JP5857201B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

本発明は、食器等の被洗浄物の洗浄、すすぎを行う食器洗い機に関するものである。
従来、洗浄槽が前後に摺動する引出し式の食器洗い機101において、上下に複数の洗浄部を備えたものは、図14のように水平に摺動する下洗浄部102と、下洗浄部102上方に設けられ本体に固定される上洗浄部103から構成される。下洗浄部102は、水平に摺動する下洗浄槽104と、被洗浄物を収納する下食器かご105と、下食器かご105下方に設けられる下洗浄ノズル106から構成されている。下洗浄部102前方には扉体107が設けられている。扉体107は下洗浄部102と連動して水平に摺動する。上洗浄部103は、被洗浄物を収納する上食器かご108と、上食器かご108の下方に設けられる上洗浄ノズル109と、上洗浄ノズル109下方に設けられ上洗浄部103全体を覆う受板110から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、扉体107を引き出すと下洗浄部102も連動して引き出されるため、少ない動作で被洗浄物の取り出しを行うことができ、使い勝手が良い。さらに、使用者は、上食器かご108に汚れた被洗浄物を収納した後、下食器かご105に被洗浄物を収納するため上食器かご108を食器洗い機101本体内に収納する。この際、上食器かご108内の被洗浄物に付着している汚れは、受板110上に落下するため洗浄槽外(例えば食器洗い機101本体底面)には落下しない。
特表2003−500145号公報
しかしながら、上記特許文献1の食器洗い機は、1枚の受板110で上下の各洗浄部を仕切っているため、乾燥工程時に上下の洗浄槽間で風が対流しにくく、所定の乾燥性能を得るためには、送風ファンを上下各洗上部に設ける必要があるため構成が複雑になるといった課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、上食器かごおよび下食器かごの被洗浄物の乾燥性能を向上させるとともに残さいや洗浄水などが洗浄槽外に落下することを防止できる使い勝手の良い食器洗い機を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の食器洗い機は、本体内に洗浄槽と、前記洗浄槽の前側全面に設けられる扉体とを備え、前記洗浄槽は、下部に設けられる下洗浄部と、上部に設けられる上洗浄部とに分割構成され、前記下洗浄部は、下洗浄槽と、被洗浄物を収納する下食器かごと、前記洗浄槽内の洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、前記下食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する下洗浄ノズルと、前記扉体とを備えて前後方向に移動可能に構成され、前記上洗浄部は、食器洗い機本体に固定された上洗浄槽と、前後方向に移動可能に構成され被洗浄物を収納する上食器かごと、前記上食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する上洗浄ノズルと、前記上洗浄ノズルの下方で前記上洗浄槽に固定して設けられ前記上食器かごの下面を覆う第1の受板と、前記第1の受板の前端部に設けられた第1の開口部と、前記第1の受板の後端部に設けられた第2の開口部と、前記第2の開口部の上方かつ前記上食器かご下方に設けられ、前記第2の開口部全体を覆う第2の受板とを備えたものである。
この構成により、上洗浄部と下洗浄部とで風を対流させやすくすることで被洗浄物の乾燥性能を向上させるとともに、残さいや洗浄水などが洗浄槽外に落下することを防止することができる。
本発明の食器洗い機は、第1の受板と第1の受板の前端部に設けられ受板上の洗浄水を下洗浄部に送水する第1の開口部と、第1の受板の後端部に設けられる第2の開口部と、第2の開口部の上方かつ前記上食器かご下方に設けられ第2の開口部全体を覆う第2の受板とを備えたことにより、被洗浄物の乾燥性能を向上させると共に、上食器かごに収納された被洗浄物から落下する汚染が洗浄槽外に落下することを防止でき、衛生的な食器洗い機を提供することができる。
本発明の実施の形態1の食器洗い機の側断面図 同食器洗い機の下洗浄槽を引き出した際の側断面図 同食器洗い機の正面断面図 同食器洗い機の受板近傍の要部側断面図 同食器洗い機の受板近傍の要部平面図 同食器洗い機の下洗浄槽を引き出し、上食器かごを後方に摺動した際の側断面図 同食器洗い機の空気の流れを示す側断面図 同食器洗い機の受板近傍の別の例の要部正面断面図 同食器洗い機の受板近傍の別の例の要部側断面図 同食器洗い機の受板の別の例の正面断面図 同食器洗い機の受板の別の例の正面断面図 同食器洗い機の分水部の側断面図 同食器洗い機の分水部の平面図 従来の食器洗い機の斜視図
第1の発明の食器洗い機は、本体内に洗浄槽と、前記洗浄槽の前側全面に設けられる扉体とを備え、前記洗浄槽は、下部に設けられる下洗浄部と、上部に設けられる上洗浄部とに分割構成され、前記下洗浄部は、下洗浄槽と、被洗浄物を収納する下食器かごと、前記洗浄槽内の洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、前記下食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する下洗浄ノズルと、前記扉体とを備えて前後方向に移動可能に構成され、前記上洗浄部は、食器洗い機本体に固定された上洗浄槽と、前後方向に移動可能に構成され被洗浄物を収納する上食器かごと、前記上食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する上洗浄ノズルと、前記上洗浄ノズルの下方で前記上洗浄槽に固定して設けられ前記上食器かごの下面を覆う第1の受板と、前記第1の受板の前端部に設けられた第1の開口部と、前記第1の受板の後端部に設けられた第2の開口部と、前記第2の開口部の上方かつ前記上食器かご下方に設けられ、前記第2の開口部全体を覆う第2の受板とを備えたものである。
この構成によって、第1の受板の前端部と後端部とに開口部を設けることで、上洗浄部と下洗浄部とで風を対流させやすくなり、被洗浄物の乾燥性能を向上させることができる。また、食器洗い機本体内に収納された上食器かごに収納された被洗浄物から落下した残さいや洗浄水は、第1の受板および第2の受板で受けられるため、残さいなどが洗浄槽外に落下することを防止し、簡易な構成で衛生的な食器洗い機を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の開口部の外縁部に上方に延伸される土手部を設けたことで、残さいなどが第2の開口部から下方に落下することを防ぎ、より衛生的な食器洗い機を提供する事ができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第1の受板は、前方に向かって下向きに傾斜する構成にしたことにより、食器洗い機の運転中に上洗浄ノズルから噴射され、第1の受板上に滴下した洗浄水は素早く第1の開口部から下洗浄部に流すことができる。そのため、少ない給水量でも所定の洗浄性能を得る食器洗い機を提供できる。
第4の発明は、第1〜3の発明において、前記第2の受板は前方に向かって下方に傾斜して設けたことにより、食器洗い機の運転中に上洗浄ノズルから噴射され、第2の受板上に滴下した洗浄水は素早く第1の開口部から下洗浄部に流すことができる。そのため、少ない給水量でも所定の洗浄性能を得る食器洗い機を提供できる。
第5の発明は、第1〜4の発明において、前記第1の受板は、左右の端部から中央部に向かって下方に傾斜するよう構成したことにより、受板上に滴下した汚れや洗浄水を中央部に回収してから下洗浄槽に流すため、汚れ流す力を強くすることができるため、受板状への汚れの残りを防ぐことのできる使い勝手の良い食器洗い機を提供することができる。
第6の発明は、第1〜5の発明において、前記第2の受板の外縁部に下方に延伸される返し部を設けたことにより、第2の受板上に滴下した洗浄水を確実に第1の受板上に落下させ、上食器かごに収納された被洗浄物から落下した残さいや洗浄水が、第2の開口部から洗浄槽外に落下することを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
この食器洗い機は、図1に示すように、キッチンキャビネットA内にビルトインするのが基本的な設置形態である。
図1〜図3に示すように、食器洗い機本体1(固定側箱状体)内に、洗浄槽2が収納されている。洗浄槽2の前側全面には、閉じた時には洗浄槽2を水封する扉体3が設けられている。洗浄槽2は、下部に設けられる下洗浄部4と、上部に設けられる上洗浄部5とに分割構成されている。
下洗浄部4は、前後方向に摺動可能に設けられ、上方に開口部を有する下洗浄槽6や、被洗浄物7を収納する下食器かご8、被洗浄物7を洗浄するための下洗浄ノズル9が設けられている。
上洗浄部5には、食器洗い機本体1に固定されている上洗浄槽10や、食器などの被洗浄物7を収納する上食器かご11、被洗浄物7を洗浄するための上洗浄ノズル12が設けられている。さらに、上洗浄ノズル12の下方には上食器かご11の下面全体を覆う第1の受板13が設けられ、上洗浄かご11の下方かつ第1の受板13の上方には第2の受板13aが設けられている。第1の受板13および第2の受板13aは上洗浄槽10に固定されている。
下洗浄槽6は、食器洗い機本体1の左右両内側面に取り付けられた固定レール14と、固定レール14にそれぞれ滑動自在に装着された可動レール15とから構成されるスライドレール16により前後方向に移動可能で、食器洗い機本体1の前方開口部から引き出す
ことができる。扉体3は下洗浄槽6の前面に固定して設けられ、下洗浄部4と連動して前後方向に移動する。
洗浄手段としての下洗浄ノズル9は、下洗浄槽6底面の略中央部に回転自在に設けられ、洗浄水の噴射の反力により回転する。下洗浄ノズル9には、洗浄水を噴射するための噴射孔9aが上面に設けられている。
下食器かご8は下洗浄ノズル9上方に設けられ、被洗浄物7を収納するものである。下食器かご8には、標準状態では大皿類やまな板、なべといった大型の食器や調理器具が収納できるよう構成されている。また、下洗浄槽6の内底面の前面側最下部には凹形状の排水口17が設けられている。
下洗浄槽6の底面外側に配置された洗浄ポンプ18は、洗浄水を加圧する。循環経路19は、排水口17から洗浄ポンプ18に洗浄水を供給するための経路である。分水部20は、洗浄ポンプ18から送水された洗浄水を2経路に分水し、上洗浄ノズル12と下洗浄ノズル9とに送水する。分水部20は、下洗浄ノズル9に送水するための第1導水路21と上洗浄ノズル12に送水するための第2導水路22とに接続している。
フィルタ23は排水口17上方もしくは内部に設けられており、被洗浄物7を洗浄する洗浄工程および被洗浄物7をすすぐすすぎ工程で、被洗浄物7に汚れとして付着していた食品等の残さい24を捕集する。下洗浄槽6内部には洗浄水を加熱する、例えばシーズヒータなどの加熱手段25が設けられている。
上洗浄槽10は、下洗浄槽6が食器洗い機本体1内に収納されている際に、下洗浄槽6を上方から覆うように形成され、前方が開口している。上洗浄槽10は側面に設けられた複数の固定部26によって、食器洗い機本体1に固定されている。上洗浄槽10壁面の下端には下洗浄槽6と上洗浄槽10とをシールし、食器洗い機運転中に洗浄水が洗浄槽2外へ水漏れすることを防止するパッキン27が設けられている。パッキン27は、下洗浄槽6を食器洗い機本体1に収納した際に押しつぶされ、下洗浄槽6と上洗浄槽10とを水封して洗浄槽2を構成する。なお、パッキン27の位置を低くして、下洗浄槽6の側壁を低くした方が下洗浄槽6への被洗浄物7の出し入れがしやすいため、上洗浄槽10は下洗浄部4まで覆っている。
上食器かご11は、上洗浄槽10内に設けられ、被洗浄物7を収納する。上食器かご11は、上食器かごレール30により前後方向に移動可能で、上洗浄槽10の前方開口部から食器洗い機本体1の前方へ引き出すことができるように構成されている。上食器かごレール30は、上洗浄槽10の左右両内側面に取り付けられた固定ローラ28と、固定ローラ28にそれぞれ滑動自在に装着された上食器かご可動レール29とから構成される。
上食器かご11の左右両側面には、上食器かご可動レール29が固定される高さ調整部(図示せず)が設けられ、高さ調整部の上食器かごへの懸架位置を変更することで、上食器かご11の高さを調整することができる。上食器かご11は平面視で上洗浄部5のほぼ全体に設けられ、多くの被洗浄物7を収納することができ、使い勝手が良くなるようにしている。この上食器かご11には、標準状態では例えば茶碗や直径20cm以下の中皿類などの小型食器が収納できるように構成されている。
上洗浄ノズル12は、上食器かご11の中央部下方に設けられ、洗浄水の噴射の反力により回転する。上洗浄ノズル12にも下洗浄ノズル9と同様に洗浄水を噴射するための噴射孔12aが上面に設けられている。略水平前後方向に設けた上部導水路31は上洗浄ノズル12に洗浄水を送水するためのもので、第2導水路22と上洗浄ノズル12とを接続
する。上部導水路31は、上食器かご11に固定して設けられている。上部導水路31は、上洗浄ノズル12の上面略中央部で下方に屈曲し、上洗浄ノズル12の下面に設けられた軸部12bと接続する。軸部側の上部導水路31端部は、軸部12bより径大になるよう構成されており、上洗浄ノズル12は軸部12bを中心に回転自在である。
第2導水路22と上部導水路31との連結部31aは複数設けられ、上食器かご11の高さ調整に伴い高さが変化した上部導水路31と連結する。これにより、上食器かご11の位置に関わらず、上洗浄ノズル12に洗浄水を送水することができる。なお、上部導水路31は、下洗浄槽6とともに上洗浄槽10を引き出した際に外れ、上洗浄槽10を食器洗い機本体1内に収納した際に第2導水路22と嵌合するように構成されている。
扉体3内壁の上部には、鍵形状の上食器かご連動部32が設けられ、上食器かご11の一部が係合され、下洗浄槽6と上食器かご11とが連動して摺動可能に構成している。上食器かご連動部32は下洗浄槽6の内壁を構成する扉体3の上部に構成されている。また、切替手段(図示せず)が上食器かご連動部32近傍に設けられ、上食器かご11と下洗浄槽6および扉体3との連動と非連動とを切り替えることができる。上食器かご連動部32は、例えば可倒式になっており、図2に示すように上食器かご連動部32を扉体3に対して直立させている場合には、上食器かご11は下洗浄槽6の動作に連動し、上食器かご連動部32を倒している場合には、上食器かご11は下洗浄槽6の動作に連動しない。
洗浄槽2内の洗浄水は給水弁33から上洗浄槽10に給水され、排水手段34により食器洗い機本体1外に排水される。
下洗浄槽6背面に設けられた送風手段35は、食器洗い機の乾燥工程などで動作して、外気を吸い込み、送風経路36を経て送風口40から洗浄槽2内に供給し、洗浄槽2の天面または側壁に設けられた排気口37より排気することで、洗浄槽2内の被洗浄物7を乾燥させる。
温度検知手段38は、洗浄槽2の底面外側に密着して配設され、洗浄槽2内の洗浄水、空気および加熱手段25の温度を間接的に検知するものである。
制御手段39(制御装置)は、給水弁33が洗浄槽2内に洗浄水を供給するのを制御したり、温度検知手段38の出力に基づいて加熱手段25を制御したりするとともに、洗浄ポンプ18、給水弁33、排水手段34、送風手段35等を制御して、洗浄、すすぎ、乾燥の一連の工程を逐次制御するよう構成している。
上記構成において動作、作用を説明すると、使用者が食器洗い機本体1から扉体3を引き出すと、連動して下洗浄槽6が引き出される。さらに、扉体3の内壁面に取り付けられた上食器かご連動部32に係合された上食器かご11も同時に引出される。使用者は、被洗浄物7を上食器かご11に、続いて下食器かご8に収納し、洗剤を下洗浄槽6に投入した後、下洗浄槽6を後方に摺動させ食器洗い機本体1内に収納する。被洗浄物7を下食器かご8に収納する際、上食器かご11の上食器かご連動部32との係合を解除して行った場合は、食器洗い機本体1内への収納動作によって上食器かご11の前方部は再度上食器かご連動部32に係合され、再度扉体3を引き出す際には上食器かご11が連動して引き出される。
運転を開始すると、まず排水手段34が動作して、前回の運転等で下洗浄槽6内に残っている洗浄水の残水を食器洗い機本体1外へ排出する。次に、給水弁33が動作して、所定量の水道水が洗浄水として洗浄槽2に供給される。所定量の洗浄水が供給されると、排水口17から洗剤とともに循環経路19内に設けられた洗浄ポンプ18にも洗浄水が流れ
込み、洗浄ポンプ18による加圧が開始され、洗浄水が分水部20で第1導水路21と第2導水路22とに分水される。
分水部20から、第1導水路21に送水された洗浄水は、下洗浄ノズル9に送られる。第2導水路22に送水された洗浄水は、上部導水路31を経て上洗浄ノズル12に送られる。それぞれの洗浄ノズルに送水された洗浄水は、上洗浄ノズル12および下洗浄ノズル9に設けた噴射孔12aおよび9aから噴射される。
下洗浄ノズル9および上洗浄ノズル12から噴射されて被洗浄物7を洗浄した洗浄水は、排水口17に回収され、循環経路19を介して洗浄ポンプ18に再び送水される。こうして洗浄工程が行われる。この洗浄工程では下洗浄槽6内に設けた加熱手段25に通電して、洗浄水を循環しながら所定温度まで加熱する。
洗浄工程が所定時間行われると、排水手段34が被洗浄物7から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を食器洗い機本体1外へ排出する。そして、新たに給水弁33が洗浄水を供給し、上洗浄ノズル12および下洗浄ノズル9に設けた噴射孔12aおよび9aから再び洗浄水が噴射されて、洗剤や残さい24等で汚れた被洗浄物7をすすぐ、すすぎ工程を実行する。
このすすぎ工程が終わると、洗浄水を再び食器洗い機本体1外へ排出する。このすすぎ工程は連続して複数回繰り返される。そして、複数回行われるすすぎ工程の最後に、加熱手段25により洗浄水を所定温度(例えば60℃)まで加熱してすすぐ加熱すすぎ工程を行う。なお、洗浄およびすすぎ工程において、大きな残さい24は下洗浄槽6に設けたフィルタ23内に捕集される。
加熱すすぎ工程が終了すると乾燥工程が開始される。この工程では、送風手段35が動作し、外気が送風経路36を介して送風口40から下洗浄槽6内へ送り込まれる。下洗浄槽6内に送り込まれた空気は、送風口40の下流方向の近傍に設けられた加熱手段25により加熱された後、被洗浄物7を乾燥させて排気口37より食器洗い機本体1の外に排気される。乾燥工程終了後、食器洗い機の運転を終了する。
このように構成された本実施の形態において、第1の受板13および第2の受板13a近傍の構成を以下に詳述する。
図4、図5に示すように、第1の受板13は、上食器かご11の下方に水平の板状に構成され、上洗浄槽10の側面および背面に固定されている。また、第1の受板13の前端部は、上洗浄槽10の前端部より後方に設けられ、下洗浄槽6収納時に、扉体3の内壁面と第1の受板13との間に第1の開口部42ができるように構成される。この第1の開口部42は、第1の受板13上の洗浄水を下洗浄部4(下洗浄槽6)に落下させて送水するもので、上食器かご11に収納した被洗浄物7に付着した残さい24も同時に落下できるように、20mm程度設けることが望ましい。
さらに、第1の受板13の後端部には略長方形状の第2の開口部43が設けられ、第2の開口部43の上方、かつ上食器かご11より下方には、第2の開口部43を覆うように第2の受板13aが設けられている。第2の受板13aの後端部は上洗浄槽10の後部壁に固定されている。図5に示すように、第2の受板13aは、上洗浄ノズル12と干渉しない位置および形状で構成される。
上記第1の受板13、第2の受板13aおよび上洗浄ノズル12近傍の構成について、その動作、作用を以下に詳述する。
前述したように、使用者が被洗浄物7を収納する際、まず、食器洗い機本体1から扉体3を引き出す。この際、図2のように連動して下洗浄槽6が引き出される。さらに、扉体3の内壁面に取り付けられた上食器かご連動部32に係合された上食器かご11も同時に引き出される。
使用者は、まず上食器かご11に小型の被洗浄物7を配置する。続いて大型の食器などの残りの被洗浄物7を下食器かご8に収納するため、上食器かご11を後方に摺動させる。具体的には、上食器かご11の前方部を上方に持ち上げ後方にずらすことで上食器かご連動部32との係合を解除し、上食器かご連動部32から上食器かご11を外す。上食器かご連動部32から外された上食器かご11を後方に摺動させ、図6に示すように上洗浄槽10内に収納する。
この際、上食器かご11に収納された被洗浄物7に付着した液体や固形物など残さい24の一部は、食器などの下側縁部から下方に落下する。落下した残さい24は、第1の受板13もしくは、第2の受板13a上に落下する。図4に示すように、第2の開口部43を覆うように第2の受板13aが設けられているため、第2の受板13aに残さい24が落下して流れても、第1の受板13上に落下するため第2の開口部43から下方への残さい24の落下を防ぐことができる。なお、第1の受板13が無いと、残さい24が食器洗い機本体1底面に落下することがあるため、臭いの原因や食器洗い機本体1の腐食の原因となってしまう。
第1の受板13および第2の受板13aに落下した残さい24は、運転開始後、洗浄水の流れによって、第1の受板13前方の第1の開口部42から下洗浄槽6内に落下し、フィルタ23に回収される。
さらに、食器洗い機の運転中にしばしば使用者が食器洗い機の内部に収納した被洗浄物7を取り出したり、被洗浄物7を追加したりすることがある。その際、食器洗い機を一時停止させ、扉体3の把持部(図示せず)を把持し、扉体3を前方に摺動する。食器洗い機を一時停止させると同時に洗浄ポンプ18への電流が遮断され、洗浄ポンプ18は運転を停止する。しかし、洗浄ポンプ18は電流が遮断されても、モータの慣性のために所定時間動作するため、その間もノズルから洗浄水が噴射し続ける。食器洗い機を停止直後に下洗浄槽6を引き出すと、上洗浄ノズル12から洗浄水がまだ噴射されている。しかし、本実施の形態によれば、第1の受板13および第2の受板13aを設けているため、噴射された洗浄水は、第1の受板13上もしくは第2の受板13a上に落下し、第1の開口部42から下洗浄槽6に流れるため、食器洗い機本体1底面に洗浄水が滴下することを防ぐことができる。
また、図7に示すように、乾燥工程においては送風手段35が動作して外気が送風経路36を介して送風口40から下洗浄槽6内へ送り込まれる。下洗浄槽6内に送り込まれた空気は送風口40の下流方向近傍に設けられた加熱手段25により加熱された後、下洗浄槽6内の被洗浄物7を乾燥させ、第1の開口部42および第2の開口部43を通過し、上洗浄部5に送風される。第1の開口部42を通過した温風は図7に示すように上洗浄部5内の被洗浄物7を乾燥させ、扉体3に設けられた排気口37より食器洗い機本体1の外に排気される。第2の開口部43を通過した温風は、上洗浄部5内の被洗浄物7を乾燥させ、排気口37より食器洗い機本体1の外に排気される。第1の開口部42および第2の開口部43と複数の通気口を設けることで、上洗浄槽10内で温風が攪拌されるため、第1の開口部42しか設けない場合よりも被洗浄物7との熱交換が促進され、乾燥性能が向上する。
また、排気口37は湿度の高い排気をシステムキッチン内部に排気しないように通常は前面に設けられるため、第2の開口部43を設けない場合、第1の開口部42を通過した温風は、上洗浄槽10内の特に後方の被洗浄物7を乾燥させること無く排気される可能性が高い。本実施の形態では、第2の開口部43と排気口37との間に上食器かご11が設けられているため、排気口が前方に設けられても被洗浄物7を安定して乾燥させることができる。
なお、図8に示すように、第2の開口部43の外縁部には、上方に延伸される凸形状の土手部44が設けられ、第2の受板13aの外縁部には下方に延伸される凸形状の返し部45が設けられていることが望ましい。この際、土手部44は返し部45より平面視で内側に配設される。
このように構成することにより、洗浄水や液体状の残さい24が第2の受板の下面に回り込んで、第2の開口部43から食器洗い機本体1底面に洗浄水が滴下することを防ぎ、より衛生的な食器洗い機を提供できる。すなわち、返し部45は、洗浄水や液体状の残さい24が第2の受板13aの下面に回り込むことを防ぎ、土手部44は、もし洗浄水が回り込んできても第2の開口部43から食器洗い機本体1底面に洗浄水が滴下することを防ぐことができる。この返し部45は、土手部44の外側にオーバーラップさせて設けることで、より大きい効果が得られる。
また、本実施の形態では第1の受板13および第2の受板13aは水平に設けられているが、図9に示す別の例のように、第1の受板13および第2の受板13aが第1の開口部42に向かって下方に傾斜していることが好ましい。この場合、上食器かご11に収納した被洗浄物7から第1の受板13および第2の受板13aに落下した残さい24は、第1の受板13の傾斜13cおよび第2の受板13aの傾斜13dに沿って第1の開口部42に集まる。
第1の受板13を前方に向かって下方に傾斜させたことにより、第1の受板13に土手部44を設けなくとも第1の受板13から食器洗い機本体1底面に洗浄水が滴下することを防ぎ、より衛生的な食器洗い機を提供できる。同様に、第2の受板13aを前方に向かって下方に傾斜させたことにより、第2の受板13aに返し部45を設けなくとも第2の受板13aから食器洗い機本体1底面に洗浄水が滴下することを防ぎ、より衛生的な食器洗い機を提供できる。
また、食器洗い機運転中の洗浄水は第1の受板13の傾斜13cに沿って高さの低い前端部に集まり、第1の開口部42から下洗浄部4に流れるため、汚染を流す力が強まり、第1の受板13上に汚染が残ることを防止することができる。さらに、第1の受板13および第2の受板13aが前方に向かって下方に傾斜していることで、第1の受板13および第2の受板13a上に落下した洗浄水は最短距離で第1の開口部42に流れ込む。洗浄水の流れる経路が短くなるため、洗浄水が噴射されてから排水口17へ回収されるまでの速度が速くなり、少ない洗浄水量でも食器洗い機を運転することができる。
また、図10に示すように、第1の受板13上面の左右端部は、第1の受板13上に滴下した洗浄水を第1の受板13の中央部に回収するガイド46が設けていることが望ましい。ガイド46を設けることにより端部近傍を流れている洗浄水が、上洗浄槽10の内壁面に流れ、洗浄槽2外に滴下することを防ぐ。
また、第1の受板13は、図11に示す別の例のように、左右の両端部から中央部に向かって下方に傾斜していていることが望ましい。この場合は、食器洗い機運転中の洗浄水は第1の受板13の傾斜13eに沿って高さの低い中央部に集まり、第1の開口部42か
ら下洗浄部4に流れるため、汚染を流す力が強まり、第1の受板13上に汚染が残ることを防止することができる。
また、図12および図13に示すように、分水部20は、洗浄ポンプ18から吐出された洗浄水を下洗浄ノズル9と上洗浄ノズル12とに流れる水量を変化させるための構成をしていることが望ましい。具体的には、分水部20内部に第1導水路21と第2導水路22とに流れる洗浄水量割合を変化させるためのセパレータ47が配設されている。セパレータ47は、出水口47a近傍に隣接して設けられた円盤状の樹脂成形部品で、複数の開孔部47bを有する。セパレータ47は、略中央部が分水モータ48と接続され、回転自在である。セパレータ47の停止位置によって第1導水路21と第2導水路22とに流れる洗浄水量割合が変化し、どちらか一方のみに洗浄水を送ることも可能である。なお、セパレータ47の位置は、位置センサ(図示せず)によって判断することができる。
この構成を設けた場合、使用者は、操作部に設けられたコース設定ボタンを押し、運転コースを指定できる。ここでは、上食器かご11のみを洗浄する上食器かご洗浄コース、下食器かご8のみの下食器かご洗浄コース、上下ともに洗浄する上下かご洗浄コースなどのコースが設けられている。
運転コースを指定し、食器洗い機の運転を開始すると、排水手段34が所定時間動作した後、給水弁33が動作して所定量の洗浄水を下洗浄槽6に供給する。所定量の洗浄水が供給されると、設定されたコースに基づき、分水部20に設けられた分水モータ48が動作し、セパレータ47が回転する。上食器かご洗浄コースが指定されている場合には、セパレータ47の開孔部47bと第2導水路22への出水口47aとが一致し、第1導水路21を塞ぐ位置でセパレータ47は停止する。同様に、下食器かご洗浄コースの場合は、第1導水路21にのみ洗浄水を供給する位置でセパレータ47は停止する。上下かご洗浄コースの場合は、第1導水路21および第2導水路22に洗浄水を供給できるようセパレータ47を回転した後、その位置で停止させる。
これにより、被洗浄物7の量に応じて必要最低限の場所のみ洗浄水を供給し洗浄することができるため、消費電力量や使用水量といったランニングコストの削減を実現できる。
本発明の食器洗い機は、食器等の被洗浄物の乾燥性能を向上させることができるとともに、上食器かごに収納された被洗浄物から落下する汚染が洗浄槽外に滴下することを防止できるため、衛生的な食器洗い機等として有用である。
1 食器洗い機本体
2 洗浄槽
3 扉体
4 下洗浄部
5 上洗浄部
6 下洗浄槽
8 下食器かご
9 下洗浄ノズル
10 上洗浄槽
11 上食器かご
12 上洗浄ノズル
13 第1の受板
13a 第2の受板
18 洗浄ポンプ
42 第1の開口部
43 第2の開口部
44 土手部
45 返し部

Claims (6)

  1. 本体内に洗浄槽と、前記洗浄槽の前側全面に設けられる扉体とを備え、前記洗浄槽は、下部に設けられる下洗浄部と、上部に設けられる上洗浄部とに分割構成され、前記下洗浄部は、下洗浄槽と、被洗浄物を収納する下食器かごと、前記洗浄槽内の洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、前記下食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する下洗浄ノズルと、前記扉体とを備えて前後方向に移動可能に構成され、前記上洗浄部は、食器洗い機本体に固定された上洗浄槽と、前後方向に移動可能に構成され被洗浄物を収納する上食器かごと、前記上食器かごの下方に設けられ前記洗浄ポンプと連通する上洗浄ノズルと、前記上洗浄ノズルの下方で前記上洗浄槽に固定して設けられ前記上食器かごの下面を覆う第1の受板と、前記第1の受板の前端部に設けられた第1の開口部と、前記第1の受板の後端部に設けられた第2の開口部と、前記第2の開口部の上方かつ前記上食器かご下方に設けられ、前記第2の開口部全体を覆う第2の受板とを備えた食器洗い機。
  2. 前記第2の開口部の外縁部に上方に延伸される土手部を設けた請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 前記第1の受板は前方に向かって下方に傾斜して設けられる請求項1もしくは2に記載の食器洗い機。
  4. 前記第2の受板は前方に向かって下方に傾斜して設けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗い機。
  5. 前記第1の受板は、左右の端部から中央部に向かって下方に傾斜するよう構成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の食器洗い機。
  6. 前記第2の受板の外縁部に下方に延伸される返し部を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載の食器洗い機。
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