JP3409362B2 - カメラの輝度値演算装置 - Google Patents

カメラの輝度値演算装置

Info

Publication number
JP3409362B2
JP3409362B2 JP13078993A JP13078993A JP3409362B2 JP 3409362 B2 JP3409362 B2 JP 3409362B2 JP 13078993 A JP13078993 A JP 13078993A JP 13078993 A JP13078993 A JP 13078993A JP 3409362 B2 JP3409362 B2 JP 3409362B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photometric
value
brightness value
calculating
photometry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13078993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06160935A (ja
Inventor
宏之 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP13078993A priority Critical patent/JP3409362B2/ja
Priority to US08/122,291 priority patent/US5450163A/en
Publication of JPH06160935A publication Critical patent/JPH06160935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3409362B2 publication Critical patent/JP3409362B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure Control For Cameras (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写界を複数に分割し
て測光し、その測光信号から輝度値を演算するカメラの
輝度値演算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被写界を複数の測光領域に分割して測光
し、その複数の測光信号を用いて輝度値を演算し、更に
その輝度値に基づいて露出値を演算するカメラが知られ
ている。例えば特開平1−217428号公報に開示さ
れているものは、撮影画面をマトリクス状に分割して複
数の測光領域を独立に測光する、いわゆる分割測光を採
用している。また、このような分割測光を行うための測
光素子として、例えばCCDのような蓄積型の光電変換
素子を用いたものが知られている(例えば、特開昭62
−259022号公報)。このような蓄積型の光電変換
素子は、一般に各測光領域に応じた複数の測光信号を1
個づつ時系列的に出力する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光電変
換素子から出力される複数の測光信号には必ずノイズ成
分が含まれている。このノイズの原因としては、受光素
子の暗電流や測光回路から発生するノイズ等が考えられ
るが、ノイズの大きさは受光素子の温度や電源電圧等に
よって決定され、被写体の明るさには無関係である。こ
のため、被写体がある程度以上明るい場合には、測光信
号に対してノイズ成分が無視できるほど小さいから問題
はないが、被写体が暗くなるなどして測光信号が小さく
なってきた場合には、測光信号におけるノイズ成分の占
める割合が大きくなり、測光誤差が大きくなる。
【0004】従って、測光信号が所定値未満のときには
誤差が大きいと判断して、予めその領域の測光信号を無
効にするなどの措置をとる必要があるが、複数の測光信
号の全部が所定値未満の場合には、有効なデータが皆無
となってしまうから、再度測光をし直さなければ露出値
を演算できない。しかしながら、再度測光を行うとなる
と撮影までの時間が長くなって速写性に欠け、特に連続
撮影モードが設定されている場合などには不利である。
特に蓄積型の測光素子を使用している場合には、蓄積時
間の設定が不適切であると、被写体がかなり明るくても
測光信号が小さくなってしまうことがあり、上記問題が
起こり易い。
【0005】本発明の目的は、複数の測光信号の全部が
所定値未満の場合であってもノイズによる誤差成分を除
去し、再度測光し直すことなく輝度値を算出可能なカメ
ラの輝度値演算装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1
は、被写界を複数の測光領域に分割して測光し、各測光
領域の輝度に関する測光信号をそれぞれ時系列的に取出
して出力する分割測光手段と、この分割測光手段からの
各測光信号に基づいて輝度値を演算する演算手段とを備
えたカメラの輝度値演算装置に適用される。そして、複
数の測光信号から各測光領域に対応する個々の輝度値を
それぞれ演算する第1の演算方式、および複数の測光信
号の平均値を求め、この平均値に基づいて輝度値を演算
する第2の演算方式を有し、複数の測光信号の最高値が
所定値未満の場合には第2の演算方式を選択し、それ以
外の場合には第1の演算方式を選択する選択手段を備え
るとともに、選択手段により選択された演算方式に従っ
て輝度値を演算するように演算手段を構成したものであ
る。請求項2の発明は、被写界を複数の測光領域に分割
して測光し、各測光領域の輝度に関する測光信号をそれ
ぞれ時系列的に取出して出力する分割測光手段と、この
分割測光手段からの各測光信号に基づいて輝度値を演算
する演算手段とを備えたカメラの輝度値演算装置に適用
される。そして、複数の測光信号から各測光領域に対応
する個々の輝度値をそれぞれ演算する第1の演算方式、
および複数の測光信号の平均値を求め、この平均値に基
づいて輝度値を演算する第2の演算方式を有し、複数の
測光信号の最高値が所定値未満であり、かつ1駒モード
および連続モードのうち連続モードの場合には第2の演
算方式を選択し、それ以外の場合には第1の演算方式を
選択する選択手段を備えるとともに、選択手段により選
択された演算方式に従って輝度値を演算するように演算
手段を構成したものである。請求項3の発明は、被写界
を複数の測光領域に分割して測光し、各測光領域の輝度
に関する測光信号をそれぞれ時系列的に取出して出力す
る分割測光手段と、この分割測光手段からの各測光信号
に基づいて輝度値を演算する演算手段とを備えたカメラ
の輝度値演算装置に適用される。そして、複数の測光信
号から各測光領域に対応する個々の輝度値をそれぞれ演
算する第1の演算方式、および複数の測光領域を複数の
グループに分け、少なくとも1つのグループに属する測
光領域からの測光信号の平均値を求め、この平均値に基
づいて輝度値を演算する第2の演算方式を有し、複数の
測光信号の最高値が所定値未満の場合には第2の演算方
式を選択し、それ以外の場合には第1の演算方式を選択
する選択手段を備えるとともに、選択手段により選択さ
れた演算方式に従って輝度値を演算するように演算手段
を構成したものである。請求項4の発明は、複数の測光
信号の最高値が高いほどグループの数が多くなるように
グループを予め設定したものである。さらに、請求項5
の発明は、複数のグループのうち少なくとも2つのグル
ープが互いに重複するようにグループを予め設定したも
のである。
【0007】
【作用】上記測光信号に悪影響を与えるノイズは、通
常、例えば図7(a)に示すように時間に応じてある程
度の周期性を持って発生するので、測光手段から1個づ
つ時系列的に取出される各測光信号は、全てが同量のノ
イズ成分を含んでいるのではなく、図示の如くノイズの
周期に応じたノイズ成分をそれぞれ含むことになる。し
たがって、複数の測光信号を平均すれば、図7(b)の
ようにノイズ成分が相殺され、真の輝度値成分だけを取
出すことが可能となる。本発明では、例えば測光信号の
最高値が所定値未満の場合には、複数の測光信号の平均
値を求め、この平均値に基づいて輝度値を演算する第2
の演算方式が選択されるので、全ての測光信号のレベル
が低い場合でもそのノイズ成分を相殺することができ、
測光をやり直すことなくほぼ正確な輝度値を得ることが
できる。
【0008】
【実施例】
−第1実施例− 図1〜図7により本発明の第1実施例を説明する。 《光学系の説明》図2はカメラの光学系の構成を示す図
である。撮影レンズ1を通過した被写体光は、クイック
リターンミラー2,拡散スクリーン3,コンデンサレン
ズ4およびペンタプリズム5を介して接眼レンズ6にて
観察される。一方、拡散スクリーン3によって拡散され
た被写体光の一部は、コンデンサレンズ4,ペンタプリ
ズム5,測光用プリズム7およびレンズ8を介して測光
用の受光素子9に導かれる。
【0009】《測光用受光素子および制御系の説明》受
光素子9は、例えばCCDセンサのような蓄積型の光電
変換素子から成り、図1に示すように、受光蓄積部91
と、転送部92と、電圧変換部93と、蓄積ゲート部9
4と、タイミング回路95とから構成される。受光蓄積
部91は、図3に示す如く、撮影画面全体に相当する被
写界を測光するように配置された横20個,縦12個の
合計240個のセグメントをマトリクス状に配置して成
り、各セグメントで発生した電荷を蓄積する。
【0010】タイミング回路95は、クロック発生回路
14から入力されるマスタークロックにより電荷の転送
に必要なクロックパルスを作成して転送部92へ入力
し、転送部92は、入力されたクロックパルスに従っ
て、受光蓄積部91で蓄積した電荷を1画素ずつ時系列
的に取出し、その都度電圧変換部93へ転送する。電圧
変換部93は、送られてきた240個の画素の電荷信号
を電圧レベル値にそれぞれ変換し、これを測光信号とし
て出力端子からA/D変換部13へ出力する。A/D変
換部13は、電圧変換部93からの測光信号(電圧信
号)をコンピュータが認識可能な数値信号に変換して出
力する。また蓄積ゲート部94は、制御回路100を構
成する蓄積時間設定部12からのパルス信号を受けて受
光蓄積部91に電荷蓄積の開始と終了を指令するゲート
である。
【0011】制御回路100は、上記蓄積時間設定部1
2と、補正データ算出部16と、輝度算出部17と、露
出演算部18と、選択部19とから成り、蓄積時間設定
部12は、輝度算出部17及び露出演算部18からの情
報を基に、次回蓄積時における最適な蓄積時間を演算し
て蓄積電荷量の調整を行う。その内容に付いては後で詳
述する。
【0012】補正データ算出部16は、装着された撮影
レンズのレンズ内ROM15からレンズ情報を入力し、
これに基づいて補正係数を求める。選択部19は、A/
D変換回路13からの測光信号に基づいて後述する第1
の演算方式および第2の演算方式のいずれかを選択す
る。輝度算出部17は、補正データ算出部16からの補
正係数と、蓄積時間設定部12から入力した蓄積時間
と、A/D変換部13からの測光信号とを用いて、選択
部19で選択された演算方式に従って輝度値を算出す
る。
【0013】露出演算部18は、輝度算出部17からの
輝度信号を受けて露出演算を行い、適正露出値を算出す
るとともに、適正露出に対する絞り値およびシャッター
スピード値を求める。そして、不図示のレリーズボタン
が押されると、ミラー2がはね上げられ、絞り10及び
シャッター11が所定の値に制御され、露出制御が行わ
れる。
【0014】《輝度値の演算方式の説明》次に、上述し
た第1,第2の演算方式について説明する。測光信号に
悪影響を与えるノイズは、通常、例えば図7(a)に示
すように時間に応じてある程度の周期性を持って発生す
るので、測光手段から1個づつ時系列的に取出される各
測光信号は、ノイズの周期に応じたノイズ成分をそれぞ
れ含んでいる。したがって、複数の測光信号を平均すれ
ば、図7(b)のようにノイズ成分が相殺され、真の輝
度値成分だけを取出すことが可能となる。
【0015】そこで本実施例では、複数の測光信号から
各測光領域に対応する個々の輝度値をそれぞれ演算する
第1の演算方式の他に、複数の測光信号の平均値を求
め、この平均値に基づいて輝度値を演算する第2の演算
方式を用意し、測光信号に応じていずれかを選択するよ
うにしている。その詳細については後述する。
【0016】《蓄積時間を設定する必要性についての説
明》次に、蓄積時間設定部12によって受光素子9の蓄
積時間を調整する必要性について説明する。一般に、カ
メラの輝度値演算装置に要求される測光範囲は、EV0
〜EV20、すなわちダイナミックレンジにして20E
V程度であるが、現在のCCDはダイナミックレンジが
高々10EV程度しかない。そこで、CCDの蓄積時間
を調整して要求される測光範囲を、主要被写体を含む最
適レベルに設定する必要が生じる。
【0017】具体的には、被写界での輝度値がEV0〜
EV20であると、標準的な撮影レンズを装着した場合
での受光素子面上での照度はおよそ0.01Lx〜10
000Lxである。受光素子の感度は、約20V/lx
・Sであり、飽和出力は約2Vであるので、蓄積時間が
10μSである時には測光範囲は約EV10〜EV20
であり、蓄積時間が10mSである時には測光範囲はE
V0〜EV10となる。すなわち、受光素子の蓄積時間
を10μS〜10mSの範囲で調節することにより、初
めてカメラの輝度値演算装置に要求される測光範囲であ
るEV0〜EV20のダイナミックレンジが実現可能に
なる。
【0018】なお、CCDを用いて測光を行う場合に
は、上記理由により1回の測光での測光範囲は10EV
の範囲に限定されるが、銀塩フィルムのダイナミックレ
ンジは10EVよりも更に小さいので問題はない。
【0019】《メインアルゴリズムの説明》図4は上記
制御回路100によるメインアルゴリズムを示すフロー
チャートである。例えばレリーズ釦が半押し操作される
と制御回路100内で図4のプログラムが起動され、ま
ずステップ#101でフラグkを初期値である1にセッ
トする。このフラグkは、これから行う測光動作が1回
目の測光であるか否かを判別するためものであり、k=
1の場合には1回目の測光を、k=0の場合には2回目
以降の測光であることを示す。
【0020】ステップ#102でk=1、すなわち1回
目の測光であると判定されると、ステップ#103でk
=0とし、次いでステップ#104で蓄積時間tを予め
決められた値であるt1にセットし、受光素子9の蓄積
動作を行わしめる。ここではt1=10μS、すなわち
測光範囲はEV10〜EV20とする。ステップ#10
5では、タイミング回路95から発生する所定の電荷読
みだしパルスにより、240個の測光信号を転送部92
及び電圧変換部93を通して読みだし、A/D変換部1
3によって数値に変換せしめた後に不図示のメモリに格
納する。ここでは、A/D変換の分解能を10ビット、
すなわち0から1023までとする。
【0021】ステップ#106では、2回目の測光の蓄
積時間tを予め決められた値であるt2にセットし、再
度蓄積を行う。ここではt2=10mS、すなわち測光
範囲はEV0〜EV10とする。ステップ#107で
は、ステップ#105と同様に測光信号を読みだし、デ
ータを上述とは別のメモリへ格納する。ステップ#10
8では2つの測光信号を合成する。つまり、蓄積時間t
=t1の時の測光範囲はEV10〜EV20であり、蓄
積時間t=t2の時の測光範囲はEV0〜EV10であ
るから、これら2回の測光結果を基にダイナミックレン
ジがEV0〜EV20である測光信号を作成する。具体
的に言うと、ステップ#105で得られたt=t1にお
ける240個の輝度データを検索し、測光下限値以下で
ある領域、すなわちEV10以下である領域については
t=t2の時の測光信号を測光結果とし、そうでない領
域についてはt=t1の時の測光信号を測光結果とす
る。この時に、蓄積時間の違いによる出力の違いを補正
するために、t1のデータに対しては、t2/t1をそ
れぞれ乗ずるものとする。その後、処理はステップ#1
11に進む。
【0022】一方、上記ステップ#102でk=1でな
い、すなわち2回目以降の測光と判定されるとステップ
#109に進み、蓄積時間tをメモリから読みだし、こ
の蓄積時間tにて上記蓄積動作を行わしめる。ここで、
蓄積時間tは前回の測光信号に基づいて求められるもの
であり、その求め方については後で詳述する。
【0023】ステップ#110では、ステップ#105
と同様に測光信号を読みだしてメモリへ格納し、ステッ
プ#111では、上記ステップ#108あるいはステッ
プ#110で得られた240個の測光信号(A/D変換
値)の最大値Vmaxを求める。ステップ#112でV
max=0と判定された場合、すなわち全てのA/D変
換値が0であり、輝度値を算出することが不可能な場合
には、ステップ#113で蓄積時間を変更して再測光を
行う。この場合、数式1に示すように、次回の蓄積時間
tを、前回の蓄積時間の2の10乗倍、すなわち102
4倍にすれば、前回の測光でA/D変換値が1であった
ものが丁度最高値を超える1024となるので都合がよ
い。
【数1】t=1024×t
【0024】一方、ステップ#112でVmax≠0と
判定された場合はステップ#114に進み、Vmax<
8か否かを判定する。Vmax≧8の場合には、個々の
測光信号が全て有効であると見なし、上述した第1の演
算方式を選択してステップ#115に進む。ステップ#
115では、第1の演算方式に従って輝度値を算出す
る。すなわち、240領域の輝度値BV(m,n)を、
【数2】 BV(m,n)=log(V(m,n)・k(m,n)/t)/log(2) により求める。ここで、V(m,n)は、図3における
マトリクス状の複数の測光領域のそれぞれ左からm番
目、下からn番目の領域の測光信号を示し、BV(m,
n)はその測光信号に応じた輝度値を示している。また
右辺に対して2を底とする対数をとっているのは、アペ
ックス方式に基づく輝度値に変換するためであり、BV
(m,n)の単位は(EV)もしくは(BV)である。
k(m,n)は補正データ算出部16によって求められ
る補正係数で、レンズ内ROM15から入力した開放絞
り値,射出瞳位置,ビグネッティング情報等から求めら
れる撮影レンズの各測光領域に固有の補正係数であり、
実験またはシミュレーションによりあらかじめ各測光領
域に対応させて求められているものである。
【0025】ここで、A/D変換値が0であった領域に
ついては、そのままでは代入できないのでA/D変換値
を0.5に置き換えて輝度値を求める。すなわち、A/
D変換値が0の領域に対しては、A/D変換値が1であ
った領域に対して輝度値(単位:BV)において1段暗
いものと見なす。次いでステップ#116でiに1を代
入する。このiは、上記第1の演算方式および第2の演
算方式のいずれが選択されたかを記憶するものであり、
第1の演算方式が選択された場合には上述の如く1が代
入され、第2の演算方式が選択された場合には2が代入
される。
【0026】一方、上記ステップ#112でVmax<
8と判定された場合、すなわち全ての測光信号が小さ
く、ノイズ成分の占める割合が大きいと判断される場合
には、ステップ#117に進んでフィルム巻き上げモー
ドが1駒モードか連続モードかを判定する。フィルム巻
き上げモードは、不図示のフィルム巻き上げモード切換
手段によって撮影者が切り換えるものである。1駒モー
ドであった場合には、比較的ゆっくり測光を行うことが
できるので、ステップ#118で蓄積時間tを変更し、
再測光を行うべくステップ#102に戻る。この場合、
数式3に示すように、次回の蓄積時間tを、前回の蓄積
時間の2の7乗倍、すなわち128倍にすれば、前回の
測光でA/D変換値が8であったものが最高値を丁度超
える1024となるので都合がよい。
【数3】t=128×t
【0027】一方、連続モードと判定された場合には、
再測光をする時間の余裕がないので、第2の演算方式を
選択してステップ#119に進む。ステップ#119で
は現在の測光信号に基づいて第2の演算方式に従って輝
度値を求める。すなわち、この場合は各測光信号が小さ
く、ノイズ成分の占める割合が大きいのでそのまま輝度
値を算出したのでは誤差が大きくなってしまう。そこ
で、上述したように240個の測光値を平均してノイズ
成分を相殺させる。具体的には数式4に示す如く、24
0個のA/D変換値の平均をとれば良い。
【数4】Vave=ΣV(m,n)/240 (ただし、m=1〜20,n=1〜12)
【0028】ステップ#120では、求めた平均値Vav
eを用いて、
【数5】 BVave=log(Vave・k)/t)/log(2) により平均輝度値BVaveを求める。補正係数kは、例
えば数式2のk(m,n)を用いて、
【数6】k=Σk(m,n)/240 により求めても良いが、平均値用のkを別にあらかじめ
求めて用意しておくと良い。ステップ#121ではiに
2を代入して第2の演算方式が選択されたことを記憶
し、次いでステップ#122に進む。
【0029】ステップ#122では、上記ステップ#1
15あるいはステップ#120で求められた輝度値に基
づいて適正露出値BVansを求める。BVansの求め方に
ついては後で詳述する。ステップ#123では、次回の
測光時における蓄積時間tを演算し、所定のメモリに格
納する。この蓄積時間演算方法についても後で詳述す
る。
【0030】ステップ#124で不図示のレリーズ釦が
全押しされていないと判定されるとステップ#125に
進み、半押し操作の有無を判定する。半押し操作されて
いると判定されるとステップ#102に戻り、半押し操
作されていないと判定されると処理を終了させる。ステ
ップ#124で全押しされたと判定されるとステップ#
126に進み、上記求められた適正露出値BVansに基
づいて絞り10、シャッター11を駆動し露出制御を行
う。その後、ステップ#127で1駒モードか否かを判
定し、肯定されると処理を終了させ、否定されると、す
なわち連続モードが設定されている場合にはステップ#
102に戻る。
【0031】以上の手順によれば、測光用受光素子9で
得られた複数の測光信号の最高値Vmaxが8未満で、
かつフィルム給送モードが連続モードの場合には、第2
の演算方式が採用され、全測光信号の平均値Vaveに基
づいて輝度値BVaveが演算される。上述したように測
光信号を平均することにより、周期性をもつノイズ成分
が相殺されてほとんど0になって輝度値成分のみが取出
されるから、測光をやり直すことなくある程度正確な輝
度値を求めることができ、この輝度値から露出値を演算
することができる。したがって連続モードにおける各撮
影時に露出値を迅速に求めることができ、速写性を確保
できる。
【0032】一方、測光信号の最高値Vmaxが8未満
でも、フィルム給送モードが1駒モードの場合には時間
的余裕があるので、再度測光を行う。さらに、測光信号
の最高値Vmaxが8以上の場合には、各測光信号に含
まれるノイズ成分の割合が無視できるほど小さいので、
第1の演算方式が採用され、個々の測光信号に基づいて
個々の輝度値が演算される。そして、これらの輝度値か
ら後述するように露出値が演算される。したがってより
適正な露出値で撮影を行える。
【0033】《露出演算の説明》次に、上記ステップ#
122における露出演算の詳細を図5のサブルーチンフ
ローチャートにより説明する。まずステップ#201で
i=2か否かを判定する。i=2の場合には、240個
の測光信号を平均して1つの輝度値しか求められていな
いので、その輝度値が適正露出値となる。すなわちステ
ップ#202でBVans=BVaveとする。i≠2の場合
に、ステップ#203に進み、各測光領域に対応して得
られる240個の輝度値BV(m,n)のうち、輝度値
が16.3EVを超えるものについてはデータを16.
3EVに置換する。これは、被写体の中に太陽などの1
6.3EVを超える超高輝度の物体が含まれていた場合
には、それらの影響を強く受けてしまうので、影響を最
小限に抑えるための処置である。
【0034】ステップ#204では240個の測光デー
タが全て16.3EVに置換されたか否かを判定し、肯
定されるとBVans=16.3とし、否定されるとステ
ップ#206において、各輝度値BV(m,n)から、
BVmax,BVmin,BVh,BVl,BVm,BVcwをそれぞれ求める。これ
らの変数の内容は以下の通りである。 BVmax:240個の輝度値のうち、最高輝度のもの
(ただし、16.3を超えることはない) BVmin:240個の輝度値のうち、最低輝度のもの BVh :240個の輝度値のうち、高輝度側から24
領域の平均輝度値 BVl :240個の輝度値のうち、低輝度側から24
領域の平均輝度値 BVm :240個の輝度値の全ての平均値 BVcw :240個の輝度値BV(m,n)のうち、8
≦m≦13、かつ、4≦n≦9の36領域(図3にAで
示す領域)の平均輝度値 なお、ここではBVh及びBVlを求める際に、24領域
の平均値をとったが、24領域に限ったものではなく、
これより多くても少なくてもかまわない。また、BVcw
に付いても同様に36領域の平均値に限ったものではな
く、被写界の中央付近の出力であれば良い。
【0035】次いでステップ#207では、BVmax−
BVmin<2か否かを判定し、肯定された場合には、最
大輝度値と最小輝度値との差が小さいので極めてフラッ
トなシーンであると見なせる。したがって、この場合は
どの領域の測光値を選択してもほとんど変わらないの
で、ステップ#208において、適正露出値として信頼
性の高い中央の36領域の平均輝度値を代入する。すな
わちBVans=BVcwとする。
【0036】ステップ#207が否定されるとステップ
#209に進み、BVh−BVl<2か否かを判定する。
肯定された場合には、高輝度領域と低輝度領域との差が
小さくほぼフラットなシーンであると見なせるから、ス
テップ#210において、
【数7】BVans=(BVh+BVl+BVcw)/3 により適正露出値BVansを求める。
【0037】ステップ#209が否定されるとステップ
#211に進み、BVm−BVcw>2か否かを判定す
る。肯定された場合には、平均輝度値に比べて中央の輝
度値が小さい、つまり中央部が暗いので逆光であるとみ
なし、ステップ#212で
【数8】BVans=(BVl+BVcw)/2 により適正露出値BVansを求める。
【0038】ステップ#211が否定されるとステップ
#213に進み、BVcw−BVm>2か否かを判定す
る。肯定された場合には、平均輝度値に対して中央部の
輝度値が大きい、つまり中央部が明るいのでスポットラ
イトを浴びているようなシーンであると見なし、ステッ
プ#214で、BVans=BVcwとする。
【0039】ステップ#213が否定されるとステップ
#215に進み、BVh−BVm<0.5か否かを判定す
る。肯定された場合には、高輝度領域と平均輝度値との
差が小さく画面内に小さな暗い被写体が存在するシーン
であると見なし、ステップ#216で、
【数9】BVans=(2・BVm+BVl)/3 により適正露出値BVansを求める。
【0040】ステップ#215が否定されるとステップ
#217に進み、BVm−BVl<0.5か否かを判定す
る。肯定された場合には、低輝度領域と平均輝度値との
差が小さく画面内に小さな明るい被写体が存在するシー
ンであるとみなし、ステップ#218で、
【数10】BVans=(2・BVm+BVh)/3 により適正露出値BVansを求める。
【0041】ステップ#217が否定されると、上記の
どのシーンにも当てはまらないものは、いわゆる一般的
なシーンであると見なし、るとステップ#219で、
【数11】BVans=(BVm+BVcw)/2 により適正露出値BVansを求める。
【0042】《最適蓄積時間の演算方法の説明》図6
は、上記図4のステップ#123における蓄積時間演算
の詳細を示すサブルーチンフローチャートである。まず
ステップ#301でi=2か否かを判定し、i=2の場
合には、全ての測光信号のA/D変換値が8未満である
ので、ステップ#302において、次回の蓄積時間tと
して前回の蓄積時間tを128倍したものを与える。こ
れは、tを128倍にすれば、前回の測光でA/D変換
値が8であったものが丁度最高値を超える1024とな
るので都合がよいからである。
【0043】一方、i≠2の場合には、ステップ#30
3でBVmax−BVmin<10か否かを判定する。肯定さ
れた場合には、240個の測光データ全てが1回の測光
ダイナミックレンジに収まっているとみなし、ステップ
#304で次回の測光基準レベルBVtを、
【数12】BVt=(BVmax+BVmin)/2 により求める。ここで、BVtは、ある蓄積時間で測光
を行った場合において、測光信号の飽和レベルのちょう
ど1/2にあたる測光信号を与える輝度値であり、例え
ば測光範囲がEV10〜EV20の場合には、BVt=
15である。
【0044】ステップ#303が否定された場合には、
前回の測光において、測光上限値以上または測光下限値
以下のデータが存在したことを意味するから、ステップ
#305で前回の測光における高輝度測光限界データの
数Nmaxをカウントする。ステップ#306では、ステ
ッップ#305と同様に、前回の測光における低輝度測
光限界データの数Nminをカウントする。ステップ#3
07では前回の測光における測光基準レベルBVtを、
【数13】BVt=log(0.32/t)/log2 に従って求める。ここで、tは前回の測光における蓄積
時間である。例えば、t=0.01秒の場合、BVt=
5となる。
【0045】次いでステップ#308では、次回の測光
基準レベルBVtを、前回の測光基準レベルを用いて、
【数14】BVt=BVt+(Nmax−Nmin)/10 により求める。この式は、NmaxがNminより多い場合に
は高輝度測光限界データが多いので、次回の測光基準レ
ベルを上げる方向に、逆にNminの方がNmaxより多い場
合には低輝度測光限界データが多いので、次回の測光基
準レベルを下げる方向に働く。ここで、Nmax−Nminを
1/10にすることによってレベルシフト量の最適化を
はかっているが、これは、1/10に限らずそれぞれ最
適化した値を使用してかまわない。
【0046】ステップ#309ではBVt>15か否か
を判定し、肯定された場合には、測光基準レベルが測光
上限を超えてしまっているので、ステップ#310で次
回の測光基準レベルBVtを測光上限の15とする。こ
のとき、測光範囲はEV10〜EV20となる。ステッ
プ#309が否定されるとステップ#311に進み、B
Vt<5か否かを判定する。ステップ#311が肯定さ
れた場合には、測光基準レベルが測光下限を超えてしま
っているので、ステップ#312で次回の測光基準レベ
ルBVtを測光下限の5とする。このとき、測光範囲は
EV0〜EV10となる。また、ステップ#311が否
定されるとステップ#313に進む。
【0047】ステップ#303では、上記ステップ#3
04,#308,#310,#312のいずれかで求め
られたBVtから、次回の蓄積時間tを、
【数15】t=0.32/(2^BVt) によって求め、このtをメモリの所定番地に格納する。
ここで、^マークは、べき乗を表すものとする。
【0048】以上の手順において、ステップ#114,
#117の判定処理は選択部19で行われ、ステップ#
122の処理は露出演算部18で行われ、ステップ#1
23の処理は蓄積時間設定部12で行われ、ステップ#
124以降の処理は不図示の露出制御部で行われ、その
他の処理は輝度算出部17で行われる。また以上の実施
例の構成において、受光素子9が分割測光手段を、輝度
算出部17が演算手段を、選択部19が選択手段をそれ
ぞれ構成する。
【0049】−第2実施例− 上述の第1実施例では、測光信号の全てを平均して平均
輝度値を算出するようにしたが、測光信号の一部を用い
て平均輝度値を算出するようにしてもかまわない。ま
た、測光信号を複数のグループにグループ分けして、そ
のグループ毎に平均測光値を算出するようにしてもよ
い。そこで、図8〜図11に示す本発明の第2実施例で
は、上述の第1実施例における第2の演算方式におい
て、測光領域を複数のグループに分けてそのグループ毎
に平均測光値を算出し、この際、測光信号の最大値Vm
axが小さくなるに従って段階的にグループ数を減らし
ている。それ以外の光学系、受光素子等の構成要素は上
述の第1実施例と同じであるため、第1実施例と同一の
符号により構成要素を示し、その具体的説明は省略す
る。また、メインアルゴリズム、露出演算および蓄積時
間算出における処理手順についても第1実施例と共通す
る部分があり、この共通部分についても具体的説明を省
略する。
【0050】《メインアルゴリズムの説明》図8は、本
実施例のメインアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。図8のフローチャートに示すプログラムは、第1実
施例の図4のフローチャートにおいてステップ#112
が否定された時点で起動する。まず、ステップ#401
では、ステップ#110で得られた240個の測光信号
の最大値Vmax<64であるか否かが判定され、Vm
ax≧64の場合には個々の測光信号が全て有効である
と見なし、ステップ#402へ進む。ステップ#402
では、第1実施例のステップ#115と同様に、上述し
た第1の演算方式に従って240個の領域全てについて
輝度値を算出する。輝度値の算出方法については上述の
第1実施例と同様であるため説明を省略する。ついでプ
ログラムはステップ#403へ進み、演算方式判別用の
変数iに1を代入して図4のステップ#122に戻る。
【0051】一方、上記ステップ#401でVmax<
64と判定された場合、ステップ#404に進んでVm
ax<32であるか否かを判定する。64>Vmax≧
32の場合には全ての測光信号がやや小さく、ノイズ成
分の占める割合が無視できないと判断して第2の演算方
式を選択し、ステップ#405へ進む。ステップ#40
5では、図10(a)に示すように240個の受光素子
セグメントを等しく16分割した測光平均領域BA1
(縦3×横5セグメントからなる)を設定し、それぞれ
の測光平均領域BA1に属する受光素子セグメントから
得られる15個の測光信号の平均値から平均輝度値を1
6個求める。平均輝度値の算出方法は上述の第1実施例
と同様であるためその説明を省略する。ついでプログラ
ムはステップ#406へ進み、演算方式判別用の変数i
に2を代入して測光平均領域BA1および第2の演算方
式が選択されたことを記憶し、図4のステップ#122
に戻る。
【0052】一方、上記ステップ#404でVmax<
32と判定された場合、ステップ#407に進んでVm
ax<16であるか否かを判定する。32>Vmax≧
16の場合には全ての測光信号がさらに小さく、ノイズ
成分の占める割合が無視できないと判断して第2の演算
方式を選択し、ステップ#408へ進む。ステップ#4
08では、図10(b)に示すように240個の受光素
子セグメントを等しく4分割した測光平均領域BA2
(縦6×横10セグメントからなる)を設定し、それぞ
れの測光平均領域BA2に属する受光素子セグメントか
ら得られる60個の測光信号の平均値から平均輝度値を
4個求める。ついでプログラムはステップ#409へ進
み、演算方式判別用の変数iに3を代入して測光平均領
域BA2および第2の演算方式が選択されたことを記憶
し、図4のステップ#122に戻る。
【0053】一方、上記ステップ#407でVmax<
16と判定された場合、ステップ#410に進んでVm
ax<8であるか否かを判定する。16>Vmax≧8
の場合には全ての測光信号がより小さく、ノイズ成分の
占める割合がかなり大きいと判断して第2の演算方式を
選択し、ステップ#411へ進む。ステップ#411で
は、図10(c)に示すように240個の受光素子セグ
メントを等しく2分割した測光平均領域BA3(縦6×
横20セグメントからなる)を設定し、それぞれの測光
平均領域BA3に属する受光素子セグメントから得られ
る120個の測光信号の平均値から平均輝度値を2個求
める。ついでプログラムはステップ#412へ進み、演
算方式判別用の変数iに4を代入して測光平均領域BA
3および第2の演算方式が選択されたことを記憶し、
のステップ#122に戻る。
【0054】一方、上記ステップ#410でVmax<
8と判定された場合、すなわち全ての測光信号が非常に
小さく、ノイズ成分の占める割合が相当大きいと判断さ
れる場合には、第2の演算方式を選択してステップ#4
13に進む。ステップ#413では、上述の第1実施例
と同様に、第2の演算方式に従って240個の測光値を
平均した値から1つの平均輝度値BVaveを求める。ス
テップ#413における測光平均領域は240個の受光
セグメント全体であると考えることができる。ついでプ
ログラムはステップ#414へ進み、演算方式判別用の
変数iに5を代入して測光平均領域および第2の演算方
式が選択されたことを記憶し、図4のステップ#122
に戻る。
【0055】このようにして、測光信号の最大レベルが
小さくなるに連れて徐々に平均輝度値を求める測光平均
領域の大きさを広げて、測光信号を平均化することによ
り適正輝度値が得られないおそれを回避してノイズ成分
除去と適正輝度値算出という課題の双方を解決してい
る。
【0056】《露出演算の説明》次に、本実施例におけ
る露出演算の詳細を図9のサブルーチンフローチャート
により説明する。図9のフローチャートに示すプログラ
ムは、図4においてプログラムがステップ#122へ進
んだ時点で開始する。まずステップ#501でi=5か
否かを判定する。i=5の場合には、240個の測光信
号を平均して1つの平均輝度値しか求められていないの
で、その輝度値が適正露出値となる。すなわちステップ
#502でBVans=BVaveとする。i≠5の場合にス
テップ#503に進み、i=2〜4か否かを判定する。
i=2〜4の場合には、それぞれ15個、60個、12
0個の測光信号を平均して16個、4個、2個の平均輝
度値が求められているので、適正露出値としてBVmin
を与える。BVminとは、求められた平均輝度値のうち
最低輝度、すなわち最も暗い輝度値を示す。これは、被
写界中において最も暗い領域に主要被写体が存在する確
率が高いためである。i≠2〜5、すなわちi=1の場
合には240個の輝度値が全て求められているので、図
5のステップS203へ戻って上述の第1実施例と同様
の手法により適正露出値が求められる。
【0057】《最適蓄積時間の演算方法の説明》図11
は、本実施例における蓄積時間演算の詳細を示すサブル
ーチンフローチャートである。図11のフローチャート
に示すプログラムは、図4においてプログラムがステッ
プ#123へ進んだ時点で開始する。まず、ステップ#
601でi=5か否かを判定し、i=5の場合には、全
ての測光信号のA/D変換値が8未満であるので、ステ
ップ#602において、次回の蓄積時間tとして前回の
蓄積時間tを128倍したものを与える。これは、上述
のごとく、tを128倍にすれば、前回の測光でA/D
変換値が8であったものが丁度最高値を超える1024
となるので都合がよいからである。
【0058】一方、i≠5の場合には、ステップ#60
3でi=4か否かを判定し、i=4の場合には、全ての
測光信号のA/D変換値が16未満であるので、ステッ
プ#604において、次回の蓄積時間tとして前回の蓄
積時間tを64倍したものを与える。64倍した理由
は、上述のステップ#602において蓄積時間tを12
8倍したのと同様である。
【0059】また、i≠4、5の場合には、ステップ#
605でi=3か否かを判定し、i=3の場合には、全
ての測光信号のA/D変換値が32未満であるので、ス
テップ#606において、次回の蓄積時間tとして前回
の蓄積時間tを32倍したものを与える。
【0060】さらに、i≠3〜5の場合には、ステップ
#607でi=2か否かを判定し、i=2の場合には、
全ての測光信号のA/D変換値が64未満であるので、
ステップ#607において、次回の蓄積時間tとして前
回の蓄積時間tを16倍したものを与える。
【0061】そして、i≠2〜5の場合には、全ての測
光信号のA/D変換値が64以上であるので、図6のス
テップ#303へ戻って上述の第1実施例と同様の手法
により最適蓄積時間が演算される。
【0062】以上の手順において、ステップ#401、
#404、#407、#410の判定処理は選択部19
で行われ、ステップ#501、#503の判定処理は露
出演算部18で行われ、ステップ#601、#603、
#605、#607の判定処理は蓄積時間設定部12で
行われる。
【0063】−第3実施例− 図12〜図14により本発明の第3実施例を説明する。
本実施例は、上述の第2実施例において測光領域のグル
ープ分けを変更したものであり、その変更部分を中心に
説明して共通部分の説明を簡略化する。
【0064】《メインアルゴリズムの説明》図12は、
本実施例のメインアルゴリズムを示すフローチャートで
ある。図12のフローチャートに示すプログラムは、第
1実施例の図4のフローチャートにおいてステップ#1
12が否定された時点で起動する。まず、ステップ#7
01では、ステップ#110で得られた240個の測光
信号の最大値Vmax<64であるか否かが判定され、
Vmax≧64の場合には個々の測光信号が全て有効で
あると見なし、ステップ#702へ進む。ステップ#7
02では、第1実施例のステップ#115と同様に、上
述した第1の演算方式に従って240個の領域全てにつ
いて輝度値を算出する。ついでプログラムはステップ#
703へ進み、演算方式判別用の変数iに1を代入して
図4のステップ#122に戻る。
【0065】一方、上記ステップ#701でVmax<
64と判定された場合、ステップ#704に進んでVm
ax<32であるか否かを判定する。64>Vmax≧
32の場合には第2の演算方式を選択し、ステップ#7
05へ進む。ステップ#705では、図13(a)に示
すように、240個の受光素子セグメントからなる測光
領域内に縦2×横2セグメントからなる測光平均領域を
重複して設定し、それぞれの測光平均領域に属する受光
素子セグメントから得られる4個の測光信号の平均値か
ら平均輝度値を求める。
【0066】測光平均領域の設定手順を、図14を用い
て説明する。図14は、240個の受光素子セグメント
のうち任意の20個のセグメントを取り出して示した図
であり、各セグメントはそれに付された番号(1〜2
0)で示す。最初の測光平均領域は、1、2、6および
7番の4個の受光素子セグメントを備え、これら4個の
受光素子セグメントから得られる測光信号の平均値を、
1番の受光素子セグメントから得られる測光信号として
その輝度値を求める。次いで測光平均領域は図中右へ1
個平行移動し、今度は2、3、7および8番の4個の受
光素子セグメントからの測光信号の平均値が2番のセグ
メントから得られる測光信号としてその輝度値が求めら
れる。このようにして、測光平均領域は順次右方へ、お
よび上方へ移動し、240個の受光セグメント全てにつ
いての平均が終了すると、これら240個のセグメント
のうち最上行および最右列を除いた209個の平均輝度
値が求められる。
【0067】本実施例のごとく測光平均領域を重複して
設定すると、上述の第2実施例のように240個の受光
セグメントを等しく分割して測光平均領域を設定した場
合に比較して平均輝度値の数を多くすることができ(第
2実施例では240/4=60個の平均輝度値しか得ら
れない)、測光の分解能を落とすことなく平均化処理が
できる、という利点がある。
【0068】ついでプログラムはステップ#706へ進
み、演算方式判別用の変数iに2を代入して測光平均領
域および第2の演算方式が選択されたことを記憶し、
のステップ#122に戻る。
【0069】一方、上記ステップ#704でVmax<
32と判定された場合、ステップ#707に進んでVm
ax<16であるか否かを判定する。32>Vmax≧
16の場合にはステップ#708へ進む。ステップ#7
08では、図13(b)に示すように、240個の受光
素子セグメントからなる測光領域内に縦6×横10セグ
メントからなる測光平均領域C、HL、HR、BL、B
Rを重複して設定し、それぞれの測光平均領域C、H
L、HR、BL、BRに属する受光素子セグメントから
得られる60個の測光信号の平均値から平均輝度値を5
個求める。ついでプログラムはステップ#709へ進
み、演算方式判別用の変数iに3を代入して測光平均領
域C、HL、HR、BL、BRおよび第2の演算方式が
選択されたことを記憶し、図4のステップ#122に戻
る。
【0070】一方、上記ステップ#707でVmax<
16と判定された場合、ステップ#710に進んでVm
ax<8であるか否かを判定する。16>Vmax≧8
の場合にはステップ#711へ進む。ステップ#711
では、図13(c)に示すように、240個の受光素子
セグメントからなる測光領域内に縦6×横20セグメン
トからなる測光平均領域H、M、Bを重複して設定し、
それぞれの測光平均領域H、M、BFに属する受光素子
セグメントから得られる120個の測光信号の平均値か
ら平均輝度値を3個求める。ついでプログラムはステッ
プ#712へ進み、演算方式判別用の変数iに4を代入
して測光平均領域H、M、Bおよび第2の演算方式が選
択されたことを記憶し、図4のステップ#122に戻
る。
【0071】一方、上記ステップ#710でVmax<
8と判定された場合には、第2の演算方式を選択してス
テップ#713に進む。ステップ#713では、上述の
第1実施例と同様に、第2の演算方式に従って240個
の測光値を平均した値から1つの平均輝度値BVaveを
求める。ついでプログラムはステップ#714へ進み、
演算方式判別用の変数iに5を代入して測光平均領域お
よび第2の演算方式が選択されたことを記憶し、図4
ステップ#122に戻る。以降の処理手順は上述の第2
実施例と同様である。
【0072】なお以上では、蓄積型の測光素子を用いた
例を示したが、複数の測光信号を時系列的に出力するタ
イプの素子であれば蓄積型に限定されない。また、測光
領域の分割の仕方も実施例に限定されない。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数の測光領
域に関する測光信号を時系列的に出力する分割測光手段
を備えたカメラの輝度値算出装置において、複数の測光
信号から各測光領域に対応する個々の輝度値を演算する
か、あるいは複数の測光信号の平均値に基づいて輝度値
を演算するかについて、複数の測光信号の最高値が所定
値未満の場合に後者を選ぶようにしたので、測光信号に
対してノイズが占める割合が大きいときに確実にそのノ
イズ成分を相殺できる。また、請求項2の発明によれ
ば、複数の測光領域に関する測光信号を時系列的に出力
する分割測光手段を備えたカメラの輝度値算出装置にお
いて、複数の測光信号から各測光領域に対応する個々の
輝度値を演算するか、あるいは複数の測光信号の平均値
に基づいて輝度値を演算するかについて、複数の測光信
号の最高値が所定値未満であり、かつ連続モードの場合
に後者を選ぶようにしたので、連続撮影時に測光をやり
直すことなく適正な露出値を求めることができ、迅速に
各駒の撮影を行える。また、時間的に余裕がある1駒撮
影モード時には前者を選ぶので、再度測光をやり直すこ
とによってより正確な輝度値を演算でき、その輝度値に
基づいて適正な露出値を得ることができるから、露出ミ
スを最小限に抑制できる。請求項3の発明によれば、複
数の測光領域に関する測光信号を時系列的に出力する分
割測光手段を備えたカメラの輝度値算出装置において、
複数の測光信号から各測光領域に対応する個々の輝度値
を演算するか、あるいは複数の測光領域を複数のグルー
プに分け、少なくとも1つのグループに属する測光領域
からの測光信号の平均値に基づいて輝度値を演算するか
について、複数の測光信号の最高値が所定値未満の場合
に後者を選ぶようにしたので、測光信号に対してノイズ
が占める割合が大きいときに確実にそのノイズ成分を相
殺できる。さらに、測光領域を複数のグループに分けて
このグループに属する測光領域からの測光信号の平均値
に基づいて輝度値を算出しているので、請求項1のよう
に全ての測光領域からの測光信号を平均化する場合に比
較して、適正輝度値が与えられる確率が高くなる。特
に、請求項4の発明によれば、測光信号の最高値が高く
なるほどグループの数を増やしているので、ノイズ成分
の大きさに対応して適切なグループ分けができて適正輝
度値が与えられる確率をさらに高めることができる。ま
た、請求項5の発明によれば、複数のグループが互いに
重複するようにグループ分けしているので、同一数の測
光領域を含むグループを数多く設定することができ、適
正輝度値が与えられる確率をさらに高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る輝度値演算装置の第1実施例を示
すブロック図である。
【図2】光学系の構成を示す図である。
【図3】測光領域の分割の仕方を示す図である。
【図4】第1実施例の動作を説明するメインのフローチ
ャートである。
【図5】第1実施例の露出演算サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図6】第1実施例の蓄積時間算出サブルーチンを示す
フローチャートである。
【図7】測光信号に含まれるノイズ成分を相殺する原理
を説明する図である。
【図8】第2実施例の動作を説明するメインのフローチ
ャートである。
【図9】第2実施例の露出演算サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図10】第2実施例の測光平均領域の分割の仕方を示
す図である。
【図11】第2実施例の蓄積時間算出サブルーチンを示
すフローチャートである。
【図12】第3実施例の動作を説明するメインのフロー
チャートである。
【図13】第3実施例の測光平均領域の分割の仕方を示
す図である。
【図14】第3実施例の測光平均領域の設定方法を示す
図である。
【符号の説明】 1 撮影レンズ 2 クイックリターンミラー 3 拡散スクリーン 4 コンデンサレンズ 5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ 7 測光用プリズム 8 測光用レンズ 9 受光素子 10 絞り 11 シャッター 12 蓄積時間設定部 13 A/D変換回路 14 クロック発生回路 15 レンズ内ROM 16 補正データ算出部 17 輝度演算部 18 露出演算部 19 選択部 91 受光部 92 転送部 93 電圧変換部 94 蓄積ゲート 95 タイミング回路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写界を複数の測光領域に分割して測光
    し、各測光領域の輝度に関する測光信号をそれぞれ時系
    列的に取出して出力する分割測光手段と、この分割測光
    手段からの各測光信号に基づいて輝度値を演算する演算
    手段とを備えたカメラの輝度値演算装置において、 前記複数の測光信号から各測光領域に対応する個々の輝
    度値をそれぞれ演算する第1の演算方式、および前記複
    数の測光信号の平均値を求め、この平均値に基づいて輝
    度値を演算する第2の演算方式を有し、前記複数の測光
    信号の最高値が所定値未満の場合には前記第2の演算方
    式を選択し、それ以外の場合には前記第1の演算方式を
    選択する選択手段を備え、 前記演算手段は、前記選択手段により選択された演算方
    式に従って前記輝度値を演算することを特徴とするカメ
    ラの輝度値演算装置。
  2. 【請求項2】被写界を複数の測光領域に分割して測光
    し、各測光領域の輝度に関する測光信号をそれぞれ時系
    列的に取出して出力する分割測光手段と、この分割測光
    手段からの各測光信号に基づいて輝度値を演算する演算
    手段とを備えたカメラの輝度値演算装置において、 前記複数の測光信号から各測光領域に対応する個々の輝
    度値をそれぞれ演算する第1の演算方式、および前記複
    数の測光信号の平均値を求め、この平均値に基づいて輝
    度値を演算する第2の演算方式を有し、前記複数の測光
    信号の最高値が所定値未満であり、かつ1駒モードおよ
    び連続モードのうち連続モードの場合には前記第2の演
    算方式を選択し、それ以外の場合には前記第1の演算方
    式を選択する選択手段を備え、 前記演算手段は、前記選択手段により選択された演算方
    式に従って前記輝度値を演算することを特徴とするカメ
    ラの輝度値演算装置。
  3. 【請求項3】被写界を複数の測光領域に分割して測光
    し、各測光領域の輝度に関する測光信号をそれぞれ時系
    列的に取出して出力する分割測光手段と、この分割測光
    手段からの各測光信号に基づいて輝度値を演算する演算
    手段とを備えたカメラの輝度値演算装置において、 前記複数の測光信号から各測光領域に対応する個々の輝
    度値をそれぞれ演算する第1の演算方式、および前記複
    数の測光領域を複数のグループに分け、少なくとも1つ
    の前記グループに属する測光領域からの測光信号の平均
    値を求め、この平均値に基づいて輝度値を演算する第2
    の演算方式を有し、前記複数の測光信号の最高値が所定
    値未満の場合には前記第2の演算方式を選択し、それ以
    外の場合には前記第1の演算方式を選択する選択手段を
    備え、 前記演算手段は、前記選択手段により選択された演算方
    式に従って前記輝度値を演算することを特徴とするカメ
    ラの輝度値演算装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のカメラの輝度値演算装置
    において、 前記複数の測光信号の測光信号の最高値が高いほど前記
    グループの数が多くなるように前記グループが予め設定
    されていることを特徴とするカメラの輝度値演算装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載のカメラの輝度値
    演算装置において、 前記複数のグループのうち少なくとも2つのグループが
    互いに重複するように前記グループが予め設定されてい
    ることを特徴とするカメラの輝度値演算装置。
JP13078993A 1992-09-25 1993-06-01 カメラの輝度値演算装置 Expired - Lifetime JP3409362B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13078993A JP3409362B2 (ja) 1992-09-25 1993-06-01 カメラの輝度値演算装置
US08/122,291 US5450163A (en) 1992-09-25 1993-09-17 Photometric device for camera

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25696792 1992-09-25
JP4-256967 1992-09-25
JP13078993A JP3409362B2 (ja) 1992-09-25 1993-06-01 カメラの輝度値演算装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06160935A JPH06160935A (ja) 1994-06-07
JP3409362B2 true JP3409362B2 (ja) 2003-05-26

Family

ID=26465829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13078993A Expired - Lifetime JP3409362B2 (ja) 1992-09-25 1993-06-01 カメラの輝度値演算装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3409362B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4576658B2 (ja) * 2000-02-29 2010-11-10 ソニー株式会社 撮像装置、撮像方法及び撮像プログラム
JP2010204870A (ja) 2009-03-03 2010-09-16 Funai Electric Co Ltd 入力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06160935A (ja) 1994-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6441856B1 (en) Digital camera, having a flash unit, which determines proper flash duration through an assessment of image luminance and, where needed, a preliminary flash emission
JP2592904B2 (ja) カメラ
JPS6356966B2 (ja)
JPH0427530B2 (ja)
JP3106720B2 (ja) カメラの測光制御装置
JP3178107B2 (ja) カメラの測光制御装置
JP3409362B2 (ja) カメラの輝度値演算装置
JP2001021961A (ja) 撮像装置及びその制御方法
JPH09274224A (ja) ストロボ装置
JP3070300B2 (ja) カメラの測光装置
JP3240705B2 (ja) カメラの測光装置
US20100322614A1 (en) Exposure control unit and imaging apparatus
JPH03164727A (ja) 焦点検出測光装置
JPS62198722A (ja) 測光装置
JP3456215B2 (ja) カメラの測光装置
JPH09113953A (ja) カメラの測光領域が可変な輝度測光装置及び方法
JPH06288821A (ja) カメラの測光装置
JPH1032750A (ja) 電子スチルカメラ
JPH06148715A (ja) カメラの測光装置
JP3624471B2 (ja) 測光装置
JP3505323B2 (ja) 自動露出調整装置
JP3141027B2 (ja) カメラ
JP2898711B2 (ja) 露出制御装置
JPH10170993A (ja) 撮影装置
JP4102201B2 (ja) 測光装置、電子カメラ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term