JP4963334B2 - 排水口用ヌメリ取り剤及びヌメリ取り具 - Google Patents

排水口用ヌメリ取り剤及びヌメリ取り具 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所流し台の排水口や風呂場の排水口やトイレの床の排水口等のように、雑菌やカビ等の代謝物によりヌメリや悪臭が発生する箇所に設け、ヌメリを除去したり、ヌメリの発生を防止したり、あるいはヌメリを防除したりするのに有用な排水口用ヌメリ取り剤や該排水口用ヌメリ取り剤を用いる排水口用ヌメリ取り具に関し、特に、家庭用台所流し台の排水口部に設置されたゴミ取りカゴ用のヌメリ取り剤やヌメリ取り具に関する。
【0002】
【従来の技術】
台所流し台や風呂場の排水口のヌメリの主成分は、食材、界面活性剤、石鹸、人の垢等が細菌の栄養源となり、そのとき細菌から分泌されるポリサッカライドであることが知られている。
【0003】
従来、家庭用流し台の排水口部のゴミ取りカゴのヌメリ防止用薬剤として、トリクロルイソシアヌール酸、ジクロルイソシアヌール酸塩、ブロムクロルジメチルヒダントイン等の塩素系酸化剤を単独又は他の成分と配合したものを加圧成形した錠剤を、プラスチック製のネット又はカゴ状容器に収納し、ヒモ等によりゴミ取りカゴ内に吊し、ゴミ取りカゴのヌメリを防止する薬剤はよく知られており(特開平8−128090号公報)、これらは数年前より「ヌメリ取り剤」等の名称で販売され実用に供されている。
【0004】
上記薬剤は塩素系酸化剤の強力な殺菌力により、ゴミ取りカゴのヌメリと悪臭の防止に効果を発揮し、広く使用されているが、その強力な酸化力によりゴミ取りカゴ及び周辺の排水口材質を劣化・腐食させる他、塩素ガスや塩素ガスと食物クズ中の窒素分との反応により生成する三塩化窒素等の刺激臭のガスを発生する等の安全性に問題を有している。
【0005】
上記問題点を解決するため、塩素系酸化剤以外の殺菌剤を用いた「ヌメリ取り剤」が種々提案されている。例えば、過炭酸ソーダ、過硫酸カリウム、過ホウ酸ソーダ等の過酸化物(特開平8−268818号公報、特開平9−31495号公報)、ポビドンヨード等のヨウ素系殺菌剤(特開平9−124423号公報、特開平9−227317号公報)、亜硫酸塩等の硫黄化合物と抗菌剤からなる除菌用薬剤(特開平9−124422号公報)、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、ヒノキチオール等の揮発性除菌剤(特開平9−206040号公報)、銀イオン、銅イオン等をゼオライト、シリカゲル等の無機化合物に担持させた無機系殺菌剤(特開平8−157305号公報、特開平9−30915号公報、特開平9−194313号公報)、パラクロロメタキシレノール等の工業用殺菌剤等を単独又は適当な溶解調整剤を添加して加圧成形した錠剤型のヌメリ取り剤が知られている。また、WO00/12828には5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを使用したヌメリ取り剤が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のヌメリ取り剤は、ヌメリ取り効果が現れるのに1週間程度かかるものや、安全性に問題があるものや、排水口材質の劣化・腐食を引き起こすものなど、満足のいくヌメリ取り剤は数少なかった。本発明の課題は、安全性や取り扱い性に優れ、排水口の材質の劣化・腐食がなく、速効性のヌメリ取り効果が得られる排水口ヌメリ取り剤、及びかかるヌメリ取り剤を使用したヌメリ取り具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため鋭意研究し、今までヌメリ取り剤として報告されていない数多くの抗菌性化合物について、そのヌメリ除去効果、特に速効的除去効果や安全性等を検討し、ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、又はグルコン酸亜鉛と、基材とを用いて製剤したヌメリ取り剤が速効的ヌメリ除去効果と安全性の点で優れていることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
(1)ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、及びグルコン酸亜鉛から選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする排水口用ヌメリ取り剤、(2)ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、及びグルコン酸亜鉛から選ばれる1種以上の化合物を含有する排水口用ヌメリ取り剤と、該排水口用ヌメリ取り剤を収納する容器とからなり、該容器が、前記排水口用ヌメリ取り剤の一部又は全部を、排水口に流れ込む流水に接触させることができ、且つ、接触により生じたヌメリ取り剤の溶解液が、ヌメリ発生面に広がらせることができることを特徴とする排水口用ヌメリ取り具関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の排水口用ヌメリ取り剤としては、ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、及びグルコン酸亜鉛から選ばれる1種以上の化合物を含有するものであれば特に制限されるものではなく、これらの化合物の中でも、トリクロサン、ダイクロサンが抗菌効果の点で好ましい。また上記化合物のうち、ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、フェノキシエタノール、又はジメチルジメチロールヒダントインは、多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物として有利に用いることができる。多分子系ホスト化合物としては特に制限されないが、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノ−ル類を挙げることができる。
【0010】
また、本発明の排水口用ヌメリ取り剤として、上記化合物やその包接化合物からなる抗菌性化合物をそのまま使用することもできるが、抗菌性化合物の排水中への溶出速度を調節するために、基材を併用することが好ましい。かかる抗菌性化合物とともに使用される基材としては、次亜塩素酸を含む市販の洗浄剤との混合により塩素ガス発生のおそれがない物質が好ましく、具体的には、燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸3カルシウム無水物、燐酸水素マグネシウム3水和物、燐酸水素マグネシウム8水和物、乳糖、バニリン、クエン酸カルシウム4水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸カルシウム0.5水和物、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、ソルビトール、アルキルソルビタンエステル(HLB14以下)、グリセリンモノ脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、蔗糖脂肪酸エステル(HLB14以下)などを例示することができ、これらは、単独で使用することも、あるいは2種以上混合して使用することもできるが、加圧形成した時の打錠性、水に対する溶解性、崩壊性、抗菌剤の安定性等のヌメリ取り剤として要求される諸条件を考慮して適宜選択することが望ましい。
【0011】
ヌメリ取り剤として要求される諸条件の中でも、ヌメリ取り剤の水に対する溶解性は、ヌメリ防除効果を長期にわたり安定的に発現するという実製品開発の観点からして特に重要であり、他方、本発明のヌメリ取り剤に用いられる前記抗菌性化合物は各々水に対する溶解性が異なるため、該抗菌性化合物の溶解速度を考慮して、最終製品の形状・使用形態や配合する基材の種類などを決定することが好ましい。最終製品の形状・使用形態としては、抗菌性化合物と粉体状の基材とを混合後打錠して錠剤とし、ヌメリ取り器に収納して用いたり、抗菌性化合物と室温以上の融点を有する基材とを融解・混合し、筒状の金型に充填・冷却後に切断して固形薬剤とし、ヌメリ取り器に収納して用いたり、抗菌性化合物と室温以上の融点を有する基材とを融解・混合し、不織布に含浸した後、該不織布をシンクの形状に適合するように成形した筒状体として用いる、などの形状・使用形態を挙げることができる。
【0012】
抗菌性化合物と混合後打錠して錠剤とする場合に用いられる粉体状の基材としては、炭酸カルシューム、燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸3カルシウム無水物、燐酸水素マグネシウム3水和物、燐酸水素マグネシウム8水和物、乳糖、でん粉、バニリン、クエン酸カルシウム4水和物、硫酸カルシウム2水和物、硫酸カルシウム0.5水和物等の硫酸カルシウム水和物、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ソーダ、安息香酸ソーダ、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、ソルビトールなどを好適に例示することができ、特に、これらの中でも硫酸カルシウム水和物を錠剤用基材として用いる場合、成形性や溶解性を容易にコントロールすることができることからして硫酸カルシウム0.5水和物が好ましく、硫酸カルシウム0.5水和物の中でも、常圧焼成により製造されるβ型のものが、加圧焼成することにより製造されるα型のものよりも、吸水による成形体の型崩れを起こしにくい点で好ましく、このβ型の硫酸カルシウム0.5水和物を用いる場合は、乳糖と併用することが上記成形性や溶解性のコントロールの点でより好ましい。
【0013】
錠剤タイプの本発明のヌメリ取り剤は、抗菌性化合物と基材とを加圧成形することにより製造することができるが、加圧成形に際しては、必要に応じてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、オルトほう酸等の滑沢剤を、全ヌメリ取り剤100重量部に対して0.1〜5重量部の割合で添加することにより、また、ポリアクリル酸ソーダ、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の結合剤を、全ヌメリ防除剤100重量部に対して1〜15重量部の割合で添加することにより、加圧成形を容易にすることができる。
【0014】
また、打錠成形時の滑沢性の付与及び錠剤の水中での安定性(膨潤、崩壊防止性)を向上させる目的で、ステアリン酸などのC14〜C24の飽和脂肪酸を添加することができる。特に、硫酸カルシウムを基材として使用した場合、ステアリン酸やラウリン酸などのC14〜C24の飽和脂肪酸は溶解調節剤としても機能することから、併用することが好ましい。C14〜C24の飽和脂肪酸の添加量は、全ヌメリ取り剤100重量部に対して1〜10重量部の割合で用いることが好ましく、10重量部を超えて添加することもできるが溶解速度が遅くなる。なお、ステアリン酸カルシウム等のC14〜C24の飽和脂肪酸の金属塩を滑沢剤として用いる場合、全ヌメリ取り剤100重量部に対して1重量部以下の割合で用いると成形性が損なわれることがなく、溶解調節剤としての使用にも適している。さらに、目的に応じてアルキルチオ尿素系やトリアゾール系等の腐食防止剤を添加し、配管などの金属部分の腐食を抑制することもできる。また、ケイソウ土、硫酸白土などを加えることにより、成形の際、帯電防止効果を付与することもできる。また、各種界面活性剤を添加することにより有効成分を広くヌメリ発生面に拡散させることができる。その他、苦味付与成分を添加することにより乳幼児の誤食を防止したり、消臭剤や芳香剤を添加することにより台所生ゴミや排水口の悪臭を防止することもできる。
【0015】
抗菌性化合物とともに融解・混合して不織布に含浸する場合に用いられる室温以上の融点を有する基材としては、多価アルコールや高級脂肪酸のアルコールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したものや、高級脂肪酸のエステルがいずれも使用でき、アルキルソルビタンエステル(HLB14以下)、グリセリンモノ脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、蔗糖脂肪酸エステル(HLB14以下)等を具体的に例示することができ、これらは単独あるいは2種以上混合して使用することもできる。
【0016】
本発明のヌメリ取り剤に使用する抗菌性化合物のうち、水に対する溶解度が大きいε−ポリリジン、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントインを用いる場合は、疎水性の化合物で処理することが好ましい。疎水性化合物による処理としては、疎水性化合物による被覆処理を挙げることができ、具体的には、上記水に対する溶解度が大きい抗菌性化合物を室温以上の融点をもつ疎水性化合物でコーティングした後粉砕し、この粉砕物に上記基材又は上記抗菌性化合物を配合・混合して錠剤化する方法を例示することができる。配合・混合する基材又は抗菌性化合物は、抗菌性化合物の溶出速度を制御・調節する目的で選択ことが好ましい。また、疎水性化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸エステル等の合成高分子やセルロース誘導体、天然及び/又は合成のワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸のエステル等を例示することができ、これらの中でも、操作性やコストの点から高級脂肪酸、高級脂肪酸のエステルが好ましく、例えば、HLBの低いアルキルソルビタンエステル(HLB14以下)、グリセリンモノステアリン酸(HLB=4)等のHLBの低い脂肪酸のグリセリンエステル、蔗糖脂肪酸エステル(HLB14以下)、多価アルコールや高級脂肪酸のアルコールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したものなどを好適に挙げることができ、これらは、単独で使用することも、あるいは2種以上混合して使用することもできる。
【0017】
本発明の排水口用ヌメリ取り具としては、ε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、及びグルコン酸亜鉛から選ばれる1種以上の化合物を含有する排水口用ヌメリ取り剤と、該排水口用ヌメリ取り剤を収納する容器とからなり、該容器が、前記排水口用ヌメリ取り剤の一部又は全部を、排水口に流れ込む流水に接触させることができ、且つ、接触により生じたヌメリ取り剤の溶解液が、ヌメリ発生面に広がらせることができるものであれば特に制限されるものではなく、上記排水口用ヌメリ取り剤を収納する容器としては、本発明者らにより開発されたヌメリ取り器(WO00/12828)、例えば排水口の入口部又は上部に設置可能な形状をした、該固形薬剤を収納する容器、好ましくは排水口に設けられる蓋とからなり、該容器が、容器の上面及び/又は側面上部に設けられたゴミの流入を抑制する構造を有する排水流入孔と、容器の底部もしくは側面下部又はこれに加えて側面に設けられた溶解液流出孔と、排水の多くが固形薬剤と接触することなく排水口へ流下する構造とを有することを特徴とする固形薬剤の溶解液をヌメリ発生面、例えば排水管壁やごみ取りカゴ壁面に広がらせることができる排水口用ヌメリ取り器を好適に用いることができる。以下に図1、図2を用いてより具体的に説明するが、本発明の技術範囲は何ら限定されるものではない。
【0018】
図1には、流し台シンク排水口のゴム蓋1に、ゴム蓋1の下部内側に嵌合自在なリング状の薬剤収納ケース2が装着されているヌメリ取り器が示されている。ゴム蓋1には、外周縁端部に複数の方形排水流入孔3と、内周側面部に複数の溶解液流出孔4と、外周縁下部に薬剤収納ケース2を嵌合係止するための複数の係止部5とが、それぞれ設けられている。また、このリング状の薬剤収納ケース2には、上面蓋部からケース本体の外周縁端部にかけての複数のスリット形排水流入孔8(上記方形排水流入孔3に対応)と、内周縁端上部に複数の溶解液流出・排気孔6(上記溶解液流出孔4に対応)と、下面に複数の円形溶解液流出孔9と、外周縁端下部には複数の係止嵌合部7(上記係止部5に対応)とが、それぞれ設けられている。薬剤収納ケース2の内周縁端上部に複数の溶解液流出・排気孔6を設けることにより、ゴム蓋1の表裏面にも薬剤の溶解液を接触させることができるばかりでなく、溶解液流出・排気孔6は排気孔としても機能することから、排水をスムーズに流入させることができる。図2は、そのケース本体内に小粒の薬剤10が収納されたリング状の薬剤収納ケース2をゴム蓋1の下部内側に嵌合・装着したヌメリ取り器を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。尚、11はゴミ取りカゴを示す。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を掲げて本発明を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1(ヌメリ微生物に対する抗菌活性)
本発明のヌメリ取り剤に用いられる抗菌性化合物であるε−ポリリジン、トリクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、ジメチルジメチロールヒダントイン、及びグルコン酸亜鉛の抗菌活性(MIC値;3×104N/ml)を調べた。まず、台所の流し台からヌメリを採取し、100ppmのTween80を含む滅菌生理食塩水10mlに懸濁した後、ホモジナイザー(15000回転/分)で5分間処理し、ホモジナイザー処理後の懸濁液を100ppmのTween80を含む滅菌生理食塩水で104倍に希釈し、かかる希釈液を供試菌懸濁液(3×105N/ml)として用いた。次に、2倍濃度の標準液体培地(酵母エキス5g、ポリペプトン10g及びブドウ糖2gを精製水1Lに溶解し、pHを7.0に調整)と、各種濃度の上記抗菌性化合物を溶解した2重量%DMSO溶液とを等量ずつ試験管内で入れ、アルミ栓をし、オートクレーブで121℃で15分間滅菌した後、冷却して薬剤入り培地として用いた。この薬剤入り培地に、上記供試菌懸濁液を0.1ml接種・攪拌し、30℃の恒温振とう培養器で3日間培養した後、目視によりヌメリ微生物の増殖の有無を判断することにより、MIC値を求めた。結果を表1に示す。表1から、トリクロサン、ダイクロサンがヌメリ微生物に対して優れた抗菌活性を有することがわかった。
【0020】
【表1】
Figure 0004963334
【0021】
実施例2(ヌメリ取り器を用いたモニター試験)
ヌメリ除去試験には、薬剤収納容器を装着した菊割れゴム蓋からなる、図1に示されるヌメリ取り器を用いた。薬剤収納容器に、表2記載の配合からなる直径10mmに加圧成形された各種ヌメリ取り剤を各24個収納したヌメリ取り器を、既にヌメリが発生している4人家族の家庭の流し台に設置し、ヌメリ除去作用について10日間モニター試験を行った。結果を表2に示す。表2のヌメリ除去作用の欄中、○は2日目からヌメリ除去効果が認められたことを、△は7日目からヌメリ除去効果が認められたことをそれぞれ示す。また、次亜塩素酸系洗浄剤との混合時の塩素ガス発生の目安となるアルカリ洗剤危険性は、上記各種ヌメリ取り剤1gを100mlのビーカーに入れて蒸留水100mlを添加して溶解し、かかる溶解液についてpHメーターでpHを測定し、pH5以下のものを市販次亜塩素酸系洗浄剤との混合により塩素ガスが発生する目安とした。表2のアルカリ洗剤危険性の欄中、○は塩素ガス発生の恐れがないことを、×は塩素ガス発生の恐れがあることをそれぞれ示す。表2から、本発明のヌメリ取り剤(試料1〜4)は速効的なヌメリ除去作用を示すとともに、次亜塩素酸系洗浄剤との混合時に塩素ガス発生の危険がないことがわかった。
【0022】
【表2】
Figure 0004963334
【0023】
【発明の効果】
本発明のヌメリ取り剤やヌメリ取り具を用いると、簡便かつ安全に台所排水口に発生するヌメリを、速効的に防除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゴム蓋の下部に嵌合自在なリング状の薬剤収納容器を装着した本発明のヌメリ取り具に用いられる容器の概略組立図である。
【図2】 本発明のヌメリ取り具を流し台シンク排水口に適用した場合の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 ゴム蓋
2 薬剤収納ケース
3 方形排水流入孔
4 溶解液流出孔
5 係止部
6 溶解液流出・排気孔
7 係止嵌合部
8 スリット形排水流入孔
9 円形溶解液流出孔
10 薬剤
11 ゴミ取りカゴ

Claims (2)

  1. リクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、及び、ジメチルジメチロールヒダントインから選ばれる1種以上の化合物を含有することを特徴とする排水口用ヌメリ取り剤。
  2. リクロサン、ダイクロサン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェノキシエタノール、及び、ジメチルジメチロールヒダントインから選ばれる1種以上の化合物を含有する排水口用ヌメリ取り剤と、該排水口用ヌメリ取り剤を収納する容器とからなり、該容器が、前記排水口用ヌメリ取り剤の一部又は全部を、排水口に流れ込む流水に接触させることができ、且つ、接触により生じたヌメリ取り剤の溶解液が、ヌメリ発生面に広がらせることができることを特徴とする排水口用ヌメリ取り具。
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