JP3777914B2 - 像担持体ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる像担持体ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いた画像形成装置は、外周面に感光層を有する感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段と、この現像手段により現像されたトナー像を用紙等の転写媒体に転写させる転写手段とを有している。
感光体としては、外周面に感光層が形成された硬質の感光体ドラムと、表面に感光層が形成された可撓性を有する感光体ベルトとが一般に知られている。
また、感光体表面の静電潜像にトナーを付与する手段としては、現像ローラの表面にトナーを担持させ、この現像ローラを、感光体表面に接触させる、あるいは、極微小間隔を隔てた状態で近接させる、という手段が一般に知られており、その現像ローラとしては、硬質のものと弾性体からなるものとが知られている。
【0003】
感光体として硬質の感光体ドラムを用い、また現像ローラとしても硬質のものを用いる場合には、感光体ドラムおよび現像ローラを高精度に製造するには自ずと限界があり、必ず誤差が生ずるから、両者を均一に接触させる、あるいは均一な微小間隔を隔てた状態で近接させることは困難である。特に、硬いもの同士である感光体ドラムと現像ローラとを均一に接触させることは極めて困難であり、局部的に隙間が生じて現像むらが生じたり、必要以上に強く圧接されて感光ドラムや現像ローラに傷がついたりするという問題が生ずる。
したがって、感光体と現像ローラとを両者とも硬質のもので構成するということは通常行なわれておらず、感光体として硬質の感光体ドラムを用いる場合には現像ローラを弾性体で構成する、現像ローラとして硬質のものを用いる場合には感光体として可撓性を有する感光体ベルトを用いる、ということが行なわれていた。
しかしながら、現像ローラを弾性体で構成した場合には、現像ローラの回転に伴ってトナーが飛散する等の問題があった。
また、感光体として感光体ベルトを用いた場合には、これを支持するために少なくとも2本のローラが必要なために、構造が複雑になるばかりでなく装置が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
以上のような問題を全て解決しようとしたものとして、従来、特公平4−69383号(特開昭59−192260号)公報記載の感光体ドラムが知られている。
この特公平4−69383号公報記載の感光体ドラムを、図11(a)〜(c)に示す。
この感光体ドラム1は、回転軸2と、この回転軸2に支持され、かつフリー状態で円筒状をなす弾性変形可能な弾性材料層3と、この弾性材料層3のまわりに装着された外側層4とを有している。外側層4は、弾性変形可能な感光体支持層5と、この支持層5の表面に支持された感光層6とを有している。弾性材料層3は、回転軸2と外側層4との間に、実質的に隙間を形成することなく充填されている。
このような感光ドラム1は、弾性変形可能な外側層4と、弾性材料層3とを有しているため、その表面に外力が加えられると、この表面は弾性変形することが可能である。
図11(a)において、7は帯電チャージャ、10は現像ローラ、13は転写チャージャである。
画像形成時には、感光体ドラム1が図11(a)における時計方向に回転駆動され、帯電チャージャ7によってドラム1の感光層6が所定の極性に帯電される。この帯電部分に光8が照射されることによりドラム1上に静電潜像が形成される。この潜像は、図中矢印方向に回転する現像ローラ10に担持されるトナーにより現像されて可視像化され、転写チャージャ13によって転写紙12に転写される。
なお、図11(a)において、14は分離チャージャ、15はクリーニングブレード、16は除電チャージャである。
【0005】
以上のような構成によれば、感光ドラム1の表面が弾性変形可能であるため、現像ローラ10を感光体ドラム1に押し付け、感光ドラム1の表面をその半径方向に弾性変形させることができる。このため、感光ドラム1および現像ローラ10の周面がその中心軸線に対し多少偏心し、あるいはこれらの外径に多少製造上のバラツキがあったり、また、現像ローラ10の少なくとも表面が剛体からできていても、ドラム表面や現像ローラに傷を付けるといった不都合を伴うことなく、現像ローラ10上のトナーを感光体ドラム1に従来よりも確実かつ安定した状態で接触させることができ、現像ローラ10上のトナーと、ドラム1の表面とに大きな間隙ができることによる可視像の画質低下を抑制することができる。
すなわち、この感光ドラム1によれば、硬質の現像ローラを用いても、感光ドラムや現像ローラに傷がつくということがなく、また、装置の大型化も防止することができる。
なお、この感光ドラムと同様な感光ドラムは、特開昭58−90655号公報にも開示されている。
【0006】
一方、特開昭58−86550号公報には、軽量化および誘導渦電流の発生防止を図る目的で、図12に示すように、電鋳法によって作成した厚さ0.01〜2mmの非磁性金属(Cu,Al,W,Mo等)からなる無端ベルトをドラム基体31とし、このドラム基体31の上に像担持層(光導電性物質層)32を形成し、ドラム基体31の両端を円板状の端板33で鋼鉄製の軸34に固設したドラム状像担持体部材が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図11参照)は、回転軸2と外側層4との間に、弾性材料層3を、実質的に隙間を形成することなく充填した構成であるため、次のような問題を有している。
感光層6は弾性材料層3の上に形成されているため、感光層6は軸線方向に微小な力で変位する。感光層6には、これと圧接する現像ローラ10やクリーニングブレード15等の圧接部材が配設されるため、感光層6の回転軸と圧接部材の軸等が傾いていたり、圧接力が軸方向において不均一であったりすると、感光層6は軸線方向にスラスト力を受け、このスラスト力によって軸線方向に変位することとなる。そして、このスラスト力は変動するため、感光層6に形成された画像も軸線方向に変位することとなり、結果として、軸線方向における画像の位置精度が劣化するという問題がある。特に、多色の色重ねを行なう場合には、色重ね精度の劣化が色相のズレとなって、画像が著しく劣化するという問題がある。
【0008】
また、このような感光体ドラム1を製造する方法としては、
(1)先ず、感光層支持層5上に感光層6を形成した外側層4を作製し、次いで、軸2と外側層4とを所定間隔になるように配置し、軸2と外側層4との空間に、加熱された弾性材料を流し込んで弾性材料層3を形成することにより製造する方法
(2)先ず、軸2と感光体支持層5とを所定間隔になるように配置して軸2と感光体支持層5との空間に、加熱された弾性材料を流し込んで弾性材料層3を形成し、次いで、感光層支持層5上に感光層6を形成することにより製造する方法
(3)外側層4の内径よりも多少大きな外径を有する筒状弾性部材を作製し、この筒状弾性部材を、径方向に圧縮した状態で外側層4内に挿入することによって弾性材料層3を形成することにより製造する方法
が考えられる。
【0009】
しかし、上記(1)の方法では、外側層4の表面に感光層6が形成された状態で、外側層4の内部に、加熱した弾性材料を流し込むという作業が行なわれることとなるから、熱等によって感光体特性が劣化するという問題がある。また、感光層6の表面に傷が付いたり、異物(弾性材料等の異物)が付着するおそれがある。
上記(2)の方法では、弾性材料層3が形成された後に感光層6が形成されることとなるから、感光層塗工時の洗浄液や塗工液によって弾性材料層3の膨潤、溶解、あるいは硬化が生じ、その結果、弾性材料層としての機能が低下するおそれがある。
したがって、上記(1)(2)の方法では所望の感光体ドラム1を得ることが極めて困難である。
また、上記(3)の方法では、筒状弾性部材が圧縮状態から解放されて外側層4に向け膨張する過程で、不均一に膨張するおそれがある。このため、軸2と外側層4との同軸度が損なわれ、感光体ドラム1が回転した際の振れが非常に大きくなるおそれがある。画像形成装置においては、感光体の周囲に、感光体と当接する帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の当接部材が配置されるため、感光体の振れが大きくなると、感光体と当接部材との接触状態が不安定になり、画像ムラが発生するという問題が生じる。
【0010】
一方、前述した特開昭58−86550号公報記載のドラム状像担持体部材(図12参照)において、そのドラム基体31が内方に容易に撓むことができるように構成すれば、このドラム基体31を疑似軟質材として利用することができるようになると考えられ、上記特公平4−69383号公報記載の感光体ドラム1(図11参照)における問題が解決されることが期待できる。
しかしながら、この特開昭58−86550号公報には、ドラム基体31を疑似軟質材として利用することについては何等記載されていない。
また、このドラム状像担持体部材(図12参照)は、ドラム基体31の両端を円板状の端板33で支持する構造であるが、ドラム基体31と端板33との具体的な固定構造については何等記載されていない。
ドラム基体31と端板33とを固定する構造としては、接着剤による固定構造が考えられるが、ドラム基体31と端板33との間に、単に接着剤を介在させただけでは、ドラム基体31と端板33との間の間隙の有無あるいは大小に起因する接着剤の不規則な有無状態あるいはその量の不規則な多寡状態による接着むらが生じるおそれがあり、信頼性の上で望ましくない。
【0011】
本発明は以上のような問題を解決しようとするもので、その目的は、硬質ローラ等の当接部材との確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単で信頼性のある像担持体ユニットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の像担持体ユニットは、可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体と、
この像担持体の両端部を内方から支持する支持面としての像担持体の内径よりも多少大きく形成された外周面と、この外周面に連なり、内端部の径が像担持体の内径よりも小さく形成されたテーパ面とを有し、像担持体の両端部に圧入されて像担持体の両端部を内方から支持する一対の円板状部材と、
この円板状部材の前記支持面と前記像担持体の軸線方向における外端面との角部にリング状に形成され、前記支持面の半径方向外方および前記像担持体の軸線方向外方がいずれも開放され、かつ前記像担持体の軸線方向外側に向かって広くなるテーパ部を有する接着剤受け溝とを備え、
この接着剤受け溝に流し込まれた接着剤で前記像担持体と円板状部材とが接着されていることを特徴とする。
請求項2記載の像担持体ユニットは、請求項1記載の像担持体ユニットにおいて、前記接着剤は、前記像担持体の表面に達しないように流し込まれることを特徴とする。
【0013】
【作用効果】
請求項1記載の像担持体ユニットは、上記の構成となっているので、可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体の両端部が一対の円板状部材の支持面で内方から支持され、さらに、円板状部材の前記支持面に形成された接着剤受け溝に注入された接着剤で像担持体と円板状部材とが接着され固定されることによって組み立てられる。
したがって、容易に製造することができる。
しかも、前記接着剤受け溝は、その外側が開放されているので、円板状部材で像担持体の端部を支持させた後においても、その外側の開放部から容易に接着剤を注入することができる。
したがって、一層容易に製造することができることとなる。
また、接着剤は、接着剤受け溝に注入された状態で、像担持体と円板状部材とを接着することとなるので、前述した接着むらが生じなくなり、像担持体と円板状部材とが確実に固定されることとなる。
そして、像担持体は可撓性を有する薄肉円筒状のものであるから、組み立てられた状態では、前記円板状部材で支持されていない中央部分が、半径方向内方に容易に撓み得る。したがって、その中央部分は、疑似軟質材として利用することができるので、この中央部分に、硬質ローラ等の当接部材を確実に安定した状態で接触させることができる。
以上のように、この請求項1記載の像担持体ユニットによれば、硬質ローラ等の当接部材との確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単で信頼性が向上するという効果が得られる。
請求項2記載の像担持体ユニットによれば、請求項1記載の像担持体ユニットにおいて、前記接着剤受け溝の外側の開放部は、外側に向かって広くなるテーパ部を有しているので、円板状部材で像担持体の端部を支持させた後における接着剤の注入作業が一層容易になり、結果としてより一層容易に製造することが可能となる。
請求項3記載の像担持体ユニットによれば、請求項1または2記載の像担持体ユニットにおいて、前記円板状部材は、支持面としての像担持体の内径よりも多少大きく形成された外周面と、この外周面に連なり、内端部の径が像担持体の内径よりも小さく形成されたテーパ面とを有し、像担持体の両端部に圧入されて像担持体の両端部を内方から支持する円板状部材となっているので、可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体の両端部に一対の円板状部材を圧入してこれら円板状部材で像担持体の両端部を内方から支持し、さらに、円板状部材の前記外周面に沿って形成されたリング状の接着剤受け溝に流し込まれた接着剤で像担持体と円板状部材とを接着し固定することによって組み立てられる。
したがって、容易に製造することができる。
円板状部材は、像担持体の内径よりも多少大きく形成された外周面と、この外周面に連なり、内端部の径が像担持体の内径よりも小さく形成されたテーパ面とを有しているので、このテーパ面の内端部側から像担持体の端部に圧入することによって、容易に圧入することができる。円板状部材の外周面は、像担持体の内径よりも多少大きく形成されているので、円板状部材が圧入された状態では、像担持体の端部が、確実かつ均一に支持されることとなる。なお、像担持体と円板状部材との間に多少の製造誤差があったとしても、像担持体は可撓性を有しているので、円板状部材が圧入される際、像担持体の端部は円板状部材のテーパ面に案内される過程で多少伸びることとなる。
すなわち、この請求項3記載の像担持体ユニットによれば、像担持体と円板状部材との間に多少の製造誤差があったとしても、像担持体の端部に円板状部材を容易に圧入することができるので、一層容易に製造することが可能となり、しかも、円板状部材の外周面で像担持体の端部を確実かつ均一に支持することができる。
さらに、接着剤は、円板状部材の前記外周面に沿って形成されたリング状の接着剤受け溝に注入された状態で、像担持体と円板状部材とを接着することとなるので、より一層接着むらが生じなくなり、像担持体と円板状部材とがより確実かつ均一に固定されることとなる。
しかも、前記接着剤受け溝は、その外側が開放されているので、像担持体の端部に円板状部材を圧入した後においても、その外側の開放部から容易に接着剤を注入することができ、像担持体内面と円板状部材との接合境界部に確実に接着剤を注入することができるので、像担持体と円板状部材とがより一層確実かつ均一に固定されることとなる。
以上のように、この請求項3記載の像担持体ユニットによれば、請求項1または2記載の像担持体ユニットにより得られる作用効果に加えて、より一層容易に製造することができるとともに、円板状部材の外周面で像担持体の端部を一層確実かつ均一に支持することができ、より一層信頼性が向上するという作用効果が得られる。
請求項4記載の像担持体ユニットによれば、請求項1,2,または3記載の像担持体ユニットにおいて、前記接着剤は、前記像担持体の表面に達しないように流し込まれるので、像担持体の表面が接着剤で冒されてしまうというおそれがなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る像担持体ユニットの一実施の形態を用いた画像形成装置の一例を示す概略図、図2は像担持体ユニットおよびその周辺の部分切断拡大図、図3は図2におけるIII−III部分拡大断面図である。
先ず、この画像形成装置の概要について説明し、次いで像担持体ユニットについて後に詳しく説明する。
【0015】
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーによる現像器を用いてフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0016】
図1において、100は像担持体ユニット(図2の101参照)が組み込まれた像担持体カートリッジである。この実施の形態では感光体カートリッジとして構成されていて、その感光体140が、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
【0017】
感光体140は、後に詳しく説明する薄肉円筒状の導電性基材140b(図3参照)と、その表面に形成された感光層140cとを有している。
感光体140の周りには、その回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ160、現像手段としての現像器10(Y,C,M,K)、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
【0018】
帯電ローラ160は、感光体140の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体140の外周面には、露光ユニット40によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体140上に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像器10でトナーが付与されて現像される。
現像器として、イエロー用の現像器10Y、シアン用の現像器10C、マゼンタ用の現像器10M、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y,10C,10M,10Kは、それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現像器の現像ローラ11のみが感光体140に当接し得るようになっている。したがって、これらの現像器10は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ11は、硬質のローラ例えば、表面を粗面化した金属ローラ、または、硬質の樹脂ローラで構成されている。
現像されたトナー像は、中間転写装置の中間転写ベルト36上に転写される。
【0019】
クリーニング手段170は、上記転写後に、感光体140の外周面に残留し付着しているトナーT(図9参照)を掻き落とすクリーナブレード171と、このクリーナブレード171によって掻き落とされたトナーを受ける受け部172とを備えている。
【0020】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32,33,34,35と、これら各ローラの回りに張架された無端状の中間転写ベルト36とを有している。
【0021】
駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体140の駆動用歯車190(図4参照)と噛み合っていることによって、感光体140と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト36が感光体140と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
従動ローラ35は、駆動ローラ31との間で中間転写ベルト36がそれ自身の張力によって感光体140に圧接される位置に配置されており、感光体140と中間転写ベルト36との圧接部において一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルト36の循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
駆動ローラ31には、中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して、中間転写ベルト36の後述する導電層36a(図3参照)に一次転写電圧が印加される。
従動ローラ32はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。
従動ローラ33は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には、中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラ38は、図示しない接離機構により中間転写ベルト36に対して接離可能である。二次転写ローラ38には、二次転写電圧が印加される。
従動ローラ34は、ベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は、中間転写ベルト36と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード39aと、このクリーナブレード39aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部39bとを備えている。このベルトクリーナ39は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト36に対して接離可能である。
【0022】
中間転写ベルト36は、図3に示すように、導電層36aと、この導電層36aの上に形成され、感光体140に圧接される抵抗層36bとを有する複層ベルトで構成されている。導電層36aは、合成樹脂からなる絶縁性基体36cの上に形成されており、この導電層36aに、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が印加される。なお、ベルト36側縁部において抵抗層36bが帯状に除去されていることによって導電層36aが帯状に露出しており、この露出部に電極ローラが接触するようになっている。
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。
シートSは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
二次転写部T2でトナー像が転写されたシートSは、定着装置60を通ることによってそのトナー像が定着され、排紙経路70を通って、装置本体のケース80上に形成されたシート受け部81上に排出される。なお、この画像形成装置は、排紙経路70として、互いに独立した2つの排紙経路71,72を有しており、定着装置60を通ったシートはいずれかの排紙経路(71または72)を通って排出される。また、この排紙経路71,72はスイッチバック経路をも構成しており、シートの両面に画像を形成する場合には、排紙経路71または72に一旦進入したシートが、返送路73を通って再び二次転写部T2に向けて給送されるようになっている。
【0023】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部90に入力されると、感光体140、現像器10の各ローラ11、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(ii)感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。
(iii)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(iv)感光体140には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器10Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体140上に形成される。
(v)中間転写ベルト36には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が、一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は、中間転写ベルト36から離間している。
(vi)感光体140上に残留しているトナーがクリーニング手段170によって除去された後、除電手段41(図2参照)からの除電光L2によって感光体140が除電される。
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて中間転写ベルト36上に形成される。
(viii)所定のタイミングで給紙装置50からシートSが供給され、シートSの先端が二次転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するにシートS上の所望の位置に、中間転写ベルト36上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルト36に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト36上のトナー像(基本的には4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像)がシートS上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルト36に当接し、二次転写後に中間転写ベルト36上に残留しているトナーが除去される。
(ix)シートSが定着装置60を通過することによってシートS上にトナー像が定着し、その後、シートSが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合には、スイッチバック経路71または72を経て返送路73に向け)搬送される。
【0024】
次に、像担持体カートリッジ100について説明する。
図8に示すように、像担持体カートリッジ100は、カートリッジケース200と、このカートリッジケース200に組み込まれた像担持体ユニット101、帯電ローラ160、およびクリーニング手段170とを備えている。
【0025】
そこで、先ず、像担持体ユニット101について説明する。
図4は像担持体ユニット101の断面図である。
図4に示すように、この像担持体ユニット101は、それ自身では回転しない軸110と、この軸110に対して回転可能に取り付けられた一対の円板状部材120,130と、これら一対の円板状部材120,130によって両端部が支持固定され円板状部材120,130とともに回転する可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体140と、この像担持体140の内方において軸110に取り付けられ、像担持体140に対してその外方から当接部材としてのクリーナブレード171(図8参照)、帯電ローラ160が当接されるその当接位置において像担持体140を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップドラム150とを備えている。
【0026】
一対の円板状部材120,130は、いずれもベアリング114を介して軸110に回転可能に設けられており、これら円板状部材120,130の外周面121,131によって像担持体140の両端部141が支持され固定されている。
その固定構造を図5に示す。図5は、一方の円板状部材120に対する像担持体140の端部141の固定構造を示しているが、他方の円板状部材130に対する像担持体140の端部141の固定構造も同様である。
【0027】
同図に示すように、円板状部材120の外周面121の外径D3は、像担持体140の内径D2よりも多少大きく形成されており、像担持体140の端部141に円板状部材120が圧入されている。この圧入が円滑になされるように、円板状部材120の内側には、外周面121に連なり、内端部の径D4が像担持体140の内径D2よりも小さく形成されたテーパ面121aが形成されている。この圧入によって、像担持体140と円板状部材120とは略良好に結合されるが、両者の結合をより一層確実にするために、円板状部材120の外周面121に接着剤受け溝122が形成されており、この接着剤受け溝122に注入された接着剤123で像担持体140と円板状部材120とを接着してある。
【0028】
図6は接着剤受け溝122の詳細を示す拡大断面図である。
図5および図6に示すように、接着剤受け溝122は、円板状部材120の外周面121に沿って形成されたリング状溝となっており、その外側(図5において右側)が開放されている。開放部を122aで示す。
図6に示すように、開放部122aは、外側に向かって広くなるテーパ部122bを有している。
接着剤受け溝122への接着剤123の注入は、図7に示すように、像担持体140の端部141へ円板状部材120を圧入した後に、例えばディスペンサー300を用いて行なう。
この際、接着剤受け溝122は、その外側が開放されているので、像担持体140の端部141へ円板状部材120を圧入した状態でも、その外側の開放部122aから容易に接着剤123を注入することができ、像担持体140の内面140aと円板状部材120との接合境界部Bに確実に接着剤を注入することができる。これによって、像担持体140と円板状部材120とを確実かつ均一に、しかも強固に固定することができる。また、開放部122aには、外側に向かって広くなるテーパ部122bを有しているので、接着剤の注入作業は一層容易に行うことができる。特に、この実施の形態のように、像担持体140の端部141へ円板状部材120を圧入した状態では、像担持体140の端縁部140eが中心部(軸110方向)に向かって撓んだ状態となりやすいが、このような状態においても、上記テーパ部122bの作用によって、像担持体140の内面140aと円板状部材120との接合境界部Bに確実に接着剤を注入することができる。接着剤123は、像担持体140の表面140c1に達しないように注入する。
【0029】
図4に示すように、他方の円板状部材130には、その外側に、駆動用のギア190が固定されている。このギア190は円板状部材130と別体に作成されており、図示しない複数本(例えば3本)のネジで円板状部材130に固定されている。ギア190には、筒状部192が一体に形成されており、この筒状部192が、円板状部材130の外側に一体的に形成された筒状部133内に嵌合した状態でねじ止めされている。
【0030】
像担持体140は、この実施の形態では感光体として構成されており、可撓性を有する導電性基材140b(図3参照)の表面(外周面)に感光層140cを形成することにより構成されている。基材としては、例えば、電鋳法にて作製したニッケルシームレス管を用いることができる。感光層は、いわゆるOPC(有機感光体)をディッピング法で形成することができる。このような感光体140の可撓性すなわち柔軟さは、基材140bの厚みと径とを調整することにより決定することが可能であるから、使用される画像形成装置に応じて適宜設定することが可能である。例えば、基材厚み20〜200μm、基材直径10〜300mmの範囲で適宜設定する。なお、OPCは主として樹脂からなるので、可撓性の面では優れるが、基材との密着性を確保し、レーザー光の干渉対策を施すために、基材とOPCとの間に下引き層を形成することが望ましい。下引き層としては、酸化亜鉛、酸化チタン等のレーザー光を吸収可能な粒子をナイロン樹脂等の樹脂に分散させた層が好適である。
【0031】
バックアップドラム150は、一対の側板151,151と、これら側板151,151の外周面によって両端が固定された円筒部材152とで構成されている。円筒部材152の外径D1は像担持体140の内径D2よりも僅かに小さく形成されている。側板151には、軸受け穴153が設けられており、この軸受け穴153には、軸110との間に偏心ブッシュ154とベアリング155とが設けられている。したがって、バックアップドラム150は、軸110に対して偏心ブッシュ154およびベアリング155を介して回転可能に支持されている。偏心ブッシュ154は、当接部材としてのクリーナブレード171(図8参照)、および帯電ローラ160が当接されるその当接位置側(図8において矢印e方向)に、偏心量Eだけ偏心しており、これによって、バックアップドラム150の外周面(円筒部材152の外周面)の一部が前記当接位置において比較的広い範囲に亙って像担持体140を内方から支持するようになっている。
軸110には、偏心ブッシュ154の軸110に対する偏心方向を決めるためのピン111が固定されているとともに、偏心ブッシュ154の内側面にはピン111と適合する形状の溝156が形成されている。ピン111の、軸110からの突出長さは、一端側と他端側とで異なっているので、このピン111と前記溝156とを嵌め合わせることによって、偏心ブッシュ154は間違いなく図8において矢印e方向に偏心した状態で配置される。
【0032】
バックアップドラム150は、軸110に対して偏心ブッシュ154およびベアリング155を介して回転可能に支持されているので、図8に示すように像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれて像担持体140が回転駆動されると、前記クリーニングブレード171等の当接位置において、円筒部材152の外周面152aが像担持体140の内周面140aと当接することによって像担持体140に従動して回転する。
なお、図4に示すように、一方の偏心ブッシュ154とベアリング114との間には、ガタ防止用の圧縮コイルバネ102が設けられている。
【0033】
以上のような像担持体ユニット101は、図8に示すような状態で、カートリッジケース200に組み込まれるが、カートリッジケース200には、先ずクリーニング手段170が組み込まれ、次いで帯電ローラ160が組み込まれ、その後、像担持体ユニット101が組み込まれる。
【0034】
クリーニング手段170は、図9にその詳細を示すように、感光体140の外周面に残留し付着しているトナーTを掻き落とすクリーナブレード171と、このクリーナブレード171によって掻き落とされたトナーTを受ける受け部172と、この受け部172の底部に配置され、掻き落とされたトナーを搬送する搬送手段としてのトナー搬送スクリュー173とを備えている。
クリーナブレード171は、その上部がブレードホルダ174に固定されている。ブレードホルダ174は、その両端に設けられたアーム174a(一方のみ図示)が軸211(一方のみ図示)によってカートリッジ200の側部210(図8参照)に対して揺動可能に取り付けられている。カートリッジ200の背板230とブレードホルダ174との間には、ブレード付勢バネ(圧縮コイルバネ)175が設けられており、図8に示したように像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれると、ブレード付勢バネ175の付勢力によってクリーナブレード171の先端部(縁部)が感光体140の表面に当接されるようになっている。
このような構造によれば、ブレード171の形状精度やゴム硬度に左右されず、ブレード171を感光体140へ一定圧力で圧接させることができる。また、圧力変動を小さくして感光体140のフィルミングを防止することができる。
受け部172は、背板230の下部によって形成されている。
ブレードホルダ174の後端縁部と背板230との間には、フォーム材からなるシール部材176が設けられている。また、クリーナブレード171先端の下方には、すくいシート177が設けられている。すくいシート177は、その基部が背板230に固定されており、その先端縁部が感光体140の表面と摺接して、トナーTの漏れを防止する。
トナー搬送スクリュー173は、その軸173aの両端部が受け部172の側壁に回転可能に支持されており、軸173aの一端に設けられた図示しないギアが減速ギア(図示せず)を介して像担持体ユニット101のギア190と噛み合っていることによって回転駆動され、受け部172中のトナーTが図示しない廃トナーボトル178に向けて搬送されるようになっている。
【0035】
帯電ローラ160は、図8に示すように、その軸161の両端部分が軸受部材162(一方のみ図示)を介しカートリッジケース200の側部210に対して回転可能かつ、取付後の感光体140の中心方向に向けてスライド可能に支持されている。側部210には、切欠部212が設けられており、その対向する縁部212a,212aに、軸受部材162の上下面に形成されたガイド溝(図示せず)がスライド可能に嵌まり込むことによって、軸受部材162は側部210に対してスライド可能に取り付けられる。前記切欠部212にはバネ受け部212bが形成されており、このバネ受け部と軸受部材162との間には、付勢手段としての圧縮コイルバネ163がそれぞれ介装されている。したがって、図8に示すように、像担持体ユニット101がカートリッジケース200に組み込まれると、バネ163の付勢力によって帯電ローラ160が感光体140の表面に当接されることとなる。
【0036】
図4に示すように、像担持体ユニット101の固定軸110には、円板状部材120,130よりも外方に突出した突出部112に、ピン113,113が設けられているとともに、カートリッジケース200の側部210には前記ピン113を受けるピン受け部(図示せず)が設けられている。この実施の形態では、上記ピン113,113と、ピン受け部とで、固定軸110の軸回り位置を決める位置決め手段が構成されている。ピン113は、軸110に設けた貫通孔に圧入することによって軸110に固定しても良いし、軸110と一体に構成しても良い。なお、軸110の一端(図4において右端)112aは、その断面形状がD形に形成されている。
【0037】
カートリッジケース200には、ローラカバー270が着脱可能に装着される。装着された状態は図2に示されている。同図に示すように、このローラカバー270は、露光L1を通過させるためのスリット状の窓271と、除電光L2と帯電ローラ160(帯電部)との間を遮蔽する遮蔽板272とを有している。
【0038】
以上のような像担持体カートリッジ100は、画像形成装置に対して図1において左方から装着されるが、画像形成装置のフレームおよびケース80は、図1におけるB−B線すなわち像担持体カートリッジ100と露光ユニット40との間で分離され得るようになっている(例えば露光ユニット40側が左方にスライド可能となっている)ので、像担持体カートリッジ100の着脱を容易に行なうことができる。図2に示すように、像担持体カートリッジ100には、その着脱を容易にするための摘み231が設けられている。
以上のような像担持体カートリッジ100は、画像形成装置に組み込まれると、駆動用のギア190に画像形成装置本体の駆動ギア(図示せず)が噛み合うことによって、その像担持体140が矢印方向に回転駆動される。
【0039】
この実施の形態の像担持体ユニット101によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体140の両端部141が一対の円板状部材120,130(以下特に必要がない限り一方の円板状部材120を代表させて説明する)の支持面121で内方から支持され、さらに、円板状部材120の支持面121に形成された接着剤受け溝122に流し込まれた接着剤123で像担持体140と円板状部材120とが接着され固定されることによって組み立てられる。
したがって、容易に製造することができる。
しかも、接着剤受け溝122は、その外側が開放されているので、円板状部材で120像担持体140の端部を支持させた後においても、その外側の開放部122aから容易に接着剤123を注入することができる。
したがって、一層容易に製造することができることとなる。
また、接着剤123は、接着剤受け溝122に注入された状態で、像担持体140と円板状部材120とを接着することとなるので、接着むらが生じなくなり、像担持体140と円板状部材120とが確実に固定されることとなる。
そして、像担持体140は可撓性を有する薄肉円筒状のものであるから、組み立てられた状態では、円板状部材120,130で支持されていない中央部分142(図4,図8参照)が、半径方向内方に容易に撓み得る。したがって、その中央部分142は、疑似軟質材として利用することができるので、この中央部分142に、硬質ローラ等の当接部材(例えば現像ローラ11)を確実に安定した状態で接触させることができる。
以上のように、この像担持体ユニット101によれば、硬質ローラ等の当接部材との確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単で信頼性が向上するという効果が得られる。
【0040】
(b)接着剤受け溝122の外側の開放部122aは、外側に向かって広くなるテーパ部122bを有しているので、円板状部材120で像担持体140の端部を支持させた後における接着剤123の注入作業が一層容易になり、結果としてより一層容易に製造することが可能となる。
【0041】
(c)円板状部材120は、支持面としての像担持体の内径よりも多少大きく形成された外周面121と、この外周面121に連なり、内端部の径D4が像担持体140の内径D2よりも小さく形成されたテーパ面121aとを有し、像担持体140の両端部141に圧入されて像担持体140の両端部141を内方から支持する構成となっているので、可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体140の両端部141に一対の円板状部材120,130を圧入してこれら円板状部材120,130で像担持体140の両端部141を内方から支持し、さらに、円板状部材の外周面121に沿って形成されたリング状の接着剤受け溝122に流し込まれた接着剤123で像担持体140と円板状部材120,130とを接着し固定することによって組み立てられる。
したがって、より一層容易に製造することができる。
円板状部材120は、像担持体140の内径D2よりも多少大きく形成された外周面121と、この外周面121に連なり、内端部の径D4が像担持体140の内径D2よりも小さく形成されたテーパ面121aとを有しているので、このテーパ面121aの端部側から像担持体140の端部141に圧入することによって、容易に圧入することができる。円板状部材120の外周面121は、像担持体140の内径D2よりも多少大きく形成されているので、円板状部材120が圧入された状態では、像担持体140の端部141が、確実かつ均一に支持されることとなる。なお、像担持体140と円板状部材120との間に多少の製造誤差があったとしても、像担持体140は可撓性を有しているので、円板状部材120が圧入される際、像担持体140の端部141は円板状部材120のテーパ面121aに案内される過程で多少伸びることとなる。
すなわち、像担持体140と円板状部材120との間に多少の製造誤差があったとしても、像担持体140の端部141に円板状部材120を容易に圧入することができるので、一層容易に製造することが可能となり、しかも、円板状部材120の外周面121で像担持体140の端部141を確実かつ均一に支持することができる。
さらに、接着剤123は、円板状部材120の外周面121に沿って形成されたリング状の接着剤受け溝122に注入された状態で、像担持体140と円板状部材120とを接着することとなるので、より一層接着むらが生じなくなり、像担持体140と円板状部材120とがより確実かつ均一に固定されることとなる。
しかも、接着剤受け溝122は、その外側が開放されているので、像担持体140の端部に円板状部材を圧入した後においても、その外側の開放部122aから容易に接着剤123を注入することができ、像担持体内面と円板状部材120との接合境界部Bに確実に接着剤123を注入することができるので、像担持体140と円板状部材120とがより一層確実かつ均一に、しかも強固に固定されることとなる。
したがって、この像担持体ユニットは、容易に製造することができるとともに、円板状部材120の外周面121で像担持体140の端部141を確実かつ均一に支持することができ信頼性が向上するという作用効果が得られる。
【0042】
(d)接着剤123は、像担持体140の表面140c1に達しないように注入されるので、像担持体140の表面が接着剤で冒されてしまうというおそれがなくなる。
また、次のような作用効果も得られる。
この実施の形態のように像担持体140が感光体であり、これに形成された潜像を現像するために、感光体表面に現像ローラ11を接触させてトナー付与する構造において、感光体140が、可撓性を有する薄肉円筒状の基材140bと、その表面に形成された感光層140cとを有する構成であると、これに現像ローラ11を当接させると、感光体140は半径方向内方に撓むこととなるので、その撓み量を規制することが望ましい。この撓み量を規制する手段としては、図10に示すように、現像ローラの軸11aの両端にコロ11bを設け、これらのコロ11bを感光体140の両端部141’,141’に当接させて現像ローラ11の感光体140への食い込み量(すなわち感光体140の撓み量)を規制する構造を採用し得る。
そして、このような構造を採用した場合において、仮に、感光体140の両端部141’,141’に感光層が形成されていると、この感光層がコロ11bとの当接によって不均一に剥がれ、結果として、上記撓み量が不均一になってしまうという難点が生じる。また、剥がれた感光層が画像形成領域に進入すると、画像不良も生じる。
このような難点は、円板状部材120,130が圧入される感光体両端部141’の外周面には感光層を形成しない構成とすることによって解決することが可能である。
しかしながら、このような構成を採用した場合において、接着剤受け溝122に注入された、あるいは注入される接着剤123が、感光体140の両端部141’表面に付着すると、感光体140の両端部141’,141’に対するコロ11bの当接状態が不均一ないし不安定となって、結果として、形成された画像に濃淡ムラが生じてしまう。
これに対し、この実施の形態の像担持体ユニット101によれば、接着剤123は、像担持体140の表面に達しないように流し込まれるので、上記難点が解消されることとなる。すなわち、図10に示すように、現像ローラ11の軸11aの両端にコロ11bを設け、これらのコロ11bを感光体140の両端部141’に当接させることによって、現像ローラ11の感光体140への食い込み量(すなわち感光体の撓み量)を精度良く規制することができることとなる。
【0043】
(e)像担持体140の内方には、像担持体140の内径D2よりも僅かに小さな外径D1を有するバックアップドラム150が配置されているので、さらに次のような作用効果が得られる。
この実施の形態の像担持体ユニット101のように、可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体140の両端部を一対の円板状部材120で支持する構成であると、像担持体140の中央部分142(図4参照)をオペレータが誤って押圧してしまうと破損してしまうおそれがある。この種の像担持体ユニット101は通常、交換部品であるため、その取扱いによって破損するおそれがあると、交換作業が極めて行ない難くなってしまう。
これに対し、この実施の形態の像担持体ユニット101によれば、像担持体140の内方に、像担持体140の内径D2よりも僅かに小さな外径D1を有するバックアップドラム150が配置されているので、例えば像担持体ユニット101の交換作業時等にオペレータが誤って像担持体140の中央部を強く押圧したとしても、像担持体140は破損にいたる前にバックアップドラム150によって支持されることとなるため破損しなくなる。したがって、この像担持体ユニット101は、前述した特開昭58−86550号公報に開示されたドラム状像担持体部材(図12参照)に比べて取扱い性に優れている。
しかも、像担持体140を強く押圧してもこれが破損しないから、当接部材、例えばクリーナブレード171を強く当接させることもできる。
すなわち、この実施の形態の像担持体ユニット101によれば、当接部材との一層確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単でしかも取扱い性に優れているという効果が得られる。
【0044】
(f)バックアップドラム150は、像担持体140の内径D2よりも僅かに小さな外径D1を有し、軸110に対して偏心して配置された軸受155を介して回転可能に支持されているので、像担持体140に対してその外方から当接部材が当接されるその当接位置において像担持体140を内方から広い範囲に亙って支持することができる(図8参照)。
(g)バックアップドラム150は、軸110に対して偏心して配置された軸受155を介して回転可能に支持されているので、その外周面152a(図8参照)が像担持体140の内周面と当接することによって従動回転する。したがって、像担持体140に対する負荷を小さくすることができ、像担持体140の駆動トルクを低減させることができる。
【0045】
【実施例】
図6を参照して、接着剤受け溝122の具体的な寸法について説明する。
接着剤受け溝122の幅L2は2mm程度、テーパ部122bの幅L1は1mm程度とする。また、接着剤受け溝122の深さH2は1.2mm程度、テーパ部122bの深さH1は0.7mm程度とする。
【0046】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
▲1▼上記実施の形態では像担持体ユニットを感光体ユニットとして説明したが、これに限らず、中間転写媒体ユニットとしても構成することができる。この場合、像担持体ユニットは中間転写媒体ユニットとなり、像担持体は薄肉円筒状の中間転写媒体となる。
▲2▼請求項1の発明に関しては、円板状部材は必ずしもテーパ面を有していなくてもよい。また、接着剤受け溝はリング状溝である必要はなく、支持面の円周方向に沿って等間隔で複数個設けてもよい。
▲3▼上記実施の形態における円板状部材120のテーパ面121aは、平面状(図5においてその傾斜面が直線状のもの)としたが、これに限らず、曲面状のもの(図6においてその傾斜面が曲線状のもの)としてもよい。円板状部材120の像担持体140への圧入が容易に行なうことができればよいからである。
▲4▼バックアップ部材150は必ずしも必要ではなく、したがって、軸110は必ずしも固定軸とする必要はない。軸と円板状部材と像担持体とが一体となって回転する構造に関しても本発明は適用し得る。
【発明の効果】
請求項1〜4記載のいずれの像担持体ユニットによっても、硬質ローラ等の当接部材との確実で安定した接触状態を得ることが可能であるとともに、製造が簡単で信頼性が向上するという効果が得られる。
さらに、
請求項2記載の像担持体ユニットによれば、一層容易に製造することが可能となる。
請求項3記載の像担持体ユニットによれば、一層容易に製造することができるとともに、円板状部材の外周面で像担持体の端部を確実かつ均一に支持することができるという作用効果が得られる。
請求項4記載の像担持体ユニットによれば、像担持体の表面が接着剤で冒されてしまうというおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る像担持体ユニットの一実施の形態を用いた画像形成装置の一例を示す概略図。
【図2】像担持体ユニットおよびその周辺の部分切断拡大図。
【図3】図2におけるIII−III部分拡大断面図。
【図4】像担持体ユニット101の断面図。
【図5】図4の部分拡大図。
【図6】接着剤受け溝122の詳細を示す拡大断面図。
【図7】接着剤受け溝122への接着剤123の注入状態を示す拡大断面図。
【図8】像担持体カートリッジ100の断面図。
【図9】図8の部分拡大図。
【図10】作用を説明するための断面図。
【図11】(a)〜(c)は従来技術の説明図。
【図12】従来技術の説明図。
【符号の説明】
101 像担持体ユニット
120,130 円板状部材
121 外周面(支持面)
121a テーパ面
122 接着剤受け溝
122a 開放部
122b テーパ部
123 接着剤
140 像担持体(感光体)
141 端部
141e 端縁部
Claims (2)
- 可撓性を有する薄肉円筒状の像担持体と、
この像担持体の両端部を内方から支持する支持面としての像担持体の内径よりも多少大きく形成された外周面と、この外周面に連なり、内端部の径が像担持体の内径よりも小さく形成されたテーパ面とを有し、像担持体の両端部に圧入されて像担持体の両端部を内方から支持する一対の円板状部材と、
この円板状部材の前記支持面と前記像担持体の軸線方向における外端面との角部にリング状に形成され、前記支持面の半径方向外方および前記像担持体の軸線方向外方がいずれも開放され、かつ前記像担持体の軸線方向外側に向かって広くなるテーパ部を有する接着剤受け溝とを備え、
この接着剤受け溝に流し込まれた接着剤で前記像担持体と円板状部材とが接着されていることを特徴とする像担持体ユニット。 - 前記接着剤は、前記像担持体の表面に達しないように流し込まれることを特徴とする請求項1記載の像担持体ユニット。
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