JP3591293B2 - 像担持体カートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる像担持体カートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の像担持体カートリッジの一例を図15に示す(特開平4−274452号公報)。
【0003】
同図において、1はカートリッジのケース本体であり、このケース本体1に対して、像担持体としての感光ドラム2と、帯電ローラ3と、現像ローラ4と、クリーニングブレード5と、カバー6とが設けられている。このうち、帯電ローラ3は帯電ローラハウジング3a2取り付けられて帯電ユニット3’として構成されており、ケース本体1に対して簡単に着脱し得るようになっている。
【0004】
このような像担持体カートリッジは、図示しない画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されており、装着された状態で、画像形成時に感光ドラム2が図示矢印方向に回転駆動される。
【0005】
感光ドラム2は、その表面が、これに接触して回転する帯電ローラ3によって一様に帯電させられた後、図示しないレーザー装置からのレーザー光7で照射され、画像情報に応じた静電潜像が感光ドラム2の表面に形成される。この潜像は、現像ローラ4によって付与されるトナーによって顕像化され、顕像化されたトナー像が図示しない用紙等の転写材に転写される。
【0006】
一方、転写後に感光ドラム2の表面に残留しているトナーは、クリーニングブレード5によって掻き落とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の像担持体カートリッジには、次ぎような問題があった。
【0008】
通常、帯電ローラは像担持体に対して従動回転するので、均一な帯電特性を得るためには像担持体に対する安定した回転従動性が重要である。このため、帯電ローラを像担持体カートリッジに組み込んだ後、像担持体を駆動させて帯電ローラの像担持体に対する回転従動性を確認する必要がある。
【0009】
しかしながら、従来の帯電ユニット3’では、これをケース本体1に取り付けると、帯電ローラハウジング3aが帯電ローラ3を覆うこととなるため帯電ローラ3を直接確認することができない。また、帯電ローラ3は帯電ローラハウジング3aに取り付けられているため、帯電ローラハウジング3aのみ取り外して帯電ローラ3の感光ドラム2に対する回転従動性を確認することもできない。
【0010】
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、帯電ローラの像担持体に対する回転従動性を確認して、確実な帯電ができる像担持体カートリッジを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の像担持体カートリッジは、回転駆動され、表面に除電光が一様に照射されることによりその表面が除電される像担持体と、除電がなされた後に像担持体の表面を一様に帯電させる帯電ローラと、前記像担持体の表面に残留している現像剤を掻き落とすクリーニング部材と、前記帯電ローラを覆うカバーとを有する像担持体カートリッジであって、
前記カバーには、前記クリーニング部材が前記除電光の光路を遮らない取付部材を介して取り付けられているとともに、このカバーが前記帯電ローラとは独立して像担持体カートリッジに組み付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の像担持体カートリッジは、請求項1記載の像担持体カートリッジにおいて、前記カバーは、前記除電光と帯電ローラとの間を遮蔽する遮蔽板を有しており、この遮蔽板に前記取付部材が設けられていることを特徴とする。
【0013】
【作用効果】
請求項1記載の像担持体カートリッジによれば、帯電ローラを覆うカバーは、帯電ローラとは独立して像担持体カートリッジに組み付けられるため、組立時には先ず帯電ローラを像担持体カートリッジに組み込んで、帯電ローラの像担持体に対する回転従動性を確認し、次いで、帯電ローラを覆うカバーを組み込むことができる。
【0014】
したがって、従来に比べて帯電ローラの回転従動性を容易に確認することができる。
【0015】
ところで、帯電ローラの回転従動性を確認するためには像担持体を駆動させる必要があるが、このときクリーニング部材が像担持体カートリッジに取り付けられていると、像担持体の駆動抵抗が上昇し、確認の作業性が著しく悪化するばかりでなく、初期非印字状態ではクリーニング部材と像担持体との接触部に進入するトナーがないためにクリーニング部材と像担持体との摩擦係数が高くなり、クリーニング部材に異常な負荷がかかってクリーニング部材の破損を招くおそれがある。
【0016】
このため、像担持体を駆動し帯電ローラの回転従動性を確認する場合には、クリーニング部材を取り外しておく必要がある。
【0017】
これに対し、この請求項1記載の像担持体カートリッジによれば、クリーニング部材が、帯電ローラを覆うカバーに取り付けられているので、組立時にカバーおよびクリーニング部材を同時に取り外した状態で、先ず、帯電ローラを像担持体カートリッジに組み込んで帯電ローラの像担持体に対する回転従動性を確認し、次いで、帯電ローラを覆うカバーとクリーニング部材とを同時に組み込むことができる。
【0018】
したがって、組立作業を簡略化することができる。
【0019】
さらに、像担持体カートリッジのクリーニング作業を行なう場合には、帯電ローラを覆うカバーとクリーニング部材とを同時に取り外すことができ、これによって帯電ローラとクリーニング部材とを同時にクリーニングし得る状態となるので、帯電ローラおよびクリーニング部材のクリーニング作業を著しく簡略化することができる。
【0020】
また、像担持体は、その表面に除電光が一様に照射されて除電された後に帯電ローラによって表面が一様に帯電させられるので、一様な帯電が良好になされることとなる。
【0021】
しかも、前記クリーニング部材は、除電光の光路を遮らない取付部材を介して前記カバーに取り付けられているので、像担持体表面の除電が確実になされることとなる。
【0022】
請求項2記載の像担持体カートリッジによれば、請求項1記載の像担持体カートリッジにおいて、前記カバーは、前記除電光と帯電ローラとの間を遮蔽する遮蔽板を有しているので、除電光の帯電部への悪影響を防止することができる。
【0023】
しかも、この遮蔽板に前記取付部材すなわちクリーニング部材が設けられているので、その構造の簡素化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明に係る像担持体カートリッジの一実施の形態を用いた画像形成装置の一例を示す概略図、図2は像担持体カートリッジおよびその周辺の部分切断拡大図、図3は図2におけるIII−III拡大部分断面図である。
【0026】
先ず、この画像形成装置の概要について説明し、次いで像担持体を装着した像担持体カートリッジについて詳しく説明する。
【0027】
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーによる現像器を用いてフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0028】
図1において、100は像担持体カートリッジであり、この実施の形態では感光体カートリッジとして構成されていて、その感光体140が、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
【0029】
感光体140は、後に詳しく説明する薄肉円筒状の導電性基材140b(図3参照)と、その表面に形成された感光層140cとを有している。
【0030】
感光体140の周りには、その回転方向に沿って、除電手段41(図2参照)と、帯電部材としての帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y,C,M,K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0031】
除電手段41(図2参照)は、感光体140の表面に除電光L2を一様に照射することにより感光体140の表面を除電する。
【0032】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には、露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。
【0033】
この静電潜像は、現像器10でトナーが付与されて現像される。
【0034】
現像器として、イエロー用の現像器10Y、シアン用の現像器10C、マゼンタ用の現像器10M、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y,10C,10M,10Kは、それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現像器の現像ローラ11のみが感光体140に当接し得るようになっている。したがって、これらの現像器10は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。なお、現像ローラ11は、硬質のローラ例えば、表面を粗面化した金属ローラ、または、硬質の樹脂ローラで構成されている。
【0035】
現像されたトナー像は、中間転写装置の中間転写ベルト36上に転写される。
【0036】
クリーニング手段170は、上記転写後に、感光体140の外周面に残留し付着しているトナーT(図9参照)を掻き落とすクリーニング部材としてのクリーナブレード171と、このクリーナブレード171によって掻き落とされたトナーを受ける受け部172とを備えている。
【0037】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32,33,34,35と、これら各ローラの回りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。
【0038】
駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体140の駆動用歯車190(図4参照)と噛み合っていることによって、感光体140と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0039】
従動ローラ35は、駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルト36の循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0040】
駆動ローラ31には、中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して、中間転写ベルト36の後述する導電層36a(図3参照)に一次転写電圧が印加される。
【0041】
従動ローラ32はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。
【0042】
従動ローラ33は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には、中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラ38は、図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能である。二次転写ローラ38には、二次転写電圧が印加される。
【0043】
従動ローラ34は、ベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は、中間転写ベルト36と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード39aと、このクリーナブレード39aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部39bとを備えている。このベルトクリーナ39は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト36に対して接離可能である。
【0044】
中間転写ベルト36は、図3に示すように、導電層36aと、この導電層36aの上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層36bとを有する複層ベルトで構成されている。導電層36aは、合成樹脂からなる絶縁性基体36cの上に形成されており、この導電層36aに、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が印加される。なお、ベルト36側縁部において抵抗層36bが帯状に除去されていることによって導電層36aが帯状に露出しており、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
【0045】
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。
【0046】
シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0047】
二次転写部T2でトナー像が転写されたシートSは、定着装置60を通ることによってそのトナー像が定着され、排紙経路70を通って、装置本体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として、互いに独立した2つの排紙経路71,72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路(71または72)を通って排出される。また、この排紙経路71,72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両面に画像を形成する場合には、排紙経路71または72に一旦進入したシートが、返送路73を通って再び二次転写部T2に向けて給送されるようになっている。
【0048】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
【0049】
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体140、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
【0050】
(ii)除電光L2によって除電された感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。
【0051】
(iii)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0052】
(iv)感光体140には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体140上に形成される。
【0053】
(v)中間転写ベルト36には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が、一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は、中間転写ベルト36から離間している。
【0054】
(vi)感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除電手段41(図2参照)からの除電光L2によって感光体140が除電される。
【0055】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて中間転写ベルト36上に形成される。
【0056】
(viii)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが供給され、シートSの先端が第2転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
【0057】
(ix)シートSが定着装置60を通過することによってシートS上にトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合には、スイッチバック経路71または72を経て返送路73に向け)搬送される。
【0058】
次に、像担持体カートリッジ100について説明する。
【0059】
図4は像担持体カートリッジの分解斜視図、図5は別角度から見た部分省略分解斜視図である。
【0060】
図4に示すように、像担持体カートリッジ100は、像担持体ユニット101と、この像担持体ユニット101を保持するカートリッジケース200とを備えている。
【0061】
そこで、先ず、像担持体ユニット101について説明する。
【0062】
図6は像担持体ユニット101の断面図である。
【0063】
図6に示すように、この像担持体ユニット101は、それ自身では回転しない軸110と、この軸110に対して回転可能に取り付けられた一対の円板状部材120,130と、これら一対の円板状部材120,130によって両端部が支持固定され円板状部材120,130とともに回転する可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体140と、この像担持体140の内方において軸110に取り付けられ、像担持体140に対してその外方から当接部材としてのクリーナブレード171(図8参照)、帯電ローラ160が当接されるその当接位置において像担持体140を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップドラム150とを備えている。
【0064】
一対の円板状部材120,130は、いずれもベアリング114を介して軸110に回転可能に設けられており、これら円板状部材120,130の外周面121,131によって像担持体140の両端部141が支持され固定されている。
【0065】
その固定構造を図7に示す。図7は、一方の円板状部材120に対する像担持体140の端部141の固定構造を示しているが、他方の円板状部材130に対する像担持体140の端部141の固定構造も同様である。
【0066】
同図に示すように、円板状部材120の外周面121の外径D3は、像担持体140の内径D2よりも多少大きく形成されており、像担持体140の端部141に円板状部材120が圧入されている。この圧入が円滑になされるように、円板状部材120の内側には、テーパ面121aが形成されている。この圧入によって、像担持体140と円板状部材120とは略良好に結合されるが、両者の結合をより一層確実にするために、固定用リング180が設けられている。
【0067】
固定用リング180は、リング状の円板部181と、これと一体の短い筒状部182とを有している。円板部181には、その円周方向において等間隔に複数個(例えば8個(1つのみ図示))のネジ挿入用の孔183が設けられている。筒状部182には、像担持体140の端部141および円板状部材120の外側部分が圧入されるようになっている。この圧入が円滑になされるように、筒状部182の内周面にはテーパ面184が形成されており、また、円板状部材120の外側部分にもテーパ面121bが形成されている。
【0068】
像担持体140は、先ず、その端部141に円板状部材120を圧入し、次いで両者を固定用リング180の筒状部182に圧入し(固定用リング180を像担持体140の端部141および円板状部材120の外側にかぶせ)、固定用リング180をネジ185で円板状部材120に固定することによって、円板状部材120に完全に固定される。
【0069】
円板状部材120および固定用リング180は、円板状部材120の外側面と固定用リング180の内側面との間に締め代Cが形成されるように構成されている。このため、ネジ185を締め付けることによって、像担持体140の端縁部141aは、円板状部材120の外周面121と固定用リング180の筒状部182内周面(184)とで確実に挟圧され、確実に固定される。なお、122はネジ185のためのネジ孔である。
【0070】
図6に示すように、他方の円板状部材130には、その外側に、駆動用のギア190が固定されている。このギア190は円板状部材130と別体に作成されており、複数本(例えば3本(1本のみ図示))のネジ191で円板状部材130に固定されている。ギア190には、筒状部192が一体に形成されており、この筒状部192が、円板状部材130の外側に一体的に形成された筒状部133内に嵌入されているとともに、ベアリング114を介して軸110に支持されている。
【0071】
したがって、円板状部材130は、ベアリング114およびギア190の筒状部192を介して軸110に回転可能に支持されている。
【0072】
像担持体140は、この実施の形態では感光体として構成されており、可撓性を有する導電性基材140b(図3参照)の表面(外周面)に感光層140cを形成することにより構成されている。基材としては、例えば、電鋳法にて作製したニッケルシームレス管を用いることができる。感光層は、いわゆるOPC(有機感光体)をディッピング法で形成することができる。このような感光体140の可撓性すなわち柔軟さは、基材140bの厚みと径とを調整することにより決定することが可能であるから、使用される画像形成装置に応じて適宜設定することが可能である。例えば、基材厚み20〜200μm、基材直径10〜300mmの範囲で適宜設定する。なお、OPCは主として樹脂からなるので、可撓性の面では優れるが、基材との密着性を確保し、レーザー光の干渉対策を施すために、基材とOPCとの間に下引き層を形成することが望ましい。下引き層としては、酸化亜鉛、酸化チタン等のレーザー光を吸収可能な粒子をナイロン樹脂等の樹脂に分散させた層が好適である。
【0073】
バックアップドラム150は、一対の側板151,151と、これら側板151,151の外周面によって両端が固定された円筒部材152とで構成されている。円筒部材152の外径D1は像担持体140の内径D2よりも僅かに小さく形成されている。側板151には、軸受け穴153が設けられており、この軸受け穴153には、軸110との間に偏心ブッシュ154とベアリング155とが設けられている。したがって、バックアップドラム150は、軸110に対して偏心ブッシュ154およびベアリング155を介して回転可能に支持されている。偏心ブッシュ154は、当接部材としてのクリーナブレード171(図8参照)、および帯電ローラ160が当接されるその当接位置側(図8において矢印e方向)に、偏心量Eだけ偏心しており、これによって、バックアップドラム150の外周面(円筒部材152の外周面)の一部が前記当接位置において比較的広い範囲に亙って像担持体140を内方から支持するようになっている。
【0074】
軸110には、偏心ブッシュ154の軸110に対する偏心方向を決めるためのピン111が固定されているとともに、偏心ブッシュ154の内側面にはピン111と適合する形状の溝156が形成されている。ピン111の、軸110からの突出長さは、一端側と他端側とで異なっているので、このピン111と前記溝156とを嵌め合わせることによって、偏心ブッシュ154は間違いなく図8において矢印e方向に偏心した状態で配置される。
【0075】
バックアップドラム150は、軸110に対して偏心ブッシュ154およびベアリング155を介して回転可能に支持されているので、図8に示すように像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれて像担持体140が回転駆動されると、前記クリーニングブレード171等の当接位置において、円筒部材152の外周面152aが像担持体140の内周面140aと当接することによって像担持体140に従動して回転する。
【0076】
なお、図6に示すように、一方の偏心ブッシュ154とベアリング114との間には、ガタ防止用の圧縮コイルバネ102が設けられている。
【0077】
以上のような像担持体ユニット101は、図8に示すような状態で、カートリッジケース200に組み込まれる。
【0078】
カートリッジケース200は、図4、図5および図8に示すように、一対の側部210,220と、これら側部210,220の背部側を連結している主連結部230と、側部210,220の前部下方を連結している副連結部240とを有するケース本体Aと、ケース本体Aの側部210,220の外側を覆うサイドカバー250,260と、ケース本体Aに組み込まれた帯電ローラ160を覆うローラカバー270とを備えている。
【0079】
ケース本体Aは、合成樹脂からなる一体成形品である。
【0080】
ケース本体Aには、先ずクリーニング手段170と帯電ローラ160とが組み込まれ、次いで、像担持体ユニット101が組み込まれる。なお、クリーニング手段170と帯電ローラ160との組み込み順は、クリーニング手段170を組み込んでから帯電ローラ160を組み込むこともできるし、帯電ローラ160を組み込んでからクリーニング手段170を組み込むこともできる。また、後の説明で明らかになるように、クリーニング手段170のうち、そのクリーナブレード171は、帯電ローラ160および像担持体ユニット101が組み込まれた後の状態においても、ローラカバー270とともに簡単に着脱することができる。
【0081】
クリーニング手段170は、図9にその詳細を示すように、感光体140の外周面に残留し付着しているトナーTを掻き落とすクリーニング部材としてのクリーナブレード171と、このクリーナブレード171によって掻き落とされたトナーTを受ける受け部172と、この受け部172の底部に配置され、掻き落とされたトナーを搬送する搬送手段としてのトナー搬送スクリュー173とを備えている。
【0082】
クリーナブレード171は、その上部がブレードホルダ174に固定されている。
【0083】
ブレードホルダ174は、その両端に設けられたアーム174a,174a(一方のみ図示)が、図2および図4に示すように、ローラカバー270に設けられた取付部材273,273(一方のみ図示)に対して軸274,274(一方のみ図示)によって揺動可能に取り付けられている。すなわち、クリーナブレード171は、取付部材273,273を介してローラカバー270に取り付けられている。
【0084】
取付部材273は、除電光L2(図2参照)の光路を遮らないように、ローラカバー270の後述する遮蔽板272(図4参照)の両端部に支持板状に一体的に設けられており、この取付部材273の下端部に前記軸274がピン状に一体的に設けられている。
【0085】
図9に示すように、ケース本体Aの主連結部230とブレードホルダ174との間には、ブレード付勢バネ(圧縮コイルバネ)175が設けられており、図8に示したように像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれると、ブレード付勢バネ175の付勢力によってクリーナブレード171の先端部(縁部)が感光体140の表面に当接されるようになっている。
【0086】
このような構造によれば、ブレード171の形状精度やゴム硬度に左右されず、ブレード171を感光体140へ一定圧力で圧接させることができる。また、圧力変動を小さくして感光体140のフィルミングを防止することができる。
【0087】
受け部172は、主連結部230の下部によって主連結部230と一体に形成されている。
【0088】
ブレードホルダ174の後端縁部と主連結部230との間には、フォーム材からなるシール部材176が設けられている。また、クリーナブレード171先端の下方には、すくいシート177が設けられている。すくいシート177は、その基部が主連結部230に固定されており、その先端縁部が感光体140の表面と摺接して、トナーTの漏れを防止する。
【0089】
トナー搬送スクリュー173は、その平面図を図10に示すように、スクリューの軸173aの両端部が受け部172の側壁172aに回転可能に支持されている。軸173aの一端には、ギア173bが固定されており、このギア173bが減速ギア173cを介して像担持体ユニット101のギア190と噛み合っている。したがって、像担持体ユニット101が回転駆動されると、トナー搬送スクリュー173も回転駆動され、受け部172中のトナーTが図10において右方に搬送される。搬送されたトナーTは、廃トナーボトル178に回収される。
【0090】
受け部172の右端底部には、トナー出口172bが開口しており、このトナー出口172bに対向して、その下方に廃トナーボトル178のトナー回収口178aが配置されている。受け部172の右端には、トナー搬送スクリュー173の軸線方向にスライド可能なシャッター172cが設けられている。このシャッター172cは、画像形成装置の図示していない外装カバーを閉めると図10において右方にスライドしてトナー出口172bを開き、外装カバーを開けると図10において左方にスライドしてトナー出口172bを閉じるようになっている。なお、廃トナーボトル178は装置本体のケース80(図1参照)またはフレームに対して着脱可能に取り付けられている。
【0091】
帯電ローラ160は、図4、図8および図11に示すように、その軸161の両端部分が軸受部材162,162(図4,図8において一方のみ図示)を介しカートリッジケース200の側部210,220に対して回転可能かつ、取付後の感光体140(図8参照)の中心方向に向けてスライド可能に支持されている。側部210,220には、切欠部212,222が設けられており、その対向する縁部212a,212a,222a,222aに、軸受部材162の上下面に形成されたガイド溝162a,162aがスライド可能に嵌まり込むことによって、軸受部材162は側部210,220に対してスライド可能に取り付けられる。前記切欠部212,222にはバネ受け部212b,222bが形成されており、このバネ受け部と軸受部材162との間には、付勢手段としての圧縮コイルバネ163がそれぞれ介装されている。したがって、図8,図11に示すように、像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれると、バネ163の付勢力によって帯電ローラ160が感光体140の表面に当接されることとなる。
【0092】
図4,図5,および図6に示すように、像担持体ユニット101の固定軸110には、円板状部材120,130よりも外方に突出した突出部112に、ピン113,113が設けられているとともに、カートリッジケース200の側部210,220には前記ピン113を受けるピン受け部213,223が設けられている。この実施の形態では、上記ピン113,113と、ピン受け部213,223とで、固定軸110の軸回り位置を決める位置決め手段が構成されている。ピン113は、軸110に設けた貫通孔に圧入することによって軸110に固定しても良いし、軸110と一体に構成しても良い。なお、軸110の一端(図4において右端)112aは、その断面形状がD形に形成されている。
【0093】
像担持体ユニット101の軸110の両端部分を支持する一対の部位である側部210,220には、像担持体ユニット101を組み込む際に、軸110を案内するガイド溝をなすスリット214,224が形成されており、このスリットの終端部にピン受け部213,223が側部210,220と一体的に形成されている。スリット214,224の幅は、それぞれ軸110の外径よりもほんの僅かだけ大きく構成されており、また、スリット214,224の始端部は傾斜状の幅広に形成されている。
【0094】
像担持体ユニット101を組み込む際には、軸110の両突出部112,112をピン113の内側において、スリット214,224に合わせてその終端部まで入れてやると、ピン113,113がピン受け部213,223に当接し、固定軸110の軸回り位置が位置決めされることとなる。なお、軸110の両突出部112,112をスリット214,224に入れ込む際には、ピン113が側部210,220の外側面に当接または摺接してガイドの役割を果たす。したがって、ピン113,113は、側部210,220とともに像担持体ユニット101の軸線方向の位置決め手段も構成している。
【0095】
図12に示すように、ガイド溝をなすスリット214,224は、これに沿わせて像担持体ユニット101の軸110の両端部分112,112を入れた際、像担持体140とクリーナブレード171との圧接開始時に、像担持体140のクリーナブレード171に対する進行方向が、クリーナブレード171の像担持体140に対する圧接方向Fと略同方向となる形状に構成されている。
【0096】
このため、像担持体ユニット101を組み込む際に、クリーナブレード171が組み込まれていたとしても、像担持体ユニット101がクリーナブレード171に対して、望ましくない方向から当接するという事態が防止され、クリーナブレード171の、めくれや傷付きが防止される。なお、この効果は、スリット214,224の形状が、これらスリット214,224に沿わせて像担持体ユニット101の軸110の両端部分を入れた際、少なくとも像担持体140とクリーナブレード171との圧接開始時に、像担持体140のクリーナブレード171に対する進行方向と、像担持体140と圧接される前のクリーナブレード171の像担持体140との対向面171aとのなす角度が180゜以内となる形状、より望ましくは前記圧接方向Fに対するスリット214,224の方向が±45゜程度の範囲内にある形状であれば得られる。
【0097】
以上のようにして、像担持体ユニット101がケース本体Aに入れられた後、側部210,220の外側に、図4,図5に示すサイドカバー250,260が取り付けられる。サイドカバー250,260は、適宜の固定手段、例えば図示しないネジによって側部210,220に固定される。
【0098】
サイドカバー250,260には、軸110の端部が貫通される穴251,261が形成されている。サイドカバー250の穴251は、前記D形状の軸端と適合するようにD形となっている。したがって、像担持体ユニット101の装着方向が適正でない場合には、軸端と前記D形の穴251とが合致しないこととなり、これによって、像担持体ユニット101の装着ミスが防止される。
【0099】
また、サイドカバー250,260の内側面には、前記ピン受け部213,223との間にピン113を挟み込んでピン113すなわち軸110を固定する突片252,252,262,262が設けられている。固定構造は、左右で同じであるので、一方の側部210についてのみ説明する。側部210にサイドカバー250が取り付けられると、図13に示すように、ピン113がピン受け部213と突片252,252とで挟み込まれ、これによって、ピン113が固定される。なお、図13に示すように、突片252に対向する突片252a,252aをさらに設けて、この突片252aと突片252との間にピン受け部213とピン113とを挟み込む構造とすると、より確実にピン113を固定することができる。
【0100】
さらに、サイドカバー250,260には、矩形の穴253,263が開けられている。この穴253,263には、側部210,220の外方に一体的に形成されたガイドブロック215,225が貫通される。なお、サイドカバー250には、トナー搬送手段の逃がし穴254が形成されている。
【0101】
ケース本体Aには、ローラカバー270が着脱可能に装着される。装着された状態は図2に示されている。同図に示すように、このローラカバー270は、露光L1を通過せせるためのスリット状の窓271と、除電光L2と帯電ローラ160(帯電部)との間を遮蔽する遮蔽板272とを有している。
【0102】
そしてこの遮蔽板272に、前述した取付部材273,273が設けられ、その軸274,274にブレードホルダ174を介してクリーナブレード171が回動可能に取り付けられている。
【0103】
したがって、ローラカバー270をケース本体Aから取り外すと、帯電ローラ160が露出すると同時にクリーナブレード171も取り外されることとなり、ローラカバー270をケース本体Aに装着すると、帯電ローラ160がローラカバー270で覆われると同時にクリーナブレード171も装着されることとなる。
【0104】
ローラカバー270は、ケース本体Aの主連結部230における側面視(図2)で屈曲した上部232に適合する形状の取付部275を有しており、この取付部275を主連結部230の前記上部232に接合することによってケース本体Aに装着される。取付部275と前記上部232との接合手段は、適宜の手段、例えば、ネジ止め、爪部とこれに係合する係合穴とによる係合等を採用することができる。また、前記上部232の上面には、図2に示すように位置決め用のピン233を設け、取付部275にはこのピン233に嵌まり合う穴276を設けることが望ましい。
【0105】
以上のようにして組み立てられた像担持体カートリッジ100は、図14に示すようにして、画像形成装置のフレーム82に着脱可能に装着される。
【0106】
フレーム82および後述するレバー84は相平行してそれぞれ一対設けられているが、図14においては一方のみ示してある。
【0107】
フレーム82には、ガイド溝83が形成されているとともに、着脱操作用のレバー84が設けられている。
【0108】
ガイド溝83は、その幅が、像担持体カートリッジ100の軸110の外径およびガイドブロック215の後端部215aの厚さ(高さ)hと同じに構成されており、また、その始端部は傾斜状の幅広に形成されている。
【0109】
なお、ガイドブロック215(および225)の後端部215aの高さhは軸110の外径と同じに形成されているが、前部215bの高さh’は、若干小さく形成されている。
【0110】
レバー84は、軸85でフレーム82に対して回動可能に取り付けられており、摘み部84aと、軸110の保持部84bと、軸110との当接部84cとを備えている。
【0111】
レバー84を仮想線で示すように回動させたとき、保持部84bは、ガイド溝83に案内される軸110(突出部112)の移動経路から退避し、当接部84cは、前記移動経路の終端部近くに臨む。
【0112】
したがって、像担持体カートリッジ100を、その軸110の突出部112,112およびガイドブロック215,225をガイド溝83に沿わせるようにして押し込むと、軸110の突出部112が当接部84cに当接してこれを押すことによって、レバー84は、当接部84cが軸110の突出部112で押される分だけ図において反時計方向に回動する(この状態は図示していない)。なお、ガイドブロック215(および225)の前部215bの高さh’は、ガイド溝83の幅よりも若干小さく形成されているので、ガイドブロック215,225をガイド溝83,83に容易に挿入することができる。
【0113】
その後、レバー84をさらに反時計方向に回動させると、図に実線で示すように、軸110がガイド溝83の終端部と保持部84bとで挟圧保持されて固定されるとともに、ガイドブロック215,225がガイド溝83,83に嵌まり込んでいることによって、像担持体カートリッジ100の軸110回りの位置決めがなされ、像担持体カートリッジ100のフレーム82への装着が完了する。ガイドブロック215(および225)の後端部215aの高さhは、ガイド溝83の幅と同じに形成されており、ガイド溝83に隙間なく嵌まり込むので、位置決めが高精度になされる。なお、レバー84を実線で示すように回動させると、当接部84cは軸110から離間する。
【0114】
像担持体カートリッジ100を取り外す際には、レバー84を仮想線で示すように回動させると、当接部84cが軸110を押し出すように作用するので、像担持体カートリッジ100を容易に取り出すことができる。
【0115】
レバー84とフレーム82との間には、引っ張りバネ86が設けられており、この引っ張りバネ86の力の作用線は、レバー84を仮想線で示すように回動させたときと、実線で示すように回動させたときとで、レバー84の回動中心である軸85を跨ぐように構成されている。
【0116】
したがって、レバー84を仮想線で示すように回動させると、引っ張りバネ86の作用によって、レバー84は仮想線で示す位置に保持される。一方、実線で示すように回動させると、レバー84は実線で示す位置に保持されるとともに、引っ張りバネ86の作用で、像担持体カートリッジ100がフレーム82に確実に保持される。
【0117】
なお、像担持体カートリッジ100は、フレーム82に対して図14および図1において左方から装着されるが、画像形成装置のフレーム82およびケース80は、図1におけるB−B線すなわち像担持体カートリッジ100と露光ユニット40との間で分離され得るようになっている(例えば露光ユニット40側が左方にスライド可能となっている)ので、像担持体カートリッジ100の着脱を容易に行なうことができる。図14および図4に示すように、像担持体カートリッジ100には、その着脱を容易にするための摘み231,231がケース本体Aに設けられている。
【0118】
以上のような像担持体カートリッジは、図1に示すように、画像形成装置に組み込まれると、駆動用のギア190に画像形成装置本体の駆動ギア(図示せず)が噛み合うことによって、その像担持体140が矢印方向に回転駆動される。
【0119】
上述したような像担持体カートリッジ100によれば、次のような作用効果が得られる。
【0120】
(a)帯電ローラ160を覆うカバー270は、帯電ローラ160とは独立して像担持体カートリッジ100に組み付けられるため、組立時には先ず帯電ローラ160だけを像担持体カートリッジ100に組み込んで、クリーナブレード171が取り付けられていない状態で像担持体ユニット101を駆動させ、帯電ローラ160の像担持体ユニット101に対する回転従動性を確認することができる。
【0121】
さらに、クリーナブレード171が、帯電ローラ160を覆うカバー270に取り付けられているので、カバー270とクリーナブレード171とを同時に像担持体カートリッジ100に組み込むことができる。
【0122】
したがって、クリーナブレード171のめくれや破損を招くことなしに、帯電ローラ160の像担持体ユニット101に対する回転従動性を従来に比べて容易に確認することができるとともに、像担持体カートリッジ100の組立作業を簡略化することができる。
【0123】
(b)クリーナブレード171が、帯電ローラ160を覆うローラカバー270に取り付けられているので、このカバー270を取り外すと、帯電ローラ160が露出すると同時にクリーナブレード171も取り外されることとなる。
【0124】
したがって、帯電ローラ160とクリーナブレード171とを同時にクリーニングし得る状態となり、これらのクリーニング作業を従来に比べて著しく簡略化することができる。
【0125】
(c)感光体140は、その表面に除電光L2が一様に照射されて除電された後に帯電ローラ160によって表面が一様に帯電させられるので、一様な帯電が良好になされることとなる。
【0126】
しかも、クリーナブレード171は、除電光L2の光路を遮らない取付部材273を介してローラカバー270に取り付けられているので、感光体140表面の除電が確実になされることとなる。
【0127】
(d)ローラカバー270は、除電光L2と帯電ローラ160との間を遮蔽する遮蔽板272を有しているので、除電光L2の帯電部への悪影響を防止することができる。
【0128】
しかも、この遮蔽板272に前記取付部材273すなわちクリーナブレード171が設けられているので、その構造の簡素化を図ることができる。
【0129】
【実施例】
<各部材の固定軸110回りの位置に関し:図2参照)
帯電位置(感光体140に対する帯電ローラ160の当接位置)を基準とし(すなわち0゜とし)、感光体140の回転方向に関して、
露光位置(露光L1による書き込み位置)を17.4゜程度、
第1現像位置(感光体140に対する現像ローラ11Yの当接位置)を53.4゜程度、
第2現像位置(感光体140に対する現像ローラ11Cの当接位置)を95゜程度、
第3現像位置(感光体140に対する現像ローラ11Mの当接位置)を138.9゜程度、
第4現像位置(感光体140に対する現像ローラ11Kの当接位置)を180.2゜程度、
一次転写部T1の位置を251.5゜程度、
すくいシート177の先端位置を317゜程度、
クリーナブレード171の当接位置を324゜程度、
除電光L2による除電位置を336゜程度、
に設定する。
【0130】
<感光体カートリッジ100に関し>
感光体140に関し
(1)感光体140の基材140bとしては、電鋳法にて作製したニッケルシームレス管を用い、その厚さは、40μm程度とする。
【0131】
基材の厚さが小さすぎると、剛性(自らが形状を保持する強さ)が弱くなり、円筒度不良や現像ローラ等の当接部材との当接不良が生じる。したがって、基材の厚さは、0.04mm以上とすることが望ましい。
【0132】
一方、基材の厚さが大きすぎると、良好な可撓性が得られ難くなるとともに、当接部材との当接によって生じる応力も大きくなってしまう。また、電鋳時間が長くなることから、製造コストも増大してしまう。したがって、基材の厚さは、0.05mm以下とすることが望ましい。
【0133】
そこで、この実施例では、基材の厚さを、40μm程度とする。
【0134】
(2)感光層140cは、下引き層(UCL)と、電荷発生層(CGL)と、電荷輸送層(CTL)とで構成し、各層の厚さは次のようにする。
【0135】
下引き層を1〜2μm程度、電荷発生層を0.5μm程度、電荷輸送層を15〜30μ程度とする。
【0136】
感光層は、クリーナブレード171等の当接部材との当接によって摩耗して行くため、感光層の膜厚が薄すぎると、寿命が短くなってしまう。したがって、感光層の膜厚は、0.015mm以上であることが望ましい。
【0137】
一方、感光層が厚くなると、電荷が分散し易くなり、高解像度が得られなくなってしまう。この実施例では、600dpi以上の解像度が得られるようになっており、そのためには、感光層の膜厚は、0.0325mm以下であることが望ましい。
【0138】
そこで、この実施例では、感光層の膜厚を、上記の通りとする。
【0139】
(3)感光体140の直径(外径)は、φ85.5mm程度とする。
【0140】
図1に示した画像形成装置は、A3ノビサイズの用紙に画像を形成することができるものであり、したがって連続して供給される用紙に対して連続して画像を形成するためには、用紙間の間隔(先行する用紙の後端と後続する用紙の先端との距離)を考慮すると、中間転写ベルト36の外周長さは直径にして、φ171mm以上必要である。
【0141】
一方、中間転写ベルト36上に形成されるY,C,M,Kのトナー像のベルト進行方向における相対的な位置誤差を小さくし、部品の公差を緩くするためには、中間転写ベルト36の直径と感光体140の直径とを整数比とし、感光体140上に形成される画像の感光体140に対する位置が各色で同一にすることが望ましい。
【0142】
他方、4つの現像手段10(Y,C,M,K)を感光体140の周りに配置することができるようにするためには、感光体140の直径はφ60mm以上とすることが望ましいけれども、装置の小型化を図るためにはできるだけ小さくする方が望ましい。
【0143】
そこで、この実施例では、感光体140の直径(外径)をφ85.5mm程度とする。
【0144】
しかしながら、連続して供給される用紙間の間隔を小さくし、あるいは大きくすることにより、感光体140の直径は、φ80〜90mmの範囲とすることができる。
【0145】
(4)感光体140の軸線方向長さは、410±0.2mm程度とする。
【0146】
帯電ローラ160等の当接によって撓む感光体140に永久変形が生じないようにするためには、感光体140の被支持部と帯電ローラ160の端部との間の距離あるいは現像ローラ11の端部との距離を30mm程度とすることが望ましい。
【0147】
そこで、この実施例では、感光体140の長さを、410±0.3mm程度とする。
【0148】
なお、帯電ローラ160等の長さについては後述する。
【0149】
(5)感光体140のクリーナブレード171に対する摩擦係数は、1.0以下とする。具体的には、0.5〜1程度とする。
【0150】
摩擦係数が1.0を越えると、感光体140の駆動トルクが増大するからである。
【0151】
(6)感光体ユニット101に組み込まれた状態での感光体140の円筒度を、0.05mm以下とする。
【0152】
現像ローラ11の感光体140に対する食い込み深さを0.15mm程度として安定した当接状態を得るためである。
【0153】
(7)感光体140の接地構造は、次のようにする。
【0154】
図6において、バックアップドラム150の円筒部材152を導電性材料(例えばアルミニウム)で構成するとともに、軸110も導電性材料(例えばステンレス)で構成し、側板151の内側面に、円筒部材152と軸110とを電気的に接続する導通部材157を設ける。この導通部材157は、その両端が円筒部材152と軸110とに接触する、例えば、ステンレス製の板バネで構成する。
【0155】
軸110の端部には、同じくステンレス製の板バネ等からなる導通部材87を接触させる。この導通部材87は、接地されている画像形成装置のフレームに取り付ける。
【0156】
したがって、感光体140は、その導電性基材140bの内周面→バックアップドラム150の円筒部材152→導通部材157→軸110→導通部材87→フレームを介して接地される。
【0157】
軸110に関し
軸110は金属製の軸で構成する。例えばステンレス製の軸で構成する。
【0158】
直径はφ12mm程度、長さは490mm程度とする。
【0159】
バックアップドラム150に関し
バックアップドラム150の側板151は合成樹脂、円筒部材152はアルミパイプで構成する。
【0160】
バックアップドラム150の半径方向の位置精度は、±100μm程度とすることが望ましい。また、円周方向(像担持体140の回転方向)の位置精度は、±1゜以内程度とする事が望ましい。
【0161】
なお、偏心ブッシュ154は合成樹脂で構成する。
【0162】
帯電ローラ160に関し
(1)帯電ローラ160は、表面層を有する2層のゴムローラとする。
【0163】
表面層を設けるのは、感光体140を侵す物質のブリードアウトを防止するためである。また、帯電ローラ160の抵抗値を制御するためである。
【0164】
中心側の層は、金属塩(過塩素酸リチウム)をウレタンやナイロン樹脂に分散させたイオン導電性ゴム(NBR)とする。抵抗値の電圧、電流依存性を小さくするためである。
【0165】
表面層は、ウレタンやナイロン樹脂にSNO、カーボンブラックを分散させたものを用いる。
【0166】
(2)帯電ローラ160の直径はφ14mm程度とし、軸161の直径はφ10mm程度とする。
【0167】
長さ371mmのシャフトの変形を防止するにはφ10mm程度の径が必要である。
【0168】
そこで、この実施例では、軸161の直径をφ10mm程度とし、ゴム厚を2mm程度として、帯電ローラ160の直径をφ14mm程度とする。
【0169】
(3)帯電ローラ160の抵抗値は1×10〜5×10Ωとする。
【0170】
抵抗値が1×10Ω以下であるとピンホールに対応できなくなるし、5×10Ω以上であると帯電能力が低下するからである。
【0171】
(4)帯電ローラ160への印加電圧は、−1〜1.5kV程度とする。この電圧は、画像形成装置本体の制御部90によって最適に制御される。
【0172】
(5)帯電ローラ160の駆動方法は、感光体140に従動させる方法、すなわち感光体140によって駆動される方法とする。
【0173】
感光体140と帯電ローラ160とが相対的に摺動して(滑って)電荷注入による帯電むらが発生するのを抑えるためである。
【0174】
また、構造が簡単で安価に作成することができるからである。
【0175】
(6)帯電ローラ160の感光体140へ向けての圧縮コイルバネ163,163による押圧力は1.4gf/mm程度とする。
【0176】
押圧力が大きすぎると感光体140へ与える応力が大きくなりすぎるからであり、押圧力が小さすぎると、感光体140との安定した当接状態および従動が得られなくなるからである。
【0177】
そこで、この実施例では、押圧力を1.4gf/mmとする。
【0178】
(7)電極構造は、図11に示すように、軸161の一端161aを半球状に形成し、これに導電性部材(例えばステンレス、りん青銅)からなる板バネ164を圧接させる。板バネ164は、カートリッジケース本体Aの側部220に取付け、その一端164aを、画像形成装置本体の、板バネからなる電極部材88に圧接させる。この電極部材88を介して上記電圧が帯電ローラ160に印加される。
【0179】
(8)帯電ローラ160の長さは371±0.5mm程度とする。
【0180】
クリーニング手段170に関し
(1)クリーナブレード171の長さは370±0.5mmとする。
【0181】
(2)ブレード171の材質はウレタンゴムとする。
【0182】
耐摩耗性に優れ、安価だからである。
【0183】
(3)ブレード171の硬度は、60゜〜80゜(JIS A)とする。
【0184】
硬すぎると感光体140の摩耗が激しくなり、柔すぎるとブレードの摩耗が激しくなるからである。
【0185】
(4)ブレード171の厚さは2〜3mm程度、自由長(ブレードホルダ174で指示されていない部分の長さ)は8〜10mm程度とする。
【0186】
(5)ブレード171の使用稜線粗さは、Rmax10μm以下とする。
【0187】
クリーニング性を確保するためである。
【0188】
(6)ブレード171の感光体140に対する当接圧力は、20〜40g/cmとする。
【0189】
当接圧が大きすぎると、ブレード171との摩擦によって感光体140が摩耗し易くなり、感光体140の寿命が短くなるからである。また、感光体140の駆動トルクが増大するとともに、感光体140の応力も増大するからである。
【0190】
逆に、当接圧が小さすぎると、クリーニング性が低下するとともに、感光体フィルミングの防止が困難になるからである。
【0191】
(7)ブレード171の感光体140に対する当接角度θ1(図9参照。当接部における感光体140に対する接線とクリーナブレード171とのなす角度)は、15〜30゜とする。
【0192】
当接角度θ1が大きすぎると、クリーニング性が低下し、これを向上させるためには当接圧を増大させなければならなくなるからである。
【0193】
逆に、当接角度θ1が小さすぎると、ブレード171の位置精度の範囲内において腹当て状態にならない、すなわち、ブレードの稜線が感光体140に確実には当接しなくなるのを防止するためにブレードの位置精度を厳しくしなければならないからである。
【0194】
(8)ブレードホルダ174の回転支点位置の角度θ2(図9参照。前記接線と、回転支点211と当接部とを結んだ線とのなす角度)は、30〜40゜とする。
【0195】
(9)シール部材176は、フォームシートで構成する。
【0196】
(10)すくいシート177は、PETフィルムで構成する。
【0197】
厚さは100μm程度、自由長は6.6mm程度、撓み量は1mm程度、感光体140への当接角度は0゜とする。
【0198】
(11)トナー搬送スクリュー173の回転速度は、60rpm程度とする。
【0199】
回転速度が速すぎると、駆動系の負荷が増大するとともに、振動の抑制が困難となるからである。
【0200】
逆に、回転速度が遅すぎると、廃トナーの搬送量が確保できなくなる、例えば、黒べた印字時に生じる比較的多量の廃トナーを確実に搬送することが困難となるからである。
【0201】
そこで、この実施例では、スクリューの回転速度を60rpmとする。
【0202】
ギア190に関し
ギア190はポリアセタールで構成する。金属に比べて制振性が高く、成形により製作可能であり型の精度を高めることによって金属の切削加工より高精度化が可能であり、しかも安価に作成できるからである。
【0203】
ギア190のピッチ円直径はφ60mm程度とする。
【0204】
モジュールは0.8程度とする。
【0205】
ジッタ対策上、モジュールを大きくし過ぎると、噛み合い率が小さくなって、安定したトルク伝達ができなくなる。逆に、モジュールを小さくし過ぎると、部材の公差や熱膨張による歯車と歯車の軸間距離の変動に対して噛み合い率の変動が大きくなってしまう。
【0206】
そこで、この実施例では、ギア190のモジュールを0.8程度とする。
【0207】
歯形は、噛み合い率を上げるために高歯の平歯車とし、歯形精度はJGMA1級とする。
【0208】
<像担持体カートリッジ100の保持力に関し,図14参照>
一対の引っ張りバネ86,86による像担持体カートリッジ100の保持力は、ギア190側で4〜6kgf,その反対側で2〜3kgfとする。
【0209】
ギア190側の保持力を大きくするのは、ギア190が受ける反力によって像担持体カートリッジ100が外れないようにするためである。
【0210】
また、上記のバネ力によって、着脱操作時のクリック感が得られるとともに、スムーズな着脱が可能となる。
【0211】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態あるいは実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0212】
例えば、上記実施の形態では像担持体として、ユニット化された像担持体ユニット101を用いたが、通常のドラム形の像担持体についても、この発明は適用可能である。
【0213】
【発明の効果】
請求項1,2記載のいずれの像担持体カートリッジによっても、クリーナ部材の破損を招くことなしに、帯電ローラの像担持体に対する回転従動性を従来に比べて容易に確認することができるとともに、像担持体カートリッジの組立作業を簡略化することができる。また、像担持体の一様な除電および帯電が良好になされることとなる。
【0214】
さらに、請求項2記載の像担持体カートリッジによれば、除電光の帯電部への悪影響を防止することができる。しかも、クリーニング部材の取付構造の簡素化も図ることができる。
【0215】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る像担持体カートリッジの一実施の形態を用いた画像形成装置の一例を示す概略図。
【図2】像担持体カートリッジおよびその周辺の部分切断拡大図。
【図3】図2におけるIII−III拡大部分断面図。
【図4】像担持体カートリッジの分解斜視図。
【図5】別角度から見た部分省略分解斜視図。
【図6】像担持体ユニット101の断面図。
【図7】図6の部分拡大図。
【図8】像担持体カートリッジ100の断面図。
【図9】図8の部分拡大図。
【図10】主としてトナー搬送スクリュー173を示す平面図。
【図11】主として帯電ローラ160を示す平面図。
【図12】主として像担持体ユニット101のカートリッジケース200本体Aへの組み込み方向を示す部分断面図。
【図13】主として、ピン113の固定構造を示す部分断面図。
【図14】像担持体カートリッジ100の画像形成装置のフレーム82に対する着脱構造を示す部分省略側面図。
【図15】従来技術の説明図。
【符号の説明】
L2 除電光
100 像担持体カートリッジ
101 像担持体ユニット(像担持体)
160 帯電ローラ
171 クリーナブレード(クリーニング部材)
200 カートリッジケース
A ケース本体
270 ローラカバー(カバー)
272 遮蔽板
273 取付部材

Claims (2)

  1. 回転駆動され、表面に除電光が一様に照射されることによりその表面が除電される像担持体と、除電がなされた後に像担持体の表面を一様に帯電させる帯電ローラと、前記像担持体の表面に残留している現像剤を掻き落とすクリーニング部材と、前記帯電ローラを覆うカバーとを有する像担持体カートリッジであって、
    前記カバーには、前記クリーニング部材が前記除電光の光路を遮らない取付部材を介して取り付けられているとともに、このカバーが前記帯電ローラとは独立して像担持体カートリッジに組み付けられることを特徴とする像担持体カートリッジ。
  2. 前記カバーは、前記除電光と帯電ローラとの間を遮蔽する遮蔽板を有しており、この遮蔽板に前記取付部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の像担持体カートリッジ。
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