JPH11178773A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄水の循環性を向上させると共に、洗浄性
能を高めることのできる食器洗浄機を得ること。 【解決手段】 下部に貯水槽５を有する洗浄槽４と、洗
浄槽４内に配設された洗浄ノズルと、洗浄ノズルに洗浄
水を圧送する洗浄ポンプ１７と、貯水槽５内の洗浄水を
本体１外へ排出する排水ポンプと、ほぼ中央部に設けた
開口部１１ａに向って下方に傾斜した傾斜面部１１ｂを
有し貯水槽５の上部に配設された仕切り板１１と、多数
の小孔を有し仕切り板１１の開口部１１ａに着脱自在に
配設されるほぼ皿状の残菜フィルタ１２とを備え、この
残菜フィルタ１２の床面に凸状部１２ｂを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄槽内に収納さ
れた食器類に洗浄水を噴射して洗浄する食器洗浄機に係
り、特に、食器類に付着した残菜を捕集するフィルタを
改良した食器洗浄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の食器洗浄機は、例えば、特開昭５
６−８９２２８号公報に開示されているように、洗浄す
る食器類を収容する収容室の下方に洗浄槽を有し、この
洗浄槽の底部に凹部を形成してこの凹部内に漏斗状の残
菜フィルタを配設し、上記凹部の下方に排水ポンプの吸
水部を接続して洗浄水を循環させるようにした食器洗浄
機が記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
においては、洗浄槽の底部の一画に残菜フィルタを配設
し、洗浄中に食器や洗浄槽の壁などに付着した残菜は洗
い落されて洗浄槽の底壁上に落下し、残菜フィルタに集
めるようになっているので、洗浄水の循環はこの残菜フ
ィルタを通してのみ行われる。このため、残菜フィルタ
に残菜が堆積すると洗浄水の通過に支障を来たし、洗浄
水の循環が悪化して洗浄性能が低下するという問題があ
る。

【０００４】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、洗浄水の循環性を向上させると共に、洗
浄性能を高めることのできる食器洗浄機を得ることを目
的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る食器洗浄機
は、下部に貯水槽を有する洗浄槽と、該洗浄槽内に配設
された洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水を圧送する
洗浄ポンプと、前記貯水槽内の洗浄水を本体外へ排出す
る排水ポンプと、ほぼ中央部に設けた開口部に向って下
方に傾斜した傾斜面部を有し前記貯水槽の上部に設置さ
れた仕切り板と、多数の小孔を有し前記仕切り板の開口
部に着脱自在に配設されるほぼ皿状の残菜フィルタとを
備え、該残菜フィルタの床面に凸状部を設けたものであ
る。

【０００６】また、本発明に係る食器洗浄機は、上記の
仕切り板を、多数の小孔を有し、ほぼ中央部に設けた凹
状及び該凹状部に向って下方に傾斜した傾斜面部によっ
て構成し、前記凹状部に残菜フィルタを着脱自在に配設
したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】［実施の形態１］図１は扉を開放
した状態を示す実施形態１の前面斜視図、図２は図１の
下部の縦断面図、図３は食器かごに食器類を収納した状
態を示す図１の中央断面図、図４は図２のＡ−Ａ断面
図、図５は図４のフィルタの斜視図、図６は残菜フィル
タの斜視図、図７は図６の断面図である。図において、
１は正面から上面にかけて開口部を有する箱状の本体、
２は本体１の開口部にヒンジを介して開閉自在に装着さ
れた側面ほぼＬ字状の上扉、３は同じく下扉である。４
は正面から上面にかけて開口部を有し本体１内に設置さ
れた洗浄槽で、その下部には凹状で洗浄槽４より小さい
貯水槽５が形成されている。６ａ，６ｂは洗浄槽４の側
壁で、６ｃは貯水槽５の底板である。

【０００８】７は貯水槽５の側壁６ａの最下端部に開口
し、貯水槽５内の洗浄水を吸込む吸込口で、後述する洗
浄ポンプの吸水管が接続されている。８はこの吸込口７
の上方において、吸込口７に近接して吸込口７を覆うよ
うに設けられたほぼＬ字状の泡切りカバーで、洗浄水内
に含まれる気泡が後述する洗浄ポンプ内に吸引されるの
を防止するために設けたものである。９は貯水槽５の底
板６ｃの隅部に開口した排水口で、後述する排水ポンプ
の排水管が接続されている。１０は貯水槽５内に設置さ
れたヒータで、貯水された洗浄水を加熱昇温させ、ま
た、洗浄、すすぎなどのすべての洗浄工程が終了したの
ちに、洗浄槽４内の空気を加熱昇温させて、後述する食
器類及び洗浄槽４内を乾燥させるためのものである。

【０００９】１１はほぼ中央部に設けた開口部１１ａに
向って下方に傾斜した傾斜面部１１ｂを有し、貯水槽４
の全面を覆う仕切り板で、ヒータ１０の上方において洗
浄槽４に着脱可能に配設されている。１２は例えば多数
の小孔を有する金網、パンチングメタル等からなり、仕
切り板１１の開口部１１ａに着脱自在に装着されるほぼ
皿状の残菜フィルタで、１２ａはその底面部、１２ｂは
底面部１２ａに形成した凸状部で、その高さは残菜フィ
ルタ１２の周壁の高さとほぼ等しいか又はこれよりやや
低くなっている。１２ｃは凸状部１２ｂと周壁との間に
形成された凹部、１２ｄは取っ手である。

【００１０】１３は貯水槽５の真上で、かつ前後方向の
ほぼ中央部において洗浄槽４内に配設された給水管であ
り、両側壁６ａ，６ｂの間に横架され、一端に設けた開
口部は後述する洗浄ポンプの送水管に接続され、他端は
閉塞されている。なお、この給水管１３には、洗浄槽４
に向って複数の吐出部１３ａが突設されている。１４は
各吐出部１３ａに回転自在に装着されたほぼ円盤形状の
洗浄ノズルで、各洗浄ノズル１４には噴射口１４ａが設
けられており、この噴射口１４ａから洗浄槽４に向って
洗浄水が噴射される。１５は洗浄槽４内の洗浄ノズル１
４の上方に出し入れ自在に収容された食器かごで、合成
樹脂あるいは発錆防止処理を施した金属線によって構成
され、皿、茶碗、どんぶりなどの食器類１６が収納され
る。

【００１１】１７は洗浄槽４の下部と本体１との間に形
成された空間部内に設置された洗浄ポンプで、吸水部と
送水部とを備えており、ケーシング内にはモータ及びこ
のモータで駆動されるファン（何れも図示せず）が設け
られている。１８は洗浄ポンプ１７の吸水部と貯水槽５
に設けた吸込口７とを接続する吸水管、１９は同じく洗
浄ポンプ１７の送水部と洗浄槽４内に設けた給水管１３
とを接続する送水管である。

【００１２】２０は同じく空間部内に設置された排水ポ
ンプで、吸水部と排水部とを備えており、ケーシング内
にはモータ及びこのモータで駆動されるファン（何れも
図示せず）が設けられている。そして、吸水部と貯水槽
４の排水口９とは排水管２１で接続されており、排水部
には洗浄水を本体１外へ排水ホース２２が接続されてい
る。２３は本体１の前面に設けられた操作部で、背面に
は洗浄ポンプ１７、排水ポンプ２０及び給水弁、排水弁
（図示せず）などを制御する制御部が設けられている。

【００１３】次に、上記のように構成した本発明に係る
食器洗浄機の作用を説明する。 （１） 先ず、食器洗浄機の本体１を例えば流し台の近
傍に設置し、洗浄水供給ホース（図示せず）を水道の蛇
口に接続すると共に、排水ポンプ２０に接続された排水
ホース２２の先端部を例えば流し台の排水口付近に位置
させる。そして、電源コード（図示せず）を電源に接続
する。

【００１４】（２） 食器類１６の洗浄にあたっては、
先ず、上扉２及び下扉３を開放し、食器かご１５に食器
類１６を収納して洗浄槽４内に収容する。そして、貯水
槽５に洗剤を投入し、上扉２及び下扉３を閉じてロック
する。なお、上扉２を開放したときは、ヒンジに連動し
たスイッチ（図示せず）により電源回路がＯＦＦされ、
上扉２を閉じたときは電源回路がＯＮされる。

【００１５】（３） 次に、操作部２３の電源スイッチ
をＯＮし、給水弁を開放して水道の蛇口から貯水槽５内
に洗浄水を供給し、所望量の洗浄水が貯水されると水位
センサ（図示せず）により水位が検知され、給水弁が閉
じられる。

【００１６】（４） 次に、ヒータ１０に通電して貯水
槽５内の洗浄水を所望の温度に昇温させる。ついで、洗
浄ポンプ１７に通電して駆動し、洗浄ポンプ１７の回転
によって発生した圧送力により、貯水槽５内の温水化さ
れた洗浄水を送水管１９から給水管１３に圧送する。こ
れにより、給水管１３に設けた洗浄ノズル１４は回転し
ながら噴射口１４ａから洗浄水を噴射し、食器類１６の
洗浄を開始する。

【００１７】（５） そして、洗浄槽４内に噴射した洗
浄水は落下して再び貯水槽５内に貯水され、洗浄ポンプ
１７によって給水管１３に圧送され、洗浄ノズル１４か
ら洗浄槽４内に噴射され、この循環を繰返す。なお、こ
の間、洗浄水中に含まれた残菜は仕切り板１１上に落下
し、その傾斜面部１１ｂに沿って滑り落ち残菜フィルタ
１２に捕集される。ここで、残菜フィルタ１２はその底
面１２ａが凸状部１２ｂと凹部１２ｃとで形成されてい
るので、残菜の大部分は凹部１２ｃに堆積する。したが
って、残菜フィルタ１２に多量の残菜が集まってもこれ
らは凹部１２ｃ内に堆積し、凸状部１２ｂにはほとんで
残菜が集まらない。このため、洗浄水は凸状部１２ｂを
通過するので洗浄水の循環に支障を来たさない。

【００１８】（６） 所望の時間が経過するとヒータ１
０及び洗浄ポンプ１７への通電が停止し、ついで、排水
弁（図示せず）が開放されて、貯水槽５内の汚水は、排
水ポンプ２０により排水ホース２２から流し台の排水口
に排水され、外部へ排出される。

【００１９】（７） すべての汚水の排水が終ったとき
は、排水弁を閉じて給水弁を開放し、新しい洗浄水を貯
水槽５に供給する。以後は上述した洗浄工程と同様の工
程により食器類１６のすすぎ洗いが行われ、所望時間の
すすぎ洗いが終了すると再び排水が行われる。このすす
ぎ洗いと排水は、通常数回繰返えされる。なお、すすぎ
洗い中、ヒータ１０に通電して温水で行うと、すすぎ効
果を高めることができる。

【００２０】（８） 所望回数のすすぎ洗いと排水が終
了するとヒータ１０に通電し、食器類１６及び洗浄槽４
内全域の乾燥工程に入る。所望時間が経過するとヒータ
１０への通電が停止され、乾燥工程を終了し、これによ
りすべての食器洗浄・乾燥工程が終了する。

【００２１】（９） 食器類１６が冷えたときは、上扉
２及び下扉３を開いて食器類１６又は食器かご１５を取
出し、また、残菜フィルタ１２を取出して溜った残菜を
捨てる。なお、必要に応じて仕切り板１１を取出して洗
浄する。

【００２２】本実施の形態においては、残菜フィルタの
底面部に凸状部と凹部を形成したので、残菜フィルタへ
の残菜の堆積が分散され、洗浄水は残菜の堆積が少ない
凸状部を通過するので、洗浄水の循環性が向上し、洗浄
性能を高めることができる。

【００２３】［実施の形態２］図８は本発明の実施の形
態２の要部の平断面図、図９はその仕切り板の斜視図で
ある。図において、２４は実施の形態１で説明した仕切
り板１１を、例えば、多数の小孔を有する金網、パンチ
ングメタルなどからなり、ほぼ中央部に設けた凹状部２
４と、この凹状部２４に向って下方に傾斜した傾斜面部
２４ｂとによって構成し、ヒータ１０の上方において貯
水槽５の全面を覆うように、洗浄槽４に着脱自在に配設
したものである。ここで、仕切り板２４と凹状部２４ａ
とは一体に形成されているので、凹状部２４ａにも多数
の小孔が開口している。なお、本実施の形態において
は、排水ポンプ２０の排水口９を仕切り板２４の下方に
設けることが望ましい。また、残菜フィルタ１２は実施
の形態１と同じもので、上述の仕切り板２４の凹状部２
４ａに着脱自在に装着される。

【００２４】次に、本実施の形態の作用を説明する。洗
浄ポンプ１７を駆動することにより、洗浄槽４内の洗浄
水は洗浄ノズル１４から噴射され、食器類１６を洗浄し
て仕切り板２４の小孔及び残菜フィルタ１２を通って貯
水槽５に戻り、再び洗浄ノズル１４から洗浄槽４内に噴
射され、この循環を繰返す。

【００２５】このとき、洗浄水（汚水）は仕切り板２４
の小孔から貯水槽５に落下し、残菜は仕切り板２４上に
落下して徐々に傾斜面部２４ｂ上を滑り落ち、残菜フィ
ルタ１２内に堆積する。この残菜の大部分は残菜フィル
タ１２の凹部１２ｃに堆積するので、洗浄水（汚水）は
仕切り板２４の小孔及び残菜フィルタ１２の凸状部１２
ｂから貯水槽５に流入する。

【００２６】洗浄工程が終って排水工程に入ると、仕切
り板２４の下方に設けた排水ポンプ２０の排水口９への
排水力により、仕切り板２４上に残った残菜は、強制的
に残菜フィルタ１２内に集められる。

【００２７】このように、本実施の形態にあっては、仕
切り板２４に多数の小孔を設けて貯水槽５へ洗浄水を集
水させるようにしたので、洗浄水の循環性がさらに向上
し、洗浄性能を高めることができる。

【００２８】上記の各実施の形態では、図示の食器洗浄
機に本発明を実施した場合を示したが、本発明はこれに
限定するものではなく、他の方式、他の構造の食器洗浄
機にも実施することができる。

【００２９】

【発明の効果】本発明に係る食器洗浄機は、下部に貯水
槽を有する洗浄槽と、この洗浄槽内に配設された洗浄ノ
ズルと、洗浄ノズルに洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、
貯水槽内の洗浄水を本体外へ排出する排水ポンプと、ほ
ぼ中央部に設けた開口部に向って下方に傾斜した傾斜面
部を有し貯水槽の上部に設置された仕切り板と、多数の
小孔を有し仕切り板の開口部に着脱自在に配設されるほ
ぼ皿状の残菜フィルタとを備え、この残菜フィルタの床
面に凸状部を設けて残菜フィルタへの残菜の堆積を分散
し、洗浄水が残菜の堆積が少ない凸状部を通過するよう
にしたので、洗浄水の循環性が向上し、洗浄性能を高め
ることができる。

【００３０】また、本発明に係る食器洗浄機は、上記の
仕切り板を、多数の小孔を有し、ほぼ中央部に設けた凹
状部及びこの凹状部に向って下方に傾斜した傾斜面部に
よって構成し、凹状部に残菜フィルタを着脱自在に配設
して洗浄水の循環を仕切り板でも行うようにしたので循
環性がさらに向上し、洗浄性能をより高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 扉を開放した状態を示す本発明の実施の形態
１の前面斜視図である。

【図２】 図１の下部の縦断面図である。

【図３】 食器かごに食器類を収納した状態を示す図１
の中央断面図である。

【図４】 図２Ａ−Ａ平断面図である。

【図５】 図４の仕切り板の斜視図である。

【図６】 残菜フィルタの斜視図である。

【図７】 図６の断面図である。

【図８】 本発明の実施の形態２の要部の平断面図であ
る。

【図９】 図８の仕切り板の斜視図である。

【符号の説明】

１ 本体、４ 洗浄槽、５ 貯水槽、６ａ，６ｂ 側
壁、６ｃ 底板、７ 吸込口、９ 排水口、１０ ヒー
タ、１１ 仕切り板、１１ａ 開口部、１１ｂ傾斜面
部、１２ 残菜フィルタ、１２ａ 底面部、１２ｂ 凸
状部、１２ｃ 凹部、１３ 給水管、１５ 食器かご、
１６ 食器類、１７ 洗浄ポンプ、２０排水ポンプ、２
４ 仕切り板、２４ａ 凹状部、２４ｂ 傾斜面部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久 哲章 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地１ 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 熊田 泰治 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地１ 三菱電機ホーム機器株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に貯水槽を有する洗浄槽と、該洗浄
   槽内に配設された洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに洗浄水
   を圧送する洗浄ポンプと、前記貯水槽内の洗浄水を本体
   外へ排出する排水ポンプと、ほぼ中央部に設けた開口部
   に向って下方に傾斜した傾斜面部を有し前記貯水槽の上
   部に設置された仕切り板と、多数の小孔を有し前記仕切
   り板の開口部に着脱自在に配設されるほぼ皿状の残菜フ
   ィルタとを備え、 該残菜フィルタの床面に凸状部を設けたことを特徴とす
   る食器洗浄機。
2. 【請求項２】 仕切り板を、多数の小孔を有し、ほぼ中
   央部に設けた凹状部及び該凹状部に向って下方に傾斜し
   た傾斜面部によって構成し、前記凹状部に残菜フィルタ
   を着脱自在に配設したことを特徴とする請求項１記載の
   食器洗浄機。