JP3601146B2 - 測光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の輝度を測定する測光装置に関し、特に、カメラの自動露出制御等に好適に用いられる測光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は、従来の測光装置の一例を示すブロック図である。
測光回路50からの測光出力は、A/D変換器51によって数値化された後に、演算部52、蓄積時間設定部53、判定部55に接続される。
演算部52は、A/D変換器51の出力に基づいて、測光値を演算する。
蓄積時間設定部53は、A/D変換器51の出力に基づいて、次回測光時の出力が目標値近傍となるように、次回蓄積時の蓄積時間を算出し、蓄積制御部54に出力する。
また、判定部55は、A/D変換器51の出力に基づいて、今回の測光出力が測光ダイナミックレンジ内に入っているか否かを判定し、判定結果を蓄積制御部54に出力する。
蓄積制御部54は、蓄積時間設定部53からの蓄積時間及び判定部55の判定結果に基づいて、測光回路50を制御する。この蓄積制御部54は、今回の測光出力が測光ダイナミックレンジに入っていない場合には、測光値を無効として、測光回路50に測光をやり直す等の制御を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の測光装置においては、前回の測光出力とその蓄積時間とから次回の蓄積時間を設定する、いわゆるソフトウェアAGC方式が採用れている。このソフトウェアAGC方式は、前回と次回とで被写界輝度がほぼ同一であるという仮定に基づいている。
しかし、実際には、被写界の輝度は、時事刻々変化している場合も多く、特にカメラの測光装置等の場合には、カメラのフレーミングが変化することによって測光装置に入射する光量も容易に変化してしまう。
更に、被写体を照らす光源が蛍光灯などの場合には電源周波数に同期して光量が揺らぎを起こす、いわゆるフリッカー現象が起きるので、次回の測光時の光量を予測するのが極めて困難である。そのために、予測通りの測光出力が得られないことも多かった。
【0004】
上述した測光装置においては、判定部55は、測光値の有効/無効を判定する判定値に、常に同じ値を用いていた。また、蓄積時間設定部53も、次回の蓄積時間を設定する測光出力の目標値に、常に同じ値を用いていた。
ところが、測光装置によっては、複数の測光モードを有するものもある。例えば、カメラの測光装置では、被写界を分割して測光する分割測光モード、被写界の中央部を重点的に測光する中央重点測光モード、被写界のごく狭い領域を測光するスポット測光モードなどである。それらの異なるモードは、使用する測光出力の領域や領域数、測光出力の演算の方法などが異なっている
【0005】
しかし、上記従来の測光装置においては、それに関する配慮が一切なされていないので、測光モードによっては、有効である測光データが無効と判定されたり、逆に、無効であるデータが有効と判定されたり、また、蓄積時間設定のための目標値が不適当であるために、測光データが無効になってしまうなどの不都合が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、測光モードによって有効/無効の判定値を最適化することにより、測光エラーを減少させ、無駄がなく信頼性の高い測光装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界を複数領域に分割して測光し、その複数領域に応じた複数の測光出力を出力する測光回路と、複数の測光モードを設定可能な測光モード設定部と、前記測光モード設定部の設定に応じて、基準値を設定する基準値設定部と、前記基準値と前記測光回路の出力とに基づいて、前記測光回路の出力が有効か無効かを判定する有効性判定部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の測光装置において、前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1に記載の測光装置において、前記測光モード設定部は、大きさの異なる複数の測光領域を設定可能であり、前記基準値設定部は、前記測光領域が小さいほど前記基準値を低くすることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1に記載の測光装置において、前記測光モード設定部は、被写界の特定領域の輝度値を算出する第1のモードと、前記測光回路の出力を基に被写界の複数領域についての複数の輝度値を算出する第2のモードとを設定可能であり、前記基準値設定部は、前記第1のモードでの基準値を前記第2のモードでの基準値よりも低く設定することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1に記載の測光装置において、前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択し、前記有効性判定部は、前記使用領域の内の最高輝度の出力値と前記基準値とを比較して、前記出力値の方が大きいときに、前記測光回路の出力を有効と判定することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの測光装置の概略の構成を示すブロック図である。
測光回路10から出力された測光データは、A/D変換部11によって数値化された後に、蓄積時間設定部12、有効性判定部13、領域作成部14へ出力される。
蓄積時間設定部12は、A/D変換部11からの出力と、目標レベル設定部23からの出力と、前回の蓄積時間とに基づいて、次回の測光出力値が目標値になるように、次回の蓄積時間を設定し、蓄積制御部24へ出力する。次回蓄積時間の求め方は、後に詳しく説明する。
【0017】
有効性判定部13は、A/D変換部11からの出力と、判定レベル設定部22からの出力とから、前回の測光出力が有効であるか無効であるかを判定し、その出力は、蓄積制御部24へ接続される。有効性の判定方法は後述する。
【0018】
領域作成部14は、測光モード設定部21からの情報に基づいて、そのときの測光モードに応じた測光領域を形成するように、A/D変換部11の出力を加工する。領域作成部14によって領域化されたデータは、輝度算出部15に出力される。
【0019】
測光モード設定部21は、次のような3種類の測光モードが設定可能である。すなわち、被写界を複数に分割して、それぞれの輝度値を算出し、それら複数の輝度値に基づいて、適正露出値を算出する分割測光モード(以後、AMPモードと呼ぶ)、被写界の中央部を重点的に測光する中央重点モード(以後、CWモードと呼ぶ)、被写界のごく狭い領域を測光するスポット測光モード(以後SPモードと呼ぶ)の3種類である。
【0020】
AMPモードの場合には、図3に示すように、240領域全てについての輝度値を求めるために、各々の領域を全て独立した測光領域とみなす。CWモードの場合には、図3の中央部に示した52領域を1領域とみなして、それらの測光出力を乎均する。SPモードの場合には、更に中心部の4領域を1領域とみなして、それらの測光出力を平均化する。
【0021】
輝度算出部15は、領域作成部14によって領域化されたデータを、レンズデータ記憶部16からの撮影レンズ内に格納された撮影レンズの焦点距離、開放絞り値、射出瞳位置、ケラレ情報等のレンズデータに基づいて補正し、領域毎の輝度値を算出する。
露出演算部17は、輝度算出部15からの出力と、測光モード設定部21からの情報に基づいて、設定された測光モードに応した露出演算を行い、公知の手法により適正露出値を算出する。
【0022】
露出制御部18は、不図示のカメラのレリーズボタンが押されることにより、露出演算部17によって求められた適正露出値に基づいて、ミラー2、絞り19、シャッタ20を制御することにより、フィルムへの露光を行う。
【0023】
蓄積制御部24は、蓄積時間設定部12によって設定された蓄積時間に従って、測光回路10の制御を行って次回の測光を行う。蓄積を行うタイミングは、通常、露出演算部17による露出演算が終了した後であるが、有効性判定部13によって前回の測光データが無効と判定された場合には、露出演算を行わずに直ちに次回の測光を開始する。
【0024】
目標レベル設定部23は、測光モード設定部21からの情報に基づいて、設定された測光モード毎に最適な測光目標レベルを設定し、蓄積時間設定部12へ出力する。また、判定レベル設定部22も同様に、測光モード設定部21からの情報に基づいて、設定された測光モード毎に最適な有効性判定の基準値を設定し、有効性判定部13へ出力する。
【0025】
ここで、A/D変換部11、蓄積時間設定部12、有効性判定部13、領域作成部14、輝度算出部15、露出演算部17、判定レベル設定部22、目標レベル設定部23、及び蓄積制御部24は、全て制御回路であるマイクロプロセッサ(以下、マイコンと略す)100によって実現される。マイコン100内のプログラムについては後に詳しく説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施形態の光学系を示すブロック図である。
撮影レンズ1を通過した光束は、クイックリターンミラー2、拡散スクリーン3、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通って、撮影者の目に到達する。
一方、光束の一部は、拡散スクリーン3によって拡散された後に、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、測光用プリズム7、測光用レンズ8、を通して測光素子9へ到達する。
【0027】
図3は、測光素子9の分割状態を被写界に照らし合わせて示した図である。
測光素子9は、例えばCCD等の蓄積型センサーによって構成されており、上下方向に12分割、左右方向に20分割された合計240領域からなり、被写界のほぼ全面を分割して測光できるようになっている。
また、使用する測光領域は、測光モード設定部21の設定によって、選択されるようになっている。具体的には、AMPモードが選択されている場合には、240領域全ての領域の測光出力を演算に用い、CWモードが選択されている場合には、図3に示した被写界の中央付近の52個の測光領域のみを使用し、SPモードが選択されている場合には、被写界の中央部の4領域のみを使用する。
【0028】
図4は、測光素子9の構造を分かりやすく示した図である。
撮像画素25は、上下方向に12画素、左右方向に20画素に分割された光電変換部から成っている。また、撮像画素25の隣には、図中に斜線で塗りつぶして示したように、撮像画素と構成はほぼ同等であるが光電変換部が遮光されている補正用画素26が、上下方向に3行、左右方向に20画素に分割された形で配置されている。補正用画素26の出力は、暗電流補正、アンプゲイン補正等に用いられる。アンプゲインの補正については本発明には直接関係ないので説明を省略するが、暗電流補正については後に説明を加える。
蓄積が終了すると、撮像画素25及び補正用画素26の電荷情報は、各画素に隣接して配置されている不図示のHレジスタによって1列ずつVレジスタ27へ転送され、更に、Vレジスタによって1画素ずつ出力回路28へ出力される。出力回路28は、各画素信号の電荷出力を電圧に変換した後に、1倍(ゲインL)又は4倍(ゲインH)のアンプによって増幅した後に、測光素子9から出力させる。
【0029】
図5は、測光素子9の不図示のVout端子から出力される出力信号の信号形態を示した図である。
図中には、Vレジスタ1列分の信号が示されている。各出力信号は、信号取り込みのための同期クロックSYNCの立ち下がりに同期して取り込まれる。
まず最初に、基準電圧となるVorefが出力される。各画素の信号成分は、このVorefを基準として電位の低い方向に現れる。従って、各画素信号は、全てVorefからの差として求められる。
次に、暗電流信号であるVopbが出力される。その後に、このVopb成分を再びVorefレベルにクランプする処理が行われる。従って、これ以降の出力は、全てこのVopb成分が差し引かれた形となって出力される。
更に、アンプゲイン補正用の出力V1、V2が出力され、その後に12個の測光データが出力され、1列分の出力を完了する。この動作を20回繰り返すことにより、1画面分の読み出しが完了する。
【0030】
図6は、Vopbと測光素子9の出力ダイナミックレンジとの関係を分かりやすく示した図である。
既に述べたように、Vopb出力後に、再び、Vorefレベルへのクランプを行うことにより、V1以降の出力は、実線で示したように全てVopb成分が除去された形で出力されている。ところが、クランプを行わなければ、出力は、点線で示したようなものになっているはずである。測光素子9の出力ダイナミックレンジは、出力回路の構成上、各信号出力とVopbとの和によって制限されている。すなわち、点線で示した出力値が飽和電圧に達したところで出力の上限となる。従って、Vopbが大きければ大きいほど、測光成分の出力ダイナミックレンジは、小さくなる。
【0031】
図7(A)は、一般的な撮影における被写界の構図を示した図であり、図7(B)は、測光素子9の出力ダイナミックレンジと被写界内の輝度分布との関係を分かりやすく示した図である。
図7(B)のグラフにおいて、縦軸は測光出力であり、出力上限の飽和レベル(3.4V)と下限のノイズレベル(40mV)の間の出力がダイナミックレンジとなっている。測光出力がこの範囲内に収まっていれば輝度値が算出可能である。
【0032】
図7(A)に示したような構図では、画面内に雲、空、木、人物等の異なる輝度の被写体が存在しており、それぞれの測光領域の出力レベルが異なっている。今、画面内の輝度分布がAMPモードで示した矢印のように、雲が一番輝度が高く、続いて、空、木、人物の順であったとする。AMPモードの場合には、全ての測光領域の出力を用いるので、これらの出力全てがダイナミックレンジ内に収まっていることが望ましい。
【0033】
CWモードの場合には、図7(A)に示したように、画面中央付近の出力しか使用しないので、使用する領域の出力分布は、図7(B)に示したように、AMPモードに比べて狭くなっている。
また、SPモードの場合には、CWモードよりも更に小さい範囲しか用いないので、その出力分布は、CWモードよりも更に狭くなっている。
つまり、一般的な傾向として、使用する測光領域数が少なくなると、それらの輝度分布範囲も狭くなることが分かる。
【0034】
図8は、各測光モードにおいて、測光素子9の蓄積時間の設定の仕方についての説明図である。図8の縦軸は、測光回路10の出力電圧を対数表示で示したものである。一番左側の矢印で示した範囲が測光ダイナミックレンジである。
AMPモードの場合には、図7に説明したように、画面内に輝度の異なる複数の被写体が存在する確率が高いので、ダイナミックレンジを最大限利用できるような設定が望ましい。従って、図8に示したように、出力の最大値が比較的レベルの高い2.56V付近に来るように、前回の測光出力と蓄積時間とから次回の蓄積時間の設定を行う。飽和レベルぎりぎりとせずに2.56Vとしたのは、多少の誤差を見込んで出力がオーバーフローしないようにするためである。
【0035】
CWモードの場合には、AMPモードよりも輝度範囲が狭いと考えられるので、最大値の目標を1.28V付近に設定する。AMPモードよりも低い値を設定したもう一つの理由は、測光出力が目標値通りにならない場合があり、その場合にも出力がオーバーフローしないようにするためである。
例えば、蛍光灯などのように電源周波数に応じて明るさが脈動する、いわゆるフリッカー光源を測光する場合では、前回の測光時と次回の測光時とでは、フリッカーにより光源の輝度が異なっているために、最適蓄積時間を正確に予測することが極めて困難である。
従って、そのような場合を考慮して、あらかじめ目標値を低めに設定しておけば、被写体輝度が予測値を上回った場合でも、オーバーフローして測光出力が無効になってしまうことを防止できる。但し、あまり目標値を低くしすぎると、被写界の暗い部分の測光出力がノイズレベルに埋もれてしまい、正確な測光値が算出できなくなるので注意が必要である。
【0036】
SPモードの場合には、CWモードよりも更に輝度範囲が狭いと考えられるので、最大値の目標を更に下げて、640mV付近に設定する。設定値を低く取った理由は、CWモードの時と同様である。
【0037】
図9は、各測光モードにおける測光回路10の測光出力と測光出力有効性の判定レベルとの関係を示した図である。図9の縦軸は、測光回路10の出力電圧を対数表示で示したものである。一番左側の矢印で示した範囲が測光ダイナミックレンジである。
AMPモードの場合には、図7に説明したように、画面内に輝度の異なる複数の被写体が存在する確率か高く、また、アルゴリズム上からもそれら複数の被写体を別々の被写体として認識し、各測光領域毎にそれぞれの輝度値を算出可能であることが望ましい。そのために、AMPモードにおいては、一回の測光において、できるだけ輝度差のある被写体を測光ダイナミックレンジ内に入れることが要求される。従って、測光出力の最大値は、ある程度高いレベルである必要がある。
【0038】
もちろん、図12のAに示したように、被写界内の輝度差か小さく、最高輝度の被写体と最低輝度の被写体との両方が測光ダイナミックレンジに入っていた場合には、最高値が小さくてもかまわない。
【0039】
ところが、図12のBで示したように、被写界内の低輝度被写体の測光出力がノイズレベルであるVun以下になってしまうと、その被写体の正確な輝度が算出不可能になってしまう。
上述したように、AMPモードの場合には、被写界内の複数の被写体輝度を算出することが要求されるので、図12のBのようなケースでは、測光出力の最高値があるレベル以下であれば、その測光データが無効であると判定した方がよい。図9に示したように、ここでは、そのレベルを640mVとしている。
【0040】
CWモードのときには、AMPモードとは多少条件が異なっている。CWモードは、既に説明したように、使用する測光領域内の測光出力を全て加算することにより、あたかも1個の測光領域のように見せかけている。そのために、測光領域内の高輝度領域の測光出力の値が加算値に支配的な影響を与える。
例えば、ある被写体において、領域内の出力の分布が、図9のCWで示したように最高値が160mVであり、最低値かノイズレベルの40mVであったとする。この場合に、40mVの出力の方は、これ以上被写体輝度が低くてもノイズ成分があるために出力は下からない。
【0041】
ここで今かりに、領域内の半数の出力が160mVであり、残りの半数が40mVであったとする。ところが、実際には、40mVの出力がもっと小さく、図の一番右のCW’に示したように、10mVのレベルであったとする。しかし、上述のようなCWモードの計算方法では、CWで示した出力値と一番右のCW’の出力値とではわすか0.24EVの誤差しか生じない。
このように、CWモードでは、使用領域内の出力がノイズレベル以下になっても、最高輝度の出力が支配的であるので問題は生じにくい。従って、CWモードでは、AMPモードよりも有効判定レベルを低く設定することが可能である。ここでは、そのレベルを160mVとしている。
【0042】
SPモードの場合には、上述したようにCWモードよりも更に領域内の輝度差が小さいことが予想されるので、更に低い有効判定レベルを設定可能である。ここではその値を80mVとしている。
【0043】
図10は、マイコン100のプログラムを示したフローチャートである。不図示のカメラのレリーズボタンが半押しされることによって、カメラの電源が入り、本プログラムが実行される。
まず、ステップS101において、電源立ち上げ後の最初の測光であるか否かを判別する。最初の測光であった場合には、ステップS102において、測光素子9の初期化を行い、出力回路28のゲインをL、蓄積時間tを10mSに設定する。この10mSの蓄積時間は、フリッカー周期の約1周期分に相当するものである。蓄積時間をフリッカー周期程度まで長くすると、蓄積中にフリッカーの強弱が相殺されて、フリッカーの影響を受けにくい測光値を得ることができる。特に、初回の測光では、どの様な条件下で測光が行われているかが分からないので、フリッカーの影響を受けない測光値を得ることは、その後の安定した測光を行う上で重要である。
【0044】
その後に、ステップS103において、測光ループ変数であるFNを0に初期化し、更に、ステップS104において、測光カウンターであるnを0にセットする。
【0045】
初回の測光でなかった場合には、ステップS105において、セットされた蓄積時間によって測光を行い、240領域それぞれの測光データを読み出す。
ステップS106では、測光を行う毎にカウンターnに1を加える。
次に、ステップS107において、得られた測光データが有効であるか否かの判定を行う。判定の仕方は、後にサブルーチンのフローチャートに従って説明する。
ステップS108では、次回測光時の蓄積時間を算出する。次回蓄積時間の求め方は、後に詳しく説明する。
ステップS109では、次回測光時の測光素子9のアンプゲイン(H/L)の設定を決定する。アンプゲインの設定方法についても後に詳しく説明する。
【0046】
次に、ステップS110では、ステップS107の結果に基づいて、今回の測光データが有効であったか否かを判定し、有効であった場合には、ステップS111でFNを0にクリアして、ステップS117に進み、有効でなかった場合には、ステップS112によってFNに1を加える。
【0047】
ステップS113では、FN=5であるか否か、すなわち測光エラーか5回連続したか否かを判別する。
FN=5であった場合には、測光出力が長時間更新されないために、撮影者にカメラが故障したと思われる可能性かあり、性能として望ましくないので、データが有効でなくてもその後の演算を行い、露出制御値を更新するために、ステップS114において、FNをクリアして、次のステップへ進む。
【0048】
FN=5でなかった場合には、ステップS115において、電源立ち上げ後の2回目の測光であるか否か、すなわちn=2であるかを判定する。nが2でない場合には、ステップS105へ戻り、直ちに次の測光を行う。
n=2の場合には、ステップS116へ進み、FN=2か、すなわち測光開始後の2回の測光の内、2回とも測光データが無効であったか否かを判定する。FN=2であった場合には、電源立ち上げ後に、まだ、適正露出値の演算が1度も完了していないので、制御すべき露出値がまた求められていない。従って、そのときは、露出制御が不能となるので、撮影者がレリーズボタンを押しても露光禁止としなければならない。露光禁止期間か長いと速写性に欠けると共に、撮影者にカメラか壊れたと思われる場合かあり、性能として望ましくない。そこで、露光禁止期間を最小限にとどめるために、データの有効性が確保されていなくても何らかの露出制御値を算出するために、ステップS117へ進む。
【0049】
1回目の測光ではなく、2回目の測光時に、このような処理を施す理由は以下の通りである。1回目の測光時は、ステップS102で説明したとおり、蓄積時間が10mSに固定されているので、1回目の測光でデータが有効になる確率は比較的少ない。2回目の測光時には、1回目の測光データを基にして、蓄積時間を調節しているので、データが有効である確率が高い。そのために、1回目のデータが有効でなかった場合には、そのまま直ちに測光をやり直し、2回目の測光時に速写性を確保するために、強制的に次のステップへ進ませるのである。
【0050】
ステップS116において、FN=2でない場合には、電源立ち上げ後の1回は測光が成功しており、既に、1回目の適正露出値の演算が終了しているので、急ぐ必要はなく、ステップS105へ戻り、測光をやり直す。
【0051】
ステップS117では、測光データのアンプゲイン補正及び測光光学系による測光出力値の補正をするための各補正データを算出する。これらの補正データは、本発明には直接関係しないので説明を省略する。
ステップS118では、得られた測光データと補正値とに基づいて、設定された各測光モードに応じた方法により、絶対輝度値を算出する。そして、ステップS119では、求められた絶対輝度値を基にして設定された各測光モードに応じた手法により適正露出値を算出する。適正露出値の求め方は、本出願人による特開平6−95200号公報等に詳しく記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0052】
ステップS120では、不図示のレリーズボタンが全押しされたか否かを判定し、その場合には、ステップS121において、求められた適正露出値に基づいてフィルムへの露光を行った後に、全押しでない場合には、直接ステップS122へ進む。ステップS122において、半押しタイマーにより半押し解除後、所定時間経過したか否かを判定し、半押し継続中または所定時間内であった場合には、ステップS101へ戻って処理を繰り返し、タイマー切れであった場合にはプログラムを終了する。
【0053】
図11は、測光データの有効性を判定するサブルーチンを示すフローチャートである。図10のステップS107が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。
まず、ステップS201により、フラグTX及びTNを0にクリアする。TXは、蓄積時間が最長時間に達した場合に1が立ち、TNは最短時間に達した場合に1が立つフラグである。
次に、ステップS202において、設定された測光モードがAMPモードであるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップS203に進み、CWモードであるか否かを判定する。
AMPモードであった場合には、ステップS204において、有効判定レベルVokを640mVに設定する。CWモードであった場合には、ステップS205に進み、Vok=160mVに、SPモードであった場合には、ステップS206に進み、Vok=80mVに設定する。
【0054】
次に、ステップS207によりVomax,Vopb、Vominを求める。Vomaxは、各測光モードにおいて使用する測光領域の内の、測光データの信号成分が最大である領域の測光データである。
使用する測光領域は、AMPモードの場合には240領域全てであり、CWモードでは図3に示した52領域、SPモードでは中心部の4領域である。Vopbは、Vomaxが存在する測光領域と同列にあるVopb出力である。例えば、図5に示したデータ1からデータ12の中にVomaxが存在した場合に、Vopbは、図中に示したOPBとなる。Vominは、Vomaxと同様に使用する測光領域の内の最小出力データである。
【0055】
つぎに、ステップS208により、以下に示す数式1が成立するか否かを判定する。
Vomax+Vopb<Vov …(1)
ここで、Vovは、測光素子9の飽和出力電圧値であり、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されているものである。Vovの標準的な値は、3.4V程度である。既に説明したように、測光素子9の出力は、暗電流成分があらかじめ引かれた形で出力されているために、信号成分と暗電流成分の合計が測光素子9の飽和出力電圧値を越えることができない。従って、信号が飽和しているか否かを判別する際には、信号成分と暗電流成分との和を取った値で比較する必要があるのである。
【0056】
数式1が成立した場合には、ステップS209へ進み、オーバーフローフラグOVに0を代入し、成立しなかった場合には、ステップS210へ進みOVに1を代入する。
ステップS211では、更に次の数式2の判定を行う。
Vomin>Vun …(2)
ここで、Vunは、測光素子9のノイズ電圧レベル値であり、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されているものである。Vunの標準的な値は、40mV程度である。
数式2が成立していた場合は、図12のAで示したように、最高出力も最低出力も測光ダイナミックレンジ内に収まっている状態であるので、ステップS212によってアンダーフローフラグUNに0を代入し、有効性を示すフラグOKに1を代入して処理を終了する。
【0057】
ステップS211において、数式2が否定の場合には、図12のBに示したようにオーバーフローはしていないが、アンダーフローであった場合であるので、ステップS214によりアンダーフローフラグUNに1を代入する。
続いて、ステップS215において、数式3の判定を行う。
Vomax>Vok …(3)
ここで、Vokは、設定された測光モードに基づいて、ステップS204またはS205またはS206において代入された値である。
【0058】
数式3が肯定の場合には、アンダーフローではあるが適正露出の演算に必要なダイナミックレンジが確保されているとみなして、ステップS216において、OKに1を代入して処理を終了し、否定の場合には、ステップS217において、その回の蓄積時間intがint_maxか、すなわち設定可能な最長蓄積時間であったか否かを判定する。
最長蓄積時間であった場合には、これ以上測光出力レベルを上げることは不可能であるので、ステップS218において、最長蓄積時間フラグTXに1を代入し、ステップS219において、OKに1を代入する。
フラグTXは、測光ダイナミックレンジは確保されていないが、これ以上のレベル調整が不可能であることを示しているので、適正露出演算時に、このフラグを参照して特別な処理を行うこともできるが、それについては本発明に直接関係しないので説明を省略する。
ステップS217が否定の場合には、ステップS220において、OKに0を代入する。
【0059】
一方、ステップS208が否定であった場合には、ステップS210において、オーバーフローフラグOVに1を代入し、ステップS221において数式2の判定を行う。
ステップS221が肯定の場合には、図12のCのように、オーバーフローしているが、アンダーフローしていない場合であり、否定の場合には、図12のDのように、オーバーフローもアンダーフローもしている場合なので、それぞれの場合に応じて、ステップS222及びステップS223において、アンダーフローフラグUNに0または1を代入する。
【0060】
続いて、ステップS224において、その回の蓄積時間intがint_minか、すなわち設定可能な最短蓄積時間であったか否かを判定する。最短蓄積時間であった場合には、これ以上測光出力レベルを下げることは不可能であるので、ステップS225において、最短蓄積時間フラグTNに1を代入し、ステップS226において、OKに1を代入する。
フラグTNは、測光ダイナミックレンジは確保されていないが、これ以上のレベル調整が不可能であることを示しているので、適正露出演算時に、このフラグを参照して特別な処理を行うこともできるが、それについては本発明に直接関係しないので説明を省略する。
ステップS224が否定の場合には、ステップS227において、OKに0を代入し処理を終了する。
【0061】
図13は、次回蓄積時間intを求めるサブルーチンを示すフローチャートである。図10のステップS108が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。本サブルーチンが呼び出される前には、電源立ち上げ後少なくとも1回は測光が行われているので、直前の測光データがマイコン100内の不図示のメモリに残っている。
【0062】
まず、ステップS301において、設定された測光モードがAMPモードであるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップS302に進み、CWモードであるか否かを判定する。
AMPモードであった場合には、ステップS303において、使用測光領域数を示す変数pxに240を代入し、測光目標レベルVagcを2.56Vに設定する。CWモードであった場合には、ステップS304に進み、px=52、Vagc=1.28Vに設定する。SPモードであった場合には、ステップS305に進み、px=4、Vagc=0.64Vに設定する。
【0063】
次に、ステップS306では、S208と同様に数式1の判定を、すなわち信号出力の最大値が飽和していないか否かの判定を行う。数式1が肯定の場合には、ステップS307へ進み、メモリに格納された測光データが電源立ち上げ後の初回測光のものであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS308へ進んでVomax<40mVであるか否かを判定する。
Vomaxが40mVより小だった場合には、被写界はかなり暗いと予想される。また、電源立ち上げ時にレリーズボタンをすぐに全押しされた場合を想定して、できるだけ早くに適正露出値を出力する必要があるので、この場合には、ステップS309にあるように、測光素子9のゲインをHにし、1次回蓄積時間を40mSに無条件に決定する。この40mSという数値は、カメラの測光装置に要求される測光下限から、1回目の測光により検出不可能であった明るさまでを、できるだけカバーできるような蓄積時間として使用する測光系に合わせて決定されたものである。従って、この数値は、カメラに要求される連写性と、測光装置に要求される低輝度限界と、測光系の明るさから最適値を決定すればよい。
【0064】
ステップS308でVomaxが40mV以上であった場合には、次回苔積時間を計算によって最適化可能であるので、ステップS310へ進む。
ステップS310では、Vomax=0Vであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS311において、次回蓄積時間を前回の4倍とする。ステップS310が否定の場合には、ステップS312において、以下の数式4によって次回蓄積時間候補値int’を求める。
int’=int・Vagc/(Vomax+Vopb) …(4)
数式4の与えるint’の意味するところは、仮に前回と次回の測光時の被写界の明るさが等しいとすると、int’の蓄積時間で次回の測光を行えば、次回測光時に求められるVomax+Vopbが、Vagcに等しくなるというものである。ここで、intは前回の蓄積時間、VagcはVomax+Vopbの目標値であり、設定された測光モードに応じてステップS303またはステップS304またはステップS305において設定された値である。
【0065】
次に、ステップS313では、以下に示す数式5によって次回蓄積時間を決定する。
int=K・int’+(1−K)・int …(5)
ここで、int’はステップS312で求めた新たな蓄積時間値、intは前回の蓄積時間値、Kはフリッカー光源などの下で測光した場合に蓄積時間値が急激に変化しないための安定係数であり、前回の蓄積時間値に応じて、図14のような値を取る変数である。
これを数式5に当てはめて考えると、蓄積時間が10mS以下の場合には、K=0.25であるので、次回の蓄積時間はintが3に対してint’が1の割合での加重平均となる。また、蓄積時間が20mS以上の場合には、フリッカーの影響はほとんどないのでK=1となり、int’の値のみによって新たな蓄積時間の設定が行われる。
蓄積時間が10mSと20mSの中間では、数式6に示すように徐々にKの値が変化するようになっている。
K=0.075・int−0.5 …(6)
但し、intは前回の蓄積時間値である。蓄積時間intをフリッカーによって受ける影響の度合いによってあまり変化させないようにした方がよい理由は、本発明に直接関係しないので説明は省略する。尚、Kの値に関しては、カメラの測光系や対象とする光源の特性によって最適化することが望ましいので、図14の値に限定するものではない。
【0066】
一方、ステップS306における数式2の判定が否定だった場合には、ステップS314へ進み、使用する測光領域の内オーバーフローした領域数をカウントし、変数ovfへ代入する。ここで、オーバーフローとは、その領域の信号出力+暗電流出力がVovに達しているか否かによって判定する。ovfの最小値は1(飽和領域が1つだけ)、最大値はpx(使用する全領域がオーバーフロー)である。
ステップS315では、ovf<px/16か否かを判定し、そうであれば、ステップS316において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の2分の1に設定する。次に、ステップS317では、ovf<px/8か否かを判定し、そうであれば、ステップS318において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の4分の1に設定する。次に、ステップS319では、ovf<px/4か否かを判定し、そうであれば、ステップS320において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の8分の1に設定する。次に、ステップS321では、ovf<px/2か否かを判定し、そうであれば、ステップS322において、次回蓄積時間intを前回の蓄積時間の16分の1に設定する。
【0067】
ステップS321が否定の場合には、ステップS323によって、前回の測光が電源立ち上げ後の1回目の測光であったか否かを判定し、そうであった場合には、図10で説明したように、次回測光結果が有効無効に係わらず適正露出演算に用いられるので、オーバーフローしないように、ステップS324において、次回蓄積時間を短めの20μSに設定する。1回目の測光でなかった場合にはステップS322の処理を行う。
測光データがオーバーフローしていた場合の処理では、ステップS315からステップS322までに見られるように、オーバーフローした測光領域の数が多ければ多いほど被写界が明るいとみなして、次回蓄積時間を前回よりも短くするにうにしている。
【0068】
図15は、次回測光時の測光素子9内の出力回路28のゲイン調整を行うサブルーチンを示すフローチャートである。図10のステップS109が実行されることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行される。
ステップS401では、出力回路28のゲイン設定がゲインLであるか否かを判定する。ゲインLであった場合には、ステップS402において、次回蓄積時間intが、int>int_L_maxであるか否かを判定する。ここで、int_L_maxは、ゲイン切り換えのためのしきい値であり、40mS程度の数値を代入すればよい。ステップS402を満たしている場合には、ステップS403へ進んで、次回の測光時にはゲインHに切り換え、蓄積時間intを図13で求めた値の4分の1とする。
【0069】
ステップS401が否定の場合には、ゲインHであるので、ステップS404において、int<int_H_minであるか否かを判定し、そうであれば、ステップS405によって、次回の測光時のゲインをLに、蓄積時間を図13で求めたintの4倍とする。ここで、int_H_minは、5mS程度の数値を代入すればよい。
また、上の例でも分かるように、int_L_maxとint_H_minの比は、ゲインH/Lの比である4倍以上の値であることが望ましい。これによって、測光データに多少の揺らぎがあっても、ゲイン切り換えにヒステリシス特性ができるために、必要以上にゲイン切り換えが行われて測光値が不安定になることを防止できる。
【0070】
次に、ステップS406では、次回の蓄積時間があらかじめ設定された最小蓄積時間int_minを下回っていないか否かを判定し、下回っていた場合には、ステップS407により、蓄積時間をint_minにクリップする。
同様に、ステップS408では、次回蓄積時間があらかじめ定められた最大蓄積時間int_maxを上回っていないか否かを判定し、上回っていた場合には、ステップS409により、蓄積時間をint_maxにクリップする。
ここではint_min=10μS、int_max=100mSとするが、この値は使用する測光光学系及び測光範囲などによって最適化するのがよい。
【0071】
尚、本実施形態においては、目標レベル設定部23が請求項の目標値設定部に、蓄積時間設定部12が蓄積時間決定部に、AMPモードが第1のモードに、CWモードまたはSPモードが第2のモードに、判定レベル設定部22が有効性判定部にそれぞれ対応する。
【0072】
前述した実施例では、中央重点測光、スポット測光を画面中央を基準とした例で説明したが、他の任意の位置、例えば、多点測距の測距領域などを基準とした、重点測光、スポット測光であってもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような種々効果がある。
(1)測光モード設定部の設定に応じて測光回路の出力が有効か無効かを判定する基準値を最適化することにより、各測光モード毎に最適な判定が行えるようになった。(2)設定する測光モードによって、複数領域の内の使用する領域を選択することにより、使用する領域に応じて最適な基準値を設定可能になった。
(3)測光領域が小さいほど基準値を低くするようにしたことにより、小さい測光領域の時に測光出力が無効と判定される確率が低くなる。
(4)被写界の特定領域の輝度値を算出する第1のモードでの基準値を、被写界の複数領域についての輝度値を算出する第2のモードでの基準値よりも低く設定することにより、比較的広い測光レンジを必要としない第1のモードで測光値が無効であると判定される確率が低くなった。
(5)有効性判定部が使用領域の内の最高輝度の出力値と基準値とを比較し、出力値の方が大きいときに、測光回路の出力を有効とするようにしたことにより、有効/無効の判定がより確実に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の光学系を示した図である。
【図3】本実施形態の測光手段の分割状態を示す図である。
【図4】本実施形態の測光素子の構造を示した図である。
【図5】本実施形態の測光素子の測光出力の出力順序を示した図である。
【図6】本実施形態の測光素子の測光出力レベルを示した図である。
【図7】被写界と測光出力についての説明図である。
【図8】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説明図である。
【図9】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説明図である。
【図10】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図である。
【図11】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図である。
【図12】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説明図である。
【図13】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図である。
【図14】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図である。
【図15】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図である。
【図16】従来の技術を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 クイックリターンミラー
3 拡散スクリーン
4 コンデンサレンズ
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 測光用プリズム
8 測光用レンズ
9 測光素子
10 測光素子
11 A/D変換部
12 蓄積時間設定部
13 有効性判定部
14 領域作成部
15 輝度算出部
16 レンズデータ
17 露出演算部
18 露出制御部
19 絞り
20 シャッター
21 測光モード設定部
22 判定レベル設定部
23 目標レベル設定部
24 蓄積制御部
25 撮像画素
26 補正用画素
27 Vレジスタ
28 出力回路
50 測光回路
51 A/D変換器
52 演算部
53 蓄積時間設定部
54 蓄積制御部
55 判定部
100 マイクロプロセッサ
Claims (5)
- 蓄積型の測光素子を用いて被写界を複数領域に分割して測光し、その複数領域に応じた複数の測光出力を出力する測光回路と、
複数の測光モードを設定可能な測光モード設定部と、
前記測光モード設定部の設定に応じて、基準値を設定する基準値設定部と、
前記基準値と前記測光回路の出力とに基づいて、前記測光回路の出力が有効か無効かを判定する有効性判定部と
を備えたことを特徴とする測光装置。 - 請求項1に記載の測光装置において、
前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択すること
を特徴とする測光装置。 - 請求項1に記載の測光装置において、
前記測光モード設定部は、大きさの異なる複数の測光領域を設定可能であり、
前記基準値設定部は、前記測光領域が小さいほど前記基準値を低くすること
を特徴とする測光装置。 - 請求項1に記載の測光装置において、
前記測光モード設定部は、被写界の特定領域の輝度値を算出する第1のモードと、前記測光回路の出力を基に被写界の複数領域についての複数の輝度値を算出する第2のモードとを設定可能であり、
前記基準値設定部は、前記第1のモードでの基準値を前記第2のモードでの基準値よりも低く設定すること
を特徴とする測光装置。 - 請求項1に記載の測光装置において、
前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択し、
前記有効性判定部は、前記使用領域の内の最高輝度の出力値と前記基準値とを比較して、前記出力値の方が大きいときに、前記測光回路の出力を有効と判定すること
を特徴とする測光装置。
Priority Applications (2)
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Family Applications (1)
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