第1の発明は、被洗浄物を収容する洗浄槽と、略水平方向に移動自在で前記洗浄槽を開閉する扉部と、前記洗浄槽を上タンクと下タンクに分割する受板と、前記上タンク内の上かごに設けた被洗浄物を洗浄する上洗浄ノズルと、前記下タンク内の下かごに設けた被洗浄物を洗浄する下洗浄ノズルと、前記上洗浄ノズルと下洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄ポンプと、前記受板と扉部の間に設けられ前記上タンクと下タンクとを連通させる上下流路と、前記上下流路に設置する中段残さいフィルタを備えたことで、上かごにセットされた被洗浄物を洗浄する際、上タンクの洗浄水は、洗浄ポンプに回収されるため、上下流路を通過するので、中段残さいフィルタには、循環する洗浄水が常に通過することになり、残さいを効率よく捕集することができる。したがって、上かごにセットされた被洗浄物の残さいが再び下かごにセットされた被洗浄物に再付着することがなく洗浄性能、特にすすぎ性能が向上する。すすぎ性能が向上することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。また、上タンクの汚れを素早く捕集できるので、時短効果も併せ持つ。また、中段残さいフィルタは、洗浄槽の高い位置に設けられているので、使い勝手がよくなる。
さらに、前記受板は、前記下タンク側の一部に凸状のガイド部を設け、前記ガイド部が前記上下流路の前記中段残さいフィルタ方向に前下がりに傾斜する構成にしたことで、下タンク側の洗浄において、下洗浄ノズルから噴射され、受板の下面にまで達した洗浄水は、受板の下タンク側に一部残留しかつ、下タンク側の一部に凸状に設けられたガイド部に
沿って流れ、上下流路に合流する。したがって、下タンク側の洗浄時にも、中段残さいフィルタに洗浄水の一部が供給されるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。
第2の発明は、第1の発明において、特に、前記中段残さいフィルタは、前記扉部に設けることで、中段残さいフィルタは、扉部による洗浄槽の開閉動作と常に連動するので、使用者が扉部を動作して、洗浄槽を開口すると同時に中段残さいフィルタを取り外しすることが可能となる。したがって、洗浄槽すべてを引き出さなくてもよく、最低限の動作で、中段残さいフィルタの取り外しをすることができ、使い勝手がよくなるものである。また、洗浄槽の開閉動作を行っても、残さい及び中段残さいフィルタの水滴が下かごにセットされた被洗浄物に滴下しないので、衛生的にも優れた効果を得る。
第3の発明は、第1の発明において、特に、前記中段残さいフィルタは、前記上下流路の略下方に位置する前記下タンクに設けられることで、上下タンクの残さいフィルタが兼用できる。上かごにセットされた被洗浄物を洗浄する際、上タンクの洗浄水は、洗浄ポンプに回収されるため、上下流路を通過する。中段残さいフィルタには、循環する洗浄水が常に通過することになり、残さいを効率よく捕集することができる。また、一方で下かごにセットされた被洗浄物を洗浄する際、下タンクの洗浄水は、洗浄ポンプに回収されるため、上タンクとは無関係に中段残さいフィルタを通過する。したがって、一つの残さいフィルタで、一方のタンクの残さいが他方のタンクに送られることなく、洗浄性能を向上させることができる。すすぎ性能が向上することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、特に、前記受板は、前記下タンク側に傾斜部を設け、前記傾斜部は、前記上下流路の前記中段残さいフィルタ方向に前下がりに傾斜する構成にしたもので、下タンク側の洗浄において、下洗浄ノズルから噴射され、受板の下面にまで達した洗浄水は、受板の下タンク側に一部残留しかつ、受板の傾斜部に沿って流れ、上下流路に合流する。したがって、下タンク側の洗浄時にも、中段残さいフィルタに洗浄水の一部を供給できるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。また、中段残さいフィルタは、下タンク用の残さいフィルタと、開口部を大きさや形状を変えることで、捕集性能が向上し、すすぎ時の性能が向上するので、節水を図れる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、特に、前記受板は、前記扉部近傍の端部付近に略上方へ凸状のリブ部を設け、前記リブ部の上流側に開口部を有するもので、上タンクの循環洗浄水は、受板上を流れて、上下流路の入口に達する際、慣性力により洗浄水は扉部側に向かって、偏って流れる。この流れにより、中段残さいフィルタには、不均一に洗浄水が供給される。したがって、洗浄水の慣性力をリブ部で一旦弱め、流れの上流側に設けた開口部から、上下流路に洗浄水が流送されることで、開口部の略下方に設けられた中段残さいフィルタに万遍なく均一に洗浄水を供給することができる。中段残さいフィルタの一部の開口部に残さいが集中して、つまることがないので、残さいの捕集性に優れ、循環洗浄水を効率よく利用でき、すすぎ性能が向上することで、節水及び時短を図れる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、特に、前記上洗浄ノズルおよび下洗浄ノズルと前記洗浄ポンプとの間に分水部を設けたもので、上タンクの上かごにセットされた被洗浄物から除去された汚れ(残さい)を、中段残さいフィルタで、下タンクに流れないようにすることができるため、上タンクのみの運転が可能で、上下分け洗いが可能になる。使用者は少量の被洗浄物を洗浄する場合には、どちらか一方のタンクを使用すればよく、少量の洗浄水で洗浄することが可能となり、節水で省エネ、時短の効果を得る。また、上タンクの被洗浄物のみを洗浄する場合は、中段残さいフィルタのみをメンテすればよく、洗浄槽の高い位置に設けられているので、使い勝手がよくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の食器洗い機の断面概略図、図2は同食器洗い機の下かごにセットした被洗浄物の他の配置を示した断面概略図、図3は同食器洗い機の扉部を引き出した状態および中段かごの配置を示した断面概略図である。図1〜図3において、キッチン等のキャビネット1に設置された食器洗い機の本体2の内部には、扉部5を前後に引き出し・押し込むことで開閉可能な開口部を有する洗浄槽3が設けられている。洗浄槽3の内部は、受板9により、上下に上タンク6と下タンク7に分かれており、食器等の被洗浄物4は、上タンク6内の上かご10及び下タンク7内に設けられた下かご11にセットされ、洗浄槽3内に収容する。
下タンク7は、扉部5と一体となって構成されており、扉部5を前後に動作すると本体2の側面に設けられた下タンク支持レール8に支持され、扉部5と一体となって前後に移動する。したがって、下かご11は、扉部5の開動作と同時に引き出されることになる。一方、上タンク6は、扉部5の動作とは連動せず、本体2内に留まる。上かご10は、上かご専用レール(図示せず)に支持され、上かご10のみを前後に動作させることができる。これは、図に示したように、下かご11の容量が多く、高さ方向もスペースを取っているため、最初に、下かご11から被洗浄物4をセットできるように配慮しているものである。上かご10が下かご11と連動せず、自在に前後に動作させることができるので、上かご10は、下かご11と略同面積のかごにすることが可能になる。
また、セットする被洗浄物4の数が少なかったり、小さいものであれば、上かご10にセットした方が姿勢を楽にセットできるため、扉部5と上かご10に嵌め合い部を設けて
、扉部5の動作と連動させて、上かご10を動作させてもよい。この嵌め合い部は、使用者の使用する形態に合わせて、扉部5の外側から上かご10を連動させるかを選択できるようにしてもよい。
上タンク6と下タンク7の左右の側面は、それぞれ側板上14と側板下15で形成され、下タンク7が引き出せるように前後方向に傾斜した構成になっている。また、それぞれ背面は、背板上17と背板下18で構成され、扉部5を動作させて、下タンク7を洗浄槽3内に収納した時に、上タンク6と下タンク7の左右の側面および背面は勘合部16で勘合する。勘合部16は、ゴムやエラストマー等弾性体のパッキンや、断面をラビリンス構造にして、外部に洗浄水が漏れないようにしている。
下タンク7の側面下15は、洗浄槽3の高さと比べて、略半分以下の高さで形成しているので、使用者は、側面からも下かご11に被洗浄物4をセットでき使い勝手がよい。給水弁(図示せず)は、制御部により開閉され、洗浄槽3に洗浄水として水道水を供給する。
洗浄ポンプ21は、洗浄槽3の底面外壁に密着して取付けられ、洗浄槽3内の底部に貯留された洗浄水を加圧して、洗浄ポンプ21の吐出口と連通している上洗浄流路29を介して上洗浄ノズル12へ、下洗浄流路30を介して下洗浄ノズル13に供給し、上洗浄ノズル12上の複数の上洗浄ノズル噴射口34と下洗浄ノズル13上の複数の下洗浄ノズル噴射口35から洗浄水を噴射することで被洗浄物4の洗浄を行なう。被洗浄物4に噴射される洗浄水には、被洗浄物を洗浄するための洗浄液と、被洗浄物4をすすぐためのすすぎ水とが含まれる。
上洗浄ノズル12と下洗浄ノズル13は、それぞれ上洗浄流路29と下洗浄流路30に設けられた軸受勘合部に嵌め込まれ、回転自在に支持されながら、軸受勘合部で洗浄水が水漏れしないように、各洗浄ノズルと軸受勘合部は、平面同士で擦りあいながらシール構成を確保している。
上洗浄流路29は、上タンク6に設けられている上洗浄流路A31と、下タンク7に設けられている上洗浄流路B32から構成されている。下タンク7を洗浄槽3内に収納した際、洗浄槽3の背部で上洗浄流路A31と上洗浄流路B32は、下タンク7内の接続部40で接続される。接続部40は、ゴムやエラストマー等弾性体のパッキンや、断面をラビリンス構造にして、下タンク7に洗浄水が漏れないようにしている。
上洗浄流路A31には、弁体33が内挿されており、扉部5を開口した際に、流路の接続が外れても、上洗浄ノズル12や上洗浄流路A31の洗浄水が逆流して漏れないようにしている。更に、接続部40近傍には、流路水受部20を設けて、洗浄槽3外部に洗浄水が漏れない構成になっている。流路水受部20で回収した洗浄水は、下タンク7との連通部を通して、下タンク7に戻すようにしてもよい。
受板9は、上面が扉部5方向に前下がりに傾斜しており、前端部と扉部5との間に上下流路23を設けて上タンク6と下タンク7とを連通させている。受板9は、下タンク7を引き出した時、上タンク6の被洗浄物4等に残った洗浄水を洗浄槽3外に漏れないように構成されており、上下流路23は、扉部5を最大限引き出しても、下タンク7の背部に設けた本体水受部19より前方に位置する、すなわち本体水受部19とオーバラップするようになっており、上タンク6から滴下する残水は、本体水受部19によって、必ず、下タンク7に回収される。上下流路23には、図示したように、中段かご24を受板9より下部にくるように設けている。
また、洗浄槽3の底部には、洗浄ポンプ21及び排水ポンプ22の吸い込み側と連通した排水口25を有し、この排水口25には残さいを収集する排水フィルタ26と、排水フィルタ26よりも細かい開孔部を持つ残さいフィルタ27を備えている。残さいフィルタ27は、着脱自在で、取り外して収集した残さいを廃棄することができるようになっている。
また、洗浄水の加熱用の加熱部28が洗浄槽3の底面上に設けられ、洗浄槽3内の洗浄水の温度を検知する温度センサ(図示せず)が洗浄槽3の底面外壁に設けられている。
乾燥部36は、下タンク7に設けられており、送風部37と乾燥経路38と送風口39からなり、フィルタ(図示せず)を通して、吸い込んだ外気を送風口39から洗浄槽3内に吹き出し、加熱部28を通して温風に変え、上タンク6に設けられた排気口(図示せず)から機外に排気する。
上記構成において、まず、食器洗い機の基本動作について説明する。食器等の被洗浄物4を上かご10と下かご11と中段かご24にセットして洗浄槽3に収納し、洗剤を投入した後、扉部5を押し込んで扉部5により食器洗い機の本体2の開口部を閉塞し、運転を開始する。被洗浄物4の汚れを落とす洗浄工程、付着した洗剤や残さいを流すすすぎ工程、そして被洗浄物4に付着している水滴を乾燥させる乾燥工程の順に実行する。
まず、給水弁を動作して所定量の水道水を洗浄水として洗浄槽3内に給水し、つづいて洗浄ポンプ21により洗浄水を加圧し、上洗浄ノズル12の上洗浄ノズル噴射口34と下洗浄ノズル13の下洗浄ノズル噴射口35から洗浄水を噴射する。下洗浄ノズル13は、下かご11と中段かご24にセットされた被洗浄物4に向けて、上洗浄ノズル12は、上かご10にセットされた被洗浄物4に向けてそれぞれ洗浄水を噴射する。この際、洗浄槽3内の底面上に設けられたシーズヒータ等の加熱部28は通電されており、洗浄水を加熱しながら洗浄工程は行われる。また、洗浄槽3の底面外壁に設けられたサーミスタ等の温度センサは洗浄槽3の洗浄水の温度を検知しており、所定温度以上になると加熱部28への通電を停止するように制御される。
下タンク7側の洗浄水の循環は、下洗浄ノズル13から噴射された後、下かご11と上下流路23に位置する中段かご24に設けられた被洗浄物4を洗浄もしくはすすぎ、排水口25に設置された残さいフィルタ27と排水フィルタ26を通過し、洗浄ポンプ21に吸いこまれ、洗浄ポンプ21より下洗浄流路30を通過し、下タンク7の内底部に設けられた下洗浄ノズル13へ供給される。この際、被洗浄物4から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ27に流入し、フィルタを通過できない大きさの残さいは残さいフィルタ27に捕集される。下タンク7と上タンク6は受板9で仕切られているので、下洗浄ノズル13から噴射された洗浄水は、ほとんど上タンク6に流れない。
また、上タンク6側の洗浄水の循環は、洗浄ポンプ21より加圧された洗浄水が、上洗浄流路29を通過し、上タンク6に設けられた上洗浄ノズル12に供給される。そして、上洗浄ノズル12から噴射された後、上かご10に設けられた被洗浄物4を洗浄もしくはすすぎ、受板9と扉部5の間に設けられた上下流路23を通過して、中段かご24に設けられた被洗浄物4を洗浄もしくはすすぎ、排水口25に設置された残さいフィルタ27と排水フィルタ26を通過し、洗浄ポンプ21に吸いこまれる。上タンク6の洗浄水の循環において、下タンク7に設置されている被洗浄物4には、洗浄水がほとんど当たらない構成になっている。
また、上洗浄ノズル12は、図1では、受板9と上かご10の間に設けられているが、上タンク6と上かご10の上方に、上洗浄ノズル噴射口34を略下に向けて設置してもよ
い。また、上洗浄ノズル12と下洗浄ノズル13は、上洗浄ノズル噴射口34と下洗浄ノズル噴射口35を回転方向とは反対方向に噴射するように設けているが、多数の噴射口を設けて、それぞれのノズルは、回転しないで、洗浄水を噴射するものでもよい。
所定時間の洗浄工程を終えると、汚れを含む洗浄水は排水ポンプ22によって機外に排出され、給水弁によって新たに洗浄水が供給される。次いで、洗浄ポンプ21を運転し、上洗浄ノズル12や下洗浄ノズル13から再び洗浄水を噴射して、洗剤や残さい等の付着した被洗浄物4のすすぎを行う。所定時間運転した後、洗浄水を排水ポンプ22により排出し、再び洗浄水を供給するという動作を繰り返し、このすすぎ工程は連続して3回程度行う。最後に、洗浄水を排水ポンプ22により食器洗い機の本体2外に排出して、すすぎ工程は終了する。
つづいて乾燥工程を行う。乾燥工程は、乾燥部36内に設けられた回転ファン等の送風部37をモータで駆動することで、外気と接するフィルタ(図示せず)から吸い込まれた外気は、乾燥経路38を経て、送風口39より、下タンク7内に送風される。その際、送風された外気は、通電された加熱部28を通過することで、温風となる。温風は下タンク7内を通過した後、上下流路23を通過して、上タンク6内に送風される。この際、中段かご24に集中的に温風が通過するので、中段かご24の乾燥性能も向上する。上下流路23から上タンク6に達した温風は、上かご10に設置された被洗浄物4を乾燥し、上タンク6に設けられた排気口(図示せず)から、食器洗い機の本体2外へ排気される。所定時間運転した後、乾燥工程を終了し、運転を終了する。
従来スプーンやフォークをセットするカトラリーかごを含めて、かごに収納した被洗浄物を洗うのに専用ノズルが必要であったが、受板9と扉部5の間の上下流路23に中段かご24を設けることで、上かご10に設けられた被洗浄物4を洗浄する際、上タンク6の洗浄水は、洗浄ポンプ21に回収されるため、上下流路23を通過する。したがって、中段かご24に設置された被洗浄物4は、回収される洗浄水に常にさらされることで、洗浄性能が向上する。循環洗浄水を洗浄に利用することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。
また、上タンク6と下タンク7の洗浄循環経路は、それぞれ独立した形態になっているため、上洗浄流路29と下洗浄流路30の流路を切り換える弁体を洗浄ポンプ21の吐出側に設ければ、上タンク6と下タンク7をそれぞれ別々に運転することができ、使用者は、被洗浄物4の数が少ない場合、どちらかのタンクのみを選択して運転することで、無駄な水量を省け、節水及び省エネ効果を得るとともに、使い勝手も向上するものである。
また、図2に示したように、下かご11は、上方から見た時の投影面積の一部が上下流路23の下方に位置するように設けてもよい。このように構成することによって、下かご11の一部に設置された被洗浄物4の洗浄にも、上かご10の循環洗浄水を利用できる。
また、下かご11の洗浄は、回転する下洗浄ノズル13で行っているため、ノズルの軌跡上、下かご11の四隅に設置された被洗浄物4に供給される洗浄水は、下洗浄ノズル13から噴射される噴射角度を略垂直上方向から大きく、水平方向にとる必要があった。しかし、略垂直方向に高い被洗浄物4を洗浄する場合、洗浄水の噴射角度が大きいと、被洗浄物4の上部まで、洗浄水が届きにくいので、下洗浄ノズル13からの洗浄水の噴射流量や噴射圧を大きくするか、下かご11の四隅には、略垂直方向に低い被洗浄物4を設置できる下かご11の配置形状としていため、無駄な水量やエネルギーを使ったり、被洗浄物4のセットも限定されていた。
したがって、上下流路23の下方に下かご11の投影面積の一部を設ける構成、すなわ
ち上下流路23の直下に下かご11の一部を位置させる構成にすることで、この位置にセットされる被洗浄物4には、上方からも洗浄水が供給されるので、洗浄槽3の前方に略垂直方向に高い被洗浄物4を設置することが可能になり、設置できる被洗浄物4の種類が増え、使い勝手が向上するものである。
また、下かご11の被洗浄物4の配置を洗浄槽3の後方の隅には、略垂直方向に低い被洗浄物4を設置する下かご11の構成にすることで、従来よりも、下洗浄ノズル13からの洗浄水の噴射流量や噴射圧を小さくでき、節水及び省エネ効果を得ることができるとともに、被洗浄物4の下かご11へのセット位置の制約も無くすることができる。
中段かご24は、上かご10に設ける構成と扉部5に設ける構成とが可能であり、扉部5を押し込んだ使用状態で上下流路23に位置していれば洗浄性能の点では同等であるが、上かご10に設ける構成と扉部5に設ける構成とで、それぞれ以下のような特有の効果がある。
図3に示したように、中段かご24を上かご10の前方部に着脱自在に設けた構成では、中段かご24は、上かご10と連動するため、上かご10と同時に被洗浄物4のセットが可能となる上に、上かご10とともに洗浄槽3内に収納できるため、下かご11に被洗浄物4をセットする際には、セット性が向上し、使い勝手がよくなるものである。
また、上かご10と中段かご24とは、着脱自在に勘合されているため、下かご11に設置される被洗浄物4の高さによっては、中段かご24の設置位置を変更でき、設置可能な被洗浄物4のバリエーションが広がり、更に、使い勝手がよくなるものである。
また、中段かご24は、上かご10に設けられているので、使用者は、楽な姿勢で被洗浄物4をセットできることが可能となる。
また、中段かご24を着脱自在にすることで、中段かご24の清掃等のメンテナンス性も向上し、使い勝手も向上するものである。
図4で示したように、中段かご24を扉部5に設けた構成では、中段かご24は、扉部5による洗浄槽3の開閉動作と常に連動するので、使用者が扉部5を動作して、洗浄槽3を開口すると同時に中段かご24に被洗浄物4をセットすることが可能となる。したがって、洗浄槽3すべてを引き出さなくてもよく、最低限の動作で、中段かご24に被洗浄物4をセットすることができ、使い勝手がよくなるものである。
また、シーズヒータ等の加熱部28は実効部を直線部28aが長いU字状に形成し、図1では直線部28aが洗浄槽3の水平前後方向になるように配置してあるが、図5に示したように、直線部28aが洗浄槽3の水平左右方向になるように配置して、上下流路23の中段かご24の略直下方、下タンク7部に加熱部28を設けてもよい。このように構成すれば、循環洗浄水は、加熱部28を通過するので、熱交換効率が上がり、昇温時間が早まる。したがって、洗浄水は、洗浄に必要な所定温度に早く到達でき、洗浄性能が向上することで、洗浄時間を短縮することができる。また、上洗浄流路29と下洗浄流路30の流路を切り換える弁体あるいは分水部を設ける構成で、上下タンクを分け洗いする場合に、上タンク6内に洗浄水を供給する洗浄のみでも同様の効果が得られるものである。
また、乾燥工程時には、温風による乾燥効果に加え、輻射熱による乾燥効果も高効率に得られる。使用者が少量の被洗浄物4を速やかに乾燥したい場合には、中段かご24を利用すればよく、使い勝手が向上するものである。
また、図6に示したように、受板9側面と洗浄槽3との間に第2の上下流路41を設けてもよい。このように構成すれば、下かご11と第2の上下流路41にまな板等の大きな被洗浄物4をセットすることが可能となり、そうした場合には、循環される洗浄水の一部が通過するので、第2の上下流路41により、洗浄性能の向上に寄与するとともに、循環洗浄水を洗浄に利用することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。
また、受板9は、上面を扉部5方向に前下がりに傾斜させて上タンク6内で噴射された洗浄水を上下流路23に導き、下タンク7内に回収循環させる。一方、下面は、図1に示したように全体を略水平な面で構成してもよいが、図7に示したように、扉部5方向に前下がりに傾斜する受板傾斜部42(傾斜部)を設け、受板傾斜部42は、上下流路23の中段かご24方向に傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、受板9の下タンク7側に一部残留しかつ、受板9の受板傾斜部42に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。したがって、下タンク7側の洗浄時にも、受板傾斜部42によって中段かご24に洗浄水の一部を導いて供給できるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。
また、図8に示したように、受板9は、下タンク7側の一部に下方に凸状に垂下させたガイド部43を設け、ガイド部43が上下流路23の中段かご24方向に前下がりに傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、受板9の下タンク7側に一部残留しかつ、下タンク7側の一部に凸状に設けられたガイド部43に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。したがって、下タンク7側の洗浄時にも、ガイド部43によって中段かご24に洗浄水の一部を導いて供給できるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。
また、図9に示したように、受板9は、扉部5近傍の端部付近に略上方へ凸状のリブ部44を設け、リブ部44の上流側(本実施の形態では洗浄槽3の奥側)に上タンク6と下タンク7とを連通させる開口部45を有し、開口部45の略下方に中段かご24を設けてもよい。上タンク6の循環洗浄水は、受板9上を流れて、上下流路23の入口に達する際、慣性力により洗浄水は扉部5側に向かって、偏って流れる。この流れにより、中段かご24に設置された被洗浄物4には、不均一に洗浄水が供給される。したがって、上記の構成により洗浄水の慣性力をリブ部44で一旦弱め、流れの上流側に設けた開口部45から、上下流路23に洗浄水が流送されることで、開口部45の略下方に設けられた中段かご24には万遍なく均一に洗浄水を供給することができる。循環洗浄水を効率よく利用でき、洗浄性能が向上することで、節水及び時短を図れる。
また、図10に示したように、上洗浄ノズル12は、洗浄ポンプ21から加圧され供給された洗浄水を流送するノズル内洗浄流路の上方に設けられ、上かご10に向けて噴射する複数の上洗浄ノズル噴射口34(第1の噴射口)に加えて、ノズル内洗浄流路の下方に設けられ、中段かご24に向けて噴射する少なくとも1つ以上からなる第2の上洗浄ノズル噴射口46(第2の噴射口)を有してもよい。第2の上洗浄ノズル噴射口46は上洗浄ノズル12から高圧小流量で噴射され、一方、上洗浄ノズル噴射口34から噴射され受板9上から上下流路23に流れる循環洗浄水は、低圧大流量になる。このように構成することによって、特性の異なる洗浄水の噴射により、被洗浄物4に付着している汚れが強い場合は、高圧の洗浄水で、また、被洗浄物4に付着している汚れが多い場合は、大流量の洗浄水で洗浄できるので、効率よく短時間で洗浄することができる。
また、第2の上洗浄ノズル噴射口46が、上洗浄ノズル12の回転推進用の噴射口と同一でもよい。このように構成すれば、すべての噴射口から上かご10にセットされた被洗
浄物4に向けて洗浄水を噴射でき、洗浄性能が向上する。したがって、節水及び時短を図れる。
また、図11に示したように、上下流路23は、洗剤を投入する洗剤入れ47を有し、洗剤入れ47は、中段かご24の略上方に位置した構成にしてもよい。このように構成することによって、中段かご24に強固な汚れが付着している被洗浄物4をセットしても、上下流路23に設けた洗剤入れ47を通過して、洗浄水が中段かご24に供給されるので、高濃度の洗剤水に被洗浄物4を晒すことができ、洗浄性能が向上するものである。使用者は、中段かご24に強固な汚れの被洗浄物4をセットすることが可能となり、下洗いの機会を少なくでき、使い勝手がよくなる。
図12に示したように、洗浄槽3に設けられた乾燥部36は、下タンク7の略前方部に設けられ、下タンク7の前面下部に設けた送風口39から下タンク7内の略後方に向けて送風する送風部37を有する構成としている。下タンク7から上タンク6への流路は、上下流路23のみしかないため、下タンク7の上方から見た時の投影断面積に比べて著しく小さい上下流路23では、乾燥風の流速が急速に早くなる。また、下タンク7に送風した乾燥風の全風量は、すべて、上下流路23を通過するため、中段かご24にセットした被洗浄物4は、集中的に、しかも流速の早い乾燥風に晒される。したがって、乾燥性能が向上し、乾燥時の省エネ、時短を図れる。使用者が少量の被洗浄物を速やかに乾燥したい場合には、中段かご24を利用すればよく、使い勝手が向上するものである。
また、このように構成して、上下流路23に乾燥部36からの温風が直接送風されないように、上タンク6への流路がない受板9の略後方に送風することで、下タンク7内でも温風が拡散され、乾燥性能は向上する。
また、図13に示したように、受板9の前端部と扉部5の近傍に中段残さいフィルタ48を設けてもよい。上かご10にセットされた被洗浄物4を洗浄する際、上タンク6の洗浄水は、洗浄ポンプ21に回収されるため、上下流路23を通過する。中段残さいフィルタ48には、循環する洗浄水が常に通過することになり、残さいを効率よく捕集することができる。したがって、上かご10にセットされた被洗浄物4の残さいが再び下かご11にセットされた被洗浄物4に再付着することがなく、洗浄性能、特にすすぎ性能が向上する。すすぎ性能が向上することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。また、上タンク6の上かご10にセットされた被洗浄物4の汚れを素早く捕集できるので、時短効果も併せ持つ。また、中段残さいフィルタ48は、洗浄槽3の高い位置に設けられているので、使い勝手がよくなる。また、中段残さいフィルタ48を上かご10に設けてもよい。
また、中段残さいフィルタ48は、受板9の前端部もしくは上かご10に設ける構成と扉部5に設ける構成とが可能であるが、図14に示したように、扉部5に設けた場合は、中段残さいフィルタ48は、扉部5による洗浄槽3の開閉動作と常に連動するので、使用者が扉部5を動作して、洗浄槽3を開口すると同時に中段残さいフィルタ48を取り外しすることが可能となる。したがって、洗浄槽3すべてを引き出さなくてもよく、最低限の動作で、中段残さいフィルタ48の取り外しをすることができ、使い勝手がよくなるものである。また、洗浄槽3の開閉動作を行っても、残さい及び中段残さいフィルタ48の水滴が下かご11にセットされた被洗浄物4に滴下しないので、衛生的にも優れた効果を得る。
また、図15に示したように、中段残さいフィルタ48は、上下流路23の略下方に位置する下タンク7に設けてもよい。このように構成すれば、上下タンクの残さいフィルタが兼用できる。上かご10にセットされた被洗浄物4を洗浄する際、上タンク6の洗浄水は、洗浄ポンプ21に回収されるため、上下流路23を通過する。中段残さいフィルタ4
8には、循環する洗浄水が常に通過することになり、残さいを効率よく捕集することができる。
また、一方で下かご11にセットされた被洗浄物4を洗浄する際、下タンク7の洗浄水は、洗浄ポンプ21に回収されるため、上タンク6とは無関係に中段残さいフィルタ48を通過する。したがって、一つの残さいフィルタで、一方のタンクの残さいが他方のタンクに送られることなく、洗浄性能、特にすすぎ性能を向上させることができる。すすぎ性能が向上することで、無駄な水量を省け、節水効果を得る。
また、受板9の前端部と扉部5の近傍に中段残さいフィルタ48を設けた構成において、図16に示したように、受板9は下タンク7側の下面に扉部5方向に前下がりに傾斜する受板傾斜部42を設け、受板傾斜部42が上下流路23の中段残さいフィルタ48方向に前下がりに傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、受板9の下タンク7側に一部残留しかつ、受板9の受板傾斜部42に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。したがって、下タンク7側の洗浄時にも、中段残さいフィルタ48に洗浄水の一部を導いて供給できるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。また、中段残さいフィルタ48は、下タンク7用の残さいフィルタ27と、開口部の大きさや形状を変えることで、捕集性能が向上し、すすぎ時の性能が向上するので、節水を図れる。
また、受板9の前端部と扉部5の近傍に中段残さいフィルタ48を設けた構成において、図17に示したように、受板9は、下タンク7側の一部に下方に凸状に垂下させたガイド部43を設け、ガイド部43が上下流路23の中段残さいフィルタ48方向に前下がりに傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、受板9の下タンク7側に一部残留しかつ、下タンク7側の一部に凸状に設けられたガイド部43に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。したがって、下タンク7側の洗浄時にも、中段残さいフィルタ48に洗浄水の一部が導かれて供給されるため、洗浄性能の向上に寄与でき、節水を図れる。
また、受板9の前端部と扉部5の近傍に中段残さいフィルタ48を設けた構成において、図18に示したように、受板9は、扉部5近傍の端部付近に略上方へ凸状のリブ部44を設け、リブ部44の上流側(本実施の形態では洗浄槽3の奥側)に上タンク6と下タンク7とを連通させる開口部45を設けてもよい。上タンク6の循環洗浄水は、受板9上を流れて、上下流路23の入口に達する際、慣性力により洗浄水は扉部5側に向かって、偏って流れる。この流れにより、中段残さいフィルタ48には、不均一に洗浄水が供給される。したがって、上記の構成により洗浄水の慣性力をリブ部44で一旦弱め、流れの上流側に設けた開口部45から、上下流路23に洗浄水が流送されることで、開口部45の略下方に設けられた中段残さいフィルタ48に万遍なく均一に洗浄水を供給することができる。中段残さいフィルタ48の一部の開口部に残さいが集中して、つまることがないので、残さいの捕集性に優れ、循環洗浄水を効率よく利用でき、すすぎ性能が向上することで、節水及び時短を図れる。
また、図19に示したように、上下洗浄ノズル12、13と洗浄ポンプ21との間に分水部49を設けてもよい。分水部49により、上洗浄流路29と下洗浄流路30を切り換えて、選択的に、上洗浄ノズル12と下洗浄ノズル13からの噴射を切り換える。図20は、分水部49の断面図である。分水部49は、洗浄ポンプ21の吐出側と連通するポンプ吐出側流路50と、上洗浄流路29と下洗浄流路30の流路入口を切り換える開口部と閉口部を備えた弁体51と、弁体51を支持する回転軸52と、回転軸52を駆動するモ
ータ53から構成されている。洗浄水は、分水部49にポンプ吐出側流路50から流入し、弁体51の開口部と一致した位置にある流路入口から上洗浄流路29と下洗浄流路30の一方または双方に切り換えて送水される。なお、ここでは、分水部49は、モータ53による駆動で切り換える構成にしているが、洗浄ポンプ21の駆動、停止による水圧の変化で切り換える構成にしてもよい。
以上のように、上タンク6の上かご10にセットされた被洗浄物4から除去された汚れ(残さい)を、中段残さいフィルタ48で、下タンク7に流れないようにすることができるため、上タンク6のみの運転が可能で、上下分け洗いが可能になる。使用者は少量の被洗浄物4を洗浄する場合には、どちらか一方のタンクを使用すればよく、少量の洗浄水で洗浄することが可能となり、節水で省エネ、時短の効果を得る。
また、上タンク6の被洗浄物4のみを洗浄する場合は、中段残さいフィルタ48のみをメンテすればよく、洗浄槽3の高い位置に設けられているので、使い勝手がよくなる。
また、上タンク6と下タンク7のどちらにも被洗浄物4がセットされていても、交互に上下を切り換えて運転することで、集中的に洗浄することが可能になり、洗浄圧を下げずに少量の洗浄水で洗浄することが可能となり、節水で省エネ、時短の効果を得る。
また、図1に示した構成では、排水口25を上下流路23の略直下より後方に配置してあるが、図21に示したように、受板9と扉部5の間、または扉部5近傍に設けられた上タンク6の洗浄水を下タンク7に流す上下流路23の略下方に位置する下タンク7に排水口25を設けてもよい。受板9と扉部5の間の上下流路23の略下方に位置する下タンク7に排水口25を設けることで、上かご10に設けられた被洗浄物4を洗浄する際、上タンク6の洗浄水は、洗浄ポンプ21に回収されるため、上下流路23を通過する。したがって、循環洗浄水は、排水口25に最短距離で流送されるので、経路を流れる無駄な水量を省け、節水効果を得る。
また、排水口25の上部には、被洗浄物4から洗浄された残さいを回収する排水フィルタ26を設け、排水フィルタ26は、図22に示したように、上下流路23の略下方部に位置する排水フィルタ26の一部を閉口した構成にしてもよい。上タンク6の循環洗浄水は、上下流路23から直接排水口25に回収されると、排水口25に滞留している洗浄水や、洗浄槽3壁面と衝突し、気泡が発生する。その気泡が排水口25から吸い込まれて、大量に洗浄ポンプ21に供給されると、洗浄ポンプ21内でエアがみが起こり、所定の洗浄圧を噴射することができない。
上下流路23から直接水流が衝突する近傍位置の排水フィルタ26の排水フィルタ格子54の一部に格子閉口部55を設けることで、水流の衝突による衝撃を減らすことができるとともに、排水フィルタ26の格子閉口部55を、排水口25に設けられ洗浄ポンプ21と連通する吸込口25a上に設けることで、気泡を直接吸込みにくくすることができる。したがって、エアがみが起こる水位を低くすることができるので、使用水量を少なくしても、洗浄水の洗浄圧を確保できるので、節水効果を得る。
また、上下流路23の略下方に位置する下タンク7に排水口25を設けた構成において、図23に示したように、受板9は、下タンク7側の下面に扉部5方向に前下がりに傾斜する受板傾斜部42を設け、受板傾斜部42は、上下流路23の略下方に位置する排水口25方向に前下がりに傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、下タンク7に落下するが、一部は受板9の下タンク7側に残留し、また、一部は受板9の受板傾斜部42に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。したがって、下タンク
7側の洗浄時にも、受板9の受板傾斜部42により、受板9まで達した下洗浄ノズル13の洗浄水も効率よく排水口25に回収することで、洗浄運転中の排水口25の水位が高くなる。したがって、洗浄ポンプ21に対するエアがみ余裕度が増し、水位が高くなった分の使用水量を減らすことが可能となり、節水効果を得る。
また、上下流路23の略下方に位置する下タンク7に排水口25を設けた構成において、図24に示したように、受板9は、下タンク7側の一部に下方に凸状に垂下させたガイド部43を設け、ガイド部43が上下流路23の略下方に位置する排水口25方向に前下がりに傾斜する構成にしてもよい。このように構成すれば、下タンク7側の洗浄において、下洗浄ノズル13から噴射され、受板9の下面にまで達した洗浄水は、下タンク7に落下するが、一部は受板9の下タンク7側に残留し、また、一部は下タンク7側の一部に凸状に設けられたガイド部43に沿って流れ、上下流路23に導かれて合流する。そして、下タンク7側の洗浄時にも、受板9の下タンク7側に設けられたガイド部43により、受板9まで達した下洗浄ノズル13の洗浄水も効率よく排水口25に回収することで、洗浄運転中の排水口25の水位が高くなる。したがって、洗浄ポンプ21に対するエアがみ余裕度が増し、水位が高くなった分の使用水量を減らすことが可能となり、節水効果を得る。
また、上下流路23の略下方に位置する下タンク7に排水口25を設けた構成において、図25に示したように、受板9は、扉部5近傍の端部付近に略上方へ凸状のリブ部44を設け、リブ部44の上流側(本実施の形態では洗浄槽3の奥側)に上タンク6と下タンク7とを連通させる開口部45を設けてもよい。この場合、開口部45は排水口25の略上方に位置させるのが好適である。上タンク6の循環洗浄水は、受板9上を流れて、上下流路23の入口に達する際、慣性力により洗浄水は扉部5側に向かって、偏って流れる。この流れにより、排水口25には、不均一に洗浄水が供給される。したがって、上記の構成により洗浄水の慣性力をリブ部44で一旦弱め、流れの上流側に設けた開口部45から、上下流路23に洗浄水が流送されることで、開口部45の略下方に設けられた排水口25には万遍なく均一に洗浄水を供給することができる。したがって、循環洗浄水は、排水口25に最短距離で流送されるので、経路を流れる無駄な水量を省け、節水効果を得る。また、開口部45のほぼ真下に洗浄水が流れるので、排水フィルタ26の格子閉口部55の位置も最小面積で構成することが可能となり、排水フィルタ26による圧力損失を最小限にすることができる。
本発明は、食器洗い機の洗浄、すすぎ及び乾燥方式に関するものであり、食器洗い機の本体の形状や大きさ、食器等被洗浄物の配置、個々の部品の配置等を限定するものではない。