JP2000334041A - シリンジ - Google Patents

シリンジ

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JP2000334041A
JP2000334041A JP11150574A JP15057499A JP2000334041A JP 2000334041 A JP2000334041 A JP 2000334041A JP 11150574 A JP11150574 A JP 11150574A JP 15057499 A JP15057499 A JP 15057499A JP 2000334041 A JP2000334041 A JP 2000334041A
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Japan
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piston
cylinder
syringe
piston head
resin
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JP11150574A
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English (en)
Inventor
Akira Yotsutsuji
晃 四つ辻
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KOOKI ENGINEERING KK
Original Assignee
KOOKI ENGINEERING KK
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31511Piston or piston-rod constructions, e.g. connection of piston with piston-rod
    • A61M5/31513Piston constructions to improve sealing or sliding

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ピストン頭部にエ
ラストマを用いず、液密性及び摺動性が良好な樹脂製ピ
ストンにより構成されるシリンジを提供する。 【解決手段】 薬液(Y)を保持するシリンダ
(1)と該シリンダ(1)内に往復動自在に挿入されるピスト
ン(2)からなるシリンジ(A1)の上記ピストン(2)を、ピス
トン本体部(2a)と、該ピストン本体部(2a)の先端部に装
着する樹脂製のピストン頭部(2b)とから構成し、上記樹
脂製ピストン頭部(2b)に、シリンダ壁と摺接する鍔部(2
b1)を構成し、該鍔部(2b1)にはシリンダ壁摺接部より内
側周囲に環状薄肉部(2b11)を形成して上記鍔部(2b1)を
摺動方向に対して撓むようにし、これにより液密性を確
保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリンジに関し、更
に詳しくは樹脂製シリンジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、シリンジ(S)は、通
常、シリンダ(C)とこのシリンダ(C)内に往復動可能に挿
入されるピストン(P)とから構成されており、ピストン
(P)はピストン頭部(ph)とピストン本体部(pb)とから主
として構成されている。
【0003】従来はシリンダ及びピストン共にガラス製
のものが主流であったが、ガラスは破損しやすい上に破
損したものは取り扱いが危険であることや、また、病気
感染の点などから、最近では大量生産可能で使い捨て可
能な樹脂製のシリンジが汎用されている。
【0004】ところで、樹脂製シリンダ及び樹脂製ピス
トンにてシリンジを構成した場合、シリンダとピストン
との液密性及び摺動性を確保するためには、樹脂製ピス
トンの頭部を弾性を有するエラストマにて構成する必要
があった。
【0005】また最近では、シリンジ(S)に薬液を所定
量封入(プレフィルシリンダと称される)して流通され
ることが多くなってきている。この場合、薬液封入は例
えば図6及び7に示すように行われている。すなわち図
6では、先端の針装着部(c1)をゴムキャップ(D)にて密
閉したシリンダ(C)内に薬液(Y)を注入し、次に金属パイ
プ(E)を所定位置まで挿入し、この金属パイプ(E)の内側
にエラストマ製ピストン頭部(ph)を圧入していく。この
時、空気は完全に金属パイプ(E)の外周を経て外部に排
出される。
【0006】また、図7では、薬液(Y)を所定量充填し
たのち、細管(t)を所定位置まで挿入し、これにエラス
トマ製ピストン頭部(ph)をシリンダ(C)内に挿入し、次
いで細管(t)を介してシリンダ(C)内を真空にするとエラ
ストマ製ピストン頭部(ph)は真空によって液面まで前進
して打栓を終了するというものであった。
【0007】ところで、エラストマ製ピストン頭部(ph)
の先端面は、常に薬液(Y)と接触するところであるが、
上記のように薬液(Y)を封入した状態で流通されるもの
では長期間の薬液(Y)との接触において、エラストマに
含有されている可塑剤や架橋剤やプロセス油や顔料等
(以下、不純物という)が薬液内に浸出するおそれがあ
り、これを防止するため、高温アルカリ洗浄、高温
酸性洗浄、純水洗浄、超純水洗浄、無菌乾燥、等
からなる煩雑な洗浄工程を必要とせざるを得ないものと
なっている。
【0008】またさらに、上記図6に示すような薬液注
入の場合では、パイプ材(E)はシリンダ(C)内径よりは僅
かに小さい外径のものを使用するため、パイプ材(E)と
シリンダ(C)との接触が起こり易く、上記図7の場合も
細管(t)とシリンダ(C)内壁が接触するために、いずれの
場合もシリンダ(C)内壁に傷が付いたり、ガラス屑、プ
ラスチック屑、エラストマ屑等の異物が薬液に混入する
等の問題点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピストン頭
部にエラストマを用いず、液密性及び摺動性が良好な樹
脂製ピストンにより構成されるシリンジを提供するにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本願『請求項
1』に係る発明によれば、『薬液を保持するシリンダ
(1)と該シリンダ(1)内に往復動自在に挿入されるピスト
ン(2)からなるシリンジ(A1)であって、上記ピストン(2)
が、ピストン本体部(2a)と、該ピストン本体部(2a)の先
端部に装着されかつシリンダ内壁と液密性を保持して摺
動しうる樹脂製のピストン頭部(2b)とからなり、上記ピ
ストン頭部(2b)は、シリンダ壁と摺接する鍔部(2b1)を
有すると共に、該鍔部(2b1)にはシリンダ壁摺接部より
内側周囲に環状薄肉部(2b11)が形成されていることを特
徴とするシリンジ(A1)』が提供される。
【0011】本発明において、シリンダ(1)は、高圧蒸
気による滅菌処理に耐えうる耐熱性を最低限有するもの
であればガラス製、プラスチック製等のいずれのもので
あってもよいが、安全性や使い捨てによる経済性から見
れば、プラスチック製のものが好ましい。
【0012】上記プラスチック製の場合、ポリカーボネ
ート、環状ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリアリ
レート、ポリサルフォン、ポリエーテルスルフォン等が
好適なものとして挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0013】ピストン(2)は、ピストン本体部(2a)とピ
ストン頭部(2b)とから構成され、上記ピストン本体部(2
a)は、ガラス製又は樹脂製のいずれであってもよい。
【0014】ピストン頭部(2b)は、樹脂製にて構成され
る。この場合、本願『請求項3』に示すように硬質樹脂
が適しており、『ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹
脂、フッ素樹脂、環状ポリオレフィン、ポリカーボネー
ト』等が好ましいものとして挙げられる。
【0015】上記ピストン頭部(2b)は、シリンダ壁と摺
接する鍔部(2b1)を有するように構成される。そしてこ
の鍔部(2b1)には、シリンダ壁との摺接部より内側周囲
に環状薄肉部(2b11)が形成される。
【0016】上記環状薄肉部(2b11)は、本願『請求項
2』に示すように『0.05〜0.5mm程度の厚さ』となるよ
うに構成されることが、ヒンジ的な作用を奏しかつ疲労
に耐え得る強度を保持し得る点から好ましい。
【0017】本発明のシリンジ(A2)において、ピストン
(2)は本願『請求項4』に示すように、『ピストン本体
部(20a)が中空に構成され、かつ、ピストン頭部(20b)の
略中央に薬液注入孔(2b6)が穿設されてなり、ピストン
本体部(20a)とピストン頭部(20b)との間にエラストマ材
(2d)が液密性を保持するように介設』されたものが挙げ
られる。このように構成しておくと、ピストン(2)を通
じてシリンダ(1)内に薬液(Y)を注入できる点で好まし
い。
【0018】また、上記ピストン(2)において、本願
『請求項5』に示すように、『ピストン頭部(21b)とエ
ラストマ材(2d1)との間に軟質樹脂(2e)が介設』されて
いると、エラストマ材(2d1)と薬液(Y)との接触を極力少
なくし得る点でより好ましいものである。
【0019】本願『請求項1』に係る発明によれば、ピ
ストン(2)は、ピストン頭部(2b)が樹脂製にて構成され
ているので、エラストマのように可塑剤や架橋剤やプロ
セス油や顔料等が含有されていなく、薬液(Y)と接触し
てもこれらが薬液中に浸出する虞れが無い。従って、エ
ラストマに要求されていた従来の煩雑な洗浄工程を必要
とすることがない。
【0020】また、ピストン頭部(2b)が樹脂製であって
も、シリンダ壁と摺接する鍔部(2b1)は、その内側周囲
に環状薄肉部(2b11)が形成されているので、この鍔部(2
b1)は該環状薄肉部(2b11)を介してピストン移動軸の前
後方向に撓み易く、従ってピストン(2)の往復動に際し
て、シリンダ内壁と液密にかつ滑らかに摺接することと
なる。
【0021】本願『請求項2』に係る発明によれば、ピ
ストン頭部(2b)の先端部周囲に設けられる環状薄肉部(2
b11)の厚さが0.05〜0.5mmに設定されているので、この
部分で非常に撓み易くまた鍔部(2b1)を破断しない機械
的強度も保持すると共に、水分の透過性も少ない厚さに
選定されることとなる。
【0022】本願『請求項3』に係る発明によれば、ピ
ストン頭部(2b)が、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン
樹脂、フッ素樹脂、環状ポリオレフィン、ポリカーボネ
ート等の熱可塑性樹脂から選択される硬質樹脂にて構成
されているので、耐薬品性を保持すると共に、寸法安定
性が良好に成形できることとなる。
【0023】本願『請求項4』に係る発明によれば、ピ
ストン本体部(20a)が中空に構成され、かつ、ピストン
頭部(20b)の略中央に薬液注入孔(2b6)が穿設され、さら
にピストン本体部(20a)とピストン頭部(20b)との間にエ
ラストマ材(2d)が液密性を保持するように介設されてい
るので、ピストン(2)内を通じてシリンダ(C)内に薬液
(Y)が供給されることとなる。
【0024】本願『請求項5』に係る発明によれば、ピ
ストン頭部(21b)とエラストマ材(2d1)との間に軟質樹脂
材(2e)が介設されているので、エラストマ材(2d1)が直
接薬液(Y)と接触する面積は極力小さくなり、かつエラ
ストマ材(2d1)の存在によりこれを通じて薬液(Y)をシリ
ンダ(C)内に注入しても液密性は保持されることとな
る。
【0025】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0026】[実施例1]図1に示すのは、本発明のシ
リンジの一実施例の縦断面概略図である。同図のシリン
ジ(A1)は、シリンダ(1)とピストン(2)とキャップ(3)か
ら主として構成されており、上記ピストン(2)はピスト
ン本体部(2a)とピストン頭部(2b)とから構成されてい
る。
【0027】上記シリンダ(1)は、先端に針装着部(1
1)、後端に指書け部(12)、この間に筒状のピストン装填
部(13)が設けられた通常の形態のものであり、本例では
環状ポリオレフィンにて構成されているが、別段この樹
脂に限定されなく、ポリカーボネートやポリプロピレン
等の樹脂やガラス等が好適なものとして挙げられる。
【0028】上記シリンダ(1)は、例えば、同図に示す
ような形状を与えるキャビティを構成する金型を90〜13
0℃程度に調節し、これに環状ポリオレフィンを原料と
して高圧・高速(例えば1000〜1500kgf/cm2、射出率50
〜150ml/sec)にて射出成形することにより製造するこ
とができる。
【0029】上記ピストン本体部(2a)は、先端部にピス
トン頭部装着部(2a1)、後端に指当て部(2a2)が設けられ
た中実体から構成されている。
【0030】また上記ピストン頭部装着部(2a1)の後段
には、頭部当接用フランジ(2a3)が形成されていて、該
頭部当接用フランジ(2a3)から先端までにはネジ溝(2a4)
が螺設されている。上記頭部当接用フランジ(2a3)の径
は、シリンダ(1)の内径よりも若干小さ目に形成されて
いる。
【0031】このピストン本体部(2a)も射出成形により
簡単に構成することができ、環状ポリオレフィンを原料
とする場合は上記シリンダ(1)の製造と同様に行うこと
ができる。
【0032】ピストン頭部(2b)は、同図に示す様に、前
記ピストン本体部(2a)の先端部に装着可能な有底筒状の
もので、本例ではポリプロピレン樹脂により構成されて
いるが、これに限定されず、ポリエチレン樹脂、フッ素
樹脂等の耐薬品性樹脂にて構成されていても良い。
【0033】上記ピストン頭部(2b)は、その筒状胴部(2
b3)の内面には上記ピストン本体部(2a)の頭部装着部(2a
1)のネジ溝(2a4)と螺合するネジ溝(2b4)が螺設されてい
る。そして筒状胴部(2b3)の先端周囲に鍔部(2b1)が張り
出されている。
【0034】上記鍔部(2b1)は、それよりも厚みが小さ
い環状薄肉部(2b11)にて筒状胴部(2b3)に接続されてい
る。本例では上記環状薄肉部(2b11)の厚みは、0.05〜0.
5mm程度に設定されている。そして、上記鍔部(2b1)の径
は、シリンダ(1)の内径よりも僅かに大き目に設定され
ている。なお本例では、上記鍔部(2b1)は、図2にその
部分側面図を示すように外周側面にテーパーが設けられ
ており、これによってシリンダ内径の僅かな違いに対応
できることになる。また同図に示す鍔部(2b1)の厚さ(t)
は、硬いプラスチックスでは薄くし、軟らかいプラスチ
ックスでは厚くすることができる。
【0035】また、上記筒状胴部(2b3)の後端周囲には
上記ピストン本体部(2a)の頭部当接用フランジ(2a3)と
当接し得る本体部当接用フランジ(2b5)が形成されてい
る。この本体部当接用フランジ(2b5)の径は、上記頭部
当接用フランジ(2a3)と同等でシリンダ(1)の内径よりも
若干小さ目に形成されている。
【0036】上記ピストン頭部(2b)において、筒状胴部
(2b3)の内面の長さは、ピストン本体部(2a)の頭部装着
部(2a1)の長さと略同等に構成されている。
【0037】キャップ(3)は、本例では図1に示すよう
な形状のもので、シリンダ(1)の先端の針装着部(11)を
挿入する有底筒状の挿着孔部(31)を中央に有し、この挿
着孔部(31)に外筒部(32)が連結されている。上記キャッ
プ(3)において、上記挿着孔部(31)の筒部の肉厚は底部
側から開口部側にかけて漸次薄くなるように形成されて
いる。しかも、挿着孔部(31)は先細り状の孔に構成され
ており、底部近傍の孔内径は、シリンダ(1)の針装着部
(11)の先端の外径よりも若干小さくなるように調節され
ている。
【0038】上記キャップ(3)は、上記形状のキャビテ
ィを構成する金型を90℃程度に調節し、これに環状ポリ
オレフィンを原料として高圧・高速(例えば500〜1000k
gf/cm2、射出率50〜100ml/sec)にて射出成形すること
により製造することができる。本例では環状ポリオレフ
ィンにて構成されているが、別段この樹脂に限定される
ものでもなく、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の
樹脂やエラストマ材等が好適なものとして挙げられる。
さて図1に示されるように、上記ピストン頭部(2b)をピ
ストン本体部(2a)の先端部に螺着してピストン(2)を構
成する。そして、上記のように組立てられたピストン
(2)をシリンダ(1)内に挿入する際、ピストン頭部(2b)先
端の鍔部(2b1)はシリンダ(1)の内径に対して若干大きい
のでそのままでは入りにくいが、ピストン(2)を押すと
鍔部(2b1)は環状薄肉部(2b11)によって筒状胴部(2b3)に
対して撓み、これによって若干径が小さくなるので容易
にシリンダ(1)内に摺動して挿入される。
【0039】ピストン(2)をシリンダ(1)の先端まで押入
した状態で、シリンダ(1)の針装着部(11)に注射針(図
示せず)を装着して薬液中に挿入する。次いで、ピスト
ン(2)を後退させると、薬液はシリンダ(1)内に吸い上げ
られていく。このとき、ピストン頭部(2b)は鍔部(2b1)
が上記したように撓んでいてシリンダ内壁を押圧してい
るので、シリンダ内壁にそって液密性を確保した状態で
摺動することとなる。
【0040】所定量まで薬液が注入されると、注射針を
取り外し、針装着部(11)にキャップ(3)を被せて圧入す
ると密閉され、薬液は漏れなくなる。
【0041】以上述べたように、実施例1のシリンジ(A
1)では、ピストン頭部(2b)をプラスチックスで構成して
いても液密性が良好に保たれるので、エラストマ材で構
成したときのような煩雑な洗浄工程が全く不要となり、
エラストマ材を用いないので、薬液内にエラストマ材に
含有されている従来の不純物の浸出するということがな
い。
【0042】[実施例2]図3に示すのは、本発明のシ
リンジの他の実施例の図1相当図である。
【0043】同図のシリンジ(A2)は、ピストン本体部及
びピストン頭部を後述するごとく変更する以外は実施例
1と同様であり、実施例1と同一の部材については実施
例1と同一の番号で示し、これらについての説明は省略
する。
【0044】ピストン本体部(20a)は、先端部にピスト
ン頭部装着部(2a1)、後端に指当て部(2a2)が設けられて
おり、先端及び後端がいずれも開口されていて全体とし
て略筒状に構成されている。そして先端開口内には、エ
ラストマ材(2d)を装填する部分が設けられている。これ
ら以外は実施例1のものと同様である。
【0045】ピストン頭部(20b)は、同図に示す様に、
前記ピストン本体部(20a)の先端部に装着可能な略有底
筒状のものであるが、この底部に通孔(2b6)が穿設され
ている。これ以外は実施例1と同様である。
【0046】さて図3に示されるように、上記ピストン
本体部(20a)内にエラストマ材(2d)を装填した状態でピ
ストン頭部(20b)をピストン本体部(20a)の先端部に螺着
してピストン(2)を構成する。なおエラストマ材(2d)は
ピストン本体部(20a)の先端からほんの僅かに突出する
程度に構成されていることが好ましい。
【0047】そして、上記のように組立てられたピスト
ン(2)をシリンダ(1)内に挿入する際は実施例1と同様に
鍔部(2b1)が撓んで摺動する。
【0048】次に、ピストン(2)をシリンダ(1)の先端ま
で押入した状態で、シリンダ(1)の針装着部(11)にキャ
ップ(3)を被せて圧入し、密閉する。そして図3に示す
ように、ピストン(2)の後端から薬液注入用細管(t)をピ
ストン(2)内に挿入し、エラストマ材(2d)を貫通し、さ
らにピストン頭部(20b)の底部の通孔(2b6)を挿通して、
この細管(t)を通じて薬液(Y)を供給することにより、薬
液(Y)はシリンダ(1)内に注入されると共にピストン(2)
を後方に押し返していく。このとき、ピストン頭部(20
b)は鍔部(2b1)が上記したように撓んでいてシリンダ内
壁を押圧しているので、シリンダ内壁にそって液密性を
確保した状態で摺動することとなる。
【0049】所定量まで薬液(Y)が注入されると細管(t)
は抜き取られるが、エラストマ材(2d)が細管(t)の通過
路をすぐに塞ぐのでここでも液密性は確保される。ま
た、このエラストマ材(2d)は、上記通孔(2b6)を通して
薬液(Y)と接触するだけなので、薬液接触面積が非常に
小さくなっており、エラストマ材(2d)から薬液中への不
純物の浸出は殆ど問題とならない。
【0050】以上述べたように、実施例2のシリンジ(A
2)では実施例1と同様、ピストン頭部(20b)をプラスチ
ックスで構成していても液密性が良好に保たれるので、
エラストマ材で構成したときのような煩雑な洗浄工程が
不要である。また、液密性を保持するために用いられて
いるエラストマ材(2d)は薬液(Y)と接触する面積が非常
に小さくとどめられているので、エラストマ材(2d)に含
有されている不純物の浸出が殆ど問題とならない。
【0051】[実施例3]図4に示すのは、本発明のシ
リンジのさらに他の実施例の図1相当図である。同図の
シリンジ(A3)は、ピストン頭部とピストン本体部との装
着を螺合に替えて嵌合構造とし、ピストン本体部の先端
開口内に装填されるエラストマ材(2d1)を薄くし、さら
にエラストマ材(2d1)の外側にポリエチレン等の軟質樹
脂製シール材(2e)を併用する以外は、実施例1又は2と
同様であり、実施例1又は2と同一の部材については実
施例1又は2と同一の番号で示し、これらについての説
明は省略する。
【0052】本例のシリンジ(A3)に用いるピストン本体
部(21a)は、実施例1又は2と同様の材料で構成され、
ピストン頭部(21b)を装着する先端部の外周面に同図に
示すような嵌合用の環状凹溝(21a1)が設けられている。
一方、ピストン頭部(21b)も実施例1又は2と同様な材
料から構成され、その筒状胴部(2b3)の内周面には上記
ピストン本体部(21a)の環状凹溝(21a1)と嵌合し得る環
状凸条(21b1)が設けられている。
【0053】従って、シリンジ(A3)においては、薬液
(Y)は実施例2のシリンジ(A2)と同様にして注入され、
ピストン(2)は同様にして液密性が確保される。そし
て、所定量まで薬液(Y)が注入されると細管(t)は抜き取
られるが、実施例2と同様にしてエラストマ材(2d1)が
細管(t)の通過路をすぐに塞ぐのでここでも液密性は確
保される。
【0054】さらに、このエラストマ材(2d1)は、軟質
樹脂製シール材(2e)に細管(t)によって開けられた僅か
な貫通孔を通してのみ薬液(Y)と接触するだけなので、
薬液接触面積が実施例2のときよりも更に小さくなって
おり、エラストマ材(2d1)から薬液中への不純物の浸出
は殆ど問題とならない。
【0055】以上述べたように、実施例3のシリンジ(A
3)では実施例1及び2と同様、ピストン頭部(21b)をプ
ラスチックスで構成していても液性が良好に保たれるの
で、エラストマ材で構成したときのような煩雑な洗浄工
程が全く不要である。また、液密性を保持するために用
いられているエラストマ材(2d1)は薬液(Y)と接触する面
積が必要最小限にとどめられているので、エラストマ材
(2d1)に含有されている不純物の浸出が殆ど問題となら
ない。
【0056】
【発明の効果】本願『請求項1』に係る発明によれ
ば、、ピストン頭部をプラスチックスで構成していても
液密性を良好に保つことができる。従って、従来のよう
にエラストマ材で構成したときのような煩雑な洗浄工程
が全く不要となる。その上、エラストマ材を用いないの
で、薬液内にエラストマ材に含有されている従来の不純
物が浸出するということがない。
【0057】さらに、従来のようにピストンにエラスト
マ材を用いた場合では、摺動性を確保するためにガラス
製や樹脂製のシリンダの内面にシリコングリースを塗布
する必要があったが、本発明のようにピストンをすべて
樹脂製とすることにより摺動性が確保できるものとな
り、シリコーングリス等の塗布は不要となった。
【0058】本願『請求項2』に係る発明によれば、本
願請求項1が奏する効果に加えて、ピストン頭部におけ
る鍔部が非常に撓みやすく従って液密性・摺動性が良好
となる上に、撓みに基づく疲労に耐えうる耐久性も有す
ることができる。
【0059】本願『請求項3』に係る発明によれば、本
願請求項1及び2が奏する効果に加えて、ピストン頭部
を耐薬品性に富む硬質樹脂を用いて構成することもでき
るので、薬液を封入してシリンジを流通させても薬液及
びシリンジに悪影響が無い。
【0060】本願『請求項4』に係る発明によれば、本
願請求項1〜3が奏する効果に加えて、薬液をピストン
内を通じて注入できるので、薬液を封入して流通するい
わゆるプレフィルシリンジを簡単に製造できることとな
る。しかも、液密性を保持するために用いられているエ
ラストマ材は薬液と接触する面積が非常に小さくとどめ
られているので、エラストマ材に含有されている不純物
の薬液への浸出が殆ど問題とならない。
【0061】本願『請求項5』に係る発明によれば、本
願請求項4が奏する効果において、エラストマ材と薬液
との接触面積を必要最小限にとどめることができ、エラ
ストマ材に含有されている不純物の薬液への浸出を殆ど
無視できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンジの第1実施例の縦断面概略図
【図2】ピストン頭部の縦断面概略図
【図3】本発明のシリンジの第2実施例の縦断面概略図
【図4】本発明のシリンジの第3実施例の縦断面概略図
【図5】従来例のシリンジの縦断面概略図
【図6】従来例の問題点を説明する構成説明図
【図7】他の従来例の問題点を説明する構成説明図
【符号の説明】
(A1)(A2)(A3)…シリンジ (1)…シリンダ (2)…ピストン (3)…キャップ (2a)(20a)(21a)…ピストン本体部 (2a1)…ピストン
頭部装着部 (2a3)…頭部当接用フランジ (2b)(20b)(21b)…ピストン頭部 (2b1)…鍔部 (2b3)…筒状胴部 (2b5)…本体部当接用フ
ランジ (2b6)…通孔 (2b11)…環状薄肉
部 (2d)(2d1)…エラストマ材 (t)…薬液注入用細管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を保持するシリンダと該シリ
    ンダ内に往復動自在に挿入されるピストンからなるシリ
    ンジであって、 上記ピストンが、ピストン本体部と、該ピストン本体部
    の先端部に装着されかつシリンダ内壁と液密性を保持し
    て摺動しうる樹脂製のピストン頭部とからなり、 上記ピストン頭部は、シリンダ壁と摺接する鍔部を有す
    ると共に、該鍔部にはシリンダ壁摺接部より内側周囲に
    環状薄肉部が形成されていることを特徴とするシリン
    ジ。
  2. 【請求項2】 環状薄肉部の厚さが0.05〜0.5mm
    である請求項1記載のシリンジ。
  3. 【請求項3】 ピストン頭部が、ポリプロピレン
    樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、環状ポリオレフ
    ィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂から選択され
    る硬質樹脂にて構成されている請求項1又は2に記載の
    シリンジ。
  4. 【請求項4】 ピストン本体部が中空に構成さ
    れ、かつ、ピストン頭部の略中央に薬液注入孔が穿設さ
    れてなり、ピストン本体部とピストン頭部との間にエラ
    ストマ材が液密性を保持するように介設されてなる請求
    項1〜3のいずれかに記載のシリンジ。
  5. 【請求項5】 ピストン頭部とエラストマ材との
    間に軟質樹脂材が介設されてなる請求項4記載のシリン
    ジ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522754A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 ウェスト ファーマシューティカル サービシズ インコーポレイテッド 後装式固定針シリンジ及びそれを有する自動注入装置
US8123724B2 (en) 2004-12-09 2012-02-28 West Pharmaceutical Services Of Delaware, Inc. Auto-injection syringe having vent device
CN109890440A (zh) * 2016-09-15 2019-06-14 艾迪克斯股份公司 用于在一次注射中以控制量分开给药至少两个产品的注射管-连接器装置
CN111135394A (zh) * 2020-01-19 2020-05-12 中国人民解放军总医院第五医学中心 一种无针注射装置

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