JP4594147B2 - シリンジ用外筒、シリンジ、シリンジ用外筒の射出成形用金型およびシリンジ用外筒の製造方法 - Google Patents
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Description
このような射出成形に使用される金型としては、特開平7−100862号公報(特許文献1)には、固定金型22と、この固定金型22に対して進退可能な可動金型23と、固定金型22に設けられ樹脂注入口26と連通するランナー27と、固定金型22に設けられ筒状成形品の外周壁を形成する周面部29および底壁を形成する端面部30有し、周面部と端面部との境界部にランナーと連通するゲート(樹脂注入口)32を有したキャビティ28と、可動金型に設けられ先端部がキャビティの内部に同心的に挿入されるとともに軸方向に進退自在なコア35と、このコア35を軸方向に進退させ、その先端面をキャビティ28の端面部に当接させる第1の位置と先端面をキャビティの端面部から離間させ筒状成形品の底壁空間を形成する第2の位置とに切り替える油圧シリンダ41とから構成したものが記載されている。このような金型を用いて射出成形することにより、注射器のように薄肉で細長い筒状成形品の偏肉を防止することができ、品質の高い成形品を得ることができる。
また、最近では、予め薬剤が充填されたプレフィルドシリンジが使用されている。しかし、ニトログリセリンやシクロスポリンおよびベンゾジアゼピン系薬物などの脂溶性の高い多くの医薬品は各種医薬品容器中で含量低下をおこすことが報告されており、注射液と医療用具との相互作用が問題となっている。
そこで、シリンジ用外筒として、環状ポリオレフィンのような薬剤吸着性の低い樹脂が使用されるようになってきている。しかし、このような薬剤吸着性の低い樹脂は、溶融時における流動性が悪く、射出成形時の樹脂流動性の悪さに起因するウェルド、フローマークなどが形成されることがあった。
(1) 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であって、
前記シリンジ用外筒は、基端部内面に設けられた溝部もしくはリブを備え、かつメルトインデックスが20以下の低流動性樹脂により形成されたものであり、さらに、前記シリンジ用外筒は、前記フランジ部より先端側であり、かつ、前記シリンジ用外筒の前記外筒本体部の全長に対して該外筒本体部の下から3〜25%の長さに対応する位置となる外筒の側面に成形時の溶融樹脂注入ゲート位置を備え、さらに、該外筒の内面には、該溶融樹脂注入ゲート位置に対応する外筒の内面位置から前記溝部もしくは前記リブまで延びる外筒基端側テーパー部が形成されており、かつ、前記外筒基端側テーパー部より先端側かつガスケットの使用時の摺動領域の内面は、実質的にテーパーを持たないほぼ同一内径の円筒状となっているシリンジ用外筒。
(2) 前記溝部もしくは前記リブは、環状溝部または環状リブである上記(1)に記載のシリンジ用外筒。
(3) 前記溶融樹脂注入ゲート位置は、前記シリンジ用外筒の前記外筒本体部の全長に対して該外筒本体部の下から3〜10%の長さに対応する位置となる外筒の側面に位置している上記(1)に記載のシリンジ用外筒。
(4) 前記外筒基端側テーパー部は、基端に向かって拡径するテーパー部である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
(5) 前記外筒基端側テーパー部は、基端に向かって縮径するテーパー部である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
(6) 前記メルトインデックスが20以下の低流動性樹脂は、環状ポリオレフィンである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
(7) 前記外筒基端側テーパー部の勾配の傾きは、前記外筒の中心軸に対して0.3〜2°となるように形成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、該ガスケットの後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子とを備えることを特徴とするシリンジ。
(9) 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であり、かつ、基端部内面に設けられたリブもしくは溝部を備えるシリンジ用外筒の射出成形用金型であって、
前記射出成形用金型は、前記外筒の外側形状を形成するための外側金型部と、該外側金型部内に挿入され、前記外筒の内側形状を形成するためのコアとを備え、
前記外側金型部は、外筒本体部形成部と、ノズル部形成部と、フランジ部形成部と、前記フランジ部形成部より先端側であり、かつ、前記外筒本体部形成部の下から3〜25%の長さに対応する位置に前記外側金型部と前記コア間の空隙に溶融樹脂を注入するための溶融樹脂注入ゲートを備え、前記コアは、前記外側金型部内に挿入した状態において該溶融樹脂注入ゲートより基端側に位置しかつ前記フランジ部形成部より先端側に位置するリブもしくは溝部と、前記溶融樹脂注入ゲート付近から前記リブもしくは前記溝部まで延びるコア基端側テーパー部を備えているシリンジ用外筒の射出成形用金型。
(10) 前記リブもしくは前記溝部は、環状リブもしくは環状溝部である上記(9)に記載のシリンジ用外筒の射出成形金型。
(11) 前記コアの前記基端側テーパー部より先端側は、実質的にテーパーを持たないほぼ同一外径となっている上記(9)または(10)に記載の射出成形用金型。
(12) 前記コア基端側テーパー部は、基端に向かって拡径するテーパー部である上記(9)ないし(11)のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
(13) 前記コア基端側テーパー部は、基端に向かって縮径するテーパー部である上記(9)ないし(11)のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
(14) 前記コア基端側テーパー部の勾配の傾きは、前記コアの軸に対して0.3〜2°となるように形成されている上記(9)ないし(13)のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
(15) 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であり、かつ、基端部内面に設けられた溝部もしくはリブを備えるシリンジ用外筒の製造方法であって、
該製造方法は、前記外筒の外側形状を形成するための外側金型部と、該外側金型部内に挿入され、前記外筒の内側形状を形成するためのコアとを備え、さらに、前記外側金型部として、外筒本体部形成部と、ノズル部形成部と、フランジ部形成部と、前記フランジ部形成部より先端側であり、かつ、前記外筒本体部形成部の下から3〜25%の長さに対応する位置に前記外側金型部と前記コア間の空隙に溶融樹脂を注入するための溶融樹脂注入ゲートを備えるものを用い、前記コアとして、前記外側金型部内に挿入した状態において該溶融樹脂注入ゲートより基端側に位置しかつ前記フランジ部形成部より先端側に位置するリブもしくは溝部と、前記溶融樹脂注入ゲート付近から前記リブもしくは前記溝部まで延びるコア基端側テーパー部を備えるものを用いて、前記射出成形溶融樹脂注入ゲートより溶融樹脂を注入することにより前記シリンジ用外筒を形成するものであるシリンジ用外筒の製造方法。
(16) 前記コアの前記溝部もしくは前記リブは、環状溝部もしくは環状リブである上記(15)に記載のシリンジ用外筒の製造方法。
このシリンジ用外筒によれば、上記のようなゲート位置および溶融樹脂注入ゲート位置に対応する外筒の内面位置から溝部もしくはリブまで延びる外筒基端側テーパー部を備えることにより、均一な肉厚の外筒となり十分な強度を備える。また、特に、シリンジ用外筒の内面に溝部を備えることにより、ガスケットの挿入も容易である。特に、プレフィルドシリンジに用いた場合に、真空打栓によるガスケットの挿入が容易である。
このため、本発明の金型によれば、溶融樹脂注入ゲートから注入された溶融樹脂の流れをコントロールすることができるため、均質な樹脂成形品を製造することができる。
本発明の製造方法によれば、溶融樹脂注入ゲートから注入された溶融樹脂の流れを十分にコントロールすることができるため、均質なシリンジ用外筒を製造することができる。
図1は、本発明の実施例であるシリンジ用外筒の射出成形用金型を部分的に破断した図(外側金型部を破断し、コアを破断しない図)であり、図2は、図1に示す射出成形用金型の基端部付近の部分拡大図であり、図3から図5は、他の実施例の射出成形用金型を説明するための射出成形用金型を部分的に破断した図(外側金型部を破断し、コアを破断しない図)であり、図6は、本発明の実施例であるシリンジの正面図であり、図7は、図6に示すシリンジのシリンジ用外筒の断面図であり、図8は、図7に示すシリンジ用外筒の基端部付近の部分拡大図であり、図9から図11は、他の実施例のシリンジ用外筒を説明するためのシリンジ用外筒の基端部付近の断面図である。
本発明のシリンジ用外筒の射出成形用金型1は、先端に設けられた液体排出口38cと、基端部外面に設けられたフランジ部39と、基端部内面に設けられた溝部42c,59もしくはリブ61,63とを備えるシリンジ用外筒31の射出成形用金型である。射出成形用金型1は、外筒31の外側形状を形成するための外側金型部2(言い換えれば、キャビティ)と、外側金型部2内に挿入され、外筒31の内側形状を形成するためのコア3とを備える。外側金型部2は、外側金型部2のフランジ部形成部9より所定長先端側となる位置より、外側金型部2とコア3間の空隙に溶融樹脂を注入するための溶融樹脂注入ゲート5を備える。コア3は、外側金型2内に挿入した状態において溶融樹脂注入ゲート5より基端側に位置しかつフランジ部形成部9より先端側に位置するリブ13,53もしくは溝部55,57と、溶融樹脂注入ゲート5付近からリブ13,53もしくは溝部55,57まで延びるコア基端側テーパー部7を備えている。
射出成形用金型1は、図1,図2に示すように、外側金型部2、14と、コア3とを備えている。外側金型部内(具体的には、外側金型部2および外側金型部14内)にコア3を挿入することにより外側金型部2の内面とコア3の外面との間にはシリンジ用外筒成形物が成形される空隙10が形成される。
ノズル部形成部8は、本体部形成部4の先端側に設けられ、先端に液体排出口を有するノズル部38の外面形状を形成する部分である。ノズル部形成部8は、本発明の実施例においては、先端側に向かってテーパー状に縮径するように形成され、先端部には、液体排出口38cの形成部8cが設けられ、基端部には、先端側から順にノズル部側係合部38aの形成部8aと、ノズル部側螺合部38bの形成部8bが設けられている。
溶融樹脂注入ゲート5は、シリンジ用外筒31の外筒本体部(外筒胴体部)37の全長に対して本体部37の下から3〜25%、さらには3〜10%の長さに対応する位置に形成されていることが好ましい。
また、外側金型部2には、金型内のエアもしくはガスがスムースに抜けるようにエアベントを設けることが好ましい(図示せず)。また、外側金型部14は、フランジ部形成部12を備えている。フランジ部形成部12は、外筒31のフランジ部39の基端形状を形成する部分である。なお、外側金型部2と外側金型14は、一体に形成されてもよい。また、この例では、外側金型部14は、後述するコア3を挿通するための開口を備えている。
ノズル部形成部11は、本体部形成部6の先端側に形成されノズル部38の内面形状を形成する部分である。
本体部形成部6は、外筒31の外筒本体部37の内面形状を形成する部分である。
本体部形成部6は、図1,図2に示すように、先端側から順に基端側に向かって形成された縮径部6aと、同一外径部6b、基端側拡径テーパー部7、リブ13,53もしくは溝部55,57とを備えている。
また、溶融樹脂注入ゲート5の延長線上の位置もしくはその付近から基端側に向けて基端側拡径テーパー部7が形成されていることにより、溶融樹脂を注入した際に発生するコールドスラッグが流れる方向を規制することができる。
また、コア基端側テーパー部7の軸方向の長さは、2〜10mmであることが好ましい。
また、本体部形成部6に設けられたリブ13は、本体部形成部6の円周上に形成された環状リブ13であることが好ましい。環状リブ13は、本発明の実施例においては、断面が台形状となっている。また、環状リブ13は、断面が略円形状もしくは略楕円形状であってもよい。また、コア3の環状リブ13より基端側は基端側に向かって拡径している。
コアの本体部形成部の基端部外面にリブを備えた金型を用いて作製したシリンジ用外筒の基端部内面には、後述するように溝部が形成される。このようにシリンジ用外筒31の基端部内面に溝部が形成されることにより、ガスケットの挿入、特に、真空打栓が容易となる。リブの形状としては、上述したものに限定されるものではなく、シリンジ外筒にガスケットが挿入容易な溝部形状を作製可能なものであればいかなる形状であってもよい。
コアの本体部形成部の外面に溝部を備えた金型を用いて作製したシリンジ用外筒の基端部内面には、リブが形成される。このようにシリンジ用外筒の基端部内面にリブが形成されることにより、ガスケット35の脱落が防止される。溝部の形状としては、上述したものに限定されるものではなく、シリンジ外筒内面にガスケットの脱落防止のためのリブを作製可能なものであればいかなる形状であってもよい。
基端側拡径テーパー部7を有することにより、溶融樹脂注入ゲート5から注入された溶融樹脂が基端側拡径テーパー部7に沿ってスムースに流れる。そして、リブ13,53もしくは溝部55,57により形成される縮径部分もしくは拡径部分において流れが阻害される現象が抑制される。
さらに、コア3の本体部形成部6の同一外径部は、基端側拡径テーパー部より先端側に基端側拡径テーパー部より極めてなだらかな抜き勾配を有しているものであってもよい。例えば、1/1000〜5/1000程度である。尚、プレフィルドシリンジ用の外筒として用いる場合は、抜き勾配を設定しない(抜き勾配=0)ことが好ましい。
そして、本発明のシリンジ用外筒31は、先端に設けられた液体排出口38cと、基端部外面に設けられたフランジ部39と、基端部内面に設けられた溝部42c,59もしくはリブ61,63とを備え、かつメルトインデックスが20以下の低流動性樹脂により形成されている。さらに、シリンジ用外筒31は、フランジ部39より所定長先端側となる外筒の側面に成形時の溶融樹脂注入ゲート位置44を備え、さらに、外筒31の内面には、溶融樹脂注入ゲート位置44に対応する外筒31の内面位置から溝部42c,59もしくはリブ61,63まで延びる基端側テーパー部42bが形成されている。
具体的には、図6,図7に示すように、外筒31は、外筒本体部37と、外筒本体部37の先端部に設けられたノズル部38と、外筒本体部37の基端部に設けられたフランジ部39とを備える。ノズル部38は、その先端に液体排出口38cを備えている。
また、基端側拡径テーパー部42bが形成されている部分は、図8に示すように、同一内径部42aより若干肉厚部となっていることが好ましい。両者の肉厚差としては、0.01〜0.35mmが好ましい。
本発明のシリンジ用外筒は、上述した構成を備えるため、低流動性樹脂により形成されていても均質な樹脂成形品であり、ウェルド、フローマーク等の外観不良もしくは偏肉を持たないものとなっている。
シールキャップ32は、公知のものを用いることが好ましい。シールキャップ32は、シールキャップ本体33とシール部材34とからなる。
ガスケット35としては、弾性を有するゴム(例えば、ブチルゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴムなど)、合成樹脂(例えば、SBSエラストマー、SEBSエラストマー、ポリオレフィンエラストマーなど)により形成されている。
プランジャー36は、本体部36aと、本体部36aの先端部に設けられた雄ねじ部とを備えている。本体部36aは、断面が十字状で軸方向に延びており、基端部には、押圧用の円盤部36bと、本体部36aの途中に設けられたリブ36cとを備えている。プランジャー36の形成材料としては、外筒31と同様のものを使用することが好ましい。
薬液40としては、生理食塩水、高濃度塩化ナトリウム注射液、ビタミン剤、ミネラル類、抗生物質などの薬液、さらには、粉末状もしくは凍結乾燥薬剤が使用される。
これらを用いて、外筒31のノズル部38にシールキャップ32を取り付ける。そして、シールキャップ32を外筒31のノズル部38に取り付ける。そして、減圧条件下、シリンジ用外筒内に薬液40を充填してガスケット35を基端開口部から打栓する。その後、ガスケット35にプランジャー36を取り付け本発明のシリンジ30の製造が完了する。
図12は、本発明の他の実施例であるシリンジ用外筒の射出成形用金型を部分的に破断した図(外側金型を破断し、コアを破断しない図)であり、図13は、図12に示す射出成形用金型の部分拡大図、図14から図16は、他の実施例の射出成形用金型を説明するための射出成形用金型を部分的に破断した図(外側金型を破断し、コアを破断しない図)、図17は、本発明の他の実施例であるシリンジの正面図であり、図18は、図17に示すシリンジのシリンジ用外筒の断面図であり、図19は、図18のシリンジ用外筒の断面図の基端部付近の部分拡大図であり、図20から図22は、他の実施例のシリンジ用外筒を説明するためのシリンジ用外筒の基端部付近の図である。
射出成形用金型15は、図12,図13に示すように、外側金型部2と、コア16とを備えている。外側金型部2内にコア16を挿入することにより外側金型部2の内面とコア16の外面との間にはシリンジ用外筒成形物が成形される空隙17が形成される。
本体部形成部19は、シリンジ用外筒46の外筒本体部47の内面形状を形成する部分である。
本体部形成部19は、図12,図13に示すように、先端側から順に基端側に向かって形成された縮径部6aと、同一外径部6b、基端側縮径テーパー部25、リブ13,53もしくは溝部55,57とを備えている。
溝部55は、本体部形成部19の外面に設けられた環状溝部であり、溝部57は、本体部形成部19の外面に環状に配置された複数の円弧状溝部である。溝部55,57の断面形状は台形状となっている。また、溝部55,57は、断面が略半楕円形状もしくは略半円形状であってもよい。また、コア16のリブ13,53もしくは溝部55,57より基端側は緩やかに拡径していることが好ましい。
また、コア16の本体部形成部19の同一外径部(基端側縮径テーパー部の先端)の外径は、2〜50mm、特に、5〜40mmであることが好ましい。また、コア16の本体部形成部19のリブ13,53もしくは溝部55,57の先端(リブ13,53もしくは溝部55,57と基端側縮径テーパー部25との交点部分)の外径は、2〜50mm、特に、5〜41mmであることが好ましい。リブ13,53もしくは溝部55,57の形成部の外径は、1.5〜51mm、特に、4.5〜41mmであることが好ましい。さらに、コア16の本体部形成部19の同一外径部は、基端側拡径テーパー部より先端側に基端側拡径テーパー部よりなだらかな抜き勾配を有しているものであってもよい。
そして、本発明のシリンジ用外筒46は、先端に設けられた液体排出口38cと、基端部外面に設けられたフランジ部39と、基端部内面に設けられた環状溝部42cとを備え、かつメルトインデックスが20以下の低流動性樹脂により形成されている。さらに、シリンジ用外筒46は、フランジ部39より所定長先端側となる外筒の側面に成形時の溶融樹脂注入ゲート位置44を備え、さらに、外筒46の内面には、溶融樹脂注入ゲート位置44に対応する外筒46の内面位置から溝部42c,59もしくはリブ61,63まで延びる基端側テーパー部43が形成されている。
本発明のシリンジ用外筒46は、図17,図18に示すように、外筒本体部47と、外筒本体部47の先端側に設けられたノズル部38と、外筒本体部47の基端側に設けられたフランジ部39とを備えている。実施例のシリンジ用外筒46は、透明若しくは半透明材料により、好ましくは、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成されたシリンジ用外筒であることが好ましい。ノズル部38とフランジ部39は上述したとおりであるため上記説明を参照する。
本発明のシリンジ用外筒は、上述した構成を備えるため、低流動性樹脂により形成されていても均質な樹脂成形品であり、ウェルド、フローマーク等の外観不良もしくは偏肉を持たないものとなっている。
2 外側金型部
3 コア
4 外側金型部の外筒本体部形成部
5 溶融樹脂注入ゲート
6 コアの外筒本体部形成部
10 空隙
30 シリンジ
31 シリンジ用外筒
Claims (16)
- 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であって、
前記シリンジ用外筒は、基端部内面に設けられた溝部もしくはリブを備え、かつメルトインデックスが20以下の低流動性樹脂により形成されたものであり、さらに、前記シリンジ用外筒は、前記フランジ部より先端側であり、かつ、前記シリンジ用外筒の前記外筒本体部の全長に対して該外筒本体部の下から3〜25%の長さに対応する位置となる外筒の側面に成形時の溶融樹脂注入ゲート位置を備え、さらに、該外筒の内面には、該溶融樹脂注入ゲート位置に対応する外筒の内面位置から前記溝部もしくは前記リブまで延びる外筒基端側テーパー部が形成されており、かつ、前記外筒基端側テーパー部より先端側かつガスケットの使用時の摺動領域の内面は、実質的にテーパーを持たないほぼ同一内径の円筒状となっていることを特徴とするシリンジ用外筒。 - 前記溝部もしくは前記リブは、環状溝部または環状リブである請求項1に記載のシリンジ用外筒。
- 前記溶融樹脂注入ゲート位置は、前記シリンジ用外筒の前記外筒本体部の全長に対して該外筒本体部の下から3〜10%の長さに対応する位置となる外筒の側面に位置している請求項1に記載のシリンジ用外筒。
- 前記外筒基端側テーパー部は、基端に向かって拡径するテーパー部である請求項1ないし3のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
- 前記外筒基端側テーパー部は、基端に向かって縮径するテーパー部である請求項1ないし3のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
- 前記メルトインデックスが20以下の低流動性樹脂は、環状ポリオレフィンである請求項1ないし5のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
- 前記外筒基端側テーパー部の勾配の傾きは、前記外筒の中心軸に対して0.3〜2°となるように形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のシリンジ用外筒。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載のシリンジ用外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、該ガスケットの後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子とを備えることを特徴とするシリンジ。
- 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であり、かつ、基端部内面に設けられたリブもしくは溝部を備えるシリンジ用外筒の射出成形用金型であって、
前記射出成形用金型は、前記外筒の外側形状を形成するための外側金型部と、該外側金型部内に挿入され、前記外筒の内側形状を形成するためのコアとを備え、
前記外側金型部は、外筒本体部形成部と、ノズル部形成部と、フランジ部形成部と、前記フランジ部形成部より先端側であり、かつ、前記外筒本体部形成部の下から3〜25%の長さに対応する位置に前記外側金型部と前記コア間の空隙に溶融樹脂を注入するための溶融樹脂注入ゲートを備え、前記コアは、前記外側金型部内に挿入した状態において該溶融樹脂注入ゲートより基端側に位置しかつ前記フランジ部形成部より先端側に位置するリブもしくは溝部と、前記溶融樹脂注入ゲート付近から前記リブもしくは前記溝部まで延びるコア基端側テーパー部を備えていることを特徴とするシリンジ用外筒の射出成形用金型。 - 前記リブもしくは前記溝部は、環状リブもしくは環状溝部である請求項9に記載のシリンジ用外筒の射出成形金型。
- 前記コアの前記基端側テーパー部より先端側は、実質的にテーパーを持たないほぼ同一外径となっている請求項9または10に記載の射出成形用金型。
- 前記コア基端側テーパー部は、基端に向かって拡径するテーパー部である請求項9ないし11のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
- 前記コア基端側テーパー部は、基端に向かって縮径するテーパー部である請求項9ないし11のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
- 前記コア基端側テーパー部の勾配の傾きは、前記コアの軸に対して0.3〜2°となるように形成されている請求項9ないし13のいずれかに記載のシリンジ用外筒の射出成形用金型。
- 外筒本体部と、前記外筒本体部の先端部に設けられたノズル部と、前記外筒本体部の基端部に設けられたフランジ部と、前記ノズル部の先端に設けられた液体排出口とを備えるシリンジ用外筒であり、かつ、基端部内面に設けられた溝部もしくはリブを備えるシリンジ用外筒の製造方法であって、
該製造方法は、前記外筒の外側形状を形成するための外側金型部と、該外側金型部内に挿入され、前記外筒の内側形状を形成するためのコアとを備え、さらに、前記外側金型部として、外筒本体部形成部と、ノズル部形成部と、フランジ部形成部と、前記フランジ部形成部より先端側であり、かつ、前記外筒本体部形成部の下から3〜25%の長さに対応する位置に前記外側金型部と前記コア間の空隙に溶融樹脂を注入するための溶融樹脂注入ゲートを備えるものを用い、前記コアとして、前記外側金型部内に挿入した状態において該溶融樹脂注入ゲートより基端側に位置しかつ前記フランジ部形成部より先端側に位置するリブもしくは溝部と、前記溶融樹脂注入ゲート付近から前記リブもしくは前記溝部まで延びるコア基端側テーパー部を備えるものを用いて、前記射出成形溶融樹脂注入ゲートより溶融樹脂を注入することにより前記シリンジ用外筒を形成するものであることを特徴とするシリンジ用外筒の製造方法。 - 前記コアの前記溝部もしくは前記リブは、環状溝部もしくは環状リブである請求項15に記載のシリンジ用外筒の製造方法。
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