JP3587676B2 - 透過形スクリーン及び投写型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、透過形スクリーン、及び映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の透過形スクリーンを用いた背面投写型表示装置の基本構成を示す垂直断面図、図9は図8中の線a−a′に沿う水平断面図である。これらの図において、1は例えばビデオプロジェクタなどの映像発生源、2は映像発生源1より発せられた映像光を透過及び結像させる透過形スクリーン、3、4はそれぞれ上記透過形スクリーン2を構成するフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシート、5は上記透過形スクリーン2を一体に保持する保持部材である。
【0003】
このような従来の透過形スクリーンを用いた背面投写型表示装置においては、映像発生源1より映像光が発生すると、その光線は拡大投写されながら透過形スクリーン2へ向かう。光線がフレネルレンズシー卜3に発散光として到達すると、図9に示すようにほぼ平行光に屈折され、その後レンチキュラーレンズシート4に入射して結像する。レンチキュラーレンズシート4からの出射光線は、水平、垂直方向に適度に拡散され、スクリーンに正対する観測者に画像として到達する。
【0004】
従来の透過形スクリーンは、フレネルレンズシート3とレンチキュラーレンズシート4が重ね合わせられたもので、例えばスクリーンフレームや背面投写型表示装置のキャビネットなどの保持部材5に固定して保持されている。
【0005】
また、フレネルレンズシート3とレンチキュラーレンズシート4には、いずれも光の透過性や適度な剛性や量産性などを考慮して、通常はアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂等が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の透過形スクリーンを備えた背面投写型表示装置は、以上のように構成されているのでスクリーン2を構成したときに、フレネルレンズシート3、レンチキュラーレンズシート4の両者、或いはいずれか一方の厚さが薄い場合、以下に述べる理由から2枚のシート3、4が互いに密着せず離れてしまい、スクリーン2の一部分に、或いは全体的に浮き(以下、セパレーションという。)が生じてしまう。
【0007】
セパレーションは、スクリーン組み立て前のシート成型工程で、既にスクリーンに歪みが発生し、組み立て後もその歪みがなくならないために生じることがある。このようなセパレーションの原因としては、スクリーンの成型条件のばらつき等でシート成型工程で内部応力や歪みが生じ、成型完了時点でスクリーン2が歪んでしまうことや、スクリーン成型後から組み立てまでの間の温度や湿度等の環境変化で、スクリーン2が歪んでしまうことが挙げられる。また、スクリーン組み立て後にセパレーションが生じる場合もある。これは、透過形スクリーン2の組み立て後に投写型表示装置が設置された環境の変化等に起因するもので、具体的には、2枚のシートの膨張率の違いによって各々の伸び縮みの量が異なることによる。これらの現象は、特にスクリーン2が薄くて、剛性が低い場合には一層顕著に現れる。
【0008】
透過形スクリーン2は、映像発生源1に対して所定の位置関係に配置された時に最適な画像が投影されるように設計される。また、透過形スクリーン2が2枚以上のシートで構成される場合には、各シート相互の位置関係が密着した時に、或いは両者が所定の位置関係の時に最適となるように設計されている。そのため、セパレーションが発生した場合には、投影された画像の解像度劣化や部分的な色付きが発生するなど、スクリーン本来の機能が損われるという問題があった。その原因には、上述したように、初期性能的なものと、スクリーン組み立て後の経時的な変化に起因するものとがある。
【0009】
従来から、以下に述べる2つの方法が、これらの問題を解決するために採用されていた。
【0010】
その一つは、フレネルレンズシート3又は/且つレンチキュラーレンズシート4の厚さを厚く形成する方法である。また、他の方法としては、例えば実開平4−129150号公報に記載されているように、例えばアクリル板やガラス板のような透過性平板を、レンチキュラーレンズシート4の観測者側に設置するなどして、透過形スクリーン2全体として適度な剛性を持たせる方法が考えられていた。
【0011】
しかしながら、フレネルレンズシート3やレンチキュラーレンズシート4を厚く形成する第1の方法では、フレネルレンズシート3、レンチキュラーレンズシート4のレンズ設計の自由度が制限されるため、透過形スクリーン2としての必要な性能が得られなかったり、透過形スクリーン2の内部で発生する迷光の影響が大きくなって、そこに投写される映像の画質を著しく劣化させてしまうという問題が生じる。
【0012】
まず、このスクリーンの厚さと迷光が映像に与える影響との関係について説明する。
【0013】
図10、図11は迷光が映像に与える影響度の違いを説明するためのものであり、いずれも図8中の透過形スクリーン2の垂直断面を示す一部拡大図である。図10にはフレネルレンズスシート3がレンチキュラーレンズシート4の厚さより厚い場合を、図11にはフレネルレンズシート3が相対的に薄い場合を示している。また、図中では実線矢印によって映像光の軌跡(の一部)を示し、破線矢印によってフレネルレンズシート3の出射面側の空気界面で発生した迷光の軌跡(の一部)を示している。ここに示されている迷光は一例であって、透過形スクリーン2内部で発生する迷光には、他にも多くの種類が存在する。
【0014】
上記迷光はフレネルレンズシート3の入射面側の空気界面で再び反射して、フレネルレンズシート3の出射面からレンチキュラーレンズシート4を介して観測者に到達する。フレネルレンズシート3の厚さが厚い場合(図10)、上記迷光の光路はその本来の映像光とはかなり離れて位置する映像光と重なるため、画像の解像度やコントラストが大きく劣化する。しかし、図11に示すように、フレネルレンズシート3の厚さが薄い場合に生じる迷光は、その本来の映像光にほとんど重なるか、あるいは近傍の経路を通って観測者に到達するようになる。したがって、フレネルレンズシート3の厚さが薄くなればなる程、迷光の影響による映像光の劣化は小さくなる。
【0015】
次に、透過形スクリーン2に対して全体として適度な剛性を持たせる第2の方法では、透過性平板等がレンチキュラーレンズシート4の観測者側に設置される。しかし、この場合も、一つには、映像光が透過性平板の内部を透過するときに減衰されるという問題があった。また、図10で説明した現象と同様、透過性平板と空気との界面で反射光が発生することにより、透過性平板の内部でも迷光が発生し、映像光を著しく劣化させてしまうという問題もあった。
【0016】
このように、従来の透過形スクリーンを備えた背面投写型表示装置において、セパレーションの問題を解決するための2つの方法は、いずれも映像の劣化等の問題を確実に解決できなかった。
【0017】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、透過形スクリーンまたは保持部材の環境変化による各々の膨張収縮の差を利用することで、厚さの薄い透過形スクリーンを使用した場合でも、透過形スクリーンのセパレーションや位置の変化を防ぎ、映像の劣化の少ない投写型表示装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の透過形スクリーンは、温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、第1のスクリーンと、第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、第1のスクリーンに高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の第2のスクリーンを固定したものである。
【0019】
請求項2の透過形スクリーンは、温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、第1のスクリーンと、第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の第1のスクリーンに第2のスクリーンを固定したものである。
【0020】
請求項3の透過形スクリーンは、温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、第1のスクリーンと、第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の第1のスクリーンに、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の第2のスクリーンを固定したものである。
【0021】
請求項4の透過形スクリーンは、温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、膨張係数がαの第1のスクリーンと、膨張係数がβであって第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、膨張係数α,βが
α<β
の関係にあるとき、第1のスクリーンに第2のスクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて固定したものである。
【0022】
請求項5の透過形スクリーンは、温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、膨張係数がαの第1のスクリーンと、膨張係数がβであって第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、膨張係数α,βが
α>β
の関係にあるとき、第1のスクリーンに第2のスクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて固定したものである。
【0023】
請求項6の透過形スクリーンは、第1、第2のスクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺を互いに固定する固定手段を備えたものである。
【0024】
請求項7の透過形スクリーンは、第1、第2のスクリーンは、一方がフレネルレンズシート、他方がレンチキュラーレンズシートからなるものである。
【0025】
請求項8の投写型表示装置は、映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態のスクリーンを、保持手段によって保持してなるものである。
【0026】
請求項9の投写型表示装置は、映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の保持手段によって、スクリーンを保持してなるものである。
【0027】
請求項10の投写型表示装置は、映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態のスクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の保持手段によって、保持してなるものである。
【0028】
請求項11の投写型表示装置は、映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、透過形スクリーンを構成する膨張係数がβのスクリーンと、膨張係数がγであってスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、膨張係数β,γが
β>γ
の関係にあるとき、保持手段によってスクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて保持してなるものである。
【0029】
請求項12の投写型表示装置は、映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、透過形スクリーンを構成する膨張係数がβのスクリーンと、膨張係数がγであってスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、膨張係数β,γが
β<γ
の関係にあるとき、保持手段によってスクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて保持してなるものである。
【0030】
請求項13の投写型表示装置は、透過形スクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺をそれぞれ保持手段に固定する固定手段を備えたものである。
【0031】
請求項14の投写型表示装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の透過形スクリーンを、保持手段によって保持してなるものである。
【0032】
請求項15の投写型表示装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の保持手段によって、透過形スクリーンを保持してなるものである。
【0033】
請求項16の投写型表示装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の透過形スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の保持手段によって、保持してなるものである。
【0034】
請求項17の投写型表示装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、膨張係数がγであって第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、第2のスクリーンの膨張係数βと膨張係数γが
β>γ
の関係にあるとき、保持手段によって透過形スクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて保持してなるものである。
【0035】
請求項18の投写型表示装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、膨張係数がγであって第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段とを備え、第2のスクリーンの膨張係数βと膨張係数γが
β<γ
の関係にあるとき、保持手段によって透過形スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて保持してなるものである。
【0036】
請求項19の投写型表示装置は、第2のスクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺をそれぞれ保持手段に固定する固定手段を備えたものである。
【0037】
請求項20の投写型表示装置は、透過形スクリーンは、フィルム状のシートを少なくとも1枚含むものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0039】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による透過形スクリーンを用いた背面投写型表示装置の基本構成を示す垂直断面図である。図において、映像発生源1、透過形スクリーン2、及び保持部材5の構成は、従来の図8に示すものと同じである。6はフレネルレンズシートからなる第1のスクリーン、7はレンチキュラーレンズシートからなる第2のスクリーンである。これら透過形スクリーン2を構成する2枚のスクリーン6、7の内、第1のスクリーン6は相対的に高剛性のスクリーンであって、第2のスクリーン7は相対的に低剛性のスクリーンである。
【0040】
なお、ここでは便宜上、映像発生源1に近い方から順に、相対的に高剛性のスクリーン6、相対的に低剛性のスクリーン7を配置しているが、これらの配置は逆であってもよい。また、第1、第2のスクリーン6、7には、いずれも光の透過性や適度な剛性や量産性などを考慮して、通常はアクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂等が使用されるが、温度湿度により膨張収縮する性質があれば、その他の物質も使用できる。
【0041】
図2は、実施の形態1の投写型表示装置における透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。図には、スクリーンの伸び縮みに関与する力の大きさと方向を、矢印によって示してある。同図(a)において、8は定温度又は/且つ定湿度を保持することが可能な定温定湿槽であり、その中に第2のスクリーン7を設置する。同図(b)〜(d)において、9は第1、第2のスクリーン6、7を互いに所定の位置関係に固定するための固定手段である。
【0042】
次に、図2を用いて背面投写型表示装置に使用されるスクリーン6、7について説明する。同図(a)に示すように、高温又は/且つ高湿に保った定温定湿槽8内であらかじめ第2のスクリーン7を、所定の時間だけ高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝しておく。アクリル等の一般のプラスティックは、温度と湿度の上昇により伸びる性質を有するから、定温定湿槽8内で第2のスクリーン7は温度と湿度の上昇に応じて伸長している。この伸長した状態の第2のスクリーン7を定温定湿槽8から取り出し、その直後に常温常湿で、固定手段9によって第1のスクリーン6と固定する。その後、第2のスクリーン7の温度が徐々に低下して、図2(b)に矢印で示すように、常温になったときには第2のスクリーン7には縮む方向の力が加わることになる。
【0043】
すなわち、透過形スクリーンはその後の時間の経過にともなって、伸びていた相対的に低剛性のスクリーン7が、常温常湿に戻って安定する過程で縮もうとする。しかし、高剛性の第1のスクリーン6は温度湿度の変化に曝されていないので、伸び縮みの変化はなく、透過形スクリーン2には第1のスクリーン6から第2のスクリーン7に対して外側に引っ張る方向の相対的なテンションが常に加わえられる。その結果、相対的に低剛性の第2のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーン2の一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0044】
また、この実施の形態1の背面投写型表示装置は、第2のスクリーン8が常温常湿に戻った初期時点だけでなく、その後の環境が変化した場合においても、映像の劣化の少ない透過形スクリーンとして維持されるという利点を有している。
【0045】
図2(c)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が高くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7には、未だ縮む方向に力が加わっているが、相対的に高剛性である第1のスクリーン6に対しては伸びる方向に力が加わる。そのため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より少しだけ高くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0046】
図2(d)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が低くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7、相対的に高剛性である第1のスクリーン6には、共に縮む方向の力が加わるが、両者の力の大きさを比較すると、第2のスクリーン7に加わる縮む力の方が大きい。そのため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より低くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0047】
定温定湿槽8での設定温度、設定湿度は、第2のスクリーン7の伸び量に応じて決定すればよい。たとえば、アクリルの熱による線膨張係数が7×10−5(/℃)、吸湿による線膨張係数が4×10−5(%/%R.H)であるとすれば、定温定湿槽8の温度が常温より30℃高く設定されていると、第2のスクリーン7は約0.2%だけ長くなることが知られている。これは、第2のスクリーン7が2mの長さ(幅)のものであれば、その長さ(幅)が4mmだけ伸びることに相当する。
【0048】
なお、図2では伸長した状態の第2のスクリーン7を、相対的に高剛性である第1のスクリーン6に固定した場合を図示しているが、伸長した状態の第2のスクリーン7を、相対的に高剛性の保持部材5に固定して保持する場合でも、同様の効果を奏する。
【0049】
また、以上に説明した実施の形態1では、透過形スクリーンが2枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態1では、あらかじめ定温定湿槽8において、相対的に低剛性である第2のスクリーン7が、高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝されて、伸長した状態にあった。これに対して、実施の形態2の背面投写型表示装置では、相対的に高剛性である第1のスクリーン6を、低温又は/且つ低湿の雰囲気にあらかじめ曝して収縮した状態で、第2のスクリーンに固定することによって、実施の形態1のものと同様の効果を得るようにしている。
【0051】
図3は、実施の形態2の背面投写型表示装置における透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。実施の形態1の場合とは反対に、低温又は/且つ低湿に保った定温定湿槽8内で、相対的に高剛性である第1のスクリーン6を所定の時間だけ曝して、収縮した状態にしておく。アクリル等の一般のプラスティックは、温度と湿度の下降により縮む性質を有するからである。この収縮した状態の第1のスクリーン6を定温定湿槽8から取り出し、その直後に常温常湿で、固定手段9によって第2のスクリーン7と固定する。その後、第1のスクリーン6の温度は徐々に上昇して、図3(b)に矢印で示すように、常温になったときにこの第1のスクリーン6には伸びる方向の力が加わることになる。
【0052】
すなわち、透過形スクリーンはその後の時間の経過にともなって、縮んでいた相対的に高剛性のスクリーン6が、常温常湿に戻って安定する過程で伸びようとする。しかし、低剛性の第2のスクリーン7は温度湿度の変化に曝されていないので、伸び縮みの変化はなく、透過形スクリーンには第1のスクリーン6から第2のスクリーン7に対して外側に引っ張る方向の相対的なテンションが常に加わえられる。その結果、相対的に低剛性の第2のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーン2の一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0053】
また、実施の形態1と同様に、実施の形態2の背面投写型表示装置は、第2のスクリーン8が常温常湿に戻った初期時点だけでなく、その後の環境が変化した場合においても、映像の劣化の少ない透過形スクリーンとして維持されるという利点を有している。
【0054】
図3(c)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が高くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7には、第1のスクリーン6と共に伸びる方向に力が加わるが、両者の力の大きさを比較すると、最初に収縮した状態にある第1のスクリーン6に加わる伸びる力の方が大きい。そのため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より高くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0055】
図3(d)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が常温常湿より少し低くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7には縮む方向に力が加わる。しかし、相対的に高剛性である第1のスクリーン6はまだ伸びようとするため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より少し低くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0056】
なお、以上に説明した実施の形態2では、透過形スクリーンが2枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0057】
実施の形態3.
実施の形態1では、相対的に低剛性のスクリーン7だけを高温又は/且つ高湿に曝して、伸長した状態として常温常湿内で相対的に高剛性のスクリーン6に固定していた。
【0058】
また、実施の形態2では、相対的に高剛性のスクリーン6だけを低温又は/且つ低湿に曝して、収縮した状態として常温常湿内で相対的に低剛性のスクリーン7に固定していた。
【0059】
実施の形態3の背面投写型表示装置における透過形スクリーンは、あらかじめ定温定湿槽8において、相対的に高剛性のスクリーン6を低温又は/且つ低湿に曝し、且つ、相対的に低剛性である第2のスクリーン7を高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝して、その後に、常温常湿内で両者を固定しているので、同様の効果が得られる。すなわち、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0060】
なお、以上に説明した実施の形態3では、透過形スクリーンが2枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0061】
実施の形態4.
実施の形態4の背面投写型表示装置では、相対的に低剛性である第2のスクリーン7の膨張係数βが、相対的に高剛性である第1のスクリーン6の膨張係数αより大きい(β>α)場合に、これらのスクリーン6、7を高温又は/且つ高湿中にて互いに固定手段9により固定することによって、実施の形態1のものと同様の効果を得るようにしている。
【0062】
図4は、実施の形態4の背面投写型表示装置における透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。図には、スクリーンの伸び縮みに関与する力の大きさと方向を、矢印によって示してある。
【0063】
同図(a)に示すように、高温又は/且つ高湿に保った定温定湿槽8内であらかじめ、相対的に低剛性のスクリーン7と、相対的に高剛性のスクリーン6とを、所定の時間だけ高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝しておく。すると、相対的に高剛性のスクリーン6も、相対的に低剛性のスクリーン7も、温度と湿度の上昇に応じて伸長している。この時、第1のスクリーン6の膨張係数αと、第2のスクリーン7の膨張係数βとが
α<β
の関係にあれば、相対的に低剛性のスクリーン7の方がより大きく伸長した状態になっている。そこで、各スクリーン6、7が所望の伸び量に達した時に、この定温定湿槽8内で各スクリーン6、7を互いに固定手段9により固定する。
【0064】
その後、互いに固定された状態のスクリーン6、7を定温定湿槽8から取り出すと、第1、第2のスクリーンが常温常湿に戻り安定する過程で、図4(b)に矢印で示すように、共に縮む方向の力が加わる。しかし、両者の力の大きさを比較すると、相対的に低剛性のスクリーン7の膨張係数が大きく、より大きく伸びていたことから、この第2のスクリーン7に加わる縮む力の方が大きい。そのため、常温常湿に戻した時には、高剛性の第1のスクリーン6から、相対的に低剛性のスクリーン7を外側に引っ張る方向に常にテンションが加わえられる。その結果、相対的に低剛性の第2のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーンの一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0065】
また、実施の形態1と同様に、実施の形態4の背面投写型表示装置は、第2のスクリーン8が常温常湿に戻った初期時点だけでなく、その後の環境が変化した場合においても、映像の劣化の少ない透過形スクリーンとして維持されるという利点を有している。
【0066】
図4(c)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が常温常湿より少し高くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7は、まだ縮む方向に力が加わるが、相対的に高剛性である第1のスクリーン6には殆ど力が加わらない。そのため、温度、湿度の環境が常温常湿より少しだけ高くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0067】
図4(d)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が低くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7、相対的に高剛性である第1のスクリーン6には、共に縮む方向に更に大きな力が加わるが、両者の力の大きさを比較すると、第2のスクリーン7に加わる縮む力の方が大きい。そのため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より低くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0068】
なお、以上に説明した実施の形態4では、透過形スクリーンが2枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを一枚のスクリーンだけで構成した場合、或いは3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0069】
実施の形態5.
実施の形態4では、第1のスクリーン6と第2のスクリーン7とが、高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝されて、伸長した状態にて互いに固定した。これに対して、実施の形態5では、相対的に低剛性の第2のスクリーン7の膨張係数βが、相対的に高剛性である第1のスクリーン6の膨張係数αより小さい(β<α)場合に、これらのスクリーン6、7を低温又は/且つ低湿中にて互いに固定手段9により固定することによって、実施の形態3のものと同様の効果を得るようにしている。
【0070】
図5は、実施の形態5の背面投写型表示装置における透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。同図(a)に示すように、低温又は/且つ低湿に保った定温定湿槽8内であらかじめ、相対的に低剛性のスクリーン7と、相対的に高剛性のスクリーン6とを、所定の時間だけ低温又は/且つ低湿の雰囲気に曝しておく。すると、相対的に高剛性のスクリーン6も、相対的に低剛性のスクリーン7も、温度と湿度の下降に応じて収縮している。この時、第1のスクリーン6の膨張係数αと、第2のスクリーン7の膨張係数βとが
α>β
の関係にあれば、相対的に高剛性のスクリーン6の方がより収縮した状態になっている。そこで、所望の縮み量になった時に、この定温定湿槽8内で各スクリーン6、7を互いに固定手段9により固定する。
【0071】
その後、互いに固定された状態のスクリーン6、7を定温定湿槽8から取り出すと、第1、第2のスクリーンが常温常湿に戻り安定する過程で、図5(b)に矢印で示すように、共に伸びる方向の力が加わる。しかし、両者の力の大きさを比較すると、相対的に高剛性のスクリーン6の膨張係数が大きく、より収縮していたことから、この第1のスクリーン6に加わる伸びる力の方が大きい。そのため、常温常湿に戻した時には、高剛性の第1のスクリーン6から、相対的に低剛性のスクリーン7を外側に引っ張る方向に常にテンションが加わえられる。その結果、相対的に低剛性の第2のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーンの一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0072】
また、実施の形態5の背面投写型表示装置は、第2のスクリーン8が常温常湿に戻った初期時点だけでなく、その後の環境が変化した場合においても、映像の劣化の少ない透過形スクリーンとして維持されるという利点を有している。
【0073】
図5(c)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が常温常湿より高くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に低剛性である第2のスクリーン7、相対的に高剛性である第1のスクリーン6には、共に伸びる方向に更に大きな力が加わるが、両者の力の大きさを比較すると、第1のスクリーン6に加わる伸びる力の方が大きい。そのため、組み立て後に温度、湿度の環境が常温常湿より高くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0074】
図5(d)には、その後の透過形スクリーンの温度、湿度が少し低くなった場合の、第1、第2のスクリーンに働く力を示している。このように環境が変化すると、相対的に高剛性である第1のスクリーン6は、まだ伸びる方向に力が加わるが、相対的に低剛性である第2のスクリーン7には殆ど力が加わらない。そのため、温度、湿度の環境が常温常湿より少しだけ低くなっても、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0075】
以上に説明した実施の形態5では、透過形スクリーンが2枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを一枚のスクリーンだけで構成した場合、或いは3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0076】
実施の形態6.
実施の形態6には、実施の形態1〜5に示す透過形スクリーンのいずれかにおいて、第1のスクリーン6と、第2のスクリーン7とを一体に固定するための固定手段9について示されている。
【0077】
図6(a)乃至(f)は、それぞれ固定手段9の一例を拡大して示す図である。
【0078】
図6(a)には、スクリーン6、7を互いに所定の間隔を保って固定する場合に、その有効画面外において、互いに両面テープ10で貼り合わせる方法を示している。両面テープ10に代えて、接着剤12で接着することも可能である。
【0079】
また、スクリーン6、7を互いに密着させて固定する場合には、図6(b)に示すように、スクリーンの有効画面外において、外側をテープ11で覆うように貼ることもできる。テープ11を使用せずに、スクリーンの有効画面外において、互いのスクリーン6、7を部分的に溶かして溶着することも可能である。
【0080】
また、図6(c)には、スクリーンの有効画面外において、固定すべき一方のスクリーン7に凸部7aを、もう一方のスクリーン6には該凸部7aに嵌合する凹部6aを設けて、両者を嵌合によって固定する方法を示している。図は、スクリーン6、7を互いに密着させて固定した場合を示しているが、凸部7aの高さを凹部6aの深さより高く形成することで、スクリーン6、7を互いに所定の間隔を保って固定できる。
【0081】
図6(d)には、スクリーンの有効画面外において、それぞれスクリーン7、6の互いに接合しない面に2個の凸部7b,7c、6b,6cを設け、断面がコの字形状の治具13の端部をこれら2個の凸部の間にそれぞれ挿入して引っかけることによって固定する方法を示している。また、凸部7b,7c、6b,6cに代えて、図6(e)に示すような凹部7d、6dを形成したものであってもよい。
【0082】
図6(f)の透過形スクリーンでは、スクリーンの有効画面外において、スクリーン7、6の複数位置に、それぞれ対応する穴7e、6eを設けて、互いにネジ14などによって固定している。また、リベットのようなものを用い、かしめることによりスクリーンを固定することもできる。さらに、金属製のリベットではなく、引掛けのための頭部をもったプラスチックの丸棒をスクリーンの一方側から穴7e、6eに挿入して、スクリーンの他方側に突き出た棒状部分を溶かしたり、受け部材で固定することも可能である。
【0083】
以上述べたような各種の固定手段9により、それぞれスクリーン6、7の上下2辺、左右2辺、又は4辺を固定することによって、相対的に低剛性である第2のスクリーン7に、しわやセパレーションが発生することを効果的に防止でき、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0084】
なお、上記各例において、透過形スクリーン2を構成する第1、第2のスクリーン6、7は、それぞれフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートであり、これらは同じ厚みのシートとして図示されているが、図11に示すように、2枚のスクリーンのうち、少なくとも相対的に低剛性の一枚はフィルム状のシートからなるものである。また、ここでは透過形スクリーンが2枚のスクリーン6、7からなる背面投写型表示装置について説明したが、3枚以上からなる場合でも、上述した各種の固定手段のいずれかによって同様の効果が得られる。
【0085】
実施の形態7.
実施の形態1乃至6では、図1に示すように、互いに固定した第1、第2のスクリーン6、7を共通の保持部材5で保持していた。ここで、保持部材5とは、例えばスクリーンフレームや背面投写型表示装置のキャビネットである。
【0086】
実施の形態7の背面投写型表示装置は、透過形スクリーンを構成するそれぞれのスクリーン6、7を別個の保持手段によって固定して保持するものである。すなわち、例えば第1のスクリーン6をキャビネットに固定し、第2のスクリーン7をキャビネットに装着されるスクリーンフレームに固定して保持することが可能である。
【0087】
実施の形態2では、図3に示すように、収縮した状態の第1のスクリーン6に、相対的に低剛性である第2のスクリーン7を固定するために、第1のスクリーン6を低温又は/且つ低湿に保った定温定湿槽8にあらかじめ曝していた。
【0088】
この実施の形態7では、第2のスクリーン7に対して相対的に高剛性であるスクリーンフレームを用意し、このスクリーンフレームを低温又は/且つ低湿に保った定温定湿槽8にあらかじめ曝してから、常温常湿内で相対的に低剛性のスクリーン7を固定するようにしている。低温又は/且つ低湿の雰囲気に曝すことで収縮した状態のスクリーンフレームに、常温常湿内で相対的に低剛性のスクリーン7を固定すれば、このスクリーンフレームから第2のスクリーン7に対して外側に引っ張る方向の相対的なテンションが常に加わえられることになる。
【0089】
したがって、収縮した状態の保持部材によって相対的に低剛性の第2のスクリーン7を固定して保持する場合でも、実施の形態2の背面投写型表示装置と同様に、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0090】
また、実施の形態3の背面投写型表示装置のように、あらかじめ定温定湿槽8において、相対的に低剛性である第2のスクリーン7を高温又は/且つ高湿の雰囲気に曝して伸長した状態で、収縮した状態のスクリーンフレームに固定した場合でも、同様の効果が得られる。
【0091】
なお、ここでは透過形スクリーンが2枚のスクリーン6、7からなる背面投写型表示装置について説明したが、透過形スクリーンを一枚のスクリーンだけで構成した場合、或いは3枚以上のスクリーンで構成した場合でも、同様の効果が得られる。
【0092】
実施の形態8.
実施の形態4では、相対的に低剛性のスクリーン7の膨張係数が、相対的に高剛性のスクリーン6の膨張係数より大きい場合に、2枚のスクリーン6、7を高温又は/且つ高湿中で互いに固定していた。
【0093】
実施の形態8では、相対的に低剛性である第2のスクリーン7の膨張係数が、保持部材であるスクリーンフレームの膨張係数より大きい場合に、この第2のスクリーン7をスクリーンフレームによって、高温又は/且つ高湿中で固定して保持するようにしている。したがって、実施の形態4と同様に、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーンの一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0094】
なお、ここでは透過形スクリーンが一枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、2枚以上からなる場合も同様の効果が得られる。
【0095】
実施の形態9.
実施の形態5では、相対的に低剛性のスクリーン7の膨張係数が、相対的に高剛性のスクリーン6の膨張係数より小さい場合に、2枚のスクリーン6、7を低温又は/且つ低湿中で互いに固定していた。
【0096】
実施の形態9では、相対的に低剛性である第2のスクリーン7の膨張係数が、保持部材であるスクリーンフレームの膨張係数より小さい場合に、この第2のスクリーン7をスクリーンフレームによって、低温又は/且つ低湿中で固定して保持するようにしている。したがって、実施の形態5と同様に、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄らず、或いは透過形スクリーンの一部分に、或いは全体的にセパレーションが生じたりすることがなくなって、映像の劣化の少ない背面投写型表示装置が得られる。
【0097】
なお、ここでは透過形スクリーンが一枚のスクリーンからなる背面投写型表示装置について説明したが、2枚以上からなる場合も同様の効果が得られる。
【0098】
実施の形態10.
実施の形態10は、実施の形態7〜9の背面投写型表示装置のいずれかにおいて、第2のスクリーン7をスクリーンフレーム51に固定して保持するための固定手段91である。
【0099】
図7(a)乃至(f)は、それぞれ固定手段91の一例を拡大して示す図である。
【0100】
図7(a)には、例えばスクリーンフレーム51の4辺の各内側面に第2のスクリーン7の有効画面外の部分を押しあてて、それらを両面テープ20で互いに貼り付ける方法を示している。両面テープ20に代えて、接着剤22で接着することも可能である。また、第2のスクリーン7の有効画面外において、スクリーンフレーム51との接合面を部分的に溶かして、両者を溶着してもよい。
【0101】
図7(b)には、第2のスクリーン7の有効画面外に凹部7f(凸部でもよい。)、スクリーンフレーム51の対応する箇所に凸部51a(凹部でもよい。)を形成して、両者を嵌合によって固定する方法を示している。
【0102】
図7(c)には、第2のスクリーン7の有効画面外であって、スクリーン7がスクリーンフレーム51と接しない側に、2個の凸部7f、7gを設け、断面がLの字形状の治具21をスクリーンフレーム51側から2個の凸部7f、7gの間に挿入して引っかけることによって固定する方法を示している。また、凸部7f、7gに代えて、図6(d)に示すような凹部7hを形成したものであってもよい。
【0103】
図7(e)の透過形スクリーンでは、第2のスクリーン7の有効画面外において、スクリーン7の複数位置に穴7iを設けて、スクリーンフレーム51にネジ23などによって固定している。また、リベットのようなものを用いて、かしめることによりスクリーン7をスクリーンフレーム51に固定することもできる。さらに、プラスチックの丸棒をスクリーンフレーム51側から突き出すように形成して、スクリーン7側の穴7iに挿入して、その先端部分を溶かしたり、受け部材で固定することも可能である。
【0104】
さらに、図7(f)に示すように、第2のスクリーン7の有効画面外において、スクリーン7の複数位置に穴7iを設けて、これらの穴7iにスプリングや板ばね等からなる弾性治具24を引っかけることで、スクリーンフレーム51に第2のスクリーン7を固定することもできる。
【0105】
以上述べたような各種の固定手段91により、スクリーン7の上下2辺、左右2辺、又は4辺をスクリーンフレーム51に固定して保持することができる。したがって、相対的に低剛性である第2のスクリーン7に、しわやセパレーションが発生することを効果的に防止でき、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0106】
なお、上記各例において、透過形スクリーン2を1枚のスクリーン7から構成する場合について説明したが、2枚以上のスクリーンからなる透過形スクリーン2を固定する場合にも、同様の固定手段91を用いることで、同様の効果が得られる。また、透過形スクリーンを構成する2枚のスクリーンを別個の保持手段によって固定して保持してもよい。
【0107】
実施の形態11.
実施の形態11の背面投写型表示装置では、あらかじめ定温定湿槽において、相対的に低剛性のスクリーンを高温又は/且つ高湿に曝して伸長した状態とし、且つ、相対的に高剛性の保持部材を低温又は/且つ低湿の雰囲気に曝し、常温常湿内で伸長した状態のスクリーンを、保持部材により固定して保持するようにしている。したがって、実施の形態7〜9と同様に、保持部材により固定された相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0108】
なお、ここでは透過形スクリーンが1枚のスクリーンからなる場合について説明したが、実施の形態1〜5で説明したような2枚や3枚以上からなる透過形スクリーンの場合でも、同様の効果が得られる。
【0109】
実施の形態12.
実施の形態12の背面投写型表示装置では、あらかじめ定温定湿槽において、相対的に低剛性のスクリーンと相対的に高剛性のスクリーンとを、高温又は/且つ高湿の雰囲気内で互いに固定し、更に、あらかじめ低温又は/且つ低湿の雰囲気に曝された保持部材によって、常温常湿内で固定して保持している。したがって、相対的に低剛性のスクリーン7にしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることがない。
【0110】
なお、この背面投写型表示装置は、実施の形態1〜5で説明した透過形スクリーンのように2枚のスクリーンからなる透過形スクリーンのいずれにも適用でき、また、透過形スクリーンが3枚以上からなる場合でも、同様の効果が得られる。
【0111】
実施の形態13.
実施の形態13は、実施の形態1〜12のいずれかにおいて、透過形スクリーン2を構成するスクリーンの内、少なくとも一枚をフィルム状のスクリーンとした。スクリーン内で発生する迷光の影響を少なくしながら、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、より映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1の透過形スクリーンによれば、高温又は/且つ高湿中に曝した相対的に低剛性のスクリーンを、常温常湿中で相対的に高剛性のスクリーンに固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0113】
また、請求項2の透過形スクリーンによれば、低温又は/且つ低湿中に曝した相対的に高剛性のスクリーンを、常温常湿中で相対的に低剛性のスクリーンを固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0114】
また、請求項3の透過形スクリーンによれば、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の、相対的に高剛性の第1のスクリーンと、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の、相対的に低剛性の第2のスクリーンとを、互いに固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0115】
また、請求項4の透過形スクリーンによれば、相対的に低剛性のスクリーンの膨張係数が、相対的に高剛性のスクリーンの膨張係数より大きい場合に、上記スクリーンを高温又は/且つ高湿中で互いに固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0116】
また、請求項5の透過形スクリーンによれば、相対的に低剛性のスクリーンの膨張係数が、相対的に高剛性のスクリーンの膨張係数より小さい場合に、上記スクリーンを低温又は/且つ低湿中で互いに固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0117】
さらに、請求項6の透過形スクリーンによれば、相対的に低剛性のスクリーンを相対的に高剛性のスクリーンに、固定手段により上下2辺、左右2辺、又は4辺を固定したので、相対的に低剛性のスクリーンの、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0118】
また、請求項7の透過形スクリーンによれば、透過形スクリーンを構成するスクリーンは、一方がフレネルレンズシート、他方がレンチキュラーレンズシートであって、そのうちの少なくとも一枚をフィルム状のスクリーンとした場合でも、スクリーン内で発生する迷光の影響を少なくしながら、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、より映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0119】
請求項8の投写型表示装置によれば、高温又は/且つ高湿中に曝した相対的に低剛性のスクリーンを、常温常湿中で相対的に高剛性のスクリーン保持手段に固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0120】
また、請求項9の投写型表示装置によれば、低温又は/且つ低湿中に曝した保持手段によって、常温常湿中で透過形スクリーンを構成する、相対的に低剛性のスクリーンを固定して保持したので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない投写型表示装置が得られる。
【0121】
また、請求項10の投写型表示装置によれば、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の、相対的に高剛性のスクリーン保持手段と、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の、相対的に低剛性のスクリーンとを、互いに固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0122】
また、請求項11の投写型表示装置によれば、相対的に低剛性のスクリーンの膨張係数が、保持部材の膨張係数より大きい場合に、上記スクリーンを上記保持部材に高温又は/且つ高湿中で固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない投写型表示装置が得られる。
【0123】
また、請求項12の投写型表示装置によれば、相対的に低剛性のスクリーンの膨張係数が、保持部材の膨張係数より小さい場合に、上記スクリーンを上記保持部材に低温又は/且つ低湿中で固定しているので、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない投写型表示装置が得られる。
【0124】
また、請求項13の投写型表示装置によれば、固定手段によって、相対的に低剛性のスクリーンをスクリーン保持手段に対して、上下2辺、左右2辺、又は4辺で固定して、相対的に低剛性のスクリーンの、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0125】
また、請求項14乃至18の投写型表示装置によれば、請求項1乃至7に記載の透過形スクリーンに対して、更に、スクリーン保持手段によって固定して保持することによって、相対的に低剛性のスクリーンにしわが寄ったり、セパレーションが生じたりすることが無く、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0126】
また、請求項19の投写型表示装置によれば、固定手段によって、相対的に低剛性のスクリーンをスクリーン保持手段に対して、上下2辺、左右2辺、又は4辺で固定して、相対的に低剛性のスクリーンの、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【0127】
また、請求項20の投写型表示装置によれば、透過形スクリーンを構成するスクリーンの内、少なくとも1枚をフィルム状のスクリーンとして、スクリーン内で発生する迷光の影響を少なくしながら、しわやセパレーションの発生を効果的に防止できるため、より映像の劣化の少ない透過形スクリーンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による透過形スクリーンを用いた背面投写型表示装置の基本構成を示す垂直断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。
【図3】この発明の実施の形態2による透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。
【図4】この発明の実施の形態4による透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。
【図5】この発明の実施の形態5による透過形スクリーンの取り付け方法を示す概念図である。
【図6】この発明の実施の形態6による透過形スクリーンの固定手段を示す概略図である。
【図7】この発明の実施の形態10による透過形スクリーンの固定手段を示す概略図である。
【図8】従来の透過形スクリーンを用いた背面投写型表示装置の基本構成を示す垂直断面図である。
【図9】図8中の線a−a′で切った水平断面の一部の図である。
【図10】フレネルレンズシート3の厚さが厚い場合の迷光の影響を説明するための図である。
【図11】フレネルレンズシート3の厚さが薄い合の迷光の影響を説明するための図である。
【符号の説明】
1 映像発生源、 2 透過形スクリーン、 5 保持部材、 6 相対的に高剛性のスクリーン(第1のスクリーン)、 7 相対的に低剛性のスクリーン(第2のスクリーン)、 8 定温定湿槽、 9 固定手段。

Claims (20)

  1. 温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
    第1のスクリーンと、
    前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンと
    を備え、前記第1のスクリーンに高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の第2のスクリーンを固定したことを特徴とする透過形スクリーン。
  2. 温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
    第1のスクリーンと、
    前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンと
    を備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の第1のスクリーンに前記第2のスクリーンを固定したことを特徴とする透過形スクリーン。
  3. 温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
    第1のスクリーンと、
    前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンと
    を備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の第1のスクリーンに、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の第2のスクリーンを固定したことを特徴とする透過形スクリーン。
  4. 温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
    膨張係数がαの第1のスクリーンと、
    膨張係数がβであって前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンと
    を備え、前記膨張係数α,βが
    α<β
    の関係にあるとき、前記第1のスクリーンに第2のスクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて固定したことを特徴とする透過形スクリーン。
  5. 温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
    膨張係数がαの第1のスクリーンと、
    膨張係数がβであって前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンと
    を備え、前記膨張係数α,βが
    α>β
    の関係にあるとき、前記第1のスクリーンに第2のスクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて固定したことを特徴とする透過形スクリーン。
  6. 前記第1、第2のスクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺を互いに固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の透過形スクリーン。
  7. 前記第1、第2のスクリーンは、一方がフレネルレンズシート、他方がレンチキュラーレンズシートからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の透過形スクリーン。
  8. 映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、
    温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、
    前記スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の前記スクリーンを、前記保持手段によって保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  9. 映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、
    温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、
    前記スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の前記保持手段によって、前記スクリーンを保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  10. 映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、
    温度、湿度の変化で伸縮するスクリーンと、
    前記スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の前記スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の前記保持手段によって、保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  11. 映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、
    前記透過形スクリーンを構成する膨張係数がβのスクリーンと、
    膨張係数がγであって前記スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、前記膨張係数β,γが
    β>γ
    の関係にあるとき、前記保持手段によって前記スクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  12. 映像発生源より発せられた映像光を透過形スクリーンに投写する投写型表示装置において、
    前記透過形スクリーンを構成する膨張係数がβのスクリーンと、
    膨張係数がγであって前記スクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、前記膨張係数β,γが
    β<γ
    の関係にあるとき、前記保持手段によって前記スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  13. 前記スクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺をそれぞれ前記スクリーン保持手段に固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の投写型表示装置。
  14. 請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、
    前記第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の前記透過形スクリーンを、前記保持手段によって保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  15. 請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、
    前記第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の前記保持手段によって、前記透過形スクリーンを保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  16. 請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、
    前記第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の前記透過形スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて収縮した状態の前記保持手段によって、保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  17. 請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、
    膨張係数がγであって前記第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、前記第2のスクリーンの膨張係数βと前記膨張係数γが
    β>γ
    の関係にあるとき、前記保持手段によって前記透過形スクリーンを、高温又は/且つ高湿中にて保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  18. 請求項1乃至7のいずれかに記載の透過形スクリーンと、
    膨張係数がγであって前記第2のスクリーンより相対的に高剛性の材料からなるスクリーン保持手段と
    を備え、前記第2のスクリーンの膨張係数βと前記膨張係数γが
    β<γ
    の関係にあるとき、前記保持手段によって前記透過形スクリーンを、低温又は/且つ低湿中にて保持してなることを特徴とする投写型表示装置。
  19. 前記第2のスクリーンの上下2辺、左右2辺、又は4辺をそれぞれ前記保持手段に固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の投写型表示装置。
  20. 前記透過形スクリーンは、フィルム状のシートを少なくとも1枚含む構成であることを特徴とする請求項14乃至19のいずれかに記載の投写型表示装置。
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