JP5345082B2 - スクリーンユニット及び投写型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザーを光源とする例えばプロジェクションテレビである投写型表示装置に関するものであり、特にフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートの間に薄板ガラスを挟んだスクリーンユニット、及びそれを備えた投写型表示装置に関するものである。
特許文献1に開示されているように、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートの2枚のレンズシートの間に板ガラスを挟んだ形態にすると共に両レンズシートを熱処理にて凹状或いは凸状に反り付けをして重ね合わせることにより板ガラスに密着させる支持構造にすることにより、周囲の温度や湿度の環境変化でスクリーンが伸縮してレンズシートが凹凸に波打つことを防止する技術が一般的に知られている。
また、製品奥行きを薄くする高入射角の透過型スクリーンを備えたプロジェクションテレビにおいては、フレネルレンズシートの結像面の僅かな歪みによっても映像に歪みが発生するので、2枚のレンズシートをガラス基材に紫外線硬化型樹脂または熱硬化型樹脂にて貼り付けたスクリーンを用いることも一般的に知られている。
従来のスクリーンユニットにおいては、画像信号に応じて変調された光からなる画像をスクリーンに表示する際、光の干渉によって明点及び暗点がランダムに分布するシンチレーションが発生する場合があり、観察者に不快感を与えてしまうことがある。また、レーザー光はコヒーレンスが高いことからシンチレーションが特に発生し易く、2枚のスクリーンの内少なくとも1枚を振動させてシンチレーションを改善する方法(特許文献2)が提案されている他に、2枚のスクリーンの内部に拡散素材を一体成形することで、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートそれぞれに結像面を設けてシンチレーションを改善する方法も一般に知られている。
特開2001−154274号公報(第2頁、第3図) 特開2005−107150号公報(第7頁、第3図)
しかしながら、上記従来の技術によっても、未解決の問題が残されていた。
第一の問題としては、上記レンズシートを熱処理で凹凸状に曲率を設ける際に、水平に回転した円筒状の凸に湾曲させて薄板ガラスに重ね合わせる場合、2枚のレンズシートの湾曲面の軸が相互に同じ(2枚とも水平)となるようにしていた。そのため、3枚を重ね合わせる際に画面上下の辺に薄板ガラスから離れる方向の反力が発生し、スクリーンユニットのスクリーン保持部に設けられた溝にはめ込む作業が困難であるという問題があり、スクリーン保持部にはめ込む前に、四辺縁部をコの字状のクリップやテープ等で挟み込む方策がとられる場合があるが、このような構造とした場合も、クリップやテープが外れやすいという問題があった。
第二の問題としては、上記スクリーンユニットをフレーム枠体にはめ込んだ際に、スクリーン周辺の保持部の間に隙間があると、湾曲させたレンズシートの復元力で周辺部が歪み投写した画像周辺が歪むという問題があった。逆に保持部を強く押さえると温度や湿度の変化でレンズシートが膨張や収縮をする際の動きの妨げとなりレンズシート中央部が膨れるために投写した画像中央が歪むという問題があった。
第三の問題としては、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートをガラス基材に貼り合わせたり、シンチレーションの対策でレンズシートの1枚を振動させたりすることは、スクリーンの製法や構造が複雑になるためスクリーン保持装置の値段が高価になるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組み立てが容易で、画像が歪まず精度が良く、さらに安価とすることができるスクリーンユニット及びそのスクリーンユニットを用いた投写型表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスクリーンユニットは、所定の剛性及び光透過性を有する透明板と、矩形シート状を成し透明板と平行となる第1の方向に軸線が延びる円筒面の一部で透明板側に凸となる形状に反り付けされた第1のレンズシートと、透明板の第1のレンズシートの反対側に配置され、矩形シート状を成し透明板と平行で且つ第1の方向と直交する方向に軸線が延びる円筒面の一部で透明板側に凸となる形状に反り付けされ、第1のレンズシートとの間に透明板を挟み込む第2のレンズシートと、透明板、第1のレンズシート、及び第2のレンズシートでなる積層体の四辺外周縁部をそれぞれ覆う長尺断面コ字状の4本の枠と、を備え、第1の方向と平行な1本の枠は、断面コ字状の内側面が積層体の外周縁部をクリアランスをもって遊嵌し、残る3本の枠においては、第1のレンズシート及び第2のレンズシートの凹面と断面コ字状の内側面との間に弾性部材を介在させ、弾性部材の付勢力にて第1のレンズシート及び第2のレンズシートを透明板に押圧するように挟み込んで支持することを特徴とする。
また、本発明にかかる投写型表示装置は、映像光を出射する投射ユニットと、投射ユニットが出射した映像光を反射する反射ミラーと、反射ミラーが反射した映像光が背面に投射されるスクリーンユニットとを備え、スクリーンユニットを装置前面に配置し、投射ユニットを装置後部下側に配置し、投射ユニットから上方に向けて出射された映像光を装置上部に配置した反射ミラーで下方に反射させて、スクリーンユニットの背面に映像光を鋭角に入射させる投写型表示装置において、スクリーンユニットは、所定の剛性及び光透過性を有する薄板ガラスと、矩形シート状を成し薄板ガラスと平行となる第1の方向に軸線が延びる円筒面の一部で薄板ガラス側に凸となる形状に反り付けされたフレネルレンズシートと、薄板ガラスのフレネルレンズシートの反対側に配置され、矩形シート状を成し薄板ガラスと平行で且つ第1の方向と直交する方向に軸線が延びる円筒面の一部で薄板ガラス側に凸となる形状に反り付けされ、フレネルレンズシートとの間に薄板ガラスを挟み込むレンチキュラーレンズシートと、薄板ガラス、フレネルレンズシート、及びレンチキュラーレンズシートでなる積層体の四辺外周縁部をそれぞれ覆う長尺断面コ字状の4本の枠と、を備え、第1の方向と平行な1本の枠は、断面コ字状の内側面が積層体の外周縁部をクリアランスをもって遊嵌し、残る3本の枠においては、フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズシートの凹面と断面コ字状の内側面との間に弾性部材を介在させ、弾性部材の付勢力にて第1のレンズシート及び第2のレンズシートを薄板ガラスに押圧するように挟み込んで支持することを特徴とする。
本発明によれば、フレネルレンズシート(第1のレンズシート)とレンチキュラーレンズシート(第2のレンズシート)の湾曲面の軸を異なる方向に向けているので、両レンズシートの反りの大きい位置が積層体の厚さ方向に重なって集中することがなく、従来のように湾曲面の軸を同じ方向に向けるものより、厚さ方向の反りの量を分散させて最大位置の反りの合計を小さくすることができ、これにより反りによる反力も分散され局所的に大きくなることがない。そのため、枠の取り付けが容易で、さらにスクリーン保持部への組立も行い易いという製造上の効果もある。またコ字状の枠と上記レンズシートとの間に弾性部材を設けることにより、所定の付勢力でレンズシートを薄板ガラス(透明板)に押しつけるので、レンズシートが平坦になる効果がある。また、透明板として薄板ガラスを使用することにより、従来フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートをガラスに貼り合わせる製法に比べて安価にスクリーンユニットを提供することができる。
図1は、この発明にかかる投写型表示装置の縦断面図である。 図2は、図1のスクリーンユニットの斜視図である。 図3は、図2のスクリーンユニットの分解斜視図である。 図4は、キャビネットに設けられるスクリーン保持部の詳細を示す要部縦断面図である。 図5は、キャビネットに設けられるスクリーン保持部の詳細を示す要部横断面図である。
実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、この発明にかかる投写型表示装置の縦断面図である。図2は、図1のスクリーンユニットの斜視図である。図3は、図2のスクリーンユニットの分解斜視図である。図4は、キャビネットに設けられるスクリーン保持部の詳細を示す要部縦断面図である。図5は、キャビネットに設けられるスクリーン保持部の詳細を示す要部横断面図である。
図1において、投写型表示装置の一例であるプロジェクションテレビ100は、装置の外殻を構成し前面を開放する概略箱状のキャビネット93と、キャビネット93内の背面部下方に配置され半導体レーザーを光源とする光学エンジンを含み上面に設けられた出射口から映像光を出射する投射ユニット92と、キャビネット93内の天面部に配置され投射ユニット92が出射した映像光を反射する反射ミラー94と、キャビネット93の前面開口部を閉塞するように配置され反射ミラー94が反射した映像光が背面に投射されるスクリーンユニット20とを備えている。
上記のようにスクリーンユニット20は、装置前面に配置されている。一方、投射ユニット92は、装置後部下側に配置されおり、光学エンジンにて生成された映像光は、投射ユニット92から上方に向けて出射される。上方に向けて出射された映像光は、装置上部に配置した反射ミラー94で折り返すように下方に反射されて、スクリーンユニット20の背面に鋭角に入射する。このような構成の投写型表示装置100によれば、スクリーンユニット20に背面に投写する映像光の入射角度を鋭角にして、投射ユニット92からスクリーンユニット20までの奥行きが短くなるように構成している。
図2及び図3において、スクリーンユニット20は、薄板ガラス(透明板)12と、この薄板ガラス12を挟み込むように重ね合わされたフレネルレンズシート(第1のレンズシート)11及びレンチキュラーレンズシート(第2のレンズシート)13とからなる積層体10と、この積層体10の外周縁部を全周に渡って囲む枠(上部横枠21、側部縦枠22,22、下部横枠23)とを含んで構成されている。上部横枠21、側部縦枠22,22、下部横枠23は、長尺断面コ字状を成し、それぞれ積層体10の四辺に全長にわたって延び、積層体10の四辺外周縁部を嵌め込むようにして覆い保護する。
フレネルレンズシート11は、矩形シート状を成し、薄板ガラス12と平行となる第1の方向(図3中X方向、本実施の形態では水平方向)に軸線が延びる円筒面の一部で薄板ガラス12側に凸となる形状に、熱処理によって反り付けされている。レンチキュラーレンズシート13は、同じく矩形シート状を成し、薄板ガラス12のフレネルレンズシート11の反対側に配置され、薄板ガラス12と平行で且つ第1の方向と直交する第2の方向(図3中Y方向、本実施の形態では垂直方向)に軸線が延びる円筒面の一部で薄板ガラス12側に凸となる形状に、熱処理によって反り付けされている。
なお、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13は、湾曲した形状を薄板ガラス12に押し当てて薄板ガラス12に沿って伸ばすようにして薄板ガラス12に重ねられるが、特に接着剤等で貼り合わせられるものではない。また、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13の湾曲軸の関係は、フレネルレンズシート11が垂直で、レンチキュラーレンズシート13が水平となるようにしてもよい。
4本の枠のうち上部横枠21は、例えばポリエチレンなどのような、硬質で表面の滑りが良い硬質樹脂にて作製されている。そして、上部横枠21は、積層体10の厚さより若干大きい開口幅を有し、積層体10の上縁部に厚さ方向に微少なクリアランスをもって遊嵌する。また後述するように、上部横枠21は、積層体10がその平面に沿って移動可能なように奥行き方向にも微少なクリアランスをもって遊嵌する。上部横枠21の開口縁部は、積層体10の縁部を嵌め込み易いよう開口を広げる方向に若干折り曲げられている。
4本の枠のうち残る3本の枠である側部縦枠22,22及び下部横枠23は、例えばポリ塩化ビニール等の硬質な硬質樹脂にて作製され、積層体10の厚さより所定量だけ大きい開口幅を有し、フレネルレンズシート11及びレンチキュラーレンズシート13の凹面と対向する方の内側面に中空軟質樹脂部材(弾性部材)22a,22a,23aが設けられている。
中空軟質樹脂部材22a,22a,23aは、熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂を用いて中空チューブ状に作製され、断面かまぼこ形を成し弾力性に富む。中空軟質樹脂部材22a,22a,23aは、平坦面をコ字形の一方の内側面に固着され、湾曲する凸面をコ字形の内側に向けている。側部縦枠22,22及び下部横枠23は、積層体10の縁部を、この中空軟質樹脂部材22a,22a,23aの凸面と対向する他の内側面との間に挟み込み、所定の弾性力にて押圧して狭持する。ここで、所定の弾性力とは、静止時にはその摩擦力により積層体10が動かないように支持するが、積層体10をスライドさせるような一定以上の力が作用したときに積層体10を動かすというものである。
なお、中空軟質樹脂部材22a,22a,23aの凸面は、積層体10の縁部を嵌め込み易いように滑らかに仕上げられている。また、側部縦枠22,22及び下部横枠23は、上部横枠21と同じく、積層体10がその平面に沿って移動可能なように奥行き方向にも微少なクリアランスをもって積層体10を支持する。
このように、積層体10は、フレネルレンズシート11及びレンチキュラーレンズシート13が、湾曲した形状を薄板ガラス12に押し当てて薄板ガラス12に沿って伸ばすようにして薄板ガラス12に重ね合わされ、この状態で四辺縁部を枠21,22,23に嵌め込まれて組み立てられるが、嵌め込まれた四辺縁部は特に接着剤等で固定されるものではなく、むしろ上記のように枠21,22,23内で積極的に動くように支持される。
本実施の形態で用いられるフレネルレンズシート11を形成する透明樹脂フィルムの基材としては、アクリル樹脂やMS樹脂(メチルメタクレートとスチレンとを共重合させた樹脂)或いはポリカーボネート樹脂など透明樹脂基材が用いられる。また、レンチキュラーレンズシート13の基材としては、同じく透明性が高いポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニールなどが用いられる。これらの材料は共に、薄板ガラス12に比べて温度や湿度の環境変化で大きく伸縮するため、予め薄板ガラスよりも伸縮差分だけ小さく作製されている。
尚、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13の基材の温度と湿度の特性はほぼ同じであるので、両者の加工寸法も同じとしている。例えば、温度変化が40度で、代表的な基材の熱膨張率をE=5×10−5とした時にフレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13の全長が1000mmだとすると、2.0mm膨張して大きくなり、24時間の吸水率を、吸水率R=9×10−4とすると、全長が1000mmの場合は約0.1mm膨潤して大きくなるので、薄板ガラス12と比べて2.0+0.1=2.1mmだけ、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13を小さくすることにより、温度変化が40度で且つ高湿環境で吸水した状態でもフレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13は、薄板ガラス12と同じ大きさを保つことができる。
フレネルレンズシート11は熱処理によって水平に回転した円筒状に薄板ガラス12に向かって凸になる様に湾曲している。その変形量は例えば75型用のもので、板厚が2.5mmのレンズシートでは中央部で20mmから50mmの凸となる大きさである。一方、レンチキュラーレンズシート13は熱処理によって垂直に回転した円筒状に薄板ガラス12に向かって凸状に湾曲している。その変形量は例えば75型用のもので、板厚が2.5mmのレンズシートでは中央部で100mmから200mmの凸となる大きさである。従来技術のフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートを同一の方向に湾曲させた場合に比べてスクリーンユニット全体の反り量を小さくすることができるので、スクリーンユニット20の四辺縁部に取り付ける上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23を取り付ける作業が容易に行える。
スクリーンユニット20の上辺を保持する上部横枠21は、基材に硬質で表面の滑り性が良いポリエチレンやポリ塩化ビニールで作製され、積層体10の板厚より僅かに大きい、例えば0.2mm大きい幅でコの字状に成形されているので積層体10の平面度向上に寄与する他、積層体10の挿入性を向上させる。一方、スクリーンユニット20の側辺を保持する側部縦枠22は、基材にポリ塩化ビニールを用いて、積層体10との接触部には中空軟質樹脂部材22a、例えば熱可塑性エラストマーを中空形状にて積層体10の板厚より小さく一体に成形されており、例えば0.5mm小さい幅にして中空軟質樹脂部材22aの弾性力によってフレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13とが薄板ガラス12から離れないように押しつけて保持している。また、この中空軟質樹脂部材22aの表面は滑り性が非常に高く、積層体10が動く際に滑って動きやすくなっている。この側部縦枠22の基材の熱膨張率は、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13と同等になるようにされており、温度変化しても伸縮する量が同じになるので歪んだりすることがない。
フレネルレンズシート11と薄板ガラス12とレンチキュラーレンズシート13とを重ね合わせて積層体10とし、この積層体10の四辺縁部に上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23を取り付けて一体としてスクリーンユニット20を組み立て、このスクリーンユニット20の上部をスクリーン支持部31の挿入溝に嵌め込み、側部をそれぞれスクリーン支持部32,32の挿入溝に嵌め込み、下部をスクリーン支持部33の挿入溝に嵌め込み、これら四辺を囲むスクリーン支持部31,32,32,33を相互にジョイント部材で接続して枠体とすることでスクリーンユニット20の支持構造が構成させる。スクリーン支持部31,32,32,33は、キャビネット93の開放された開口縁部に接続される。
スクリーンユニット20は、積層体10の四辺縁部を上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23で挟み込んだ状態で、スクリーン支持部31,32,32,33でなる枠体に挿入することで、枠体の溝への挿入が容易に行える。スクリーン支持部31,32,32,33の挿入溝は、スクリーンユニット20がその平面方向に移動可能なように、それぞれ上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23の幅より若干大きくされている。スクリーン支持部31,32,32,33は、キャビネット93とともにプロジェクションテレビ100の外殻を構成しており、外殻としての強度を保つために例えばアルミニウムの押し出し材料などで構成されている。この時、側部縦枠22がスクリーンユニットを挟む寸法をa、側部スクリーン支持部32と側部縦枠22の嵌合寸法をbとすると、b=a+1.75mmとして保持することができ、側部スクリーン支持部32の材料にアルミの押出し材料を用いて、フレームの剛性を維持しながら薄肉化することにより、製品外形からスクリーン開口までのc寸法を最小にした細枠デザインを実現することができる。ここで上記aは、熱収縮や輸送の振動で、側部縦枠22からレンチキュラーレンズシート13が外れない値とする。例えば、75型のスクリーンサイズの場合、aを8mmとすると、b=a+1.75mm=9.75mmとなり、スクリーン支持部32のアルミ材料の肉厚を1.5mmにすることにより、c寸法を13mmとすることができる。また、フレネルレンズシート11、レンチキュラーレンズシート13や上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23のの熱膨張率に比べて、スクリーン支持部31、32、33の材料のアルミニウムの熱膨張率は非常に小さいため、温度変化による伸縮量が異なるものの、上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23が挿入溝内で移動可能な構造とされているために歪みは発生しない。以上より、プロジェクションテレビ100の周囲の温度や湿度の環境変化によってフレネルレンズシート11やレンチキュラーレンズシート13や上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23が伸縮するが、フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13が、側部縦枠22及び下部横枠23の中空軟質樹脂部材22a、23aの表面で滑り、積層体10に歪が発生することがない。
フレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート13には、それぞれ拡散材が一体で成形されており、フレネルレンズシート11のレンズ面側に第一の結像面20aが形成され、レンチキュラーレンズシート13の薄板ガラス12の接触面には第二の結像面20bが形成されている。スクリーンユニット20を上記上部横枠21、側部縦枠22、及び下部横枠23で保持することにより、上記第一の結像面20aと第二の結像面20bが一定の間隔で平行に配置されるため、シンチレーションを低減することが出来る。
また、本実施の形態プロジェクションテレビ100によれば、側部縦枠22及び下部横枠23が、高滑性及び高柔軟性の中空軟質樹脂部材22a、23aによって積層体10を支持することによって、中空軟質樹脂部材22a、23aがクッション材の効果も発揮することとなり、プロジェクションテレビ100の輸送による振動によってフレネルレンズシート11やレンチキュラーレンズシート13に発粉が発生することを防止したり、脱落によってスクリーンユニット20が破損することを防止することもできる。
本発明は、半導体レーザーを光源とする例えばプロジェクションテレビである投写型表示装置の特にフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートの間に薄板ガラスを挟んだスクリーンユニットを備えたものに適用されて好適なものである。
10 積層体
11 フレネルレンズシート(第1のレンズシート)
12 薄板ガラス(透明板)
13 レンチキュラーレンズシート(第2のレンズシート)
20 スクリーンユニット
20a 第一の結像面
20b 第二の結像面
21 上部横枠(枠)
22 側部縦枠(枠)
23 下部横枠(枠)
22a,23a 中空軟質樹脂部材(弾性部材)
31,32,33 スクリーン保持部
92 投射ユニット
93 キャビネット
94 反射ミラー
100 プロジェクションテレビ(投写型表示装置)

Claims (7)

  1. 所定の剛性及び光透過性を有する透明板と、
    矩形シート状を成し前記透明板と平行となる第1の方向に軸線が延びる円筒面の一部で前記透明板側に凸となる形状に反り付けされた第1のレンズシートと、
    前記透明板の前記第1のレンズシートの反対側に配置され、矩形シート状を成し前記透明板と平行で且つ第1の方向と直交する方向に軸線が延びる円筒面の一部で前記透明板側に凸となる形状に反り付けされ、前記第1のレンズシートとの間に前記透明板を挟み込む第2のレンズシートと、
    前記透明板、前記第1のレンズシート、及び前記第2のレンズシートでなる積層体の四辺外周縁部をそれぞれ覆う長尺断面コ字状の4本の枠と、を備え、
    第1の方向と平行な1本の前記枠は、断面コ字状の内側面が前記積層体の外周縁部をクリアランスをもって遊嵌し、
    残る3本の前記枠においては、前記第1のレンズシート及び前記第2のレンズシートの凹面と断面コ字状の内側面との間に弾性部材を介在させ、前記弾性部材の付勢力にて前記第1のレンズシート及び前記第2のレンズシートを前記透明板に押圧するように挟み込んで支持することを特徴とするスクリーンユニット。
  2. 前記透明板が、薄板ガラスである
    ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーンユニット。
  3. 前記第1のレンズシートが、フレネルレンズシートであり、
    前記第2のレンズシートが、レンチキュラーレンズシートである
    ことを特徴とする請求項2に記載のスクリーンユニット。
  4. 前記フレネルレンズシートの入射面側に第一の結像面を形成して、前記レンチキュラーレンズシートの薄板ガラス側に第二の結像面を形成して、前記第一の結像面と第二の結像面を、両者間に前記薄板ガラスを介在させて平行に保持する
    ことを特徴とする請求項3に記載のスクリーンユニット。
  5. 前記枠は、所定以上の力が作用したときに前記積層体をその平面方向に移動可能に支持する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスクリーンユニット。
  6. 前記弾性部材は、高柔軟性の中空チューブ状を成し、前記第1のレンズシート及び前記第2のレンズシートに接触する凸面は高滑性高く仕上げられている
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーンユニット。
  7. 映像光を出射する投射ユニットと、
    前記投射ユニットが出射した映像光を反射する反射ミラーと、
    前記反射ミラーが反射した映像光が背面に投射されるスクリーンユニットとを備え、
    前記スクリーンユニットを装置前面に配置し、前記投射ユニットを装置後部下側に配置し、前記投射ユニットから上方に向けて出射された映像光を装置上部に配置した前記反射ミラーで下方に反射させて、前記スクリーンユニットの背面に映像光を鋭角に入射させる投写型表示装置において、
    前記スクリーンユニットは、
    所定の剛性及び光透過性を有する薄板ガラスと、
    矩形シート状を成し前記薄板ガラスと平行となる第1の方向に軸線が延びる円筒面の一部で前記薄板ガラス側に凸となる形状に反り付けされたフレネルレンズシートと、
    前記薄板ガラスの前記フレネルレンズシートの反対側に配置され、矩形シート状を成し前記薄板ガラスと平行で且つ第1の方向と直交する方向に軸線が延びる円筒面の一部で前記薄板ガラス側に凸となる形状に反り付けされ、前記フレネルレンズシートとの間に前記薄板ガラスを挟み込むレンチキュラーレンズシートと、
    前記薄板ガラス、前記フレネルレンズシート、及び前記レンチキュラーレンズシートでなる積層体の四辺外周縁部をそれぞれ覆う長尺断面コ字状の4本の枠と、を備え、
    第1の方向と平行な1本の前記枠は、断面コ字状の内側面が前記積層体の外周縁部をクリアランスをもって遊嵌し、
    残る3本の前記枠においては、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートの凹面と断面コ字状の内側面との間に弾性部材を介在させ、前記弾性部材の付勢力にて前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズシートを前記薄板ガラスに押圧するように挟み込んで支持する
    ことを特徴とする投写型表示装置。
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