JP2000338569A - 閃光制御装置 - Google Patents

閃光制御装置

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JP2000338569A
JP2000338569A JP11153253A JP15325399A JP2000338569A JP 2000338569 A JP2000338569 A JP 2000338569A JP 11153253 A JP11153253 A JP 11153253A JP 15325399 A JP15325399 A JP 15325399A JP 2000338569 A JP2000338569 A JP 2000338569A
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Hiroyuki Iwasaki
宏之 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備発光時の発光量が小さい場合でも、測光
精度を確保し、その結果、本発光量を正確に計算して、
閃光発光撮影時の露出精度の向上を図る。 【解決手段】 第1の発光量上限値をもつ予備発光及び
第2の発光量上限値をもつ本発光を行う閃光発光部30
と、予備発光の被写体からの反射光を測光する閃光測光
部31と、感度値、第1の発光量上限値及び/又は第2
の発光量上限値、撮影距離、被写体輝度のうちの少なく
とも1つの情報を用いて、閃光測光部31のゲイン設定
を行うゲイン設定部28とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閃光発光量を最適
に制御する閃光制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、一眼レフカメラに主に採用されて
いる閃光発光器(以下、SBと呼ぶ)の自動調光を行う
閃光制御装置は、いわゆるTTL調光方式と呼ばれるも
のである。この方式は、SBから発光し、被写体から反
射してきた光束を撮影レンズを通してリアルタイムに測
光し、発光量が適量に達したときに、SB発光をストッ
プさせる方式である。この方式は、撮影レンズを通った
光束を測光するので、撮影される領域と測光する領域の
ずれ(パララックス)が無いことや、撮影者が絞り値を
自由に設定可能である点が特に優れている。
【0003】また、閃光制御装置は、主にコンパクトカ
メラ等に採用されているフラッシュマチック方式があ
る。この方式は、被写体距離X、絞り値F、及び、SB
光のガイドナンバーGNとが、以下の数式1の関係が成
り立つことを利用して、撮影時の被写体距離Xとカメラ
に備わったSBのガイドナンバーGNとから撮影時の絞
り値Fを算出するものである。
【0004】GN=X・F …(1)
【0005】ところが、前者のTTL調光方式では、被
写体から反射されたSB光が適量になるように制御する
ため、被写体の反射率によって露出誤差が出るという短
所がある。しかし、フラッシュマチック方式では、撮影
者は絞り値を自由に選択することができないため、一眼
レフカメラ等の高機能カメラには採用することができな
かった。
【0006】そこで、本出願人による特開平3−689
28号公報の装置では、TTL調光方式において、図2
2に示したアルゴリズムのように、撮影直前に(#
1)、本発光(#6)に先立って予備発光を行い(#
2)、シャッタ幕面による反射光を分割測光し(#
3)、その受光量から重み付け演算を行って、被写体の
反射率を求め(#4)、その反射率に応じて、露光時
(#5)のSB発光量レベルを調節することにより(#
6〜#8)、被写体の反射率に関わらず、適正露出を得
る技術が開示されている。
【0007】また、特開平4−88762号では、予備
発光と本発光を行う撮像装置において、プリ発光時の撮
像素子のゲインを、本発光時のゲインよりも高くする技
術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特開
平3−68928号公報の装置においては、予備発光時
の発光量が小さいために、測光出力が小さく、測光値の
信頼性が十分に得られないことがあった。特に、予備発
光時の測光出力に基づいて、撮影時の発光量をあらかじ
め決定してしまう、いわゆるガイドナンバー制御方式に
おいては、予備発光時の測光精度がそのまま撮影時の発
光精度にフィードバックされてしまうために、十分な露
出精度が得られないことがあった。
【0009】また、特開平4−88762号公報の装置
においては、予備発光時のゲインをどのくらい高くする
かの開示がなされておらず、最適なゲイン設定方法につ
いての問題が未解決であった。
【0010】そこで、本発明では、予備発光時の発光量
が小さい場合でも、測光精度を確保し、その結果、本発
光量を正確に計算して閃光発光撮影時の露出精度を向上
させることができる閃光制御装置を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、第1の発光量上限値をもつ予備
発光及び第2の発光量上限値をもつ本発光を行う閃光発
光部(30)と、前記予備発光の被写体からの反射光を
測光する閃光測光部(31)と、感度値、前記第1の発
光量上限値及び/又は前記第2の発光量上限値、撮影距
離、被写体輝度のうちの少なくとも1つの情報(数式
3)を用いて、前記閃光測光部のゲイン設定を行うゲイ
ン設定部(28)とを備えた閃光制御装置である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の閃光
制御装置において、前記ゲイン設定部は、前記第2の発
光量上限値において発光させた場合に、適正露出を与え
得る最遠の光到達距離を前記感度値を用いて求め(数式
4)、前記第1の発光量上限値で発光させた場合の前記
閃光測光部の測光出力の検出限界距離が前記光到達距離
とほぼ等しくなるようなゲイン補正値を用いてゲイン設
定を行うことを特徴とする閃光制御装置である。
【0013】請求項3の発明は、請求項1に記載の閃光
制御装置において、前記ゲイン設定部は、前記第1の発
光量上限値と前記第2の発光量上限値との比に応じたゲ
イン補正値(数式5)を用いてゲイン設定を行うことを
特徴とする閃光制御装置である。
【0014】請求項4の発明は、請求項1に記載の閃光
制御装置において、前記ゲイン設定部は、前記第2の発
光量上限値において発光させた場合に適正露出を与え得
る最遠の光到達距離と、撮影距離との比に応じたゲイン
補正値(数式6)を用いてゲイン設定を行うことを特徴
とする閃光制御装置である。
【0015】請求項5の発明は、請求項1に記載の閃光
制御装置において、前記ゲイン設定部は、被写体輝度が
高くなった場合に、ゲインを小さくするように(数式
7)ゲイン設定を行うことを特徴とする閃光制御装置で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形
態に係わるカメラの閃光制御装置の光学系を示した図で
ある。撮影レンズ1を通過した光束は、クイックリター
ンミラー2によって折り曲げられ、拡散スクリーン3上
にいったん結像する。その後に、コンデンサレンズ4、
ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通って撮影者の目に
到達する。一方、拡散スクリーン3によって拡散された
光束の一部は、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム
5、測光用プリズム7、測光用レンズ8を通して定常光
用の測光素子9上へ再結像される。測光素子9は、例え
ばSPD(シリコン・フォト・ダイオード)等の受光素
子が用いられており、図3に示すように、被写界をB1
〜B5の5領域に分割して測光し、それぞれの測光値を
出力可能な構造になっている。
【0017】撮影時には、まず、絞り10が所定値まで
絞られると同時に、クイックリターンミラー2が跳ね上
げられる。その後に、予備発光時には、シャッター11
上に略結像され反射された一部の光束を、調光用レンズ
12を通して調光素子13へ再結像させ、本発光時に
は、シャッター11を開き、例えばCCD(チャージ・
カップルド・デバイス)等によって構成される撮像素子
14の受光面上に光束を結像させる。
【0018】調光素子13は、SPDとSPDからの光
電流を蓄積するコンデンサと、増幅アンプ等とによって
構成され、図4に示すように、定常光用の測光素子9と
略同一の分割形状をしており、領域S1〜S5は、それ
ぞれ図3のB1〜B5と対応している。また、クイック
リターンミラー2は、一部の光を透過するハーフミラー
になっており、透過した光束の一部は、サブミラー16
によって下へ折り曲げられ、焦点検出部17へ導かれ
る。焦点検出部17では、図3に示す被写界の焦点検出
領域F1〜F5についての焦点状態を検出し、その何れ
かの領域の焦点が合焦状態になるまで撮影レンズ1を駆
動する。どの焦点検出領域を合焦させるかは、撮影者に
よる手動選択、至近選択等による。
【0019】図2は、本発明の実施形態の概略の構成を
示すブロック図である。定常光測光部21は、図3に示
したように、被写界を5分割して測光する回路であり、
その測光出力は、露出演算部22へ出力される。露出演
算部22は、定常光測光部21からの出力と、撮影レン
ズに設けられたマイクロプロセッサであるレンズマイコ
ン25内に格納された撮影レンズの開放F値、焦点距
離、射出瞳位置などのレンズ情報、感度設定部29から
の撮像素子14の感度情報等に基づいて、定常光露出に
関する適正露出値を算出し、それを絞り値とシャッター
値とに分解してシーケンス制御部20へ出力する。
【0020】シーケンス制御部20は、レリーズスイッ
チ27からのレリーズ信号に応じて、図1に示すクイッ
クリターンミラー2の跳ね上げ/復帰、絞り10の絞り
込み/復帰、閃光発光部30への予備発光/本発光の指
示、シャッター11の制御などの一連の動作の制御を行
う。
【0021】ゲイン設定部28は、定常光測光部21か
らの測光情報、露出演算部22からの絞り値情報、感度
設定部29からの感度情報に基づいて、閃光測光部31
のアンプ・ゲイン(例えば、測光素子からの出力を増幅
するアンプ等のゲイン)を算出し、閃光測光部31のゲ
イン設定を行う。閃光測光部31は、ゲイン設定部28
に設定されたゲインによって予備発光時の被写体反射光
を積分し、その積分値を発光量演算部32へ出力する。
発光量演算部32は、閃光測光部31からの予備発光積
分値、定常光測光部21からの測光値、レンズマイコン
25からのピント距離値、露出演算部22からの絞り
値、感度設定部29からの感度値等を基に本発光量を演
算し、その値を閃光発光部30へ出力する。
【0022】閃光発光部30は、シーケンス制御部20
からのタイミング信号に基づいて、予備発光及び本発光
を行う。予備発光は、所定の発光量の小発光をシーケン
ス制御部20からの指示数だけ行い、本発光は、発光量
演算部32からの情報に応じた発光量で行う。焦点検出
部23は、シーケンス制御部20からの指示信号に基づ
いて、焦点検出領域内にある被写体の焦点状態を検出
し、レンズ駆動部24によって合焦位置までレンズ光学
系26を駆動する。
【0023】ここで、露出演算部22、ゲイン設定部2
8、発光量演算部32及びシーケンス制御部20の動作
は、1チップマイクロプロセッサ100(以下マイコン
と略す)の内部演算によって実現されている。
【0024】図3は、測光素子9の分割状態と焦点検出
部17の焦点検出領域を被写界に照らし合わせて示した
図である。測光素子9は、被写界のほぼ全面を5分割し
て測光し、それぞれの測光値B1〜B5を出力できるよ
うになっている。また、焦点検出部17は、F1〜F5
の5領域についての焦点状態をそれぞれ検出可能になっ
ている。
【0025】図4は、閃光測光部31の光学系と測光領
域の分割形状を示した図である。閃光測光部31の光学
系は、シャッター面に入射し結像した被写体像を、3連
の調光用レンズ12により、調光素子13上に再結像さ
せ、S1〜S5の5領域に分割してそれぞれ光電変換さ
れた電荷を蓄積する構成になっている。ここで、S1〜
S5の各領域と番号の関係は、図3における測光領域B
1〜B5の各領域の番号と対応している。
【0026】図5は、調光素子13の端子とその役割を
わかりやすく説明した図である。C1〜C5は、それぞ
れ領域S1〜S5の光電流を蓄積する外付けコンデン
サ、SCは、ストップ信号を出すためにS1〜S5の光
電流を加算して蓄積する外付けコンデンサ、Vref
は、温度比例電圧出力端子、stopは、ストップ信号
出力端子、CSR,CSG,CLKは、アンプ・ゲイン
と読み出しチャンネルの設定を切り替えるための端子で
ある。設定方法は、それぞれ図6及び図7の所で説明す
る。ISは、蓄積開始/終了を行う端子、DAは、各領
域のアンプ・ゲインを入力する端子、ADは、各領域の
測光積分値の出力端子である。
【0027】図6は、調光素子13の各領域のアンプ・
ゲインの設定方法を示した図である。チャンネルは、C
SG端子をHレベルにしたまま、CSR端子をLレベル
に下げ、その後にCLK端子にクロック信号を入力する
と、Lレベルへの立ち下がりに同期して切り替わる。そ
のチャンネルのゲインは、CLK端子がLレベルの間
に、DA端子を設定ゲインに応じた電圧レベルにするこ
とによって設定される。Ch1〜Ch5は、それぞれS
1〜S5に対応している。
【0028】図7は、調光素子13の各領域の測光積分
値の読み出し方法を示した図である。チャンネルは、C
SR及びCSG端子をLレベルに下げた後に、CLK端
子にクロック信号を入力すると、Lレベルへの立ち下が
りに同期して切り替わり、各領域の測光積分値が測光値
に応じた電圧レベルとなって、AD端子に出力される。
【0029】図8は、予備発光時の動作をわかりやすく
説明した図である。レリーズ信号が入力されて絞り込み
が完了すると、ゲイン設定部28によって、予備発光の
ためのゲイン設定(ゲイン設定1)が行われる。ゲイン
の算出方法は後で詳しく説明する。その後に、閃光発光
部30及び閃光測光部31のウォーム・アップのため
に、チョップ発光の2発カラ打ちが行われた後に、IS
端子が立ち下げられて、予備発光積分(積分1)が開始
されると同時に第1の予備発光が行われる。
【0030】測光積分値が適当なレベルに達したか、チ
ョップ発光の回数が所定値になったところで予備発光が
終了し、積分値の読み出し(読み出し1)が行なわれた
後に、IS端子を立ち上げ、積分値のリセットを行う。
予備発光時の積分値には、SB光の反射光の他に定常光
成分も含まれているために、予備発光終了後に定常光の
みの積分を行い、後の演算処理において、定常光成分を
予備発光積分値から差し引く演算を行う。ゲイン設定2
において、定常光積分のためのゲイン設定を行い、その
後に、予備発光のときと同様に、IS端子を立ち下げ、
定常光積分(積分2)を行う。定常光積分のゲイン設定
と積分時間については後述する。
【0031】定常光積分が終了したら、積分値の読み出
し(読み出し2)を行った後に、IS端子を立ち上げ
て、積分値をリセットする。その後に、後述するアルゴ
リズムによって本発光量を算出して、その値を閃光発光
部30へ通信し、撮影と同時に本発光制御を行い、撮影
が完了する。
【0032】図9は、レンズの絞り値(単位AV)と、
閃光測光部31の出力logIGとの関係を示した図で
ある。logIGは、閃光測光部31の出力IGの対数
を取ったものである。この場合に、AVの変化に対して
閃光測光部32のゲイン(以下、単にゲインと呼ぶ)は
不変とする。このように、AV値が大きくなる、つまり
絞りが絞り込まれて行くに従って、出力は小さくなって
くる。これは、絞り込むためにセンサに入射する光量が
低下するためである。
【0033】図10は、撮影距離(単位:m)と、閃光
測光部31の出力logIGとの関係を示した図であ
る。logIGは、図9と同様である。ここでも距離の
変化に対してゲインは不変とする。図に示す通り、距離
が遠くなると出力は低下する。これは、距離の2乗に反
比例して反射光量が小さくなるためである。
【0034】図11は、ゲインの変化(単位:基準ゲイ
ンに対する比率)と、閃光測光部31の出力logIG
との関係を示した図である。ゲインを増せば、それに比
例して出力は大きくなる。なお、図11において横軸が
右へ行く程ゲインが小さくなっているのは、後述するよ
うに、電圧を低く設定すると、ゲインが高くなる仕様の
ためである。
【0035】図12は、撮像素子14の感度変化(単
位:SV)とゲインの変化を示した図である。Aの場合
は、SVの変化に対してゲインは一定であり、Bの場合
には、SVの変化に応じてゲインも変化させている。
【0036】図13は、図12のA,Bの場合と、本発
光時について撮像素子14の感度(単位:SV)とSB
光の到達距離(単位:距離の対数値)との関係を示した
図である。SB光の到達距離とは、本発光時の場合に
は、与えられた撮影条件(例えば、絞り値など)におい
て、SB光が適正露出を与えうる最遠の距離のことであ
り、A,Bの場合には、閃光測光部31が反射光積分値
を検出可能な最遠の距離のことである。
【0037】図13のように、本発光時とBの場合は、
SVが大きくなるほど、つまり感度が高くなるほど、到
達距離は遠くなるが、Aの場合には、一定である。仮
に、Aの方式で予備発光を行ったとすると、本発光到達
距離と等しい点OよりSVが小さい場合には、本発光到
達距離の範囲内で予備発光の反射光を測定可能である
が、点OよりSVが大きくなると、予備発光到達距離が
本発光到達距離よりも手前になってしまい、予備発光積
分値を得ることができなくなる。その結果、このSVの
範囲では本発光量の演算が不可能になる。
【0038】一方、Bの場合では、SV値に応じてゲイ
ンを変化させているので、本発光と同様に、SV値に応
じて到達距離が伸びている。図13では、Bは本発光よ
りも常に到達距離が手前になってしまっている。これ
は、閃光測光部31のゲイン設定が、SVに応じては変
化しているが、予備発光量と本発光量の光量差を考慮し
ていないためである。
【0039】図14は、本発光ガイドナンバーGNhon と
予備発光ガイドナンバーGNpre との比(GN比)とゲイ
ンとの関係を示した図である。Cの場合は、GN比の変
化に対してゲインは一定であり、Dの場合には、GN比
の変化に応じてゲインを変化させている。ここで、GNho
n とGNpre は、それぞれの場合に発光しうる最大発光量
である。複数種類のSBが装着可能な場合で、仮にGNpr
e が装着SBにかかわらず一定であるとすると、GNhon
の違いによってGN比が変わってくる。
【0040】図15は、図14のC,Dの場合と、本発
光時について本発光ガイドナンバー(単位:GN)とS
B光の到達距離(単位:距離の対数値)との関係を示し
た図である。SB光の到達距離の定義は、図14の所で
説明した通りである。図のように、本発光時とDの場合
は、GNが大きくなるほど、つまり発光量が大きくなる
ほど、到達距離も伸びるが、Cの場合には、一定であ
る。
【0041】仮に、Cの方式で予備発光を行ったとする
と、本発光到達距離と等しい点PよりGNが小さい場合
には、本発光到達距離の範囲内で予備発光の反射光を測
定可能であるが、点PよりGNが大きくなると、予備発
光到達距離が本発光到達距離よりも手前になってしま
い、予備発光積分値を得ることができなくなる。その結
果、このGNの範囲では本発光量の演算が不可能にな
る。
【0042】一方、Dの場合では、本発光量のGNに応
じてゲインを変化させているので、予備発光量が一定で
も到達距離が本発光時と同様に、GNに応じて到達距離
が伸びている。図15では、図を見やすくするために、
到達距離は、Dの方が本発光よりも若干手前になってい
るが、GN比に対するゲイン補正量を適当にすることに
より、理論的に一致させることが可能である。以上の説
明において、A,Cが従来の技術に、B,Dが本発明
に、それぞれ対応する。
【0043】図16は、マイコン100のプログラムを
示したフローチャート図である。カメラのレリーズスイ
ッチ27が半押しされることによってカメラの電源が入
り、本プログラムが実行される。まず、ステップS10
0において、閃光発光部30内に設けられたSBマイコ
ン(不図示)と通信を行い、そのSBのフル発光ガイド
ナンバGN、予備発光1発あたりのガイドナンバGNp
1(いづれもISO100時)を読み込む。ステップS
101において、撮影レンズ内に設けられたレンズマイ
コン25と通信を行い、撮影レンズの開放F値、焦点距
離、射出瞳位置等の情報を読み込む。次に、ステップS
102において、感度設定部29より手動又は自動によ
って設定された感度値を読み込む。さらに、ステップS
103において、測光素子9により定常光測光を行い、
ステップS101で読み込んだレンズ情報による補正を
行ってB1〜B5の輝度情報を求め、その値を基にし
て、公知の手法によって定常光露出演算を行い、適正露
出値BVans を求める。ステップS104では、BVan
s とフィルム感度値とから、撮影時の絞り値とシャッタ
ー値とを算出する。
【0044】ステップS105では、焦点検出部23に
よって焦点検出を行い、ステップS106で算出された
デフォーカス量が0になるまで、レンズ駆動部24によ
りレンズ光学系26を駆動する。ステップS107で
は、合焦位置での撮影レンズのピント距離を被写体距離
と見なし、その値をレンズマイコン25から読み出す。
そして、ステップS108において、レリーズスイッチ
27が全押しされたか否かを判別し、全押しの場合に
は、ステップS109へ進み、そうでない場合には、ス
テップS119へジャンプする。ステップS109で
は、クイックリターンミラー2を跳ね上げ、絞り10を
ステップS104で求められた値まで絞り込みを行う。
【0045】ステップS110で予備発光のゲインを設
定した後に、ステップS111で予備発光を行い、S1
〜S5の測光積分値IGpre[1]〜IGpre[5]を算出する。ゲ
イン設定方法と予備発光の方法は後に詳しく説明する。
予備発光が終了すると、ステップS112において、定
常光積分を行い積分値IGtei[1]〜IGtei[5]を読み出す。
定常光積分は、ゲイン設定及び積分時間を予備発光と等
しく設定する。つまり、図8において、tpre=tteiであ
る。ステップS113では、予備発光などで求められた
積分値から、各調光領域S1〜S5におけるGV[1] 〜GV
[5] を算出する。GV[i](i=1..5) とは、各領域における
被写体反射率に関係する変数であり、単位EVで表した
ものである。GV[i]の算出方法も後に詳しく説明する。
ステップS114では、GV[i] の結果などを基にして、
後に説明する手法により撮影時の本発光量を算出し、ス
テップS115において、その値を閃光発光部30へ通
信により伝達する。
【0046】そして、ステップS116においてシャッ
ターを開き、ステップS117において閃光発光部30
により本発光の発光量制御を行う。本発光終了後は、ス
テップS118においてシャッター、絞り、ミラーを初
期位置に復帰させる。ステップS119では、半押しタ
イマー起動後に、所定時間経過したか否かを判別し、所
定時間内であれば、ステップS101へ戻って処理を繰
り返し、タイマー切れであれば、処理を終了する。
【0047】図17は、ゲイン設定部28で設定するゲ
イン算出方法を示したサブルーチン・フローチャートで
ある。図16のステップS110が実行されることによ
り、本サブルーチンが呼び出されて実行される。まず、
ステップS201において、高輝度カット領域の検出を
行う。これは、定常光測光値B1〜B5の値を参照し
て、予備発光時の反射光積分に悪影響を及ぼす高輝度エ
リアをあらかじめ調光領域から除外する処理である。具
体的には、B1〜B5のうち高輝度カットのしきい値で
あるBVcut _thを越える領域をカット対象領域とする。
ただし、カット領域が3個以上になってしまった場合に
は、暗い方から3領域を調光領域とする。
【0048】次に、ステップS202において、ゲイン
を決定するための主要変数であるGav[i](単位:EV,i
=1..5 )を算出する。Gav[i]は5領域の調光領域毎に算
出され、その値が1増える毎にゲインが1EV上昇する
ようになっている。GaV[i]の算出方法については後で詳
しく述べる。次に、ステップS203により、調光素子
13から出力される現在の温度に比例する数値Tを読み
出す。
【0049】次に、ステップS204で、以下の数式2
によって実際に調光素子13に設定するゲインDApre[i]
を算出する。 DApre[i]=(pre _level[i]−GaV[i]*pre_gamma )*T/Tref ,(i=1 〜5 ) …(2) ここで、pre _level[i]: 予備発光調光レベルの基準値 pre _gamma:ガンマ調整値 T:現在の温度 Tref: 調整時の温度 pre _level[i],pre _gamma ,Trefは、それぞれカメ
ラ内の不図示の不揮発性メモリ(EEPROMなど)に
格納されたデータである。
【0050】-GaV[i] とマイナスになっている理由は、
図5に示した調光素子13のDA端子電圧を低くすると、
ゲインが高くなる仕様のためである。ちなみに、通常の
TTL調光の場合には、GaV にはフィルム感度に相等する
値(以下単に、フィルム感度という)であるSV値がその
まま代入され、フィルム感度が1段上がればゲインも1
段上げ、半分の像面露光量でstop信号が出力されるよう
に制御している。
【0051】ただし、ステップ201により、高輝度カ
ットの対象となった領域のゲインDApre[i]は、最小に設
定し、実質上その領域の測光を行わないようにする。
【0052】次に、図17のステップS202のGaV[i]
の算出方法を説明する。GaV[i]は、調光素子13の各領
域毎に設定されるゲインを決定する主要変数であり、以
下の数式3で求められる。 Gav[i]=SvV +GnV −XmV −BvV +MvV −Sa[i] ,但し、i=1..5 …(3) ここで、右辺の各変数についてそれぞれ説明する。
【0053】SvV は、撮像素子14の感度に応じた補正
値である。感度が大きいと本発光時の発光量が同じでも
見かけ上遠くまで光が届くので、その分だけ、予備発光
時のゲインを上げて積分出力を大きくし、予備発光も遠
くまで届くようにする。具体的には、以下の数式4で与
えられる。 SvV =SV−5 …(4) ここで、SVは、撮像素子14の感度値(単位:SV)で
ある。5を引いているのは、SV=5、すなわち感度が
ISO100のときに、SVv =0となるようにするため
である。
【0054】GnV は、装着されたSBの本発光GNと予
備発光GNのガイドナンバ差の補正値であり、以下の数
式5で求める。 GnV =log2(GN /GNp1/√(Qpre _max)) ^2 , 但し、GnV<GnVmax …(5 ) ここで、GnVmax:GnV上限値 log2:2を底とした対数を表す GN:ISO100 時の本発光フル発光時のガイドナンバ GNp1:ISO100 時の予備発光1発光あたりのガイドナンバ Qpre_max:予備発光の最大数
【0055】また、√( )は( )内の平方根、^は
べき乗を表す記号である。GnV は、本発光の最大GN
(フル発光時)と予備発光の最大GN(1発光あたりGN
p1のチョップ発光をQpre_max 回発光した場合)との光
量差をキャンセルするための変数である。対数の中の数
値が2乗されているのは、GNが√2倍で1EV変化す
るためである。ただし、あまりゲインを上げすぎると積
分値のS/N特性が悪くなるので、GnV は、GnVmaxによ
ってその上限値を制限する。
【0056】XmV は、距離信号によるゲインの補正値で
以下の数式6で求める。 XmV =kxm*log2(GN*2 ^{(SV-5)/2}/{X*F }) ^2 …(6) ここで、kxm:距離補正係数 log2:2を底とした対数を表す GN:ISO100 時の本発光フル発光時のガイドナンバ ^2:2乗を表す SV-5:ISO感度値(単位:SV)( GN の数値がISO100基準
となっているため5を引いている) X:そのときの撮影距離(単位:m) F:そのときの絞り値(単位:Fナンバ)
【0057】GaV は、SvV とGnV によって、そのときの
ISO 感度と、GNによる本発光の最大到達距離とに応じた
ゲインに設定しているが、実際の撮影距離は、普通それ
よりも近距離にあるので、そのままではゲインが大きす
ぎて積分値がオーバーフローしてしまう可能性がある。
そこで、XmV により被写体距離に応じてゲインを下げ
る。kxm は、過剰補正を防止するための補正係数であ
り、0.5程度の数値を用いる。
【0058】BvV は、日中シンクロ等のように周囲光が
明るいときに、周囲光の影響でstop信号が出てしまうこ
とを防止するための補正値である。周囲光の影響は、輝
度が高いほど、また、距離が遠くなるほど強くなるの
で、それらをパラメータにして、以下の数式7で求め
る。 BvV =BVave −BVofset+log2(X^2), 但し0<BvV<BvVmax …(7) BVave:高輝度カットされていない全調光エリアの平均輝
度値(単位:BV ) BVofset:オフセット調整値 log2:2を底とした対数を表す ^2:2乗を表す X:そのときの撮影距離(単位:m) BvVmax: 輝度補正上限値 BVofset には、9(単位:BV)程度の数、BvVmaxに
は、2(単位:EV)程度の数を用いる。
【0059】MvV は、有効エリア数に応じたゲイン補正
値であり、以下の数式8によって求める。 MvV=log2( 1/mval) …(8) mval: 有効エリア数
【0060】通常は、S1〜S5の5領域とも有効であ
るとしてゲインの設定を行い、5領域の光電流の総和が
所定値に達したときに、stop信号が出るようになってい
る。ところが、カット領域があるとその領域からの光電
流が入らなくなるので、その分だけ他の領域のゲインを
上げ、同じ発光量でstop信号が出るようにしておく。ま
た、有効エリア数(mval)は、ステップS201の高輝
度カット領域の検出で求めた高輝度カットされない領域
数の総和である。
【0061】Sa[i] は、(絞り値)対(積分出力値)の
非線形性を補正する値であり、絞り値の関数となる。ま
た、領域毎(主に中央と周辺と)で値が異なる。Sa[i]
の値は、閃光測光部31の光学系等に依存するので、実
際に絞り値と積分出力値との関係を測定して算出するの
が望ましい。
【0062】図18は、予備発光時の制御方法を示した
サブルーチン・フローチャートである。図16のステッ
プS111が実行されることにより、本サブルーチンが
呼び出されて実行される。まず、ステップS302によ
り、図17で求めた予備発光時のアンプゲインDApre[i]
を閃光測光部31へ設定する。
【0063】次に、ステップS303では、SBの発光
管のウォームアップのために2回のカラ打ち発光をした
後に、ステップS304によって、予備発光回数を示す
変数Qpre を0にセットし、予備発光時間tpre1の計時
を開始すると共に、調光素子13のIS端子をLにして
積分を開始する。
【0064】ステップS305において、Qpre に1を
加える。ステップS306では、ガイドナンバーGNp1
において、予備発光を行い、ステップS307におい
て、ストップ信号が出たか否かを判定し、ストップ信号
が出た場合には、次のステップをとばしてステップS3
09へ進み、そうでない場合は、ステップS308へ進
み、予備発光回数Qpre が最高回数のQpre-max (標準
値16)回に達したか否かを判定する。Qpre-max 回に
達したときには、予備発光を終了してステップS309
へ進み、そうでない場合には、ステップS305へ戻り
予備発光を繰り返す。予備発光量の総和の上限を設けて
いるので、本発光時の発光光量を確実に確保できる。
【0065】予備発光が終わると、ステップS309に
おいて、予備発光時間tpre の計時を終了する。そし
て、ステップS310において、調光領域S1〜S5に
対応した積分値IG1(1) 〜IG1(5) を読み出して処
理を終了する。
【0066】図19は、図16のステップS113で示
したGV[i] の算出方法について説明するフローチャート
である。GV[i](i=1..5) とは、前述したように、各領域
における被写体反射率に関係する変数であり、標準反射
率の被写体に対して適正露光量を与えるSB光のガイド
ナンバを単位EVで表したものである。まず、ステップ
S401において、領域を指定する変数iに0を代入す
る。次に、ステップS402で、領域iが高輝度カット
領域になっているか否かを判定し、そうであれば、その
領域は調光の対象外であるので、ステップS405でそ
の領域のGV[i] に99を代入する。
【0067】ステップS403では、数式9を用いて、
正味の積分値IG[i] を算出する。 IG[i] =IGpre[i]−IGtei[i] …(9) つまり、予備発光時の積分値から、予備発光なしで周囲
光のみで積分した値を引くことにより、予備発光のみの
反射光による積分値を求める。
【0068】ステップS404では、IG[i] が0以下で
あるか否かを判定し、0以下であれば、GV[i] を算出不
可能であるので、ステップS405へ進む。GV[i] >0
であった場合には、ステップS406において、GV[i]
を算出する。GV[i] は、以下の数式10によって求めら
れる。
【0069】GV[i] =log2(GNrtn[i])2 …(10) ここで、GNrtn[i]は、以下の数式11で求められる。
【0070】 GNrtn[i]= GNp1* √(Qpre)* √(2^(Gav[i] +Sa[i])* √(IGstop/mval/IG[i]) …(11) ただし、GNp1: 予備発光1発光あたりのガイドナンバ
(ISO100換算) Qpre: 予備発光回数 IGstop:stop 信号が出るときの各IG[i](i=1..5) 値の総
和。 mval: 有効領域数 IG[i]:各エリアの予備発光の正味の積分値
【0071】GNrtn[i]の意味合いは、そのGNrtn[i]で発
光すれば、エリアiは基準露光量(ISO100で0.1Lx
4s)が得られるというものである。つまり、被写体が標
準反射率の場合、距離X、絞りFに対して、以下の数式
12が成立する。
【0072】GNrtn[i]=X* F …(12) 従って、GV[i] は、標準反射率被写体に対して、基準露
光量を与えるガイドナンバを単位EVに変換したもので
ある。また、数式10、12から、GV[i] はGNrtn[i]を
算出することなしに、以下の数式13によって求められ
る。
【0073】 GV[i] = log2(GNp1 ^2*Qpre) +(Gav[i] +Sa[i])+log2(IGstop/mval/IG[i]) …(1 3) その後、ステップS407でiをインクリメントした後
に、ステップS407でiが5を越えているか否かを判
定し、5以下の場合は、ステップS402へ戻り、i>
5であれば処理を終了する。
【0074】次に、図16のステップS114の本発光
量算出方法について説明する。まず、数式13で求めら
れた各領域のGV[i] を用いて、各領域の被写体反射率Re
fEV[i]を数式14を用いて算出する。
【0075】 RefEV[i]=2* X+AV−GV[i] , (i=1..5) …(14) ただし、X:撮影距離(単位:m) AV:撮影絞り値(単位:AV)
【0076】ここで、RefEV[i]は、反射率が標準値であ
った場合は0、反射率が標準よりも+1段高かった場合
は+1、同様に、−1段では−1となるような変数であ
る。次に、RefEV[i]を用いて、反射率に応じた各領域に
対する重み付け数RefG[i] を数式15を用いて算出す
る。
【0077】 RefG[i] =1/(2^(Abs (RefEV[i]) )), (i=1..5) …(15) ただし、Abs( ) は、( )内の絶対値を求める関数で
ある。RefG[i] は、図20に示すように、被写体の反射
率が標準値のばあいには1、また、標準値から離れるに
従って小さくなっていく変数である。
【0078】次に、数式16により、RefG[i] を規格化
し、各領域に対する重みwt[i] を算出する。 wt[i] =RefG[i] / (RefG[i] ), (i=1..5) …(16) ただし、 ( )は、( )内の変数RefG[i](i=1..5)
の総和を求める関数である。次に、数式14で求めたRe
fEV[i]を再び用いて、数式17により被写界全体での反
射率補正値RefMain を算出する。
【0079】 RefMain =log2( (wt[i]* 2^RefEV[i]) ), (i=1..5) …(17) ただし、 ( )は数式16と同様の関数、log2は、2
の対数を表す関数である。RefMain を用いて、本発光量
補正値deltaYを数式18により算出する。
【0080】deltaY=krm*RefMain …(18) 反射率とdeltaYの関係を図21に示す。ここで、krm は
反射率の補正度合いを調節する定数でありkrm =0.5
程度の数値を用いるが、必要に応じて変更可能にしても
よい。
【0081】数式16、18により、wt[i] ,deltaYが
求まったら、数式19によって、本発光量倍数Kgnを
算出する。
【0082】 Kgn =IGstop/mval/ (IG[i]*wt[i] )*GH*DY …(19) IGstopは、数式11で用いたものであり、GH,DYは、以
下の数式20、21で求められる。
【0083】GH=2^(Gav[i]+Sa[i] ) …(20) DY=2^(deltaY−SV+5) …(21) ここで、記号^は、べき乗を表す関数、SV,GnV,XmV,BvV
は、数式11で用いたものである。
【0084】Kgn は数式22で示す通り、本発光量を予
備発光時の何倍にするかを表す変数である。 GNhon =GNpre*√(Kgn) …(22) ただし、GNhon :本発光GN GNpre :予備発光GN Kgn に√が掛かっているのは、GNが√2倍で1EV変
化する性質があるためである。
【0085】以上のように本実施形態によれば、以下の
ような、作用・効果がある。 (1)ゲイン設定部28は、従来のように、絞り値をパ
ラメータとしたゲイン設定ではなく、数式3で示したよ
うに、感度値SvV、第1の発光量上限値と第2の発光
量上限値との比GnV、撮影距離XmV、被写体輝度M
vV等のうちの少なくとも1つの情報を用いて、閃光測
光部31のゲイン設定を行うので、本発光量を正確に計
算して、閃光発光撮影時の露出精度を向上させることが
できる。
【0086】(2)ゲイン設定部28は、第2の発光量
上限値で発光させた場合に、数式4に示すように、適正
露出を与え得る最遠の光到達距離SvVを、感度値SV
を用いて求め、第1の発光量上限値で発光させた場合の
閃光測光部の測光出力の検出限界距離が、光到達距離と
ほぼ等しくなるようなゲイン補正値を用いてゲイン設定
を行うので、簡単な計算でゲイン補正値を求めることが
できる。
【0087】(3)ゲイン設定部28は、数式5に示す
ように、第1の発光量上限値(GNp1)と第2の発光
量上限値(GN)との比に応じたゲイン補正値(Gn
V)を用いてゲイン設定を行う。例えば、図14に示す
ように、本発光のガイドナンバーと予備発光のガイドナ
ンバーの比に応じて、ゲインを変化させるようする。こ
のため、図15に示すように、その比(発光量)が大き
くなるにしたがって、到達距離を延ばすように補正する
ことができる。
【0088】(4)ゲイン設定部は、数式6に示すよう
に、第2の発光量上限値で発光させた場合に適正露出を
与え得る最遠の光到達距離(GN/F)と、撮影距離
(X)との比に応じたゲイン補正値を用いてゲイン設定
を行う。つまり、その比が大きくなると、ゲインを下げ
る方向に補正する。従って、撮影距離がかわっても、正
確な補正を行うことができる。
【0089】(5) ゲイン設定部は、数式7に示すよ
うに、被写体輝度が高くなった場合に、ゲインを小さく
するようにゲイン設定を行うので、日中シンクロ等のよ
うに周囲光が明るい場合でも、その影響を防止すること
ができる。
【0090】以上説明した実施形態に限定されることな
く、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明
の均等の範囲内である。例えば、第1及び第2の発光量
上限値の関係について、第2の発光量上限値は、いま発
光管がもつ最大発光量(例えば、充電が90%であれ
ば、その量)から、予備発光時に使用した発光量(第1
の発光量上限値)を引いた上限値という意味で用いてい
るが、第2の発光量上限値は、もともと発光管がもつ最
大発光量、例えば、ガイドナンバ等から、予備発光時に
使用した発光量を引いたものと、考えてもよい。
【0091】第1及び第2の発光量上限値を使用する例
で説明したが、いずれか1つしか求められない場合に
は、それを定数(典型的な値、例えば、フル充電したと
きの値など)として扱ってもよい。また、第1の発光量
上限値に対する第2の発光量上限値の比を用いている
が、逆に、第2の発光量上限値に対する第1の発光量上
限値の比としてもよい。
【0092】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、予備発光時の発光量が小さい場合でも測光精度を
確保し、その結果、本発光量を正確に計算して、閃光発
光撮影時の露出精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光学系を示した図である。
【図2】本発明の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本実施形態の定常光測光部の分割形状と焦点検
出部を示す図である。
【図4】本実施形態の閃光測光部の光学系及び分割形状
を示す図である。
【図5】本実施形態の調光素子の端子とその動作をわか
りやすく示した図である。
【図6】本実施形態の調光素子の端子とその動作をわか
りやすく示した図である。
【図7】本実施形態の調光素子の端子とその動作をわか
りやすく示した図である。
【図8】実施形態の予備発光時の動作をわかりやすく説
明した図である。
【図9】各種条件と積分出力との関係を簡潔に示した図
である。
【図10】各種条件と積分出力との関係を簡潔に示した
図である。
【図11】各種条件と積分出力との関係を簡潔に示した
図である。
【図12】各種条件とゲインの関係を簡潔に示した図で
ある。
【図13】各種条件とSB光の到達距離との関係を簡潔
に示した図である。
【図14】各種条件とゲインの関係を簡潔に示した図で
ある。
【図15】各種条件とSB光の到達距離との関係を簡潔
に示した図である。
【図16】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図17】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図18】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図19】本実施形態のアルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図20】反射率と各変数との関係を簡潔に示した図で
ある。
【図21】反射率と各変数との関係を簡潔に示した図で
ある。
【図22】従来の技術を示した図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 クイックリターンミラー 3 拡散スクリーン 4 コンデンサレンズ 5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ 7 測光用プリズム 8 測光用レンズ 9 測光素子 10 絞り 11 シャッター 12 調光用レンズ 13 調光素子 14 撮像素子 15 閃光発光部 16 サブミラー 17 焦点検出部 21 定常光測光部 22 露出演算部 23 焦点検出部 24 レンズ駆動部 25 レンズマイコン 26 レンズ光学系 27 レリーズ・スイッチ 28 ゲイン設定部 29 感度設定部 30 閃光発光部 31 閃光測光部 100 マイクロプロセッサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の発光量上限値をもつ予備発光及び
    第2の発光量上限値をもつ本発光を行う閃光発光部と、 前記予備発光の被写体からの反射光を測光する閃光測光
    部と、 感度値、前記第1の発光量上限値及び/又は前記第2の
    発光量上限値、撮影距離、被写体輝度のうちの少なくと
    も1つの情報を用いて、前記閃光測光部のゲイン設定を
    行うゲイン設定部とを備えた閃光制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の閃光制御装置におい
    て、 前記ゲイン設定部は、前記第2の発光量上限値において
    発光させた場合に、適正露出を与え得る最遠の光到達距
    離を前記感度値を用いて求め、前記第1の発光量上限値
    で発光させた場合の前記閃光測光部の測光出力の検出限
    界距離が前記光到達距離とほぼ等しくなるようなゲイン
    補正値を用いてゲイン設定を行うことを特徴とする閃光
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の閃光制御装置におい
    て、 前記ゲイン設定部は、前記第1の発光量上限値と前記第
    2の発光量上限値との比に応じたゲイン補正値を用いて
    ゲイン設定を行うことを特徴とする閃光制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の閃光制御装置におい
    て、 前記ゲイン設定部は、前記第2の発光量上限値において
    発光させた場合に適正露出を与え得る最遠の光到達距離
    と、撮影距離との比に応じたゲイン補正値を用いてゲイ
    ン設定を行うことを特徴とする閃光制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の閃光制御装置におい
    て、 前記ゲイン設定部は、被写体輝度が高くなった場合に、
    ゲインを小さくするようにゲイン設定を行うことを特徴
    とする閃光制御装置。
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