(S106)。測定結果ファイルとは、複数のワークの測定結果を記憶するファイルであり、図9において測定結果ファイルウインドウ108にファイル名を入力することで指定できる。なお、本実施形態では、従来のように複数のワークを測定した場合に測定結果が単一のファイルに記憶されるのではなく、ワーク毎に別のファイルに記憶される。従って、この測定結果ファイルは、複数のワーク毎の測定結果ファイルの親ファイルとして機能し、実際の測定結果ファイルはここで指定したファイルの下位ファイルとなる。下位ファイルは自動的に作成され、例えば測定結果ファイル名として図に示されるように「R990601_01.txt」を指定した場合、実際のファイルは、測定したワーク毎に「R9906010A01.txt」、「R9906010A02.txt」、「{R9906010A03.txt」・・・などと作成される。もちろん、これらのファイルはオペレータが各ワーク毎に設定することも可能であり、デフォルト状態ではこのように連続的に下位ファイルを作成すればよい。また、統計結果ファイルを設定する必要がある場合には、統計結果ファイル設定ウインドウ109にファイル名を入力することで設定することができる。
【0045】
測定結果ファイルを設定した後、開始位置移動量を設定する(S107)。開始位置移動量は、複数のワークを測定するために移動するピッチであり、開始位置設定ウインドウ107の「横移動量」と「縦移動量」を入力することで設定できる。
【0046】
開始位置移動量を設定した後、移動順序を設定する(S108)。移動順序とは、マトリクス状に配列した複数のワークの測定順序であり、移動順序設定ウインドウ110の「行」あるいは「列」を選択することで設定する。「行」を選択した場合には、マトリクス状に配列した複数のワークを横方向に順次測定し、「列」を選択した場合には、マトリクス状に配列した複数のワークを縦方向に順次測定する。もちろん、「行」、「列」以外の移動順序を設定することも可能であり、例えば各ワークあるいはマトリクスの各セルに番号を付し、その番号を所定の順序で並べることで移動順序を設定することもできる。
【0047】
以上の設定処理により、複数のワーク全体のパラメータを設定することができる。そして、移動順序を設定した後、図4に示されるように、行毎、あるいは列毎、あるいはワーク毎にパラメータを設定する必要があるか否かを判定する(S109)。複数のワークが全て同一種類の場合には設定する必要はないが、列毎に異なるワークが存在する、行毎に異なるワークが存在する、あるいは全てのワークが異なる種類場合などでは、行毎/列毎/ワーク毎に設定する必要があるので、それぞれの設定画面に移行する。
【0048】
図10には、S108までの処理が終了した場合にマトリクスプログラムがCRT34上に表示する画面例が示されている。行数及び列数を設定すると、設定された数のセルを有するマトリクス111が表示され、マトリクス111の周囲に列番号112及び行番号113が表示される。列番号はA、B、C、・・とアルファベットで示され、行番号は1、2、3、・・と数字で示されているが、この表記以外も可能である。マトリクス111の各セルには番号は順次付されており、例えば列A列1には番号1、列E列1には番号5が付されている。マトリクスの各セルは測定すべきパレット内のワークにそれぞれ対応しており、任意のセルを一つ特定すると、そのセルに対応する一つのワークが一義的に定まる。行毎/列毎/ワーク毎の設定は、このマトリクス111あるいは列番号112、行番号113を選択することにより実行される。
【0049】
すなわち、ワーク毎に設定する場合には、設定すべきワークに対応するセルを選択する。セルを選択すると、CPU38はマトリクスプログラムに従ってこのセルに付随する測定パラメータ入力画面をCRT34上に表示する。この測定パラメータ入力画面は図9に示された画面とほぼ同一であり、実行回数設定ウインドウ、パートプログラム設定ウインドウ、開始位置設定ウインドウ、測定結果ファイル設定ウインドウを有し、これらに所望の数字や所望のファイル名を入力することで設定する(S110〜S115)。また、行毎あるいは列毎に設定する場合には、列番号112の内設定すべき行に対応する番号あるいは行番号113の内設定すべき列に対応する番号を選択すると、同様にしてCPU38がマトリクスプログラムに基づいて測定パラメータ入力画面をCRT34上に表示し、実行回数やパートプログラムなどを設定する(S110〜S115)。
【0050】
一方、行毎/列毎/ワーク毎に設定する必要がない場合には、S101〜S108で設定したパラメータをマトリクス内の全てのセルについてコピーする。これにより、例えば複数のワークが全て同一種類である場合には、全てのワークについて同一パートプログラムが設定されることになり、同一の測定が行われることになる。但し、既述したように測定結果ファイルは単一のファイルに作成されるのではなく、各ワーク毎に作成されて測定結果が記憶される。
【0051】
このように、マトリクスプログラムを実行することで、各セル毎あるいは各ワーク毎にパートプログラムを容易に設定することができる。なお、マトリクスプログラムの各画面は、画像測定プログラムの画面に重畳して表示することができる。図11には、画像測定プログラムの画面114上にマトリクスプログラムの画面を重畳表示した場合の例が示されている。画像測定プログラムでは、ワーク像をCRT34上に表示し、ワーク像に対して測定ツールを当てはめてエッジを抽出していくが、この画面上にマトリクスプログラムの各設定画面を重畳させることで、ワーク像を見ながらの設定も可能となる。
【0052】
全てのパラメータの設定が完了すると、図11のマトリクスプログラム画面に示されているような「測定開始」ボタンを選択して測定を開始する(図5におけるS117)。測定が終了すると、その測定結果を表示する(S118)。
【0053】
図6には、S117の処理、すなわち測定処理の詳細なフローチャートが示されている。この処理は、画像測定プログラムとマトリクスプログラムとの共働処理であり、マトリクスプログラムが測定用のパートプログラムや測定順序などを供給し、画像測定プログラムが供給されたプログラムを実行してその結果をマトリクスプログラムに返すことで実行される。
【0054】
図6において、まず座標系の設定を行い、記憶する(S201)。この処理は、S101の処理と同一であり、設定パラメータがマトリクスプログラムから画像測定プログラムに供給される。次に、測定すべき次のワークが存在するか否かを判定し(S202)、測定が全て完了していない場合には、測定するワークの開始位置を原点としてPCSの設定を行う(S203)。この設定は、各ワーク毎のパートプログラム設定ウインドウで選択したPCSファイルに基づいて実行され、各ワークの実際の存在位置に測定基準位置を合わせるものである。本実施形態では、パートプログラム設定ウインドウにおいて、2つのパートプログラム(PCS用パートプログラムと測定用パートプログラム)が設定可能であることに注意されたい。PCSの設定、すなわち基準位置合わせを行った後、測定用のパートプログラムを実行する(S204)。このパートプログラムは、各ワーク毎にパートプログラム設定ウインドウで設定された測定用パートプログラムに基づいて実行される。測定用パートプログラムの実行により、ワーク像から測定ツールを用いてエッジを抽出し、抽出したエッジから線幅測定や円の中心座標測定、円の半径測定、真円度測定を行う。
【0055】
パートプログラムを実行して所定の演算が完了した後、そのセル、あるいはワークについての測定結果を出力する(S205)。測定結果は、線幅や円の半径などの数値の他、これらを所定の公差と比較した場合の結果で出力することができる。公差と比較した場合の結果としては、公差内である「合格」、公差外である「不合格」、エッジ抽出不能などにより測定できない場合の「エラー」などが好適である。そして、測定座標系をもとに戻し(S206)、測定結果に基づいて次にどのような処理を行うかを判定する(S207)。本実施形態では複数ワークの測定をマトリクスで処理しており、従ってあるワークの測定で何らかの測定異常、具体的にはエラーや不合格が生じても、そこで測定処理を終了するのではなく、マトリクス内の全てのセルに対する測定を終了させることが原則となる。但し、オペレータによっては、エラーが生じたワーク(あるいはセル)に対しては、再度測定を行いたいと欲する場合もある。そこで、本実施形態では、エラーあるいは不合格が生じた場合の処理も設定可能としている。この設定は、例えばCPU38がマトリクスプログラムに従って測定開始前にエラーあるいは不合格発生時の処理を設定するための画面をCRT34上に表示させ、オペレータが入力することで行うことができる。エラーあるいは不合格発生時の処理としては、原則である「次へスキップする」の他、「リトライ(再測定する)」を選択可能とするのが好適であり、もちろん「パートプログラムを停止する」というモードを選択可能としてもよい。「次へスキップする」を選択した場合には、画像測定プログラムはマトリクスプログラムからの命令に基づいてエラーあるいは不合格が発生してもそこでプログラムを停止することなく次のワークの測定処理に移行する(S207からS202へ)。また、「リトライ」を選択した場合には、エラーあるいは不合格が発生したワークに対しもう一度PCSパートプログラム及び測定用パートプログラムを実行して測定する(S207からS203へ)。以上の処理を、全てのワーク、あるいは全てのセルについて測定が終了するまで繰り返される(S202及びS209)。
【0056】
図12には、S205で測定結果を出力した画面例が示されている。各セル毎に実行結果が合格124、エラー126、不合格128などと表示される。また、現在測定中のワーク、あるいはセルに対しては「測定中」の表示がなされ、全体のマトリクスにおいてどの程度測定が終了したかが一目で分かるようになっている。なお、図では、合格率132及び全ワークの終了時間134も表示されている。合格率は、現在までに測定が終了したワーク数に対する合格ワーク数の比率である。全ワークの測定終了時間は、1ワークの測定に要する時間及び全ワーク数から算出される。これらは、S205の処理で測定結果を出力するとともに演算して出力することができる。
【0057】
図13には、全てのワーク、あるいは全てのセルについて測定が終了した場合の画面例が示されている。マトリクス111内の全てのセルについて、測定結果が表示されており、全体の合格率も表示されている。ファイル形式で確認したい場合には、測定結果が記憶されている測定結果ファイルを開けばよい。
【0058】
図14には、測定結果ファイルを開いた場合の画面例が示されている。全体情報表示ウインドウ130には、測定したワーク数(すなわち行数×列数)、合格したワーク数、不合格のワーク数、エラー数が表示され、結果ファイルウインドウ132には、各ワーク、あるいは各セルに対応するファイル名とともにその結果が表示される。例えば、セル番号1については、ファイル名は「R990601_010A01.txt」なるファイル名が付され、合格と判定されている。各ワーク、あるいは各セルの詳細な測定結果について確認する場合には、確認したいファイルを選択する。
【0059】
図15には、各ワーク毎、あるいは各セル毎に記憶された測定結果ファイルを開いた場合の画面例が示されている。ワークの要素、実測値、設計値、誤差、上限公差、下限公差が数値表示され、OK/NG(合格/不合格)が示される。
【0060】
このように、本実施形態では、ステージあるいはパレットをマトリクスで区切り、マトリクス内の各セル毎にパートプログラムを設定し、その測定結果を別のファイルに記憶して出力することができるので、複数種類のワークが存在しても容易に測定してその結果を得ることができる。また、各セル毎に測定結果を出力するので、任意の複数セルを用いた統計処理等も容易に行うことができる。また、マトリクス全体を一つの単位として一括処理するので、測定途中でエラーが生じても残りのワークについて測定を行うこともでき、効率的に測定を行うことができる。
【0061】
なお、図3〜図6に示された処理は、画像測定プログラム及びマトリクスプログラムをCPU38が順次実行することで行われるが、これらのプログラムはCD−ROMやDVD−ROM、ハードデイスクなど、電磁気的、化学的、光学的に情報を保持できるコンピュータ読み取り可能な媒体に記録することができる。
【0062】
また、本実施形態においては、マトリクス内のセルとして矩形を用いているが、任意の形状を用いることができ、測定すべきワークの形状に合わせた閉曲線でセルを規定することもできる。
【0063】
また、本実施形態において、7X7の全ワークについて測定を行っているが、測定を行うワークを選択することも可能であり、測定ワークをランダムに選択することも可能である。測定ワークをランダムに選択するためには、例えば乱数を発生させ、この乱数と同一の番号を有するセルのみを測定することが考えられる。もちろん、オペレータがマニュアルで選択することもできる。ランダムに数個のワークのみを選択して測定することで、全体のエラー発生率を統計学的に推定することができる。
さらに、通常は単一の測定領域のみを撮像して、その測定領域に設定されている測定プログラムを実行して測定を行うが、測定ワークの撮像時において、指定されている測定領域の大きさとCCDカメラの拡大倍率によっては、複数の測定領域を撮像することも可能である。(例えば図11の画面114内の上側円形部と下側円形部で示された2つの円の測定領域)このような場合には、撮像された複数の測定領域に設定されたそれぞれの測定プログラムを同時に、あるいは順次実行させて測定を行えば、各々の測定領域に一々位置決めを行う必要がなくなるので、測定の高速化が可能となる。
また、個々の測定領域に対応する測定プログラムを設定することに代えて、各種の形状要素に対応する形状毎測定プログラムをあらかじめ設定しておき、測定領域を撮像した時点において、測定対象像の形状を認識させ、その認識結果から形状毎測定プログラムを選択して測定を実行することも可能で、このようにすれば、全体の測定プログラム作成が簡素化されて、プログラム作成能率の向上が可能となる。また、この場合、形状毎測定プログラムの必要な数値部分を変数で置き換えた、いわゆるパラメトリックプログラムを用いれば、更に能率が向上する。すなわち、撮像結果から測定対象のパラメータ(円の直径や中心座標等)を測定して、そのパラメータの実測値を前記の変数に格納し、形状毎測定プログラムを実行する。このようにすれば測定対象像の大きさに依存しない測定プログラムの作成が可能となり、同一のプログラムを、異なる撮像倍率での測定や、異なる大きさのワークの場合にも用いる事ができるため、プログラムの共用化が可能となり、プログラムを作成する段取り能率が大幅に向上する。
さらに、測定対象像の撮像結果に対して、各種の誤差補正(温度によるワークや測定機の伸縮補正、測長指示精度の他、空間精度補正等)を行うことによって、測定精度を向上させることができる。例えば、測定ワークや測定機あるいは各エンコーダ(X軸〜Z軸)やCCDカメラ自体の温度を測定し、その温度と、各々の熱膨張係数から逆算して、例えば摂氏20度換算の測定値を求めることができる。また、CCDカメラ撮像部のX軸とY軸の直交誤差やZ軸方向の焦点合わせ誤差を補正することも可能である。さらに、CCDカメラの撮像系(例:レンズ)の歪みを補正することもでき、いわゆる三次元空間的な測定歪みの補正も可能であり、測定の高精度化が行える。
【0064】
また、本実施形態では、マトリクス状に仕切られたパレットを用いているが、パレットがなく、単に複数のワークがステージ上にマトリクス状に配置している場合も同様に処理できることは言うまでもない。但し、パレットを用いる場合には、全体の位置合わせが容易化される利点がある。パレットを用いる場合には、画像測定に影響のない材質、例えばアクリルやガラスなどの透明容器を用いることが好適である。また、ステージ上にパレットを載置する場合の位置決め部材、具体的には位置決めストッパやコーナなどを備えて装置に対するパレットの位置を規制し、位置決め精度を高めることも好適である。
さらに、自動パレット交換装置を備えることによって、例えば、夜間の無人運転等が可能になる。すなわち、自動パレット交換装置からのパレット設置完了信号を受けて、図6の測定を開始し、同図S208の終了によって、自動パレット交換装置へ測定終了信号を出力する。これによって自動パレット交換装置は、測定済ワークを載置したパレットを測定機外へ取り出し、代りに未測定ワークを載置したパレットを測定機のステージへ載置してパレット設置完了信号を測定機へ出力する。この繰り返しによって、測定の自動化が行えるので、省人化が行え、原価の低減が可能となる。
さらに、ワークをパレットに載置せずに、ステージ上に直接載置する場合においても、同様にして、自動ワーク交換装置によりワークの自動交換を行って、ワークの連続自動測定が可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な操作で効率的に複数のワークを測定することができる。
【0066】
また、複数ワークが同一種類であっても異なる種類であっても容易に対応することができる。
【0067】
また、複数ワークの一部で測定異常が生じても、全てのワークを自動測定することができるので、短時間に測定を行うことができる。
【0068】
また、複数ワークを測定して得られた結果は別個に出力されるので、測定後の統計処理が容易化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の斜視図である。
【図2】実施形態の構成ブロック図である。
【図3】実施形態の全体処理フローチャート(その1)である。
【図4】実施形態の全体処理フローチャート(その2)である。
【図5】実施形態の全体処理フローチャート(その3)である。
【図6】実施形態の測定処理の詳細フローチャートである。
【図7】実施形態の初期画面説明図である。
【図8】実施形態の基準座標系設定画面説明図である。
【図9】実施形態の各種パラメータ設定画面説明図である。
【図10】実施形態のマトリクス画面説明図である。
【図11】実施形態の画面表示説明図である。
【図12】実施形態の測定時画面説明図である。
【図13】実施形態の測定終了画面説明図である。
【図14】実施形態の測定結果ファイルの一覧表示画面説明図である。
【図15】実施形態の測定結果ファイルの画面説明図である。
【符号の説明】
1 測定機本体、2 コンピュータシステム、3 指令入力部、4 電源ユニット、11 架台、12 測定対象(ワーク)、13 ステージ、20 CCDカメラ、31 コンピュータ本体、32 キーボード、33 マウス、34 CRT、36 画像メモリ、37 表示制御部、38 CPU、39 プログラムメモリ、40 ワークメモリ。

Claims (27)

  1. 測定対象を載置するステージと、
    前記ステージに載置された測定対象を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段で得られた画像内の測定対象像を測定する処理装置と、
    を有し、前記測定対象として複数のワークを測定する画像測定装置であって、
    前記処理装置は、前記ステージを複数領域に区切ることで前記測定対象像を有する複数の測定領域に分割し、複数のワークのそれぞれは複数の測定領域の各測定領域に対応し、前記各測定領域毎にワークの位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定する設定手段と、
    前記測定プログラムに基づき前記測定領域毎に前記測定対象像を測定する測定手段と、 を有することを特徴とする画像測定装置。
  2. 複数領域状に仕切られたパレット内の複数の測定対象を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段で得られた画像内の測定対象像を測定する処理装置と、
    を有する画像測定装置であって、
    前記処理装置は、前記複数領域に応じて測定エリアを複数の測定領域に分割し、複数の測定対象のそれぞれは複数の測定領域の各測定領域に対応し、前記各測定領域毎に測定対象の位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定する設定手段と、
    前記測定プログラムに基づき前記測定領域毎に前記測定対象像を測定する測定手段と、 を有することを特徴とする画像測定装置。
  3. 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、各測定領域毎に所定の公差内か否かを判定し、各測定領域毎に判定結果を出力することを特徴とする画像測定装置。
  4. 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、各測定領域毎の測定結果を別個に出力することを特徴とする画像測定装置。
  5. 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、任意の測定領域に測定異常が生じても、前記複数領域内の全ての測定領域の測定を行うことを特徴とする画像測定装置。
  6. 請求項1、2のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、前記複数領域内の選択された測定領域のみを測定することを特徴とする画像測定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の装置において、
    前記複数領域の各領域は任意形状であってマトリクス状に配置されており、前記測定領域は閉じたセル状であることを特徴とする画像測定装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、複数の前記測定領域を同時に撮像して、各測定領域毎に設定された測定プログラムを同時に、あるいは順次実行することを特徴とする画像測定装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の装置において、
    前記設定手段は、さらに形状要素毎に実行すべき形状毎測定プログラムを設定する手段を備え、前記測定手段は、さらに前記測定領域の前記測定対象像の形状要素を認識する形状認識手段を備え、この形状認識手段の認識結果に従って、前記形状毎測定プログラムを選択して実行することを特徴とする画像測定装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の装置において、
    前記測定プログラムは必要な数値部分を変数で置き換えたプログラムであることを特徴とする画像測定装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の装置において、
    前記測定手段は、さらに、測定誤差を補正する誤差補正手段を備えることを特徴とする画像測定装置。
  12. 請求項2記載の装置において、さらに、
    前記パレットを装置に対して位置決めする位置決め手段
    を有することを特徴とする画像測定装置。
  13. 請求項1に記載の装置において、さらに、
    前記測定対象を自動交換する自動ワーク交換手段を備えることを特徴とする画像測定装置。
  14. 請求項2、12のいずれかに記載の装置において、さらに、
    前記パレットを自動交換する自動パレット交換手段を備えることを特徴とする画像測定装置。
  15. ステージ上に載置された複数の測定対象としての複数のワークを撮影して得られた画像を処理することで前記測定対象を測定する方法であって、
    前記ステージを複数の領域に分割し、複数領域内の各測定領域を前記複数の測定対象のそれぞれに対応させるステップと、
    前記測定領域毎にワークの位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定するステップと、
    前記測定プログラムに基づいて前記測定領域毎に測定するステップと、
    を有することを特徴とする画像測定方法。
  16. 複数領域状に仕切られたパレット内の複数の測定対象を撮影して得られた画像を処理することで前記測定対象を測定する方法であって、
    前記複数領域に応じて前記測定対象が存在するエリアを複数の測定領域に分割し、
    各測定領域を前記複数の測定対象のそれぞれに対応させるステップと、
    前記測定領域毎に測定対象の位置や形状等の情報を含んだ一連の測定手順を記憶させて作成された測定プログラムを設定するステップと、
    前記測定プログラムに基づいて前記測定領域毎に測定するステップと、
    を有することを特徴とする画像測定方法。
  17. 請求項15、16のいずれかに記載の方法において、さらに、
    各測定領域毎に測定結果が所定の公差内か否かを表示するステップ
    を有することを特徴とする画像測定方法。
  18. 請求項15、16のいずれかに記載の方法において、さらに、
    各測定領域毎に測定結果を表示するステップ
    を有することを特徴とする画像測定方法。
  19. 請求項15、16のいずれかに記載の方法において、
    前記測定するステップでは、一つの測定領域に測定異常が生じても全ての測定領域を測定することを特徴とする画像測定方法。
  20. 請求項15、16のいずれかに記載の方法において、さらに、
    前記複数領域内で測定する測定領域を選択するステップを有し、
    前記測定するステップでは、前記複数領域内の選択された測定領域のみを測定することを特徴とする画像測定方法。
  21. 請求項15〜20のいずれかに記載の方法において、
    前記複数領域の各領域は任意形状であってマトリクス状に配置されており、前記測定領域は閉じたセル状であることを特徴とする画像測定方法。
  22. 請求項15〜21のいずれかに記載の方法において、
    前記測定するステップは、複数の前記測定領域を同時に撮像して、各測定領域毎に設定された測定プログラムを同時に、あるいは順次実行するステップを有することを特徴とする画像測定方法
  23. 請求項15〜22のいずれかに記載の方法において、
    前記設定するステップは、さらに形状要素毎に実行すべき形状毎測定プログラムを設定するステップを含み、前記測定するステップは、さらに前記測定領域の前記測定対象像の形状要素を認識する形状認識ステップを備え、この形状認識ステップの認識結果に従って、前記形状毎測定プログラムを選択して実行するステップを含むことを特徴とする画像測定方法。
  24. 請求項15〜23のいずれかに記載の方法において、
    前記測定プログラムは必要な数値部分を変数で置き換えたプログラムであることを特徴とする画像測定方法。
  25. 請求項15〜24のいずれかに記載の方法において、
    前記測定するステップは、さらに、測定誤差を補正する誤差補正ステップを備えることを特徴とする画像測定方法。
  26. 請求項15に記載の方法において、
    前記測定対象を交換するステップを備えることを特徴とする画像測定方法。
  27. 請求項16に記載の方法において、
    前記パレットを交換するステップを備えることを特徴とする画像測定方法。
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