JP3584272B2 - 測光装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の輝度を測定する測光装置に関し、特に、カメラの自動露出制御等に好適に用いられる測光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の測光装置としては、蓄積型の測光素子を用いられたものがあり、次回の蓄積時間を前回の測光値と蓄積時間とから求める場合には、次回の測光時での被写界の明るさが前回とほぼ等しいと仮定して算出する。この測光装置は、太陽光に照らされた通常の被写体の場合には、被写体の動きよりも、測光周期の方が速いので、特に問題は起こらない。
しかし、AC電源によって作られた照明では、その電源周期に応じた周期によって(例えば、50Hz電源の場合には100Hz)、光量が強弱を繰り返す、いわゆるフリッカー現象が起きる。このフリッカー周期は、被写体の動きに比べて極めて速く、通常の測光装置の測光周期に比べても速いので、次の測光時に前回の測光時と照明状態が等しいということがなくなってしまう。
このような場合には、上記のように、前回の測光値と蓄積時間とから次回の蓄積時間を求める方法では、予測不可能になってしまう。
【0003】
この問題を解決するために、図13(A)に示したように、2回の測光を照明用光源のフリッカー周期の1/2の周期で行い、それらの測光値の平均値に基づいて、測光値や次回の蓄積時間を算出することによって、安定した測光を実現しようという測光装置が提案されている(特開平6−95200号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の測光装置は、測光を行うときには、フリッカーのばらつきを安定化させる代わりに、1回毎の測光値がフリッカーの強さ分だけばらつくことになる。測光出力値の大きさは、そのときの蓄積時間に依存し、通常、蓄積時間は、測光ダイナミックレンジをなるべく広く取るために、測光出力値が飽和出力電圧よりやや低い値となるように設定されている。
このような設定において、フリッカー光源を測光した場合には、上記の理由により、1回毎の測光値がばらつき、図13(B)に示したように、測光出力値が大きいときに、測光ダイナミックレンジを越えて出力が飽和してしまい、正しい測光値が得られない場合があった。
本発明の解決しようとする課題は、フリッカー光源の測光を行った場合にも、測光出力値が飽和せずに、正確な測光値が得られる測光装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行なう測光部と、前記測光部の出力値とそのときの蓄積時間の値とに基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間の値を決定する蓄積時間決定部とを備えた測光装置において、前記蓄積時間決定部は、前回の蓄積時間が光源のフリッカー周期より短い場合には、前記測光素子の飽和出力電圧値を基に設定される所定の目標電圧値を、前記前回の蓄積時間が光源のフリッカー周期以上の場合よりも低くなるよう目標値補正係数で補正することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の測光装置において、前記蓄積時間決定部は、次回測光時の測光出力値が所定の目標電圧値に近づくように、次回の蓄積時間の値を決定することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の測光装置において、前記蓄積時間決定部は、前回の蓄積時間の値に応じて前記目標電圧値を変更することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の測光装置において、前記測光素子は、複数の測光出力を出力可能な分割型の素子であり、前記蓄積時間決定部は、前記測光素子の複数の測光出力の最大値が目標電圧値に近づくように、次回の蓄積時間の値を決定することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの測光装置の概略の構成を示すブロック図である。
測光回路10は、被写界の測光を行ない測光データを出力する回路であり、その測光データは、A/D変換部11によって数値化された後に、輝度算出部14へ出力される。輝度算出部14は、A/D変換部11からの測光データと、撮影レンズ内に納められたレンズデータ記憶部15から入力される撮影レンズの焦点距離、開放絞り値、射出瞳、及びケラレ等に関するデータに基づいて、被写体の輝度値を算出する部分であり、その出力は、露出演算部16に出力される。
露出演算部16は、輝度演算部14からの輝度値に基づいて、被写体の適正露出値を算出する部分である。
【0010】
露出制御部17は、不図示のカメラのレリーズボタンが押されることにより、露出演算部16によって求められた適正露出値に基づいて、ミラー2、絞り18、シャッター19を制御することによりフィルムへの露光を行う部分である。
【0011】
蓄積時間設定部12は、A/D変換部11によって数値化されたデータと前回の蓄積時間とから、次回の蓄積時間を算出する部分であり、蓄積制御部13を通し、測光回路10に対して次回の測光のための設定を行なう。
ここで、A/D変換部11、蓄積時間設定部12、蓄積制御部13、輝度算出部14、露出演算部16は、全て制御回路であるマイクロプロセッサ(以下、マイコンと略す)20によって実現される。マイコン20内のプログラムについては、後に詳しく説明する。
【0012】
図2は、本実施形態に係る測光装置の光学系を示すブロック図である。
撮影レンズ1を通過した光束は、クイックリターンミラー2、拡散スクリーン3、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通って、撮影者の目に到達する。
一方、光束の一部は、拡散スクリーン3によって拡散された後に、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、測光用プリズム7、測光用レンズ8を通して、測光素子9へ到達する。
【0013】
図3は、本実施形態に係る測光素子9の分割状態を被写界に照らし合わせて示した図である。
測光素子9は、例えばCCD等の蓄積型センサーによって構成されており、上下方向に12分割、左右方向に20分割された合計240領域からなり、被写界のほぼ全面を分割して測光できるようになっている。
【0014】
図4は、本実施形態に係る測光素子9の構造を示した模式図である。
撮像画素21は、上下方向に12画素、左右方向に20画素に分割された光電変換部から成っている。
また、補正用画素22は、撮像画素21の隣に、図中に斜線で塗りつぶして示したように、上下方向に3行、左右方向に20画素に分割された形で配置されている。この補正用画素22は、撮像画素21と構成はほぼ同等であるが、光電変換部が遮光された構造である。補正用画素22の出力は、暗電流補正、アンプゲイン補正等に用いられる。アンプゲインの補正については、本発明には直接関係ないので説明を省略するが、暗電流補正については、後に説明を加える。
【0015】
撮像画素21及び補正用画素22の電荷情報は、蓄積が終了すると、各画素に隣接して配置されている不図示のHレジスタによって1列ずつVレジスタ23へ転送され、さらに、Vレジスタ23によって1画素ずつ出力回路24へ出力される。出力回路24は、各画素信号の電荷出力を電圧に変換した後に、1倍(ゲインL)又は4倍(ゲインH)のアンプによって増幅した後に、測光素子9から出力させる。
【0016】
図5は、本実施形態に係る測光素子9のVout端子から出力される出力信号の信号形態を示した図である。
図5は、Vレジスタ1列分の信号を示したものである。各出力信号は、信号取り込みのための同期クロックSYNCの立ち下がりに同期して取り込まれる。まず、最初に基準電圧となるVorefが出力される。各画素の信号成分は、このVorefを基準として、電位の低い方向に現れる。従って、各画素信号は、全てVorefからの差として求められる。
次に、暗電流信号であるVopbが出力される。その後に、このVopb成分を再びVorefレベルにクランプする処理が行われる。従って、これ以降の出力は、全てこのVopb成分が差し引かれた形となって出力される。
次いで、アンプゲイン補正用の出力V1、V2が出力され、その後に12個の測光データが出力され、1列分の出力を完了する。この動作を20回繰り返すことにより1画面分の読み出しが完了する。
【0017】
図6は、Vopbと測光素子9の出力ダイナミックレンジとの関係を示した図である。
既に述べたように、Vopb出力後に、再びVorefレベルへのクランプを行うことにより、V1以降の出力は、実線で示したように、全てVopb成分が除去された形で出力されている。ところが、クランプを行わなければ、出力は、点線で示したようなものになっているはずである。出力回路の構成上、測光素子9の出力ダイナミックレンジは、各信号出力とVopbとの和によって制限されている。すなわち、点線で示した出力値が飽和電圧に達したところで出力の上限となる。従って、Vopbが大きければ大きいほど、測光成分の出力ダイナミックレンジは小さくなる。
【0018】
図7は、本実施形態の蓄積時間の制御方法を示す説明図である。
図の左側は、光源のフリッカーの様子と蓄積時間の長さ及びタイミングを示し、右側は、その時の測光出力(240領域の内の最大値)を示している。次回の蓄積時間は、前回の測光値と蓄積時間とから次回の測光値が目標値に近づくように計算されている。
まず、(A)は、光源にフリッカーがない場合である。この場合には、光源が安定しているので、測光値も安定して目標値に近い値が得られる。
【0019】
次に、(B)は、光源にフリッカーがあった場合であり、かつ、測光間隔がフリッカーの周波数の約2分の奇数倍であった場合である。この場合は、最初の測光値が目標値通りであったとしても、次回測光では、フリッカーの谷にきて目標値よりアンダーとなる。そして、その次の測光では、測光値を上げるために蓄積時間が長くなるので、今度は目標値よりオーバーとなる。さらにその次には、再び蓄積時間が短くなり目標値よりアンダーになる。以後、この動作を繰り返すようになり、極めて不安定な結果となる。
【0020】
このために、(C)は、(B)によって求めた次回蓄積時間の値を、前回の蓄積時間値と加重平均し、蓄積時間が急激に変わらないようにして安定化させたものである。加重平均の重みは、適当に調節すればよい。これによって、蓄積時間が発振することはなくなった。
しかし、やはりフリッカーによる測光値の揺らぎは残っているので、場合によっては、測光値が飽和レベルまで達してしまう場合がある。
そこで、(D)は、目標値を少し低めに設定したものである。(D)では、フリッカーによる揺らぎは残っているものの、目標値が低めに設定されているので、測光値が飽和することなく、正確な測光データが得られる。
【0021】
図8は、マイコン20のプログラムを示したフローチャートである。
不図示のカメラのレリーズボタンが半押しされることによってカメラの電源が入り、本プログラムが実行される。
まず、ステップS101において、電源立ち上げ後の最初の測光であるか否かを判別する。最初の測光であった場合には、ステップS102において、測光素子9の初期化を行い、出力回路24のゲインをL、蓄積時間tを10mSに設定する。この10mSの蓄積時間は、フリッカー周期の約1周期分に相当するものである。この理由は、蓄積時間をフリッカー周期程度まで長くすると、蓄積中にフリッカーの強弱が相殺されて、フリッカーの影響を受けにくい測光値を得ることができるからである。特に、初回の測光では、どの様な条件下で測光が行われているかが分からないので、フリッカーの影響を受けない測光値を得ることは、その後の安定した測光を行う上で重要である。
その後に、ステップS103によって測光ループ変数であるFNを0に初期化する。
【0022】
初回の測光でなかった場合には、ステップS104において、セットされた蓄積時間によって測光を行い、240領域それぞれの測光データを読み出す。次に、ステップS105において、得られた測光データが有効であるか否かの判定を行う。判定の仕方は、後に説明する(図9参照)。
【0023】
ステップS106では、次回測光時の蓄積時間と測光素子9のアンプゲイン(H/L)の組み合わせを決定する。次回蓄積時間とアンプゲインの求め方は、後に説明を加える(図10参照)。
【0024】
ステップS107では、今回の測光データが有効であったか否かを判定し、有効であった場合には、ステップS112でFNを0にクリアして、ステップS113に進み、有効でなかった場合には、ステップS108によってFNに1を加える。
ステップS109では、FN=5であるか否か、すなわち測光エラーが5回連続であるか否かを判別する。FN=5であった場合には、測光出力が長時間更新されない。このために、撮影者にカメラが故障したと思われる可能性があり、性能として望ましくないために、データが有効でなくてもその後の演算を行い、露出制御値を更新するために、ステップS110によってFNをクリアして、次のステップS113へ進む。
【0025】
FN=5でなかった場合には、ステップS111によって電源立ち上げ後の2回目の測光であるか否かを判定する。電源立ち上げ時において、まだ測光が完了していない期間には、制御すべき露出値がまだ求められていない。従って、その間は、露出制御が不能となるので、撮影者がレリーズボタンを押しても露光禁止としなければならない。露光禁止期間が長いと速写性に欠けると共に、撮影者にカメラが壊れたと思われる場合があり、性能として望ましくない。そこで、電源立ち上げ後の2回目の測光であった場合には、露光禁止期間を最小限にとどめるために、データの有効性が確保されていなくても何らかの露出制御値を算出するようにステップS113へ進む。
【0026】
1回目の測光ではなく、2回目の測光時に、このような処理を施す理由は、以下の通りである。1回目の測光時は、ステップS102で述べたとおり、蓄積時間が10mSに固定されているので、1回目の測光によってデータが有効になる確率は比較的少ない。2回目の測光時には、1回目の測光データに基づいて、蓄積時間を調節しているので、データが有効である確率が高い。そのために、1回目のデータが有効でなかった場合には、そのまま直ちに測光をやり直し、2回目の測光時に速写性を確保するために、強制的に次のステップへ進ませるようにしたものである。
【0027】
なお、ここでは実施していないが、例えば、1回目の測光時にデータが有効であり、2回目の測光時に何らかの理由でデータが有効でなかった場合には、既に1回目の測光データを用いて露出制御値が算出されているので、この場合に限り、2回目のデータが有効でなければ再測光をするようにしてもよい。
【0028】
ステップS111が否定の場合には、ステップS104へ戻って蓄積をやり直す。
ステップS113では、測光データのアンプゲインなどを補正するための各補正データを算出する。これらの補正データは、本発明には、直接関係しないので説明を省略する。
ステップS114では、得られた測光データに基づいて、各測光領域においての絶対輝度値を算出する。そして、ステップS115では、求められた絶対輝度値に基づいて、被写界の適正露出値を算出する。適正露出値の求め方は、本出願人による特開平6−95200号公報等に詳しく記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0029】
ステップS116では、不図示のレリーズボタンが全押しされたか否かを判定し、その場合には、ステップS117において、求められた適正露出値に基づいて、フィルムへの露光を行った後に、全押しでない場合には、直接、ステップS118へ進む。ステップS118では、半押しタイマーにより半押し解除後に所定時間経過したか否かを判定し、半押し継続中又は所定時間内であった場合には、ステップS101へ戻って処理を繰り返し、タイマー切れであった場合には、プログラムを終了する。
【0030】
図9は、測光データの有効性を判定するサブルーチンを示すフローチャートである。
図8のステップS105が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。
まず、ステップS201により、オーバーフローフラグOV及びアンダーフローフラグUNを0にクリアする。次に、ステップS202により、Vomax,Vopbを求める。Vomaxは、240領域の測光データの内の、信号成分が最大である領域の測光データであり、Vopbは、Vomaxが存在する測光領域と同列にあるVopb出力である。
例えば、図5に示したデータ1からデータ12の中にVomaxが存在した場合に、Vopbは、図中に示したOPBとなる。
【0031】
つぎに、ステップS203により以下に示す数式(1)が成立するか否かを判定する。
Vomax+Vopb<Vov …(1)
ここで、Vovは、測光素子9の飽和出力電圧値であり、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されているものである。既に説明したように、測光素子9の出力は、暗電流成分があらかじめ引かれたかたちで出力されているために、信号成分と暗電流成分の合計が測光素子9の飽和出力電圧値を越えることができない。従って、信号が飽和しているか否かを判別するときには、信号成分と暗電流成分との和を取った値で比較する必要がある。数式(1)が成立した場合には、ステップS206へ進み、成立しなかった場合には、ステップS204へ進む。
【0032】
ステップS204では、前回の蓄積時間intが、あらかじめ定められているint_min、すなわち最小蓄積時間に等しいか否かを判定する。そして、もし、蓄積時間が最小蓄積時間であった場合には、ステップS205へ進んでオーバーフローフラグOVに1を代入して次のステップへ進む。int_minは、例えば、10μS程度の数値である。
【0033】
ステップS206では、以下の数式(2)が成立するか否かを判定する。
Vomax+Vopb≧640mV …(2)
ここで、右辺の640mVとは、測光素子9の飽和出力電圧が3V〜4Vの場合を想定した場合の値である。例えば、測光素子9の飽和出力電圧が3.5Vであった場合には、数式(2)の左辺は、それに近い値であればあるほど被写界内の明るい部分から暗い部分までを測光ダイナミックレンジ内におさめることができるので、ダイナミックレンジの広いよい測光結果を得ることができる。
しかし、左辺の値が小さくなると、それよりも暗い部分の出力はもっと小さくなるので、ノイズに埋もれてしまい正確な測光結果が得られなくなってしまう。そこで、有効な測光結果といえる左辺の値を設定する必要がある。ここではその値を640mVとした。
【0034】
数式(2)が肯定の場合には、ステップS210へ進んで有効性を示すフラグOKに1を代入して処理を終了し、そうでない場合には、ステップS207へ進み、前回の蓄積時間intが、あらかじめ定められているint_max、すなわち最大蓄積時間に等しいか否かを判定する。そして、もし蓄積時間が最大蓄積時間であった場合には、ステップS208へ進んでアンダーフローフラグUNに1を代入して、ステップS209へ進み、有効性フラグOKに0を代入して処理を終了する。int_maxは、例えば100mS程度の数値である。
【0035】
ここで、図8のステップS107で行われる有効性判定は、基本的にはOK=1であるか否かによって判定されるが、OK=0の場合でも、OV=1又はUN=1のときには、それぞれ測光上限、測光下限であるので、有効でなくとも測光限界とみなして、測光のやり直しはせずに、次のステップへ進むようにする。
【0036】
図10は、次回蓄積時間int及びアンプゲインを求めるサブルーチンを示すフローチャートである。
図8のステップS106が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。本サブルーチンが呼び出される前には、電源立ち上げ後に少なくとも1回は測光が行われているので、直前の測光データがマイコン20内の不図示のメモリに残っている。
ステップS301では、図9のステップS203と同様に数式(1)の判定を、すなわち信号出力の最大値が飽和していないか否かの判定を行う。数式(1)が肯定の場合には、ステップS302へ進み、メモリに格納された測光データが電源立ち上げ後の初回測光のものであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS303へ進んで、Vomax<40mVであるか否かを判定する。Vomaxが40mVより小だった場合には、被写界はかなり暗いと予想される。
【0037】
また、電源立ち上げ時にレリーズボタンをすぐに全押しされた場合を想定して、できるだけ早くに適正露出値を出力する必要があるので、この場合には、ステップS304にあるように、測光素子9のゲインをHにし、次回蓄積時間を40mSに無条件に決定する。この40mSという数値は、カメラの測光装置に要求される測光下限から、1回目の測光によって検出不可能であった明るさまでをできるだけカバーできるような蓄積時間として、使用する測光系に合わせて決定されたものである。従って、この数値は、カメラに要求される即写性と、測光装置に要求される低輝度限界と、測光系の明るさから最適値を決定すればよい。
【0038】
ステップS303において、Vomaxが40mV以上であった場合には、次回蓄積時間を計算によって最適化が可能であるので、ステップS305へ進む。ステップS305では、Vomax=0Vであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS306で次回蓄積時間を前回の4倍とする。
【0039】
ステップS305が否定の場合には、ステップS307において、以下の数式(3)によって次回蓄積時間候補値int’を求める。
int’=int・(Vagc・X)/(Vomax+Vopb)…(3)
数式(3)の与えるint’の意味するところは、仮に前回と次回の測光時の被写界の明るさが等しいとすると、int’の蓄積時間によって次回の測光を行えば、次回測光時に求められるVomax+Vopbが、Vagc・Xに等しくなるというものである。
【0040】
ここで、intは、前回の蓄積時間、VagcはVomax+Vopbの目標値であり、測光素子9の飽和出力電圧値Vovを基にして設定するものであり、カメラ内の不図示の不揮発性メモリに格納されている。例えば、Vov=3.5Vの場合に、Vagcは、それよりやや小さい3V程度に設定される。Xは、フリッカーによる測光データのばらつきを予想した場合の目標値補正係数であり、前回の蓄積時間intに応じて、図11のような値をとる。
【0041】
AC電源のフリッカー周期は、50Hz地域では10mS、60Hz地域では約8.3mSである。一般に、蓄積時間がフリッカー周期程度、ここでは長い方を取って約10mSまではフリッカーの影響を考慮しなければならないので、Xは0.5と小さな値をとる。その後は、徐々にフリッカーの影響が少なくなるのでXも次第に大きくなっていき、20mSで完全に1になるようになっている。これを数式3に当てはめて考えると、蓄積時間が10mS以下の場合には、測光目標値は1.5Vであり、20mS以上の場合には3Vになり、その中間では徐々に目標値が変化するようになっている。測光目標値をフリッカーの程度によって変化させた方がよい理由については、図7の説明において示したとおりである。なお、Xの値に関してはカメラの測光系や対象とする光源の特性によって最適化することが望ましいので図11の値に限定するものではない。
【0042】
次に、ステップS308では、以下に示す数式(4)によって次回蓄積時間を決定する。
int=K・int’+(1−K)・int …(4)
ここで、int’はステップS307で求めた値、intは前回の蓄積時間、Kは蓄積時間が急激に変化しないための安定係数であり、前回の蓄積時間に応じて図12のような値を取る変数である。これを数式(4)に当てはめて考えると、蓄積時間が10mS以下の場合には、K=0.25であるので、次回の蓄積時間はintが3に対してint’が1の割合での加重平均となる。
【0043】
また、蓄積時間が20mS以上の場合には、フリッカーの影響はほとんどないのでK=1となり、100%int’の値となる。蓄積時間が10mSと20mSの中間では、徐々にKの値が変化するようになっている。蓄積時間をフリッカーの程度によってあまり変化させないようにした方がよい理由については、図7の説明において示したとおりである。
なお、Kの値に関しては、カメラの測光系や対象とする光源の特性によって最適化することが望ましいので、図12の値に限定するものではない。
【0044】
ステップS301における数式(1)の判定が否定だった場合には、ステップS309へ進み、240領域の内でオーバーフローした領域数をカウントし、変数ovfへ代入する。ここで、オーバーフローとは、その領域の信号出力+暗電流出力がVovに達しているか否かによって判定する。ovfの最小値は1(飽和領域が1つだけ)、最大値は240(全領域オーバーフロー)である。
【0045】
ステップS310ではovf<15か否かを判定し、そうであれば、ステップS311において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の2分の1に設定する。次に、ステップS312ではovf<30か否かを判定し、そうであれば、ステップS313において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の4分の1に設定する。次に、ステップS314ではovf<60か否かを判定し、そうであれば、ステップS315において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の8分の1に設定する。次に、ステップS316ではovf<120か否かを判定し、そうであれば、ステップS317において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の16分の1に設定する。ovfが121以上の場合には、ステップS318によってintを20μSに設定する。
つまり、ステップS310からステップS318までは、オーバーフローした測光領域の数が多ければ多いほど、被写界が明るいとみなして次回蓄積時間を前回よりも短くするようにしている。
【0046】
ステップS319では、次回測光時の蓄積時間とゲインの関係が、ゲインLかつint>int_L_minであるか否かを判定する。ここで、int_L_minは、ゲイン切り換えのためのしきい値であり、40mS程度の数値を代入すればよい。ステップS319を満たしている場合には、ステップS320へ進んで、次回の測光時にはゲインHに切り換え、蓄積時間intを上で求めた値の4分の1とする。
ステップS321では逆に、ゲインHかつint<int_H_minであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS322によって次回の測光時のゲインをLに、蓄積時間を上で求めた値の4倍とする。
ここで、int_H_minは、5mS程度の数値を代入すればよい。また、上の例でも分かるように、int_L_maxとint_H_minの比は、ゲインH/Lの比である4倍以上の値であることが望ましい。これによって、測光データに多少の揺らぎがあってもゲイン切り換えにヒステリシス特性ができるために、必要以上にゲイン切り換えが行われて測光値が不安定になることを防止できる。
ステップS323では、次回の蓄積時間が、あらかじめ設定された最小蓄積時間int_minを下回っていないか否かを判定し、下回っていた場合には、ステップS324により蓄積時間をint_minにクリップする。
同様に、ステップS325では、次回蓄積時間があらかじめ定められた最大蓄積時間int_maxを上回っていないか否かを判定し、上回っていた場合には、ステップS326によって蓄積時間をint_maxにクリップする。ここでは、int_min=10μS、int_max=100mSとする。
【0047】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1によれば、次回蓄積時間の値を決定するときの測光出力の目標値を、前回の蓄積時間の値によって変更するようにしたので、前回の測光出力値がフリッカーの影響を受けて不安定な場合にも次回測光出力値が測光ダイナミックレンジ内におさまる確率が高くなる。従って、蓄積型の測光素子を用いた測光装置において、照明光源にフリッカーがあって測光出力値が不安定になりやすい場合でも、測光値を測光ダイナミックレンジ内に入れることが可能になり安定した測光値を得ることが可能になる。
【0048】
請求項2によれば、測光出力の最大値が目標値に近くなるように制御するので、全ての測光出力が飽和することなく正確な測光出力が得られる。
【0049】
請求項3によれば、蓄積時間が短いほど目標値を低くするので比較的フリッカーの影響を受けやすい短い蓄積時間の時に正確な測光値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の光学系を示した図である。
【図3】本実施形態の測光手段の分割状態を示す図である。
【図4】本実施形態の測光素子の構造を示した図である。
【図5】本実施形態の測光素子の測光出力の出力順序を示した図である。
【図6】本実施形態の測光素子の測光出力レベルを示した図である。
【図7】光源と蓄積時間と測光出力の関係を示す説明図である。
【図8】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の変数のとる値を示した図である。
【図12】本実施形態の変数のとる値を示した図である。
【図13】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 クイックリターンミラー
3 拡散スクリーン 4 コンデンサレンズ
5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ
7 測光用プリズム 8 測光用レンズ
9 測光素子 10 測光素子
11 A/D変換部 12 蓄積時間設定部
13 蓄積制御部 14 輝度算出部
15 レンズデータ 16 露出演算部
17 露出制御部 18 絞り
19 シャッター 20 マイクロプロセッサ
21 撮像画素 22 補正用画素
23 Vレジスタ 24 出力回路

Claims (4)

  1. 蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光部と、
    前記測光部の出力値とそのときの蓄積時間の値とに基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間の値を決定する蓄積時間決定部とを備えた測光装置において、
    前記蓄積時間決定部は、前回の蓄積時間が光源のフリッカー周期より短い場合には、前記測光素子の飽和出力電圧値を基に設定される所定の目標電圧前記前回の蓄積時間が光源のフリッカー周期以上の場合よりも低くなるよう目標値補正係数で補正すること
    を特徴とする測光装置。
  2. 請求項1に記載の測光装置において、
    前記蓄積時間決定部は、次回測光時の測光出力値が所定の目標電圧値に近づくように、次回の蓄積時間の値を決定すること
    を特徴とする測光装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の測光装置において、
    前記蓄積時間決定部は、前回の蓄積時間の値に応じて前記目標電圧値を変更すること
    を特徴とする測光装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の測光装置において、
    前記測光素子は、複数の測光出力を出力可能な分割型の素子であり、
    前記蓄積時間決定部は、前記測光素子の複数の測光出力の最大値が目標電圧値に近づくように、次回の蓄積時間の値を決定すること
    を特徴とする測光装置。
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