JP3589032B2 - 起動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定電圧回路を起動する起動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路として図8に示すような構成のものがある。この定電圧回路1は、制御電源(直流電源)Eと、制御電源Eからの電力供給を受けて動作する増幅器(オペアンプ)OPと、カソードが制御電源Eの負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗R1を介して増幅器OPの出力端に接続された第1のダイオードD1と、カソードが制御電源Eの負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗R2,R3の直列回路を介して増幅器OPの出力端に接続された第2のダイオードD2とを具備し、第1の抵抗R1と第1のダイオードD1のアノードとの接続点が増幅器OPの非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗R2,R3の接続点が増幅器OPの反転入力端に接続されて成る、いわゆるバンドギャップ定電圧回路である。すなわち、定常状態においては、増幅器OPの出力電圧Voにより抵抗R1を介して順方向バイアスされた第1のダイオードD1のバンドギャップ電圧を基準電圧として増幅器OPの非反転入力端に入力し、この基準電圧を、増幅器OPにて第2及び第3の抵抗R2,R3並びに第2のダイオードD2で決まる所定の増幅度で増幅することで所定の定電圧Voを出力するものであり、温度変動や制御電源Eの電源電圧変動に依存しない出力電圧Voが得られるという特徴を有するものである。
【0003】
ところで、このような定電圧回路1においては、起動時(制御電源Eが投入された時)には増幅器OPの出力電圧Voが略ゼロであるために第1のダイオードD1が順方向にバイアスされない。したがって、起動時に第1のダイオードD1を順方向にバイアスするために定電圧回路1に電力を供給する起動回路20が必要となる。このような起動回路20として、図8に示すように制御電源Eの正極側にドレイン端子が接続されるとともに抵抗R1と第1のダイオードD1のアノードとの接続点にソース端子が接続されたスイッチング素子(N型MOSFET)Q1と、制御電源Eの両極間に接続されたP型のMOSFETQ6及びN型のMOSFETQ7の直列回路とを備え、P型のMOSFETQ6のゲート端子が制御電源Eの負極側に接続されるとともにN型のMOSFETQ7のゲート端子が2つのMOSFETQ6,Q7の接続点及びスイッチング素子Q1のゲート端子に接続されて構成されるものがある。
【0004】
すなわち、制御電源Eが投入されると2種類のMOSFETQ6,Q7の直列回路から供給されるゲート電圧Vgがスイッチング素子Q1のゲート端子に印加されてスイッチング素子Q1がターンオンするため、スイッチング素子Q1を介して制御電源Eから電圧(起動電圧)Vdが定電圧回路1に与えられる。その結果、第1のダイオードD1が順方向にバイアスされて増幅器OPの出力電圧Voが所定値まで上昇する(定電圧回路1が起動する)。一方、起動電圧Vdが所定値まで達するとスイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧Vgsが低下してスイッチング素子Q1のしきい値電圧を下回るとスイッチング素子Q1がターンオフし、起動回路20からの電力供給が停止する。つまり、この起動回路20におけるスイッチング素子Q1のオンオフはスイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧Vgsによって制御されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の起動回路20では、温度の変動によりスイッチング素子Q1のしきい値電圧が変動し、且つ、P型のMOSFETQ6とN型のMOSFETQ7の直列回路からスイッチング素子Q1のゲート端子に与えられるゲート電圧Vgも変動するため、スイッチング素子Q1のゲート−ソース間電圧Vgsも変動してスイッチング素子Q1のオンオフ制御が不完全になる。このため、定電圧回路1に出力される起動回路20の出力電圧(起動電圧)Vdが所定の電位に達してもスイッチング素子Q1がターンオフせず、起動回路20から定電圧回路1に電力を供給し続けることになる。バンドギャップ定電圧回路1は上述のように温度変動、電源電圧変動に依存しないのが特徴の回路であるにもかかわらず、起動回路20により定電圧回路1に電力が供給し続けられるため、温度変動、電源電圧変動に大きく影響され、定電圧回路1の出力電圧Voが変動してしまい、定電圧回路1からの電圧供給を受ける周辺回路に誤動作が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、定電圧回路に温度変動、電源電圧変動の影響を及ぼさない起動回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にドレイン端子が接続されるとともに増幅器の出力端にツェナーダイオードを介してソース端子が接続され且つ制御電源の負極側に抵抗を介してソース端子が接続されたN型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4〜第6の抵抗の直列回路の第4及び第5の抵抗の接続点とスイッチング素子のソース端子とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子に出力端が接続されたコンパレータ、第5及び第6の抵抗の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源の負極側にソース端子が接続されたN型MOSFET、コンパレータの出力端とN型MOSFETのゲート端子との間に抵抗を介して接続されたインバータを具備した制御回路とから成ることを特徴とし、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、第5及び第6の抵抗の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源の負極側にソース端子が接続されたN型MOSFET、コンパレータの出力端とN型MOSFETのゲート端子との間に抵抗を介して接続されたインバータによってコンパレータのしきい値電圧にヒステリシスを与えることができ、ノイズなどによる制御回路の誤動作を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4及び第5の抵抗の接続点と増幅器の出力端とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子にインバータを介して出力端が接続されたコンパレータを具備した制御回路とから成ることを特徴とし、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、電力供給用のスイッチング素子をP型のMOSFETで構成しているため、定電圧回路及び起動回路を集積化する場合にスイッチング素子の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、集積回路の設計が容易になる。
【0014】
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路が、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路が、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、該スイッチング素子のドレイン端子と制御電源の負極との間にカソードを負極側にして順方向に直列接続された第3及び第4のダイオード、第3のダイオードのアノードとスイッチング素子のドレイン端子との間に接続された第4の抵抗、第3のダイオードと第4の抵抗の接続点にベースが接続されるとともに制御電源の正極側に抵抗を介してコレクタが接続され且つカソードが制御電源の負極側に接続された第5のダイオードのアノードにエミッタが接続された第1のNPN型のバイポーラトランジスタ、第1のバイポーラトランジスタのコレクタにベースが接続されるとともにスイッチング素子のゲート端子にコレクタが接続され且つ制御電源の負極側にエミッタが接続された第2のNPN型のバイポーラトランジスタ、第2のバイポーラトランジスタのコレクタと制御電源の正極側の間に接続される第5の抵抗を具備した制御回路とから成ることを特徴とし、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、電力供給用のスイッチング素子をP型のMOSFETで構成しているため、定電圧回路及び起動回路を集積化する場合にスイッチング素子の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、集積回路の設計が容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(参考例1)
本発明の参考例1を図1並びに図2を参照して詳細に説明する。但し、本参考例における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、起動回路2についてのみ説明する。
【0016】
本参考例の起動回路2は、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路1に供給するスイッチング素子Q1と、定電圧回路1の出力電圧Voを検知して出力電圧Voが所定値Vrを越えればスイッチング素子Q1をオフさせる制御回路2とを備えている。スイッチング素子Q1は制御電源Eの正極側にドレイン端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にソース端子が接続されたN型MOSFETから成る。また、制御回路3は、制御電源Eの両極間に接続された第4及び第5の抵抗R4,R5の直列回路と、これら第4及び第5の抵抗R4,R5で制御電源Eを分圧して得られるしきい値電圧Vrを増幅器OPの出力電圧Voと比較し、比較結果に応じてスイッチング素子Q1のゲート端子にオンオフ制御用の制御信号を出力する比較回路3aとを具備する。
【0017】
比較回路3aは、例えば図2に示すように、プラス側の入力端が第4及び第5の抵抗R4,R5の接続点に接続されるとともにマイナス側の入力端が増幅器OPの出力端と接続され、且つ出力端がスイッチング素子Q1のゲート端子に接続されたコンパレータCPによって構成される。
【0018】
次に本参考例の起動回路2の動作を説明する。
【0019】
起動時に制御電源Eが投入されると第4及び第5の抵抗R4,R5で分圧されたしきい値電圧Vrが比較回路3a(コンパレータCP)に入力されるが、定電圧回路1はまだ起動していないのでその出力電圧Voは非常に低いかあるいは略ゼロである。ゆえに出力電圧Voがしきい値電圧Vrを下回るために比較回路3a(コンパレータCP)の出力がHレベルとなり、スイッチング素子Q1のゲート端子にHレベルの制御信号が入力されてターンオンする。スイッチング素子Q1がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して定電圧回路1の抵抗R1〜R3及び第1及び第2のダイオードD1,D2に電力が供給され、抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが上昇する。
【0020】
このように定電圧回路1が起動すればその出力電圧(増幅器OPの出力電圧)Voが上昇し、やがて比較回路3a(コンパレータCP)のしきい値電圧Vrを越えると比較回路3a(コンパレータCP)の出力がHレベルからLレベルに変化し、スイッチング素子Q1のゲート端子にLレベルの制御信号が入力される。これによりスイッチング素子Q1がターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して行われていた電力供給が停止する。
【0021】
すなわち、定電圧回路1が起動した後は制御回路3によってスイッチング素子Q1を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路2からの電力供給が継続されることがなく、起動回路2の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。
【0022】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図3を参照して詳細に説明する。但し、本実施形態における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、本発明に係る起動回路4についてのみ説明する。
【0023】
本実施形態の起動回路4は、制御電源Eの正極側にドレイン端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にツェナーダイオードZDを介してソース端子が接続され且つ制御電源Eの負極側に抵抗R7を介してソース端子が接続されたN型MOSFETから成るスイッチング素子Q1と、制御電源Eの両極間に接続された第4〜第6の抵抗R4〜R6の直列回路の第4及び第5の抵抗R4,R5の接続点とスイッチング素子Q1のソース端子とが各々入力端に接続されるとともにスイッチング素子Q1のゲート端子に出力端が接続されたコンパレータCP、第5及び第6の抵抗R5,R6の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源Eの負極側にソース端子が接続されたN型MOSFETQ2、コンパレータCPの出力端とN型MOSFETQ2のゲート端子との間に抵抗R8を介して接続されたインバータINVを具備した制御回路5とを備えている。なお、ツェナーダイオードZDはカソード側がスイッチング素子Q1のソース端子に接続され、アノード側が増幅器OPの出力端(抵抗R1,R2の一端と増幅器OPの出力端との接続点)に接続されている。
【0024】
次に本実施形態の起動回路4の動作を説明する。
【0025】
起動時に制御電源Eが投入されると第4〜第6の抵抗R4〜R6で分圧されたしきい値電圧Vr1がコンパレータCPのプラス側の入力端に入力されるが、定電圧回路1はまだ起動していないので、その出力電圧Voは非常に低いかあるいは略ゼロである。ゆえに抵抗R7の両端に生じる出力電圧Voの検出電圧がしきい値電圧Vr1を下回るためにコンパレータCPの出力がHレベルとなり、スイッチング素子Q1のゲート端子にHレベルの制御信号が入力されてターンオンする。スイッチング素子Q1がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1を介してツェナーダイオードZDに逆方向の電圧が印加され、抵抗R1と第1のダイオードD1の直列回路及び抵抗R2,R3と第2のダイオードD2の直列回路にそれぞれツェナーダイオードZDのツェナー電圧が印加される。よって、ツェナー電圧により抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが上昇する。
【0026】
ここでコンパレータCPの出力がHレベルの場合にはN型MOSFETQ2のゲート端子にはインバータINVで反転されたLレベルの信号が抵抗R8を介して入力されるため、N型MOSFETQ2はオフ状態である。そのため、抵抗R6がN型MOSFETQ2でバイパスされず、上述したようにコンパレータCPのしきい値電圧Vr1は制御電源Eの電源電圧を第4〜第6の抵抗R4〜R6で分圧した値となる。
【0027】
このように定電圧回路1が起動すればその出力電圧(増幅器OPの出力電圧)Voが上昇し、やがてツェナーダイオードZDに印加される逆方向の電圧が低下してツェナー電圧が定電圧回路1に印加されなくなる。それと同時に抵抗R7の両端電圧(検出電圧)が上昇してコンパレータCPのしきい値電圧Vr1を越えるとコンパレータCPの出力がHレベルからLレベルに変化し、スイッチング素子Q1のゲート端子にLレベルの制御信号が入力される。これによりスイッチング素子Q1がターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して行われていた電力供給が停止する。
【0028】
一方、コンパレータCPの出力がLレベルになるとN型MOSFETQ2のゲート端子にはインバータINVで反転されたHレベルの信号が入力され、N型MOSFETQ2がターンオンする。その結果、抵抗R6がN型MOSFETQ2によってバイパスされるので、コンパレータCPのプラス側の入力端には制御電源Eを2つの抵抗R4,R5で分圧したしきい値電圧Vr2(<Vr1)が入力されることになる。つまり、本実施形態ではN型MOSFETQ2とインバータINVと抵抗R8とでコンパレータCPのしきい値電圧にヒステリシスを持たせるヒステリシス回路を構成しているので、一旦コンパレータCPの出力がHレベルからLレベルに変化した後に制御電源Eの電源電圧変動やノイズ等によって定電圧回路1の出力電圧Voに変動があってもコンパレータCPの出力が誤って変化してしまうことを防止できる。
【0029】
而して、定電圧回路1が起動した後は制御回路5によってスイッチング素子Q1を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路4からの電力供給が継続されることがなく、起動回路4の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。
【0030】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図4を参照して詳細に説明する。但し、本実施形態における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、本発明に係る起動回路6についてのみ説明する。
【0031】
本実施形態の起動回路6は、制御電源Eの正極側にソース端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成るスイッチング素子Q1’と、制御電源Eの両極間に接続された第4及び第5の抵抗R4,R5の接続点と増幅器OPの出力端とが各々入力端に接続されるとともにスイッチング素子Q1’のゲート端子にインバータINVを介して出力端が接続されたコンパレータCPを具備した制御回路7とを備えている。
【0032】
次に本実施形態の起動回路6の動作を説明する。
【0033】
起動時に制御電源Eが投入されると第4及び第5の抵抗R4,R5で分圧されたしきい値電圧VrがコンパレータCPに入力されるが、定電圧回路1はまだ起動していないのでその出力電圧Voは非常に低いかあるいは略ゼロである。ゆえに出力電圧Voがしきい値電圧Vrを下回るためにコンパレータCPの出力がHレベルとなり、スイッチング素子Q1’のゲート端子にはインバータINVで反転されたLレベルの制御信号が入力されてスイッチング素子Q1’がターンオンする。スイッチング素子Q1’がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1’を介して定電圧回路1の抵抗R1〜R3及び第1及び第2のダイオードD1,D2に電力が供給され、抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが上昇する。
【0034】
このように定電圧回路1が起動すればその出力電圧(増幅器OPの出力電圧)Voが上昇し、やがてコンパレータCPのしきい値電圧Vrを越えるとコンパレータCPの出力がHレベルからLレベルに変化し、スイッチング素子Q1’のゲート端子にはインバータINVで反転されたHレベルの制御信号が入力される。これによりスイッチング素子Q1’がターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1’を介して行われていた電力供給が停止する。
【0035】
すなわち、定電圧回路1が起動した後は制御回路7によってスイッチング素子Q1’を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路6からの電力供給が継続されることがなく、起動回路6の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。なお、実施形態1及び2ではスイッチング素子Q1をN型MOSFETで構成しているため、定電圧回路1及び起動回路2,4を集積化したICデバイスの設計を行う場合に、制御電源Eの正極側(高電位側)からの電力供給となるのでトランジスタの基板バイアス効果を考慮したN型MOSFETのデバイス設計が必要となる。それに対して本実施形態では、電力供給用のスイッチング素子Q1’をP型MOSFETにより構成しているので、定電圧回路1及び起動回路6を集積化する場合にスイッチング素子Q1’の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、ICデバイスの設計が容易になるという利点がある。
【0036】
(参考例2)
本発明の参考例2を図5を参照して詳細に説明する。但し、本参考例における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、起動回路8についてのみ説明する。
【0037】
本参考例の起動回路8は、制御電源Eの正極側にドレイン端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にソース端子が接続されたN型MOSFETから成るスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1のソース端子と制御電源Eの負極との間にカソードを負極側にして順方向に直列接続された第3及び第4のダイオードD3,D4、第3のダイオードD3のアノードとスイッチング素子Q1のソース端子との間に接続された第4の抵抗R4、第3及び第4のダイオードD3,D4の接続点にベースが接続されるとともにスイッチング素子Q1のゲート端子にコレクタが接続され且つ制御電源Eの負極側にエミッタが接続されたNPN型のバイポーラトランジスタQ3、このバイポーラトランジスタQ3のコレクタと制御電源Eの正極側の間に接続される第5の抵抗R5を具備した制御回路9とを備えている。
【0038】
次に本参考例の起動回路8の動作を説明する。
【0039】
起動時に制御電源Eが投入されても定電圧回路1がまだ起動していないので、その出力電圧Voは非常に低いかあるいは略ゼロであり、抵抗R4とダイオードD3,D4の直列回路にもほとんど電圧が印加されず、バイポーラトランジスタQ3はオフのままである。そのため、スイッチング素子Q1のゲート端子には抵抗R5を介して制御電源Eから高電圧が印加されてターンオンする。スイッチング素子Q1がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して定電圧回路1の抵抗R1〜R3及び第1及び第2のダイオードD1,D2に電力が供給され、抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが抵抗R4とダイオードD3,D4の直列回路で決定される所定の電圧まで上昇する。
【0040】
このように定電圧回路1が起動すればその出力電圧(増幅器OPの出力電圧)Voが上昇し、やがて抵抗R4とダイオードD3,D4の直列回路で決定される所定の電圧まで達するとダイオードD3,D4が導通状態となり、バイポーラトランジスタQ3がオンとなる。これによりスイッチング素子Q1のゲート端子には高電圧が印加されなくなってターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して行われていた電力供給が停止する。
【0041】
すなわち、定電圧回路1が起動した後は制御回路9によってスイッチング素子Q1を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路8からの電力供給が継続されることがなく、起動回路8の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。
【0042】
(参考例3)
本発明の参考例3を図6を参照して詳細に説明する。但し、本参考例における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、起動回路10についてのみ説明する。
【0043】
本参考例の起動回路10は、制御電源Eの正極側にドレイン端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にソース端子が接続されたN型MOSFETから成るスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1のソース端子と制御電源Eの負極との間に抵抗R4を介して接続されたコンデンサC、抵抗R4とコンデンサCの接続点にベースが接続されるとともにスイッチング素子Q1のソース端子にコレクタが接続され且つ抵抗R6を介して制御電源Eの負極側にエミッタが接続されたNPN型のバイポーラトランジスタQ3、このバイポーラトランジスタQ3のエミッタに抵抗R7を介してベースが接続されるとともにスイッチング素子Q1のゲート端子にコレクタが接続され且つエミッタが制御電源Eの負極側に接続されたNPN型のバイポーラトランジスタQ2、このバイポーラトランジスタQ2のコレクタと制御電源Eの正極側の間に接続される抵抗R5を具備した制御回路11とを備えている。
【0044】
次に本参考例の起動回路10の動作を説明する。
【0045】
起動時に制御電源Eが投入されても定電圧回路1がまだ起動していないので、その出力電圧Voは非常に低いかあるいは略ゼロであり、バイポーラトランジスタQ2,Q3がともにオフのままである。そのため、スイッチング素子Q1のゲート端子には抵抗R5を介して制御電源Eから高電圧が印加されてターンオンする。スイッチング素子Q1がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して定電圧回路1の抵抗R1〜R3及び第1及び第2のダイオードD1,D2に電力が供給され、抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが抵抗R4,R6,R7とバイポーラトランジスタQ2,Q3のベース−エミッタ間電圧で決定される所定の電圧まで上昇する。
【0046】
一方、定電圧回路1の出力電圧Voが上記所定電圧まで達するまでの期間内で、抵抗R4の両端に生じる電圧降下によってバイポーラトランジスタQ3がオンとなり、バイポーラトランジスタQ3を介してバイポーラトランジスタQ2がバイアスされてオンとなる。これによりスイッチング素子Q1のゲート端子には高電圧が印加されなくなってターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1を介して行われていた電力供給が停止する。
【0047】
すなわち、定電圧回路1が起動した後は制御回路11によってスイッチング素子Q1を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路10からの電力供給が継続されることがなく、起動回路10の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。
【0048】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図7を参照して詳細に説明する。但し、本実施形態における定電圧回路1の構成は従来例と共通であるので説明は省略し、本発明に係る起動回路12についてのみ説明する。
【0049】
本実施形態の起動回路12は、制御電源Eの正極側にソース端子が接続されるとともに定電圧回路1の増幅器OPの出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成るスイッチング素子Q1’と、このスイッチング素子Q1’のドレイン端子と制御電源Eの負極との間にカソードを負極側にして順方向に直列接続されたダイオードD5,D6、ダイオードD5のアノードとスイッチング素子Q1’のドレイン端子との間に接続された抵抗R9、ダイオードD5と抵抗R9の接続点にベースが接続されるとともに制御電源Eの正極側に抵抗R10を介してコレクタが接続され且つカソードが制御電源Eの負極側に接続されたダイオードD7のアノードにエミッタが接続されたNPN型のバイポーラトランジスタQ3、このバイポーラトランジスタQ3のコレクタにベースが接続されるとともにスイッチング素子Q1’のゲート端子にコレクタが接続され且つ制御電源Eの負極側にエミッタが接続されたNPN型のバイポーラトランジスタQ2、このバイポーラトランジスタQ2のコレクタと制御電源Eの正極側の間に接続される抵抗R5を具備した制御回路13とを備えている。
【0050】
次に本実施形態の起動回路12の動作を説明する。
【0051】
起動時に制御電源Eが投入されると抵抗R10を介してバイポーラトランジスタQ2がバイアスされてオンとなるため、スイッチング素子Q1’がターンオンする。なお、このときには定電圧回路1がまだ起動されていないから出力電圧Voが低く、バイポーラトランジスタQ3がバイアスされずにオフのままとなり、バイポーラトランジスタQ2のオン状態が保持される。スイッチング素子Q1’がオン状態のときには制御電源Eからスイッチング素子Q1’を介して定電圧回路1の抵抗R1〜R3及び第1及び第2のダイオードD1,D2に電力が供給され、抵抗R1を介して第1のダイオードD1が順方向にバイアスされるために増幅器OPの出力電圧Voが抵抗R9とダイオードD5,D6で決定される所定の電圧まで上昇する。
【0052】
一方、定電圧回路1の出力電圧Voが上記所定電圧まで達するとダイオードD5,D6が導通状態となり、バイポーラトランジスタQ3がバイアスされてオンとなる。バイポーラトランジスタQ3がオンすればバイポーラトランジスタQ2がバイアスされなくなってオフとなるため、スイッチング素子Q1’のゲート端子が逆バイアスされてスイッチング素子Q1’がターンオフし、制御電源Eからスイッチング素子Q1’を介して行われていた電力供給が停止する。
【0053】
すなわち、定電圧回路1が起動した後は制御回路13によってスイッチング素子Q1’を確実にオフ状態にすることができるので、従来例のように定電圧回路1の起動後に起動回路13からの電力供給が継続されることがなく、起動回路12の温度変動や電源電圧変動の影響が定電圧回路1に及ぶことがないものである。また、本実施形態も実施形態3と同様に電力供給用のスイッチング素子Q1’をP型MOSFETにより構成しているので、定電圧回路1及び起動回路12を集積化する場合にスイッチング素子Q1’の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、ICデバイスの設計が容易になるという利点がある。
【0054】
【発明の効果】
請求項1の発明は、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にドレイン端子が接続されるとともに増幅器の出力端にツェナーダイオードを介してソース端子が接続され且つ制御電源の負極側に抵抗を介してソース端子が接続されたN型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4〜第6の抵抗の直列回路の第4及び第5の抵抗の接続点とスイッチング素子のソース端子とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子に出力端が接続されたコンパレータ、第5及び第6の抵抗の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源の負極側にソース端子が接続されたN型MOSFET、コンパレータの出力端とN型MOSFETのゲート端子との間に抵抗を介して接続されたインバータを具備した制御回路とから成るので、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、第5及び第6の抵抗の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源の負極側にソース端子が接続されたN型MOSFET、コンパレータの出力端とN型MOSFETのゲート端子との間に抵抗を介して接続されたインバータによってコンパレータのしきい値電圧にヒステリシスを与えることができ、ノイズなどによる制御回路の誤動作を防止することができる。
【0058】
請求項2の発明は、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路が、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路が、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4及び第5の抵抗の接続点と増幅器の出力端とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子にインバータを介して出力端が接続されたコンパレータを具備した制御回路とから成るので、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、電力供給用のスイッチング素子をP型のMOSFETで構成しているため、定電圧回路及び起動回路を集積化する場合にスイッチング素子の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、集積回路の設計が容易になる。
【0061】
請求項3の発明は、出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路が、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路が、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、該スイッチング素子のドレイン端子と制御電源の負極との間にカソードを負極側にして順方向に直列接続された第3及び第4のダイオード、第3のダイオードのアノードとスイッチング素子のドレイン端子との間に接続された第4の抵抗、第3のダイオードと第4の抵抗の接続点にベースが接続されるとともに制御電源の正極側に抵抗を介してコレクタが接続され且つカソードが制御電源の負極側に接続された第5のダイオードのアノードにエミッタが接続された第1のNPN型のバイポーラトランジスタ、第1のバイポーラトランジスタのコレクタにベースが接続されるとともにスイッチング素子のゲート端子にコレクタが接続され且つ制御電源の負極側にエミッタが接続された第2のNPN型のバイポーラトランジスタ、第2のバイポーラトランジスタのコレクタと制御電源の正極側の間に接続される第5の抵抗を具備した制御回路とから成るので、定電圧回路の出力電圧が所定値を越えれば制御回路によってスイッチング素子が確実にオフされて起動回路から定電圧回路への電力供給が停止するため、起動回路の温度変動、電源電圧変動の影響が定電圧回路に及ぶことがなく、しかも、電力供給用のスイッチング素子をP型のMOSFETで構成しているため、定電圧回路及び起動回路を集積化する場合にスイッチング素子の基板バイアス効果を考慮する必要がなく、集積回路の設計が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1を示す回路図である。
【図2】同上の具体回路図である。
【図3】実施形態1を示す回路図である。
【図4】実施形態2を示す回路図である。
【図5】参考例2を示す回路図である。
【図6】参考例3を示す回路図である。
【図7】実施形態3を示す回路図である。
【図8】従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 定電圧回路
2 起動回路
3 制御回路
3a 比較回路
Q1 スイッチング素子
E 制御電源
Claims (3)
- 出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にドレイン端子が接続されるとともに増幅器の出力端にツェナーダイオードを介してソース端子が接続され且つ制御電源の負極側に抵抗を介してソース端子が接続されたN型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4〜第6の抵抗の直列回路の第4及び第5の抵抗の接続点とスイッチング素子のソース端子とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子に出力端が接続されたコンパレータ、第5及び第6の抵抗の接続点にドレイン端子が接続されるとともに制御電源の負極側にソース端子が接続されたN型MOSFET、コンパレータの出力端とN型MOSFETのゲート端子との間に抵抗を介して接続されたインバータを具備した制御回路とから成ることを特徴とする起動回路。
- 出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、制御電源の両極間に接続された第4及び第5の抵抗の接続点と増幅器の出力端とが各々入力端に接続されるとともに前記スイッチング素子のゲート端子にインバータを介して出力端が接続されたコンパレータを具備した制御回路とから成ることを特徴とする起動回路。
- 出力電圧から得られる基準電圧を所定の増幅度で増幅して所定の定電圧を出力する定電圧回路に対して起動時に基準電圧を与えて定電圧回路を起動する起動回路であって、起動時にオンとなり基準電圧を発生させるための電力を定電圧回路に供給するスイッチング素子と、定電圧回路の出力電圧を検知して出力電圧が所定値を越えれば前記スイッチング素子をオフさせる制御回路とを備え、前記定電圧回路は、制御電源と、制御電源からの電力供給を受けて動作する増幅器と、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第1の抵抗を介して増幅器の出力端に接続された第1のダイオードと、カソードが制御電源の負極側に接続されるとともにアノードが第2及び第3の抵抗の直列回路を介して増幅器の出力端に接続された第2のダイオードとを具備し、第1の抵抗と第1のダイオードのアノードとの接続点が増幅器の非反転入力端に接続され、第2及び第3の抵抗の接続点が増幅器の反転入力端に接続されて成り、前記起動回路は、制御電源の正極側にソース端子が接続されるとともに増幅器の出力端にドレイン端子が接続されたP型MOSFETから成る前記スイッチング素子と、該スイッチング素子のドレイン端 子と制御電源の負極との間にカソードを負極側にして順方向に直列接続された第3及び第4のダイオード、第3のダイオードのアノードとスイッチング素子のドレイン端子との間に接続された第4の抵抗、第3のダイオードと第4の抵抗の接続点にベースが接続されるとともに制御電源の正極側に抵抗を介してコレクタが接続され且つカソードが制御電源の負極側に接続された第5のダイオードのアノードにエミッタが接続された第1のNPN型のバイポーラトランジスタ、第1のバイポーラトランジスタのコレクタにベースが接続されるとともにスイッチング素子のゲート端子にコレクタが接続され且つ制御電源の負極側にエミッタが接続された第2のNPN型のバイポーラトランジスタ、第2のバイポーラトランジスタのコレクタと制御電源の正極側の間に接続される第5の抵抗を具備した制御回路とから成ることを特徴とする起動回路。
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