JP3603525B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置、およびこれに用いられる感光体ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いた画像形成装置は、外周面に感光層を有する感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段と、この現像手段により現像されたトナー像を用紙等の転写媒体に転写させる転写手段とを有している。
【0003】
感光体としては、外周面に感光層が形成された硬質の感光体ドラムと、表面に感光層が形成された可撓性を有する感光体ベルトとが一般に知られている。
【0004】
また、帯電手段、現像手段、および転写手段としては、それぞれ、前記感光体の表面に接触させるローラ状のものが知られており、そのローラとしては、硬質のものと軟質ゴムからなるものとが知られている。
【0005】
感光体として硬質の感光体ドラムを用い、またこれに接触させるローラとしても硬質のものを用いる場合には、感光体ドラムおよび硬質ローラを高精度に製造するには自ずと限界があり、必ず誤差が生ずるから、両者を均一に接触させることは困難である。両者が均一に接触しないと、局部的に隙間が生じて帯電むら、現像むら、転写むらが生じたり、必要以上に強く圧接されて感光ドラムや硬質ローラに傷がついたりするという問題が生ずる。
【0006】
したがって、感光体とこれに接触させるローラとを両者とも硬質のもので構成するということは通常行なわれておらず、感光体として硬質の感光体ドラムを用いる場合には、ローラを軟質ゴムで構成する、ローラとして硬質のものを用いる場合には、感光体として可撓性を有する感光体ベルトを用いる、ということが行なわれている。
【0007】
しかしながら、感光体に接触させるローラを軟質ゴムで構成した場合には、次のような問題があった。
【0008】
感光体に接触させる帯電ローラ等をゴムローラで構成する場合には、これに導電性を付与するために、カーボン等の導電性粒子を分散させるということが行なわれるが、カーボン分散度のムラやバラツキでゴム硬度が変化し、ローラ表面における硬度がばらつくために、感光体に対する良好な密着状態が得られなくなるという問題があった。
【0009】
逆に、感光体に対する良好な密着状態を得るべく、カーボンの分散量を小さくすると、導電性にバラツキが生じ、帯電むらの原因になるという問題があった。
【0010】
また、柔軟性を高めるために、配合剤として可塑剤を加えたものを用いると、長期間の使用や使用環境によって、可塑剤が表面に滲み出してくる場合があり、この可塑剤が感光体に付着して感光体中の光導電材料が変性したり、ローラに感光体が張り付いて感光体表面が剥がれてしまうという問題があった。
【0011】
このような問題は、ローラとして硬質のものを用い、感光体として可撓性を有する感光体ベルトを用いることにより解決することができる。
【0012】
しかしながら、感光体として感光体ベルトを用いた場合には、これを支持するために少なくとも2本の支持ローラが必要なために、構造が複雑になるばかりでなく装置が大型化してしまうという問題があった。
【0013】
以上のような問題を全て解決しようとしたものとして、従来、特公平4−69383号(特開昭59−192260号)公報記載の感光体ドラムが知られている。
【0014】
この特公平4−69383号公報記載の感光体ドラムを、図15〜図17に示す。
【0015】
この感光体ドラム1は、回転軸2と、この回転軸2に支持され、かつフリー状態で円筒状をなす弾性変形可能な弾性材料層3と、この弾性材料層3のまわりに装着された外側層4とを有している。外側層4は、弾性変形可能な感光体支持層5と、この支持層5の表面に支持された感光層6とを有している。弾性材料層3は、回転軸2と外側層4との間に、実質的に隙間を形成することなく充填されている。
【0016】
このような感光ドラム1は、弾性変形可能な外側層4と、弾性材料層3とを有しているため、その表面に外力が加えられると、この表面は弾性変形することが可能である。
【0017】
図15において、7は帯電チャージャ、10は現像ローラ、13は転写チャージャである。
【0018】
画像形成時には、感光体ドラム1が図15における時計方向に回転駆動され、帯電チャージャ7によってドラム1の感光層6が所定の極性に帯電される。この帯電部分に光8が照射されることによりドラム1上に静電潜像が形成される。この潜像は、図中矢印方向に回転する現像ローラ10に担持されるトナーにより現像されて可視像化され、転写チャージャ13によって転写紙12に転写される。
【0019】
なお、図15において、14は分離チャージャ、15はクリーニングブレード、16は除電チャージャである。
【0020】
以上のような構成によれば、感光ドラム1の表面が弾性変形可能であるため、現像ローラ10を感光体ドラム1に押し付け、感光ドラム1の表面をその半径方向に弾性変形させることができる。このため、感光ドラム1および現像ローラ10の周面がその中心軸線に対し多少偏心し、あるいはこれらの外径に多少製造上のバラツキがあったり、また、現像ローラ10の少なくとも表面が剛体からできていても、ドラム表面や現像ローラに傷を付けるといった不都合を伴うことなく、現像ローラ10上のトナーを感光体ドラム1に従来よりも確実かつ安定した状態で接触させることができ、現像ローラ10上のトナーと、ドラム1の表面とに大きな間隙ができることによる可視像の画質低下を抑制することができる。
【0021】
すなわち、この感光ドラム1によれば、硬質の現像ローラを用いても、感光ドラムや現像ローラに傷がつくということがなく、また、装置の大型化も防止することができる。
【0022】
なお、この感光ドラムと同様な感光ドラムは、特開昭58−90655号公報にも開示されている。
【0023】
一方、特開昭58−86550号公報には、軽量化および誘導渦電流の発生防止を図る目的で、図18に示すように、電鋳法によって作成した厚さ0.01〜2mmの非磁性金属からなる無端ベルトをドラム基体31とし、このドラム基体31の上に像担持層(光導電性物質層)32を形成し、ドラム基体31の両端を円板状の端板33で支持したドラム状感光体部材が開示されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図15〜図17参照)は、回転軸2と外側層4との間に、弾性材料層3を、実質的に隙間を形成することなく充填した構成であるため、次のような問題を有している。
【0025】
感光層6は弾性材料層3の上に形成されているため、感光層6は軸線方向に微小な力で変位する。感光層6には、これと圧接する現像ローラ10やクリーニングブレード15等の圧接部材が配設されるため、感光層6の回転軸と圧接部材の軸等が傾いていたり、圧接力が軸方向において不均一であったりすると、感光層6は軸線方向にスラスト力を受け、このスラスト力によって軸線方向に変位することとなる。そして、このスラスト力は変動するため、感光層6に形成された画像も軸線方向に変位することとなり、結果として、軸線方向における画像の位置精度が劣化するという問題がある。特に、多色の色重ねを行なう場合には、色重ね精度の劣化が色相のズレとなって、画像が著しく劣化するという問題がある。
【0026】
また、このような感光体ドラム1を製造する方法としては、
(1)先ず、感光層支持層5上に感光層6を形成した外側層4を作製し、次いで、軸2と外側層4とを所定間隔になるように配置し、軸2と外側層4との空間に、加熱された弾性材料を流し込んで弾性材料層3を形成することにより製造する方法
(2)先ず、軸2と感光体支持層5とを所定間隔になるように配置して軸2と感光体支持層5との空間に、加熱された弾性材料を流し込んで弾性材料層3を形成し、次いで、感光層支持層5上に感光層6を形成することにより製造する方法
(3)外側層4の内径よりも多少大きな外径を有する筒状弾性部材を作製し、この筒状弾性部材を、径方向に圧縮した状態で外側層4内に挿入することによって弾性材料層3を形成することにより製造する方法
が考えられる。
【0027】
しかし、上記(1)の方法では、外側層4の表面に感光層6が形成された状態で、外側層4の内部に、加熱した弾性材料を流し込むという作業が行なわれることとなるから、熱等によって感光体特性が劣化するという問題がある。また、感光層6の表面に傷が付いたり、異物(弾性材料等の異物)が付着するおそれがある。
【0028】
上記(2)の方法では、弾性材料層3が形成された後に感光層6が形成されることとなるから、感光層塗工時の洗浄液や塗工液によって弾性材料層3の膨潤、溶解、あるいは硬化が生じ、その結果、弾性材料層としての機能が低下するおそれがある。
【0029】
したがって、上記(1)(2)の方法では所望の感光体ドラム1を得ることが極めて困難である。
【0030】
また、上記(3)の方法では、筒状弾性部材が圧縮状態から解放されて外側層4に向け膨張する過程で、不均一に膨張するおそれがある。このため、軸2と外側層4との同軸度が損なわれ、感光体ドラム1が回転した際の振れが非常に大きくなるおそれがある。画像形成装置においては、感光体の周囲に、感光体と当接する帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の当接部材が配置されるため、感光体の振れが大きくなると、感光体と当接部材との接触状態が不安定になり、画像ムラが発生するという問題が生じる。
【0031】
一方、前述した特開昭58−86550号公報記載のドラム状像担持体部材(図18参照)において、そのドラム基体31が内方に容易に撓むことができるように構成すれば、このドラム基体31を疑似軟質材として利用することができるようになると考えられ、上記特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図15〜図17参照)における問題が解決されることが期待できる。
【0032】
しかしながら、この特開昭58−86550号公報には、ドラム基体31を疑似軟質材として利用することについては何等記載されていない。
【0033】
また、近年では、画像形成装置における主要部分をユニット化することがなされているが、その点についても同公報には何等記載されていない。
【0034】
本発明は以上のような問題を解決しようとするもので、その目的は、当接部材が硬質ローラ等の硬質部材であってもこれと確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単な感光体ユニット、およびこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、外周面に感光層が形成された可撓性を有する薄肉円筒状の感光体と、この感光体の内径よりも小さな外径を有していて感光体の内方に配置されている円筒部材と、この円筒部材上に前記感光体の両端部を支持する支持部材と、前記感光体の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電ローラと、これら各部材を保持するフレームとを備えた感光体ユニットと、前記帯電ローラにより一様に帯電させられた感光体の外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像する現像ローラと、この現像ローラにより現像された像を転写媒体に転写させる転写手段と、前記感光体の外周面に当接して当該感光体の内周面が前記円筒部材の外周面に当接するまで感光体を押圧して前記転写後に感光体の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレードとを備えた画像形成装置であって、
前記支持部材は、感光体の両端部を円筒部材上に固着する固着部材と、感光体の軸線方向において固着部材よりも内側において円筒部材と感光体との間に円環状に介装された、弾性突起を有するスペーサとを備えているとともに、
前記支持部材によって支持される感光体の被支持部と、前記帯電ローラの端部との距離が、前記帯電ローラの当接によって撓む感光体に永久変形が生じない長さに設定されており、
前記帯電ローラの外周端部が面取りされているとともに、当該帯電ローラの軸線方向長さが前記クリーナブレードの長さよりも長く構成されていることを特徴とする。
【0038】
【作用効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0039】
(a)感光体は、外周面に感光層が形成された可撓性を有する薄肉円筒状であり、その両端部が支持部材によって支持された構成となっているので、感光体は、支持部材によって支持されていない中央部分が内方に変形可能である。
【0040】
したがって、この感光体の中央部分は、いわば疑似軟質材として利用することが可能であるため、これに当接される帯電ローラが硬質ローラであっても、確実で安定した接触状態を得ることができ、確実に感光体上に像を形成し、あるいは像を担持させることができる。
【0041】
(b)可撓性を有する薄肉円筒状の感光体と、この感光体の両端部を支持する支持部材と、前記感光体の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電ローラとがフレームで保持されてユニット化されているので、これら感光体等の取扱いが容易になる。
【0042】
感光体と、これに当接する帯電ローラとをユニット化した場合において、何等の手段も講じないとすると、感光体は帯電ローラに押圧されて撓み、永久変形してしまうおそれがあるが、この請求項1記載の構成によれば、支持部材によって支持される感光体の被支持部と、帯電ローラの端部との距離が、帯電ローラの当接によって撓む感光体に永久変形が生じない長さに設定されているので、感光体と帯電ローラとがユニット化されているにもかかわらず、感光体に永久変形が生じるおそれがなくなる。
【0043】
(c)感光体は、その両端部が支持部材で支持される構成であり、前述した特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図15〜図17参照)のように弾性材料層を充填する必要がないから、簡単に製造することが可能である。
【0044】
また、請求項記載の感光体ユニットによれば、前記帯電ローラの外周端部が面取りされているので、感光体の永久変形がより確実に防止される。
【0045】
請求項記載の画像形成装置によれば、帯電ローラにより一様に帯電させられた感光体の外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像する現像ローラと、この現像ローラにより現像された像を転写媒体に転写させる転写手段とを備えているので、上記感光体上に像を形成し、担持させ、転写媒体に転写させることができる。
【0046】
しかも、前記感光体ユニットにおける支持部材によって支持される感光体の被支持部と、前記現像ローラの端部との距離が、現像ローラの当接によって撓む感光体に永久変形が生じない長さに設定されているので、感光体に永久変形が生じるのを一層確実に防止することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0048】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る感光体ユニットおよび画像形成装置の第1の実施の形態を示す模式図である。
【0049】
先ず、この画像形成装置の概要について説明し、次いで、主として感光体ユニットについて詳しく説明する。
【0050】
この画像形成装置は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0051】
図1において、50は装置本体のケースであり、このケース50内に、露光ユニット60、給紙装置70、感光体ユニット100、現像ユニット200、中間転写ユニット300、定着ユニット400、およびこの装置全体の制御を行なう制御ユニット80、等が設けられている。
【0052】
感光体ユニット100は、後に詳しく説明するが、感光体110と、この感光体110の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ120と、クリーニング手段130とを有している。
【0053】
現像ユニット200は、イエロー用の現像手段210Y、シアン用の現像手段210C、マゼンタ用の現像手段210M、ブラック用の現像手段210Kを備えている。これら各現像手段210Y,210C,210M,210Kは、それぞれ内部にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナーを内蔵しており、いずれか1つの現像手段のみが感光体110に当接し得るようになっている。211(Y,M,C,K)は感光体110と当接する現像ローラであり、表面を粗面化した金属ローラ、または、硬質の樹脂ローラで構成されている。
【0054】
中間転写ユニット300は、駆動ローラ310と、1次転写ローラ320と、皺取りローラ330と、テンションローラ340と、バックアップローラ350と、これら各ローラの回りに張られた無端状の中間転写ベルト360と、この中間転写ベルト360に対して接離可能なクリーニング手段370とを有している。
【0055】
バックアップローラ350には、2次転写ローラ380が対向配置されている。この2次転写ローラ380は、支軸381で揺動可能に支持されたアーム382に回転可能に支持されており、アーム382が、カム383の作動で揺動することによって、中間転写ベルト360に対して接離するようになっている。
【0056】
駆動ローラ310は、その端部に歯車311(図8参照)が固定されており、この歯車が、感光体ユニット100の歯車(図8の144参照)と噛み合っていることによって、感光体100と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト360が感光体110と略同一の周速で循環駆動されるようになっている。
【0057】
中間転写ベルト360が循環駆動される過程で、1次転写ローラ320と感光体110との間において、感光体110上のトナー像が中間転写ベルト360上に転写され、中間転写ベルト360上に転写されたトナー像は、2次転写ローラ380との間に供給される用紙等の記録媒体Sに転写される。記録媒体Sは、給紙装置70から供給される。
【0058】
給紙装置70は、複数枚の記録媒体Sが積層状態で載置されるトレイ71と、ピックアップローラ72と、トレイ71上に載置された記録媒体Sをピックアップローラ72に向けて付勢するホッパ73と、ピックアップローラ72により給送される用紙を確実に1枚ずつに分離する分離ローラ対74とを有している。
【0059】
給紙装置70により給送された記録媒体Sは、第1搬送ローラ対91、第1用紙センサ91S、第2搬送ローラ対92、第2用紙センサ92S、ゲートローラ対93を経て前記第2転写部すなわち中間転写ベルト360と2次転写ローラ380との間に供給され、その後、定着ユニット400、第1排紙ローラ対94、第2排紙ローラ対95を経てケース50上に排出される。
【0060】
定着ユニット400は、熱源を有する定着ローラ410と、これに圧接されている加圧ローラ420とを有している。
【0061】
以上のような画像形成装置全体の作動は次の通りである。
【0062】
(i)図示しないホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が制御ユニット80に入力されると、感光体110および中間転写ベルト360が回転駆動される。
【0063】
(ii)感光体110の外周面が帯電ローラ120によって一様に帯電される。
【0064】
(iii)一様に帯電した感光体110の外周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光Lがなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0065】
(iv)感光体110には、第1色目(例えばイエロー)用の現像手段210Yのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体110上に形成される。
【0066】
(v)感光体110上に形成されたトナー像が、1次転写部すなわち、感光体110と1次転写ローラ320との間において中間転写ベルト360上に転写される。このとき、クリーニング手段370および2次転写ローラ380は、中間転写ベルト360から離間している。
【0067】
(vi)感光体110上に残留しているトナーがクリーニング手段130によって除去された後、除電手段(図6の61参照)によって感光体110が除電される。
【0068】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト360上において重ね合わされて中間転写ベルト360上に形成される。
【0069】
(viii)所定のタイミングで給紙装置70から記録媒体Sが供給され、記録媒体Sの先端が第2転写部に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録媒体S上の所望の位置に、中間転写ベルト360上のトナー像が転写されるタイミングで)2次転写ローラ380が中間転写ベルト360に押圧され、中間転写ベルト360上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録媒体S上に転写される。また、クリーニング手段370が中間転写ベルト360に当接し、2次転写後に中間転写ベルト360上に残留したトナーが除去される。
【0070】
(ix)記録媒体Sが定着ユニット400を通過することによって記録媒体S上にトナー像が定着し、その後排紙ローラ対94,95を経て記録媒体Sがケース50上に排出される。
【0071】
以上、画像形成装置の概要について説明したが、次に感光体ユニット100の詳細について説明する。
【0072】
感光体ユニット100は、前述したように、感光体110と、この感光体110の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電ローラ120と、クリーニング手段130とを有している。また、後述するように、感光体110の両端部を支持する支持部材と、フレームとを備えている。
【0073】
図2は感光体およびその支持部材の第1例を示す正断面図である。図3は同じく模式図であるが、図3には帯電ローラ120、および現像手段の現像ローラ211(図1参照)も描いてある。
【0074】
これらの図において、140は円筒部材であり、感光体110の内径よりも小さな外径を有し、感光体110の内方に配置されている。
【0075】
150は一対の支持部材であり、円筒部材140と感光体110との間に設けられ、感光体110の両端部111,111を円筒部材140上に支持している。
【0076】
感光体110は、可撓性を有する薄肉円筒状に形成されており、可撓性を有する基材の表面(外周面)に感光層を形成することにより構成されている。例えば、基材としては、電鋳法にて作製したニッケルシームレス管を用いることができる。感光層は、いわゆるOPC(有機感光体)をディッピング法で形成することができる。このような感光体110の可撓性すなわち柔軟さは、基材の厚みと径とを調整することにより決定することが可能であるから、使用される画像形成装置に応じて適宜設定することが可能である。例えば、基材厚み20〜200μm、基材直径10〜300mmの範囲で、後述する許容変形量δ2が20〜500μm程度となるように適宜設定する。なお、OPCは主として樹脂からなるので、可撓性の面では優れるが、基材との密着性を確保し、レーザー光の干渉対策を施すために、基材とOPCとの間に下引き層を形成することが望ましい。下引き層としては、酸化亜鉛、酸化チタン等のレーザー光を吸収可能な粒子をナイロン樹脂等の樹脂に分散させた層が好適である。
【0077】
支持部材150は、固着部材151と、スペーサ160とを備えている。これら固着部材151,スペーサ160は円筒部材140の外周面に円環状に配置され、円筒部材140と感光体110との間に介装されている。
【0078】
この実施の形態において、固着部材151は導電性接着剤、例えば、エポキシ系、シアノ系、アクリル系の樹脂接着剤に導電性粒子を分散させた導電性接着剤で構成されている。なお、導電性粒子としては、金属(銀、アルミ等)、カーボン等を用いることができる。
【0079】
図4は主としてスペーサ160の一例を示す模式図で、図(a1)は感光体110が装着される前の状態を示す正断面図、図(a2)は図(a1)の部分左側面図、図(a3)は作用説明図、図(b1)は感光体110が装着された後の状態を示す正断面図、図(b2)は図(b1)の部分左側面図、図(c)は感光体110が装着された後の状態を示す左側面である。
【0080】
これらの図に示すように、この実施の形態におけるスペーサ160は、円筒部材140の外周面145に固着される薄リング状の基部161と、この基部161の外周面に突設された弾性突起162とを備えている。基部161は、例えば金属または合成樹脂で構成され、弾性突起162は、例えばシリコンゴムで構成されている。弾性突起162は、図(c)に示すように、基部161の円周方向に等間隔で多数(図では12個)設けられている。図(a2)に示すように、基部161の外径Rfは感光体110の内径Raよりも小さく設定されており、感光体110が装着される前の弾性突起162の先端を結んだ円の半径(感光体110の中心から弾性突起162の先端までの距離)Reは感光体110の内径Raよりも大きく設定されている。なお、基部161の厚さは100μm程度、弾性突起162の高さは、図(b1)(b2)に示すように感光体110が装着された状態で同じく100μm程度である。弾性突起162は、例えば、シリコン系ゴム塗料を基部161の表面に印刷することにより形成することが可能である。
【0081】
感光体110は、これを円筒部材140にかぶせた後(円筒部材140を感光体110に挿入した後)、その両端部111と円筒部材140の外周面との間に接着剤151を注入することによって円筒部材140上に固着される。
【0082】
この際、スペーサ160は、次のように作用する。
【0083】
感光体110を図(a1)に矢印X1で示すように円筒部材140にかぶせる(円筒部材140を感光体110に挿入する)過程で、スペーサ160の先端は感光体110の内面と接触して矢印X1方向に押され、図(a3)に示すように一時的に矢印X1方向に変形する。
【0084】
その後、円筒部材140が感光体110に完全に挿入され、矢印X1方向に作用する外力がなくなると、スペーサ160は、それ自身の弾性力(復原力)によって感光体110を図(b1)に示すように矢印X2方向に多少押し戻しつつ同図に示すように押しつぶされた状態となり、それ自身の弾性によって内方から感光体110を支持することとなる。
【0085】
ここで、弾性突起162は、図(c)に示すように、基部161の円周方向に等間隔で多数設けられているので、弾性突起162の弾性力(復原力)fcが感光体110に対してほぼ均一に作用することとなり、結果として、図(b2)に示すように、感光体110は、円筒部材140との間隔Sがほぼ均一となる状態(すなわち略真円状態)で円筒部材140上に装着されることとなる。このような状態で感光体110の両端部111と円筒部材140の外周面との間に接着剤151(図2参照)が注入されて感光体110が円筒部材140上に固着される。
【0086】
円筒部材140の外周面145と感光体110の内周面113との間の間隔Sは、感光体110の許容変形量、すなわち感光体110を内方に変形させたときに破壊にいたる変形量δ2(図3参照)よりも小さく設定されている。
【0087】
図2、図3に示すように、円筒部材140は、その両端部141,141が、それぞれ円板状の側板142,143に固定されている。円筒部材140および側板142,143は、極めて変形しにくい金属あるいは合成樹脂等の高剛性材で構成されている。合成樹脂で構成する場合には、これにアルミニウム、ニッケル、銅等の金属を蒸着し、あるいはメッキ等で導電層を形成するか、または、樹脂中に、カーボン等の導電材を入れて導電性を付与する。
【0088】
円筒部材140と側板142,143との固定は適宜の手段、例えば接着、圧入、圧着等によって行なうことができる。側板142,143には、軸142a,143aが一体的に設けられており、これら軸142a,143aが感光体ユニット100のフレーム170に回転可能に支持されている。146,146はベアリングである。一方の側板142には、図2に示すように、歯車144が固定されている。
【0089】
図5(a)(b)は、感光体ユニット100の主としてフレーム構造を示す側面図と概略平面図、図6は感光体ユニット100の部分省略側面図である。
【0090】
図5(a)(b)に示すように、感光体ユニット100のフレーム170は、2枚の板金製のメインフレーム172,172と、これらメインフレーム172,172を連結する合成樹脂製のサブフレーム180とを有している。
【0091】
メインフレーム172は、1枚の金属板を平面視で略コの字形に折り曲げ加工されており、サブフレーム180の両端に固定されている。
【0092】
そして、サブフレーム180に、帯電ローラ120およびクリーニング手段130が組み込まれている。
【0093】
図6に示すように、帯電ローラ120は、その軸121の両端(図6において手前側の一端のみ図示)が軸受部材122を介してサブフレーム180に回転可能かつ、感光体110の中心に向けてスライド可能に支持されており、軸受部材122とサブフレーム180の背板181との間に介装された付勢手段としての圧縮コイルバネ123,123(図6において手前側のもののみ図示)によって感光体110に向けて付勢され、感光体110の外周面と当接するようになっている。帯電ローラ120は、硬質の高抵抗樹脂ローラ、または、表面に高抵抗層をもつ金属ローラで構成されている。
【0094】
クリーニング手段130は、感光体110の外周面に残留し付着しているトナーを払い落とすファーブラシ131と、さらに感光体110の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード132と、これらファーブラシ131あるいはクリーナブレード132によって払い落とされあるいは掻き落とされたトナーを搬送する搬送手段としてのトナー搬送スクリュー133とを備えている。
【0095】
サブフレーム180の下部には、トナー回収室182が形成されており、このトナー回収室182内に、前記ファーブラシ131、クリーナブレード132、およびトナー搬送スクリュー133が配置されている。なお、134はファーブラシ規制板、135は、ファーブラシによって払い落とされ、あるいはブレード132によって掻き落とされたトナーが飛散するのを防止するすくいシートである。
【0096】
ファーブラシ131は、サブフレーム180およびメインフレーム172を貫通する軸131aに固定され、この軸131aが後述する駆動手段によって駆動されることによって、図6矢印方向に回転駆動されるようになっている。
【0097】
クリーナブレード132は、取付板132aによってサブフレーム180に取り付けられており、その先端(下端)が感光体110外周面に当接してトナーを掻き落とすようになっている。
【0098】
トナー搬送スクリュー133は、サブフレーム180およびメインフレーム172を貫通する軸133aを有しており、この軸133a(図7参照)が後述する駆動手段によって図6矢印方向に回転駆動され、トナー回収室182内に回収されたトナーを廃トナーとして、図示しない廃トナーボックスに搬送するようになっている。
【0099】
以上のような感光体ユニット100は、上記各部材を組み込んだサブフレーム180を一方のメインフレーム(側板)172に取り付けた後、そのメインフレーム172に感光体110を取り付け、その後、他方のメインフレーム172をサブフレーム180および感光体110に、これら各部材を前記一方のメインフレーム172との間に挟み込むようにして取り付けることによって組み立てられる。
【0100】
感光体110は、図2に示すように、その軸受部材146の外側面に設けられた突起146aを、フレーム170のメインフレーム172,172に設けられた穴172aに係合させることによってメインフレーム172に位置精度よく取り付けられる。
【0101】
軸受部材146の外側面には、ボルト146bが突設されており、このボルト146bはメインフレーム172を貫通している。一方、図5に示すように、画像形成装置本体のフレーム51の側板には、前記ボルト146bを受け入れる溝52が形成されている。また、本体フレーム51の背面には、位置決めピン53が設けられているとともに、感光体ユニット100のメインフレーム172およびサブフレーム180の背部には、位置決めピン53と精度よく嵌合する穴174が設けられている。さらに、図1において、ケース50のカバー54は、ヒンジ54aによって矢印a方向に開放可能に構成されているとともに(図1において54bはカバー54の端部を示している)、現像ユニット200も、そのフレーム220が軸221によって矢印a1方向に開放可能に構成されている。
【0102】
したがって、感光体ユニット100は、カバー54および現像ユニット200を上述のように開放した状態で、図5の矢印bで示すように、本体フレーム51に対して装着することができ、また、取り外すことができる。図2において、146cは締め付け用のナットである。
【0103】
なお、図6において、61は除電光照射手段であり、露光ユニット60(図1参照)に取り付けられている。この除電光照射手段61からの除電光L’により、感光体110が除電されるようになっている。
【0104】
図8は、感光体ユニット100が取り付けられた状態における歯車列の主要部分を示す図である。
【0105】
同図において、500は駆動モータであり、その出力軸501に固定されたピニオン510が減速歯車520を介して感光体110端部の歯車144(図2参照)と噛み合っていることによって、感光体110が回転駆動されるようになっている。
【0106】
感光体110端部の歯車144は、中間転写ベルト360の駆動ローラ310(図1参照)端部に固定された歯車311と噛み合っており、これによって駆動ローラ310すなわち中間転写ベルト360が感光体110と略同じ周速で駆動されるようになっている。
【0107】
歯車311は、中間歯車520および減速歯車521を介して、トナー搬送スクリュー133の軸133aの端部に固定された歯車133bと噛み合っており、これによってトナー搬送スクリュー133が回転駆動されるようになっている。
【0108】
また、図示はしないが、この歯車133bが中間歯車を介して、ファーブラシ131の軸131aの端部に固定された歯車と噛み合っており、これによってファーブラシ131が回転駆動されるようになっている。
【0109】
感光体ユニット100が取り付けられ、上述のように感光体110等が回転駆動される際には、図3に示したように、感光体110に対して帯電ローラ120が当接され、また、現像ローラ211も当接される。
【0110】
ここで、この実施の形態においては、支持部材150によって支持される感光体110の被支持部(この場合、スペーサ160との当接部分)と、帯電ローラ120の端部との距離L1が、帯電ローラ120の当接によって撓む感光体110に永久変形が生じない長さに設定されている。また、帯電ローラ120の外周端部124が丸く面取りされている。
【0111】
さらに、支持部材150によって支持される感光体110の被支持部と、現像ローラ211の端部との距離L2も、現像ローラ211の当接によって撓む感光体110に永久変形が生じない長さに設定されている。また、現像ローラ211の外周端部212も丸く面取りされている。
【0112】
以上のような感光体ユニットないし画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0113】
(a)感光体110は、可撓性を有する薄肉円筒状であり、その両端部111が一対の支持部材150,150によって支持された構成となっているので、感光体110は、支持部材150によって支持されていない中央部分114が内方に変形可能である(図3参照)。
【0114】
したがって、この感光体110の中央部分114は、いわば疑似軟質材として利用することが可能であるため、これに当接される帯電ローラ120等が硬質ローラであっても、確実で安定した接触状態を得ることができ、確実に感光体110上に像を形成し、あるいは像を担持させることができる。
【0115】
この点について、図9〜図12を参照して詳しく説明する。
【0116】
図9は、感光体110に対して硬質ローラ20を軽く当接させた状態を示している。なお、説明を分かりやすくするために、完全に円柱形とはなっていない硬質ローラの例として、逆クラウン形状のローラ20を用いている。
【0117】
感光体110は、その両端部111が前述した一対の支持部材150,150によって支持されているが、図の煩雑を避けるために図示していない。
【0118】
図9に示すように、硬質ローラ20を軽く当接させただけでは、その両端21,21のみが感光体110に接触するだけであり、中央部22は接触しない。したがって、このような状態では、良好な帯電状態、現像状態、転写状態等は得られない。
【0119】
図10は、硬質ローラ20を、図9に示した状態からさらに感光体110に向けて、硬質ローラのクラウン量δ3(図9参照)よりも大きな量δ4だけ押圧した場合の感光体110の変形状態を有限要素法にて解析し、感光体の変形量を倍率50倍にして示したワイヤーフレームの斜視図である。感光体110は軸対称変形するので、図の煩雑を避けるために半分だけ示してある。
【0120】
図11は、図10における矢印X方向からみた図である。図12は図11におけるa断面、b断面、c断面、およびd断面における感光体110の外周面を図10における矢印Z方向から見て重ね合わせて示した図で、図中実線aはa断面、破線bはb断面、一点鎖線cはc断面、二点鎖線dはd断面における感光体110の外周面をそれぞれ示している。
【0121】
図10〜図12から明らかなように、クラウン量δ3の硬質ローラ20を感光体110に向けて、クラウン量δ3よりも大きな量δ4で押圧すると、その押圧部(いわゆるニップ部)Nにおいて、感光体110は硬質ローラ20の形状に忠実に沿って変形し、ニップ部N全域に亙って硬質ローラ20に確実に接触することとなる。
【0122】
これは、感光体110が可撓性を有する薄肉円筒状であることによる作用である。薄肉円筒状である感光体110は、軸方向に直交する平面方向に非常に大きな可撓性を有しており、逆クラウン形状の硬質ローラ表面に追従するようにして軸方向に連続的に変形形状を変えて行く。薄肉円筒の軸方向にも金属の弾性範囲内で極微小な変形は発生するが、軸方向の剛性は直交する断面方向の剛性に比べて非常に高く、可撓性にはあまり大きく貢献しない。したがって、感光体の変形は、軸に直交する断面方向の可撓性によるところが非常に大きい。これは薄肉円筒特有の変形モードであり、この変形を利用して感光体を変形させることにより、硬質なローラの凹凸に追従させ、安定した接触を確保することができる。
【0123】
図11および図12を参照し、感光体の変形状態について、より詳しく説明すると、図11におけるa部(感光体の両端部分(支持部材150で支持されている部分))では、図12に実線aで示すように、感光体110は基本的に真円状態に保持されている。
【0124】
b部(ローラ20の端部直近)では、図12に破線bで示すように、最大変形量であるδ4だけ内方に変形しているが、円周方向におけるb点(ニップ部)近くのb1点では大きく外側に膨らむように変形している。
【0125】
d部はローラ20の中央部であり、感光体はδ4−δ3だけ変形しているが、円周方向におけるd点近くのd1点では外側に膨らむように変形している。逆に、このd1点から多少離れたd2点では内側にやや凹むように変形している。
【0126】
b部からd部に至る部分ではb部における変形状態からd部における変形状態へと連続的に変化して行く。その一例としてc部での変形状態を一点鎖線cで示す。c1点はd1点よりもb1点寄りで膨らんでおり、c2点の凹み量はd2点の凹み量よりも小さい。
【0127】
以上からも明らかなように、薄肉円筒状である感光体110は、軸方向に直交する平面方向に非常に大きな可撓性を有していて、逆クラウン形状の硬質ローラの表面に追従するようにして軸方向に連続的に変形形状を変えて行く。
【0128】
なお、以上の説明では、説明を分かりやすくするために、完全には円柱形とはなっていない硬質ローラの例として、逆クラウン形状のローラ20を用いて説明したが、多少の凹凸のあるローラは逆クラウン形状のローラを複数本連続させたものと同等であり、また多少のテーパがついたローラは逆クラウン形状(またはクラウン形状)のローラの一部と同等であるから、感光体110は、完全には円柱形とはなっていない硬質ローラ(製造誤差程度の凹凸やテーパを有するローラ)に対しても良好に確実かつ安定した状態で接触することとなる。
【0129】
(b)可撓性を有する薄肉円筒状の感光体110と、この感光体110の両端部111を支持する支持部材150と、感光体110の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電ローラ120とがフレーム170で保持されてユニット化されているので、これら感光体110等の取扱いが容易になる。
【0130】
感光体110と、これに当接する帯電ローラ120とをユニット化した場合において、何等の手段も講じないとすると、感光体110は帯電ローラ120に押圧されて撓み、永久変形してしまうおそれがあるが、この実施の形態の構成によれば、支持部材150によって支持される感光体の被支持部と、帯電ローラ120の端部との距離が、帯電ローラ120の当接によって撓む感光体110に永久変形が生じない長さL1に設定されているので、感光体110と帯電ローラ120とがユニット化されているにもかかわらず、感光体110に永久変形が生じるおそれがなくなる。
【0131】
(c)感光体110は、その両端部111が支持部材150で支持される構成であり、前述した特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図15〜図17参照)のように弾性材料層を充填する必要がないから、簡単に製造することが可能である。
【0132】
(d)帯電ローラ120の外周端部124が面取りされているので、感光体110の永久変形がより確実に防止される。
【0133】
(e)支持部材150によって支持される感光体110の被支持部と、現像ローラ211の端部との距離が、現像ローラ211の当接によって撓む感光体に永久変形が生じない長さL2に設定されているので、感光体110に永久変形が生じるのを一層確実に防止することができる。また、現像211の外周端部212が面取りされているので、感光体110の永久変形がより確実に防止される。
【0134】
(f)感光体110の内方には、剛性の円筒部材140が、その外周面145と感光体110の内周面113との間に感光体の許容変形量δ2より小さな間隔Sを隔てて配置されているから、例えば感光体110の交換作業時等にオペレータが誤って感光体110の中央部114を強く押圧したとしても、感光体110は破損にいたる前に円筒部材140によって支持されることとなるため破損しない。したがって、この画像形成装置は、前述した特開昭58−86550号公報に開示されたドラム状感光体部材(図18参照)に比べて取扱い性に優れている。
【0135】
(g)クリーナブレード132は、感光体110と接触し、感光体110の内周面113が円筒部材140の外周面145に当接するまで感光体110を押圧してその外周面の残留トナーを除去するものであり、比較的大きな当接力によって、より確実に感光体110を綺麗にすることができる。
【0136】
<第2の実施の形態>
図13は本発明に係る感光体ユニットの第2の実施の形態における感光体およびその支持部材の例を示す正断面図である。
【0137】
この第2の実施の形態が、上述した第1の実施の形態と異なる点は、主として、感光体110を支持する支持体およびその支持構造にあり、その他の点に代わりはない。
【0138】
この実施の形態における支持体190は、軸191と、この軸191の一端側にベアリング192Lを介して回転可能に取り付けられた支持部材としての側板193Lと、軸191の他端側にベアリング192Rを介して回転可能に取り付けられた支持部材としての側板193Rと、これら側板193L,193Rによって支持された円筒部材194と、一方の側板193Rに固定された歯車144’とを備えている。
【0139】
側板193L,193Rの内側には、それぞれ円筒状の結合部193aが一体的に形成されている。側板193Lと円筒部材194とは、側板193Lの結合部193aに円筒部材194の端部が圧入されることによって、一体的に結合されており、側板193Rと円筒部材194とは、側板193Rの結合部193aが円筒部材194の内周面に摺動自在に嵌合されていることによって、軸線方向の相対移動が可能となるように取り付けられている。なお、両者の結合部にはそれぞれ同方向のテーパT1が形成されている。
【0140】
感光体110は、その両端部111が側板193L,193Rに接着されることによって支持されている。側板193L,193Rの感光体110の支持部193bにはテーパT2が形成されている。
【0141】
一方のベアリング192Lの両側には、軸191に固定された止め輪195と、側板193Lに係合する止め輪196とが設けられている。外側の止め輪196は軸191とは係合していないので、ベアリング192Lおよび側板193Lは軸191に対して、図13において左方にのみスライド可能である。
【0142】
他方のベアリング192Rの両側にも止め輪197,198が設けられているが、内側の止め輪197はベアリング192Rと間隔を隔てて軸191に固定されており、この止め輪197とベアリング192Rとの間には付勢手段としての圧縮バネ199が設けられている。外側の止め輪198は側板193Rと係合しているが、軸191に対しては係合しておらずスライド可能である。したがって、ベアリング192Rおよび側板193Rは軸191に対して左右方向にスライド可能である。
【0143】
このものは、例えば、次のようにして組み立てられる。
【0144】
(i)一方の側板193Lと円筒部材194の一端とを圧入により結合する。
【0145】
(ii)感光体110に円筒部材194を挿入する。この際、感光体110の端部111に、側板193Lの支持部193bが軽く圧入されるまで挿入する。
【0146】
(iii)他方の側板193Rの結合部193aを円筒部材194の他端に挿入する。このとき、感光体110の他端に側板193Rの支持部193bが軽く圧入される。
【0147】
(iv)感光体110の両端部111と側板の支持部193bとを接着剤にて固着する。
【0148】
(v)予め、止め輪195,ベアリング192L,止め輪197,圧縮バネ199,およびベアリング192Rを装着しておいた軸191を、挿入する。
【0149】
(Vi)一方の止め輪196を側板193Lに装着し、他方の止め輪198を、圧縮バネ199を圧縮しつつ押し込んで他方の側板193Rと係合させる。
【0150】
このような構造によると、感光体110と、円筒部材194および側板193L,193Rとの間に熱膨張率の差があり、温度変化によって両者に伸縮量の差が生じても、その差が、側板193Lの結合部193aと円筒部材194の内周面との相対移動によって吸収される。したがって、感光体110が温度変化によって変形してしまうということがなくなる。
【0151】
【実施例】
以下、具体的な実施例について説明する。
【0152】
<主として画像形成装置全体に関し>
(1)感光体110の直径(外径)は、φ85.5mmとした。
【0153】
この画像形成装置は、A3ノビサイズの用紙に画像を形成することができるものであり、したがって連続して供給される用紙に対して連続して画像を形成するためには、用紙間の間隔(先行する用紙の後端と後続する用紙の先端との距離)を考慮すると、中間転写ベルト360の外周長さは直径にして、φ171mm以上必要である。
【0154】
一方、中間転写ベルト360上に形成されるY,M,C,Kのトナー像のベルト進行方向における相対的な位置誤差を小さくし、部品の公差を緩くするためには、中間転写ベルト360の直径と感光体110の直径とを整数比とし、感光体110上に形成される画像の感光体110に対する位置が各色で同一にすることが望ましい。
【0155】
他方、4つの現像手段210(Y,M,C,K)を感光体110の周りに配置することができるようにするためには、感光体110の直径はφ60mm以上とすることが望ましいけれども、装置の小型化を図るためにはできるだけ小さくする方が望ましい。
【0156】
そこで、この実施例では、感光体110の直径(外径)をφ85.5mmとした。
【0157】
しかしながら、連続して供給される用紙間の間隔を小さくし、あるいは大きくすることにより、感光体110の直径は、φ80〜90mmの範囲とすることができる。
【0158】
(2)感光体110の周速を180mm/sとし、露光位置(図6参照)から第1番目の現像手段(この場合現像ローラ211Y)までの距離を図6に示すように感光体110の中心角度で36゜とし、第4番目の現像手段(この場合現像ローラ211K)までの距離を162.2゜とした。
【0159】
感光体110のPIDC特性は図14に示す通りであり、感光体110の第1現像位置(この場合現像ローラ211Yとの当接位置)での暗部電位(非露光位置の電位)と、第4現像位置(この場合現像ローラ211Kとの当接位置)での暗部電位との電位差が50V以下であることが望ましい。
【0160】
また、感光体110の第1現像位置での明部電位(露光位置の電位)と、第4現像位置での明部電位との電位差も50V以下であることが望ましい。
【0161】
そこで、この実施例では、感光体110の周速を180mm/sとし、露光位置から第1番目の現像手段までの距離を感光体110の中心角度で36゜とし、第4番目の現像手段までの距離を162.2゜とした。この場合、感光体110の外周面のある点が露光位置から第1現像位置まで達するのに要する時間は0.15s、第4現像位置に達するのに要する時間は、0.7sであり、その差は0.55sである。
【0162】
しかしながら、この時間差を短縮する(すなわち、上記50V以下の電位差を達成する)ことは、感光体110の周速を180mm/s以上とする、あるいは、露光位置から第4番目の現像手段までの距離を162.2゜以下とすることによっても達成することができる。
【0163】
(3)帯電ローラ120の長さを369mmとし、クリーナブレード132の長さを367.4mmとした。
【0164】
帯電ローラ120よりもクリーナブレード132が長いと、感光体110の両端部の非帯電領域をクリーナブレード132の端部がクリーニングすることとなり、こうした非帯電領域は感光体の電位が不安定であるため、良好なクリーニング特性が得られない。
【0165】
そこで、この実施例では、帯電ローラ120よりもクリーナブレード132を短くした。
【0166】
(4)感光体ユニット100の重さは3.4kg、外装込みで3.5〜4kgとした。
【0167】
<感光体110に関し>
(1)感光層の膜厚は、0.015〜0.03mmとした。
【0168】
感光層は、クリーニング手段130等の当接部材との当接によって摩耗して行くため、感光層の膜厚が薄すぎると、寿命が短くなってしまう。したがって、感光層の膜厚は、0.015mm以上であることが望ましい。
【0169】
一方、感光層が厚くなると、電荷が分散し易くなり、高解像度が得られなくなってしまう。この実施例では、600dpi以上の解像度が得られるようになっており、そのためには、感光層の膜厚は、0.03mm以下であることが望ましい。
【0170】
そこで、この実施例では、感光層の膜厚を、0.015〜0.03mmとした。
【0171】
(2)感光体110のクリーナブレード132に対する摩擦係数は、1.0以下とした。
【0172】
摩擦係数が1.0を越えると、感光体110の駆動トルクが増大するからである。
【0173】
(3)感光体110の長さは、398±0.3mmとした。
【0174】
前述したように、帯電ローラ120等のの当接によって撓む感光体110に永久変形が生じないようにするためには、感光体110の被支持部と、帯電ローラ120の端部との間の距離L1あるいは現像ローラ211の端部との距離L2を設定する必要があり、この距離は30mm程度とすることが望ましい。
【0175】
そこで、この実施例では、感光体110の長さを、398±0.3mmとした。
【0176】
(4)感光体110の、ニッケル電鋳管等による基材の厚さは、0.03〜0.1mmとした。
【0177】
基材の厚さが小さすぎると、剛性(自らが形状を保持する強さ)が弱くなり、円筒度不良や現像ローラ等の当接部材との当接不良が生じる。したがって、基材の厚さは、0.04mm以上とすることが望ましい。
【0178】
一方、基材の厚さが大きすぎると、良好な可撓性が得られ難くなるとともに、当接部材との当接によって生じる応力も大きくなってしまう。また、電鋳時間が長くなることから、製造コストも増大してしまう。したがって、基材の厚さは、0.05mm以下とすることが望ましい。
【0179】
そこで、この実施例では、基材の厚さを、0.03〜0.1mmとした。
【0180】
(5)感光体ユニット100に組み込まれた状態での感光体110の円筒度を、0.05以下とした。
【0181】
現像ローラ211の感光体110に対する食い込み深さ(図3におけるδ2−S1)を0.15程度として安定した当接状態を得るためである。
【0182】
なお、感光体110の円筒度を0.05以下とすることは、基材の円筒度を0.02以下とし、感光層を形成することによる円筒度を0.03以下とすることによって達成することができる。
【0183】
(6)感光体110の内周面113(図3参照)と円筒部材140(または図13の円筒部材194)の外周面145との間の間隔S(図3参照)は0.15〜0.3mmとした。
【0184】
間隔Sが小さすぎると、感光体110の可撓性による十分な変形が得られなくなり、現像ローラ等との安定した当接状態が得られなくなるおそれがある。したがって、間隔Sは、0.15mm以上とすることが望ましい。
【0185】
一方、間隔Sが大きすぎると、感光体110が変形し過ぎて露光位置ずれが生じるおそれがある。また、当接部材との当接によって生じる応力が許容応力を越えてしまうおそれがある。したがって、間隔Sは、0.3mm以下とすることが望ましい。
【0186】
そこで、この実施例では、間隔Sを0.15〜0.3mmとした。
【0187】
(7)感光体110の内径の公差を±0.03mm以下とした。
【0188】
上記間隔Sの精度を高めるためには、小さい方が望ましいからである。
【0189】
(8)電極の取り付け方は次のようにした。
【0190】
図13に示したものにおいては、感光体110の内周面→側板193→ベアリング192→軸191→電極へと導通させた。
【0191】
図2(図3)に示したものにおいては、感光体110の内周面→導電性接着剤151→円筒部材140→側板142→軸142a端面→電極へと導通させた。
【0192】
<帯電ローラ120に関し>
(1)帯電ローラ120には表面層を設けた。
【0193】
感光体110を侵す物質のブリードアウトを防止するためである。
【0194】
また、帯電ローラ120の抵抗値を制御するためである。
【0195】
表面層は、3層構造とした。
【0196】
(2)帯電ローラ120の直径は、φ14mmとした。
【0197】
長さ369mmのシャフトの変形を防止するにはφ8mm程度の径が必要であり、また、通常用いられる帯電ローラのゴムあるいは樹脂の厚さは3mm程度である。
【0198】
そこで、この実施例では、帯電ローラ120の直径をφ14mmとした。
【0199】
(3)帯電ローラ120の材質は、金属塩(過塩素酸リチウム)をウレタンやナイロン樹脂に分散させたイオン導電性ゴム(NBR)とした。
【0200】
抵抗値の電圧、電流依存性を小さくするためである。
【0201】
(4)帯電ローラ120の抵抗値を1×10〜5×10Ωとした。
【0202】
抵抗値が1×10Ω以下であるとピンホールに対応できなくなるし、5×10Ω以上であると帯電能力が低下するからである。
【0203】
(5)帯電ローラ120の駆動方法は、感光体110に従動させる方法、すなわち感光体110によって駆動される方法とした。
【0204】
感光体110と帯電ローラ120とが相対的に摺動して(滑って)電荷注入による帯電むらが発生するのを抑えるためである。
【0205】
また、構造が簡単で安価に作成することができるからである。
【0206】
(6)帯電ローラ120の感光体110へ向けての押圧力は0.5〜3.0gf/mmとした。
【0207】
押圧力が大きすぎると感光体110へ与える応力が大きくなりすぎるからであり、押圧力が小さすぎると、感光体110との安定した当接状態および従動が得られなくなるからである。
【0208】
そこで、この実施例では、押圧力を0.5〜3.0gf/mmとした。より具体的には、1.4gf/mmとした。
【0209】
(7)帯電ローラ120の端部は前述したようにR形状に面取りしたが、これにかえて、両端部のみクラウン形状としてもよい。
【0210】
(8)帯電ローラ120には、感光体110に対する離接機構を設け、輸送時には、帯電ローラ120が感光体110から離間する構造とした。
【0211】
感光体110のクリープ特性による永久変形を防止するためである。
【0212】
(9)電極の取り方は、次のいずれかとする。
【0213】
(i)軸121の端面に電極板を押し付ける。
【0214】
(ii)軸121の周面に電極を当てる。
【0215】
(iii)軸受部材122として導電性を有するものを用いる。
【0216】
(i)によれば、帯電ローラ120の駆動トルクを低減できる。(ii)によれば、線接触となるので、信頼性が向上する。
【0217】
<クリーナブレード132に関し>
(1)クリーナブレード132は定位置に固定し、クリーナブレード132自体の弾性力によってその先端を感光体110に圧接させた。
【0218】
この構造によれば、構造が単純で、安価に作成することができる。
【0219】
(2)クリーナブレード132は、回転あるいは移動可能とし、ばねにより感光体110へ圧接させる構造とすることもできる。
【0220】
このような構造とすれば、ブレードの形状精度やゴム硬度に左右されず、感光体110へ一定圧力で圧接させることができる。
【0221】
また、圧力変動を小さくして感光体フィルミングを防止することができる。
【0222】
(3)ブレードの材質はウレタンゴムとした。
【0223】
耐摩耗性に優れ、安価だからである。
【0224】
(4)ブレードの硬度は、60゜〜80゜(JIS A)とした。
【0225】
硬すぎると感光体110の摩耗が激しくなり、柔すぎるとブレードの摩耗が激しくなるからである。
【0226】
(5)ブレードの使用稜線粗さは、Rmax10μm以下とした。
【0227】
クリーニング性を確保するためである。
【0228】
(6)ブレードの感光体110に対する当接圧は、20〜100gf/cmとした。
【0229】
当接圧が大きすぎると、ブレードとの摩擦によって感光体110が摩耗し易くなり、感光体110の寿命が短くなるからである。また、感光体110の駆動トルクが増大するとともに、感光体110の応力も増大するからである。
【0230】
逆に、当接圧が小さすぎると、クリーニング性が低下するとともに、感光体フィルミングの防止が困難になるからである。
【0231】
(7)ブレードの感光体110に対する当接角度(当接部における両者の接線同士がなす角度)は、5〜20゜とした。
【0232】
当接角度が大きすぎると、クリーニング性が低下し、これを向上させるためには当接圧を増大させなければならなくなるからである。
【0233】
逆に、当接角度が小さすぎると、ブレードの位置精度の範囲内において腹当て状態にならない、すなわち、ブレードの稜線が感光体110に確実には当接しなくなるのを防止するためにブレードの位置精度を厳しくしなければならないからである。
【0234】
(8)ブレードには、感光体110に対する離接機構を設け、輸送時には、ブレードが感光体110から離間する構造とした。
【0235】
感光体110のクリープ特性による変形を防止するためである。
【0236】
<ファーブラシ131に関し>
このブラシローラ131は、クリーニングをアシストするものであり、必要に応じて設けることとした。
【0237】
重合トナーを用いた場合には、ブレードクリーニングだけでは、不十分だからである。
【0238】
ブラシローラ131の材質としては、周知の天然あるいは合成繊維を用いることができ、例えば、ポリエステル、ナイロン等を用いることができる。
【0239】
また、ブラシローラにバイアス電圧を印加することによりクリーニング性を向上させることができる。
【0240】
<トナー搬送スクリュー133に関し>
(1)この廃トナースクリュー133は、図7に示したように、廃トナーの排出部133bでスクリューの巻方向を逆にしてある。
【0241】
廃トナーの圧粉を防止し、トナーを確実に排出するためである。
【0242】
(2)スクリューの回転速度は、30〜120rpmとする。
【0243】
回転速度が速すぎると、駆動系の負荷が増大するとともに、振動の抑制が困難となるからである。
【0244】
逆に、回転速度が遅すぎると、廃トナーの搬送量が確保できなくなる、例えば、黒べた印字時に生じる比較的多量の廃トナーを確実に搬送することが困難となるからである。
【0245】
そこで、この実施例では、スクリューの回転速度を30〜120rpmとした。より具体的には、60rpmとした。
【0246】
<駆動系に関し>
(1)図2に示したものは軸142a,143aが回転する方式であり、図13に示したものは軸191が固定されている方式である。
【0247】
図2に示したものによると、側板142,143と軸142a,143aとを一体にできるため、安価に作成することができる。
【0248】
図13に示したものによると、側板193L,193Rに対してベアリング192L,192Rを設置することができるため、回転精度を向上させることができ、また、軸191を本体への位置決め部材として利用することができる。
【0249】
(2)感光体ユニット100における軸受部材(192L等)はボールベアリングとした。
【0250】
軸受損失が小さく、寿命が長いからである。
【0251】
しかしながら、軸受部材としては、滑り軸受を用いることもできる。
【0252】
滑り軸受を用いた場合、回転精度を向上させることができるとともに、安価に作成することができる。また、制振効果も得られる。
【0253】
(3)感光体110の駆動歯車144(または144’)の材質は、ポリアセタールまたはガラス繊維強化ナイロン等の線膨張係数の小さい樹脂とした。
【0254】
ポリアセタールとした場合、金属に比べて制振性が高い、成形により製作可能であり型の精度を高めることによって金属の切削加工より高精度化が可能である、安価である、という利点が得られる。
【0255】
また、ガラス繊維強化ナイロンとした場合、線膨張係数が2.0×10と低く、熱膨張が小さいので、歯車精度を高くすることができる、という利点が得られる。
【0256】
(4)歯車144のモジュールは、0.5〜1.0とした。
【0257】
ジッタ対策上、モジュールを大きくし過ぎると、噛み合い率が小さくなって、安定したトルク伝達ができなくなる。
【0258】
逆に、モジュールを小さくし過ぎると、部材の公差や熱膨張による歯車と歯車の軸間距離の変動に対して噛み合い率の変動が大きくなってしまう。
【0259】
そこで、この実施例では、歯車144のモジュールを0.5〜1.0とした。より具体的には、0.8とした。
【0260】
(5)図8に示したように、感光体110の歯車144から中間転写ベルト360の駆動ローラ310の歯車311にトルク伝達し、かつ、この伝達部分が1次転写部分(1次転写ローラ320部分)よりも、中間転写ベルト360の循環方向において下流側に位置する構成とした。
【0261】
このような構成によると、駆動ローラ310への中間転写ベルト360の巻き付け角を大きく取ることができ、中間転写ベルト360の駆動が安定する。
【0262】
また、中間転写ベルト360の周速よりも感光体110の周速を遅くすることにより、駆動ローラ310と1次転写部との間において中間転写ベルト360に安定したテンションがかかるようにして、中間転写ベルト360の駆動をより一層安定させることができる。
【0263】
(6)感光体110の直径よりも、歯車144の基準ピッチ円直径を大きくした。
【0264】
このような構成によって、感光体110と駆動ローラ310とを離して配置しても、駆動ローラ310へトルク伝達することができる。
【0265】
<感光体ユニット100の本体への取付方法等に関し>
感光体ユニット100の軸191等を本体に対する位置決め部材として用いた。
【0266】
感光体ユニット100は軸191等を基準として構成されているため、軸191等を位置決め部材として用いることによって、本体に対する感光体ユニット100の高精度な位置決めが可能となる。
【0267】
なお、感光体ユニット100と本体との固定は、レバー等を用いて行なうことができる。
【0268】
<その他>
(1)サブフレーム180(図6参照)には、除電光照射手段61からの除電光L’の光路を設ける。
【0269】
感光体ユニット100は交換部品であるため、除電光照射手段61は本体側に設けてある。これによってランニングコストを低減することができる。
【0270】
また、光路内に金属製(例えばステンレス製)の導光板を設けることによって、除電光が帯電位置側に透けて漏れない構造とし、除電光による帯電電位の低下を防ぐことができ、さらに、除電光の感光体110への伝達効率を高めることができる。
【0271】
(2)感光体ユニット100の出荷時に、感光体110のクリーナブレード132位置近傍から上流側半周付近まで粉体潤滑剤(フッ化ビニリデン樹脂)を塗布することによって、感光体110が未使用の場合に生じるクリーナブレード132の感光体110への貼り付きを防止し、使用開始時における感光体110の駆動トルクを低減することができる。また、クリーナブレード132から帯電ローラ120までの間には、粉体潤滑剤を塗布しないことによって、帯電ローラ120が粉体潤滑剤で汚れるのを防止することができる。
【0272】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0273】
【発明の効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、感光体の中央部分をいわば疑似軟質材として利用することが可能であるため、これに当接される帯電ローラが硬質ローラであっても、確実で安定した接触状態を得ることができ、確実に感光体上に像を形成し、あるいは像を担持させることができる。
【0274】
また、感光体と帯電ローラとがフレームで保持されてユニット化されているので、これら感光体等の取扱いが容易になる。
【0275】
しかも、感光体と帯電ローラとがユニット化されているにもかかわらず、感光体に永久変形が生じるおそれがなくなる。
【0276】
さらに、感光体は、その両端部が支持部材で支持される構成であり、前述した特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図15〜図17参照)のように弾性材料層を充填する必要がないから、簡単に製造することが可能である。
【0277】
さらに、帯電ローラの外周端部が面取りされているので、感光体の永久変形がより確実に防止される。
【0278】
請求項載の画像形成装置によれば、感光体に永久変形が生じるのを一層確実に防止することができる。
【0279】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感光体ユニットおよび画像形成装置の第1の実施の形態を示す模式図。
【図2】感光体およびその支持部材の第1例を示す正断面図。
【図3】同上模式図であり、帯電ローラ120および現像ローラ211も描いてある図。
【図4】主としてスペーサ160の一例を示す模式図で、図(a1)は感光体110が装着される前の状態を示す正断面図、図(a2)は図(a1)の部分左側面図、図(a3)は作用説明図、図(b1)は感光体110が装着された後の状態を示す正断面図、図(b2)は図(b1)の部分左側面図、図(c)は感光体110が装着された後の状態を示す左側面。
【図5】感光体ユニット100の主としてフレーム構造を示す図で、(a)は側面図、(b)は平面図。
【図6】感光体ユニット100の部分省略側面図。
【図7】トナー搬送スクリュー133の部分省略正面図。
【図8】感光体ユニット100が取り付けられた状態における歯車列の主要部分を示す図。
【図9】作用説明図。
【図10】作用説明図。
【図11】作用説明図。
【図12】作用説明図。
【図13】本発明に係る感光体ユニットの第2の実施の形態における感光体およびその支持部材の例を示す正断面図。
【図14】PIDC特性を示す図。
【図15】従来技術の説明図。
【図16】従来技術の説明図。
【図17】従来技術の説明図。
【図18】従来技術の説明図。
【符号の説明】
60 露光手段
100 感光体ユニット
110 感光体
111 両端部
113 内周面
114 外周面
120 帯電ローラ
124 外周端部
140 円筒部材
145 外周面
150 支持部材
170 フレーム
211 現像ローラ
300 転写ユニット
L1 距離
L2 距離

Claims (1)

  1. 外周面に感光層が形成された可撓性を有する薄肉円筒状の感光体と、この感光体の内径よりも小さな外径を有していて感光体の内方に配置されている円筒部材と、この円筒部材上に前記感光体の両端部を支持する支持部材と、前記感光体の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる帯電ローラと、これら各部材を保持するフレームとを備えた感光体ユニットと、前記帯電ローラにより一様に帯電させられた感光体の外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像する現像ローラと、この現像ローラにより現像された像を転写媒体に転写させる転写手段と、前記感光体の外周面に当接して当該感光体の内周面が前記円筒部材の外周面に当接するまで感光体を押圧して前記転写後に感光体の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレードとを備えた画像形成装置であって、
    前記支持部材は、感光体の両端部を円筒部材上に固着する固着部材と、感光体の軸線方向において固着部材よりも内側において円筒部材と感光体との間に円環状に介装された、弾性突起を有するスペーサとを備えているとともに、
    前記支持部材によって支持される感光体の被支持部と、前記帯電ローラの端部との距離が、前記帯電ローラの当接によって撓む感光体に永久変形が生じない長さに設定されており、
    前記帯電ローラの外周端部が面取りされているとともに、当該帯電ローラの軸線方向長さが前記クリーナブレードの長さよりも長く構成されていることを特徴とする画像形成装置
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