第1の発明の食器洗い機は、本体と、前記本体内に設けられ被洗浄物を収容する洗浄槽と、前記被洗浄物を洗浄する洗浄装置と、前記洗浄槽の底部に設けられた排水口と、前記
洗浄槽内の洗浄水を前記洗浄装置に送水する洗浄ポンプと、前記排水口と前記洗浄ポンプとを連通する洗浄水循環経路と、前記排水口に着脱自在に固定される残菜フィルタとを備え、前記排水口に主部が円環状に形成された循環排水室が設けられ、前記循環排水室内に前記排水口から前記洗浄水循環経路に洗浄水が吸い込まれる複数の吸込口が放射状に配設されて構成されたものである。
この構成によって、排水口の循環排水室に流れ込んだ洗浄水の流れを洗浄水循環経路に近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路にスムーズに吸い込ませることができる。したがって、排水口から洗浄水循環経路に吸い込まれる洗浄水の流れを改善し、洗浄力を維持するとともに残菜フィルタの清掃頻度を少なくした食器洗い機を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記放射状に配設された複数の吸込口は、前記循環排水室内に複数の整流リブが放射状に設けられて形成されたものである。この構成によって、簡単な構成で循環排水室内に流れ込んだ洗浄水の流れを整流して洗浄水循環経路に近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路にスムーズに吸い込ませることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記放射状に配設された複数の吸込口に、吸い込まれる洗浄水の流れを下方に導く遮蔽リブが設けられたものである。この構成によって、吸込口から洗浄水循環経路に吸い込まれる洗浄水の流れを下方に導き、洗浄ポンプにおけるエア咬みの発生を防止することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの発明において、前記循環排水室の上部に円周状に複数の上部吸込口が設けられ、前記上部吸込口は、前記放射状に配設された複数の吸込口に対応する位置に配設されたものである。この構成によって、循環排水室の上部に落下してきた洗浄水を個々の吸込口に流入させ、洗浄水の流れを洗浄水循環経路に近い部分に集中させず効果的に分散させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれかの発明において、前記循環排水室の内周に複数の内周吸込口が設けられ、前記内周吸込口は、前記放射状に配設された複数の吸込口に対応する位置に配設されたものである。この構成によって、残菜フィルタを通過してきた洗浄水を個々の吸込口に流入させ、洗浄水の流れを洗浄水循環経路に近い部分に集中させず効果的に分散させることができる。また、排水口および残菜フィルタに設けられた洗浄水拡散部とも共働して、洗浄水をより効果的に分散させて個々の吸込口に流入させることができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかの発明において、前記循環排水室の前記洗浄水循環経路に連通する部分の近傍に、流路制御リブが設けられたものである。この構成によって、洗浄水循環経路に近い位置の吸込口から流出した洗浄水の流路を、洗浄水循環経路に向かって短絡せず迂回するように制御し、洗浄水を流路制御リブの円弧形状の側面によって抵抗を少なくしつつ洗浄水循環経路に導くことができる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、前記流路制御リブは、主部が円環状に形成された前記循環排水室の中心と前記循環排水室の前記洗浄水循環経路に連通する部分とを結ぶ直線上に、少なくとも一部が位置するように設けられたものである。この構成によって、洗浄水を洗浄水循環経路に向かって短絡せず迂回させる流路制御を、確実に行わせることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の上扉体および下扉体が開かれた状態の正面外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の背面外観斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の正面図である。図4は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の要部正面断面図である。図5は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の上扉体および下扉体が閉じられた状態の側壁部断面図である。図6は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の上扉体および下扉体が開かれた状態の側面図である。図7は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の上食器かごの構成を示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の下食器かごの構成を示す斜視図である。
図1〜図6に示されるように、食器洗い機の本体1の内部には、樹脂製の洗浄槽2が設けられている。洗浄槽2の前面には、食器等の被洗浄物6が出し入れされる開口部3が設けられている。開口部3の上部と下部をそれぞれ上扉体4と下扉体5によって開閉するよう構成されている。
開口部3の周囲の前面には、例えばシリコンゴム等の弾性体からなるシール部材9が取り付けられている。シール部材9と、上扉体4に設けられた上扉体シール受け部(図示せず)と、下扉体5に設けられた下扉体シール受け部(図示せず)とによって、開口部3のシール部が構成されている。上扉体4の下端部には扉体間シール部材68(図示せず)が取り付けられており、上扉体4と下扉体5とが閉じられたとき、上扉体4の下端部と下扉体5の上端部との間のシール性が確保されるよう構成されている。
上扉体4と下扉体5は、洗浄槽2の左右の外側壁に設けられた一対の扉体開閉機構10によって連動して回動されて開閉される。上扉体4と下扉体5は、開口部3の前側下方にその内面が上向きで略水平となる位置まで開成されるよう構成されている。上扉体4と下扉体5は、開成されたとき、上扉体4が下扉体5の上に重なるように位置する。
下扉体5の前面には、扉体オープンボタン11が設けられている。上扉体4および下扉体5を開口部3に閉成された状態で洗浄槽2にロックする扉体ロック装置12が、洗浄槽2の外側壁に設けられている。使用者が扉体オープンボタン11を押し込むと、扉体ロック装置12はロックが解除され、下扉体5が下端部を中心に少し回動され、上端部が、使用者の指が掛けられる程度前方に開かれるよう構成されている。なお、上扉体4および下扉体5を開く方式は、開放方向への付勢力によって自動で開成状態まで開かれるような方式であってもよい。
下扉体5の前面に、操作表示部13が設けられている。操作表示部13は、食器洗い機の運転を制御する制御部(図示せず)と電気的に接続されており、制御部と運転に関する情報をやりとりする。制御部は、洗い工程、すすぎ工程および乾燥工程を制御し、被洗浄物6の洗浄運転を実行する。使用者は、操作表示部13を操作して、運転コースの選択および洗浄、すすぎ、乾燥の時間や回数等の条件を入力する。また、使用者は、操作表示部13に表示される情報によって、選択された運転コースや運転状況の確認を行うことができる。
洗浄槽2の内部には、食器等の被洗浄物6がセットされる上食器かご7および下食器かご8が収納されている。上食器かご7および下食器かご8は、いずれも洗浄槽2の左右の内側面2a、2bに設けられた上食器かごガイドレール71および下食器かごガイドレール81によって、前後方向に個別に移動可能に支持されている。上食器かご7および下食
器かご8は、上扉体4と下扉体5が開成されたとき、洗浄槽2の前面の開口部3より前方に引き出すことが可能である。また、上食器かご7および下食器かご8は、それぞれ上食器かごガイドレール71および下食器かごガイドレール81から取り外し可能である。
図7に示されるように、上食器かご7は、上食器かご本体77と、上食器かご本体77の左側に載置される第1のセットかご78と、上食器かご本体77の右側に載置される第2のセットかご79と、上食器かご本体77の左右に固定される側面部材73とから構成されている。第1のセットかご78は、着脱可能ではあるが、通常、上食器かご本体77に取り付けられて使用される。
図8に示されるように、下食器かご8は、下食器かご本体87と、下食器かご本体87の左側に載置される第3のセットかご88と、下食器かご本体87の中央やや右寄りに載置される小物入れ89と、下食器かご本体87の左右に固定される側面部材83とから構成されている。第3のセットかご88は、着脱可能ではあるが、通常、下食器かご本体87に取り付けられて使用される。
洗浄槽2の内部に洗浄水を供給する給水部が備えられている。給水部は、本体1に設けられた給水弁(図示せず)と、給水弁と洗浄槽2とを接続する内部給水配管と、給水弁と水道水配管とを接続する給水ホース96とによって構成されている。制御部が、洗浄槽2の内部と連通する水位センサ(図示せず)からの情報に基づいて給水弁を制御し、洗浄工程およびすすぎ工程において、洗浄槽2の内部に所定量の洗浄水を供給する。
図4に示されるように、洗浄槽2内の下部に、複数設けられた噴射孔から洗浄水を噴射する第1の回転洗浄ノズル14および第2の回転洗浄ノズル15が配設されている。洗浄槽2の内部の背面には、洗浄槽2の内壁に沿わせてほぼ十字形状の固定洗浄ノズル16が配設されている。固定洗浄ノズル16は、扁平な筒状に形成されており、洗浄槽2の内部スペースを広く確保している。第3の回転洗浄ノズル17は、上食器かご7の左側下方に配設されている。第3の回転洗浄ノズル17は、洗浄水を噴射する複数の噴射孔を上面に備え、上食器かご7の左側に収容された被洗浄物6に向けて、すぐ真下から洗浄水を噴射する。
洗浄槽2内に収容された被洗浄物6に向けて、第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16、および固定洗浄ノズル16と連通された第3の回転洗浄ノズル17から洗浄水が順番に噴射されることにより、被洗浄物6は洗浄される。
図5に示されるように、すすぎ後の被洗浄物6を乾燥させる乾燥装置30が洗浄槽2の外側部に設けられている。乾燥装置30は、ヒータ(図示せず)、ファン31、空気温度センサ(温度センサ29)、送風配管32等によって構成されている。これらの構成については、よく知られたものと同様であるので、詳しい説明は省略する。乾燥装置30の送風配管32は、一端が洗浄槽2内の右奥下部に設けられた乾燥用空気吹出口2cに連通されており、他端が洗浄槽2の右奥上端部の外側に近接させて開放されている。ファン31は、送風配管32の上記他端の近傍に配設されている。
この構成により、ファン31によって機外から吸引された乾燥用空気は、ヒータによって加熱された後、乾燥用空気吹出口2cから洗浄槽2の内部に送り込まれ、被洗浄物6を乾燥させる。被洗浄物6の表面から除去された水分を含んだ湿った空気は、本体1の上面に設けられた排気口33から機外に排出される。空気温度センサ(温度センサ29)は、洗浄槽2の底部の乾燥用空気吹出口2cに近い位置の外壁に設置されている。
洗浄槽2の水溜部18の構成を、図を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態
1における食器洗い機の洗浄槽の水溜部および排水口の構成を示す上面断面図である。図10は、図9の状態から水溜部蓋が取り除かれた状態の上面断面図である。図11は、図9のA−A断面図である。図12は、図9のB−B断面図である。図13は、図10のC−C断面図である。
洗浄槽2の底部には、洗浄工程およびすすぎ工程において、供給された洗浄水が溜められる水溜部18が凹設されている。水溜部18は、洗浄槽2の底部に開口する開口部18aが横長の概略長方形に形成され、その開口部18aから所定深さほぼ垂直に凹設されている。水溜部18は、洗浄槽2の左右のほぼ中央の前部に設けられている。
水溜部18のほぼ中央部には、さらに一段低い凹部が設けられている。その凹部に、排水口19が設けられている。水溜部18の底面は、排水口19に向かってゆるやかに下り傾斜に形成されている。
水溜部18の上部の開口部18aには、水溜部蓋20が、洗浄槽2の底部と連続するように着脱自在に嵌め込まれている。水溜部蓋20は、外周形状が水溜部18の開口部18aと対応する横長の概略長方形に形成され、中央部が凹設されて凹部20aが形成されている。凹部20aの中央には、円形の開口20bが設けられている。水溜部蓋20が水溜部18の開口部18aに装着されたとき、凹部20aは、排水口19の直上に位置する。そして、排水口19に後述する残菜フィルタ23が取り付けられたとき、凹部20aの下面は、中央の円形の開口20bと残菜フィルタ23の第1のフィルタ51の外縁部上面とが連続するように構成されている。
水溜部蓋20は、凹部20aの傾斜面以外の平面の大部分にきわめて小さな複数の孔20dが設けられている。洗浄水の多くは、この孔20dから水溜部18に落下する。この孔20dから落下しなかった洗浄水は、残菜とともに凹部20aの下面に配設された残菜フィルタ23に流入する。
水溜部蓋20の凹部20aの側面上部には、溢水口20cが設けられている。洗浄水が給水される洗浄水位(図12中にAで示されている)は、溢水口20cよりやや低い高さ位置に設定されているが、運転中に残菜フィルタ23および水溜部蓋20の目詰まりのために洗浄水の水位が上昇した場合、洗浄水は溢水口20cから溢れて排水される。
排水口19には、残菜を捕集する残菜フィルタ23が配設されている。残菜フィルタ23は、水溜部蓋20の凹部20aの下面より下方に配設されている。
図12、図13に示されるように、排水口19は、洗浄水循環経路21を通じて洗浄ポンプ22の吸い込み側に連通している。洗浄工程およびすすぎ工程において、洗浄水は、水溜部蓋20の孔20dを通過したり、残菜フィルタ23を通過したりして水溜部18および排水口19に溜まる。水溜部18および排水口19に溜まった洗浄水は、洗浄ポンプ22に吸い込まれて加圧され、分水部(図示せず)によって送水先が選択され、分水されて送水される。
分水されて送水される洗浄水は、第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16および固定洗浄ノズル16と連通された第3の回転洗浄ノズル17に供給され、各ノズルの噴射孔から噴射される。噴射された洗浄水は、被洗浄物6を洗浄もしくはすすぎ、再び水溜部18および排水口19に戻る。このようにして、洗浄工程もしくはすすぎ工程において、洗浄水は循環される。
洗浄ポンプ22にはヒータ25が内設されている。循環される洗浄水は、ヒータ25に
通電されることにより、必要に応じて適宜加熱される。また、洗浄水の温度を検知する温度センサ29が、洗浄槽2の底部の外壁に設置されている。温度センサ29が設置される洗浄槽2の底部の外壁部分は、洗浄槽2の内側に膨出されている。その膨出部2eの内部に温度センサ29を配設することにより、温度センサ29の検出感度を向上させている。制御部は、温度センサ29の検知情報に基づいて、ヒータ25の通電を制御する。温度センサ29は、サーミスタ等により構成されている。なお、温度センサ29は、乾燥工程において洗浄槽2内の空気の温度を検知する空気温度センサも兼ねている。
また、排水口19は、排水経路26を通じて排水ポンプ27の吸い込み側に連通している。洗浄工程およびすすぎ工程が完了して排水される洗浄水は、排水ポンプ27によって排水経路26から排水ホース97を経由して食器洗い機の外部に排出される。
次に、排水口19の構成を、図11〜図13を用いて説明する。図11〜図13に示されるように、排水口19は、中央に位置する機外排水口41と、その周囲に機外排水口41とは隔離して設けられた中空円環状の循環排水口42とによって構成されている。
機外排水口41は、上面、下面、外周面および内周面で囲まれた円環状の機外排水室43を備えている。機外排水室43の下面は、水溜部18のほぼ中央部に一段低く設けられた凹部の底面の一部をさらに凹設して円形に形成された底面で構成されている。機外排水室43の上面、外周面および内周面は、機外排水口外郭44で構成されている。
機外排水口外郭44は、円周状に形成された外周面44aと、外周面44aと連続させて形成された上面44bと、外周面44aを形成する円の中心に、外周面44aの下端とほぼ同じ高さから垂直に上面44bより高く設けられた軸部44cと、軸部44cの上端部に水平に円板状に張り出して設けられた洗浄水拡散部44dと、洗浄水拡散部44dと上面44bとを4点で連続させる円周接続部44eとから構成されている。
洗浄水拡散部44dの下部で複数の円周接続部44eの間は、複数の円弧形状の洗浄水排水吸込口45が設けられている。洗浄水排水吸込口45は、排水される洗浄水をすみやかに機外排水室43に導くために十分な面積が確保されて設けられている。
円板状の洗浄水拡散部44dの上面は、排水される洗浄水を円周の全方向に拡散するために、中心部が外周部より高い凸面状に形成されている。
機外排水室43は、排水経路26を通じて排水ポンプ27の吸い込み側に連通している。
循環排水口42は、上面、下面、外周面および内周面で囲まれた円環状の循環排水室46を備えている。循環排水室46の下面は、水溜部18のほぼ中央部にさらに一段低く設けられた凹部の底面の一部で構成されており、上面、外周面および内周面は、循環排水口外郭47で構成されている。循環排水口外郭47の上面47aには、多数の孔より成る洗浄水循環上部吸込口48a(上部吸込口)が設けられている。循環排水口外郭47の内周面47bには、多数の孔より成る洗浄水循環内周吸込口48b(内周吸込口)が設けられている。以降、洗浄水循環上部吸込口48aと洗浄水循環内周吸込口48bとは、設けられている面を区分けする必要がない場合は、洗浄水循環吸込口48と総称する。洗浄水循環吸込口48は、水溜部18のほぼ中央部の一段低い凹部に開放されている。循環排水室46は、洗浄水循環経路21を通じて洗浄ポンプ22の吸い込み側に連通している。
機外排水口外郭44および循環排水口外郭47は、樹脂で一体に形成されている。機外排水口外郭44および循環排水口外郭47は、洗浄槽2の水溜部18とは別部材で構成さ
れている。
循環排水室46の構成を図14〜図19を用いて詳しく説明する。図14は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の排水口の上面斜視図である。図15は、排水口の分解斜視図である。図16は、排水口外郭部材の要部断面下面斜視図である。
図11、図12、図14および図15に示されるように、排水口19は、機外排水口外郭44および循環排水口外郭47が一体で樹脂成形された排水口外郭部材49と、水溜部18の底面の一部である排水口底面部18bとで構成されている。排水口外郭部材49が上方から排水口底面部18bに外周部で嵌合され、上方からビス固定されることにより、排水口19は形成される。同時に、機外排水口外郭44と排水口底面部18bとによって機外排水室43が形成される。また同時に、循環排水口外郭47と排水口底面部18bとによって循環排水室46が形成される。排水口19の中央部には、前述された洗浄水拡散部44dと複数の洗浄水排水吸込口45とが位置している。
排水口外郭部材49には、洗浄水循環経路21の循環経路導入部21aの上部を形成する循環経路導入部上部21bと、排水経路26の排水経路導入部26aの上部を形成する排水経路導入部上部26bとが、一体成形により形成されている。排水口底面部18bには、洗浄水循環経路21の循環経路導入部21aの下部を形成する循環経路導入部下部21cと、排水経路26の排水経路導入部26aの下部を形成する排水経路導入部下部26cとが、一体成形により形成されている。排水口外郭部材49が排水口底面部18bに固定され、排水口19が形成されると同時に、循環経路導入部21aおよび排水経路導入部26aが形成される。
図16に示されるように、排水口外郭部材49には、循環排水口外郭47の上面47aの下面および内周面47bの内側に連続させて複数の整流リブ47cが放射状に設けられている。複数の整流リブ47cは、前述された洗浄水循環上部吸込口48a(上部吸込口)の孔および洗浄水循環内周吸込口48b(内周吸込口)の孔の左右に、それらとほぼ直角に形成されている。この構成により、洗浄水循環上部吸込口48aの複数の孔および洗浄水循環内周吸込口48bの複数の孔は、放射状に配設された複数の整流リブ47cに対応する位置に配設される。
放射状に設けられた複数の整流リブ47c、洗浄水循環上部吸込口48aの複数の孔、洗浄水循環内周吸込口48bの複数の孔はいずれも、洗浄水拡散部44dと複数の洗浄水排水吸込口45と同心円状に配設されている。
複数の整流リブ47cは、洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔から流れ込んだ洗浄水が洗浄水循環経路21に吸い込まれる際の流れを、循環経路導入部21aに近い部分に集中させず、分散するように整流する。
なお、複数の整流リブ47c、洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔の放射状に配設される角度は、本実施の形態では約15°であるが、これに限定されるものではなく、また、一定の角度でなくてもよい。また、これらは、円周すべてに配設されていなくてもよい。本実施の形態では、排水経路導入部上部26b近傍には配設されていない。また、整流リブ47cと洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔との対応は、1対1でなくてもよい。
円周状の遮蔽リブ47dが、循環排水口外郭47の上面47aの下面から下方に延設されている。円周状の遮蔽リブ47dは、放射状に配設された複数の整流リブ47cの外周部を連続させるように形成されている。遮蔽リブ47dの下方への延設は、整流リブ47
cの高さより短く設定されている。
遮蔽リブ47dは、洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔から流れ込んだ洗浄水が洗浄水循環経路21に吸い込まれる際の流れを、下方に導く。これにより、洗浄ポンプ22におけるエア咬みの発生を防止する。
図15に示されるように、排水口底面部18bには、循環経路導入部下部21cの近傍に流路制御リブ18cが立設されている。流路制御リブ18cは、両端部と排水口底面部18bの外壁との間に洗浄水循環経路21に吸い込まれる洗浄水が流れる流路を確保して、円弧状に形成されている。円弧状の流路制御リブ18cは、排水口19が組み上がった状態で、循環排水口外郭47の円周状の遮蔽リブ47dとほぼ中心が一致するように設けられている。
流路制御リブ18cは、洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔から吸込口61に流れ込み、循環経路導入部21aに近い位置の吸込口61から流出する洗浄水の流路を、循環経路導入部21aに向かって短絡せず迂回するように流路制御し、円弧形状の側面によって抵抗を少なくしつつ洗浄水循環経路21に導く。
循環排水室46の構成を、図を参照してさらに詳しく説明する。図17は、排水口の上面断面図である。図18は、図14のA−A断面図である。図19は、図14のB−B断面図である。
図17〜図19に示されるように、循環排水室46は、循環排水口外郭47の内周面47b寄りに連続させて放射状に配置された複数の吸込口61と、複数の吸込口61の外側の周囲に円環状に設けられた洗浄水円環流路62と、洗浄水円環流路62と循環経路導入部21aとを連通させる2つの循環経路連通流路63aおよび63bとを備えている。
吸込口61は、循環排水口外郭47の上面47aと、循環排水口外郭47の内周面47bと、相隣る2つの整流リブ47cと、遮蔽リブ47dと、排水口底面部18bの底面とによって形成されている。
吸込口61の上面には、洗浄水循環上部吸込口48aの孔が位置している。吸込口61の内周面には、洗浄水循環内周吸込口48bの孔が位置している。遮蔽リブ47dの下方への延設を整流リブ47cの高さより短くすることにより、遮蔽リブ47dの下方に、吸込口61から洗浄水循環経路21に向けて洗浄水が流出する流出口64が形成されている。
洗浄水円環流路62は、遮蔽リブ47dと、排水口外郭部材49の外壁および排水口底面部18bの外壁と、循環排水口外郭47の上面47aと、排水口底面部18bの底面とによって形成されている。
循環経路連通流路63aおよび63bは、流路制御リブ18cの端部と、排水口底面部18bの外壁との間に形成されている。
なお、後述されるように、残菜フィルタ23が排水口19に取り付けられた状態では、第1のフィルタ51の外周部51aの下部が循環排水口外郭47の内周面47bに挿入されている。
食器洗い機の洗浄およびすすぎ動作時の排水口19における洗浄水の流れを説明する。
被洗浄物6を洗浄あるいはすすいだ後、循環排水口外郭47の上面47aに落下してきた洗浄水は、洗浄水循環上部吸込口48aの孔および洗浄水循環内周吸込口48bの孔から、それらに対応する位置の吸込口61に流れ込む。一方、被洗浄物6を洗浄あるいはすすいだ後、残菜フィルタ23内に落下した洗浄水は、第1のフィルタ51の外周部51aのメッシュ状の孔51bを通過した後、洗浄水循環内周吸込口48bの孔もしくは洗浄水循環上部吸込口48aの孔から、それらに対応する位置の吸込口61に流れ込む。
図17中に矢印で示されるように、循環経路導入部21aに近い位置の吸込口61に流れ込んだ洗浄水は、遮蔽リブ47dの下方に設けられた流出口64から流出し、流路制御リブ18cによって流路制御され、流路制御リブ18cの端部に位置する循環経路連通流路63aもしくは63bから循環経路導入部21aに吸い込まれる。一方、循環経路導入部21aから離れた位置の吸込口61に流れ込んだ洗浄水は、遮蔽リブ47dの下方に設けられた流出口64から流出し、洗浄水円環流路62内を流れて、循環経路連通流路63aもしくは63bから循環経路導入部21aに吸い込まれる。
次に、排水口19に配設されている残菜フィルタ23の構成を、図を参照して詳しく説明する。図20は、本発明の実施の形態1における食器洗い機の残菜フィルタに関連する部分の分解斜視図である。
図20に示されるように、残菜フィルタ23は、外周部を形成する第1のフィルタ51と、第1のフィルタ51の内側に配設される第2のフィルタ52によって構成されている。排水口19に取り付けられる状態においては、第2のフィルタ52が第1のフィルタ51の内側に挿入され、係止されて一体化され、第1のフィルタ51が排水口19に係止されて固定されている。
第1のフィルタ51は、底の無い略円筒状に形成されている。円筒状の外周部51aは、ステンレス等の金属板で、洗浄水が双方向に流通可能な多数の孔51bがメッシュ状に形成されている。
第2のフィルタ52は、樹脂材料で有底略円筒状の手桶形状に形成されている。有底略円筒状に形成された本体部52aの外周部52bの上面から、上方に伸びる1本の把手部52cが形成されている。把手部52cは、第2のフィルタ52を第1のフィルタ51に対し着脱する際に、使用者が手で持って上下方向に操作する。把手部52cは、第1のフィルタ51と第2のフィルタ52が一体となった状態で排水口19対し着脱される際に、使用者が手で持って水平に回転させるように操作する。
第2のフィルタ52が第1のフィルタ51の内側に挿入され一体化された状態において、第2のフィルタ52の外周部52bの外面は、第1のフィルタ51の外周部51aの内面に対向している。第2のフィルタ52の本体部52aの外周部52bには、洗浄水が双方向に流通可能な多数の孔52dが設けられている。この孔52dは、第1のフィルタ51の孔51bより大きく設定されている。図13に示されるように、第2のフィルタ52の底部52eは、その中央部が内側(上側)に傘状に膨出され、第2の洗浄水拡散部52fを形成している。そして、第2のフィルタ52の底部52eの第2の洗浄水拡散部52fの周囲に、円弧状の複数のスリット52gが形成されている。第2の洗浄水拡散部52fは、排水口19の循環排水室46の上面47aに設けられた洗浄水循環吸込口48より高い位置に設けられている。
残菜フィルタ23が排水口19に取り付けられた状態では、第1のフィルタ51の外周部51aの下部が排水口19の循環排水口42の内周面(循環排水口外郭47の内周面47b)に挿入されている。排水口19に設けられた洗浄水拡散部44dは、第1のフィル
タ51の内側で、第1のフィルタ51の下端より上側に位置している。また、第2のフィルタ52の底部52eが機外排水口外郭44の洗浄水拡散部44dの直上近傍に位置している。したがって、第2のフィルタ52の底部52eに設けられた第2の洗浄水拡散部52fは、排水口19に設けられた洗浄水拡散部44dの直上に位置する。第1のフィルタ51の外周部51aの上部半分以上に設けられた孔51b、および、第2のフィルタ52の本体部52aの外周部52bに設けられた孔52dは、循環排水口外郭47の上面47aより高い位置に設けられ、水溜部18の内部に臨ませて設けられている。
以上のように構成された食器洗い機について、その動作および作用を説明する。
使用者が下扉体5の扉体オープンボタン11を押し込むと、扉体ロック装置12のロックが解除され、下扉体5の上端部が少し前方に開かれる。次いで、使用者が下扉体5の上端部に手を掛け前方下方に引くことによって、下扉体5は本体1の前方下方に開かれる。このとき、上扉体4も扉体開閉機構10によって連動して本体1の前方下方に開かれる。そして、上扉体4と下扉体5は、上扉体4が下扉体5の上に重なった状態で、ほぼ水平状態まで開成され、洗浄槽2の前面の開口部3は前方に開放される。
使用者は、開放された洗浄槽2の開口部3から下食器かご8を前方に引き出し、洗浄したい被洗浄物6を下食器かご8にセットする。本実施の形態における下食器かご8は、下記のような被洗浄物6がセットされるのに適した構成となっている。箸、フォーク、スプーン等は、下食器かご8の中央やや右寄りに設けられた専用の小物入れ89に収容される。小物入れ89の右側には、大皿、ラーメン鉢等の比較的大きい食器が収容される。小物入れ89の左側の第3のセットかご88には、丼鉢、小鉢、中皿等が収容される。
下食器かご8に被洗浄物6のセッティングが終了すると、使用者は、下食器かご8を洗浄槽2内に押し込み収容する。
次に、使用者は、上食器かご7を前方に引き出し、洗浄したい被洗浄物6を上食器かご7にセットする。本実施の形態における上食器かご7は、下記のような被洗浄物6がセットされるのに適した構成となっている。上食器かご7の左側の第1のセットかご78には、茶碗、汁椀、小皿等が収容される。上食器かご7の右側の第2のセットかご79には、コップ、弁当箱、碗類等が収容される。
上食器かご7に被洗浄物6のセッティングが終了すると、使用者は、上食器かご7を洗浄槽2内に押し込み収容する。
次に、使用者は、適量の洗剤を下食器かご8に設けられた洗剤投入部90から洗浄槽2の水溜部18に投入し、上扉体4および下扉体5を閉じる。使用者は、操作表示部13によって電源を投入し、運転コースおよび時間等の条件を入力し、スタートボタンを押す。すると、制御部は、食器洗い機の運転を開始し、入力された条件にしたがって洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程を順に実行する。
まず、給水弁が動作して、所定量の洗浄水が洗浄槽2内に給水される。給水弁が停止し、給水が終わると、洗浄ポンプ22が駆動される。洗浄水はヒータ25によって加熱され、洗浄ポンプ22によって加圧されて、分水部から第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16および固定洗浄ノズル16と連通された第3の回転洗浄ノズル17に選択的に分水されて送水される。
分水部は、例えば、第1の回転洗浄ノズル14、第1の回転洗浄ノズル14と第2の回転洗浄ノズル15、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16とそれに連通した第
3の回転洗浄ノズル17の順に所定時間毎に洗浄水の送水を切り替えるように動作する。
第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15および第3の回転洗浄ノズル17は、送給された洗浄水がそれぞれの噴射孔から噴出される際の反力によって回転する。これにより、回転移動する洗浄水が噴射され、下食器かご8および上食器かご7に収容された被洗浄物6は効率よく洗浄される。
固定洗浄ノズル16は、垂直部位16aに設けられた噴射孔から洗浄水を上食器かご7の上方から噴射して上食器かご7に収容されたコップ等の被洗浄物6の外面を効率よく洗浄する。また、固定洗浄ノズル16は、上食器かご7の下に設けられた第1の水平部位16bに配列された噴射孔から洗浄水を主に上食器かご7の右側に噴射し、上食器かご7の第2のセットかご79に斜め下向きに収容されたコップ等の被洗浄物6の内面を効率よく洗浄する。また、固定洗浄ノズル16は、第2の水平部位16cに配列された噴射孔から洗浄水を噴射することにより、上食器かご7の右側の第2のセットかご79に収容されたコップ等の被洗浄物6の外面を洗浄する。
さらに、固定洗浄ノズル16と連通した第3の回転洗浄ノズル17は、上食器かご7の左側の第1のセットかご78の直下から回転移動する洗浄水を噴射することにより、第1のセットかご78に収容された茶碗等の被洗浄物6の内外面を効率よく洗浄する。
洗浄槽2内で、第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16および固定洗浄ノズル16と連通された第3の回転洗浄ノズル17から噴射された洗浄水は、被洗浄物6を洗浄して洗浄槽2の下部の水溜部18に流下し、排水口19に集められる。そして、再び洗浄ポンプ22によって吸引され、残菜フィルタ23を通過し、ヒータ25によって加熱され、再び各洗浄ノズルに送給される。
洗浄水が噴射されて被洗浄物6から脱落した残菜は、水溜部蓋20および残菜フィルタ23によって捕集される。また、洗浄水の温度は温度センサ29によって検出されており、洗浄水の温度が所定温度を超えるとヒータ25への通電が停止される。これによって、洗浄水は、常に洗浄に適した温度に維持される。
所定時間の洗浄工程が終了すると、汚れを含む洗浄水は排水ポンプ27によって機外に排出され、洗浄槽2内に新たに洗浄水が給水される。給水された洗浄水は洗浄ポンプ22によって加圧され、第1の回転洗浄ノズル14、第2の回転洗浄ノズル15、固定洗浄ノズル16および固定洗浄ノズル16と連通された第3の回転洗浄ノズル17に送給される。送給された洗浄水は、各洗浄ノズルの噴射孔から噴射され、被洗浄物6に付着した洗剤や残菜等を洗い流すすすぎ工程が実行される。
このすすぎ工程は、所定時間、すすぎ動作が行われた後、すすぎ動作によって被洗浄物6から洗剤や残菜が洗い出された洗浄水は、排水ポンプ27によって機外に排出される。そして、洗浄槽2内には新たな洗浄水が給水され、再びすすぎ動作が行われる。標準設定では、このすすぎ動作が3回実行され、洗浄水が排水ポンプ27によって機外に排出されて、すすぎ工程は終了する。
ここで、洗浄およびすすぎ動作時の残菜フィルタ23および排水口19まわりの洗浄水の流れについて、図を参照して説明する。図21は、洗浄およびすすぎ動作時の残菜フィルタ23および排水口19まわりの洗浄水の流れを示す説明図である。
洗浄およびすすぎ動作時においては、水溜部18に溜まった洗浄水は、洗浄ポンプ22によって吸引され、循環排水口外郭47の上面47aに設けられた多数の孔から成る洗浄
水循環吸込口48から洗浄水循環経路21に吸い込まれる。洗浄水循環吸込口48は、残菜フィルタ23より外側に円周状に設けられている。また、洗浄水循環吸込口48は、第1のフィルタ51の外周部51aに設けられた孔51bおよび第2のフィルタ52の本体部52aの外周部52bに設けられた孔52dの大半より低い位置に設けられている。また、洗浄水循環吸込口48は、第2のフィルタ52の底部52eに設けられた第2の洗浄水拡散部52fより低い位置に設けられている。
この構成によって、洗浄およびすすぎ動作時においては、洗浄水は、図21に示されるように、概ね矢印Cで表示されたように流れる。洗浄水は、第1のフィルタ51の孔51bおよび第2のフィルタ52の孔52dにおいて、概ね内側から外側に向かって流れる。
このとき、循環される洗浄水に含まれる残菜や汚れは、大きい残菜は第2のフィルタ52によって捕集され、細かい残菜および汚れは第1のフィルタ51によって捕集される。特に、洗浄水に含まれる汚れは第1のフィルタ51の内周面に付着する。
洗浄水循環吸込口48から洗浄水循環経路21に吸い込まれるまでの洗浄水の流れの詳細は、図17を参照して前述された通りであるが、再度、説明する。洗浄水循環吸込口48から循環経路導入部21aに近い位置の吸込口61に流れ込んだ洗浄水は、遮蔽リブ47dの下方に設けられた流出口64から流出し、流路制御リブ18cによって流路制御され、流路制御リブ18cの端部に位置する循環経路連通流路63aもしくは63bから循環経路導入部21aに吸い込まれる。一方、洗浄水循環吸込口48から循環経路導入部21aに遠い位置の吸込口61に流れ込んだ洗浄水は、遮蔽リブ47dの下方に設けられた流出口64から流出し、洗浄水円環流路62内を流れて、循環経路連通流路63aもしくは63bから循環経路導入部21aに吸い込まれる。
汚れの第1のフィルタ51の内周面への付着は、洗浄水循環経路21に近い部分に集中する傾向があるが、洗浄水循環経路21に洗浄水が吸い込まれる複数の吸込口61が第1のフィルタ51の外周位置に放射状に配設されたこと、および排水口19に設けられた洗浄水拡散部44dおよび第2のフィルタ52に設けられた第2の洗浄水拡散部52fによって全周に均等に拡散されることにより、細かい残菜や汚れが第1のフィルタ51の内周面の一部に集中して付着することが抑制される。
また、洗浄水循環経路21に洗浄水が吸い込まれる複数の吸込口61が放射状に配設されたこと、および循環経路導入部21aの近傍に流路制御リブ18cが立設されたことにより、洗浄水の流れを循環経路導入部21aに近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路21にスムーズに吸い込ませている。
また、残菜フィルタ23内に落下し、第1のフィルタ51の外周部51aのメッシュ状の孔51bを通過して洗浄水循環内周吸込口48bから吸込口61に流入する洗浄水は、排水口19に設けられた洗浄水拡散部44dおよび残菜フィルタ23の第2のフィルタ52に設けられた第2の洗浄水拡散部52fによって放射状に拡散されている。これによって、細かい残菜や汚れが第1のフィルタ51の内周面の一部に集中して付着することが抑制される効果と、洗浄水の流れを循環経路導入部21aに近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路21にスムーズに吸い込ませる効果を一層増強させている。
また、遮蔽リブ47dによっては、吸込口61から洗浄水循環経路21に吸い込まれる洗浄水の流れを下方に導き、洗浄ポンプ22におけるエア咬みの発生を防止している。
すすぎ工程が終了すると、乾燥工程が実行される。乾燥装置30が動作し、内蔵された
ファン31によって洗浄槽2内に送給される外気がヒータによって加熱され、送風と加温との両方の効果によって、被洗浄物6に付着した水滴の蒸発が行われる。この乾燥が所定時間実施された後、乾燥装置30の運転が停止されて乾燥工程が終了する。被洗浄物6の洗浄のすべての工程が終了し、選択された運転コースの実行が終了する。
以上のように、本実施の形態における食器洗い機は、本体1と、本体1内に設けられ、食器等の被洗浄物6を収容する洗浄槽2と、洗浄槽2内に収容された被洗浄物6を洗浄する第1の回転洗浄ノズル14等の洗浄ノズルと、洗浄槽2の底部に設けられた排水口19と、洗浄槽2内の洗浄水を第1の回転洗浄ノズル14等の洗浄ノズルに送水する洗浄ポンプ22と、排水口19と洗浄ポンプ22とを連通する洗浄水循環経路21と、排水口19に着脱自在に固定される残菜フィルタ23とを備え、排水口19に主部が円環状に形成された循環排水室46が設けられ、循環排水室46内に排水口19から洗浄水循環経路21に洗浄水が吸い込まれる複数の吸込口61が放射状に配設されて構成されている。
この構成によって、排水口19の循環排水室46に流れ込んだ洗浄水の流れを洗浄水循環経路21に近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路21にスムーズに吸い込ませることができる。したがって、排水口19から洗浄水循環経路21に吸い込まれる洗浄水の流れを改善し、洗浄力を維持するとともに残菜フィルタ23の清掃頻度を少なくすることができる。
また、放射状に配設された複数の吸込口61は、循環排水室46内に複数の整流リブ47cが放射状に設けられて形成されている。この構成によって、簡単な構成で循環排水室46内に流れ込んだ洗浄水の流れを整流して洗浄水循環経路21に近い部分に集中させず効果的に分散させ、洗浄水を洗浄水循環経路21にスムーズに吸い込ませることができる。
また、放射状に配設された複数の吸込口61に、吸い込まれる洗浄水の流れを下方に導く遮蔽リブ47dが設けられている。この構成によって、吸込口61から洗浄水循環経路21に吸い込まれる洗浄水の流れを下方に導き、洗浄ポンプ22におけるエア咬みの発生を防止することができる。
また、循環排水室46の上部に円周状に複数の洗浄水循環上部吸込口48aが設けられ、洗浄水循環上部吸込口48aは、放射状に配設された複数の吸込口61に対応する位置に配設されている。この構成によって、循環排水室46の上部に落下してきた洗浄水を個々の吸込口61に流入させ、洗浄水の流れを洗浄水循環経路21に近い部分に集中させず効果的に分散させることができる。
また、循環排水室46の内周に複数の洗浄水循環内周吸込口48bが設けられ、洗浄水循環内周吸込口48bは、放射状に配設された複数の吸込口61に対応する位置に配設されている。この構成によって、残菜フィルタ23を通過してきた洗浄水を個々の吸込口61に流入させ、洗浄水の流れを洗浄水循環経路21に近い部分に集中させず効果的に分散させることができる。また、排水口19に設けられた洗浄水拡散部44dおよび残菜フィルタ23に設けられた第2の洗浄水拡散部52fとも共働して、洗浄水をより効果的に分散させて個々の吸込口61に流入させることができる。
また、循環排水室46の洗浄水循環経路21に連通する部分の近傍に、流路制御リブ18cが設けられている。この構成によって、洗浄水循環経路21に近い位置の吸込口61から流出した洗浄水の流路を、洗浄水循環経路21に向かって短絡せず迂回するように制御し、洗浄水を流路制御リブ18cの円弧形状の側面によって抵抗を少なくしつつ洗浄水循環経路21に導くことができる。
さらに、流路制御リブ18cは、主部が円環状に形成された循環排水室46の中心と循環排水室46の洗浄水循環経路21に連通する部分とを結ぶ直線上に、少なくとも一部が位置するように設けられている。この構成によって、洗浄水を洗浄水循環経路21に向かって短絡せず迂回させる流路制御を、確実に行わせることができる。