JP3580445B2 - フレキシブルプリント配線板用レジストインキ組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線板用レジストインキ組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、フレキシブルプリント配線板製造の際のソルダーレジストやメッキレジスト等に使用できる希アルカリ水溶液で現像が可能でその硬化物は、耐屈曲性、耐折性、密着性、耐薬品性、耐熱性等に優れたレジストインキに適した組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源、省エネルギー、作業性向上、生産性向上などの理由により各種分野において紫外線硬化型組成物が多用されてきている。プリント配線板加工分野においても同様の理由によりソルダーレジストインキ、マーキングインキなど種々のインキが従来の熱硬化型組成物から紫外線硬化型組成物へと移行した。たとえば、特公昭56−40329号公報には、エポキシ樹脂−光重合性α,β−不飽和カルボン酸付加生成物と二塩基性カルボン酸無水物との反応生成物、光重合性単量体および光重合開始剤を含有する硬化性感光材料が記載されている。これまで、フレキシブルプリント配線板と言われているポリイミド基板に用いるソルダーレジストはカバーレイフイルムと呼ばれるポリイミドフイルムをパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち接着剤を用いて張り付けるタイプや、可撓性を持たせた紫外線硬化型または熱硬化型のソルダーレジストインキをスクリーン印刷法により塗布するタイプのものであった。リジット(硬質)基板と呼ばれる一般のプリント配線板は、エレクトロニクスの進歩に伴う高密度化実現のため、ソルダーレジストに対しても高精度、高解像性の要求が高まった。従来のスクリーン印刷法ではパターン精度が得られない為、液状フォトレジスト法が提案され、現在50%以上導入されている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
フレキシブルプリント配線板の分野でも高密度化が近年要求されてきているが、従来の液状フォトソルダーレジストでは、パターン精度は得られるものの塗膜が硬くポリイミドとの密着性が悪いため、十分な可撓性や耐折性が得られず、また、可撓性はある程度得られるものの作業性が悪く耐薬品性、耐熱性が不十分であり、問題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究の結果、特定のポリカルボン酸樹脂を使用することによって、希アルカリ水溶液での現像が可能であり、その硬化皮膜も可撓性、耐折性、密着性、耐薬品性、耐熱性等に優れたものである、フレキシブルプリント配線板用レジストインキ組成物を見出した。
【0005】
即ち、本発明は、
式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)
【0006】
【化5】
Figure 0003580445
【0007】
(式中、Mは水素原子又は、
【0008】
【化6】
Figure 0003580445
【0009】
を示し,nは1〜10の数である。但しnが1の場合、Mは、
【0010】
【化7】
Figure 0003580445
【0011】
を示し、nが2以上の場合、Mの少なくとも1個は、
【0012】
【化8】
Figure 0003580445
【0013】
を示す。)
と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との付加生成物と無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水マレイン酸の中から選択してなる1種又は2種以上の二塩基酸無水物(c)との反応生成物である不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、希釈剤(C)及び硬化成分(D)を含有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用レジストインキ組成物及びその硬化物に関する。
【0014】
本発明に用いられる不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)は、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)の反応物(1)と無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水マレイン酸の中から選択してなる1種又は2種以上の二塩基酸無水物(c)を反応させることにより得ることができる。具体的には、第1の反応で、エポキシ樹脂(a)のエポキシ残基とモノカルボン酸(b)のカルボキシル残基との付加反応により水酸基が形成され、第2の反応でその水酸基が前記、二塩基酸無水物(c)とエステル化反応すると推定される。
【0015】
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂は、式(2)
【0016】
【化9】
Figure 0003580445
【0017】
(式中、nは1以上の整数である。)で表される化合物のアルコール性水酸基と、エピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンを好ましくはジメチルスルホキシドの存在下に反応させることにより得ることができる。エピハロヒドリンの使用量は、式(2)におけるアルコール性水酸基1当量に対して1当量以上使用すれば良い。しかしながらアルコール性水酸基1当量に対して15当量を超えると増量した効果はほとんどなくなる一方容積効率も悪くなる。
【0018】
ジメチルスルホキシドを用いる場合その使用量は、式(2)で表される化合物に対して5重量%〜300重量%が好ましい。式(2)で表される化合物に対して5重量%以下であると式(2)におけるアルコール性水酸基とエピハロヒドリンとの反応が遅くなるため長時間の反応が必要となり、一方、式(2)で表される化合物に対して300重量%を超えると増量した効果はほとんどなくなり、容積効率も悪くなる。
【0019】
反応を行う際、アルカリ金属水酸化物を使用する。アルカリ金属水酸化物としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどが使用できるが苛性ソーダが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、式(2)で化合物のエポキシ化したいアルコール性水酸基1当量に対してほぼ1当量使用すれば良い。式(2)で表される化合物のアルコール性水酸基を全量エポキシ化する場合は過剰に使用しても構わないが、アルコール性水酸基1当量に対して2当量を超えると若干高分子化が起こる傾向にある。
【0020】
アルカリ金属水酸化物は固形でも水溶液の状態で用いても構わない。また水溶液の状態で使用する場合は、反応中、反応系内の水は常圧下、減圧下において反応系外に留去しながら反応を行うこともできる。反応温度は30〜100℃が好ましい。反応温度が30℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応が必要となる。反応温度が100℃を超えると副反応が多く起こり好ましくない。
【0021】
反応終了後、過剰のエピハロヒドリン及びジメチルスルホキシドを減圧下留去した後、有機溶剤に生成樹脂を溶解させアルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行うこともできる。一方、反応終了後、水洗分離を行い副生塩及びジメチルスルホキシドを分離し、油層より過剰エピハロヒドリンを減圧下留去した後、有機溶剤に樹脂を溶解させてアルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行っても良い。有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が使用できるが、メチルイソブチルケトンの使用が好ましい。尚、これらの有機溶剤は単独若しくは混合系で使用できる。
【0022】
次に、前記不飽和基含有モノカルボン酸(b)の具体例としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、および飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との反応物である半エステル類、あるいは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物である半エステル類が挙げられる。半エステル類は、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の飽和および不飽和二塩基酸無水物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体類とを等モルで反応させて得られた半エステル類あるいは、飽和または不飽和二塩基酸(例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イタコン酸、フマル酸等。)と不飽和基含有モノグリシジル化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、
【0023】
【化10】
Figure 0003580445
【0024】
【化11】
Figure 0003580445
【0025】
【化12】
Figure 0003580445
【0026】
【化13】
Figure 0003580445
【0027】
等。)を等モル比で反応させて得られる半エステル等である。これらのモノカルボン酸(b)は単独または混合して用いることができる。特に好ましいモノカルボ酸は、アクリル酸である。
【0028】
前記式(1)で表されるエポキシ樹脂(a)のエポキシ基の1当量に対して、不飽和基含有モノカルボン酸(b)、約0.8〜1.3モルとなる比で反応させるのが好ましく、特に好ましくは約0.9〜1.1モルとなる比で反応させる。反応時に、希釈剤として、エチルメチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテートなどのエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等の有機溶剤類又は、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応生単量体類を使用するのが好ましい。更に、反応を促進させるために触媒(例えば、トリエチルアミン、ペンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等)を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応原料混合物に対して好ましくは0.1〜10重量%である。反応中の重合を防止するために、重合防止剤(例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等)を使用するのが好ましく、その使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは0.01〜1重量%である。反応温度は、好ましくは60〜150℃である。又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。このようにしてエポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との付加反応物(I)を得ることができる。
【0029】
次に、反応物(I)と前記、二塩基酸無水物(c)の反応は、前記反応物(I)中の水酸基に対して、水酸基1当量あたり前記、二塩基酸無水物(c)を0.1〜0.9当量反応させるのが好ましい。反応温度は60〜150℃が好ましい。反応時間は、1〜10時間が好ましい。
【0030】
このようにして得られた不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の酸価(mgKOH/g)は40〜110が好ましく、特に好ましくは50〜100である。
【0031】
本発明の組成物に含まれる不飽和基含有ポリカルボン酸(A)の量は、組成物中10〜80重量%が好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。
【0032】
光重合開始剤(B)の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノープロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組合せて用いることができる。さらに、光重合開始剤(B)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤を単独あるいは2種以上と組合せて用いることができる。
【0033】
好ましい組合せは、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュアー907)と2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製、カヤキュアーDETX)、2−イソプロピルチオキサントンまたは4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイドとの組合せ等である。
【0034】
光重合開始剤(B)の使用割合は、本発明の組成物中、0.5〜20重量%が好ましく、特に好ましくは1〜10重量%である。
【0035】
希釈剤(C)の具体例としては、例えば有機溶剤および/または光重合性モノマーが使用できる。有機溶剤の代表的なものとしては、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等を挙げることができる。
【0036】
一方、光重合性モノマーを代表的なものとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又は、これらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0037】
前記の希釈剤(C)は、単独または2種以上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる希釈剤(C)の量は組成物中、5〜80重量%が好ましく、特に好ましくは10〜70重量%である。
【0038】
前記希釈剤(C)の使用目的は、光重合性モノマーの場合は、(A)成分を希釈し、塗布しやすい状態にすると共に、光重合性を増強するのであり、有機溶剤の場合は、(A)成分を溶解し希釈せしめ、それによって液状として塗布し、次いで乾燥させることはより造膜せしめるためである。従って用いる希釈剤に応じて、フォトマスクを塗膜に接触させる接触方式あるいは非接触方式のいずれかの露光方式が用いられる。
【0039】
硬化成分(D)の具体例としては、不飽和二重結合を有しないものでそれ自身が熱や紫外線等によって硬化するものや、本発明の組成物中の主成分である(A)成分の水酸基やカルボキシル基等と熱や紫外線等で反応するものでも良い。具体的には、例えば、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(例えば、油化シェル(株)製、エピコート1009、1031、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−3050、N−7050、ダウケミカル(株)製、DER−642U、DER−673MF等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、ST−2004、ST−2007等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、YDF−2004、YDF−2007等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、坂本薬品工業(株)製、SR−BBS、SR−TBA−400、東都化成(株)製、YDB−600、YDB−715等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製、EPPN−201、EOCN−103、EOCN−1020、BREN等のノボラック型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−880等のビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル(株)製、YL−931、YL−933等のアミノ基含有エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンTSR−601、エー・シー・アール(株)製、R−1415−1等のゴム変性エポキシ樹脂、日本化薬(株)製、EBPS−200、大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンEXA−1514等のビスフェノールS型エホキシ樹脂、日本油脂(株)製、プレンマーDGT等のジグリシジルテレフタレート、日産化学(株)製、TEPIC等のトリグリシジルイソシアヌレート、油化シェル(株)製、YX−4000等のビキシレノール型エポキシ樹脂、油化シェル(株)製、YL−6056等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021等の脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。)、メラミン誘導体(例えば、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン、縮合ヘキサメトキシメラミン等。)、尿素化合物(例えば、ジメチロール尿素等。)、ビスフェノールA系化合物(例えば、テトラメチロール・ビスフェノールA等。)、オキサゾリン化合物等を挙げることができる。
【0040】
前記硬化成分(D)の使用目的は、密着性、耐熱性、耐メッキ性等のソルダーレジストとしての諸特性を向上させるものである。
【0041】
前記の硬化成分(D)は、単独または2種以上の混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる硬化成分(D)の量は組成分中、1〜50重量%が好ましく、特に好ましくは3〜45重量%である。
【0042】
前記硬化成分(D)の中でエポキシ化合物を使用する場合には、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性により一層向上するためにエポキシ樹脂硬化剤を併用することが好ましい。このようなエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、例えば、四国化成工業(株)製、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ等のイミダゾール誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類:ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類+これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート、チバ・ガイギー社製、イルガキュアー261、旭電化(株)製、オプトマーSP−170等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用の硬化剤類あるいは硬化促進剤類を単独または2種以上混合して用いる。エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、前記エポキシ化合物100重量部に対して、0.01〜25重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜15重量部である。
【0043】
本発明の組成物は、更に、密着性、硬度などの特性を向上する目的で必要に応じて,硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の公知慣用の無機充填剤が使用できる。その使用量は、本発明の組成物中の0〜60重量%が好ましく、特に好ましくは5〜40重量%である。
【0044】
更に、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の重合禁止剤、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/または、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を用いることができる。
【0045】
又、アクリル酸エステル類などのエチレン性不飽和化合物の共重合体類や、多価アルコール類と多塩基酸化合物から合成されるポリエステル樹脂類等の公知慣用のバインダー樹脂およびポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性オリゴマー類もソルダーレジストとしての諸特性に影響を及ぼさない範囲で用いることができる。
【0046】
また、本発明の組成物の引火性の低下のために水を添加することもできる。水を添加する場合には、(A)成分のカルボキシル基をトリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド,N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート化合物で造塩することにより、(A)成分を水に溶解するようにすることが好ましい。
【0047】
本発明の組成物は、配合成分を好ましくは前記の割合で配合し、ロールミル等で均一に混合することにより得られる。
【0048】
本発明の組成物は、レジストインキに有用である他、塗料、コーティング剤、接着剤等としても使用できる。本発明のレジストインキ組成物は、例えば、次のようにして硬化し、硬化物を得る。即ち、フレキシブルプリント配線板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法により10〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、ネガフイルムを塗膜に直接に接触させ(又は、接触しない状態で塗膜の上に置く。)、次いで紫外線を照射し、未露光部分を希アルカリ水溶液(例えば、0.5〜2%炭酸ソーダ水溶液等)で溶解除去(現像)した後、更に諸物性の向上のために、紫外線の照射および/または加熱(例えば、100〜200℃で、0.5〜1.0時間)によって十分な硬化を行ない硬化皮膜を得る。本発明の組成物は、紫外線照射により容易に硬化する。本発明の紫外線照射による硬化は常法により行うことができる。例えば低圧又は高圧水銀灯、キセノン灯等を用い紫外線を照射すればよい。本発明はこのような硬化物にも関する。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例により更に具体的に説明する。なお実施例中の部は、重量部である。
合成例1
式(2)におけるnの平均値が5.8、エポキシ当量800、軟化点79℃のビスフェノールF型固型エポキシ樹脂400部をエピクロルヒドリン925部とジメチルスルホキシド462.5部を溶解させた後、攪拌下70℃で98.5%NaOH 81.2部を100分かけて添加した。
【0050】
添加後さらに70℃で3時間反応を行なった。次いで過剰の未反応エピクロルヒドリンおよびジメチルスルホキシドの大半を減圧下に留去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含む反応生成物をメチルイソブチルケトン750部に溶解させ、さらに30%NaOH 10部を加え70℃で1時間反応させた。
【0051】
反応終了後、水200部で2回水洗を行った。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸留回収して、エポキシ当量290、軟化点62℃のエポキシ樹脂(a−1)370部を得た。得られたエポキシ樹脂(a−1)はエポキシ当量から計算すると式(2)におけるアルコール性水酸基5.8個の内約5.2個がエポキシ化されている。
【0052】
合成例2
98.5%NaOHの使用量を40.6部とした以外は合成例1と同様にして反応を行い、エポキシ当量422、軟化点75℃のエポキシ樹脂(a−2)385部を得た。得られたエポキシ樹脂(a−2)はエポキシ当量から計算すると式(2)におけるアルコール性水酸基5.8個の内約2.6個がエポキシ化されている。
【0053】
合成例3
98.5%NaOHの使用量を20.3部とした以外は合成例1と同様にして反応を行ない、エポキシ当量566.5、軟化点78℃のエポキシ樹脂(a−3)365部を得た。得られたエポキシ樹脂(a−3)はエポキシ当量から計算すると一般式(2)におけるアルコール性水酸基5.8個の内約1.3個がエポキシ化されている。
【0054】
不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)の合成例
合成例4
合成例1で得たエポキシ樹脂(a−1)2900部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン2.8部、カルビトールアセテート1950部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン16.7部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/g の反応物を得た。
次に、これに無水コハク酸786部(7.86モル)、カルビトールアセテート423部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却後、固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−1)を得た。このものの粘度(25℃)は320ポイズであった。
【0055】
合成例5
合成例2で得たエポキシ樹脂(a−2)4220部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン3.4部、カルビトールアセテート2674部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで反応液を冷却しトリフェニルフォスフィン22.8部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/g の反応物を得た。
次に、これに無水コハク酸1080部(10.8モル)、カルビトールアセテート581.5部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却し、固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−2)を得た。このものの粘度(25℃)は、460ポイズであった。
【0056】
合成例6
合成例3で得たエポキシ樹脂(a−3)5665部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン4.0部、カルビトールアセテート3456.1部を90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を冷却し、トリフェニルフォスフィン29.5部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/g の反応物を得た。次に、これに無水コハク酸1390部(13.9モル)、カルビトールアセテート748.5部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却し、固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−3)を得た。このものの粘度(25℃)は570ポイズであった。
【0057】
合成例7
合成例2で得たエポキシ樹脂(a−1)4220部(10当量)、アクリル酸720部(10当量)、メチルハイドロキノン3.4部、カルビトールアセテート▲1▼2674部を仕込み、90℃に加熱、攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃に冷却し、トリフェニルフォスフィン22.8部を仕込み、100℃に加熱し、約32時間反応し、酸価が1.0mgKOH/g の反応物を得た。次に、これにテトラヒドロ無水フタル酸1845部(12.1モル)、カルビトールアセテート▲2▼993.5部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応し、冷却後、固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−4)を得た。このものの粘度(25℃)は790ポイズであった。
【0058】
合成例8
合成例7と同様にして、各原料を仕込み、但し、テトラヒドロ無水フタル酸1845部及びカルビトールアセテート▲2▼993.5部をヘキサヒドロ無水フタル酸1810.2部及びカルビトールアセテート▲2▼974.7部に変更し反応を行ない、固形分の酸価が90mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−5)を得た。このものの粘度(25℃)は720ポイズであった。
【0059】
合成例9
合成例7と同様にして、各原料を仕込み、但し、テトラヒドロ無水フタル酸1845部及びカルビトールアセテート▲2▼993.5部を無水フタル酸1779部及びカルビトールアセテート▲2▼957.9部に変更し反応を行ない固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−6)を得た。このものの粘度(25℃)は800ポイズであった。
【0060】
合成例10
合成例7と同様にして、各原料を仕込み、但し、テトラヒドロ無水フタル酸1845部及びカルビトールアセテート▲2▼993.5部を無水マレイン酸1050.9部及びカルビトールアセテート▲2▼565.9部に変更し反応を行ない固形分の酸価が100mgKOH/g の固形分の濃度65%の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A−7)を得た。このものの粘度(25℃)は、530ポイズであった。
【0061】
実施例1〜7、比較例1〜2
表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し調製した。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリエステルスクリーンを用いて20〜30μmの厚さになるようにパターン形成されている銅張ポリイミドフイルム基板(銅厚/12μm・ポリイミドフィルム厚/25μm)に全面塗布し塗膜を80℃の熱風乾燥器で30分乾燥させる。次いで、レジストパターンを有するネガフイルムを塗膜に密着させ紫外線露光装置(株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用いて、紫外線を照射した(露光量500mJ/cm)。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、未露光部分を溶解除去した。得られたものについて、後述のとおり現像性および光感度の評価を行った。その後、150℃の熱風乾燥器で40分加熱硬化を行ない、得られた硬化膜を有する試験片について、後述のとおり密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐屈性、耐折性の試験を行なった。それらの結果を表1に示す。なお、試験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0062】
(現像性)
下記の評価基準を使用した。
【0063】
○・・・・現像時、完全にインキが除去され、現像できた。
【0064】
△・・・・現像時、わずかに残渣のあるもの。
【0065】
×・・・・現像時、現像されない部分がある。
【0066】
(光感度)
乾燥後の塗膜に、ステップタブレット21段(ストファー社製)を密着させ積算光量500mJ/cmの紫外線を照射露光する。次に1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、2.0kg/cmのスプレー圧で現像し、現像されずに残った塗膜の段数を確認する。下記の基準を使用した。
【0067】
○・・・・9段以上。
【0068】
△・・・・6〜8段。
【0069】
×・・・・5段以下。
【0070】
(密着性)
JIS K5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100ケ作りセロテープによりピーリング試験を行った。ごばん目の剥離状態を観察し、次の基準で評価した。
【0071】
○・・・・100/100で剥れのないもの。
【0072】
△・・・・50/100〜90/100。
【0073】
×・・・・0/100〜50/100。
【0074】
(鉛筆硬度)
JIS K5400に準じて評価を行った。
【0075】
(耐溶剤性)
試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
【0076】
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
【0077】
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの。
【0078】
(耐酸性)
試験片を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
【0079】
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
【0080】
×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの。
【0081】
(耐熱性)
試験片にロジン系プラックスを塗布し260℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープによるピーリング試験を行い、次の基準で評価した。
【0082】
○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のないもの。
【0083】
×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの。
【0084】
(耐屈曲性)
JIS K5400に準じて行った。試験片を用いて、心棒の直径は2mmとし、クラック発生の有無を観察した。
【0085】
(耐折性)
JIS K5016に準じて行った。折り曲げ面の曲率半径は0.38mmとし、クラックが入るまでの折り曲げ回数を測定した。
【0086】
【表1】
Figure 0003580445
Figure 0003580445
Figure 0003580445
Figure 0003580445
【0087】
注)
*1) KAYARAD ZBR−:日本化薬(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート1004にアクリル酸を反応させたもの)と無水コハク酸を反応させたもので、カルビトールアセテート24.5重量%及びソルベントナフサ10.5重量%含有し、固形分の酸価は、100mgKOH/gである。
【0088】
*2) KAYARAD PCR−;日本化薬(株)製、フェノールノボラック型エポキシアクリレート(日本化薬(株)製、EPPN−201にアクリル酸を反応させたもの)と無水コハク酸を反応させたもので、カルビトールアセテート24.5重量%及びソルベントナフサ10.5重量%含有し、固形分の酸価は、100mgKOH/gである。
【0089】
*3) U−200AX:新中村化学工業(株)製、ウレタンアクリレート。
【0090】
*4) M−325:東亜合成化学工業(株)製、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート。
【0091】
*5) KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレートの混合物。
【0092】
*6) イルガキュアー907:チバ・ガイギー社製、光重合開始剤、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン。
【0093】
*7) KAYACURE DETX−S:日本化薬(株)製、光重合開始剤、2,4−ジエチルチオキサントン。
【0094】
*8) KAYACURE BMS:日本化薬(株)製、光重合開始剤、4−ベンゾイル−4′−メチルフェニルサルファイド。
【0095】
*9) R−1415−1:エー・シー・アール(株)製、ゴム変性エポキシ樹脂。
【0096】
*10) EXA−4800:大日本インキ工業(株)製、ビスフェノールS型エポキシ樹脂。
【0097】
*11) アエロジル#200:日本アエロジル(株)製、無水シリカ。
【0098】
*12) モダフロー:モンサント(株)製、レベリング剤。
【0099】
表1の評価結果から明らかなように、本発明のレジストインキ組成物及びその硬化物は、現像性、感光性に優れ、その硬化物は、耐屈曲性、耐折性、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等に優れていることは明らかである。
【00100】
【発明の効果】
本発明のレジストインキ組成物は、パターンを形成したフイルムを通した選択的に紫外線により露光し、未露光部分を現像することによるソルダーレジストパターンの形成において、現像性、光感度に優れ、得られた硬化物が耐屈曲性、耐折性に優れ、密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等も十分に満足するものであり、特に、フレキシブルプリント配線板用液状ソルダーレジストインキ組成物に適している。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 0003580445
    (式中Mは水素原子又は、
    Figure 0003580445
    を示し、nは1〜10の数である。但しnが1の場合、Mは、
    Figure 0003580445
    を示し、nが2以上の場合、Mの少なくとも1個は、
    Figure 0003580445
    を示す。)
    で表されるエポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)との付加生成物と無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水マレイン酸の中から選択してなる1種又は2種以上の二塩基酸無水物(c)との反応生成物である不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(A)、光重合開始剤(B)、希釈剤(C)及び硬化成分(D)を含有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用レジストインキ組成物。
  2. 請求項1記載の組成物の硬化物。
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