JP3578695B2 - 排水口用ヌメリ取り器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所流し台の排水口や風呂場の排水口やトイレの床の排水口等のように、雑菌やカビ等の代謝物によりヌメリや悪臭が発生する箇所に設け、ヌメリを除去したり、ヌメリの発生を予防したり、あるいはヌメリを防除したりするのに有用なヌメリ取り器やそのための容器、それらを用いるヌメリ取り方法等に関するもので、特に、家庭用台所流し台の排水口部を大型化し、ゴミ取りカゴを設置し、排水とともに流出した料理材料クズ等の生ゴミをゴミ取りカゴで補集し、一定量がたまった際に廃棄するタイプの流し台のゴミ取りカゴ用のヌメリ取り器に関する。
【0002】
【従来の技術】
台所流し台や風呂場の排水口のヌメリの主成分は、食材、界面活性剤、石鹸、人の垢等が細菌の栄養源となり、そのとき細菌から分泌されるポリサッカライドであることが知られている。
【0003】
従来、家庭用流し台の排水口部のゴミ取りカゴのヌメリ防止用薬剤として、トリクロルイソシアヌール酸、ジクロルイソシアヌール酸塩、ブロムクロルジメチルヒダントイン等の塩素系酸化剤を単独又は他の成分と配合したものを加圧成形した錠剤を、プラスチック製のネット又はカゴ状容器に収納し、ヒモ等によりゴミ取りカゴ内に吊し、ゴミ取りカゴのヌメリを防止する薬剤はよく知られており(特開平8−128090号公報)、これらは数年前より「ヌメリ取り剤」等の名称で販売され実用に供されている。
【0004】
上記薬剤は塩素系酸化剤の強力な殺菌力により、ゴミ取りカゴのヌメリと悪臭の防止に効果を発揮し、広く使用されているが、その強力な酸化力によりゴミ取りカゴ及び周辺の排水口材質を劣化・腐食させる他、塩素ガスや塩素ガスと食物クズ中の窒素分との反応により生成する三塩化窒素等の刺激臭のガスを発生する等の安全性に問題を有している。
【0005】
上記問題点を解決するため塩素系酸化剤以外の殺菌剤を用いた「ヌメリ取り剤」が、種々提案されている。例えば、過炭酸ソーダ、過硫酸カリウム、過ホウ酸ソーダ等の過酸化物(特開平8−268818号公報、特開平9−31495号公報)、ポビドンヨード等のヨウ素系殺菌剤(特開平9−124423号公報、特開平9−227317号公報)、亜硫酸塩等の硫黄化合物と抗菌剤からなる除菌用薬剤(特開平9−124422号公報)、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、ヒノキチオール等の揮発性除菌剤(特開平9−206040号公報)、銀イオン、銅イオン等をゼオライト、シリカゲル等の無機化合物に担持させた無機系殺菌剤(特開平8−157305号公報、特開平9−30915号公報、特開平9−194313号公報)、パラクロロメタキシレノール等の工業用殺菌剤等を単独又は適当な溶解調整剤を添加して加圧成形した錠剤が知られている。
【0006】
これら塩素系酸化剤以外の殺菌剤を用いた「ヌメリ取り剤」は、塩素系酸化剤からなる「ヌメリ取り剤」と同様に、プラスチック製のネット又はカゴ状容器に収納し、ヒモ等でゴミ取りカゴ内につり下げて設置され、塩素系酸化剤を使用しない「ヌメリ取り剤」として一部市販されているが、従来の塩素系酸化剤を有効成分とする「ヌメリ取り剤」に比べると殺菌力が弱く、ヌメリや悪臭の防止効果が不充分であり、普及が進んでいない。
【0007】
また、特開平7−184823号公報には、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物等の抗菌剤を中空多孔質シリカ等の無機多孔質微粒子に担持させたものを不織布等の透水性の袋に収納したり、蛋白質や多糖類等の水溶性物質に担持させフィルム状とした「ヌメリ取り剤」が記載されている。しかし、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、強い抗菌力を有し、かつ材質腐食やガスの発生はともなわないが、水に易溶であり有効期間が従来の薬剤より短期間となる欠点の他、皮膚刺激性が激しいため、家庭において使用するには安全上問題があった。
【0008】
また、排水口部分に設置される排水口用ごみ取り具として、少なくとも排水口部分に通水孔を設けてなる排水口用ごみ取り具であって、排水口に装着される本体部分と該本体部分に装着される蓋体とからなり、該蓋体は通気性を有し、蓋体を本体部分に装着した時に、本体部分と蓋体との間に水溶性薬剤を収納する薬剤収納空間を形成するように構成した排水口用ごみ取り具(特開平9−296492号公報)が知られているが、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造となっておらず、排水の大部分が薬剤と接触することから溶解液中の薬剤濃度が薄まり、ヌメリを充分防止することができないという問題があった。この他、ヌメリ取り剤を収納した薬剤容器をつなぎ部を介して生ゴミカゴの取っ手に取り付ける取付部を有するもの(特開平9−292号公報)や、フッ素樹脂で表面が被覆された生ゴミ用網カゴを使用するもの(特開平8−158441号公報)や、網カゴの周囲に設けられた環状パイプから電解酸性イオン水を噴射するもの(実開平6−46069号公報)や、排水口の上部に防菌防黴作用を有する溶液を供給する防菌防黴装置(特開平9−154923号公報)等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、簡単に排水口の上部に設置することができ、安全性や取り扱い性に優れ、収納されている適度な溶解性を保持したヌメリ防除剤からヌメリ防除剤の溶解液を排水口蓋や排水管壁面等ヌメリ発生面に広がらせることができ、かつ容器内へのゴミの流入を抑制する構造を有する排水口用ヌメリ取り器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物を加圧成形してなる非さらし粉系ヌメリ防除剤を提案している(特開平10−245308号公報)。この防除剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンをホスト化合物により多分子包接体としているため皮膚刺激性が低下し、かつ水に対する溶解性も低下しており、ヌメリ防除剤として優れたものである。また、本発明者らは、有機ヨード系抗菌剤と固体酸とを加圧成形してなるヌメリ防除剤についても提案しており(特開平10−245306号公報)、このヌメリ防除剤も優れたヌメリ防除効果が確認されている。
【0011】
ところで、塩素系酸化剤を有効成分とする薬剤であれば、ゴミ取りカゴの底部に設置しても、発生する塩素ガスにより薬剤溶解液が接触しない部分も含め殺菌できるため、カゴ内全体のヌメリ防止が可能であるのに対し、塩素系酸化剤以外を有効成分とする薬剤のヌメリ防除効果は、薬剤の設置された周辺部に限られ、特に薬剤の設置された位置より上部の部分に対する効果が弱いということを見出した。そこで、これらヌメリ防除剤を排水管の入口部又は上部に設置することができ、該ヌメリ防除剤の溶解液を排水口蓋、排水管壁面、排水口に設置されたゴミ取りカゴ等ヌメリ発生面に広がらせることができ、かつ台所流しの生ゴミ等のゴミが排水とともに容器内に流入することを防止した排水口用ヌメリ取り容器を種々試作し、ヌメリ防除効果について検討し、ヌメリ防除効果について確認し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤と、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした、該固形薬剤を収納する容器とからなり、該容器が、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔と、容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造とを有することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる排水口用ヌメリ取り器(請求項1)や、容器が、排水口に設けられる蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項2)や、微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤と、該固形薬剤を収納する容器と、該容器を装着することができ、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋とからなり、前記容器が、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔と容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造とを有することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる排水口用ヌメリ取り器(請求項3)や、容器がリング形状であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項3記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項4)や、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、少なくとも容器上面に設けられた、排水口中心部方向に沿った1又は2以上のスリットから構成される排水流入スリットを適宜間隔で複数備えた排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項5)や、少なくとも容器上面に設けられた、排水口中心部方向に沿った1又は2以上のスリットから構成される排水流入スリットが、容器上面から内側端にまで至り、さらに内側面上部まで連続して設けられていることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項5記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項6)や、スリット幅が0.5〜4mmであることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項5又は6記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項7)に関する。
【0013】
また本発明は、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、親水性の不織布からなる排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項8)や、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、網目構造の排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項9)や、溶解液流出孔が、容器の底部、内側面部及び外側面部、あるいは容器の外側面最下部に設けられていることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜9のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項10)や、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした容器又は排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋が、その外縁部から厚さ0.5〜2mm、幅1〜3mmの柔軟性の鍔を延設した容器又は蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜10のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項11)や、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした容器又は排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋が、その外周部に、排水口の大きさに合わせて切り離し可能な同心円状の複数のV字型溝を有している容器又は蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜11のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項12)や、微生物の発育抑制物質として、塩素系酸化剤以外の薬剤を使用することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜12のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項13)や、塩素系酸化剤以外の薬剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項13記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項14)や、塩素系酸化剤以外の薬剤として、有機ヨード系抗菌剤を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項13記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項15)や、固形薬剤として、同種あるいは異種の複数の小粒の固形薬剤を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜15のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器(請求項16)や、その内部に微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤を収納することができる容器であって、底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に固形薬剤の溶解液流出孔を、少なくとも上面に排水口中心部方向に沿った1又は2以上の幅0.5〜4mmのスリットから構成される排水流入スリットを適宜間隔で複数備えた排水流入孔とをそれぞれ有し、かつ、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造を有することを特徴とする排水口の入口部又は上部に設置されるヌメリ取り用容器(請求項17)に関する。
【0014】
【本発明の実施の形態】
本発明において、微生物の発育を抑制する物質としては、各種公知の殺菌剤、抗菌剤が使用可能であり、一般的な防黴剤又は抗細菌剤として知られている化合物や抗菌作用を有する天然精油類等であればどのようなものでも使用することができるが、広い抗菌スペクトルを有するものが好ましく、例えば、塩素系酸化剤としては、ジクロロジメチルヒダントイン、ブロモクロルジメチルヒダントイン、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロルイソシアヌル酸カリウム、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムの水和物(2水和物等)、ジクロルイソシアヌル酸カリウムの水和物及びトリクロルイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム等を例示することができ、また、塩素系酸化剤以外の薬剤としては、過炭素ナトリウム、過硫酸カリウム、過ほう酸ナトリウム、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、パラクロロメタキシレノール、パラヒドロキシ安息香酸n−ブチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸メチル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、メチレンビスチオシアネート、2−ピリジンチオール−1−オキシド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、N,N′−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、4,4′−(テトラメチレンジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等を例示することができる。
【0015】
本発明における微生物の発育を抑制する物質として、防黴剤又は抗細菌剤と多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物を有利に用いることができる。この包接化合物を用いる場合、防黴剤又は抗細菌剤としては、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2−チオシアノメチベンゾチアゾール、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、3,3,4,4−テトラハイドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、N−メチルピロリドン、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、メチレンビスチオシアネート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−エタノール、2−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン、ジブロモニトリルプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル等を、また天然製油類としては、例えば、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、ジメチルオクタノール、チモール等を例示することができる。
【0016】
ここで、多分子系ホスト化合物とは、ゲストとなる抗菌剤とともに結晶性錯体(包接化合物)を形成する化合物をいい、上記の性質を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば、テトラキスフェノ−ル類、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,6−ジフェニルヘキサン−2,4−ジイン−1,6−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、2,5−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ハイドロキノン、1,1−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,1,2,2−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1′−ビ−2−ナフトール、9,10−ジフェニル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1,6,6−テトラ(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、9,10−ビス(4−メチルフェニル)−9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラキス(シクロヘキシル)−(1,1′−ビフェニル)−2−2′−ジカルボキシアミド、4,4′−スルホニルビスフェノール、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(4−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−クロロフェノール)、デオキシコール酸、コール酸、α,α,α′,α′−テトラフェニル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジメタノール、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、顆粒状コーンスターチ、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、3,3′−ビスフェニルスルフォニル−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、トリ−o−チモチドを例示することができる。
【0017】
また、上記のテトラキスフェノ−ル類としては、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン等テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン類を具体的に例示することができる。
【0018】
本発明における微生物の発育を抑制する物質として、他の抗菌剤に比較して抗菌スペクトルが広く、人体に安全な有機ヨード系抗菌剤も有利に用いることができる。この場合、有機ヨード系抗菌剤であれば特に制限はないが固体のものが望ましく、例えば、2,3,3−トリヨードアリルアルコール類、2,3,3−トリヨードアリルエーテル類、2,3,3−トリヨードアリルアゾール類、3−ヨード−2−プロパギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル(3−ヨードプロパギル)ホルマール、ヨードプロパギルアゾール類、ジヨード−パラ−トリスルホン、ポピドンヨード、ベンジルヨード酢酸エステル及びパラニトロベンジルヨード酢酸エステルを例示することができ、これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0019】
また、微生物の発育を抑制する物質として、前記の各種公知の殺菌剤、抗菌剤、防黴剤等やそれらを含有する公知のヌメリ防除剤、あるいは上記包接化合物や有機ヨード系抗菌剤を用いる場合、有効成分が排水と接触した際必要以上に流出することを防止し、適度な速度で接触した排水に溶解させるため、適宜配合物と混合して加圧成形、加熱溶融混合、混練り押し出し成形等の公知の方法により適当な大きさに成形することができる。
【0020】
加圧成形する場合の配合物としては、各種公知の賦形剤、溶解調整剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、腐食防止剤等を例示することができる。特に界面活性剤は溶解液がぬめり発生壁面に広がりやすくし、かつ蓋や容器が油で汚れることを防止するのに有効である。また、苦味付与成分、辛味付与成分などを添加して、薬剤が誤って乳幼児が口に入れた場合も飲み込まないようにすることもできる。
【0021】
賦形剤、結合剤、溶解調整剤としては、フマル酸、安息香酸、アジピン酸、コハク酸、dl−リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、マロン酸、グリコール酸等の各種有機酸、無機酸、乳糖、ブドウ糖等の糖類、コーンスターチ等の各種デンプン、燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸3カルシウム無水物、燐酸水素マグネシウム3水和物、燐酸水素マグネシウム8水和物、クエン酸カルシウム4水和物、硫酸カルシウム0.5水和物、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、結晶セルロース、粉末セルロース、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、合成珪酸アルミニウム、三珪酸マグネシウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム(粉末)、ショ糖脂肪酸エステル、C14〜C24の飽和脂肪酸類等を挙げることができるが、その中でも特に燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸3カルシウム無水物、燐酸水素マグネシウム3水和物、燐酸水素マグネシウム8水和物、クエン酸カルシウム4水和物、硫酸カルシウム0.5水和物、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム(粉末)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、C14〜C24の飽和脂肪酸類等は加圧成形性を向上することができ、また、各種洗剤等が混入しても反応して有毒ガス等が発生することが無いので好ましく、これら賦形剤や結合剤、溶解調整剤は全固形薬剤重量に対して1〜99重量%の割合で添加することができる。
【0022】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、安息香酸ナトリウム、シリカ、タルク、ワックス類等を例示することができ、これら滑沢剤は全固形薬剤重量に対して0.01〜10重量%の割合で使用することができる。
【0023】
界面活性剤としては、アルキルアルカノールアミド類、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等を例示することができ、これら界面活性剤は全固形薬剤重量に対して0.5〜10重量%の割合で使用することができる。また、腐食防止剤としては、アルキルチオ尿素系やトリアゾール系化合物を例示することができ、これらを使用すると配管などの金属部分の腐食を抑制することができる。
【0024】
加熱溶融混合の場合や混練り押し出し成形する場合の配合物としては、融点が40〜100℃で固体であるものが好ましく、ポリオキシエチレン等の各種の水溶性高分子類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の界面活性剤を例示することができる。
【0025】
また、固形薬剤の形状としては、球状、錠剤状、円柱状、直方体状、角錐状、ドーナツ状等どのような形態でもよく、その大きさも容器に収容しうる大きさであればどのようなものでもよい。固形薬剤の使用の形態としては、容器の固形薬剤収納部の形状に合わせて、例えば円柱状のものやドーナツ状のものを1個用いる場合もあるが、小粒のものを多数使用することもできる。小粒のものを多数使用する場合、同種のものを用いるほか、例えば配合成分の異なる薬剤や溶解度が異なる薬剤等異種の複数の小粒の固形薬剤を用いることもできる。なお、本発明における固形薬剤には、有効成分が排水と接触した際必要以上に流出することを防止することができ、適度な速度で接触した排水に溶解させることができる形態のもの、例えばヌメリ防除剤等が不織布、紙、フィルム等の透水性の袋やチューブ等に収容されているものや、ヌメリ防除剤等がスポンジ、樹脂発泡体等に担持されているものや、液体のヌメリ防除剤等が多孔質鉱物などに含浸されているものも便宜上含まれる。
【0026】
次に、本発明において、微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤を収納する容器としては、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をしたものや、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をし、かつ排水口の蓋機能を併せもつものや、排水口の入口部又は上部に設置可能であるゴム蓋等の蓋に装着することができるリング状等の形状をしたものであって、その上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造の排水流入孔と、容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造を有し、固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができるものであればどのようなものでもよい。また、蓋又は排水口の蓋として機能する容器の場合は、蓋又は容器の外縁部と排水口との隙間から食物クズの流入を防止するため、蓋又は容器の外縁部から厚さ0.5〜2mm、幅1〜3mmの柔軟性の鍔を延設し、前記隙間を塞いでおくこともできる。さらに、前記隙間から流入した食物クズ等が容器外周面と排水管内周面との間に停滞しないように、容器の底部に高さ0.3mm以上の突起物を設けることもできる。該突起物により容器底部とゴミ取り籠上面庇部との間に隙間が生じ、容器外周面と排水管内周面との間に流入した食物クズ等を排出することができる。
【0027】
また、排水口の大きさはメーカーや製造年月日によって異なる場合が多いため、蓋又は蓋としての機能を有する容器の場合は、薬剤収納部の外側の、蓋又は容器の外周部に排水口の大きさに合わせて切り離し可能な鍔状部を設けて必要に応じて切り離すことにより、各種大きさの排水口に対応させることが好ましい。切り離し方法としては、設けられた溝に従ってハサミ等で切り離す方法が一般的であるが、切り離し可能な同心円状の複数のV字型溝を設けておき、手で引き裂くことにより容易に切り離すことができる構造とすることもできる。また、外縁部にリング状のアタッチメントを装着して排水口の大きさに蓋状容器の大きさを合わせることも可能である。
【0028】
排水口の入口部又は上部に設置可能な形状としては、リング状の容器本体の周縁部に形成された鍔状係止部からなる形状や、容器本体から水平方向に延設された複数の係止片からなる形状や、容器本体から垂直方向に立設された複数の係止片からなる形状を例示することができ(特願平11−54253号参照)、このタイプの容器を用いて、排水口の蓋または類似物に固定して使用する場合、固形薬剤収納容器の一部の凸部をつくり引っかけるようにするなどの止め具を使用したり、また、任意の蓋の径に調節することができる鍔状部分やアタッチメントを設け、使用する形態にあわせて切断したり接続できるような構造とすることも可能である。また、このタイプの容器の場合、固形薬剤の溶解液をヌメリ発生壁面部等に広がらせることができるように、容器本体の側面下部に溶解液流出孔を配設する他、溶解液流出孔又はその近傍に分配管、分配樋、細棒状分配ピン等を配設することもできる。
【0029】
排水口の蓋機能を併せもち排水口の入口部又は上部に設置可能な形状としては、流し台シンク排水口に設置され、排水口の中央部分に対応する部分が菊割れ状、網目状、スリット状又は陥入・切開状など、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造であって、周縁部分が薬剤を収納しうるリング状の形状を例示することができ、このタイプの容器は薬剤収納部と蓋が一体的に構成されている。そして、排水口やゴミ取りカゴに栓や蓋が設置されている場合には、この栓や蓋と類似した形状の容器とすることもできる。
【0030】
排水口の入口部又は上部に設置可能であるゴム蓋等の蓋に装着することができる形状としては、リング状等の形状を例示することができ、このタイプの容器は蓋に装着された状態で使用されることになる。このタイプの容器を装着する蓋としては、菊割れ状ゴム蓋の他、蓋の中央部にゴミの流入口を有するプラスチック製蓋、開閉可能なスリット状ゴミ受け付きの蓋、ゴミの流入を防止し排水のみを流入させる金網または細孔を有する小型の皿状蓋など各種市販の台所排水口、風呂場の排水口などに設置されている蓋をあげることができる。また、かかるゴム蓋等は、このタイプの容器に設けられた排水流入孔や溶解液流出孔に対応する部分に切り欠きが設けられているものが好ましい。このように、薬剤収納容器と蓋とが別体になっている場合は、薬剤収納容器のみを使い捨てとすることもできる。
【0031】
また、前記リング状容器等の容器の蓋への装着は、従来公知の装着手段を利用することができ、例えば、ゴム蓋の下部に設けられた弾性片等のゴムの弾性力を利用して、このタイプの容器を着脱自在に嵌合させることにより装着したり、容器の外側又は内側側面に突起物を形成しておき、この突起物をゴム蓋側面に設けた穴に嵌合させることにより装着することができる。また、嵌合の位置合わせのため、ゴム蓋の一部に凸又は凹部を設け、容器の一部にこれと対応する凹又は凸部を設けることができる。他方、従来市販の流し台シンクの排水口用の蓋に容器を装着することができるように、容器の形状や寸法を蓋に合わせたり、容器の一部にアタッチメントを設けることができる。
【0032】
そして、これら容器の材質としては、プラスチック、ゴム、金属等各種公知のものが使用可能であるが、コスト、加工面等から各種のプラスチックが好ましく使用される。特に、流し台シンクの排水口に設けられる蓋からなる容器の場合、従来のゴム蓋に代えてプラスチック蓋、例えば着色プラスチック蓋とすることもできる。また、これら容器の材質として、抗菌処理が施されたものを用いることもできる。抗菌処理の方法としては、従来公知の抗菌処理方法であれば特に制限されないが、例えば抗菌剤を材質の一部として含有させたり、表面にコーティングする処理方法を挙げることができる。抗菌処理に用いられる抗菌剤としては、バクテリアやカビ等に対する広範囲な抗菌スペクトルを有し、水に対する溶解度が小さいものであればどのようなものでもよいが、樹脂成形時の熱に耐えられる2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛等が好ましい。かかる抗菌処理を施すことにより、薬剤溶解液と相乗的に、あるいは補完的に容器に発生するヌメリを防止することができる。
【0033】
また、固形薬剤を容器へ収納する場合、小粒のものであれば排水流入孔から投入してもよいが、容器として、容器の一部に固形薬剤投入口と蓋を有するものや、容器本体と容器蓋とに2分割が可能なものは蓋を外して固形薬剤を投入することができる。そして、2分割が可能な容器の場合、容器本体と容器蓋とを公知の係止部材により着脱自在に結合できる構造とすることや、安全性の面から固形薬剤投入後容器本体と容器蓋を固着することもできる。さらに、容器内に小型の錠剤等の固形薬剤を複数個収納させて溶解させると、固形薬剤が溶解により小さくなった時点で、固形薬剤が容器の中で移動し、溶解液の濃度が部分により差が生じる場合があり、その場合は固形薬剤が小さくなっても移動しない移動止めを2ヶ所以上設けることにより解決できる。
【0034】
排水流入孔は、容器の上面及び/又は側面上部に設けられ、ゴミの流入を抑制する構造を有するものであれば特に制限されるものではなく、かかるゴミの流入を抑制する構造としては、(1)排水を円滑に容器内に導くとともにゴミが容器内に流入しない形状であること、(2)流入孔が親水性の不織布で形成されていること、(3)流入孔が網目構造であること、があげられ、これらのいずれかまたは組合せにより容器へのゴミの流入を極力抑制することができる。
【0035】
排水を円滑に容器内に導くとともにゴミが容器内に流入しない形状としては、スリット状の排水流入孔、好ましくは少なくとも容器上面に設けられた、排水口中心部方向に沿った1又は2以上のスリットから構成される排水流入スリットを適宜間隔で複数備えた排水流入孔を具体的に例示することができ、特に容器上面から内側端にまで至り、さらに内側面上部まで連続して設けられているものが好ましい。上記のように、スリットは排水が排水口に流入する周辺部から排水口中心部の方向へ沿って設けた方が幅が狭いスリットでも排水を容器内に流入させることができ、反対に細かいゴミのスリットからの流入を抑制することができる。また、上面のスリットを容器上面の中心部側端まで延長し、さらに、中心部側側面上部まで連続して設けると、より円滑に排水を容器内に導くことができる。スリットの長さはスリットの幅に合わせて、その幅より長く適宜設定すればよいが、上面、側面あわせて全長2mm以上、好ましくは5mm以上あることが望ましい。スリットはさらに延長して側面下部または容器下面まで延長し、溶解液排出孔を兼ねてもよい。
【0036】
また、排水流入孔におけるスリットの幅は、0.5〜4mm、さらに0.5〜3mm、特に1〜2mmである排水流入孔が好ましい。スリット幅が0.5mm以上であると水の表面張力の均衡が破れ、水を容器内に流入させることができる。また、スリット幅が4mm以下好ましくは3mm以下であるとゴミの流入を極力防止することができる。これに対し、排水流入孔が円形または四角形の孔の場合、水の表面張力に打ち勝って円滑に容器内へ排水を導くには直径または幅が4mm以上必要であり、この大きさの孔を容器にあけると台所の排水口の場合、排水とともに食物屑等の固形のゴミが容器内に流入し、容器内が汚染されたり、固形薬剤と水の接触を妨げたり、溶解液流出孔が詰まったりするなど不都合が生じる。
【0037】
さらに、容器や蓋の材質や形状に応じて、容器に親水処理や撥水処理を施すこともできる。親水処理や撥水処理は、例えば、容器に親水性又は撥水性の樹脂材料を用いたり、容器の樹脂に親水性又は撥水性の界面活性剤を練り込んだ材料を用いたり、あるいは容器の表面に親水性又は撥水性のコーティング剤、塗料を塗布することにより行うことができる。容器の材質の全部又は一部、例えば薬剤収納容器を親水性とすることにより、水の表面張力の影響を小さくすることができ、該容器の排水流入孔から容器内へ排水をより円滑に流入させることができるだけでなく、排水中に含まれる油の容器への付着を防止することが可能となる。反対に、容器の材質の全部又は一部、例えば蓋表面を撥水性とすることにより、水溶性汚れ物質による蓋表面の汚れの付着を防止することができる。また、蓋表面の汚れを防止する方法としては、撥水性をもたせると同時に表面に緩やかな傾斜を設けて排水が蓋表面にとどまらない構造とすることも有効である。
【0038】
容器の排水流入孔の開口度は、排水の流入量を制御しうるように設定することが好ましく、すなわち排水量が多いとき、排水の一部が排水流入孔を通って固形薬剤収納部に流入するが、大部分は排水流入孔から流入することなくそのまま排水されるように設定することが好ましい。具体的には、容器の上面及び/又は側面上部に1個又は複数個の調整された開口度を有する排水流入孔が配設されたものや、排水の一部しか排水流入孔へ導びかない調整された導水路の基部に排水流入孔が配設されたもの等を挙げることができる。そして、かかる排水流入孔を備えることにより、流入量が制御されるため、排水量が多いときであっても、固形薬剤の溶解液がこの排水流入孔から逆流することを抑制することができる。
【0039】
また、容器の排水流入孔を親水性の不織布で構成すると、ゴミを容器内に流入させることなく排水のみが不織布を浸透して容器内に流入し薬剤を溶解させることができる。この場合、流入孔の大きさは不織布の浸透性を考慮して任意に設定することができる。そしてまた、容器の排水流入孔を網目構造とすると、ゴミを容器内に流入させることなく排水のみが、容器内に流入し薬剤を溶解させることができる。この時、流入孔の大きさ、網目目開きは排水の透過性を考慮して任意に設定することができる。
【0040】
溶解液流出孔は、固形薬剤の溶解液をヌメリ発生壁面部に広がらせることができるように、容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられ、具体的には、排水口の口部やゴミ取りカゴの上縁にそって制御された開口度を有する溶解液流出孔が複数配設されたものや、菊割れ状ゴム蓋等の蓋の内側側面部にも溶解液流出孔を設けゴム蓋の表裏面に溶解液を拡散させるものや、先端が排水管の上部やゴミ取りカゴの上部に接触しうる複数の分配管(樋)の基端に制御された開口度を有する溶解液流出孔が配設されたものや、分配管(樋)の代わりに溶解液流出孔に近接した位置にゴミ取りカゴの上部に接触しうる細い棒状の分配ピンが配設されたもの等を挙げることができる。特に溶解液流出孔が容器底部、内(中心部側)側面部及び外(周辺部側)側面部に設けると、排水口周辺、ゴミ取り籠およびゴム蓋表裏面に溶解液を拡散させることができる点からして一層好ましい。
【0041】
そして、本発明の排水口用ヌメリ取り器を用いると、ヌメリ発生面、すなわち、台所流し台、風呂場、トイレの床の排水管の内壁面部や、流し台シンク排水口のゴム蓋の表裏面や、その下に設置されているゴミ取りカゴの側面及び底面部や、流し台シンクに置かれる生ゴミ入れの側面及び底面部等のヌメリが発生する平面、曲面等に発生したヌメリを除去し得るばかりでなく、ヌメリの発生を防止することもできる。
【0042】
次に、本発明のヌメリ取り器、特に固形薬剤収納容器がゴム蓋に装着されたタイプの、流し台シンク排水口に用いらヌメリ取り器について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらのものに何ら限定されるものではない。
【0043】
図1には、流し台シンク排水口のゴム蓋1に、ゴム蓋1の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器2が装着されている本発明のヌメリ取り器が示されている。ゴム蓋1には、内周縁端部に複数の方形排水流入口3と、内側面部に複数の溶解液流出口4と、外周縁下部に薬剤収納容器2を嵌合係止するための複数の係止部5とが、それぞれ設けられている。また、リング状の薬剤収納容器2は容器蓋部6と容器本体7からなり、容器蓋部6には、排水口中心部方向に沿った複数のスリットからなる排水流入スリット8(上記方形排水流入孔3に対応)が設けられ、また容器本体7には、その内側面上部に上記排水流入スリット8と連通する複数のスリットからなる排水流入スリット9(上記方形排水流入口3に対応)と、溶解液流出・排気孔10(上記溶解液流出口4に対応)と、下面に複数の円形溶解液流出孔11と、外周縁端下部には複数の係止嵌合部12(上記係止部5に対応)とが、それぞれ設けられている。薬剤収納容器2の内側面上部に複数の溶解液流出・排気孔10を設けることにより、ゴム蓋1の表裏面にも薬剤の溶解液を接触させることができるばかりでなく、溶解液流出・排気孔10は排気孔としても機能することから、排水をスムーズに流入させることができる。図2は、容器本体内に小粒の薬剤13が収納されたリング状の薬剤収納容器2をゴム蓋1の下部内側に嵌合・装着した上記ヌメリ取り器を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。
【0044】
図3には、図1に示されたヌメリ取り器と類似したヌメリ取り器が示されており、図4はその一部拡大図である。このタイプのヌメリ取り器は、ゴム蓋1の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器2が装着され、ゴム蓋1には、内周縁端部に複数の方形排水流入口と、内側面部に複数の溶解液流出口と、内側面下部周縁に薬剤収納容器2を嵌合装着するための3つの係止部16とが、それぞれ設けられている。また、容器蓋部と容器本体が固着されたリング状の薬剤収納容器2には、上記方形排水流入口に対応する位置に、排水口中心部方向に沿った複数のスリットからなる排水流入スリットが上面から内側面上部にかけて設けられ、内側面にはまた上記溶解液流出口に対応する位置に溶解液流出・排気孔10が、下面に複数の円形溶解液流出孔11が、外側面には複数の溶解液流出・排気孔17が、それぞれ設けられている。
【0045】
また、図5に示すように、上記円形溶解液流出孔11及び溶解液流出・排気孔17に代えて、薬剤収納容器2の外側面最下部に複数の溶解液流出孔18を設けることができる。その場合、かかる複数の溶解液流出孔18からの溶解液の排出量が全体の溶解液排出量の1/2以上となるようにすることが好ましい。特に、図6に示すように、ゴミ取り籠19の庇部を排水口段差部に係止する場合、薬剤収納容器2の外側面下部に複数の溶解液流出孔18を設けることにより、溶解液がゴミ取り籠の上面庇部をつたい、ゴミ取り籠19の内面にのみ流れることがなくなり(樹脂製のゴミトリ籠の場合内側を流れる液は籠の外側には拡散しにくい構造となっている)、ゴミ取り籠の庇を越えて外側に流れるため、ゴミ取り籠の外面や籠が設置されている排水管面に流出させることができる。
【0046】
また、図5に示すように、ゴム蓋1の周辺上部に切断用溝20を同心円状に複数設けておき、排水口の口径に合わせて該切断用溝20に沿って切断することができるようにしておくこともできる。この切断用溝20を、図7に示すように、素手で切り離すことができるようにV字型としておくこともできる。この場合、円周上の異なる位置にV字型の切欠き21を設けておくことにより、所望するV字型切断用溝19での切り離しが一層簡便となる。
【0047】
また図8には、図1に示されるヌメリ取り器とは、ゴム蓋1へのリング状薬剤収納容器2の装着の仕方を異にするヌメリ取り器が示されている。図8の一部拡大図である図9に、より明確に示されているように、このタイプのヌメリ取り器は、係止部を有しておらず、リング状薬剤収納容器2の内側側面に係止用突起22が等間隔で3個形成されており、ゴム蓋1の対応する面に等間隔で6箇所設けられている嵌合穴に該突起22を3箇所で嵌合することにより、簡単にリング状薬剤収納容器2をゴム蓋1に装着することができる。
【0048】
また図10〜13には、図1に示されるヌメリ取り器とは、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造を異にするヌメリ取り器が示されている。このタイプのヌメリ取り器は、菊割れ状と呼ばれる図1に示されるものと異なり、半円形の陥入部23と切開部24(図10〜12)や円弧状の陥入部23と切開部24(図13)とを有している。菊割れ状の場合、ある程度の期間使用すると中心部付近が垂れ下がってくるが、この陥入・切開状の場合垂れ下がることがなく、構造的に菊割れ状よりも強度が大きい。
【0049】
また図14には、蓋の外縁部と排水口との隙間から食物クズの流入を防止するため、蓋1の外縁部から薄い柔軟性の鍔25が延設されたヌメリ取り器が示されている。このタイプのヌメリ取り器を排水口に載置すると、この柔軟性の鍔25が前記隙間を塞ぐことにより、隙間からの食物クズの流入を確実に防止することができる。
【0050】
また図15及び16には、ゴム蓋1と薬剤収納容器2との位置合わせ機構を有するヌメリ取り器が示されている。かかる位置合わせ機構は、薬剤収納容器2の外周上部に適宜間隔で1〜3,4個設けられた嵌合溝26と、ゴム蓋1の薬剤収納容器装着面に前記嵌合溝26と嵌合することができる位置合わせ用凸部27から構成されている。かかる位置合わせ機構を備えることにより、円周方向と上下方向の2方向において、ゴム蓋の所定の位置に薬剤収納容器を確実にセットすることができ、排水流入孔から排水を容器内に確実に流入させることができる。
【0051】
図17には、菊割れゴム蓋1が底面を上にした状態で図示されている。この菊割れゴム蓋1のベロー28は長期間使用すると、温水等の影響で図18に示すように変形し、内部のゴミ等が見えるようになる。しかし、かかるベロー部の厚さを増したり、強度を大きくすると、ゴミがゴミ取り籠内に流入しないという不具合が生じる。上記菊割れゴム蓋にも、ベローの変形を防止するために、ベロー下部に補強リブ29が設けられているが、かかる従来の補強リブ29は、ゴム蓋本体からベロー先端にかけて先細形状に延設されており、ベローの根元が強く先端が弱くなっているため、図18に示すように、その先端部が大きく変形し、かつ変形が固定するという問題があった。
【0052】
図19には、ベロー28の変形を防止することができる菊割れゴム蓋1が底面を上にした状態で図示されている。図19及び20に示されるように、この菊割れゴム蓋1には、ベローの変形を防止するために、ベロー下部に補強リブ29が設けられているが、かかる補強リブ29は、上記従来の補強リブのようにゴム蓋本体から延設されておらず、ベロー28の根元から先端まで延設されているので、ベロー自体が湾曲することはない。そして、ゴミが流れてきた場合、図20に示すように、ベロー28の根元部がわずかに変形するだけでベロー先端は大きく下降してゴミが落下した後、ベロー28はその根元部の弾性力により復帰するように形成されている。このように、ベロー28の根元部の強度を強くしておいても、ベロー先端に力がかかるとベロー根元には大きな力が働くため、ゴミは籠内に落下する。かかる図19及び20に示される菊割れゴム蓋1を用いると、長期間使用しても、ベロー28の変形を防止することができる。また、ベローをゴム蓋本体に対して、あらかじめ先端下がりの傾斜、例えば5〜45°の傾斜構造としておくこともできる。この場合、ゴミが籠の中に落下しやすく、ゴミや水による負荷が低減してベローの変形が少なくなる。かかる傾斜ベローに、その根元から先端まで延設されている前記補強リブを設けることもできる。
【0053】
【実施例】
薬剤収納容器を装着した菊割れゴム蓋からなる図3に示されるヌメリ取り器の容器[容器の排水流入孔;幅1.2mm、長さ10mm(上面7mm、内側面上部3mm)の6個のスリットからなる排水流入スリットが6箇所、容器の溶解液流出孔;底部にΦ3mmで9個、内側面上部に幅1.5mm×長さ5mmが6個、外側面上部に幅2mm×長さ3mmが6個]に、加圧成形された直径10mmの下記の円柱状の固形薬剤24個を収納した後、かかる本発明のヌメリ取り器を、家庭の台所流し台に2ヶ月間設置し、モニター試験を実施したところ、2ヶ月間にわたり容器内にゴミが入ること無く、ゴム蓋、ゴミ取り籠、排水管内面等のヌメリが防除できることが確認することができた。
[薬剤組成等]
TEP・CMI[ゲスト化合物となる抗菌剤として、2モルの5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、多分子系ホスト化合物として、1モルの1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとの反応により得られた包接化合物]5重量部と、基材としてのアセト酢酸−o−トルイダイド95重量部からなる混合物を、Φ10mm金型を設置した連続油圧打錠機に設置し、打錠圧2t/cm2で重量0.6gの錠剤に打錠した。
【0054】
【発明の効果】
本発明の排水口用ヌメリ取り器は、簡単に排水口の上部に設置することができ、安全性や取り扱い性に優れ、ヌメリ防除剤を収納した容器から、ヌメリ防除剤の溶解液を排水管壁面に広がらせることができ、従来のカゴ状容器では大部分の薬剤が排水とともに流出してしまい、ヌメリ防除に効果を発揮しなかったのに対し、本発明の排水口用ヌメリ取り器では排水で希釈されない溶解液がヌメリ発生部に長時間接触するため、少量の薬剤で効果的にヌメリを防止でき、かつ、排水中に流出する薬剤量が微少であるため、塩素系薬剤を用いた場合でも環境への影響も少ない。しかもまた、適度な溶出速度で有効成分が溶出するので、台所流し台や風呂場の排水口等のように雑菌やカビ等の代謝物によりヌメリが発生する箇所に設け、ヌメリを除去するとともに、ヌメリの発生を長期間にわたって防止することができる。また、容器内にゴミが流入することを防ぐことができ、溶解液排出孔が詰まったり、容器内が汚染されることがなく、排水と固形薬剤との接触も円滑に行なわれる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明のヌメリ取り器の概略組立図である。
【図2】図1のヌメリ取り器を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。
【図3】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の概略斜視図である。
【図4】図3のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図5】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図6】図5のヌメリ取り器を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。
【図7】V字型切断溝が設けられた本発明のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図8】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の概略斜視図である。
【図9】図8のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図10】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の概略斜視図である。
【図11】図10のヌメリ取り器を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。
【図12】図10のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図13】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の概略斜視図である。
【図14】ゴム蓋外周部に薄い柔軟性の鍔を有する本発明のヌメリ取り器の概略縦断面図である。
【図15】ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明の他の態様のヌメリ取り器の概略斜視図である。
【図16】図15のヌメリ取り器の一部切欠き拡大図である。
【図17】菊割れゴム蓋の底面を上にした状態の概略斜視図である。
【図18】図17のゴム蓋の使用状況を示す概略縦断面図である。
【図19】新しいタイプの菊割れゴム蓋の底面を上にした状態の概略斜視図である。
【図20】図19のゴム蓋の使用状況を示す概略縦断面図である。
【0056】
【符号の説明】
1 ゴム蓋
2 薬剤収納容器
3 方形排水流入口
4 溶解液流出口
5,16 係止部
6 容器蓋部
7 容器本体
8,9 排水流入スリット
10,17 溶解液流出・排水孔
11,18 溶解液流出孔
12 係止嵌合部
13 薬剤
16 係止部
19 ゴミ取り籠
20 切断用溝
21 V字型切欠き
22 係止用突起
23 陥入部
24 切開部
25 薄い柔軟性の鍔
26 嵌合溝
27 位置合わせ用凸部
28 ベロー
29 補強リブ

Claims (17)

  1. 微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤と、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした、該固形薬剤を収納する容器とからなり、該容器が、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔と、容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造とを有することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる排水口用ヌメリ取り器。
  2. 容器が、排水口に設けられる蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1記載の排水口用ヌメリ取り器。
  3. 微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤と、該固形薬剤を収納する容器と、該容器を装着することができ、排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋とからなり、前記容器が、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔と容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造とを有することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる排水口用ヌメリ取り器。
  4. 容器がリング形状であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項3記載の排水口用ヌメリ取り器。
  5. 容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、少なくとも容器上面に設けられた、排水口中心部方向に沿った1又は2以上のスリットから構成される排水流入スリットを適宜間隔で複数備えた排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  6. 少なくとも容器上面に設けられた、排水口中心部方向に沿った1又は2以上のスリットから構成される排水流入スリットが、容器上面から内側端にまで至り、さらに内側面上部まで連続して設けられていることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項5記載の排水口用ヌメリ取り器。
  7. スリット幅が0.5〜4mmであることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項5又は6記載の排水口用ヌメリ取り器。
  8. 容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、親水性の不織布からなる排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  9. 容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔が、網目構造の排水流入孔であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜4のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  10. 溶解液流出孔が、容器の底部、内側面部及び外側面部、あるいは容器の外側面最下部に設けられていることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜9のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  11. 排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした容器又は排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋が、その外縁部から厚さ0.5〜2mm、幅1〜3mmの柔軟性の鍔を延設した容器又は蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜10のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  12. 排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした容器又は排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした蓋が、その外周部に、排水口の大きさに合わせて切り離し可能な同心円状の複数のV字型溝を有している容器又は蓋であることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜11のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  13. 微生物の発育抑制物質として、塩素系酸化剤以外の薬剤を使用することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜12のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  14. 塩素系酸化剤以外の薬剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項13記載の排水口用ヌメリ取り器。
  15. 塩素系酸化剤以外の薬剤として、有機ヨード系抗菌剤を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項13記載の排水口用ヌメリ取り器。
  16. 固形薬剤として、同種あるいは異種の複数の小粒の固形薬剤を用いることを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面に広がらせることができる請求項1〜15のいずれか記載の排水口用ヌメリ取り器。
  17. その内部に微生物の発育抑制物質を含有する固形薬剤を収納することができる容器であって、底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に固形薬剤の溶解液流出孔を、少なくとも上面に排水口中心部方向に沿った1又は2以上の幅0.5〜4mmのスリットから構成される排水流入スリットを適宜間隔で複数備えた排水流入孔とをそれぞれ有し、かつ、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造を有することを特徴とする排水口の入口部又は上部に設置されるヌメリ取り用容器。
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