JP3576055B2 - シリンジ用ピストンの摺動部材の製造方法 - Google Patents

シリンジ用ピストンの摺動部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリンジ用ピストンの摺動部材製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンジは、通常、シリンダとこの中に収納されて往復摺動し得るピストンとから構成されている。そして上記ピストンの頭部には、シリンダ内壁に弾接して液密性を保持して摺動する摺動部分を有している。
【0003】
具体的な上記ピストン頭部の構成は、本体がプラスチックから成形されここに例えばブチルゴム等の加熱加硫型ゴム製摺動部材が別体で嵌め込まれている。
【0004】
このようなゴム製の摺動部材は、常に薬液と接触するものであり、ゴム部分に配合されている可塑剤や硫黄系、アミン等の架橋剤やプロセス油や顔料等(以下、不純物という)が薬液内に浸出するおそれがあって、これを防止するため、▲1▼高温アルカリ洗浄、▲2▼高温酸性洗浄、▲3▼純水洗浄、▲4▼超純水洗浄、▲5▼無菌乾燥、等からなる煩雑な洗浄工程を必要とせざるを得ないものとなっている。
【0005】
しかも、このような洗浄工程を経なければならないゴム製摺動部材は、これ自身ではラスチック壁との摺動性は殆ど無く、従ってプラスチック部分とゴム製摺動部分との間にシリコングリスを塗布する必要があり、このシリコングリスの人体への影響が問題となっている。
【0006】
さらに、たとえ高温処理による無菌処理が行えたとしても、ゴム製摺動部材の製造時から滅菌時までの多工程の間にバクテリアその他の微生物が付着する可能性が充分あり、このまま滅菌処理すれば付着したバクテリアその他の微生物由来の死滅タンパク等(パイロジェンといわれている)が薬液に混入することも十分あり得、体内に入れば異常な原因不明の発熱を引き起こす虞れがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のような別体の加熱加硫型ゴム製摺動部材を用いず、無菌的に製造でき、さらに、シリコングリス等の塗布無しに摺動性を有するシリンジ用ピストンの摺動部材製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして『請求項1』に係る発明によれば、『シリンダ(C)内で往復摺動し得るピストン(P)の少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチック製の摺動本体部(a21)と、該摺動本体部(a21)の少なくともシリンダ壁(C)との対向面に熱融着して一体的に設けられかつ弾性変形により前記シリンダ壁(C)に弾接して摺動し得る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部(a22)と、該弾性摺接部 (a22) の表面の少なくともシリンダ壁 (C) との接触部分に熱融着により一体的に設けられる薄膜部 (a23) からなる摺動部材 (A2) を製造する方法であって、第1の金型キャビティ (w) に熱可塑性プラスチックを射出して上記摺動本体部 (a21) 及びこれの側周を間隙を隔てて囲む薄膜部を一体的に成形し、次いで、得られた該成形物を第2の金型キャビティ (v) 内に収納して上記間隙に熱可塑性エラストマを射出して摺動本体部 (a21) と薄膜部 (a23) とに融着一体化した弾性摺接部 (a22) を成形することからなるシリンジ用ピストンの摺動部材 (A2) の製造方法』が提供される。
【0013】
請求項1』に係る発明によれば、摺動本体部(a21)が熱可塑性プラスチックから成形されると共に、その外側の少なくともシリンダ(C)壁との対向面に設けられる弾性摺接部(a22)は熱可塑性エラストマから成形されるので、いずれも射出成形により製造することができ、人手を介さずかつ滅菌するに十分な温度条件下で製造できることとなる。また、本体部(a21)と弾性摺接部(a22)とは熱融着して一体化されているので、これらの間に薬液が浸み込むことはない。
【0014】
また、摺動部材(A2)の弾性摺接部(a22)の表面の少なくともシリンダ(C)壁との接触部分に、少なくとも表面が熱可塑性プラスチックにて構成される薄膜部(a23)が熱融着されているので、非常に摺動性が良好となり、従来のようなシリコングリスを塗布する必要がなくなる。
【0016】
そして、『請求項』に係る発明によれば、第1の金型キャビティ(w)内で熱可塑性プラスチックの射出により、摺動本体部(a21)及びこれの側周を間隙を隔てて囲む薄膜部(a23)が一体的に形成された成形物が得られ、該成形物を第2の金型キャビティ(v)内に収納して上記間隙に熱可塑性エラストマを射出する事により、摺動本体部(a21)と薄膜部(a23)とに融着一体化した弾性摺接部(a22)が製造されることとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、熱可塑性エラストマとは、硬質高分子物質と軟質高分子物質とを組合せた構造を有するものであり、常温でゴム弾性を示し、高温では熱可塑性プラスチックと同様に可塑化され成形できるものであって、加硫剤や加硫促進剤等の添加物が不必要なものを意味する。
【0018】
上記熱可塑性エラストマとしては、例えば、スチレン系エラストマ(硬質分:ポリスチレン、軟質分:ポリブタジエン、ポリイソプレン)、オレフイン系エラストマ(硬質分:ポリプロピレン、軟質分:エチレンαオレフィンゴム)、ポリエステル系エラストマ(硬質分:ポリエステル、軟質分:ポリエーテル)、ポリアミド系エラストマ(硬質分:ポリアミド、軟質分:ポリエーテル)その他ポリウレタン系エラストマ等が挙げられる。
【0019】
本発明において、熱可塑性プラスチックとしては、射出成形が可能な当該分野で公知のものを使用することができ、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が好適なものとして挙げられる。
【0020】
本発明において、熱可塑性エラストマと熱可塑性プラスチックとは熱融着し得る組合せが選択され、好適な組合せ例としては、本願『請求項2』に示すようにスチレン系エラストマとオレフィン系プラスチックとの組合せを挙げることができるが、別段これに限定されない。またこのとき、オレフィン系プラスチックには本願『請求項3』に示すようにポリプロピレン又はポリエチレンが好適なものとして挙げられる。
【0021】
本発明の製造方法において、所望の第1の金型キャビテ w)及び第2の金型キャビティ(v)を夫々構成する金型を設けた公知の二色射出成形機を好適に用いることができる。
【0022】
この場合、熱可塑性エラストマと熱可塑性プラスチックとの組合せは、本願『請求項』に示すように、スチレン系エラストマとオレフィン系プラスチックとの組合せを好適なものとして挙げることができ、スチレン系エラストマの射出条件としては、例えば温度 180℃程度、射出速度10ml/sec程度等が挙げられ、オレフィン系プラスチックとしてポリプロピレンを選択した場合、その射出条件としては、例えば温度 220℃、射出速度50ml/sec、射出圧1000kgf/cm2等が挙げられる。以上の射出条件から理解されるように、射出条件はそのまま滅菌できる条件となっている。
【0023】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0024】
[実施例]図1に示すのは、本発明の製造方法の一例により製造した摺動部材を頭部に用いたピストン及び通常のシリンダとからなるシリンジの縦断面概略図である。同図のシリンジ(S)は、シリンダ(C)とピストン(P)とキャップ(K)から主として構成されており、上記ピストン(P)はピストン本体部(10)と摺動部材(A2)とから構成されている。
【0025】
上記シリンダ(C)は、先端に針装着部(c1)、後端に指掛け部(c2)、この間に筒状のピストン装填部(c3)が設けられた通常の形態のものであり、本例では環状ポリオレフィンにて構成されているが、別段この樹脂に限定されなく、ポリカーボネートやポリプロピレン等の樹脂やガラス等が好適なものとして挙げられる。
【0026】
上記ピストン本体部(10)は、先端部に頭部装着部(101)、後端に指当て部(102)が設けられた中実体から構成されている。そして上記頭部装着部(101)は、後述する摺動部材(A2)に圧入できるように細径に形成されている。なお、圧入に替えてネジ装着であっても良い。
【0027】
前記シリンダ(C)及び上記ピストン本体部(10)はいずれも射出成形により簡単に構成することができる。射出材料は環状ポリオレフィンが好ましいが、別段これに限定されない。
【0028】
摺動部材(A2)は、同図に示す様に、摺動本体部(a21)とその外側に設けられる弾性摺接部(a22)と、更にその外側に設けられる薄膜部 (a23)から構成されている。本例では、上記摺動本体部(a21) 及び上記薄膜部 (a23) はいずれもポリプロピレンにて形成されており、弾性摺接部(a22)はスチレン系エラストマにより形成されている。
【0029】
上記摺動部材(A2)は、摺動本体部(a21)と弾性摺接部(a22) 及び弾性摺接部 (a22) と薄膜部 (a23) がいずれも熱融着していてこれらは一体化している。
【0030】
この摺動部材(A2)は例えば公知の二色射出成形機を使用して製造することができる。その方法の一例を図2〜6を参照して説明する。
【0031】
まず、二色射出成形機(XX)は、これらの図に示されるように、4本のタイバー(x1)に挿通されて固定される上部プラテン(x2)と、同タイバー(x1)に挿通されてこれに案内されて上下移動する移動プラテン(x3)と、上記上部プラテン(x2)の下面に取付けられる2つの凹金型(x42)及び(x43)と、上記移動プラテン(x3)の中央部を挿通する回転軸(x51)を有して該移動プラテン(x3)の下面に取付けられる回転モータと(x5)と、この回転モータ(x5)の回転軸(x51)に固定される回転板(x6)と、この回転板(x6)上に固定され、上記2つの凹金型(x42)及び(x43)にそれぞれ対応する位置に凸型(x71)及び(x72)が形成された移動金型(x7)とから主として構成されている。なお、凹金型(X42)は割型構造となっている。
【0032】
上記移動金型(x7)に形成される2つの凸型(x71)及び(x72)は、回転板(x6)の180度毎の回転に対応して常に凹金型(x42)又は(x43)と対応するように位置決めされている。また、図に示すように、各凸型(x71)(x72)に対応してエジェクトピン(x81)(x82)がそれぞれバネ付勢されて設けられている。
【0033】
上記二色成形機(XX)において、上部プラテン(x2)と移動プラテン(x3)との間には伸縮自在なカバー(x9)が取付けられており、これによって、成形作動空間を密封できるようになっている。なお、(x10)はエジェクト用エアシリンダである。
【0034】
次に、成形動作について説明するが、まず成形に先立って、通常は成形機そのものが無菌状態にされたクリーンルーム内の、さらにクリーンブース内に設置されているが、図に示すように成形作動空間のみをカバー(x9)で密閉して無菌状態にする事もできる。
【0035】
次いで、移動プラテン(x3)が上方へ移動して上部プラテン(x2)に近接し、凹金型(x43)と凸金型(x71)及び凹金型(x42)と凸金型(x72)とがそれぞれ対応した状態で型締めされ、第1の金型キャビティ(w)及び第2の金型キャビティ(v)が形成される。ここで、第1の金型キャビティ (w) は、摺動本体部 (a21) 成形用空間及びこれを所定の間隔を開けて取り囲む薄膜部 (a23) 成形用空間を一体的に形成し得るように構成されている。
【0036】
第1の金型キャビティ(w)に射出成形機(z1)から、温度 220℃で保持されて可塑化されたポリプロピレンが、射出速度50ml/secで射出される。このとき、第2の金型キャビティ(v)には射出成形機(z2)から、温度 160℃で保持されて可塑化されたスチレン系エラストマ(硬質分:ポリスチレン、軟質分:ポリブタジエン、ポリイソプレン)が、射出速度10ml/secで射出される。
【0037】
次いで、第1及び第2の各金型キャビティ(w)(v)内で射出樹脂が硬化した後、図3に示すように凹金型(x42)が割れかつ移動プラテン(x3)が下降して型開きされると、凸型(x73)は摺動本体部(a21) とこれの側周を間隙を隔てて囲む薄膜部 (a23) とが一体的に成形された成形物 以下、「第1成形物」という が付着して取り出され、凸型(x72)には摺動本体部(a21)の外側に弾性摺接部(a22)が形成され、更にその外側に薄膜部 (a23) が添着された摺動部材(A2)が付着して取り出される。
【0038】
なおこのとき、摺動部材(A2)は、内側のポリプロピレン製摺動本体部(a21)と外側のスチレン系エラストマ製弾性摺接部(a22) 、該弾性摺接部 (a22) とその外側のポリプロピレン製薄膜部 (a23) は、いずれも互いに熱融着して強固に一体化しており、さらに弾性摺接部(a22) と薄膜部 (a23)は同図に示すように段差が形成された形状となっている。
【0039】
次いで、図4に示すように、凸型(x72)の下方からエジェクトピン(x82)がエアシリンダ(x10)の駆動によって上昇されて、凸型(x72)から摺動部材(A2)が取り外される。
【0040】
次いで、図5示すように、回転板(x6)が半回転し第1成形物を付着した状態の凸型(x71)が凹金型(x42)と対応する位置に来る。そして、図6に示すように、移動プラテン(x3)が上昇して型締めが行われる。このとき薄膜部 (a23) は金型キャビティ (v) 内の壁面には添っていないが、次いで射出成形機 (z2) から熱可塑性エラストマが射出されたとき、その熱及び射出圧により摺動性フィルム (a23) は凹金型 (x42) の内面形状に従うと共に熱可塑性エラストマに熱融着される。以下、上述した図2〜6の操作が繰返される。
【0041】
以上のようにして、摺動部材(A2)を製造することができる。このとき、弾性摺接部(a22)を構成するエラストマ及び摺動本体部(a21) と薄膜部 (a23) を構成するプラスチックは、それぞれ温度160 220 で維持されており、成形空間は無菌状態に維持されているので、摺動部材(A2)を無菌的に製造することができる。
【0042】
そして、摺動部材(A2)は、前述したピストン本体部(10)の先端に圧入されることとなる。なお、このような圧入構造に替えてネジによる螺合構造にしても良いことは言うまでもない。
【0043】
キャップ(K)は、本例では図1に示すような形状のもので、シリンダ(C)の先端の針装着部(k1)を挿入する有底筒状の挿着孔部(k1)を中央に有し、この挿着孔部(k1)に外筒部(k2)が連結されている。
【0044】
上記キャップ(K)において、上記挿着孔部(k1)の筒部の肉厚は底部側から開口部側にかけて漸次薄くなるように形成されている。しかも、挿着孔部(k1)は先細り状の孔に構成されており、底部近傍の孔内径は、シリンダ(C)の針装着部(k1)の先端の外径よりも若干小さくなるように調節されている。
【0045】
上記キャップ(K)も、前記シリンダ(C)やピストン本体部(10)と同様、射出成形により簡単に構成することができる。射出材料も環状ポリオレフィンが好ましいが、別段これに限定されなく、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックや熱可塑性エラストマ等が好適なものとして挙げられる。
【0046】
以上のようにして構成されたシリンジ(S)は、シリンダもピストンもキャップも全て高温・高圧の射出成形により製造できるので、人の手を介さず無菌的に製造できるものである。
【0047】
また、ピストンの薬液と接触する摺動部材(A2)の弾性変形する弾性摺接部(a22)は、加硫剤や加硫促進剤等の添加物を含有しない熱可塑性エラストマにより製造されているので、薬液中へのこれらの添加物の浸出の心配が無く、従って、従来のような添加物を取り除く煩雑な処理工程を必要とせずに、しかも射出成形工程のみで簡単にかつ無菌的に製造できる。
【0054】
そして、上記の方法により成形された摺動部材(A2)は、弾接摺接部(a22)の外面にポリプロピレン製の薄膜部(a23)が一体的に融着されているので、シリンダ壁面との摺動性が非常に良好となっており、使用に際してはシリンダ壁と液密に弾接しながらもスムースに摺動することが出来る。
【0055】
【発明の効果】
本願『請求項1』に係る各発明によれば、弾性摺接部が熱可塑性エラストマにて構成されると共に摺動本体部および薄膜部が熱可塑性プラスチックにて構成されるのでこれらを射出成形により製造することができて非常に簡単であると共に、人手を介さずに高温・高圧工程を経て無菌的に製造できる。
【0056】
また、弾性摺接部と摺動本体部の界面が熱融着されており、熱可塑性プラスチックからなる摺動本体部に熱可塑性エラストマからなる弾性摺動部がしっかりと結合されているので、従来のように弾性摺動部を摺動本体部に別体で取付ける必要が無い上、熱可塑性エラストマには加硫剤や加硫促進剤等の添加物は混入されていないので、従来の別体のゴム製の摺動部材に対して医療用途に用いる際に行われていた高温アルカリ洗浄、高温酸性洗浄、純水洗浄、超純水洗浄、無菌乾燥、等の煩雑な処理が一切必要なくなり、非常に簡単に医療用のものが製造できることとなった。
【0057】
その上、上記したように熱融着による一体化のために両者の間に薬液がしみこんだり微生物の死滅タンパクが残留したりするということが全く無く、各種の医療用途に極めて有用なシリンジ用ピストンの摺動部材を提供することができる。
【0058】
そして、弾性摺接部の表面ポリエチレン又はポリプロピレンにて構成された薄膜部が熱融着されているので、液密性を十分に保持しながらもシリンダ壁面との摺動性が非常に良好となっており、従来のようなシリコングリスの塗布が全く不要となって人体に悪影響を与えることが無く、しかもスムースな摺動で薬液の計量や注入に支障を来すことがない。
【0059】
本願『請求項2』に係る各発明によれば、熱可塑性エラストマにスチレン系エラストマを選択し、熱可塑性プラスチックにオレフィン系プラスチックを選択して、これらを組み合わせて射出成形に付せば、これらの界面の熱融着は非常に良好なものとなる。
【0060】
本願『請求項3』に係る各発明によれば、熱可塑性エラストマにスチレン系エラストマを選択し、熱可塑性プラスチックにオレフィン系プラスチックのうちのポリプロピレン又はポリエチレンを選択して、これらを組み合わせて射出成形に付せば、これらの界面の熱融着は最も良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンジ用ピストン摺動部材の一例を用いたシリンジの縦断面概略図
【図2】図1の摺動部材の製造方法の一例を二色射出成形機を用いて行うときの第1工程の要部断面概略図
【図3】図1の摺動部材の製造方法の一例を二色射出成形機を用いて行うときの第2工程の要部断面概略図
【図4】図1の摺動部材の製造方法の一例を二色射出成形機を用いて行うときの第3工程の要部断面概略図
【図5】図1の摺動部材の製造方法の一例を二色射出成形機を用いて行うときの第4工程の要部断面概略図
【図6】図1の摺動部材の製造方法の一例を二色射出成形機を用いて行うときの第5工程の要部断面概略
【符号の説明】
(A2)…頭部摺動部材
(a21)…頭部本体部
(a22)…弾性摺接部
(a23)…薄膜部
(XX)…二色成形機
(x2)…上部プラテン
(x3)…移動プラテン
(x5)…回転モータ
(x6)…回転板
(x7)…移動金型
(x9)…伸縮自在なカバー
x42)(X43)…凹金型
(x)(x72)…凸型

Claims (3)

  1. シリンダ内で往復摺動し得るピストンの少なくとも摺動部を構成する熱可塑性プラスチック製の摺動本体部と、該摺動本体部の少なくともシリンダ壁との対向面に熱融着して一体的に設けられかつ弾性変形により前記シリンダ壁に弾接して摺動し得る熱可塑性エラストマ製の弾性摺接部と、該弾性摺接部の表面の少なくともシリンダ壁との接触部分に熱融着により一体的に設けられる薄膜部からなる摺動部材を製造する方法であって、
    第1の金型キャビティに熱可塑性プラスチックを射出して上記摺動本体部及びこれの側周を間隙を隔てて囲む薄膜部を一体的に成形し、次いで、得られた該成形物を第2の金型キャビティ内に収納して上記間隙に熱可塑性エラストマを射出して摺動本体部と薄膜部とに融着一体化した弾性摺接部を成形することからなるシリンジ用ピストンの摺動部材の製造方法。
  2. 前記熱可塑性エラストマがスチレン系エラストマであり、熱可塑性プラスチックがオレフィン系プラスチックである請求項1に記載のシリンジ用ピストンの摺動部材の製造方法
  3. 熱可塑性プラスチックがポリプロピレン又はポリエチレンである請求項2に記載のシリンジ用ピストンの摺動部材の製造方法。
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