JP3577157B2 - 可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手 - Google Patents

可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塩化ビニル系樹脂を主材料としてパイプ・継手は、強度、耐候性、耐薬品性等に優れるため、管路材料として広く知らされている。しかし、可撓性や低温での耐衝撃性に欠点を有するところから、例えば、耐震性、耐寒性を要する管路等の用途に用いることができなかった。
【0003】
塩化ビニル系樹脂に可撓性を与える方法として、例えば、特開昭49−74727号公報等に、可塑剤を配合する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、低温において十分な耐衝撃性が得られないという問題点があった。
また、塩化ビニル系樹脂に耐衝撃性を付与する方法として、例えば、特開昭60−161449号公報等に、塩化ビニル系樹脂に特定のアクリル系ゴムをブレンドした組成物が開示されている。しかしながら、この組成物を用いて得られたパイプ又は継手は、可撓性、耐衝撃性が共に不足し、耐震性管路や耐寒性管路に使用することはできなかった。
【0004】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点に鑑みてなされたものであり、その目的は、適度の可撓性と共に低温においても十分な耐衝撃性を有する、可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手は、単独重合体の二次転移度が−20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートを50重量%以上含有し、部分架橋されたアクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフト重合してなる塩化ビニル系樹脂ならびにアクリル系加工助剤からなる樹脂組成物より形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明で用いられる樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂とアクリル系加工助剤とからなる。上記塩化ビニル系樹脂は、単独重合体の二次転移度が−20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートを50重量%以上含有し、部分架橋されたアクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフト重合させたものである。
【0008】
上記単独重合体の二次転移度が−20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等の極性基含有アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0009】
上記アクリル系共重合体中、上記単独重合体の二次転移度が−20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートの割合は、少なくなると成形体に十分な耐衝撃性が付与できなくなるので、50重量%以上に制限され、好ましくは80〜100重量%である。
【0010】
上記アクリル系共重合体は部分架橋されたものである。
この部分架橋は、例えば、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な多官能性モノマーと共重合することにより得られる。
【0011】
上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な多官能性モノマーとしては、従来公知のものが使用でき、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類;ジアリルフタレート、ジアリルマレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル化合物;ブタジエン等の不飽和化合物などが挙げられ、これらは単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0012】
上記多官能性モノマーの添加量は、上記アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましい。
【0013】
上記アクリル系共重合体は、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等によって得ることができるが、特に、樹脂粒径の制御が容易な点から乳化重合法が好ましい。
【0014】
上記乳化重合は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、必要に応じて、乳化分散剤、重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0015】
上記乳化分散剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリビルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられ、アニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬社製「ハイテノールN−08」)等が挙げられる。
【0016】
上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
【0017】
上記乳化重合の方法としては、特に限定されず、例えば、(1)一括重合法、(2)モノマー滴下法、(3)エマルジョン滴下法等が挙げられる。
【0018】
(1)上記一括重合法では、ジャケット付重合反応器内に、純水、乳化分散剤、重合開始剤ならびに混合モノマー(上記アクリル系モノマー+多官能性モノマー)を一括して添加し、窒素気流加圧下で攪拌して十分乳化した後、反応器内をジャケットで昇温し反応を開始させる。
(2)上記モノマー滴下法では、ジャケット付重合反応器内に、純水、乳化分散剤及び重合開始剤を入れ、窒素気流下で反応器内を昇温した後、混合モノマー(上記アクリル系モノマー+多官能性モノマー)を、一定量ずつ滴下して重合反応を開始させる。
(3)エマルジョン滴下法では、混合モノマー(上記アクリル系モノマー+多官能性モノマー)、乳化分散剤及び純水を攪拌して乳化モノマーを予め調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純水及び重合開始剤を入れ、窒素気流下で反応器内を昇温した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下して重合反応を開始させる。
【0019】
上記アクリル系共重合体は、形態や構造については特に限定されないが、例えば、樹脂粒子の表層部と内部のモノマー組成や架橋構造が異なる、いわゆるコア/シェル構造とすれば、樹脂粒子の安定性及び成形体の強度性能の向上が図られるので好ましい。
【0020】
コア/シェル構造の形成方法としては、例えば、上記コア部を構成する混合モノマー、純水及び乳化剤から調製した乳化モノマーに重合調整剤を加えて重合反応を行い、まず、コア部の樹脂粒子を形成する。次いで、上記シェル部を構成する混合モノマー、純水及び乳化剤から調製した乳化モノマーを添加し、上記コア部にグラフト共重合させる。このようにして得られた樹脂粒子は、上記コア部の表面を上記シェル部が三次元的に覆い、上記シェル部を構成する共重合体と上記コア部を構成する共重合体とが部分的に共有結合し、上記シェル部が三次元的な架橋構造を形成する。以上の方法において、上記シェル部のグラフト共重合は、上記コア部の重合と同一の重合工程で連続して行ってもよい。
【0021】
上記コア部とシェル部の割合は、上記乳化重合法において、コア部を形成する混合モノマーと、シェル部を形成する混合モノマーとの割合を調整することによって調節可能である。
【0022】
本発明では、上記アクリル系共重合体からなる樹脂粒子に、公知の方法で塩化ビニルをグラフト共重合することによって、塩化ビニル系樹脂を得ることができる。グラフト共重合の方法としては、例えば、上記アクリル系共重合体に乳化状態で、塩化ビニルを懸濁グラフト重合する方法が挙げられる。
【0023】
本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂は、上記アクリル系共重合体30〜60重量%に塩化ビニル70〜40重量%をグラフト共重合させたものであり、好ましくはアクリル系共重合体30〜40重量%である。
上記アクリル系共重合体の含有量は、30重量%より少なくなると得られるパイプ又は継手が十分な可撓性を付与できず、60重量%を超えると十分な引張強度を付与できず耐圧性が不足する。
【0024】
本発明のパイプ又は継手は、上記塩化ビニル系樹脂とアクリル系樹脂からなる加工助剤とを含有する樹脂組成物を成形加工することにより得られる。
上記加工助剤は、上記塩化ビニル系樹脂の成形時の混練状態を調整し、得られるパイプ又は継手の外観及び引張強度等の機械的強度を向上させる働きをする。
【0025】
上記アクリル系樹脂からなる加工助剤としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単独重合体;上記(メタ)アクリレートから選ばれる2種以上のモノマーの共重合体;上記(メタ)アクリレートと、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等のビニルモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0026】
上記加工助剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは30万〜350万である。このような加工助剤の市販品としては、例えば、三菱レーヨン社製「メタブレンP−501A」、「メタブレンP−551A」等が好適に使用される。
【0027】
上記加工助剤の添加量は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.5〜7重量部であり、好ましくは1〜3重量部である。
添加量は、0.5重量部より少なくなると成形体の表面が悪くなりつやが失われ、さらに成形機内で十分な混練が困難となり、成形体の強度(特に引張強度)が不足する。また、7重量部より多くなると成形機内での樹脂圧が大きくなって成形機に高い耐圧設計が必要となり、さらに生産速度が低下するため、コスト上昇を招くことになる。
【0028】
上記樹脂組成物には、必要に応じて、安定剤、安定化助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、顔料、充填剤等の配合剤が添加されてもよい。これらの配合剤の添加順序や方法は、任意の方法が採用可能であり、特に限定されない。
【0029】
上記安定剤としては、例えば、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫ラウレート等の有機錫化合物;鉛白、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸鉛、ステアリン酸鉛、安息香酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸;ハイドロタルサイト、ゼオライト等の無機系安定剤などが挙げられる。
【0030】
上記安定化助剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、リン酸エステル類、リン酸エステル、オレフィンワックスウ等が挙げられ、上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の化合物等が挙げられる。
【0031】
上記光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の化合物が挙げられ、上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
また、上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート等の芳香族エステル類等が挙げられ、上記酸化防止剤としては、フェノール系抗酸化剤等が挙げられ、上記顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアン系、スチレン系、染料レーキ系等の有機顔料;クロム酸モリブデン系、フェロシアン化物系等の無機顔料などが挙げられる。
【0032】
本発明のパイプは、上記樹脂組成物を押出成形することによって得ることができる。押出成形は、従来公知の方法によって行うことができ、例えば、冷却槽、引取機を備えた押出成形ラインを使用して、バレル温度150〜190℃、金型温度180〜200℃の温度条件で行われる。上記樹脂組成物は、押出成形に先立ってペレット化して使用してもよい。
【0033】
上記塩化ビニル系樹脂はグラフト共重合体であるため、従来公知の方法で重合度を評価するのが困難であるが、押出成形における加工性を考慮すると、好ましい粘度平均重合度は1,000〜2,000である。このような粘度平均重合度は、グラフト重合時の温度を40〜55℃に制御することによって得られる。
【0034】
本発明の継手は、上記樹脂組成物を射出成形することによって得ることができる。射出成形は、従来公知の方法によって行うことができ、通常の射出成形機を使用して、例えば、バレル温度150〜190℃、ノズル温度180〜190℃、金型温度30℃の温度条件で行われる。
【0035】
上記塩化ビニル系樹脂は、特に制限されないが、例えば、射出成形における加工性を考慮すると、好ましい粘度平均重合度は500〜1,200である。
このような粘度平均重合度は、グラフト重合時の温度を55〜70℃に制御することによって得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1〜8、比較例1〜4、比較例7〜10)
アクリル系共重合体の調製
攪拌機及び温度調節器付き反応容器に、純水及び重合開始剤(過硫酸アンモニウム)を入れ、容器内を窒素置換後攪拌しながら、反応容器内を75℃に昇温した。別途、純水、乳化剤(第一工業製薬社製「ハイテノールN−08」)、表1及び2に示す配合量の、アクリル系モノマー(n−ブチルアクリレート及び/又はメチルメタクリレート)及び多官能性モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)から、乳化モノマー液を調製した。この乳化モノマーを昇温後の反応容器に一定の滴下速度で滴下し、すべての乳化モノマーの滴下を3時間で終了した後さらに1時間攪拌を続けて重合を終了し、アクリル系共重合体ラテックス(固形分濃度30重量%)を得た。
尚、アクリル系モノマー100重量部に対して、乳化剤1重量及び重合開始剤0.1重量部の割合で使用した。
【0037】
塩化ビニル系樹脂の調製
攪拌機及び温度調節器付き反応容器に、純水、上記アクリル系共重合体ラテックス、分散剤(部分ケン化ポリビニルアルコール、クラレ社製「クラレポバールL−8」)及び重合開始剤(t−ブチルパーオキシデカネート及びα−クミルパーオキシネオデカネート)を添加し、反応容器内の空気を真空ポンプで排出した後、攪拌しながら塩化ビニルを添加した。次いで、反応容器内を、表1及び2に示す温度に昇温し、重合を開始した。反応容器内の圧力が7kgf/cmに低下した時点で反応を停止し、未反応の塩化ビニルを排出し、スラリー状の共重合物を得た。得られたスラリー状の共重合物を遠心脱水した後乾燥することにより、塩化ビニル系樹脂を得た。
尚、アクリル系共重合体と塩化ビニルとの構成成分の使用比率を表1及び2に示した。また、塩化ビニル100重量部に対して、純水200重量部、分散剤0.25重量部、t−ブチルパーオキシデカネート0.02重量部及びα−クミルパーオキシネオデカネート0.04重量部の割合で使用した。
【0038】
樹脂組成物の調製
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた塩化ビニル系樹脂100重量部、有機錫系安定剤(三共有機錫社製「ONZ−142F」)1重量部、ポリエチレン系滑剤(三井石油化学社製「Hiwax220MP」)0.5重量部、エステル系滑剤(理研ビタミン社製「リケスターEW100」)0.5重量部及び表1及び2に示した配合量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0039】
【表1】
Figure 0003577157
【0040】
【表2】
Figure 0003577157
【0041】
(比較例5)
塩化ビニル単独重合体(信越化学社製「TK−1300」)100重量部に、可塑剤としてジオクチルフタレート20重量部及び比較例2と同一かつ同量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0042】
(比較例6)
塩化ビニル単独重合体(信越化学社製「TK−1300」)100重量部に、アクリル系改質剤(鐘淵化学社製「カネエースFM」)20重量部及び比較例2と同一かつ同量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0043】
上記実施例1〜4及び比較例1〜6の樹脂組成物につき、下記の評価を行い、その結果を表3に示した。
(1)可撓性
上記樹脂組成物を、8インチロールにて混練して樹脂シートを得た後該樹脂シートを200℃でプレス成形して、厚み3mmのプレスシートを作製した。
このプレスシートを用いて、JIS K7203の試験方法に準拠して23℃における曲げ弾性率を測定し、可撓性を評価する指標とした。曲げ弾性率の測定値が13,000kgf/cm未満の場合、十分な可撓性を有するものと判断した。
【0044】
(2)引張強度
上記樹脂組成物を押出機に供給して、バレル部温度100〜130℃、金型部温度140℃の条件で押出成形し、ホットカット方式によりペレットを得た。
このペレットを、50mm二軸異方向押出機(長田製作所製「SLM50」)を用いて、バレル部温度150〜190℃、金型部温度170〜200℃の条件で押出成形し、内径20mm、外径26mm、肉厚3mmのパイプを得た。
上記パイプから切り出した試料を用いて、JIS K6741の試験方法に準拠して23℃における引張強度を測定した。
【0045】
(3)衝撃強度
(2)で得られたパイプから切り出した試料を用いて、JIS K6742の試験方法に準拠して、−20℃における落錘衝撃強度を測定した。
【0046】
(4)表面性
(2)で得られたパイプ表面のつやの状態を目視観察し、下記の評価基準により表面性を評価した。
○:表面に十分なつやがある。
△:表面につやがない。
×:表面にざらつき又は明らかな凹凸がある。
【0047】
【表3】
Figure 0003577157
【0048】
(実施例5〜8、比較例7〜10)
樹脂組成物の調製
上記実施例5〜8及び比較例7〜10で得られた塩化ビニル系樹脂100重量部、有機錫系安定剤(三共有機錫社製「ONZ−142F」)1重量部、ポリエチレン系滑剤(三井石油化学社製「Hiwax220MP」)0.5重量部、エステル系滑剤(理研ビタミン社製「リケスターEW100」)0.5重量部及び表1及び2に示した配合量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0049】
(比較例11)
塩化ビニル単独重合体(信越化学社製「TK−800」)100重量部に、可塑剤としてジオクチルフタレート20重量部及び比較例8と同一かつ同量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0050】
(比較例12)
塩化ビニル単独重合体(信越化学社製「TK−800」)100重量部に、アクリル系改質剤(鐘淵化学社製「カネエースFM」)40重量部及び比較例8と同一かつ同量の加工助剤を、ヘンシェルミキサー(川田工業社製)を用いて混合し樹脂組成物を作製した。
【0051】
上記実施例5〜8及び比較例7〜12の樹脂組成物につき、下記の評価を行い、その結果を表4に示した。
(1)可撓性
上記樹脂組成物を、8インチロールにて混練して樹脂シートを得た後該樹脂シートを200℃でプレス成形して、厚み3mmのプレスシートを作製した。
このプレスシートを用いて、JIS K7203の試験方法に準拠して23℃における曲げ弾性率を測定し、可撓性を評価する指標とした。曲げ弾性率の測定値が13,000kgf/cm未満の場合、十分な可撓性を有するものと判断した。
【0052】
(2)引張強度
上記樹脂組成物を押出機に供給して、バレル部温度100〜130℃、金型部温度140℃の条件で押出成形し、ホットカット方式によりペレットを得た。
このペレットを、型締め圧100トンの射出成形機(日本製鋼所社製「J100E−C5」)を用いて、バレル部温度150〜180℃、金型部温度30℃、射出速度70%、射出圧力70%の条件で押出成形し、受口径20mmのパイプ用継手を得た。この継手から切り出した試料を用いて、JIS K6741の試験方法に準拠して23℃における引張強度を測定した。
【0053】
(3)衝撃強度
(2)で得られた継手から切り出した試料を用いて、JIS K6742の試験方法に準拠して、−20℃における落錘衝撃強度を測定した。
【0054】
(4)表面性
(2)で得られた継手表面のつやの状態を目視観察し、下記の評価基準により表面性を評価した。
○:表面に十分なつやがある。
△:表面につやがない。
×:表面にざらつき又は明らかな凹凸がある。
【0055】
【表4】
Figure 0003577157
【0056】
【発明の効果】
本発明の可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手は、上述の構成であり、適度の可撓性を有すると共に低温時においても十分な衝撃強度を発現し、外部からに変形や衝撃に対して優れた性能を示すので、従来の塩化ビニル系管材では用いることのできなかった耐振性・耐寒性の要求される管路等の用途に好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. 単独重合体の二次転移度が−20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートを50重量%以上含有し、部分架橋されたアクリル系共重合体30〜60重量%に塩化ビニル70〜40重量%をグラフト重合してなる塩化ビニル系樹脂100重量部ならびにアクリル系加工助剤0.5〜7重量部からなる樹脂組成物より形成されていることを特徴とする可撓性・耐衝撃性に優れたパイプ又は継手。
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