JPH09160088A - 測光装置 - Google Patents

測光装置

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JPH09160088A
JPH09160088A JP7324427A JP32442795A JPH09160088A JP H09160088 A JPH09160088 A JP H09160088A JP 7324427 A JP7324427 A JP 7324427A JP 32442795 A JP32442795 A JP 32442795A JP H09160088 A JPH09160088 A JP H09160088A
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Hiroyuki Iwasaki
宏之 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設定された測光モードによって最適な目標値
を設定することにより、測光エラーを減少させ、測光効
率がよく信頼性の高い測光装置を提供する。 【解決手段】 蓄積型の測光素子を用いて被写界を複数
領域に分割して測光し、その複数領域に応じた複数の測
光出力を出力する測光回路10と、複数の測光モードを
設定可能な測光モード設定部21と、測光モード設定部
21の設定に応じて、測光回路10の出力の目標値を設
定する目標レベル設定部23と、測光回路10の出力と
そのときの蓄積時間と目標レベル設定部23の目標値と
に基づいて、測光素子の新たな蓄積時間を決定する蓄積
時間設定部12とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体の輝度を測
定する測光装置に関し、特に、カメラの自動露出制御等
に好適に用いられる測光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来の測光装置の一例を示す
ブロック図である。測光回路50からの測光出力は、A
/D変換器51によって数値化された後に、演算部5
2、蓄積時間設定部53、判定部55に接続される。演
算部52は、A/D変換器51の出力に基づいて、測光
値を演算する。蓄積時間設定部53は、A/D変換器5
1の出力に基づいて、次回測光時の出力が目標値近傍と
なるように、次回蓄積時の蓄積時間を算出し、蓄積制御
部54に出力する。また、判定部55は、A/D変換器
51の出力に基づいて、今回の測光出力が測光ダイナミ
ックレンジ内に入っているか否かを判定し、判定結果を
蓄積制御部54に出力する。蓄積制御部54は、蓄積時
間設定部53からの蓄積時間及び判定部55の判定結果
に基づいて、測光回路50を制御する。この蓄積制御部
54は、今回の測光出力が測光ダイナミックレンジに入
っていない場合には、測光値を無効として、測光回路5
0に測光をやり直す等の制御を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の測光装
置においては、前回の測光出力とその蓄積時間とから次
回の蓄積時間を設定する、いわゆるソフトウェアAGC
方式が採用れている。このソフトウェアAGC方式は、
前回と次回とで被写界輝度がほぼ同一であるという仮定
に基づいている。しかし、実際には、被写界の輝度は、
時事刻々変化している場合も多く、特にカメラの測光装
置等の場合には、カメラのフレーミングが変化すること
によって測光装置に入射する光量も容易に変化してしま
う。更に、被写体を照らす光源が蛍光灯などの場合には
電源周波数に同期して光量が揺らぎを起こす、いわゆる
フリッカー現象が起きるので、次回の測光時の光量を予
測するのが極めて困難である。そのために、予測通りの
測光出力が得られないことも多かった。
【0004】上述した測光装置においては、判定部55
は、測光値の有効/無効を判定する判定値に、常に同じ
値を用いていた。また、蓄積時間設定部53も、次回の
蓄積時間を設定する測光出力の目標値に、常に同じ値を
用いていた。ところが、測光装置によっては、複数の測
光モードを有するものもある。例えば、カメラの測光装
置では、被写界を分割して測光する分割測光モード、被
写界の中央部を重点的に測光する中央重点測光モード、
被写界のごく狭い領域を測光するスポット測光モードな
どである。それらの異なるモードは、使用する測光出力
の領域や領域数、測光出力の演算の方法などが異なって
いる
【0005】しかし、上記従来の測光装置においては、
それに関する配慮が一切なされていないので、測光モー
ドによっては、有効である測光データが無効と判定され
たり、逆に、無効であるデータが有効と判定されたり、
また、蓄積時間設定のための目標値が不適当であるため
に、測光データが無効になってしまうなどの不都合が生
じていた。
【0006】そこで、本発明は、設定された測光モード
によって最適な目標値を設定することにより、測光エラ
ーを減少させ、測光効率がよく信頼性の高い測光装置を
提供することを課題としている。また、本発明は、測光
モードによって有効/無効の判定値を最適化することに
より、測光エラーを減少させ、無駄がなく信頼性の高い
測光装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写
界を複数領域に分割して測光し、その複数領域に応じた
複数の測光出力を出力する測光回路と、複数の測光モー
ドを設定可能な測光モード設定部と、前記測光モード設
定部の設定に応じて、前記測光回路の出力の目標値を設
定する目標値設定部と、前記測光回路の出力とそのとき
の蓄積時間と前記目標値設定部の目標値とに基づいて、
前記測光素子の新たな蓄積時間を決定する蓄積時間決定
部とを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、設定する測光
モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択
することを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、大きさの異な
る複数の測光領域を設定可能であり、前記目標値設定部
は、前記測光領域が小さいほど目標値を低くすることを
特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、被写界の特定
領域の輝度値を算出する第1のモードと、前記測光回路
の出力を基に被写界の複数領域についての複数の輝度値
を算出する第2のモードとを設定可能であり、前記目標
値設定部は、前記第1のモードでの目標値を前記第2の
モードでの目標値よりも低く設定することを特徴とす
る。
【0011】請求項5の発明は、蓄積型の測光素子を用
いて被写界を複数領域に分割して測光し、その複数領域
に応じた複数の測光出力を出力する測光回路と、前記測
光回路の出力とそのときの蓄積時間とに基づいて、前記
測光素子の新たな蓄積時間を決定する蓄積時間決定部
と、複数の測光モードを設定可能な測光モード設定部
と、前記測光モード設定部の設定に応じて、基準値を設
定する基準値設定部と、前記基準値と前記測光回路の出
力とに基づいて、前記測光回路の出力が有効か無効かを
判定する有効性判定部とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項6の発明は、請求項5に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、設定する測光
モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択
することを特徴とする。
【0013】請求項7の発明は、請求項5に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、大きさの異な
る複数の測光領域を設定可能であり、前記基準値設定部
は、前記測光領域が小さいほど前記基準値を低くするこ
とを特徴とする。
【0014】請求項8の発明は、請求項5に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、被写界の特定
領域の輝度値を算出する第1のモードと、前記測光回路
の出力を基に被写界の複数領域についての複数の輝度値
を算出する第2のモードとを設定可能であり、前記基準
値設定部は、前記第1のモードでの基準値を前記第2の
モードでの基準値よりも低く設定することを特徴とす
る。
【0015】請求項9の発明は、請求項5に記載の測光
装置において、前記測光モード設定部は、設定する測光
モードによって前記複数領域の内の使用する領域を選択
し、前記有効性判定部は、前記使用領域の内の最高輝度
の出力値と前記基準値とを比較して、前記出力値の方が
大きいときに、前記測光回路の出力を有効と判定するこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係わるカメラの測光装置の概略の構成を示すブロック
図である。測光回路10から出力された測光データは、
A/D変換部11によって数値化された後に、蓄積時間
設定部12、有効性判定部13、領域作成部14へ出力
される。蓄積時間設定部12は、A/D変換部11から
の出力と、目標レベル設定部23からの出力と、前回の
蓄積時間とに基づいて、次回の測光出力値が目標値にな
るように、次回の蓄積時間を設定し、蓄積制御部24へ
出力する。次回蓄積時間の求め方は、後に詳しく説明す
る。
【0017】有効性判定部13は、A/D変換部11か
らの出力と、判定レベル設定部22からの出力とから、
前回の測光出力が有効であるか無効であるかを判定し、
その出力は、蓄積制御部24へ接続される。有効性の判
定方法は後述する。
【0018】領域作成部14は、測光モード設定部21
からの情報に基づいて、そのときの測光モードに応じた
測光領域を形成するように、A/D変換部11の出力を
加工する。領域作成部14によって領域化されたデータ
は、輝度算出部15に出力される。
【0019】測光モード設定部21は、次のような3種
類の測光モードが設定可能である。すなわち、被写界を
複数に分割して、それぞれの輝度値を算出し、それら複
数の輝度値に基づいて、適正露出値を算出する分割測光
モード(以後、AMPモードと呼ぶ)、被写界の中央部
を重点的に測光する中央重点モード(以後、CWモード
と呼ぶ)、被写界のごく狭い領域を測光するスポット測
光モード(以後SPモードと呼ぶ)の3種類である。
【0020】AMPモードの場合には、図3に示すよう
に、240領域全てについての輝度値を求めるために、
各々の領域を全て独立した測光領域とみなす。CWモー
ドの場合には、図3の中央部に示した52領域を1領域
とみなして、それらの測光出力を乎均する。SPモード
の場合には、更に中心部の4領域を1領域とみなして、
それらの測光出力を平均化する。
【0021】輝度算出部15は、領域作成部14によっ
て領域化されたデータを、レンズデータ記憶部16から
の撮影レンズ内に格納された撮影レンズの焦点距離、開
放絞り値、射出瞳位置、ケラレ情報等のレンズデータに
基づいて補正し、領域毎の輝度値を算出する。露出演算
部17は、輝度算出部15からの出力と、測光モード設
定部21からの情報に基づいて、設定された測光モード
に応した露出演算を行い、公知の手法により適正露出値
を算出する。
【0022】露出制御部18は、不図示のカメラのレリ
ーズボタンが押されることにより、露出演算部17によ
って求められた適正露出値に基づいて、ミラー2、絞り
19、シャッタ20を制御することにより、フィルムへ
の露光を行う。
【0023】蓄積制御部24は、蓄積時間設定部12に
よって設定された蓄積時間に従って、測光回路10の制
御を行って次回の測光を行う。蓄積を行うタイミング
は、通常、露出演算部17による露出演算が終了した後
であるが、有効性判定部13によって前回の測光データ
が無効と判定された場合には、露出演算を行わずに直ち
に次回の測光を開始する。
【0024】目標レベル設定部23は、測光モード設定
部21からの情報に基づいて、設定された測光モード毎
に最適な測光目標レベルを設定し、蓄積時間設定部12
へ出力する。また、判定レベル設定部22も同様に、測
光モード設定部21からの情報に基づいて、設定された
測光モード毎に最適な有効性判定の基準値を設定し、有
効性判定部13へ出力する。
【0025】ここで、A/D変換部11、蓄積時間設定
部12、有効性判定部13、領域作成部14、輝度算出
部15、露出演算部17、判定レベル設定部22、目標
レベル設定部23、及び蓄積制御部24は、全て制御回
路であるマイクロプロセッサ(以下、マイコンと略す)
100によって実現される。マイコン100内のプログ
ラムについては後に詳しく説明する。
【0026】図2は、本発明の実施形態の光学系を示す
ブロック図である。撮影レンズ1を通過した光束は、ク
イックリターンミラー2、拡散スクリーン3、コンデン
サレンズ4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通っ
て、撮影者の目に到達する。一方、光束の一部は、拡散
スクリーン3によって拡散された後に、コンデンサレン
ズ4、ペンタプリズム5、測光用プリズム7、測光用レ
ンズ8、を通して測光素子9へ到達する。
【0027】図3は、測光素子9の分割状態を被写界に
照らし合わせて示した図である。測光素子9は、例えば
CCD等の蓄積型センサーによって構成されており、上
下方向に12分割、左右方向に20分割された合計24
0領域からなり、被写界のほぼ全面を分割して測光でき
るようになっている。また、使用する測光領域は、測光
モード設定部21の設定によって、選択されるようにな
っている。具体的には、AMPモードが選択されている
場合には、240領域全ての領域の測光出力を演算に用
い、CWモードが選択されている場合には、図3に示し
た被写界の中央付近の52個の測光領域のみを使用し、
SPモードが選択されている場合には、被写界の中央部
の4領域のみを使用する。
【0028】図4は、測光素子9の構造を分かりやすく
示した図である。撮像画素25は、上下方向に12画
素、左右方向に20画素に分割された光電変換部から成
っている。また、撮像画素25の隣には、図中に斜線で
塗りつぶして示したように、撮像画素と構成はほぼ同等
であるが光電変換部が遮光されている補正用画素26
が、上下方向に3行、左右方向に20画素に分割された
形で配置されている。補正用画素26の出力は、暗電流
補正、アンプゲイン補正等に用いられる。アンプゲイン
の補正については本発明には直接関係ないので説明を省
略するが、暗電流補正については後に説明を加える。蓄
積が終了すると、撮像画素25及び補正用画素26の電
荷情報は、各画素に隣接して配置されている不図示のH
レジスタによって1列ずつVレジスタ27へ転送され、
更に、Vレジスタによって1画素ずつ出力回路28へ出
力される。出力回路28は、各画素信号の電荷出力を電
圧に変換した後に、1倍(ゲインL)又は4倍(ゲイン
H)のアンプによって増幅した後に、測光素子9から出
力させる。
【0029】図5は、測光素子9の不図示のVout端
子から出力される出力信号の信号形態を示した図であ
る。図中には、Vレジスタ1列分の信号が示されてい
る。各出力信号は、信号取り込みのための同期クロック
SYNCの立ち下がりに同期して取り込まれる。まず最
初に、基準電圧となるVorefが出力される。各画素
の信号成分は、このVorefを基準として電位の低い
方向に現れる。従って、各画素信号は、全てVoref
からの差として求められる。次に、暗電流信号であるV
opbが出力される。その後に、このVopb成分を再
びVorefレベルにクランプする処理が行われる。従
って、これ以降の出力は、全てこのVopb成分が差し
引かれた形となって出力される。更に、アンプゲイン補
正用の出力V1、V2が出力され、その後に12個の測
光データが出力され、1列分の出力を完了する。この動
作を20回繰り返すことにより、1画面分の読み出しが
完了する。
【0030】図6は、Vopbと測光素子9の出力ダイ
ナミックレンジとの関係を分かりやすく示した図であ
る。既に述べたように、Vopb出力後に、再び、Vo
refレベルへのクランプを行うことにより、V1以降
の出力は、実線で示したように全てVopb成分が除去
された形で出力されている。ところが、クランプを行わ
なければ、出力は、点線で示したようなものになってい
るはずである。測光素子9の出力ダイナミックレンジ
は、出力回路の構成上、各信号出力とVopbとの和に
よって制限されている。すなわち、点線で示した出力値
が飽和電圧に達したところで出力の上限となる。従っ
て、Vopbが大きければ大きいほど、測光成分の出力
ダイナミックレンジは、小さくなる。
【0031】図7(A)は、一般的な撮影における被写
界の構図を示した図であり、図7(B)は、測光素子9
の出力ダイナミックレンジと被写界内の輝度分布との関
係を分かりやすく示した図である。図7(B)のグラフ
において、縦軸は測光出力であり、出力上限の飽和レベ
ル(3.4V)と下限のノイズレベル(40mV)の間
の出力がダイナミックレンジとなっている。測光出力が
この範囲内に収まっていれば輝度値が算出可能である。
【0032】図7(A)に示したような構図では、画面
内に雲、空、木、人物等の異なる輝度の被写体が存在し
ており、それぞれの測光領域の出力レベルが異なってい
る。今、画面内の輝度分布がAMPモードで示した矢印
のように、雲が一番輝度が高く、続いて、空、木、人物
の順であったとする。AMPモードの場合には、全ての
測光領域の出力を用いるので、これらの出力全てがダイ
ナミックレンジ内に収まっていることが望ましい。
【0033】CWモードの場合には、図7(A)に示し
たように、画面中央付近の出力しか使用しないので、使
用する領域の出力分布は、図7(B)に示したように、
AMPモードに比べて狭くなっている。また、SPモー
ドの場合には、CWモードよりも更に小さい範囲しか用
いないので、その出力分布は、CWモードよりも更に狭
くなっている。つまり、一般的な傾向として、使用する
測光領域数が少なくなると、それらの輝度分布範囲も狭
くなることが分かる。
【0034】図8は、各測光モードにおいて、測光素子
9の蓄積時間の設定の仕方についての説明図である。図
8の縦軸は、測光回路10の出力電圧を対数表示で示し
たものである。一番左側の矢印で示した範囲が測光ダイ
ナミックレンジである。AMPモードの場合には、図7
に説明したように、画面内に輝度の異なる複数の被写体
が存在する確率が高いので、ダイナミックレンジを最大
限利用できるような設定が望ましい。従って、図8に示
したように、出力の最大値が比較的レベルの高い2.5
6V付近に来るように、前回の測光出力と蓄積時間とか
ら次回の蓄積時間の設定を行う。飽和レベルぎりぎりと
せずに2.56Vとしたのは、多少の誤差を見込んで出
力がオーバーフローしないようにするためである。
【0035】CWモードの場合には、AMPモードより
も輝度範囲が狭いと考えられるので、最大値の目標を
1.28V付近に設定する。AMPモードよりも低い値
を設定したもう一つの理由は、測光出力が目標値通りに
ならない場合があり、その場合にも出力がオーバーフロ
ーしないようにするためである。例えば、蛍光灯などの
ように電源周波数に応じて明るさが脈動する、いわゆる
フリッカー光源を測光する場合では、前回の測光時と次
回の測光時とでは、フリッカーにより光源の輝度が異な
っているために、最適蓄積時間を正確に予測することが
極めて困難である。従って、そのような場合を考慮し
て、あらかじめ目標値を低めに設定しておけば、被写体
輝度が予測値を上回った場合でも、オーバーフローして
測光出力が無効になってしまうことを防止できる。但
し、あまり目標値を低くしすぎると、被写界の暗い部分
の測光出力がノイズレベルに埋もれてしまい、正確な測
光値が算出できなくなるので注意が必要である。
【0036】SPモードの場合には、CWモードよりも
更に輝度範囲が狭いと考えられるので、最大値の目標を
更に下げて、640mV付近に設定する。設定値を低く
取った理由は、CWモードの時と同様である。
【0037】図9は、各測光モードにおける測光回路1
0の測光出力と測光出力有効性の判定レベルとの関係を
示した図である。図9の縦軸は、測光回路10の出力電
圧を対数表示で示したものである。一番左側の矢印で示
した範囲が測光ダイナミックレンジである。AMPモー
ドの場合には、図7に説明したように、画面内に輝度の
異なる複数の被写体が存在する確率か高く、また、アル
ゴリズム上からもそれら複数の被写体を別々の被写体と
して認識し、各測光領域毎にそれぞれの輝度値を算出可
能であることが望ましい。そのために、AMPモードに
おいては、一回の測光において、できるだけ輝度差のあ
る被写体を測光ダイナミックレンジ内に入れることが要
求される。従って、測光出力の最大値は、ある程度高い
レベルである必要がある。
【0038】もちろん、図12のAに示したように、被
写界内の輝度差か小さく、最高輝度の被写体と最低輝度
の被写体との両方が測光ダイナミックレンジに入ってい
た場合には、最高値が小さくてもかまわない。
【0039】ところが、図12のBで示したように、被
写界内の低輝度被写体の測光出力がノイズレベルである
Vun以下になってしまうと、その被写体の正確な輝度
が算出不可能になってしまう。上述したように、AMP
モードの場合には、被写界内の複数の被写体輝度を算出
することが要求されるので、図12のBのようなケース
では、測光出力の最高値があるレベル以下であれば、そ
の測光データが無効であると判定した方がよい。図9に
示したように、ここでは、そのレベルを640mVとし
ている。
【0040】CWモードのときには、AMPモードとは
多少条件が異なっている。CWモードは、既に説明した
ように、使用する測光領域内の測光出力を全て加算する
ことにより、あたかも1個の測光領域のように見せかけ
ている。そのために、測光領域内の高輝度領域の測光出
力の値が加算値に支配的な影響を与える。例えば、ある
被写体において、領域内の出力の分布が、図9のCWで
示したように最高値が160mVであり、最低値かノイ
ズレベルの40mVであったとする。この場合に、40
mVの出力の方は、これ以上被写体輝度が低くてもノイ
ズ成分があるために出力は下からない。
【0041】ここで今かりに、領域内の半数の出力が1
60mVであり、残りの半数が40mVであったとす
る。ところが、実際には、40mVの出力がもっと小さ
く、図の一番右のCW’に示したように、10mVのレ
ベルであったとする。しかし、上述のようなCWモード
の計算方法では、CWで示した出力値と一番右のCW’
の出力値とではわすか0.24EVの誤差しか生じな
い。このように、CWモードでは、使用領域内の出力が
ノイズレベル以下になっても、最高輝度の出力が支配的
であるので問題は生じにくい。従って、CWモードで
は、AMPモードよりも有効判定レベルを低く設定する
ことが可能である。ここでは、そのレベルを160mV
としている。
【0042】SPモードの場合には、上述したようにC
Wモードよりも更に領域内の輝度差が小さいことが予想
されるので、更に低い有効判定レベルを設定可能であ
る。ここではその値を80mVとしている。
【0043】図10は、マイコン100のプログラムを
示したフローチャートである。不図示のカメラのレリー
ズボタンが半押しされることによって、カメラの電源が
入り、本プログラムが実行される。まず、ステップS1
01において、電源立ち上げ後の最初の測光であるか否
かを判別する。最初の測光であった場合には、ステップ
S102において、測光素子9の初期化を行い、出力回
路28のゲインをL、蓄積時間tを10mSに設定す
る。この10mSの蓄積時間は、フリッカー周期の約1
周期分に相当するものである。蓄積時間をフリッカー周
期程度まで長くすると、蓄積中にフリッカーの強弱が相
殺されて、フリッカーの影響を受けにくい測光値を得る
ことができる。特に、初回の測光では、どの様な条件下
で測光が行われているかが分からないので、フリッカー
の影響を受けない測光値を得ることは、その後の安定し
た測光を行う上で重要である。
【0044】その後に、ステップS103において、測
光ループ変数であるFNを0に初期化し、更に、ステッ
プS104において、測光カウンターであるnを0にセ
ットする。
【0045】初回の測光でなかった場合には、ステップ
S105において、セットされた蓄積時間によって測光
を行い、240領域それぞれの測光データを読み出す。
ステップS106では、測光を行う毎にカウンターnに
1を加える。次に、ステップS107において、得られ
た測光データが有効であるか否かの判定を行う。判定の
仕方は、後にサブルーチンのフローチャートに従って説
明する。ステップS108では、次回測光時の蓄積時間
を算出する。次回蓄積時間の求め方は、後に詳しく説明
する。ステップS109では、次回測光時の測光素子9
のアンプゲイン(H/L)の設定を決定する。アンプゲ
インの設定方法についても後に詳しく説明する。
【0046】次に、ステップS110では、ステップS
107の結果に基づいて、今回の測光データが有効であ
ったか否かを判定し、有効であった場合には、ステップ
S111でFNを0にクリアして、ステップS117に
進み、有効でなかった場合には、ステップS112によ
ってFNに1を加える。
【0047】ステップS113では、FN=5であるか
否か、すなわち測光エラーか5回連続したか否かを判別
する。FN=5であった場合には、測光出力が長時間更
新されないために、撮影者にカメラが故障したと思われ
る可能性かあり、性能として望ましくないので、データ
が有効でなくてもその後の演算を行い、露出制御値を更
新するために、ステップS114において、FNをクリ
アして、次のステップへ進む。
【0048】FN=5でなかった場合には、ステップS
115において、電源立ち上げ後の2回目の測光である
か否か、すなわちn=2であるかを判定する。nが2で
ない場合には、ステップS105へ戻り、直ちに次の測
光を行う。n=2の場合には、ステップS116へ進
み、FN=2か、すなわち測光開始後の2回の測光の
内、2回とも測光データが無効であったか否かを判定す
る。FN=2であった場合には、電源立ち上げ後に、ま
だ、適正露出値の演算が1度も完了していないので、制
御すべき露出値がまた求められていない。従って、その
ときは、露出制御が不能となるので、撮影者がレリーズ
ボタンを押しても露光禁止としなければならない。露光
禁止期間か長いと速写性に欠けると共に、撮影者にカメ
ラか壊れたと思われる場合かあり、性能として望ましく
ない。そこで、露光禁止期間を最小限にとどめるため
に、データの有効性が確保されていなくても何らかの露
出制御値を算出するために、ステップS117へ進む。
【0049】1回目の測光ではなく、2回目の測光時
に、このような処理を施す理由は以下の通りである。1
回目の測光時は、ステップS102で説明したとおり、
蓄積時間が10mSに固定されているので、1回目の測
光でデータが有効になる確率は比較的少ない。2回目の
測光時には、1回目の測光データを基にして、蓄積時間
を調節しているので、データが有効である確率が高い。
そのために、1回目のデータが有効でなかった場合に
は、そのまま直ちに測光をやり直し、2回目の測光時に
速写性を確保するために、強制的に次のステップへ進ま
せるのである。
【0050】ステップS116において、FN=2でな
い場合には、電源立ち上げ後の1回は測光が成功してお
り、既に、1回目の適正露出値の演算が終了しているの
で、急ぐ必要はなく、ステップS105へ戻り、測光を
やり直す。
【0051】ステップS117では、測光データのアン
プゲイン補正及び測光光学系による測光出力値の補正を
するための各補正データを算出する。これらの補正デー
タは、本発明には直接関係しないので説明を省略する。
ステップS118では、得られた測光データと補正値と
に基づいて、設定された各測光モードに応じた方法によ
り、絶対輝度値を算出する。そして、ステップS119
では、求められた絶対輝度値を基にして設定された各測
光モードに応じた手法により適正露出値を算出する。適
正露出値の求め方は、本出願人による特開平6−952
00号公報等に詳しく記載されているので、ここでは説
明を省略する。
【0052】ステップS120では、不図示のレリーズ
ボタンが全押しされたか否かを判定し、その場合には、
ステップS121において、求められた適正露出値に基
づいてフィルムへの露光を行った後に、全押しでない場
合には、直接ステップS122へ進む。ステップS12
2において、半押しタイマーにより半押し解除後、所定
時間経過したか否かを判定し、半押し継続中または所定
時間内であった場合には、ステップS101へ戻って処
理を繰り返し、タイマー切れであった場合にはプログラ
ムを終了する。
【0053】図11は、測光データの有効性を判定する
サブルーチンを示すフローチャートである。図10のス
テップS107が実行されることにより、本サブルーチ
ンが呼び出されて実行される。まず、ステップS201
により、フラグTX及びTNを0にクリアする。TX
は、蓄積時間が最長時間に達した場合に1が立ち、TN
は最短時間に達した場合に1が立つフラグである。次
に、ステップS202において、設定された測光モード
がAMPモードであるか否かを判定し、そうでない場合
には、ステップS203に進み、CWモードであるか否
かを判定する。AMPモードであった場合には、ステッ
プS204において、有効判定レベルVokを640m
Vに設定する。CWモードであった場合には、ステップ
S205に進み、Vok=160mVに、SPモードで
あった場合には、ステップS206に進み、Vok=8
0mVに設定する。
【0054】次に、ステップS207によりVoma
x,Vopb、Vominを求める。Vomaxは、各
測光モードにおいて使用する測光領域の内の、測光デー
タの信号成分が最大である領域の測光データである。使
用する測光領域は、AMPモードの場合には240領域
全てであり、CWモードでは図3に示した52領域、S
Pモードでは中心部の4領域である。Vopbは、Vo
maxが存在する測光領域と同列にあるVopb出力で
ある。例えば、図5に示したデータ1からデータ12の
中にVomaxが存在した場合に、Vopbは、図中に
示したOPBとなる。Vominは、Vomaxと同様
に使用する測光領域の内の最小出力データである。
【0055】つぎに、ステップS208により、以下に
示す数式1が成立するか否かを判定する。 Vomax+Vopb<Vov …(1) ここで、Vovは、測光素子9の飽和出力電圧値であ
り、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発
性メモリに記憶されているものである。Vovの標準的
な値は、3.4V程度である。既に説明したように、測
光素子9の出力は、暗電流成分があらかじめ引かれた形
で出力されているために、信号成分と暗電流成分の合計
が測光素子9の飽和出力電圧値を越えることができな
い。従って、信号が飽和しているか否かを判別する際に
は、信号成分と暗電流成分との和を取った値で比較する
必要があるのである。
【0056】数式1が成立した場合には、ステップS2
09へ進み、オーバーフローフラグOVに0を代入し、
成立しなかった場合には、ステップS210へ進みOV
に1を代入する。ステップS211では、更に次の数式
2の判定を行う。 Vomin>Vun …(2) ここで、Vunは、測光素子9のノイズ電圧レベル値で
あり、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮
発性メモリに記憶されているものである。Vunの標準
的な値は、40mV程度である。数式2が成立していた
場合は、図12のAで示したように、最高出力も最低出
力も測光ダイナミックレンジ内に収まっている状態であ
るので、ステップS212によってアンダーフローフラ
グUNに0を代入し、有効性を示すフラグOKに1を代
入して処理を終了する。
【0057】ステップS211において、数式2が否定
の場合には、図12のBに示したようにオーバーフロー
はしていないが、アンダーフローであった場合であるの
で、ステップS214によりアンダーフローフラグUN
に1を代入する。続いて、ステップS215において、
数式3の判定を行う。 Vomax>Vok …(3) ここで、Vokは、設定された測光モードに基づいて、
ステップS204またはS205またはS206におい
て代入された値である。
【0058】数式3が肯定の場合には、アンダーフロー
ではあるが適正露出の演算に必要なダイナミックレンジ
が確保されているとみなして、ステップS216におい
て、OKに1を代入して処理を終了し、否定の場合に
は、ステップS217において、その回の蓄積時間in
tがint_maxか、すなわち設定可能な最長蓄積時
間であったか否かを判定する。最長蓄積時間であった場
合には、これ以上測光出力レベルを上げることは不可能
であるので、ステップS218において、最長蓄積時間
フラグTXに1を代入し、ステップS219において、
OKに1を代入する。フラグTXは、測光ダイナミック
レンジは確保されていないが、これ以上のレベル調整が
不可能であることを示しているので、適正露出演算時
に、このフラグを参照して特別な処理を行うこともでき
るが、それについては本発明に直接関係しないので説明
を省略する。ステップS217が否定の場合には、ステ
ップS220において、OKに0を代入する。
【0059】一方、ステップS208が否定であった場
合には、ステップS210において、オーバーフローフ
ラグOVに1を代入し、ステップS221において数式
2の判定を行う。ステップS221が肯定の場合には、
図12のCのように、オーバーフローしているが、アン
ダーフローしていない場合であり、否定の場合には、図
12のDのように、オーバーフローもアンダーフローも
している場合なので、それぞれの場合に応じて、ステッ
プS222及びステップS223において、アンダーフ
ローフラグUNに0または1を代入する。
【0060】続いて、ステップS224において、その
回の蓄積時間intがint_minか、すなわち設定
可能な最短蓄積時間であったか否かを判定する。最短蓄
積時間であった場合には、これ以上測光出力レベルを下
げることは不可能であるので、ステップS225におい
て、最短蓄積時間フラグTNに1を代入し、ステップS
226において、OKに1を代入する。フラグTNは、
測光ダイナミックレンジは確保されていないが、これ以
上のレベル調整が不可能であることを示しているので、
適正露出演算時に、このフラグを参照して特別な処理を
行うこともできるが、それについては本発明に直接関係
しないので説明を省略する。ステップS224が否定の
場合には、ステップS227において、OKに0を代入
し処理を終了する。
【0061】図13は、次回蓄積時間intを求めるサ
ブルーチンを示すフローチャートである。図10のステ
ップS108が実行されることにより、本サブルーチン
が呼び出されて実行される。本サブルーチンが呼び出さ
れる前には、電源立ち上げ後少なくとも1回は測光が行
われているので、直前の測光データがマイコン100内
の不図示のメモリに残っている。
【0062】まず、ステップS301において、設定さ
れた測光モードがAMPモードであるか否かを判定し、
そうでない場合には、ステップS302に進み、CWモ
ードであるか否かを判定する。AMPモードであった場
合には、ステップS303において、使用測光領域数を
示す変数pxに240を代入し、測光目標レベルVag
cを2.56Vに設定する。CWモードであった場合に
は、ステップS304に進み、px=52、Vagc=
1.28Vに設定する。SPモードであった場合には、
ステップS305に進み、px=4、Vagc=0.6
4Vに設定する。
【0063】次に、ステップS306では、S208と
同様に数式1の判定を、すなわち信号出力の最大値が飽
和していないか否かの判定を行う。数式1が肯定の場合
には、ステップS307へ進み、メモリに格納された測
光データが電源立ち上げ後の初回測光のものであるか否
かを判定し、そうであれば、ステップS308へ進んで
Vomax<40mVであるか否かを判定する。Vom
axが40mVより小だった場合には、被写界はかなり
暗いと予想される。また、電源立ち上げ時にレリーズボ
タンをすぐに全押しされた場合を想定して、できるだけ
早くに適正露出値を出力する必要があるので、この場合
には、ステップS309にあるように、測光素子9のゲ
インをHにし、1次回蓄積時間を40mSに無条件に決
定する。この40mSという数値は、カメラの測光装置
に要求される測光下限から、1回目の測光により検出不
可能であった明るさまでを、できるだけカバーできるよ
うな蓄積時間として使用する測光系に合わせて決定され
たものである。従って、この数値は、カメラに要求され
る連写性と、測光装置に要求される低輝度限界と、測光
系の明るさから最適値を決定すればよい。
【0064】ステップS308でVomaxが40mV
以上であった場合には、次回苔積時間を計算によって最
適化可能であるので、ステップS310へ進む。ステッ
プS310では、Vomax=0Vであるか否かを判定
し、そうであれば、ステップS311において、次回蓄
積時間を前回の4倍とする。ステップS310が否定の
場合には、ステップS312において、以下の数式4に
よって次回蓄積時間候補値int’を求める。 int’=int・Vagc/(Vomax+Vopb) …(4) 数式4の与えるint’の意味するところは、仮に前回
と次回の測光時の被写界の明るさが等しいとすると、i
nt’の蓄積時間で次回の測光を行えば、次回測光時に
求められるVomax+Vopbが、Vagcに等しく
なるというものである。ここで、intは前回の蓄積時
間、VagcはVomax+Vopbの目標値であり、
設定された測光モードに応じてステップS303または
ステップS304またはステップS305において設定
された値である。
【0065】次に、ステップS313では、以下に示す
数式5によって次回蓄積時間を決定する。 int=K・int’+(1−K)・int …(5) ここで、int’はステップS312で求めた新たな蓄
積時間値、intは前回の蓄積時間値、Kはフリッカー
光源などの下で測光した場合に蓄積時間値が急激に変化
しないための安定係数であり、前回の蓄積時間値に応じ
て、図14のような値を取る変数である。これを数式5
に当てはめて考えると、蓄積時間が10mS以下の場合
には、K=0.25であるので、次回の蓄積時間はin
tが3に対してint’が1の割合での加重平均とな
る。また、蓄積時間が20mS以上の場合には、フリッ
カーの影響はほとんどないのでK=1となり、int’
の値のみによって新たな蓄積時間の設定が行われる。蓄
積時間が10mSと20mSの中間では、数式6に示す
ように徐々にKの値が変化するようになっている。 K=0.075・int−0.5 …(6) 但し、intは前回の蓄積時間値である。蓄積時間in
tをフリッカーによって受ける影響の度合いによってあ
まり変化させないようにした方がよい理由は、本発明に
直接関係しないので説明は省略する。尚、Kの値に関し
ては、カメラの測光系や対象とする光源の特性によって
最適化することが望ましいので、図14の値に限定する
ものではない。
【0066】一方、ステップS306における数式2の
判定が否定だった場合には、ステップS314へ進み、
使用する測光領域の内オーバーフローした領域数をカウ
ントし、変数ovfへ代入する。ここで、オーバーフロ
ーとは、その領域の信号出力+暗電流出力がVovに達
しているか否かによって判定する。ovfの最小値は1
(飽和領域が1つだけ)、最大値はpx(使用する全領
域がオーバーフロー)である。ステップS315では、
ovf<px/16か否かを判定し、そうであれば、ス
テップS316において、次回蓄積時間intを前回の
蓄積時間の2分の1に設定する。次に、ステップS31
7では、ovf<px/8か否かを判定し、そうであれ
ば、ステップS318において、次回蓄積時間intを
前回の蓄積時間の4分の1に設定する。次に、ステップ
S319では、ovf<px/4か否かを判定し、そう
であれば、ステップS320において、次回蓄積時間i
ntを前回の蓄積時間の8分の1に設定する。次に、ス
テップS321では、ovf<px/2か否かを判定
し、そうであれば、ステップS322において、次回蓄
積時間intを前回の蓄積時間の16分の1に設定す
る。
【0067】ステップS321が否定の場合には、ステ
ップS323によって、前回の測光が電源立ち上げ後の
1回目の測光であったか否かを判定し、そうであった場
合には、図10で説明したように、次回測光結果が有効
無効に係わらず適正露出演算に用いられるので、オーバ
ーフローしないように、ステップS324において、次
回蓄積時間を短めの20μSに設定する。1回目の測光
でなかった場合にはステップS322の処理を行う。測
光データがオーバーフローしていた場合の処理では、ス
テップS315からステップS322までに見られるよ
うに、オーバーフローした測光領域の数が多ければ多い
ほど被写界が明るいとみなして、次回蓄積時間を前回よ
りも短くするにうにしている。
【0068】図15は、次回測光時の測光素子9内の出
力回路28のゲイン調整を行うサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。図10のステップS109が実行さ
れることにより、本サブルーチンが呼び出されて実行さ
れる。ステップS401では、出力回路28のゲイン設
定がゲインLであるか否かを判定する。ゲインLであっ
た場合には、ステップS402において、次回蓄積時間
intが、int>int_L_maxであるか否かを
判定する。ここで、int_L_maxは、ゲイン切り
換えのためのしきい値であり、40mS程度の数値を代
入すればよい。ステップS402を満たしている場合に
は、ステップS403へ進んで、次回の測光時にはゲイ
ンHに切り換え、蓄積時間intを図13で求めた値の
4分の1とする。
【0069】ステップS401が否定の場合には、ゲイ
ンHであるので、ステップS404において、int<
int_H_minであるか否かを判定し、そうであれ
ば、ステップS405によって、次回の測光時のゲイン
をLに、蓄積時間を図13で求めたintの4倍とす
る。ここで、int_H_minは、5mS程度の数値
を代入すればよい。また、上の例でも分かるように、i
nt_L_maxとint_H_minの比は、ゲイン
H/Lの比である4倍以上の値であることが望ましい。
これによって、測光データに多少の揺らぎがあっても、
ゲイン切り換えにヒステリシス特性ができるために、必
要以上にゲイン切り換えが行われて測光値が不安定にな
ることを防止できる。
【0070】次に、ステップS406では、次回の蓄積
時間があらかじめ設定された最小蓄積時間int_mi
nを下回っていないか否かを判定し、下回っていた場合
には、ステップS407により、蓄積時間をint_m
inにクリップする。同様に、ステップS408では、
次回蓄積時間があらかじめ定められた最大蓄積時間in
t_maxを上回っていないか否かを判定し、上回って
いた場合には、ステップS409により、蓄積時間をi
nt_maxにクリップする。ここではint_min
=10μS、int_max=100mSとするが、こ
の値は使用する測光光学系及び測光範囲などによって最
適化するのがよい。
【0071】尚、本実施形態においては、目標レベル設
定部23が請求項の目標値設定部に、蓄積時間設定部1
2が蓄積時間決定部に、AMPモードが第1のモード
に、CWモードまたはSPモードが第2のモードに、判
定レベル設定部22が有効性判定部にそれぞれ対応す
る。
【0072】前述した実施例では、中央重点測光、スポ
ット測光を画面中央を基準とした例で説明したが、他の
任意の位置、例えば、多点測距の測距領域などを基準と
した、重点測光、スポット測光であってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1に
よれば、測光モード設定部の設定に応じて測光回路の出
力の目標値を最適に設定させることにより、測光出力の
レベルを各測光モード毎に最適に制御可能になった。請
求項2によれば、設定する測光モードによって、複数領
域の内の使用する領域を選択することにより、使用する
領域に応じて最適な目標値を設定可能になった。請求項
3によれば、測光領域が小さいほど目標値を低くするよ
うにしたので、小さい測光領域の時に測光出力がばらつ
いて測光値がオーバーフローする確率が低くなった。請
求項4によれば、被写界の特定領域の輝度値を算出する
第1のモードでの目標値を、被写界の複数領域について
の輝度値を算出する第2のモードでの目標値よりも低く
設定することにより、比較的広い測光レンジを必要とし
ない第1のモードにおいて測光値がオーバーフローする
確率が低くなった。
【0074】請求項5によれば、測光モード設定部の設
定に応じて測光回路の出力が有効か無効かを判定する基
準値を最適化することにより、各測光モード毎に最適な
判定が行えるようになった。請求項6によれば、設定す
る測光モードによって、複数領域の内の使用する領域を
選択することにより、使用する領域に応じて最適な基準
値を設定可能になった。請求項7によれば、測光領域が
小さいほど基準値を低くするようにしたことにより、小
さい測光領域の時に測光出力が無効と判定される確率が
低くなる。請求項8によれば、被写界の特定領域の輝度
値を算出する第1のモードでの基準値を、被写界の複数
領域についての輝度値を算出する第2のモードでの基準
値よりも低く設定することにより、比較的広い測光レン
ジを必要としない第1のモードで測光値が無効であると
判定される確率が低くなった。請求項9によれば、有効
性判定部が使用領域の内の最高輝度の出力値と基準値と
を比較し、出力値の方が大きいときに、測光回路の出力
を有効とするようにしたことにより、有効/無効の判定
がより確実に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本実施形態の光学系を示した図である。
【図3】本実施形態の測光手段の分割状態を示す図であ
る。
【図4】本実施形態の測光素子の構造を示した図であ
る。
【図5】本実施形態の測光素子の測光出力の出力順序を
示した図である。
【図6】本実施形態の測光素子の測光出力レベルを示し
た図である。
【図7】被写界と測光出力についての説明図である。
【図8】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説明
図である。
【図9】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説明
図である。
【図10】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図であ
る。
【図11】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図であ
る。
【図12】測光出力とダイナミックレンジとの関係の説
明図である。
【図13】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図であ
る。
【図14】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図であ
る。
【図15】本実施形態のアルゴリズムを示す流れ図であ
る。
【図16】従来の技術を説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 クイックリターンミラー 3 拡散スクリーン 4 コンデンサレンズ 5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ 7 測光用プリズム 8 測光用レンズ 9 測光素子 10 測光素子 11 A/D変換部 12 蓄積時間設定部 13 有効性判定部 14 領域作成部 15 輝度算出部 16 レンズデータ 17 露出演算部 18 露出制御部 19 絞り 20 シャッター 21 測光モード設定部 22 判定レベル設定部 23 目標レベル設定部 24 蓄積制御部 25 撮像画素 26 補正用画素 27 Vレジスタ 28 出力回路 50 測光回路 51 A/D変換器 52 演算部 53 蓄積時間設定部 54 蓄積制御部 55 判定部 100 マイクロプロセッサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄積型の測光素子を用いて被写界を複数
    領域に分割して測光し、その複数領域に応じた複数の測
    光出力を出力する測光回路と、 複数の測光モードを設定可能な測光モード設定部と、 前記測光モード設定部の設定に応じて、前記測光回路の
    出力の目標値を設定する目標値設定部と、 前記測光回路の出力とそのときの蓄積時間と前記目標値
    設定部の目標値とに基づいて、前記測光素子の新たな蓄
    積時間を決定する蓄積時間決定部とを備えたことを特徴
    とする測光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって
    前記複数領域の内の使用する領域を選択することを特徴
    とする測光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、大きさの異なる複数の測光領
    域を設定可能であり、 前記目標値設定部は、前記測光領域が小さいほど目標値
    を低くすることを特徴とする測光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、被写界の特定領域の輝度値を
    算出する第1のモードと、前記測光回路の出力を基に被
    写界の複数領域についての複数の輝度値を算出する第2
    のモードとを設定可能であり、 前記目標値設定部は、前記第1のモードでの目標値を前
    記第2のモードでの目標値よりも低く設定することを特
    徴とする測光装置。
  5. 【請求項5】 蓄積型の測光素子を用いて被写界を複数
    領域に分割して測光し、その複数領域に応じた複数の測
    光出力を出力する測光回路と、 前記測光回路の出力とそのときの蓄積時間とに基づい
    て、前記測光素子の新たな蓄積時間を決定する蓄積時間
    決定部と、 複数の測光モードを設定可能な測光モード設定部と、 前記測光モード設定部の設定に応じて、基準値を設定す
    る基準値設定部と、 前記基準値と前記測光回路の出力とに基づいて、前記測
    光回路の出力が有効か無効かを判定する有効性判定部と
    を備えたことを特徴とする測光装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって
    前記複数領域の内の使用する領域を選択することを特徴
    とする測光装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、大きさの異なる複数の測光領
    域を設定可能であり、 前記基準値設定部は、前記測光領域が小さいほど前記基
    準値を低くすることを特徴とする測光装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、被写界の特定領域の輝度値を
    算出する第1のモードと、前記測光回路の出力を基に被
    写界の複数領域についての複数の輝度値を算出する第2
    のモードとを設定可能であり、 前記基準値設定部は、前記第1のモードでの基準値を前
    記第2のモードでの基準値よりも低く設定することを特
    徴とする測光装置。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の測光装置において、 前記測光モード設定部は、設定する測光モードによって
    前記複数領域の内の使用する領域を選択し、 前記有効性判定部は、前記使用領域の内の最高輝度の出
    力値と前記基準値とを比較して、前記出力値の方が大き
    いときに、前記測光回路の出力を有効と判定することを
    特徴とする測光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010014936A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Canon Inc 撮像装置およびその露出制御方法
JP2012220528A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Nikon Corp 測光装置およびカメラ
JP2013179484A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Canon Inc 撮像装置及び測光方法

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