JPH095821A - 測光装置 - Google Patents

測光装置

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Publication number
JPH095821A
JPH095821A JP7148845A JP14884595A JPH095821A JP H095821 A JPH095821 A JP H095821A JP 7148845 A JP7148845 A JP 7148845A JP 14884595 A JP14884595 A JP 14884595A JP H095821 A JPH095821 A JP H095821A
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JP
Japan
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photometric
level
value
photometry
data
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Application number
JP7148845A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Iwasaki
宏之 岩崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被写界の輝度変化に追従し、電源投入直後に
も適正露出値が算出可能な測光装置を提供する。 【構成】 繰り返し被写界を測光する測光手段10と、
測光手段10の測光値が適正レベルか不適正レベルかを
判定するレベル判定手段17と、レベル判定手段17に
よる判定結果に基づいて測光手段10の測光値による露
出演算を行うか否かを決定する演算実行決定手段20と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被写体の輝度を測定する
測光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被写体の輝度を測定する測光装置が知ら
れている。この種の測光装置では、SPD(シリコンフ
ォトダイオード)受光素子により被写体の輝度を測定
し、シグナルアンプにより増幅して輝度信号を出力す
る。シグナルアンプは高(H)、低(L)2種類の増幅
ゲインが用意されており、通常は低い方のゲインLが選
択されている。ゲインLで増幅された輝度信号は基準レ
ベルと比較され、基準レベル以上であれば適正レベルで
あるとして露出演算に用いられ、適正露出値が算出され
る。一方、輝度信号が基準レベルよりも低い場合は、不
適正レベルであるとしてシグナルアンプの増幅ゲインが
Hに切り換えられ、ゲインHで増幅された輝度信号がふ
たたび基準レベルと比較される。そして、ゲインHで増
幅された輝度信号が基準レベル以上であれば適正レベル
であるとして露出演算が行なわれるが、まだ基準レベル
よりも低い場合は露出演算は行なわれない。
【0003】しかしながら、上述した従来の測光装置で
は、シグナルアンプによりゲインHで増幅された輝度信
号が適正レベルになるまで露出演算が行なわれないの
で、被写界が暗い場合には長時間適正露出値が算出され
ず、被写界の輝度変化に応答できないという問題があ
る。また、従来の測光装置では、電源投入直後には輝度
信号が適正レベルになるまでは適正露出値が算出され
ず、すぐに撮影を行なうことができないのでシャッター
チャンスを逃してしまうという問題がある。
【0004】本発明の目的は、被写界の輝度変化に追従
し、電源投入直後にも適正露出値が算出可能な測光装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、繰り返し被写界を測光する測光
手段と、前記測光手段の測光値が適正レベルか不適正レ
ベルかを判定するレベル判定手段と、前記レベル判定手
段による判定結果に基づいて前記測光手段の測光値によ
る露出演算を行うか否かを決定する演算実行決定手段と
を備える。請求項2の測光装置は、前記演算実行決定手
段によって、前記レベル判定手段により所定の回数連続
して不適正レベルと判定された時は前記測光手段の測光
値が不適正レベルであっても露出演算の実行を決定する
ようにしたものである。請求項3の測光装置は、前記演
算実行決定手段によって、電源投入後に前記測光手段に
より所定回数の測光が行なわれ、前記レベル判定手段に
より電源投入後の測光値がすべて不適正レベルと判定さ
れた時は、前記測光手段の測光値が不適正レベルであっ
ても露出演算の実行を決定するようにしたものである。
請求項4の測光装置は、前記レベル判定部の判定結果に
応じた露出演算を行なう露出演算手段を備える。請求項
5の測光装置の前記測光手段は電荷蓄積型の測光素子を
有し、前記測光素子の電荷蓄積時間を制御して測光値の
出力レベルを調節するようにしたものである。
【0006】
【作用】請求項1の測光装置では、測光値が適正レベル
か不適正レベルかの判定結果に基づいて測光値による露
出演算を行なうか否かを決定する。請求項2の測光装置
では、測光値が所定回数連続して不適正レベルと判定さ
れた時は、測光値が不適正レベルであっても露出演算の
実行を決定する。請求項3の測光装置では、電源投入後
に所定回数の測光が行なわれ、電源投入後の測光値がす
べて不適正レベルと判定された時は、測光値が不適正レ
ベルであっても露出演算の実行を決定する。請求項4の
測光装置では、測光値の適正レベルか不適正レベルかの
判定結果に応じた露出演算を行なう。請求項5の測光装
置では、電荷蓄積型測光素子の電荷蓄積時間を制御して
測光値の出力レベルを調節する。
【0007】
【実施例】図1は一実施例の構成を示す機能ブロック図
である。測光回路10は被写界を複数の領域に分割して
測光し、それぞれの測光データを順次出力する。測光回
路10から出力された測光データは領域判定部12によ
り必要な領域のデータであるか否かが判定され、必要な
領域の測光データはA/D変換部13により数値化され
てメモリ14に記憶される。一方、不要な領域の測光デ
ータは廃棄される。必要な測光領域か否かは、測光モー
ド設定部11により設定された測光モードにより決定さ
れるが、この測光モードの設定に関しては後述する。メ
モリ14に記憶された測光データは、蓄積時間設定部1
5、有効性判定部17および露出演算部22へ出力され
る。蓄積時間設定部15はメモリ14に記憶されている
測光データと前回の蓄積時間とに基づいて次回の蓄積時
間を設定し、蓄積制御部16は設定された蓄積時間だけ
測光回路10により測光を行う。なお、次回の蓄積時間
の算出方法については後述する。
【0008】有効性判定部17は、メモリ14に記憶さ
れている測光データが適正レベル内にあるか否かを判定
し、判定結果を演算実行可否判定部20へ出力する。こ
の有効性の判定方法については後述する。演算実行可否
判定部20では、有効性判定部17の判定結果と、有効
性判定部17により測光データが不適正と判定された回
数をカウントする第1カウンタ18のカウント値と、電
源投入後からの測光回数をカウントする第2カウンタ1
9のカウント値とに基づいて、今回の測光データを用い
て露出演算を行うべきかどうかを判定する。この判定の
方法については後述する。露出演算部22では、演算実
行可否判定部20からの出力が演算実行可であった場合
には、メモリ14に格納されている測光データと、レン
ズデータ21内に収められている撮影レンズの焦点距
離、開放絞り値、射出瞳位置、ケラレ情報などのレンズ
データとに基づいて、被写界の適正露出値の演算を行
う。
【0009】露出制御部23は、不図示のカメラのレリ
ーズボタンが押されると、露出演算部22により求めら
れた適正露出値に基づいてミラー2、絞り24、シャッ
ター25を制御し、フィルムの露光を行なう。ここで、
領域判定部12、A/D変換部13、メモリ14、蓄積
時間設定部15、蓄積制御部16、有効性判定部17、
第1カウンタ18、第2カウンタ19、演算実行可否判
定部20および露出演算部22は、すべて制御回路であ
るマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)10
0によって実現される。マイコン100の制御プログラ
ムについては後に詳しく説明する。
【0010】図2は一実施例の測光光学系の構成を示
す。撮影レンズ1を通過した光束は、クイックリターン
ミラー2、拡散スクリーン3、コンデンサレンズ4、ペ
ンタプリズム5、接眼レンズ6を通って撮影者の目に達
する。一方、拡散スクリーン3によって拡散された光束
の一部は、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、測
光用プリズム7、測光用レンズ8を通って測光素子9に
導かれる。
【0011】図3は測光素子9の分割測光領域を示す。
測光素子9は、例えばCCDなどの電荷蓄積型光電変換
素子により構成されており、上下方向に12分割、左右
方向に20分割された合計240個の測光領域を有して
おり、被写界のほぼ全面を分割して測光できる。また、
測光モード設定部11で設定された測光モードに応じて
使用する測光領域が選択される。具体的には、AMP
(オートマティックマルチパターン測光)モードが選択
されている場合には、240領域すべての測光値を適正
露出演算に用いる。また、CW(センターウエイテッド
測光)モードが選択されている場合には、図3に示すよ
うに被写界の中央付近の52個の測光領域の測光値を適
正露出演算に用いる。さらに、SP(スポット測光)モ
ードが選択されている場合には、被写界の中央部付近の
4個の測光領域のみを適正露出演算に用いる。なお、S
Pモードではスポット測光領域の位置を変更することが
でき、図に示すように、SPC,SPL,SPR,SP
T,SPBの5個の測光領域の中から任意の領域を選択
することができる。これらのSPモードの測光領域には
それぞれ4個の測光領域が含まれている。
【0012】図4は測光素子9の構造を示す。撮像画素
26は、上下方向に12画素、左右方向に20画素にそ
れぞれ分割された光電変換部から構成される。また、撮
像画素26に隣接して補正用画素27が設置される。こ
の補正用画素27は、上下方向に3画素、左右方向に2
0画素にそれぞれ分割された光電変換部から構成され、
これらの光電変換部はすべて遮光される。補正用画素2
7の各列の出力Vopb,Vo1,Vo2は、暗電流補
正、アンプゲイン補正などに用いられる。なお、暗電流
補正およびアンプゲイン補正については本発明に直接関
係しないので説明を省略する。撮像画素26と補正用画
素27の電荷蓄積が終了すると、それらの画素の電荷信
号は各画素に隣接して配置される不図示のHレジスタに
よって1列ずつVレジスタ28へ転送され、さらにVレ
ジスタ28によって1画素ずつ出力回路29へ転送され
る。出力回路29は各画素の電荷信号を電圧に変換し、
1倍(ゲインL)または4倍(ゲインH)のシグナルア
ンプで増幅して順次出力する。
【0013】図5はSPモードにおける蓄積時間算出に
用いる測光領域を示す。上述したように、SPモードで
は適正露出演算に用いる測光領域は中央付近の4領域だ
けである。ここで、分割測光領域の測光データは適正露
出演算の他に、次回測光時の蓄積時間の演算にも用いら
れる。次回の蓄積時間の算出方法については後述する
が、前回の測光データと、前回の蓄積時間と、次回測光
時の測光データの目標値とに基づいて算出する。つま
り、前回の測光時と次回の測光時とで被写界輝度がほぼ
同程度であると仮定すると、前回の測光データと前回の
蓄積時間との比は、次回の測光データと次回の蓄積時間
との比に一致することを利用して算出する。通常は測光
領域内の測光値が最大の画素つまり一番明るい領域に注
目し、その領域の測光値が目標値になるように次回の蓄
積時間を決定する。SPモードでは、適正露出演算に用
いる4領域を中心とする64領域の中の最高輝度の領域
が目標値となるように、次回の蓄積時間を算出する。な
お、図5において(A)はSPCが選択されている場合
の蓄積時間算出に用いる測光領域を示す。以下同様に、
(B)はSPL、(C)はSPR、(D)はSPT、
(E)はSPBがそれぞれ選択されている場合の蓄積時
間算出に用いる測光領域を示す。
【0014】ここで、次回の蓄積時間の算出に、適正露
出演算に用いる4領域を中心とする64個の測光領域を
用いる理由は以下の通りである。SPモードの適正露出
に用いる4領域の近傍に太陽などの4領域と比較して極
めて輝度の高い被写体が存在した場合には、その高輝度
被写体による光電子が周りの画素に漏れ出す、いわゆる
ブルーミング現象によって適正露出算出用の4領域の測
光データが影響を受け測光誤差の原因となる。このよう
な場合には、その高輝度被写体が飽和しないような蓄積
時間で蓄積を制御すれば、ブルーミング現象を回避する
ことができる。適正露出演算に用いる4領域を中心とす
るブルーミング現象の影響を受ける範囲は、高輝度被写
体の輝度や測光光学系などにより変化するが、本実施例
では縦横それぞれ8領域の計64領域をその範囲とす
る。SPモードが選択されている場合には、適正露出演
算に用いる4領域を中心とした64領域の測光データが
メモリ14内に記憶されていれば十分であるから、領域
判定部12は測光モード設定部11により設定されたス
ポット位置周辺の64領域に該当するか否かを判定すれ
ばよい。一方、CWモードが選択されている場合には、
ブルーミング現象の影響を回避するために240領域の
すべての測光値を蓄積時間算出に用いる。また、AMP
モードの場合には、もともと適正露出演算に240領域
全部を用いるので、蓄積時間算出にも240領域全部を
用いる。なお、AMPモードおよびCWモードが選択さ
れている場合には、蓄積時間算出に240領域全部を用
いるので領域判別する必要がなく、すべての測光データ
をメモリ14へ記憶すればよい。
【0015】図6は、マイクロコンピュータ100の測
光制御プログラムを示すフローチャートである。このフ
ローチャートにより、実施例の動作を説明する。カメラ
の不図示のレリーズボタンが半押しされると、カメラの
電源が投入され、この制御プログラムの実行が開始され
る。まず、ステップ101において、電源投入後の最初
の測光であるか否かを判別する。最初の測光であればス
テップ102へ進み、測光素子9の初期化を行い、蓄積
時間intを1mSに設定する。また同時に、カウンタ
変数LPおよびFNを0にリセットする。ここで、LP
は電源投入後の測光回数をカウントする変数であり、F
Nは測光データが不適正であると判定された回数をカウ
ントする変数である。ステップ103では、設定された
蓄積時間intによって測光を行い240領域それぞれ
の測光データを読み出す。ここで、測光モード設定部1
1により設定された測光モードにより必要な測光領域の
測光データであるか否かを判定し、必要な領域の測光デ
ータだけをA/D変換してメモリ14に記憶する。測光
素子9からの各測光領域の測光データの出力順序は図4
に示すように一定であるから、測光データの出力順序と
測光領域の関係は1対1に定まっている。したがって、
測光データが出力される順番により必要なデータと不要
なデータとを判定する。ステップ104で、カウンタ変
数LPが3であるか否か、すなわち電源投入後に3回の
測光を行なったか否かを判定し、3回に満たなければス
テップ105へ進んでLPをインクリメントする。
【0016】ステップ106において図7に示す有効性
判定ルーチンを実行し、最新の測光データが適正レベル
内に収まっているかを判定する。この実施例では、対象
とする測光領域の最高輝度が飽和レベルとノイズレベル
との間にあるか否かにより測光データの有効性を判定
し、適正レベル内に収まっていればその測光データを有
効とし、不適正レベルであればその測光データを無効と
する。続くステップ107で、図9に示す蓄積時間算出
ルーチンを実行し、最新の測光データとその時の蓄積時
間と次回測光時の測光データの目標値とに基づいて、次
回測光時の蓄積時間を算出する。次にステップ108
で、有効性判定結果を示すOKフラグにより有効の判定
結果が出されたかどうかを判別し、有効であった場合は
ステップ111へ進み、そうでなかった場合はステップ
109へ進む。最新の測光データが有効でなかった場合
は、ステップ109でカウンタ変数FNをインクリメン
トし、続くステップ110でFN=5であるか否かを判
別する。FN=5、すなわち5回連続で測光データが無
効と判定された場合にはステップ111へ進み、そうで
なければステップ112へ進む。つまり、5回連続で測
光データが無効と判別された場合には、5回目の測光が
終了した時点で測光データが無効であっても有効であっ
た場合と同様にステップ111へ進み、カウンタ変数F
Nをクリヤした後、ステップ113で露出演算を行う。
5回の測光の内、1回でもデータが有効であると判定さ
れれば、必ずステップ111を通るのでFNは0にクリ
アされる。したがって、FN=5となるのは5回連続し
てデータが無効と判定された場合である。これは、何ら
かの影響により測光エラーが連続すると、その後の露出
演算ができなくなるので、長時間にわたって適正露出値
が更新されない状態が続くことになり、最新の被写界状
態の適正露出が得られなくなるのを防止するためと、長
期間適正露出値が更新されないことにより撮影者にカメ
ラが故障したと思われるのを防止するためである。
【0017】ステップ110で5回連続して測光データ
が無効と判定されなかった場合は、ステップ112でL
P=2で且つFN=2であるか否かを判別する。電源投
入後に2回測光し、2回とも測光結果が無効と判定され
た場合は、ステップ113へ進み、そうでなければステ
ップ103へ戻る。電源投入直後にはまだ適正露出値が
求められていないので、適正露出値が求められるまでの
間は撮影者がレリーズスイッチを全押ししても撮影がで
きない状態にある。したがって、例えば電源投入直後に
いきなりレリーズボタンを全押しする、いわゆる一気押
しがなされた場合には、撮影が不可能になるかまたは撮
影されてもタイムラグを生じることになり、撮影者に不
快感を与えることになる。そこで、電源投入後の2回の
測光で2回とも無効と判定された場合には、速写性を重
視して再度測光のやり直しは行わず、ステップ113へ
進んで露出演算を行う。
【0018】ここで、電源投入後の2回目の測光で上記
判定を行う理由は次の通りである。1回目の測光では前
回のデータがないので所定の蓄積時間で測光を行ってお
り、著しく不適正レベルの測光データが得られる可能性
がある。2回目の測光では1回目のデータを基にして蓄
積時間を調節するので適正な測光レベルで測光できる可
能性が高くなり、測光精度が上がる。また、測光サイク
ルと、速写性の度合いのバランスも考慮する必要があ
る。電源投入直後の一気押しでは、速写性に必要な時間
として約100mS以内にふたたびレリーズ可能となる
必要がある。詳細な説明は省略するが、この実施例では
被写界が最も暗い状態で蓄積時間が長い場合において
も、100mS以内に2回の測光が可能である。もし、
100mS以内に2回以上の測光が可能であれば、2回
目ではなくそれ以上の回数でステップ112の判定を行
ってもよい。また、測光サイクルは、蓄積時間によって
も左右されるので、測光回数ではなく、電源投入後から
の経過時間を計測し、ステップ112を通過する時点で
の経過時間が所定値を越えたらステップ112の判定を
行うようにしてもよい。ここで、データが無効と判定さ
れたにも係わらず適正露出演算を行うと、不正確な適正
露出値が算出される可能性があるが、この場合は適正露
出値の精度よりも速写性を重視するのでやむを得ない。
また、後に説明するように、速写性重視の場合には特別
なアルゴリズムで適正露出値を算出し、適正露出値の精
度悪化をカバーする処理を行う。
【0019】ステップ113では図12に示す露出演算
ルーチンを実行し、最新の測光データを用いて適正露出
値を算出する。測光モードに対応する適正露出値の演算
方法については後に更に説明を加える。次にステップ1
14において、レリーズスイッチが全押しされているか
どうかを判定し、全押しされていればステップ115へ
進み、算出された適正露出値に基づいて絞り24とシャ
ッター25を制御してフィルムの露光を行う。ステップ
116では、電源の半押しタイマーがタイムアップした
か否かを判定し、タイムアップしたらプログラムを終了
し、そうでなければステップ101へ戻って上記処理を
繰り返す。
【0020】図7は測光データの有効性判定ルーチンを
示すフローチャートである。ステップ201において、
フラグTXおよびTNを0にクリアする。TXは蓄積時
間が最長時間に達した場合にセット(1)され、TNは
最短時間に達した場合にセット(1)されるフラグであ
る。次にステップ202と203で、設定された測光モ
ードがAMPモードであるか、あるいはCWモードであ
るか、そのどちらでもないSPモードであるかを判別す
る。AMPモードの場合にはステップ204で有効性判
定レベルVokに640mVを設定し、CWモードの場
合にはステップ205でVokに160mVを設定し、
SPモードの場合にはステップ206でVokに80m
Vを設定する。ここで、測光モードによって有効性判定
レベルVokが異なる理由は次の通りである。それぞれ
の測光モードでは使用する測光領域の数が異なる上に、
一般に被写界内には複数の異なる輝度を持った被写体が
存在するため、使用する測光領域数が多いほど測光デー
タ間の輝度差が大きくなる。輝度差が大きいと、低輝度
側の測光値が小さくなってS/N比が悪化し、測光精度
が低下する。したがって、測光領域数が多いほど測光ダ
イナミックレンジをできるだけ広く取るために、大きな
測光値を得る必要がある。
【0021】次にステップ207で、Vomax,Vo
pb,Vominを求める。Vomaxは、各測光モー
ドで適正露出演算に用いる測光領域の中の最大の測光デ
ータである。適正露出演算に用いる測光領域は、図3に
示すように、AMPモードの場合は240領域すべてで
あり、CWモードの場合は52領域であり、SPモード
の場合はスポット位置の4領域である。Vopbは、V
omaxが存在する測光領域と同列にあるVopb出力
である。例えば、図4に示す撮像画素26の一番左の列
にVomaxが存在した場合、Vopbは補正用画素2
7の一番左の列のVopbの出力となる。Vomin
は、各測光モードで適正露出演算に用いる測光領域の中
の最小の測光データである。次に、ステップ208で次
式が成立するかどうかを判定する。
【数1】Vomax+Vopb<Vov ここで、Vovは測光素子9の飽和出力電圧値であり、
図4の出力回路29のゲインHおよびLごとにカメラ内
の不図示の不揮発性メモリに記憶されている。このVo
vの標準的な値は3.4V程度である。測光素子9によ
る測光データには、被写界輝度に依存する信号成分と被
写界輝度に依存しない暗電流成分とが含まれている。と
ころが、測光素子9の出力は暗電流成分が取り除かれた
信号成分のみであるから、測光素子9の測光データが飽
和しているか否かを判定する場合には、改めて信号成分
Vomaxに暗電流成分Vopbを加算して飽和出力電
圧値Vovと比較しなければならない。
【0022】測光素子9による測光データが飽和出力電
圧値Vovを越えていない時は、ステップ209へ進ん
でオーバーフローフラグOVをクリヤ(0)する。続く
ステップ211で、露出演算に用いる測光領域の中で最
小の測光データVominが測光素子9のノイズ電圧レ
ベルVunよりも大きいか否かを判定する。
【数2】Vomin>Vun ここで、Vunは測光素子9のノイズ電圧レベルであ
り、ゲインHおよびLごとにカメラ内の不図示の不揮発
性メモリに記憶されている。このノイズ電圧レベルVu
nの標準的な値は40mV程度である。最小測光データ
Vominがノイズ電圧レベルVunよりも大きい時
は、図8のデータAに示すように、最大測光データVo
maxと最小測光データVominが測光ダイナミック
レンジVun〜Vov内に収まっているので、ステップ
212へ進んでアンダーフローフラグUNをクリヤ
(0)し、測光データの有効性を示すフラグOKをセッ
ト(1)して処理を終了する。
【0023】一方、最小測光データVominがノイズ
電圧レベルVun以下の時は、図8のデータBに示すよ
うに、オーバーフローはしていないがアンダーフローし
ている場合であるから、ステップ214へ進んでアンダ
ーフローフラグUNをセットする。続くステップ215
において、最大測光データVomaxが測光モードに応
じた有効判定レベルよりも大きいか否かを判定する。
【数3】Vomax>Vok ここで、Vokは設定された測光モードに応じて上記ス
テップ204または205または206で設定された有
効判定レベルである。最大測光データVomaxが有効
判定レベルVokよりも大きい時は、アンダーフローで
はあるが適正露出演算に必要なダイナミックレンジが確
保されているとみなし、ステップ216でOKフラグを
セットして処理を終了する。一方、最大測光データVo
maxが有効判定レベルVok以下の時は、ステップ2
17で、その回の蓄積時間intがint_maxか、
すなわち設定可能な最長蓄積時間であったかどうかを判
定する。最長蓄積時間であった場合には、これ以上測光
出力レベルを上げることは不可能であるから、ステップ
218で最長蓄積時間フラグTXをセットし、続くステ
ップ219でOKフラグをセットする。なお、フラグT
Xは、測光ダイナミックレンジは確保されていないがこ
れ以上のレベル調整が不可能であることを示しているの
で、適正露出演算時にこのフラグTXを参照して特別な
処理を行うこともできるが、それについては本発明に直
接関係しないので説明を省略する。また、蓄積時間in
tが最長蓄積時間int_maxでなかった時は、ステ
ップ220へ進んでOKフラグをクリヤして処理を終了
する。
【0024】測光素子9による測光データが飽和出力電
圧値Vovを越えた時は、ステップ208からステップ
210へ進み、オーバーフローフラグOVをセットす
る。続くステップ221で、上記数式2により、露出演
算に用いる測光領域の中で最小の測光データVomin
が測光素子9のノイズ電圧レベルVunよりも大きいか
否かを判定する。VominがVunよりも大きい時
は、図8のデータCに示すように、オーバーフローして
いるがアンダーフローしていない場合であるから、ステ
ップ222へ進んでアンダーフローフラグUNをクリヤ
する。一方、VominがVun以下の時は、図8のデ
ータDに示すように、オーバーフローもアンダーフロー
もしている場合であるから、ステップ223へ進んでア
ンダーフローフラグUNをセットする。ステップ224
において、その回の蓄積時間intがint_min
か、すなわち設定可能な最短蓄積時間であったかどうか
を判定する。最短蓄積時間であった場合はこれ以上測光
出力レベルを下げることが不可能であるから、ステップ
225へ進んで最短蓄積時間フラグTNをセットし、続
くステップ226でOKフラグをセットする。なお、フ
ラグTNは、測光ダイナミックレンジは確保されていな
いがこれ以上のレベル調整が不可能であることを示して
いるので、適正露出演算時にこのフラグを参照して特別
な処理を行うこともできるが、それについては本発明に
直接関係しないので説明を省略する。一方、その回の蓄
積時間intが最短蓄積時間int_minでなかった
時は、ステップ227へ進んでOKフラグをクリヤし、
処理を終了する。
【0025】図9は蓄積時間intの算出ルーチンを示
すフローチャートである。この蓄積時間算出ルーチンは
図6のステップ107で実行される。なお、この蓄積時
間算出ルーチンが実行されるまでには、電源立ち上げ後
少なくとも1回は測光が行われているので、直前の測光
データがマイコン100内のメモリ14に残っている。
まず、ステップ301と302で測光モードを判別す
る。測光モードにAMPモードが設定されている時はス
テップ303へ進み、蓄積時間の演算に用いる測光領域
数pxに240を設定し、測光目標レベルVagcに
2.56Vを設定する。CWモードが設定されている時
はステップ304へ進み、測光領域数pxにAMPモー
ドと同様の240を設定し、測光目標レベルVagcに
1.28Vを設定する。SPモードが設定されている時
はステップ305へ進み、測光領域数pxに64を設定
し、測光目標レベルVagcに0.64Vを設定する。
このように、AMPモードとCWモードでは蓄積時間の
演算に全測光領域を用い、図5に示すようにSPモード
では蓄積時間の演算に設定されたスポット位置周辺の6
4領域を用いる。蓄積時間演算に用いる測光領域数が、
CWモードやSPモードにおいて適正露出演算に用いる
測光領域数よりも大きいのは、図5によりすでに説明し
た通りである。測光目標レベルVagcは次回の測光時
に測光領域の内の最大の測光値が取るべき目標レベルを
示しており、設定された測光モードによって異なる値が
設定される。
【0026】ここで、測光モードに応じて測光目標レベ
ルVagcが異なるのは次の理由による。AMPモード
の場合には、適正露出演算時に240個すべての測光領
域の輝度を算出する必要がある。適正露出値の演算方法
については本出願人が特開平6−95200号公報で詳
細に開示しているので説明を省略するが、写界内には輝
度の異なる複数の被写体が存在することが多いので、で
きるだけ測光ダイナミックレンジが広くなるような測光
の仕方が望ましい。したがって、最大輝度の測光領域が
できるだけ飽和レベルに近くなるように蓄積時間を設定
すれば、暗い被写体の出力が大きくなってノイズレベル
に対してS/N比のよい出力を得ることができる。CW
モードやSPモードの場合には、適正露出演算領域内の
測光データを全て加算し、その加算値に応じた輝度に基
づいて適正露出値を求める。つまり、適正露出演算に用
いる複数の測光領域があたかも1領域の測光セルである
かのような出力を算出する。その場合、高輝度領域の測
光出力が加算値に与える影響が極めて大きく、低輝度領
域のS/N比はそれほど必要としない。したがって、目
標測光レベルVagcは低くてもよいことになる。ま
た、SPモードの場合には、CWモードに比べて測光領
域が小さいので、測光領域内の輝度差も小さいことが予
想される。輝度差が小さければ低輝度部の出力も高輝度
部の出力に近づくので低輝度部のS/N比もよくなり、
低輝度部で輝度差の大きい場合と同じS/N比を得るた
めの目標測光レベルVagcは小さくてもよいことにな
る。
【0027】次にステップ306では、次式により測光
素子9により測光された最大の測光信号成分Voma
x’と暗電流Vopbの和が飽和出力電圧値Vovを越
えていないかを判定する。
【数4】Vomax’+Vopb<Vov ここで、最大測光データVomax’は蓄積時間演算に
用いる測光領域の内の最大値であり、有効性判定時に用
いる測光領域の内の測光データの最大値Vomaxとは
必ずしも一致しない。なお、この最大測光データの求め
方は検索対象の測光領域数が異なるだけで有効性判定時
の最大値の求め方と同様である。最大測光データVom
ax’が飽和出力電圧Vovよりも低い時はステップ3
07へ進み、メモリに格納されている測光データが電源
立ち上げ後の初回測光時のデータであるか否かを判定す
る。初回測光時のデータであればステップ308へ進
み、最大測光データVomax’が40mV未満か否か
を判定する。最大測光データVomax’が40mVよ
り小さい場合は、被写界がかなり暗いと予想される。ま
た、電源投入直後にレリーズボタンが全押しされた場合
を想定して、できるだけ早くに適正露出値を出力する必
要があるので、この場合にはステップ309にあるよう
に測光素子9にゲインHを設定するとともに、次回の蓄
積時間に40mSを設定する。この40mSという数値
は、カメラの測光装置に要求される測光下限から、1回
目の測光で検出不可能であった明るさまでをできるだけ
カバーできるような蓄積時間として、使用する測光系に
合わせて決定されたものである。したがって、この数値
はカメラに要求される速写性と、測光装置に要求される
低輝度限界と、測光系の明るさから最適値を決定すれば
よい。
【0028】ステップ308でVomax’が40mV
以上と判定された時は、次回の蓄積時間を計算によって
最適化可能であるからステップ310へ進む。ステップ
310では最大測光データVomax’が0Vであるか
否かを判定し、そうであればステップ311で次回の蓄
積時間を前回の4倍とする。一方、最大測光データVo
max’が0Vの時はステップ312へ進み、次式によ
り次回の蓄積時間の候補値int’を求める。
【数5】 int’=int・Vagc/(Vomax+Vopb) ここで、intは前回の蓄積時間、Vagcは(Vom
ax+Vopb)の目標値であり、測光モードに応じて
ステップ303またはステップ304またはステップ3
05において設定された値である。数式5は、仮に前回
と次回の測光時の被写界の明るさが等しいとすると、i
nt’の蓄積時間で次回の測光を行えば、次回の測光時
に求められる(Vomax+Vopb)が目標測光レベ
ルVagcに等しくなることを表わしている。
【0029】次に、ステップ313では次式により次回
の蓄積時間を決定する。
【数6】 int=K・int’+(1−K)・int ここで、int’はステップ312で求めた蓄積時間の
候補値、intは前回の蓄積時間、Kはフリッカー光源
などの下で測光した場合に蓄積時間が急激に変化しない
ための安定係数であり、前回の蓄積時間値に応じて図1
0に示すような値をとる。例えば、前回の蓄積時間が1
0mS以下の場合にはK=0.25であるから、次回の
蓄積時間はintが3に対してint’が1の割合での
加重平均される。また、前回の蓄積時間が20mS以上
の場合にはフリッカーの影響はほとんどないのでK=1
となり、上記数式5により算出された蓄積時間の候補値
int’のみによって新たな蓄積時間が決定される。前
回の蓄積時間が10mSから20mSまでの間にある場
合には次式によりKの値を求める。
【数7】K=0.075・int−0.5 ここで、intは前回の蓄積時間値である。蓄積時間i
ntをフリッカーによって受ける影響の度合いによって
あまり変化させないようにした方がよい理由は、本発明
に直接関係しないので説明は省略する。なお、Kの値は
図10に示す値に限定されず、カメラの測光系や対象と
する光源の特性によって最適化することが望ましい。
【0030】測光素子9により検出された最大測光信号
成分Vomax’と暗電流成分Vopbの和が飽和出力
電圧値Vovを越えている時は、ステップ306からス
テップ314に進み、使用する測光領域の内のオーバー
フローした領域数をカウントして変数ovfに設定す
る。ovfの最小値は1(飽和領域が1つだけ)、最大
値はpx(使用する全領域がオーバーフロー)である。
ステップ315ではオーバーフロー領域数ovfがpx
/16未満か否かを判別し、そうであればステップ31
6で次回の蓄積時間intを前回の蓄積時間の2分の1
に設定する。また、ステップ317ではオーバーフロー
領域数ovfがpx/8未満か否かを判別し、そうであ
ればステップ318で次回の蓄積時間intを前回の蓄
積時間の4分の1に設定する。さらに、ステップ319
ではオーバーフロー領域数ovfがpx/4未満か否か
を判別し、そうであればステップ320で次回の蓄積時
間intを前回の蓄積時間の8分の1に設定する。ステ
ップ321ではオーバーフロー領域数ovfがpx/2
未満か否かを判別し、そうであればステップ322で次
回の蓄積時間intを前回の蓄積時間の16分の1に設
定する。オーバーフロー領域数ovfがpx/2以上あ
る時は、ステップ323で前回の測光が電源投入後の1
回目の測光であったか否かを判別し、そうであれば図6
で説明したように次回の測光結果が有効無効に拘わらず
適正露出演算に用いられるので、オーバーフローしない
ようにステップ324で次回の蓄積時間に短めの20μ
Sを設定する。測光データがオーバーフローしていた場
合の処理では、ステップ315からステップ322まで
に見られるように、オーバーフローした測光領域の数が
多ければ多い程被写界が明るいとみなして次回の蓄積時
間を前回よりも短くするようにしている。
【0031】図11は、次回測光時の測光素子9内の出
力回路29のゲイン調整を行うルーチンである。図6の
ステップ107で、図9に示す次回の蓄積時間の演算ル
ーチンに続いてこのルーチンが実行される。ステップ4
01では、出力回路29のゲイン設定がゲインLである
か否かを判定する。ゲインがLであればステップ402
へ進み、次回の蓄積時間intがint_L_maxよ
りも大きいか否かを判定する。ここで、int_L_m
axはゲイン切り換えのためのしきい値であり、40m
S程度の数値を代入すればよい。次回の蓄積時間int
がint_L_maxよりも大きい時はステップ403
へ進み、次回の測光時はゲインHに切り換え、蓄積時間
intを図9の蓄積時間演算ルーチンで求めた値の4分
の1とする。一方、現在ゲインHが設定されている時は
ステップ401からステップ404へ進み、次回の蓄積
時間intがint_H_minより小さいか否かを判
定する。int<int_H_minであればステップ
405へ進み、次回の測光時のゲインをLに切り換え、
蓄積時間intを図9の蓄積時間演算ルーチンで求めた
値の4倍とする。ここで、int_H_minは5mS
程度の数値を代入すればよい。また、int_L_ma
xとint_H_minの比は、ゲインH/Lの比であ
る4倍以上の値が望ましい。これによって、ゲイン切り
換えにヒステリシス特性を有することになるので、測光
データに多少の揺らぎがあっても頻繁にゲイン切り換え
が行われて測光値が不安定になるようなことがない。次
にステップ406では、次回の蓄積時間が予め定めた最
小蓄積時間int_minよりも短いか否かを判別し、
短い場合はステップ407により蓄積時間をint_m
inにクリップする。同様に、ステップ408では次回
の蓄積時間が予め定めた最大蓄積時間int_maxよ
りも大きいか否かを判別し、大きい場合はステップ40
9で蓄積時間をint_maxにクリップする。この実
施例ではint_minを10μSとし、int_ma
xを100mSとするが、これらの値は使用する測光光
学系および測光範囲などによって最適化するのがよい。
【0032】図12は露出演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。図6のステップ113でこの露出演算ル
ーチンが実行される。ステップ501において、設定さ
れた測光モードがSPモードであるかどうかを判定す
る。SPモードであればステップ502へ進み、設定さ
れたスポット位置の4つの測光領域の測光データを加算
して輝度値を算出し、その輝度値に基づいて適正露出値
を算出する。ステップ503ではCWモードであるか否
かを判定し、CWモードであればステップ504へ進
む。テップ504ではCWモードの露出演算を行なう。
CWモードの露出演算方法は、図3で示した52領域の
測光値を全て加算して輝度値を算出し、その輝度値に基
づいて適正露出値を算出する。この方法では、上述した
ように測光領域内の高輝度被写体の影響が支配的になる
ので、AMPモードに比べて測光データの精度が低くて
も比較的安定した適正露出値を得ることができる。一
方、SPモードでもCWモードでもない時はAMPモー
ドであると判断してステップ505へ進み、OKフラグ
がセット(1)されているか、すなわち図6ステップ1
06の有効性判定で測光データが有効であると判定され
たかどうかを判別する。ここで、OKフラグがクリヤ
(0)されている場合、つまりAMPモードで且つ測光
データの有効性が否定された場合には、測光データの精
度が低いことが予想されるのでステップ504へ進んで
CWモードの露出演算に切り換える。また、AMPモー
ドで有効性判定がなされた場合には、ステップ506で
上述した公知の手法により適正露出演算を行い処理を終
了する。
【0033】なお、上述した実施例では測光回路に電荷
蓄積型光電変換素子を用いた例を示したが、光電変換素
子は電荷蓄積型に限定されず、SPD受光素子などを用
いてもよい。
【0034】以上の実施例の構成において、測光回路1
0が測光手段を、有効性判定部17がレベル判定手段
を、演算実行可否判定部20が演算実行決定手段を、露
出演算部22が露出演算手段をそれぞれ構成する。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、測光値が適正レベルか不適正レベルかの判定結果
に基づいて測光値による露出演算を行なうか否かを決定
するようにしたので、被写界の輝度変化に速やかに追従
できる上に、電源投入直後にも速やかに露出値が算出で
き、シャッターチャンスを逃すことなく正確な露出値で
撮影を行なうことができる。請求項2の発明によれば、
測光値が所定回数連続して不適正レベルと判定された時
は、測光値が不適正レベルであっても露出演算の実行を
決定するようにしたので、被写界が暗い時でも長時間露
出値が更新されないというようなことがなく、被写界の
輝度変化に速やかに追従でき、シャッターチャンスを逃
すことなく正確な露出値で撮影を行なうことができる。
請求項3の発明によれば、電源投入後に所定回数の測光
が行なわれ、電源投入後の測光値がすべて不適正レベル
と判定された時は、測光値が不適正レベルであっても露
出演算の実行を決定するようにしたので、電源投入直後
にも速やかに露出値が算出でき、シャッターチャンスを
逃すことなく撮影できる。請求項4の発明によれば、測
光値の適正レベルか不適正レベルかの判定結果に応じた
露出演算を行なうようにしたので、測光値に応じた演算
式により最適な露出値を算出することができる。請求項
5の発明によれば、電荷蓄積型の測光素子を用い、その
測光素子の電荷蓄積時間を制御して測光値の出力レベル
を調節するようにしたので、被写界の輝度変化の範囲が
大きい場合でも出力レベルを適切に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】一実施例の測光光学系の構成を示す図。
【図3】一実施例の測光素子の分割測光領域を示す図。
【図4】一実施例の測光素子の構造を示す図。
【図5】スポット測光モードにおける蓄積時間演算に用
いる測光領域を示す図。
【図6】一実施例の測光制御プログラムを示すフローチ
ャート。
【図7】測光データの有効性判定ルーチンを示すフロー
チャート。
【図8】測光データと測光ダイナミックレンジとの関係
を説明する図。
【図9】次回の蓄積時間の演算ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図10】前回の蓄積時間と安定係数Kとの関係を示す
図。
【図11】測光素子のゲイン調整ルーチンを示すフロー
チャート。
【図12】露出演算ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 クイックリターンミラー 3 拡散スクリーン 4 コンデンサレンズ 5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ 7 測光用プリズム 8 測光用レンズ 9 測光素子 10 測光回路 11 測光モード設定部 12 領域判定部 13 A/D変換部 14 メモリ 15 蓄積時間設定部 16 蓄積制御部 17 有効性判定部 18 第1カウンタ 19 第2カウンタ 20 演算実行可否判定部 21 レンズデータ 22 露出演算部 23 露出制御部 24 絞り 25 シャッター 26 撮像画素 27 補正用画素 28 Vレジスタ 29 出力回路 31 測光回路 32 A/D変換器 33 記憶回路 34 判定部 35 露出演算部 36 焦点検出素子 100 マイクロプロセッサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し被写界を測光する測光手段と、 前記測光手段の測光値が適正レベルか不適正レベルかを
    判定するレベル判定手段と、 前記レベル判定手段による判定結果に基づいて前記測光
    手段の測光値による露出演算を行うか否かを決定する演
    算実行決定手段とを備えることを特徴とする測光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の測光装置おいて、 前記演算実行決定手段は、前記レベル判定手段により所
    定の回数連続して不適正レベルと判定された時は前記測
    光手段の測光値が不適正レベルであっても露出演算の実
    行を決定することを特徴とする測光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の測光装
    置において、 前記演算実行決定手段は、電源投入後に前記測光手段に
    より所定回数の測光が行なわれ、前記レベル判定手段に
    より電源投入後の測光値がすべて不適正レベルと判定さ
    れた時は、前記測光手段の測光値が不適正レベルであっ
    ても露出演算の実行を決定することを特徴とする測光装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載の測
    光装置において、 前記レベル判定部の判定結果に応じた露出演算を行なう
    露出演算手段を備えることを特徴とする測光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の測
    光装置において、 前記測光手段は電荷蓄積型の測光素子を有し、前記測光
    素子の電荷蓄積時間を制御して測光値の出力レベルを調
    節することを特徴とする測光装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009031429A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Nikon Corp 測光装置

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8670044B2 (en) 2007-07-25 2014-03-11 Nikon Corporation Photometric device with accumulation control

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