JP3541265B2 - 測光装置及びカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の輝度を測定する測光装置及びそのような測光装置を用いて自動露出制御を行なうカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の測光装置としては、特開昭58−132735号公報に記載されているようなものがあった。この装置は、撮影中ないし撮影後一定期間、測光系及び測距系の動作を禁止するものである。具体的には、一眼レフカメラのようにクイックリターンミラーを備えたカメラにおいて、レリーズ中などのミラー上昇中には、測光系及び測距系には光が届かないことに着目し、その間は測光及び測距を禁止する信号を発生させるものである。
【0003】
また、一眼レフカメラにおいて、レリーズの前後で制御を変更する装置としては、特開昭58−111022号公報に示すようなものがあった。この装置は、連続撮影時において、初回のレリーズ前には開放測光を行い、その後は絞り込み測光に切り換えるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の測光装置は、蓄積型の測光素子を用いている場合に、測光には蓄積動作が必要なために、蓄積中には、測光光学系に光束を導き続けなければならない。しかし、一眼レフカメラにおけるレリーズ時のように、ミラーアップする光学系の場合には、蓄積の途中で光束が遮断される場合がある。その場合には、光束が遮断された時点で測光の継続が不可能になり、蓄積を中断せざるを得ない。蓄積を中断した後は、測光データを読み出す場合も、データを読まずに捨ててしまう場合も考えられる。
前記何れの場合にも、蓄積が中断した影響により、当初予定していた測光データが得られないことになるので、ミラーダウンした後に、直ちに再測光する必要がある。
【0005】
しかし、連続撮影時のように、ミラーがダウンした後に、すぐにまたミラーアップが始まる場合もあり、再測光が再び中断される場合があり得る。この場合には、連続撮影中に一度も十分な測光ができずに、適正露出が得られないことになる。
【0006】
この問題を解決するために、特開昭58−132735号の装置は、ミラーアップ中に測光を禁止することにより、誤測光を防止しているが、連続撮影時のようにミラーダウン時間が短い場合に対する対策が何等開示されていない。
また、特開昭58−111022号の装置は、連続撮影時における対策がなされているが、蓄積型の測光素子を用いた場合の開示が何等なされていない。
【0007】
そこで、本発明は、蓄積型の測光素子を用いた測光装置において、蓄積中に測光禁止信号により蓄積が中断され、測光が失敗した場合であっても、測光禁止解除後に再測光するときに、速やかに再測光を成功させることにより、連続撮影時などのようにミラーダウン時間が短くても、適正露出が得られる測光装置及びカメラを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記第1の値を第3の値に変更することを特徴とする測光装置である。
請求項2の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記第2の値を第4の値に変更することを特徴とする測光装置である。
請求項3の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、前記第1の値を前記第3の値に変更することを特徴とする測光装置である。
請求項4の発明は、蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、前記測光回路の蓄積を禁止 するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、前記第2の値を前記第4の値に変更することを特徴とする測光装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、前記パラメータ決定部は、前記測光禁止信号によって測光のための蓄積が中断された場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、中断されなかった場合と比較して測光パラメータを変更することを特徴とする測光装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、次回蓄積時に、前記第2のモードを選択することを特徴とする測光装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、前記測光回路は、出力ゲインを少なくとも高低の2段階に切り換え可能であり、前記第1のモードは低ゲイン、前記第2のモードは高ゲインであることを特徴とする測光装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の測光装置と、クイックリターンミラーとを備えた一眼レフカメラにおいて、前記禁止信号発生部は、前記クイックリターンミラーの動作に同期して測光禁止信号を発生することを特徴とするカメラである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの測光装置の概略構成を示すブロック図である。
測光回路10は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)等の蓄積型の測光素子を用いて、被写界を測光する回路であり、後述する蓄積制御部15からの制御信号によって蓄積の開始、終了を行い、その測光出力は、A/D変換部11へ入力されている。
また、測光回路10内の出力アンプは、高出力を得られるゲインHと、低出力であるがノイズの小さいゲインLとに切替可能となっている。
【0010】
A/D変換部11は、測光回路10の出力を測光データへと数値化する変換を行なう部分であり、A/D変換部11の測光データは、有効性判定部12、蓄積時間設定部13及び露出演算部17へ入力されている。
【0011】
有効性判定部12は、得られた測光データが適正数値の範囲内に収まっているか否かを判定する部分である。適正数値の範囲内に収まっていた場合には、データが有効とみなし、露出演算部17によって適正露出の演算を行う。収まっていなかった場合には、基本的には測光をやり直す。この有効性判定の方法は、後に詳しく説明する。
【0012】
蓄積時間設定部13は、A/D変換部11の測光データを用いて、次回測光時の蓄積時間を算出する部分であり、その出力は、ゲイン決定部14に入力されている。
ゲイン決定部14は、蓄積時間設定部13の出力に基づいて、次回測光時における測光回路10のゲインを決定する部分であり、その出力は、蓄積制御部15に入力されている。これらの蓄積時間算出方法及びゲイン決定方法については、後に詳しく説明する。
【0013】
測光禁止信号発生部16は、一眼レフカメラのレリーズ時などにおけるミラーアップに連動して信号を発生し、ミラーアップに先立って測光禁止信号を発生し、ミラーダウン完了後に測光禁止信号を解除するようになっている。この測光禁止信号発生部16の出力は、ゲイン決定部14、蓄積制御部15に入力されている。
【0014】
蓄積制御部15は、測光回路10の蓄積時間を制御する部分であり、測光禁止信号発生部16から測光禁止信号を入力した場合であって、測光回路10が蓄積中であったときには、直ちに蓄積を中断させ、データの読み込みを行う。
ここで、ゲイン決定部14は、蓄積中に測光禁止信号を入力し、蓄積が途中で中断されたと判定した場合には、その後の1回目の測光時のみゲイン切替のパラメータの変更を行う。
【0015】
露出演算部17は、A/D変換部11からの測光データに基づいて、適正露出値を演算する部分であり、その出力は、露出制御部18に入力されている。
露出制御部18は、不図示のレリーズ信号により、撮影者がレリーズボタンを押したことを検出すると、ミラー2を跳ね上げ、露出演算部17の出力に応じた適正露出値に基づいて、絞り19及びシャッター20を適正値に制御する部分である。
【0016】
ここで、A/D変換部11、有効性判定部12、蓄積時間設定部13、ゲイン決定部14、蓄積制御部15、測光禁止信号発生部16及び露出演算部17は、全て1チップマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す。)21によって実現されている。
【0017】
図2は、本実施形態に係るカメラの光学系を示すブロック図である。
光束は、撮影レンズ1を通過した後に、クイックリターンミラー2、拡散スクリーン3、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、接眼レンズ6を通って、撮影者の目に到達する。
一方、光束の一部は、拡散スクリーン3によって拡散された後に、コンデンサレンズ4、ペンタプリズム5、測光用プリズム7、測光用レンズ8を通して、測光素子9へ到達する。
【0018】
図3は、測光素子9の分割状態を被写界に照らし合わせて示した図である。
測光素子9は、例えばCCD等の蓄積型センサーによって構成されており、上下方向に12分割、左右方向に20分割された合計240領域からなり、被写界のほぼ全面を分割して測光できるようになっている。
【0019】
図4は、本実施形態に係るマイコン21のプログラムを示したメインフローチャートである。本プログラムは、不図示のカメラのレリーズボタンが半押しされることによって、カメラの電源が入り、実行される。
まず、ステップS101において、測光禁止割り込みフラグであるI_CUTを0に初期化する。
次に、ステップS102において、後のステップS104によって求められた蓄積時間及びゲインに基づいて、測光素子9の蓄積を行い被写界の測光を行う。尚、電源立ち上げ後の初回測光では、ステップS104を一度も通過していないので、蓄積時間及びゲインが不定の状態であるが、電源立ち上げ時に初期値として蓄積時間=1mS、ゲイン=Lを設定する。
蓄積が終了すると、ステップS103によって、測光出力のA/D変換を行い、測光データを数値化する。
【0020】
ステップS104では、先に述べたように、ステップS103で得られた測光データを基に、次回測光時の蓄積時間とゲインを算出する。蓄積時間とゲインの算出方法は、後のサブルーチン(図7)の説明において詳しく述べる。
ステップS105では、測光禁止割り込みフラグI_CUTが1であるか、すなわち蓄積中に測光禁止信号が発生し蓄積が中断されたか否かを判定し、1の場合には、ステップS108へジャンプし、0の場合には、ステップS106へ進む。
ステップS106では、ステップS103で得られた測光データが適正数値の範囲内であるか否かを判定し、測光データの有効無効判定を行う。有効性判定の方法は、後のサブルーチン(図6)で詳しく述べる。
ステップS107では、ステップS106の判定結果が有効であったか否かを判定し、有効であった場合には、ステップS108へ進み、無効であった場合には、ステップS101へ戻り、測光のやり直しを行う。
ステップS108では、図3に示した240領域の測光データを基に、公知の手法により適正露出値の演算を行う。
【0021】
ステップS109では、不図示のレリーズボタンが全押しされたか否かを判定し、全押しの場合には、ステップS110で求められた適正露出値に基づいて、フィルムへの露光を行った後に、全押しでない場合には、直接ステップS111へ進む。
ステップS111では、半押しタイマーにより、半押し解除後に所定時間経過したか否かを判定し、半押し継続中または所定時間内であった場合には、ステップS101へ戻って処理を繰り返し、タイマー切れであった場合には、プログラムを終了する。
【0022】
図5は、測光禁止信号が発生したときにマイコン21の割り込み処理によって実行される割り込み処理を示したフローチャートである。本フローチャートは、図4のメインフローチャート実行時においても、測光禁止信号の発生時に同期して、優先的に処理される。
まず、ステップS201において、測光素子9が蓄積中であるか否かを判定する。蓄積中でなかった場合には、そのまま処理を終了して、メインフローチャートへと復帰する。蓄積中であった場合には、ステップS202において、蓄積を強制終了させ、データの読み込みを開始する。
尚、本フローチャートが呼び出されたときに、蓄積中だった場合には、必ずメインフローチャートのS102が実行されている途中であるので、ステップS202では、蓄積の強制終了のみを行えばメインフローチャートに復帰後に自動的にステップS103によってデータの読み込みが行われるようになっている。
次に、ステップS203では、測光禁止割り込みフラグI_CUTに1を代入して、メインフローチャートに復帰する。
【0023】
図6は、本実施形態に係る測光データの有効性を判定するサブルーチンフローチャートである。本サブルーチンは、図4のステップS106が実行されることにより、呼び出されて、実行される。
まず、ステップS301により、Vomax,Vominを求める。Vomaxは、図3に示した240領域の測光データの内の、信号成分が最大である領域の測光データであり、同様に、Vominは、信号成分が最小である領域の測光データである。
【0024】
次に、ステップS302により、以下に示す数式1が成立するか否かを判定する。
Vomax<Vov …(1)
ここで、Vovは、測光素子9の飽和出力電圧値であり、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されており、測光を行ったゲインに応じて、それらの中から適切な値が代入される。
数式1が成立した場合には、全ての測光データが飽和出力以下であるので、ステップS303へ進み、オーバーフローフラグOVに0を代入する。数式1が成立しなかった場合には、少なくとも1領域は、オーバーフローしているので、ステップS304へ進みオーバーフローフラグOVに1を代入する。
【0025】
次に、ステップS305により、以下に示す数式2が成立するか否かを判定する。
Vomin≧Vun …(2)
ここで、Vunは、測光素子9を含めた測光回路10のアンダーフロー電圧値であり、測光データが、このVun以下であるときは、測光による信号成分よりもノイズ成分の方が大きく、データに信頼性がないことを示している。Vunは、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されており、測光を行ったゲインに応じて、それらの中から適切な値が代入される。
数式2が成立した場合には、全ての測光データがアンダーフロー電圧値以上であるので、ステップS306へ進み、アンダーフローフラグUNに0を代入する。また、数式2が成立しなかった場合には、少なくとも1領域は、アンダーフローしているので、ステップS307へ進み、アンダーフローフラグUNに1を代入する。
【0026】
次に、ステップS308により、以下に示す数式3が成立するか否かを判定する。
Vomax≧Vok …(3)
ここで、Vokは測光データの有効性を示す値である。数式3のようにVomaxがVok以上であるときは、被写界内に輝度差があった場合でも適正露出演算に影響を及ぼす程度の、暗部の領域の測光出力が測光データとして十分なS/N比を得ることができる。したがって、この場合にはデータが有効であると言える。Vokは、ゲインH、ゲインL毎にカメラ内の不図示の不揮発性メモリに記憶されており、測光を行ったゲインに応じて、それらの中から適切な値が代入される。
数式3が成立した場合には、測光データが有効であるので、ステップS309へ進み、有効性フラグOKに1を代入する。数式3が成立しなかった場合には、全ての測光データがVokより小さいので、有効でないと判定し、ステップS310へ進み、有効性フラグOKに0を代入する。
【0027】
次に、ステップS311では、OV=0かつUN=0、つまり測光データがオーバーフローもアンダーフローもしていないか否かを判定し、そうであれば全ての測光データが測光可能範囲内に収まっているので、この測光結果を最終的に有効とみなし、ステップS316で最終有効フラグMOKに1を代入する。
ステップS311が否定の場合には、ステップS312へ進み、OV=0かつOK=1であるか否かを判定する。ステップS312が肯定の場合は、アンダーフローはしているがオーバーフローはしておらず、かつ、Vomax≧Vokを満足しているので、測光データが適正露出演算に使用可能であることを示している。従って、この場合にも、ステップS316へ進み、MOK=1とし、そうでない場合には、ステップS313へ進み、OV=0かつint_maxであるか、つまりオーバーフローはしておらず、かつ、蓄積時間が最大値であったか否かを判別する。
これが肯定だった場合は、Vomax≧Vokは満足していないが、蓄積時間が最大であったので、これ以上測光出力レベルを上げられなかったことを示している。従って、この場合には、可能な限りの出力レベル調整が行われており、これ以上の改善は望めないことから、ステップS316において、MOK=1を代入する。
【0028】
ステップS313が否定の場合には、ステップS314において、OV=1かつint_minであるか、つまりオーバーフローしており、かつ、蓄積時間が最小値であったか否かを判別する。これが肯定だった場合は、Vomax<Vovは満足していないが、蓄積時間が最小であったので、これ以上測光出力レベルを下げられなかったことを示している。従って、この場合には、可能な限りの出力レベル調整が行われており、これ以上の改善は望めないことから、ステップS316において、MOK=1を代入する。
ステップS314も否定だった場合には、出力レベル調整が不十分だったとみなして、ステップS315によりMOK=0を代入して処理を終了する。
【0029】
図7は、本実施形態に係る次回蓄積時間int及びアンプゲインを求めるサブルーチンのフローチャートである。本サブルーチンは、図4のステップS104が実行されることにより、呼び出されて実行される。本サブルーチンが呼び出される前には、電源立ち上げ後に、少なくとも1回は測光が行われているので、直前の測光データがマイコン21内の不図示のメモリに残っている。
ステップS401では、上述した図6のステップS301の手法と同様にして、Vomaxを求める。または、ステップS301で求めたVomaxをメモリに格納しておき、そのまま用いても良い。
ステップS402では、上述したステップS302と同様に、Vomax<Vovであるか、つまり測光データがオーバーフローしていないか否かを判定する。または、ステップS302での判定結果であるフラグOVをメモリに格納しておき、それをそのまま用いても良い。
【0030】
測光データがオーバーフローしていなかった場合には、ステップS403へ進み、通常処理ルーチンにより、次回蓄積時間を算出する。通常処理の内容については、後に詳しく説明する。
測光データがオーバーフローしていた場合にはステップS404へ進み、オーバーフロー処理ルーチンによって、次回蓄積時間を算出する。オーバーフロー処理の内容については後に詳しく説明する。
【0031】
次に、ステップS405によって、I_CUT=1か否か、すなわち測光蓄積中に測光禁止割り込みが入ったか否かを判定する。I_CUT=0、即ち測光禁止割り込みが入らなかった場合には、ステップS406へ進み、以下に示す数式4、5のようにパラメータを設定する。
int_L_max=intx0 …(4)
int_H_min=intn0 …(5)
ここで、int_L_max,int_H_minは、測光回路10のゲインを切り換えるためのパラメータである。具体的には、ステップS403またはステップS404によって求められた次回蓄積時間の長さを上記2つの値と比較することによって、次回測光における測光回路10のゲインを高ゲイン(H)、または低ゲイン(L)に切り換える。処理の内容については、ステップS408以降で詳しく説明する。
【0032】
一方、I_CUT=1、即ち測光禁止割り込みが入った場合には、ステップS407へ進み、以下に示す数式6、7のようにパラメータを設定する。
int_L_max=intx1 …(6)
int_H_min=intn1 …(7)
ここで、int_L_max,int_H_minは、上述したように、測光回路10のゲインのH/Lを切り換えるためのパラメータである。それぞれのパラメータの持つ具体的な意味及び数値については後に詳しく説明する。
【0033】
ステップS408では、現在の測光回路10のゲイン設定がL、つまり低ゲイン側で、かつ、ステップS403またはステップS404で求められた次回蓄積時間intがint_L_maxより大であるか否かを判定する。
【0034】
ステップS408が肯定の場合、つまりゲインLでかつ蓄積時間が長い場合には、ステップS409へ進み、次回蓄積時間intを数式8に示すように、VLで割り、ゲインをHに切り換える。
int=int/VL …(8)
ここで、VLは測光回路10のゲイン定数であり、ゲインHの出力がゲインLの出力の何倍のゲインであるかを示すものである。図10は、この場合の処理を分かりやすく示した概念図である。ステップS409の処理は、図10のAからBへの切り換え(I_CUT=0のとき)、又は、A’からB’への切り換え(I_CUT=1のとき)に相当する。
【0035】
ステップS408が否定の場合には、ステップS410によって、現在の測光回路10のゲイン設定がH、つまり高ゲイン側で、かつ、ステップS403またはステップS404で求められた次回蓄積時間intがint_H_minより小であるか否かを判定する。
ステップS410が肯定の場合、つまりゲインHでかつ蓄積時間が短い場合にはステップS411へ進み、次回蓄積時間intを数式9に示すVL倍し、ゲインをLに切り換える。
int=int×VL …(9)
ここで、VLは、数式8と同様に、測光回路10のゲイン定数である。
【0036】
また、この場合の処理を図10を用いて分かりやすく示すと、ステップS411の処理は、図10のCからDへの切り換え(I_CUT=0のとき)、又は、C’からD’への切り換え(I_CUT=1のとき)に相当する。このように、ゲインLかつint大のときには、ゲインをHへ切り換えintを小さくすることにより、蓄積時間の短縮を図り、逆に、ゲインHかつint小のときには、ゲインをLへ切り換えてintを大きくすることにより、よりS/N特性の良いゲインLを使用するようにしている。
【0037】
また、ゲインH/Lの切り換えをするときに、図10のように、ヒステリシスを設けることにより、測光のばらつきや輝度が切り換え点付近で微妙に変化した場合についても、安定した制御が行われるようになっている。
更に、I_CUT=1、つまり測光蓄積中に測光禁止割り込みが入った場合には、それら切り換え点を蓄積時間の短い方にシフトさせることにより、次回蓄積時間に要する時間を通常状態より短くするようにしている。これは、測光禁止割り込みが入った場合は、カメラのレリーズ状態、つまりシャッターが全押しされることにより、露光状態に入ったことを示しているので、測光禁止が解除になった後に、速やかに次回測光が行えるようにするためである。
特に、フィルムの給送モードが高速巻き上げモードであった場合などには、1回目の露光が終わり、ミラーがダウンして測光禁止が解除されても、その後にすぐに2回目の露光が始まり、再び測光禁止に入る場合がある。このような状態に備えるために、測光禁止信号解除後の1回目の測光では、測光にかかる時間を通常よりも短くするようにしているのである。測光禁止信号解除後2回目からの測光では、1回目の測光が終了して、最新の測光データが既に得られているので、再びS/N比の良い通常状態に戻るようにしている。
【0038】
次に、ステップS412では、数式10の判定を行う。
int<int_min …(10)
ここで、int_minは、測光回路10の最小蓄積時間である。つまり、演算によって求めた次回intが最小値より小さいか否かを判定し、そうであればステップS413により、次回intをint_minにクリップする。また、ステップS412が否定の場合には、ステップS414により数式11の判定を行う。
int>int_max …(11)
ここで、int_maxは、測光回路10の最大蓄積時間である。つまり、演算によって求めた次回intが最大値より大きいか否かを判定し、そうであればステップS415により、次回intをint_maxにクリップする。
【0039】
以上の処理において、各パラメータの典型的な値を以下に示す。
int_min=10μS …(12)
int_max=100mS …(13)
intx0=80mS …(14)
intn0=10mS …(15)
intx1=40mS …(16)
intn1=5mS …(17)
VL=4 …(18)
【0040】
図8は、本実施形態に係る通常処理での次回蓄積時間の算出方法のサブルーチンを示すフローチャートである。本サブルーチンは、図7のステップS403が実行されることにより、呼び出されて実行される。
まず、ステップS501により、測光回路10のゲインがHであるか否かを判定する。ゲインLであった場合には、ステップS502によりVomaxがVnLより小であるか否かを判定し、小さかった場合には、ステップS505、そうでなかった場合には、ステップS504へ進む。
ここで、VnLは、ゲインLの場合の測光出力のノイズレベルであり、VomaxがVnL以下であった場合には、全ての測光出力がノイズレベル以下であったことを示している。
【0041】
ステップS501において、ゲインHであった場合には、ステップS503により、VomaxがVnHより小であるか否かを判定し、小さかった場合には、ステップS506、そうでなかった場合には、ステップS504へ進む。
VnHは、ゲインHの場合の測光出力のノイズレベルであり、VnLと同様に、VomaxがVnH以下であった場合には、全ての測光出力がノイズレベル以下であったことを示している。
【0042】
ステップS504では、Vomaxがノイズレベルより大であった場合の次回蓄積時間intを以下に示す数式19によって計算する。
int=int’・Vagc/Vomax …(19)
ここで、Vagcは、次回測光における測光データのVomaxの目標レベルを示すものであり、測光回路10の飽和出力電圧よりやや低い値に設定してある。標準的な値は、飽和出力電圧=3.4V、Vagc=3.0Vである。また、int’は前回の蓄積時間である。
【0043】
ステップS505は、ゲインL時にVomaxがノイズレベル以下であった場合の次回蓄積時間intの求め方であり、以下の数式20によって計算する。
int=int’・VovL/VnL …(20)
ここで、VovLは、ゲインLでの飽和出力電圧であり、その標準的な値は上述したように、約3.4V、VnLの標準的な値は約40mVである。
【0044】
ステップS506は、ゲインH時にVomaxがノイズレベル以下であった場合の次回蓄積時間intの求め方であり、以下の数式21によって計算する。
int=int’・VovH/VnH …(21)
ここで、VovHは、ゲインHでの飽和出力電圧であり、その標準的な値は上述したように、約3.4V、VnHの標準的な値は約160mVである。
【0045】
図9は、本実施形態に係る前回の測光出力のVomaxがオーバーフローした場合での次回蓄積時間intを求めるサブルーチンを示すフローチャートである。本サブルーチンは、図7のステップS404が実行されることにより、呼び出されて実行される。
【0046】
まず、ステップS601において、240個の測光領域の内、オーバーフローしている領域、即ちゲインL時はVovL以上、ゲインH時はVovH以上の出力が何領域あるかをカウントし、変数ovfに代入する。
次に、ステップS602において、ovfがpx/16より少ないか否かを判定する。ここで、pxは測光領域数であり、この場合にpx=240である。
ステップS602が肯定の場合には、ステップS603へ進み、intをint’/2、つまり前回の値の1/2にする。ステップS602が否定の場合には、ステップS604において、ovfがpx/8より少ないか否かを判定し、そうであれば、ステップS605において、intをint’/4、つまり前回の値の1/4に設定する。
【0047】
ステップS604が否定の場合には、更にステップS606において、ovfがpx/4より少ないか否かを判定し、そうであれば、ステップS607において、intをint’/8、つまり前回の値の1/8に設定する。
ステップS606も否定であった場合には、ステップS608により、int=int’/16、つまり前回の値の1/16として処理を終了する。
【0048】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明によれば、以下のような効果ある。
(1)蓄積制御回路と禁止止解除後の測光の成功率が高まる。
(2)請求項2では、測光禁止信号によって蓄積が中断された場合には、中断されなかっ た場合と比較して信号発生部との出力に基づいて、測光パラメータを決定すること により、測光禁測光パラメータを変更するようにしたので、測光禁止解除後の測光 の成功率が高まる。
(3)測光禁止解除後の初回の測光時にのみ、測光パラメータを変更するようにしたので 、2回目からは通常の測光パラメータに戻ることにより、測光精度が向上する。
(4)蓄積制御回路と禁止信号発生部との信号に基づいて、最適な測光モードを選択可能 になる。
(5)蓄積中断後の次回蓄積時に、第2のモードを選択することにより、速やかな測光が 行える。
(6)測光回路の出力ゲインを少なくとも高低の2段階に切り換え可能にしたことにより 、測光時間を短くしたい場合と、測光精度を高くしたい場合とで切替が可能になっ た。
(7)測光時間を短くしたい場合と、測光精度を高くしたい場合とでの選択を最適に切替 可能になった。
(8)蓄積中断後は、第1の値を第3の値に変更するようにしたことにより、速やかな測 光が可能となった。
(9)蓄積中断後は、第2の値を第4の値に変更するようにしたことにより、速やかな測 光が可能となった。
(10)測光禁止解除後の初回の測光時にのみ、第3の値に変更することにより、初回測 光は短時間で、2回目からは高精度の測光が行えるようになる。
(11)測光禁止解除後の初回の測光時にのみ、第4の値に変更することにより、初回測 光は短時間で、2回目からは高精度の測光が行えるようになる。
(12)レリーズ時に直ちに測光を中断し、その後ミラーが復帰したときに、最適なパラ メータで測光が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による測光装置を備えたカメラの一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るカメラの光学系を示した図である。
【図3】本実施形態に係るカメラの測光部の分割状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(メインフロー)を示すフローチャート図である。
【図5】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(測光禁止割り込みルーチン)を示すフローチャート図である。
【図6】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(有効性判定ルーチン)を示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(次回蓄積時間及びアンプゲイン設定ルーチン)を示すフローチャート図である。
【図8】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(通常処理ルーチン)を示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態に係るカメラのアルゴリズム(オーバフロー処理ルーチン)を示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態の蓄積時間とゲインの設定のされ方を示した図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 クイックリターンミラー
3 拡散スクリーン
4 コンデンサレンズ
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 測光用プリズム
8 測光用レンズ
9 測光素子
10 測光回路
11 A/D変換部
12 有効性判定部
13 蓄積時間設定部
14 ゲイン決定部
15 蓄積制御部
16 測光禁止信号発生部
17 露出演算部
18 露出制御部
19 絞り
20 シャッター
21 マイクロコンピュータ

Claims (8)

  1. 蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、
    前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、
    前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、
    前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、
    前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、
    前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、
    前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記第1の値を第3の値に変更すること
    を特徴とする測光装置。
  2. 蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、
    前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、
    前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、
    前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、
    前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、
    前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、
    前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記第2の値を第4の値に変更すること
    を特徴とする測光装置。
  3. 蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、
    前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、
    前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、
    前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、
    前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、
    前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基 づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、
    前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、前記第1の値を前記第3の値に変更すること
    を特徴とする測光装置。
  4. 蓄積型の測光素子を用いて被写界の測光を行う測光回路と、
    前記測光回路の出力に基づいて、前記測光素子の次回の蓄積時間を設定する蓄積時間設定部と、
    前記測光素子の蓄積の開始と終了とを制御する蓄積制御部と、
    前記測光回路の蓄積を禁止するための測光禁止信号を発生する禁止信号発生部と、
    前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との出力に基づいて、測光に必要な測光パラメータを決定するパラメータ決定部とを備え、
    前記測光回路は、測光のための蓄積時間が長い第1のモードと、その第1のモードに比べて蓄積時間の短い第2のモードとを有し、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積時間設定部と前記禁止信号発生部との信号に基づいて、前記第1のモード又は前記第2のモードを選択し、
    前記測光パラメータは、前回の測光時に前記第1のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが第1の値より長い場合には、次回測光時に前記第2のモードを選択し、前回の測光時に前記第2のモードであってかつ次回蓄積時間の長さが前記第1の値と異なる第2の値より短い場合には、次回測光時に前記第1のモードを選択する測光装置において、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、前記第2の値を前記第4の値に変更すること
    を特徴とする測光装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、
    前記パラメータ決定部は、前記測光禁止信号によって測光のための蓄積が中断された場合には、前記測光禁止信号解除後の初回の測光時にのみ、中断されなかった場合と比較して測光パラメータを変更すること
    を特徴とする測光装置。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、
    前記測光パラメータ決定部は、前記蓄積制御部が前記禁止信号発生部の信号によって蓄積を中断した場合には、次回蓄積時に、前記第2のモードを選択すること
    を特徴とする測光装置。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の測光装置において、
    前記測光回路は、出力ゲインを少なくとも高低の2段階に切り換え可能であり、前記第1のモードは低ゲイン、前記第2のモードは高ゲインであること
    を特徴とする測光装置。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の測光装置と、
    クイックリターンミラーとを備えた一眼レフカメラにおいて、
    前記禁止信号発生部は、前記クイックリターンミラーの動作に同期して測光禁止信号を発生すること
    を特徴とするカメラ。
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