JP2003013095A - 水流失性除菌洗浄剤 - Google Patents
水流失性除菌洗浄剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【目 的】流水路における除菌洗浄剤の提供。
【構 成】(1)銀、銅または亜鉛化合物の0.3〜2
0重量% (2)防汚、洗浄効果をもった界面活性剤の5〜20重
量% (3)揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜
10重量% (4)炭酸水素ナトリウムの5〜15重量% 上記(1)〜(4)を主成分とした粉末混合物を圧縮成
形したことを特長とする水流失性除菌洗浄剤。 【効 果】各種流水路に置いて洗浄効果を発揮し黒ず
み、ぬめり、悪臭の発生防止効果を奏する。
0重量% (2)防汚、洗浄効果をもった界面活性剤の5〜20重
量% (3)揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜
10重量% (4)炭酸水素ナトリウムの5〜15重量% 上記(1)〜(4)を主成分とした粉末混合物を圧縮成
形したことを特長とする水流失性除菌洗浄剤。 【効 果】各種流水路に置いて洗浄効果を発揮し黒ず
み、ぬめり、悪臭の発生防止効果を奏する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、台所の流し台や浴室の
排水口などの流水路に置いて、除菌洗浄および黒ずみ防
止効果を有する除菌洗浄剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、台所流し台のくずかご(ストレー
ナー)や、浴室の排水口に設置してぬめりを除去する目
的でトリクロロイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌ
ール酸ナトリウムあるいは1−ブロモ−3−クロロ−
5.5−ジメチルヒダントインを圧縮成形した錠剤が塩
素系ぬめり取り剤として用いられてきた。 【0003】また、最近では非塩素系の安全タイプとし
て銀、銅あるいは亜鉛を抗菌成分とし界面活性剤を洗浄
目的の成分としこれらを石膏で固結した錠剤、さらに
は、クロロメチルイソチアゾリン包接化合物を錠剤とし
た商品などが上市されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの既
存市販ぬめり取り剤は以下に述べる欠点があって安全性
や効果の点で十分なものではなかった。すなわち、
(1)塩素系のぬめり取り剤は、その効果は大きいもの
ゝ、漂白剤やアルカリ性洗剤などのアルカリ物質あるい
は食酢などの酸性物質とまざると塩素ガスが発生して危
険性が大きいこと。(2)非塩素系のぬめり取り剤は、
他の物質とまざっても塩素ガスの発生がなく安全性は改
善されたものゝ、塩素系ぬめり取り剤にくらべるとその
効果が劣り、とくに、ストレーナーの黒ずみが除去でき
ないこと、および、ぬめり取り剤が接触しないストレー
ナーの周辺部と側壁部のぬめりの発生を防止する効果が
著しく劣っていた。 【0005】本発明は、上述の現状に鑑みなされたもの
で、漂白剤、食酢などの他の薬剤とまざっても塩素ガス
を発生しない安全性を備えながら、錠剤が接触するスト
レーナーの底部のみならずその周辺部においてもぬめり
防止効果を発揮でき、しかもストレーナーの黒ずみを除
去できる除菌洗浄剤を提供するのを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は、ぬめり取り剤と接触しないストレーナ
ー内の周辺部や側壁部でも効果を発揮できるように揮発
して殺菌、抗菌作用を呈する薬剤に着目し、さらに、黒
ずみを防止する薬剤を種々検討してこれらを殺菌作用を
有する金属化合物および防汚、洗浄作用を有する界面活
性剤と併用して成形物とすることに着想して鋭意研究を
重ねた結果、 (1)殺菌性を有する金属化合物としては、銀、銅、亜
鉛の化合物が適当であり、その殺菌効果は銀化合物がも
っともすぐれ、次いで銅化合物、亜鉛化合物の順であり
その使用量は必ずしもこれらを主成分としなくてもよく
0.3〜20重量%で効果があること。 【0007】(2)揮発して殺菌、抗菌効果を呈する薬
剤としては、錠剤とした後の保存性の点から蒸気圧のあ
まり高くないアルコール類または天然植物抽出精油が適
すること。 【0008】(3)黒ずみを防止する薬剤としては、安
全性と効果の点から炭酸水素ナトリウムが好適でありそ
の使用量は5〜15重量%の範囲が好ましいこと。 【0009】(4)本発明成形物に、流水によって徐々
に流失していく性質を付与するのに金属化合物として水
溶性塩の使用の有無、および炭酸水素ナトリウムの配合
量が影響することを見出して本発明を完成したものであ
る。 【0010】すなわち、本発明は(1)銀、銅または亜
鉛化合物の0.3〜20重量%、(2)防汚、洗浄効果
をもった界面活性剤の5〜20重量%、(3)揮発して
殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜10重量%、
(4)炭酸水素ナトリウムの5〜15重量%を主成分と
した粉末混合物を圧縮成形した水流失性の除菌洗浄剤を
要旨としている。 【0011】本発明の構成と作用とを説明する。まず、
本発明で用いる銀、銅または亜鉛化合物としては、硝酸
銀、硫酸銅、酢酸第二銅または硫酸亜鉛などの水溶性
塩、酸化第二銀、亜酸化銅、酸化銅、酸化亜鉛などの水
不溶性の化合物があげられる。使用に当っては殺菌効果
と流水による流失持続性を考慮して水溶性塩と水不溶性
化合物との併用がより好ましい。また、異った金属化合
物を併用して用いてもよい。排水口より吹き上げてくる
悪臭、とくに硫化水素などの硫黄化合物系悪臭を防止す
るには、経済性と効果の点から水溶性亜鉛化合物の比較
的多量の配合が好適に用いられる。 【0012】酸化銀、酸化亜鉛などをゼオライトなどの
キヤリヤー物質に担持させたいわゆる抗菌セラミック
も、本発明の銀、銅または亜鉛化合物として用いて有用
であるが、使用に際しては抗菌セラミック中のこれら金
属の含有率を勘案の上配合する必要がある。 【0013】本発明で用いる防汚、洗浄効果をもった界
面活性剤としては、アニオン、カチオン、両性、非イオ
ン系いずれの界面活性剤でもよく二種以上併用してもよ
い。その性状は粉末、ペースト状、液状を問わないが、
液状物を用いる場合は適当なキヤリヤー物質に担持させ
て用いる。 【0014】本発明洗浄剤を用いるに際して、とくに大
きい防汚効果を期待する場合にはシリコーンやふっ素油
を含む界面活性剤が好適に用いられる。 【0015】ここで、液状界面活性剤を担持させるキヤ
リヤー物質としてはメチルセルロース、サイクロデキス
トリン、セルロースエーテル化物などのセルロース化合
物、ゼオライト、けいそう土、活性アルミナ、タルク、
炭酸カルシウムなどの吸液性無機粉末が好適に用いら
れ、これらは併用して用いてよい。その選択は用いる界
面活性剤の粘度などの性状と使用量およびキヤリヤー物
質の吸液能を考慮して行う必要がある。 【0016】本発明で用いる揮発して殺菌または抗菌効
果を呈する薬剤としてはとくに制限はないが、もっとも
一般的にはイソプロピルアルコールなどのアルコール
類、クレゾールなどのフェノール類あるいは、ヒバ油、
ユーカリ油、木酢油、わさび抽出油、しょう脳油、ペパ
ーミント油あるいはレモン油などの天然植物抽出精油な
どが用いられる。メチルアルコール、エチルアルコール
などの蒸気圧の低い薬剤は本発明洗浄剤とした後の保存
安定性が劣ることから望ましくない。 【0017】これらの薬剤を担持させるキヤリヤー粉末
としては、前述の界面活性剤に用いた粉末と同様の粉末
を用いうるが用いる植物抽出精油によっては粉末のpH
(1%スラリー液で測定)によって変質するおそれがあ
るので粉末のpHは中性〜弱アルカリ性(pH値6.4
〜9.0)のものがより好適に用いられる。 【0018】こゝで、界面活性剤および揮発して殺菌ま
たは抗菌効果を呈する薬剤を担持させるキヤリヤー物質
の使用量は、当然のことながら上記薬剤の粘性などの性
状やキヤリヤー物質の吸液能によって左右されるが、こ
れら担持させた後の粉末の性状が粉末としての流動性を
保つことが一応の目安とされる。通常のキヤリヤー粉末
の吸液担持率は約10〜40重量%の範囲内にあるの
で、キヤリヤー物質の使用量は担持させる上記成分の約
2.5〜10倍(重量比)が用いられる。 【0019】本発明で用いる炭酸水素ナトリウム(重
曹)は粉末状、か粒状のいずれでもよい。その純度はと
くに問わないので食品用グレードを用いる必要はない。 【0020】本発明で用いる各成分の量比について述べ
ると、銀、銅または亜鉛化合物の0.3〜20重量%、
防汚、洗浄効果をもった界面活性剤の5〜20重量%、
揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜10重
量%および炭酸水素ナトリウムの5〜15重量%を主成
分とし、残りはキヤリヤー物質、成形作業で粉末の流れ
を改善する滑沢剤および賦形剤とするものである。 【0021】たとえば、上記4成分の下限量を用いた場
合、11.3重量%(=0.3+5+1+5)の残り8
8.7重量%をキヤリヤー物質、滑沢剤および賦形剤で
占めるように配合すればよい。さらに具体的には、いま
仮りに10重量%の担持能をもったキヤリヤー粉末を用
いたとすれば上記配合比は、金属化合物が0.3重量
%、界面活性剤を担持したキヤリヤー粉末が50(=5
×10)重量%、殺菌性薬剤担持粉末が10(=1×1
0)重量%、炭酸水素ナトリウムが5重量%となり残り
の34.7重量%(=100−65.3)が滑沢剤およ
び賦形剤の使用量となるが如くである。 【0022】銀、銅または亜鉛化合物の0.3重量%未
満は殺菌作用が不十分なため、また20重量%を超える
使用は流水中での成形保持性の低下および排水の下水道
への受入規制値(銅化合物で3mg/l、亜鉛化合物で
5mg/l)を超えるおそれが生じることから避けるべ
きである。 【0023】金属化合物は殺菌効果の大きい銀化合物で
は0.3〜8重量%、銅化合物では1〜10重量%、亜
鉛化合物では5〜20重量%を用いるが如くその効果の
大小によって使用量を変えてよい。 【0024】防汚、洗浄効果をもつ界面活性剤の5重量
%未満はその効果が低いことから、また20重量%を超
える量の使用はキヤリヤー粉末の使用量増加をもたらし
成形物の流水中での成形保持性が低下するので本発明よ
り除かれる。 【0025】揮発して殺菌または抗菌作用を呈する薬剤
の1重量%未満は、本発明成形物が置かれたストレーナ
ーの周辺部のぬめり防止の効果が不十分なため、また1
0重量%を超える使用は経済性および成形物の保存安定
性が劣ることから避けた方が望ましい。 【0026】炭酸水素ナトリウムの5重量%未満は目的
とする黒ずみ防止効果が低いことから、また、15重量
%を超える使用はその水溶解度(25℃で9.32)の
点から成形物とした場合の水流失性を早める欠点があり
本発明の範囲外とされる。 【0027】本発明洗浄剤を病院の洗い台の排水口、あ
るいは給食工場など食品関係の調理場の排水口に用いる
場合、より高い殺菌効果が求められる場合が生じるが、
かゝる用途に本発明品を用いるには他の殺菌性薬剤を1
〜10重量%添加する手段が採用できる。 【0028】この目的に用いられる殺菌剤としては、2
−(4−チアデイル)ベンズイミダールなどのベンズイ
ミダール系、フタルイミド系、ジクロロイソシアヌール
酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリ
ウム、安定化二酸化塩素液などの有機または無機化合物
の殺菌剤が用いられる。その使用に当っては、他の成分
との化学反応性を検討チェックの上選択することが望ま
しい。 【0029】本発明除菌洗浄剤を調製するには、まず、
成分のうち界面活性剤などの液状成分を適当なキヤリヤ
ー粉末に担持させて流動性ある粉末として用意した後、
他の粉末成分と混合して常法に従って打錠成形すればよ
く、その際、着色や付香は任意に行ってよい。作業性を
向上させる目的で混合される滑沢剤や賦形剤などは常法
に従って添加すればよい。なお、成形の作業性を向上さ
せるために、予め成分をか粒状に造粒しておくことは自
由に行ってよい。 【0030】本発明洗浄剤は流水によって一度に流失せ
ずに徐々に約1ヶ月にわたって減少していく必要がある
が、そのコントロールは、主に用いる金属化合物の水溶
性の有無とその使用量、キヤリヤー物質としての水溶性
物質および炭酸水素ナトリウムの使用量の多寡によって
行えばよい。 【0031】本発明除菌洗浄剤は、たとえばネットや孔
あきプラスチックケースに収納して台所流し台のストレ
ーナー(くずかご)、浴室の排水口、男性小用トイレあ
るいは歯科医の口ゆすぎ台などに置いて用いれば破損す
ることなく徐々に流失していって除菌と洗浄効果を発揮
し、さらに流水路のぬめりと黒ずみおよび悪臭の発生を
防止できしかも流失した成分粉末は再固結しないのでパ
イプなどの流水路を詰まらすこともない。 【0032】さらに、本発明除菌洗浄剤を浸漬した水中
にたわし、ふきんなどを漬けておくことによって、これ
ら用具の洗浄殺菌の用途に利用することも可能である。 【0033】 【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する
が、これによって本発明は限定されるものではない。部
および%は特に明示しない限りそれぞれ重量部、重量%
で示した。 【0034】実施例1 界面活性剤としてラウリル硫酸トリエタノールアミン水
溶液(日本サーファクタント工業株式会社品)を選び、
この100部を市販活性アルミナ(和光純薬工業株式会
社品)900部に吸着させる。揮発して殺菌性を呈する
薬剤としてヒノキチオール含有天然ひば油(大阪有機化
学工業株式会社品)10部を上記の活性アルミナ(1%
スラリー液のpH8.4)40部に吸着させる。 【0035】金属化合物として銀系の抗菌セラミック粉
末(カネボウ化成株式会社品、商品名バクテキラーBM
−102GA、銀含有率3%、亜鉛含有率49%)を用
意する。 【0036】上記の界面活性剤担持粉末790部(界面
活性剤79部含有)、ひば油担持粉末の50部(ひば油
10部含有)、抗菌セラミック粉末の50部(銀化合物
1.5部、亜鉛化合物24.5部含有)、炭酸水素ナト
リウムの50部、賦形剤として市販セルロースエーテル
(信越化学工業株式会社品、商品名メトローズ)の30
部および滑沢剤としてステアリン酸アルミニウム(和光
純薬工業株式会社品)30部の計1,000部をかきま
ぜ機で均一に混合する。 【0037】この混合粉末中の各成分の含有率は界面活
性剤が7.9%、ひば油が1.0%、銀化合物が0.1
5%、亜鉛化合物が2.45%、炭酸水素ナトリウムが
5.0%である。この混合粉末を常法に従って25mm
φ、厚み16mmの錠剤に打錠成形して本発明除菌洗浄
剤とした。 【0038】朝と夕の2回炊事を行う家庭の台所流し台
のストレーナー内で上記洗浄剤1個をネットに入れたも
のと、市販のクロルメチルイソチアゾリン包接化合物を
成分とするぬめり取り剤(株式会社白元)とを比較した
ところ、本発明品が27日間にわたってストレーナーの
黒ずみ防止および錠剤の接触面のみならず底面全面と側
壁2〜3cmの高さまでぬめり付着防止効果が認められ
たのに対し、市販比較品は錠剤のまわりのみに効果が認
められるにとゞまった。 【0039】比較例として、上記配合において界面活性
剤担持粉末を690部とし、その減量分100部を炭酸
水素ナトリウムに置換えた配合(炭酸水素ナトリウムの
含有率が15.0%)の混合粉末を用い上記同様に成形
品としたものは、同様のテストで黒ずみの発生防止効果
は向上したものゝ18日で流失した。このことより、炭
酸水素ナトリウムの15%を超える使用は本発明洗浄剤
として効果の持続性の面で不利であることが明らかにな
った。 【0040】実施例2 市販硝酸銀(和光純薬工業株式会社品)の50%水溶液
を用意する。市販天然ゼオライト粉末(和光純薬工業株
式会社品)90部に上記水溶液10部を吸着担持させ
た。 【0041】非イオン界面活性剤(コルペエコー株式会
社品、商品名コチコチカット)75部、両性界面活性剤
(日本油脂株式会社品、商品名アノンLG)75部を活
性アルミナ粉末700部とメチルセルロース(和光純薬
工業株式会社品)150部との混合粉末に吸着担持させ
た。ペパーミント油(寿香料株式会社品)100部を活
性アルミナ400部に担持させて揮発して殺菌性を呈す
る薬剤とする。 【0042】硝酸銀担持粉末60部(硝酸銀3部含
有)、界面活性剤担持粉末700部(界面活性剤105
部含有)、ペパーミント担持粉末110部(ペパーミン
ト22部含有)、炭酸水素ナトリウム50部、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社
品、商品名メトローズ)50部およびステアリン酸アル
ミニウム30部を均一に混合して実施例1同様の錠剤に
打錠成形して本発明除菌洗浄剤とした。(Aとする。) 一方、硝酸銀担持粉末を50部、ペパーミント担持粉末
を120部に変えて同様に錠剤とした。(Bとする。) 【0043】こうしてえられたAとBの殺菌力評価試験
を以下の石炭酸係数法によって行った。供試品錠剤(上
記洗浄剤錠剤)を0.05%濃度になるようにイオン交
換水で加温溶解し、121℃で15分間オートクレーブ
で湿熱減菌し冷却後10ml分注し107の大腸菌(E
scherichia Coli)菌液0.1mlを接
種し25℃で作用させて経時的に生菌数を測定する。初
期菌数はリン酸緩衝液10mlに菌液0.1ml接種し
これより菌数を測定した。使用培地は標準寒天培地(栄
研)とした。 【0044】試験結果は表1のとおりであった。 【0045】以上の結果から、本発明除菌洗浄剤は少な
くとも0.3%の金属化合物の含有量が除菌効果の面で
望ましいことが明らかになった。 【0046】実施例3 金属化合物として硫酸亜鉛(和光純薬工業株式会社品)
40部、酸化亜鉛(和光純薬工業株式会社品)40部お
よび酢酸第二銅(和光純薬工業株式会社品)20部を均
一に混合した。活性アルミナをキヤリヤー粉末としその
90部にポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イ
オン界面活性剤(日光ケミカルズ株式会社品、商品名ニ
ッコール)33部およびジデシルメチルアンモニウムク
ロライド液(ゼネラル化成株式会社品、商品名ゼネクリ
ーン)6部を担持させた。 【0047】ヒドロキシプロピルメチルセルロース40
部と活性アルミナ50部との混合物をキヤリヤー粉末と
して、これに市販ユーカリ油(寿香料株式会社品)10
部を担持させ揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤
とした。これらの成分を使用して金属化合物および防
汚、洗浄効果をもった界面活性剤の適量を表2の配合で
試験した。殺菌テストは実施例2の方法によった。ま
た、打錠成形は実施例1同様に行った。 【0048】【0049】朝、昼、夕に炊事を行う9家庭を選び表2
の3−A、3−B、3−Cをネットに入れて、それぞれ
3家庭で台所流し台のストレーナー内で実地テストを行
った結果は次の通りであった。 【0050】まず、3−Aについては、ストレーナーの
底部周壁部のぬめり付着防止効果および黒ずみの防止防
果は大きいものゝ錠剤の接触部分のぬめり除去効果はや
ゝ劣った。実施例2同様の殺菌性テストでは生菌数は1
0以下ですぐれていることを勘案すると、ぬめりの付着
防止は殺菌性のデーター値の優劣だけでは判断できず防
汚、洗浄成分の寄与も無視できないことが判明した。3
−A中の界面活性剤の含有量は4.9%であり、本発明
洗浄剤の効果を達成するには少なくともその含有量は5
%以上が望ましいことが明らかになった。 【0051】3−Bは、黒ずみ防止と洗浄効果は発揮で
きるものゝ、テスト開始後7〜10日頃より錠剤にピン
ホールが発生し、いわゆる巣状を呈し、2家庭で18日
後、残る1家庭で21日後に割れを生じた。これは、用
いた金属化合物中の硫酸亜鉛、酢酸第二銅の量が比較的
多いため流水によって錠剤内部のこれら成分が選択的に
流失したためと推察された。従って金属化合物の含有量
は20%が使用の上限値と判断されるに至った。 【0052】次に、3−Cについては、ストレーナー内
の錠剤の周壁部は揮発性殺菌成分のユーカリ油の含有量
が0.93%と低いためぬめり付着の防止効果が劣った
結果を示した。錠剤の周辺のぬめり付着防止と洗浄性は
すぐれた結果を示したが、錠剤は約7日後にまわりのエ
ッジ部の欠けが出始め15〜20日後に部分的に割れを
生じ流水中での成形性の保持能が劣ることが示された。
以上の結果から、本発明において界面活性剤の上限使用
量は20%とし、また、揮発性殺菌剤の使用量下限は1
%とするものである。 【0053】実施例4 揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の使用上限値
をチェックするため以下の配合で検討した。この配合で
は、揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤を担持し
たキヤリヤー粉末が増えるので、その分界面活性剤のキ
ヤリヤー粉末を減すため粉末状の界面活性剤を一部採用
した。 【0054】実施例3で用いた金属化合物の60部、同
じく実施例3で用いた界面活性剤含有キヤリヤー粉末の
150部(界面活性剤45部含有)、ラウリル硫酸ナト
リウム粉末(日光ケミカルズ株式会社品純度97%)1
5部、活性アルミナ900部に対しユーカリ油300部
を担持させた粉末の200部(ユーカリ油50部含
有)、炭酸水素ナトリウム30部、ヒビロキシプロピル
メチルセルロース30部、ステアリン酸アルミニウム1
5部を混合し計500部とする。この混合粉末中のユー
カリ油含有量は10%である。 【0055】実施例1同様の仕様で錠剤としたものは、
ユーカリの香りをもち成形後はとくに異常は認められな
いものゝ、ガスバリヤー性の袋内に密封して保存中に約
7〜10日後で錠剤表面に油状のにじみが見られ、とく
に夏季にこの傾向が強かった。 【0056】この結果から、揮発して殺菌または抗菌効
果を呈する薬剤の使用量は10%を超えるとその保存安
定性が劣ると判断されるに至った。 【0057】実施例5 実施例2においてペパーミント油に代えてイソプロピル
アルコール30部、市販クレゾール液(和光純薬工業株
式会社品)70部を用いて同様にキヤリヤー粉末に担持
させた。他の成分は実施例2同様とした混合粉末の1,
000部に対し、次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬工業
株式会社品)30部(3%)を添加混合して常法に従っ
て実施例1同様に成形物とした。 【0058】こうしてえられた本発明洗浄剤を孔あきの
プラスチックケースに入れて歯科医の口ゆすぎ流し台、
病院の器具洗台の排水口、給食工場の排水路に置いて用
いたところ、約30日にわたって除菌、洗浄に効果が認
められた。 【0059】 【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、各種流水路に置くだけで流水によって徐々に
流失していき、しかも使用中に割れを生じることもなく
除菌、黒ずみ防止、ぬめり発生防止および消臭作用を発
揮できる。しかもこの種非塩素系従来品にくらべて錠剤
が接触している部分のみならずその周縁部にも上記効果
を及ぼすことができる。 【0060】さらに食酢などの酸性物質、漂白剤やかび
取り剤などのアルカリ性物質とまざっても有毒ガスを発
生することもなく取扱上安全である。他にステンレスな
どの金属製品をさびさせない、流水路のパイプなどを損
傷しないなどの特長をもつもので、これらの効果はこの
種従来品では達成できなかったものであり、取扱性と安
全性にすぐれた除菌洗浄剤として日常生活上きわめて有
益である。
排水口などの流水路に置いて、除菌洗浄および黒ずみ防
止効果を有する除菌洗浄剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、台所流し台のくずかご(ストレー
ナー)や、浴室の排水口に設置してぬめりを除去する目
的でトリクロロイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌ
ール酸ナトリウムあるいは1−ブロモ−3−クロロ−
5.5−ジメチルヒダントインを圧縮成形した錠剤が塩
素系ぬめり取り剤として用いられてきた。 【0003】また、最近では非塩素系の安全タイプとし
て銀、銅あるいは亜鉛を抗菌成分とし界面活性剤を洗浄
目的の成分としこれらを石膏で固結した錠剤、さらに
は、クロロメチルイソチアゾリン包接化合物を錠剤とし
た商品などが上市されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの既
存市販ぬめり取り剤は以下に述べる欠点があって安全性
や効果の点で十分なものではなかった。すなわち、
(1)塩素系のぬめり取り剤は、その効果は大きいもの
ゝ、漂白剤やアルカリ性洗剤などのアルカリ物質あるい
は食酢などの酸性物質とまざると塩素ガスが発生して危
険性が大きいこと。(2)非塩素系のぬめり取り剤は、
他の物質とまざっても塩素ガスの発生がなく安全性は改
善されたものゝ、塩素系ぬめり取り剤にくらべるとその
効果が劣り、とくに、ストレーナーの黒ずみが除去でき
ないこと、および、ぬめり取り剤が接触しないストレー
ナーの周辺部と側壁部のぬめりの発生を防止する効果が
著しく劣っていた。 【0005】本発明は、上述の現状に鑑みなされたもの
で、漂白剤、食酢などの他の薬剤とまざっても塩素ガス
を発生しない安全性を備えながら、錠剤が接触するスト
レーナーの底部のみならずその周辺部においてもぬめり
防止効果を発揮でき、しかもストレーナーの黒ずみを除
去できる除菌洗浄剤を提供するのを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は、ぬめり取り剤と接触しないストレーナ
ー内の周辺部や側壁部でも効果を発揮できるように揮発
して殺菌、抗菌作用を呈する薬剤に着目し、さらに、黒
ずみを防止する薬剤を種々検討してこれらを殺菌作用を
有する金属化合物および防汚、洗浄作用を有する界面活
性剤と併用して成形物とすることに着想して鋭意研究を
重ねた結果、 (1)殺菌性を有する金属化合物としては、銀、銅、亜
鉛の化合物が適当であり、その殺菌効果は銀化合物がも
っともすぐれ、次いで銅化合物、亜鉛化合物の順であり
その使用量は必ずしもこれらを主成分としなくてもよく
0.3〜20重量%で効果があること。 【0007】(2)揮発して殺菌、抗菌効果を呈する薬
剤としては、錠剤とした後の保存性の点から蒸気圧のあ
まり高くないアルコール類または天然植物抽出精油が適
すること。 【0008】(3)黒ずみを防止する薬剤としては、安
全性と効果の点から炭酸水素ナトリウムが好適でありそ
の使用量は5〜15重量%の範囲が好ましいこと。 【0009】(4)本発明成形物に、流水によって徐々
に流失していく性質を付与するのに金属化合物として水
溶性塩の使用の有無、および炭酸水素ナトリウムの配合
量が影響することを見出して本発明を完成したものであ
る。 【0010】すなわち、本発明は(1)銀、銅または亜
鉛化合物の0.3〜20重量%、(2)防汚、洗浄効果
をもった界面活性剤の5〜20重量%、(3)揮発して
殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜10重量%、
(4)炭酸水素ナトリウムの5〜15重量%を主成分と
した粉末混合物を圧縮成形した水流失性の除菌洗浄剤を
要旨としている。 【0011】本発明の構成と作用とを説明する。まず、
本発明で用いる銀、銅または亜鉛化合物としては、硝酸
銀、硫酸銅、酢酸第二銅または硫酸亜鉛などの水溶性
塩、酸化第二銀、亜酸化銅、酸化銅、酸化亜鉛などの水
不溶性の化合物があげられる。使用に当っては殺菌効果
と流水による流失持続性を考慮して水溶性塩と水不溶性
化合物との併用がより好ましい。また、異った金属化合
物を併用して用いてもよい。排水口より吹き上げてくる
悪臭、とくに硫化水素などの硫黄化合物系悪臭を防止す
るには、経済性と効果の点から水溶性亜鉛化合物の比較
的多量の配合が好適に用いられる。 【0012】酸化銀、酸化亜鉛などをゼオライトなどの
キヤリヤー物質に担持させたいわゆる抗菌セラミック
も、本発明の銀、銅または亜鉛化合物として用いて有用
であるが、使用に際しては抗菌セラミック中のこれら金
属の含有率を勘案の上配合する必要がある。 【0013】本発明で用いる防汚、洗浄効果をもった界
面活性剤としては、アニオン、カチオン、両性、非イオ
ン系いずれの界面活性剤でもよく二種以上併用してもよ
い。その性状は粉末、ペースト状、液状を問わないが、
液状物を用いる場合は適当なキヤリヤー物質に担持させ
て用いる。 【0014】本発明洗浄剤を用いるに際して、とくに大
きい防汚効果を期待する場合にはシリコーンやふっ素油
を含む界面活性剤が好適に用いられる。 【0015】ここで、液状界面活性剤を担持させるキヤ
リヤー物質としてはメチルセルロース、サイクロデキス
トリン、セルロースエーテル化物などのセルロース化合
物、ゼオライト、けいそう土、活性アルミナ、タルク、
炭酸カルシウムなどの吸液性無機粉末が好適に用いら
れ、これらは併用して用いてよい。その選択は用いる界
面活性剤の粘度などの性状と使用量およびキヤリヤー物
質の吸液能を考慮して行う必要がある。 【0016】本発明で用いる揮発して殺菌または抗菌効
果を呈する薬剤としてはとくに制限はないが、もっとも
一般的にはイソプロピルアルコールなどのアルコール
類、クレゾールなどのフェノール類あるいは、ヒバ油、
ユーカリ油、木酢油、わさび抽出油、しょう脳油、ペパ
ーミント油あるいはレモン油などの天然植物抽出精油な
どが用いられる。メチルアルコール、エチルアルコール
などの蒸気圧の低い薬剤は本発明洗浄剤とした後の保存
安定性が劣ることから望ましくない。 【0017】これらの薬剤を担持させるキヤリヤー粉末
としては、前述の界面活性剤に用いた粉末と同様の粉末
を用いうるが用いる植物抽出精油によっては粉末のpH
(1%スラリー液で測定)によって変質するおそれがあ
るので粉末のpHは中性〜弱アルカリ性(pH値6.4
〜9.0)のものがより好適に用いられる。 【0018】こゝで、界面活性剤および揮発して殺菌ま
たは抗菌効果を呈する薬剤を担持させるキヤリヤー物質
の使用量は、当然のことながら上記薬剤の粘性などの性
状やキヤリヤー物質の吸液能によって左右されるが、こ
れら担持させた後の粉末の性状が粉末としての流動性を
保つことが一応の目安とされる。通常のキヤリヤー粉末
の吸液担持率は約10〜40重量%の範囲内にあるの
で、キヤリヤー物質の使用量は担持させる上記成分の約
2.5〜10倍(重量比)が用いられる。 【0019】本発明で用いる炭酸水素ナトリウム(重
曹)は粉末状、か粒状のいずれでもよい。その純度はと
くに問わないので食品用グレードを用いる必要はない。 【0020】本発明で用いる各成分の量比について述べ
ると、銀、銅または亜鉛化合物の0.3〜20重量%、
防汚、洗浄効果をもった界面活性剤の5〜20重量%、
揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜10重
量%および炭酸水素ナトリウムの5〜15重量%を主成
分とし、残りはキヤリヤー物質、成形作業で粉末の流れ
を改善する滑沢剤および賦形剤とするものである。 【0021】たとえば、上記4成分の下限量を用いた場
合、11.3重量%(=0.3+5+1+5)の残り8
8.7重量%をキヤリヤー物質、滑沢剤および賦形剤で
占めるように配合すればよい。さらに具体的には、いま
仮りに10重量%の担持能をもったキヤリヤー粉末を用
いたとすれば上記配合比は、金属化合物が0.3重量
%、界面活性剤を担持したキヤリヤー粉末が50(=5
×10)重量%、殺菌性薬剤担持粉末が10(=1×1
0)重量%、炭酸水素ナトリウムが5重量%となり残り
の34.7重量%(=100−65.3)が滑沢剤およ
び賦形剤の使用量となるが如くである。 【0022】銀、銅または亜鉛化合物の0.3重量%未
満は殺菌作用が不十分なため、また20重量%を超える
使用は流水中での成形保持性の低下および排水の下水道
への受入規制値(銅化合物で3mg/l、亜鉛化合物で
5mg/l)を超えるおそれが生じることから避けるべ
きである。 【0023】金属化合物は殺菌効果の大きい銀化合物で
は0.3〜8重量%、銅化合物では1〜10重量%、亜
鉛化合物では5〜20重量%を用いるが如くその効果の
大小によって使用量を変えてよい。 【0024】防汚、洗浄効果をもつ界面活性剤の5重量
%未満はその効果が低いことから、また20重量%を超
える量の使用はキヤリヤー粉末の使用量増加をもたらし
成形物の流水中での成形保持性が低下するので本発明よ
り除かれる。 【0025】揮発して殺菌または抗菌作用を呈する薬剤
の1重量%未満は、本発明成形物が置かれたストレーナ
ーの周辺部のぬめり防止の効果が不十分なため、また1
0重量%を超える使用は経済性および成形物の保存安定
性が劣ることから避けた方が望ましい。 【0026】炭酸水素ナトリウムの5重量%未満は目的
とする黒ずみ防止効果が低いことから、また、15重量
%を超える使用はその水溶解度(25℃で9.32)の
点から成形物とした場合の水流失性を早める欠点があり
本発明の範囲外とされる。 【0027】本発明洗浄剤を病院の洗い台の排水口、あ
るいは給食工場など食品関係の調理場の排水口に用いる
場合、より高い殺菌効果が求められる場合が生じるが、
かゝる用途に本発明品を用いるには他の殺菌性薬剤を1
〜10重量%添加する手段が採用できる。 【0028】この目的に用いられる殺菌剤としては、2
−(4−チアデイル)ベンズイミダールなどのベンズイ
ミダール系、フタルイミド系、ジクロロイソシアヌール
酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリ
ウム、安定化二酸化塩素液などの有機または無機化合物
の殺菌剤が用いられる。その使用に当っては、他の成分
との化学反応性を検討チェックの上選択することが望ま
しい。 【0029】本発明除菌洗浄剤を調製するには、まず、
成分のうち界面活性剤などの液状成分を適当なキヤリヤ
ー粉末に担持させて流動性ある粉末として用意した後、
他の粉末成分と混合して常法に従って打錠成形すればよ
く、その際、着色や付香は任意に行ってよい。作業性を
向上させる目的で混合される滑沢剤や賦形剤などは常法
に従って添加すればよい。なお、成形の作業性を向上さ
せるために、予め成分をか粒状に造粒しておくことは自
由に行ってよい。 【0030】本発明洗浄剤は流水によって一度に流失せ
ずに徐々に約1ヶ月にわたって減少していく必要がある
が、そのコントロールは、主に用いる金属化合物の水溶
性の有無とその使用量、キヤリヤー物質としての水溶性
物質および炭酸水素ナトリウムの使用量の多寡によって
行えばよい。 【0031】本発明除菌洗浄剤は、たとえばネットや孔
あきプラスチックケースに収納して台所流し台のストレ
ーナー(くずかご)、浴室の排水口、男性小用トイレあ
るいは歯科医の口ゆすぎ台などに置いて用いれば破損す
ることなく徐々に流失していって除菌と洗浄効果を発揮
し、さらに流水路のぬめりと黒ずみおよび悪臭の発生を
防止できしかも流失した成分粉末は再固結しないのでパ
イプなどの流水路を詰まらすこともない。 【0032】さらに、本発明除菌洗浄剤を浸漬した水中
にたわし、ふきんなどを漬けておくことによって、これ
ら用具の洗浄殺菌の用途に利用することも可能である。 【0033】 【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する
が、これによって本発明は限定されるものではない。部
および%は特に明示しない限りそれぞれ重量部、重量%
で示した。 【0034】実施例1 界面活性剤としてラウリル硫酸トリエタノールアミン水
溶液(日本サーファクタント工業株式会社品)を選び、
この100部を市販活性アルミナ(和光純薬工業株式会
社品)900部に吸着させる。揮発して殺菌性を呈する
薬剤としてヒノキチオール含有天然ひば油(大阪有機化
学工業株式会社品)10部を上記の活性アルミナ(1%
スラリー液のpH8.4)40部に吸着させる。 【0035】金属化合物として銀系の抗菌セラミック粉
末(カネボウ化成株式会社品、商品名バクテキラーBM
−102GA、銀含有率3%、亜鉛含有率49%)を用
意する。 【0036】上記の界面活性剤担持粉末790部(界面
活性剤79部含有)、ひば油担持粉末の50部(ひば油
10部含有)、抗菌セラミック粉末の50部(銀化合物
1.5部、亜鉛化合物24.5部含有)、炭酸水素ナト
リウムの50部、賦形剤として市販セルロースエーテル
(信越化学工業株式会社品、商品名メトローズ)の30
部および滑沢剤としてステアリン酸アルミニウム(和光
純薬工業株式会社品)30部の計1,000部をかきま
ぜ機で均一に混合する。 【0037】この混合粉末中の各成分の含有率は界面活
性剤が7.9%、ひば油が1.0%、銀化合物が0.1
5%、亜鉛化合物が2.45%、炭酸水素ナトリウムが
5.0%である。この混合粉末を常法に従って25mm
φ、厚み16mmの錠剤に打錠成形して本発明除菌洗浄
剤とした。 【0038】朝と夕の2回炊事を行う家庭の台所流し台
のストレーナー内で上記洗浄剤1個をネットに入れたも
のと、市販のクロルメチルイソチアゾリン包接化合物を
成分とするぬめり取り剤(株式会社白元)とを比較した
ところ、本発明品が27日間にわたってストレーナーの
黒ずみ防止および錠剤の接触面のみならず底面全面と側
壁2〜3cmの高さまでぬめり付着防止効果が認められ
たのに対し、市販比較品は錠剤のまわりのみに効果が認
められるにとゞまった。 【0039】比較例として、上記配合において界面活性
剤担持粉末を690部とし、その減量分100部を炭酸
水素ナトリウムに置換えた配合(炭酸水素ナトリウムの
含有率が15.0%)の混合粉末を用い上記同様に成形
品としたものは、同様のテストで黒ずみの発生防止効果
は向上したものゝ18日で流失した。このことより、炭
酸水素ナトリウムの15%を超える使用は本発明洗浄剤
として効果の持続性の面で不利であることが明らかにな
った。 【0040】実施例2 市販硝酸銀(和光純薬工業株式会社品)の50%水溶液
を用意する。市販天然ゼオライト粉末(和光純薬工業株
式会社品)90部に上記水溶液10部を吸着担持させ
た。 【0041】非イオン界面活性剤(コルペエコー株式会
社品、商品名コチコチカット)75部、両性界面活性剤
(日本油脂株式会社品、商品名アノンLG)75部を活
性アルミナ粉末700部とメチルセルロース(和光純薬
工業株式会社品)150部との混合粉末に吸着担持させ
た。ペパーミント油(寿香料株式会社品)100部を活
性アルミナ400部に担持させて揮発して殺菌性を呈す
る薬剤とする。 【0042】硝酸銀担持粉末60部(硝酸銀3部含
有)、界面活性剤担持粉末700部(界面活性剤105
部含有)、ペパーミント担持粉末110部(ペパーミン
ト22部含有)、炭酸水素ナトリウム50部、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社
品、商品名メトローズ)50部およびステアリン酸アル
ミニウム30部を均一に混合して実施例1同様の錠剤に
打錠成形して本発明除菌洗浄剤とした。(Aとする。) 一方、硝酸銀担持粉末を50部、ペパーミント担持粉末
を120部に変えて同様に錠剤とした。(Bとする。) 【0043】こうしてえられたAとBの殺菌力評価試験
を以下の石炭酸係数法によって行った。供試品錠剤(上
記洗浄剤錠剤)を0.05%濃度になるようにイオン交
換水で加温溶解し、121℃で15分間オートクレーブ
で湿熱減菌し冷却後10ml分注し107の大腸菌(E
scherichia Coli)菌液0.1mlを接
種し25℃で作用させて経時的に生菌数を測定する。初
期菌数はリン酸緩衝液10mlに菌液0.1ml接種し
これより菌数を測定した。使用培地は標準寒天培地(栄
研)とした。 【0044】試験結果は表1のとおりであった。 【0045】以上の結果から、本発明除菌洗浄剤は少な
くとも0.3%の金属化合物の含有量が除菌効果の面で
望ましいことが明らかになった。 【0046】実施例3 金属化合物として硫酸亜鉛(和光純薬工業株式会社品)
40部、酸化亜鉛(和光純薬工業株式会社品)40部お
よび酢酸第二銅(和光純薬工業株式会社品)20部を均
一に混合した。活性アルミナをキヤリヤー粉末としその
90部にポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イ
オン界面活性剤(日光ケミカルズ株式会社品、商品名ニ
ッコール)33部およびジデシルメチルアンモニウムク
ロライド液(ゼネラル化成株式会社品、商品名ゼネクリ
ーン)6部を担持させた。 【0047】ヒドロキシプロピルメチルセルロース40
部と活性アルミナ50部との混合物をキヤリヤー粉末と
して、これに市販ユーカリ油(寿香料株式会社品)10
部を担持させ揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤
とした。これらの成分を使用して金属化合物および防
汚、洗浄効果をもった界面活性剤の適量を表2の配合で
試験した。殺菌テストは実施例2の方法によった。ま
た、打錠成形は実施例1同様に行った。 【0048】【0049】朝、昼、夕に炊事を行う9家庭を選び表2
の3−A、3−B、3−Cをネットに入れて、それぞれ
3家庭で台所流し台のストレーナー内で実地テストを行
った結果は次の通りであった。 【0050】まず、3−Aについては、ストレーナーの
底部周壁部のぬめり付着防止効果および黒ずみの防止防
果は大きいものゝ錠剤の接触部分のぬめり除去効果はや
ゝ劣った。実施例2同様の殺菌性テストでは生菌数は1
0以下ですぐれていることを勘案すると、ぬめりの付着
防止は殺菌性のデーター値の優劣だけでは判断できず防
汚、洗浄成分の寄与も無視できないことが判明した。3
−A中の界面活性剤の含有量は4.9%であり、本発明
洗浄剤の効果を達成するには少なくともその含有量は5
%以上が望ましいことが明らかになった。 【0051】3−Bは、黒ずみ防止と洗浄効果は発揮で
きるものゝ、テスト開始後7〜10日頃より錠剤にピン
ホールが発生し、いわゆる巣状を呈し、2家庭で18日
後、残る1家庭で21日後に割れを生じた。これは、用
いた金属化合物中の硫酸亜鉛、酢酸第二銅の量が比較的
多いため流水によって錠剤内部のこれら成分が選択的に
流失したためと推察された。従って金属化合物の含有量
は20%が使用の上限値と判断されるに至った。 【0052】次に、3−Cについては、ストレーナー内
の錠剤の周壁部は揮発性殺菌成分のユーカリ油の含有量
が0.93%と低いためぬめり付着の防止効果が劣った
結果を示した。錠剤の周辺のぬめり付着防止と洗浄性は
すぐれた結果を示したが、錠剤は約7日後にまわりのエ
ッジ部の欠けが出始め15〜20日後に部分的に割れを
生じ流水中での成形性の保持能が劣ることが示された。
以上の結果から、本発明において界面活性剤の上限使用
量は20%とし、また、揮発性殺菌剤の使用量下限は1
%とするものである。 【0053】実施例4 揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の使用上限値
をチェックするため以下の配合で検討した。この配合で
は、揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤を担持し
たキヤリヤー粉末が増えるので、その分界面活性剤のキ
ヤリヤー粉末を減すため粉末状の界面活性剤を一部採用
した。 【0054】実施例3で用いた金属化合物の60部、同
じく実施例3で用いた界面活性剤含有キヤリヤー粉末の
150部(界面活性剤45部含有)、ラウリル硫酸ナト
リウム粉末(日光ケミカルズ株式会社品純度97%)1
5部、活性アルミナ900部に対しユーカリ油300部
を担持させた粉末の200部(ユーカリ油50部含
有)、炭酸水素ナトリウム30部、ヒビロキシプロピル
メチルセルロース30部、ステアリン酸アルミニウム1
5部を混合し計500部とする。この混合粉末中のユー
カリ油含有量は10%である。 【0055】実施例1同様の仕様で錠剤としたものは、
ユーカリの香りをもち成形後はとくに異常は認められな
いものゝ、ガスバリヤー性の袋内に密封して保存中に約
7〜10日後で錠剤表面に油状のにじみが見られ、とく
に夏季にこの傾向が強かった。 【0056】この結果から、揮発して殺菌または抗菌効
果を呈する薬剤の使用量は10%を超えるとその保存安
定性が劣ると判断されるに至った。 【0057】実施例5 実施例2においてペパーミント油に代えてイソプロピル
アルコール30部、市販クレゾール液(和光純薬工業株
式会社品)70部を用いて同様にキヤリヤー粉末に担持
させた。他の成分は実施例2同様とした混合粉末の1,
000部に対し、次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬工業
株式会社品)30部(3%)を添加混合して常法に従っ
て実施例1同様に成形物とした。 【0058】こうしてえられた本発明洗浄剤を孔あきの
プラスチックケースに入れて歯科医の口ゆすぎ流し台、
病院の器具洗台の排水口、給食工場の排水路に置いて用
いたところ、約30日にわたって除菌、洗浄に効果が認
められた。 【0059】 【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、各種流水路に置くだけで流水によって徐々に
流失していき、しかも使用中に割れを生じることもなく
除菌、黒ずみ防止、ぬめり発生防止および消臭作用を発
揮できる。しかもこの種非塩素系従来品にくらべて錠剤
が接触している部分のみならずその周縁部にも上記効果
を及ぼすことができる。 【0060】さらに食酢などの酸性物質、漂白剤やかび
取り剤などのアルカリ性物質とまざっても有毒ガスを発
生することもなく取扱上安全である。他にステンレスな
どの金属製品をさびさせない、流水路のパイプなどを損
傷しないなどの特長をもつもので、これらの効果はこの
種従来品では達成できなかったものであり、取扱性と安
全性にすぐれた除菌洗浄剤として日常生活上きわめて有
益である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A01N 59/20 A01N 59/20
Z
65/00 65/00 A
C11D 3/10 C11D 3/10
3/12 3/12
3/48 3/48
17/06 17/06
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】(1)銀、銅または亜鉛化合物の0.3〜
20重量% (2)防汚、洗浄効果をもった界面活性剤の5〜20重
量% (3)揮発して殺菌または抗菌効果を呈する薬剤の1〜
10重量% (4)炭酸水素ナトリウムの5〜15重量% 上記(1)〜(4)を主成分とした粉末混合物を圧縮成
形したことを特長とする水流失性除菌洗浄剤。
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