JP3862542B2 - 台所流し台の排水口用蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所流し台の排水口部分にゴミ収納部を有し、排水と共に流出した料理材料クズ等の生ゴミをゴミ収納部で捕集し、一定量のゴムがたまった際に廃棄するタイプの流し台に設置される台所流し台の排水口用蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、台所流し台の排水口を大型化し、ゴミ取りカゴを設置し、排水とともに流出した料理材料クズ等の生ゴミをゴミ取りカゴで捕集し、一定量のゴミがたまった際に廃棄するタイプの流し台には、排水口に着脱自在に嵌合・載置することができる菊割れゴム蓋が一般的に用いられている。この種の排水口用菊割れゴム蓋は、図5(上面斜視図)、図6(下面斜視図)に示すように、円板形状であって、台所流し台の排水口に嵌合される周縁部1と、円板形状の中心から放射状に設けられる切込み2aにより形成される複数の舌状片2と、周縁部1から舌状片2の先端にかけて先細形状に延設された補強部3とからなり、その中央部分が菊割れ形状に構成されている。この菊割れゴム蓋の舌状片2は長期間使用すると、温水等の影響で、図7に示すように舌状片2の先端部が疲労、変形し、内部のゴミ等が見えるようになってしまった。しかし、かかる舌状片2の厚さを増したり、強度を大きくすると、ゴミがゴミ取り籠内に流入しないという不具合が生じていた。また、舌状片2の変形を防止するために、上記のように、舌状片2の下部に補強部3が設けられているが、かかる従来の補強部3は、周縁部1から舌状片2の先端にかけて先細形状に延設されており、舌状片2の根元が強く先端が弱くなっているため、その先端部が大きく変形し、かつ変形が固定してしまい、内部のゴミが見えてしまうという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、排水口に着脱自在に嵌合・載置することができる台所流し台の円板形状の蓋において、排水機能を保持し、長期間の使用による変形を減少させると共に、変形が生じてもその変形を目立たせず、しかも、内部に収納されたゴミが外部から視覚されにくい台所流し台の排水口用蓋を提供することにある。また、本発明の課題は、安全性に優れた固形のヌメリ取り用固形薬剤を適度に排水に溶解させ、溶解液を排水口蓋や排水管壁面等に過不足なく供給し、適切にヌメリの発生を抑制することができる台所流し台の排水口用蓋を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記舌状片の変形を回避、抑制し、また、変形が生じた場合でもその変形を目立たせず、しかも、収納したゴミを外部から視覚されないようにするという課題を解決するために鋭意検討した結果、円板形状の蓋の全面に舌状片を設けず、円板形状の一部には板状の平板部を設け、残りの部分には円板の中心部に向かって先端下がりの傾斜構造の舌状片を設け、平板部と舌状片との間に垂直方向の開口を形成することにより、内部のゴミを外部から視覚されないようにでき、排水機能及び、ゴミ収納部へのゴミの流入を確保することができ、舌状片を水平に設けたものより変形を回避・抑制することができ、たとえ疲労、変形が生じた場合でも、その疲労、変形を目立たせないことができ、保管、輸送時には舌状片を押し上げて平板部と同一の平面をなすように変形することにより省スペース化を図ることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。また、周縁部にヌメリ取り用固形薬剤を収納し、ヌメリ発生面の全面に亘って、ヌメリ取り用固形薬剤を溶解した排水を供給できるように適切な排水量の流入、流出を可能としたヌメリ取り用固形薬剤容器を着脱自在に配置することにより、ヌメリ取り用固形薬剤の使用量を最少限としヌメリの発生を抑制し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、ゴミ収納部が設けられる排水口に嵌合される周縁部と、排水機能を有する中央部とが備えられる円板形状の台所流し台の排水口用蓋であって、前記中央部は、板状の平板部と、前記円板形状の中心から放射状に複数の切込みが設けられることにより形成される複数の舌状片とで構成され、該舌状片は前記円板形状の中心に向かって下方へ傾斜してなることを特徴とする台所流し台の排水口用蓋(請求項1)や、前記中央部を構成する前記平板部と、前記複数の舌状片とがそれぞれ円板形状の半面に設けられたことを特徴とする請求項1記載の台所流し台の排水口用蓋(請求項2)や、前記周縁部には、ヌメリ取り用の固形薬剤が収納された固形薬剤容器が備えられ、該固形薬剤容器に、ヌメリ発生面の全面に亘って前記固形薬剤を溶解した排水が供給されるように排水の一部を流入出させる排水流入孔及び排水流出孔が設けられたことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の台所流し台の排水口用蓋(請求項3)や、前記固形薬剤容器が着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項3記載の台所流し台の排水口用蓋(請求項4)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の台所流し台排水口用蓋は、ゴミ収納部が設けられる排水口に嵌合される周縁部と、排水機能を有する中央部とが備えられる円板形状の台所流し台の排水口用蓋であって、前記中央部には、板状の平板部と、前記円板形状の中心から放射状に複数の切込みが設けられることにより形成される複数の舌状片とが備えられ、該舌状片は前記円板形状の中心に向かって下方へ傾斜してなるものであれば、特に限定されるものではない。すなわち、平板部と、複数の舌状片とがそれぞれ円板形状に占める面積としては、特に限定されるものではなく、例えば、平板部が中央部の円板形状に占める割合として、1/3〜2/3等適宜選択可能であるが、中央部を構成する平板部と、複数の舌状片とがそれぞれ円板形状の半面に設けられたものが好ましい。
【0007】
また、本発明の台所流し台排水口用蓋は、周縁部には、ヌメリ取り用固形薬剤が収納された固形薬剤容器が備えられ、該固形薬剤容器に、ヌメリ発生面の全面に亘って固形薬剤を溶解した排水が供給されるように排水の一部を流入させる排水流入孔及び流入した排水を流出させる排水流出孔が設けられ、固形薬剤容器が着脱自在に設けられたものが好ましい。
【0008】
本発明の台所流し台排水口用蓋によれば、排水機能を有する中央部の円板形状の一部には、複数の舌状片が設けられ、舌状片を先端下がりの傾斜構造とし、円板形状の舌状片が設けられる部分以外の部分には、板状の平板部を設け、平板部を略水平に配置することにより、垂直方向にも開口が形成される。これにより、中央部の一部に平板部を設けても、ゴミの収納部への大きいゴミの流入を容易とする一方で、ゴミ収納部の内部のゴミが上方向から視覚されないようにできる。また、舌状片を先端下がりの傾斜構造として設けることにより、舌状片の変形を回避・抑制することができ、たとえ疲労、変形が生じた場合でも、その疲労、変形を目立たせないことができる。また、保管、搬送時には舌状片を押し上げて平板部と同一の平面をなすように変形することにより省スペース化を図ることができる。更に、周縁部に、ヌメリ取り用の固形薬剤を収納する固形薬剤容器を配置し、ヌメリ発生面の全面に亘ってヌメリ取り用固形薬剤を溶解した排水が供給できるように、固形薬剤容器内へ適切な量の排水の流入、流出を可能としたことにより、固形薬剤の最少量を使用しヌメリの発生を防止することができ、更に、ヌメリ取り用の固形薬剤が消費された場合、固形薬剤容器を交換するか、あるいは、ヌメリ取り用の固形薬剤を充填することにより、環境保護を図りヌメリ防除効果を長時間継続して得ることができる。
【0009】
【実施例】
本発明の台所流し台排水口用蓋の好ましい実施の態様を、図面を参照して説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
図1に示すように、台所流し台排水口用蓋は、台所流し台Sに設けられる排水口Pに配設される凹部P1にゴミ収納部10が懸架される台所流し台Sに適用されるものであり、円板形状を有し、排水口Pに設けられた凹部P1に係止され、排水口Pに嵌合される周縁部11と、ゴミ収納部10上に配置され、排水機能を有する中央部12とで構成される。中央部12には、一部に、例えば半面に設けられる半円の板状の平板部13と、残りの部分には円板形状の中心から放射状に複数の切込み14aが設けられ、複数の、例えば3〜6の舌状片14が形成される。舌状片14は、円板形状の中心に向かって下方へ傾斜した構造となっており、平板部13は略水平に配置され、略水平に配置される平板部13と垂直方向に開口14bが形成され、開口14bから多量の排水を可能とし、半面が平板であってもゴミの流入を容易とし、大きいゴミの流入も可能とすると共に、ゴミ収納部に収納されたゴミは開口14bがあっても上方から視覚されにくいようになっている。このため、排水口Pの一部が排水機能やゴミの通過機能を有しなくとも、充分な排水機能を奏するように開口を確保する必要から、舌状片14の傾斜角としては、例えば5〜45°、好ましくは15〜30°の範囲が好ましい。
【0010】
更に、この台所流し台排水口用蓋の周縁部11には、図2、図3に示すように、ヌメリ取り用固形薬剤15が収納される円環形状の固形薬剤容器16が備えられる。固形薬剤容器16には、一定間隔で複数箇所、例えば、6箇所に、周縁部15の上面及び側面に亘って設けられる排水流入窓17に一致した位置に排水の一部を取り入れる排水流入孔18が設けられる。排水流入孔18は、固形薬剤容器16内へのゴミの流入を防止するため、幅0.5〜4mm、好ましくは、0.5〜3mm、特に、1〜2mmが好ましく、長さは幅に合わせて、その幅より長く適宜設定すればよいが、上面、側面あわせて全長2mm以上、好ましくは5mm以上あることが望ましく、排水の流入量を確保するため、1箇所に複数、例えば4〜6個を設けることができる。尚、ゴミの流入を防止するためには、排水流入孔の幅を狭くし複数を設ける他、排水流入孔が親水性の不織布で形成されたものや、網目構造を有するものであってもよい。
【0011】
固形薬剤容器16の側面及び底面には、一定間隔で排水流出孔19が設けられ、排水流入孔18から流入しヌメリ取り用固形薬剤15を溶解した排水が、ヌメリ発生面全面に亘って適切な量が供給されるように、その大きさ、数は適宜選択され、液量が調製されるようになっている。
【0012】
更に、台所流し台排水口用蓋には、固形薬剤容器16を周縁部11に装着する装着手段が設けられる。装着手段としては、周縁部11の下部に延設してゴム等の弾性体で形成される弾性片(図示せず)等を設け、ゴムの弾性力を利用して、固形薬剤容器16を嵌入させるもの等、いずれのものであってもよいが、固形薬剤容器16の内側側面に、一定間隔で設けられる複数の突起20を、周縁部11に設けられる係止孔21に挿入させることにより、周縁部11に設けられる排水流入窓17と固形薬剤容器16に設けられる排水流入孔18との位置合わせ機構を兼備したものであるものが好ましい。更に、固形薬剤容器16は、位置合わせ機構が設けられたものであってもよく、位置合わせ機構として、図4に示すように、固形薬剤容器16の一部に凸又は凹部22が設けられ、周縁部11の一部にこれと対応する凹又は凸部23が設けられたものであってもよい。
【0013】
また、台所流し台排水口用蓋には、使用する台所流し台の機種に応じて排水口に嵌合させる嵌合手段が設けられる。嵌合手段としては、排水口Pの径に合わせて切り離し可能に鍔状部24が周縁部11の外周に設けられ、必要に応じて切り離すことにより、各種大きさの排水口に対応させることができる。更に、切り離しを容易とするため、切り離し可能な同心円状の複数のV字型溝(図示せず)が設けられ、手で引き裂くことにより容易に切り離すことができる構造とすることもできる。また、周縁部11にリング状のアタッチメントを装着して大口径の排水口に周縁部の径の大きさを一致させることも可能である。
【0014】
このような台所流し台排水口用蓋の材質は特に制限されるものではなく、ゴム製、プラスチック製等いずれの材質であってもよく、ゴム製、プラスチック製の場合は、一体成型とできるため好適であり、また、舌状体14が下方に傾斜した構造であるため、疲労、変形を回避・抑制することができ、また、変形を生じた場合であっても変形が目立たないため、加工が容易な軟質のプラスチックも好適に適用することができる。また、固形薬剤容器には抗菌処理が施されたものを用いることもでき、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛等の抗菌剤を材質の一部として含有させたり、表面をコーティング処理したものも適用することができる。更に、固形薬剤容器や台所流し台排水口用蓋の材質や形状に応じて、固形薬剤容器に親水処理や撥水処理を施すこともできる。親水処理や撥水処理は、例えば、固形薬剤容器に親水性又は撥水性の樹脂材料を用いたり、固形薬剤容器の樹脂に親水性又は撥水性の界面活性剤を練り込んだ材料を用いたり、あるいは固形薬剤容器の表面に親水性又は撥水性のコーティング剤、塗料を塗布することにより行うことができる。
【0015】
台所流し台排水口用蓋に使用されるヌメリ取り用固形薬剤としては、殺菌剤、抗菌剤、防黴剤を含むものであり、殺菌剤、抗菌剤、防黴剤としては、塩素系酸化剤、過酸化物、ヨウ素系殺菌剤、亜硫酸塩抗菌剤等いずれのものであってもよいが、刺激性のガスを発生せず人体に安全であり、殺菌力があり充分なヌメリ取り効果が得られ、皮膚刺激性がなく、水に容易に溶解して薬用効果が持続されるものが好ましい。このような殺菌剤、抗菌剤、防黴剤としては、例えば、塩素系酸化剤としては、ジクロロジメチルヒダントイン、ブロモクロルジメチルヒダントイン、ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム及びトリクロルイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム等を例示することができ、また、塩素系酸化剤以外の薬剤としては、過炭素ナトリウム、過硫酸カリウム、過ほう酸ナトリウム、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、パラクロロメタキシレノール、パラヒドロキシ安息香酸n−ブチル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、メチレンビスチオシアネート、2−ピリジンチオール−1−オキシド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、N,N′−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、4,4′−(テトラメチレンジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムブロマイド)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等を例示することができる。また、2,3,3−トリヨードアリルアルコール類、2,3,3−トリヨードアリルエーテル類等の有機ヨード系抗菌剤も抗菌スペクトルが広く、人体に安全な点で好適である。
【0016】
更に、ヌメリ取り用の固形薬剤として、殺菌剤、抗菌剤、防黴剤等をゲスト化合物とし、ゲスト化合物と共に結晶性錯体を形成する多分子系ホスト化合物とからなる包接化合物が、殺菌剤、抗菌剤、又は防黴剤を経時に従って放出し、ヌメリ防除作用を持続して得ることができるため、好適に使用することができる。包接化合物のゲスト化合物に適用される殺菌剤、防黴剤又は抗菌剤としては、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2−チオシアノメチベンゾチアゾール、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、3,3,4,4−テトラハイドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、N−メチルピロリドン、フェニル−(2−シアノ−2−クロロビニル)スルホン、メチレンビスチオシアネート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−エタノール、2−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン、ジブロモニトリルプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタルニトリル等を、また天然製油類としては、例えば、シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、チモール等を例示することができる。多分子系ホスト化合物としては、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノ−ル類、1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、1,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,6−ジフェニルヘキサン−2,4−ジイン−1,6−ジオール等を例示することができる。
【0017】
固形薬剤には、これらの抗菌剤、防黴剤、抗菌剤が排水と接触した際必要以上に薬剤が溶解されて流出することを防止し、適度な速度で接触した排水に溶解させるため、配合物と混合して加圧成形、加熱溶融混合、混練り押し出し成形等の公知の方法により適当な大きさに成形することができる。配合物としては、各種公知の賦形剤、溶解調整剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、腐食防止剤等を例示することができる。特に界面活性剤は溶解液がヌメリ発生壁面に拡散され、かつ蓋や容器が油で汚れることを防止するのに有効である。界面活性剤としては、アルキルアルカノールアミド類、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等を例示することができ、これら界面活性剤は全固形薬剤重量に対して0.5〜10重量%の割合で使用することができる。
【0018】
賦形剤、結合剤、溶解調整剤としては、例えば、燐酸水素カルシウム2水和物、燐酸3カルシウム無水物、燐酸水素マグネシウム3水和物、燐酸水素マグネシウム8水和物、クエン酸カルシウム4水和物、硫酸カルシウム0.5水和物、アセト酢酸アニリド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセト酢酸−p−トルイダイド、アセト酢酸−o−アニシダイド、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム(粉末)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストリン、C14〜C24の飽和脂肪酸類等を例示することができ、これらのものは加圧成形性を向上することができ、また、各種洗剤等が混入しても反応して有毒ガス等が発生することが無いので好ましく、これら賦形剤や結合剤、溶解調整剤は全固形薬剤重量に対して1〜99重量%の割合で添加することができる。
また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、安息香酸ナトリウム、シリカ、タルク、ワックス類等を例示することができ、これら滑沢剤は全固形薬剤重量に対して0.01〜10重量%の割合で使用することができる。更に、腐食防止剤としては、アルキルチオ尿素系やトリアゾール系化合物を例示することができ、これらを使用すると配管などの金属部分の腐食を抑制することができる。
【0019】
固形薬剤を製造するには、上記の殺菌剤、抗菌剤、防黴剤、賦形剤、結合剤、溶解調整剤、界面活性剤、滑沢剤、防腐剤等に、適宜配合物を添加して加熱溶融混合や、混練り押し出し成形し、球状、錠剤状、円柱状、直方体状、角錐状、ドーナツ状等、いずれの形態にも形成することができる。
【0020】
このような台所流し台排水口用蓋は、ヌメリ取り用の固形薬剤15を収納した固形薬剤容器16を、内側側面に設けられる突起20を周縁部11の係止孔21に挿入して位置決めをして周縁部11に装着し、台所流し台Sの排水口Pに配設される凹部P1に周縁部11を係合させ、排水口Pに嵌合、装着して使用される。ゴミが混入した排水が流されると、平板部13と、舌状片14により形成される開口14bや、切込14aからゴミはゴミ収納部10に捕集され、排水の大部分は配管へ排水され、一部が排水流入孔18から固形薬剤容器16に流入される。固形薬剤容器16に流入された排水はヌメリ取り用の固形薬剤15を溶解し、排水流出孔19から排出される。固形薬剤15を溶解した排水はヌメリ発生面の全面に亘って排出されるため、ヌメリの発生を抑制することができる。ゴミ収納部10に捕集されたゴミは上方向からは視覚されず、舌状片14が熱、疲労により変形しても、変形が目立たない。また、固形薬剤15が消費された場合は、固形薬剤容器16を周縁部11から取り外し、固形薬剤15を充填するか、あるいは固形薬剤15が充填された固形薬剤容器16と交換して装着することにより、ヌメリ防除効果を継続して得ることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の台所流し台排水口用蓋によれば、円板形状の蓋の一部には板状の平板部と、残りの部分には複数の先端下がりの傾斜構造の舌状片とを設けたため、平板部と複数の舌状片との間に垂直方向の開口が形成され、多量の排水機能を有しゴミの収納部へのゴミの流入を可能とする一方で、内部のゴミを上方から視覚されないようにできる。また、舌状片の変形を回避・抑制し、たとえ疲労、変形が生じた場合でも、その疲労、変形を目立たせないことができ、また、保管、運搬時には舌状片を押し上げ平板部と同一の平面をなすように変形することにより省スペース化を図ることができる。更に、周縁部にヌメリ防除剤を収納し、排水量を調整し適切な量の排水の流入、流出を可能としたヌメリ防除剤収納容器を配置することにより、環境保護を図ってヌメリの発生の抑制をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の台所流し台排水口用蓋の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の台所流し台排水口用蓋の一実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の台所流し台排水口用蓋の一実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図4】本発明の台所流し台排水口用蓋の一実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図5】従来例を示す上面斜視図である。
【図6】従来例を示す下面斜視図である。
【図7】従来例の変形を示す説明図である。
【符号の説明】
10……ゴミ収納部
11……周縁部
12……中央部
13……平板部
14……舌状片
14a……切込み
14b……開口
15……固形薬剤
16……固形薬剤容器
18……排水流入孔
19……排水流出孔
P……排水口
P1……凹部
S……台所流し台
Claims (4)
- ゴミ収納部が設けられる排水口に嵌合される周縁部と、排水機能を有する中央部とが備えられる円板形状の台所流し台の排水口用蓋であって、前記中央部は、板状の平板部と、前記円板形状の中心から放射状に複数の切込みが設けられることにより形成される複数の舌状片とで構成され、該舌状片は前記円板形状の中心に向かって下方へ傾斜してなることを特徴とする台所流し台の排水口用蓋。
- 前記中央部を構成する前記平板部と、前記複数の舌状片とがそれぞれ円板形状の半面に設けられたことを特徴とする請求項1記載の台所流し台の排水口用蓋。
- 前記周縁部には、ヌメリ取り用の固形薬剤が収納された固形薬剤容器が備えられ、該固形薬剤容器に、ヌメリ発生面の全面に亘って前記固形薬剤を溶解した排水が供給されるように排水の一部を流入出させる排水流入孔及び排水流出孔が設けられたことを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の台所流し台の排水口用蓋。
- 前記固形薬剤容器が着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項3記載の台所流し台の排水口用蓋。
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