JP3577477B2 - 原稿読み取り方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、デジタル複写機、複合機等の画像形成装置におけるシートスルー原稿読み取り装置に係わり、特に、シートスルー原稿読み取りにおけるコンタクトガラス上面、下面のごみ(ほこり)、汚れ、きず等による黒すじ発生を防ぐシートスルー原稿読み取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機、複合機等の画像形成装置におけるシートスルー原稿読取装置で原稿を読み取り複写物を得たり、コンピュータに画像情報として取り込んだりする場合には、原稿に忠実に綺麗にコピーまたは画像情報を得るということが極めて重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には原稿をコピーしたり、シートスルー原稿読み取り装置で情報を取り込んだりすると、コピー画像や画像情報の中に原稿とは異なった部分が見られることがしばしばある。これらは異常画像部と呼ばれ、その読み取りシステムや作像システム、画像処理システムの問題により種々の異常画像が発生する。異常画像の中でも局部的に発生するもの、例えば白色部である地肌部に黒色や黒筋等が発生したり、画像部に白色や白筋等の色抜け部が発生したりするものは、特に目立つものであり注意を要する必要がある。通常これらの異常画像は、システムが新品の時には発生することがなく、使用されているうちに発生する。シートスルー原稿読み取り装置を例にとって考えた場合、空気中のごみ(ほこり)、あるいは搬送用紙が排出する紙粉が付着して光学系の光学構成部品が汚れることにより発生することが多い。コンタクトガラス上面、下面の汚れ、ミラー、レンズの汚れ等一般的に考えられる。読み取り装置を完全に密閉してしまえば、上記異常画像をある程度防ぐことはできるが、読み取り装置の構成上、熱源となるランプと温度依存性の高いCCDが共存するので、その場合はCCDを冷却する冷却手段が必要となり、事実上密閉することは困難である。シートスルー原稿読み取り装置では防塵対策として、空気取入口に防塵フィルタ等が施されているが、防塵フィルタを通過してくる微少のごみ等でも上記異常画像が発生する可能性もあり、防塵フィルタで完全に防止することは困難である。
【0004】
上述したように、異常画像の発生はある程度やむを得ないものであるため、異常画像が発生した場合は、コンタクトガラス上面の汚れについてはユーザーに清掃してもらったり、またコンタクトガラス下面の汚れ、ミラー、レンズの汚れ等はサービスマンにメンテナンスで対応させているのが実状である。しかしながら、異常画像が発生した時に発生個所を特定するのは、そのシステムを熟知したサービスマンでもなかなか困難な作業であり、時間も掛かる。例えば、デジタル複写機であれば、その原因がプリンタ部であったり、読み取り部であったり、また画像処理部であったりするのを異常画像の情報から推定しなければならない。そして、読み取り装置に原因があった時でも光学系のどこの部分であるのかを見極める必要もあり、作業自体が大変なものとなる。本発明はこのような背景に基づいてなされたものであり、シートスルー原稿読取装置におけるコンタクトガラス上面、下面のごみ(ほこり)、汚れ、きず等による異常画像の発生を事前に検出し、その発生個所を避けて原稿の読み取りを行うシートスルー原稿読み取り方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本件第1の発明の、原稿読み取り手段を所定の原稿読み取り位置で停止させた状態で原稿をフィードさせることにより読み込む原稿読み取り方法において、原稿を読み込む前のタイミングで、所定のシートスルー原稿読み取り位置で原稿を読み取るために停止する第1のステップと、読み取り主走査を行い読み込んだデータ値の異常値を検出する第2のステップと、第2のステップで異常値を検出しなかった場合は前記原稿読み取り手段を停止させた状態で原稿を読み取る第3のステップと、第2のステップで異常値を検出した場合は前記原稿読み取り手段の停止位置を所定の距離だけ変更するとともに、画像読み込み開始タイミングを所定のカウントだけ変更させて第2のステップに戻る第4のステップとを有することを特徴とする原稿読み取り方法により達成される。
【0008】
【作用】
デジタル複写機、複合機等の画像形成装置でおきる異常画像の要因は、プリンタ部で起こっていたり、読み取り部で起こっていたり、あるいは画像処理部で起こっていたりする。そして、読み取り装置が原因であった時でも光学系のどこの部分であるかを確認する必要がある。本発明に係わるシートスルー原稿読取装置、シートスルー読み取り方法においては、コンタクトガラスの上面、下面でごみ(ほこり)、汚れ、きず等が発生しても画像上に黒すじ等を発生させることのないシートスルー原稿読み取り装置や原稿読み取り方法を提供する。コンタクトガラス上面、下面のごみ(ほこり)、汚れ、きず等を事前に検出し、その検出位置を避けて原稿の読み取りを行う。
【0009】
【実施例】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1に基づいて、デジタル複写機上に配置されたドキュメントフィーダー1の構成について説明する。まず、原稿テーブル2に置かれた原稿は給紙ローラ3により、1枚ずつ原稿読み取り位置まで搬送される。レジストスイッチ4、レジストローラ5は、原稿が読み取り位置に搬送される前に、原稿先端を整える役目をする。そしてタイミングスイッチ6は原稿搬送中の画像先端タイミングを決めるものであり、そのスイッチから得られた信号は画像形成装置内部にある制御部に情報として伝えられる。9は第1ミラー、7は第2ミラー、8は第3ミラーを示している。10はレンズ系、11はCCD撮像素子を各々示している。各請求項の画像読み取り手段は、本実施例ではこれらの第1ミラー9、第2ミラー7、第3ミラー8、及び原稿に光を当てるハロゲンランプ28からなる移動光学ユニット12と対応する。
【0010】
図2に基づいて本発明における読み取り部の構成を詳述する。一対に置かれた給紙ローラ3と分離コロ21が原稿テーブル上の原稿を分離搬送する。タイミングスイッチ22(図1では6と記載。)は、原稿画像の先端タイミングを検知し、搬送される原稿の読み取りタイミングを調整する。予め決められている読み取り位置で原稿のスキャンをし、得られた画像情報を画像形成装置内部のメモリに記憶する。原稿のスキャンが終わると、排出ローラ上24、排出ローラ下25が回動され、装置外部に原稿を排出する。その後、所定部数のスキャニングが行われ、原稿のシートスルー読み取りが終了する。しかしながら先にも述べたように、長期に渡って機械を使用する場合は、コンタクトガラスの上面・下面に、ごみ(ほこり)、汚れ、きず等を発生することが非常に多い。仮に、原稿読み取り位置に、ごみ(ほこり)等発生した場合は、読み取り原稿に表れていない画像が出力画像に結果として現れてしまう。ユーザーにとって、この画像の発生はまったく予想だにしないものであり、サービスマンに連絡するか、あるいは我慢して使い続けるか、どちらかの選択がなされる。例えば、シートスルー読み取りを試みて、読み取り主走査上の特定個所にごみ(ほこり)等が存在する場合は、それによる異常が画像データとして記憶される。
【0011】
シートスルー原稿読み取り装置をデジタル複写機に活用した場合を考えると、得られた複写画像には副走査方向と平行する方向に黒筋(画像部では白筋。以下は特に記載しない。)が発生する。複写部数も少なければ被害も最小限に抑えられるかもしれないが、実際の使用にこのような制限が設けられているはずもない。そこで、本発明のシートスルー原稿読み取り装置は、所定のシートスルー原稿読み取り位置で異常画像が検出された場合に限って、その読み取り位置を所定距離変更する手段を有する。そうすることによって、ごみ(ほこり)、汚れ、きず等による画像黒筋を防ごうとするものである。
【0012】
つまり、所定の読み取り位置にごみ(ほこり)等27が検出された場合、読み取り位置をある所定間隔D動かし、原稿の読み取りを行うものである。そして動かした読み取り位置で新たに異常画像が検出されるようになる迄、その位置での読み取りを実行するシートスルーの原稿読み取り装置である。そして、図3(a)は、本発明におけるシートスルー原稿読み取り装置で異常画像を検出した時のスキャナ出力を示したものである。原稿が読み取り部に搬送される前の段階で読み取り(以後、前スキャンと記載する。)を行っており、読み取り位置に原稿の無い状態、つまりシート原稿押さえ(白色シート26)23をそのまま読み込んでいる状態である。そして所定の読み取り位置で異常画像を検出したことによって、読み取り位置を間隔D動かし、再度前スキャン行ったときの出力データを図3(b)が示している。この時、前スキャンの出力データに異常値が検出されていないので、原稿を正しく読み取れることを装置が認識する。つまり、本発明のシートスルー原稿読み取り装置は、前スキャン時に異常値がないことを確認した上で原稿の読み取りを開始する原稿読み取り装置である。
【0013】
また本発明採用の具体例では、表1に記載の読み取り位置を採用して運用を行った。発明の要旨によれば、計算式により移動距離を算出したもの、あるいは任意の位置をランダムで選んだもの等々考えられる。しかしながら、最も簡単な方法は上記の構成であり、修正が楽な点等メリットがある。つまり、予め移動距離を計算したデータを画像形成装置内部のメモリに記憶しておき、この記憶内容に従い読み取り位置を制御する。表1記載の移動距離は、初期の読み取り位置からどれだけ移動させるかを示したものである。
【0014】
最初の異常画像を検出した際は、読み取り位置を所定位置から1.016mm移動させ、シートスルー原稿読み取りを運用する。そして、その位置で新たに異常画像が発生した場合は、さらに読み取り位置を変更する。この場合は最初の読み取り位置から2.032mm移動させて運用される。ところで、読み取り位置を移動させることによって、画像読み込み開始タイミングを早めることも当然必要となり、その読み取りを早める時間もカウント数として表1に示している。移動距離が1.016mmの時、スキャナ部のDF読込位置移動カウント数は24カウントであり、またDF部の画像読込開始タイミングを早めるカウント数は16カウントである。他の移動位置でのカウント数も表1に示している。但し、このときのスキャナ側ステップ分解能は600dpi、DF側ステップ分解能は400dpiで設定されており、この分解能を変えると上記カウント数も変わることとなる。
【0015】
【表1】
【0016】
そして採用された白色シート26は、おおよそ1センチ幅のものを用い、その範囲内で読み取り位置を変えた。また、ごみの大きさは千差万別考えられるが、CCD1ピクセルの大きさ(約40μm)を越えると、画像黒筋を発生させた。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係わるシートスルー原稿読み取り方法は、ドキュメントフィーダー上に置かれた原稿がシートスルー原稿読み取り位置に搬送される前に、読み取り位置で読み取り走査を行い、コンタクトガラス上面、下面にごみ(ほこり)、汚れ、きず等のないことを確認する。仮に、ごみ(ほこり)、汚れ、きず等による異常値が検出された場合は、シートスルー原稿の読み取り位置が適切に変更されるので、画像読取装置を要因とする異常画像の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例を説明するドキュメントフィーダーを有するシートスルー原稿読み取り装置。
【図2】上記シートスルー原稿読み取り装置における読み取り部機構。
【図3】図3(a);所定の読み取り位置で前スキャンを行った際、異常値が検出されたときのスキャナ出力。
図3(b);読み取り位置を間隔D動かし、再度前スキャンを行い異常値が検出されないときのスキャナ出力。
【符号の説明】
1:ドキュメントフィーダー
2:原稿テーブル
12:移動光学ユニット
23:シート原稿押さえ
28:ハロゲンランプ
29:コンタクトガラス
Claims (1)
- 原稿読み取り手段を所定の原稿読み取り位置で停止させた状態で原稿をフィードさせることにより読み込む原稿読み取り方法において、原稿を読み取るために停止する第1のステップと、読み取り主走査を行い読み込んだデータ値の異常値を検出する第2のステップと、第2のステップで異常値を検出しなかった場合は前記原稿読み取り手段を停止させた状態で原稿を読み取る第3のステップと、第2のステップで異常値を検出した場合は前記原稿読み取り手段の停止位置を所定の距離だけ変更するとともに、画像読み込み開始タイミングを所定の距離だけ変更させて第2のステップに戻る第4のステップとを有することを特徴とする原稿読み取り方法。
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