JP2010246842A - シリンジ - Google Patents

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Masato Usui
雅人 碓井
Masaki Mizuhashi
政紀 水橋
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Abstract

【課題】ガスケットとバレル内壁の密閉性が高く、且つガスケットの摺動性に優れたシリンジを提供する。
【解決手段】液剤が充填され、先端側のノズル22から薬液16を吐出する樹脂製のバレル12を有する。軸部30を有し、先端がバレル12の開口端14に挿入され、後端の押圧部34に力を加えることによって抜き差しされる樹脂性のプランジャーロッド32を有する。円柱状に形成され、一方の底面に、プランジャーロッド32の軸部30先端の嵌合凸部40が嵌合する嵌合凹部46を有し、側面には、バレル12の内側面に水密に密接して摺動する摺動面20が設けられたガスケット18を備える。ガスケット18は、熱可塑性樹脂により成形され嵌合凹部46を有した硬質層68と、弾性体材料が硬質層68の外壁表面を覆うように一体成形された軟質層66とで構成される。ガスケット18の摺動面20は、軟質層66の外側面に設けられ、摺動方向に分割されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、医薬・医療の分野において用いられるシリンジに関する。
従来から、ゴムなどのシール性を有する弾性体を用いたガスケットをプランジャーロッドの先端に取付け、先端にノズルが形成されたバレル後端の開口部から、ガスケットを挿入する構成を備え、医療用の注射器として使用されるシリンジがある。また、薬液をバレルに充填し、バレルの開口部をプランジャーロッドが取り付けられていないガスケットで塞ぎ、先端のノズルを専用のトップキャップで各々水密に塞ぎ、そのまま保管用の容器として兼用される場合もある。
この種のシリンジは、薬液の安全な保管ため、ガスケットとバレル内壁との密閉性の高さと、注射器として使用する際のガスケットの摺動性の良さが求められ、この2つの性能を両立させることが重要な課題であった。
上記の課題を解決するため、例えば、特許文献1に開示されているように、プラスチックで形成された本体表面の薬液との接触面及び注射筒(バレル)内壁と接触する摺動面の一部にフッ素系熱可塑性エラストマーを一体に形成した注射筒用ピストンであるガスケットがある。特に、特許文献1には、摺動面におけるフッ素系熱可塑性エラストマー部分が占める摺動方向の長さが、摺動面の全長の3〜30%が好ましい旨が記載されている。
また、特許文献2に開示されているように、注射筒本体(バレル)の内壁に摺動する弾性体滑栓のプランジャーロッド先端部が挿入される中空部に、弾性体滑栓より剛性の高い合成樹脂からなるフィルム又は成形品が予め配置されたガスケット(注射器用滑栓)が開示されている。また、このガスケットを用いることによって、ガスケットをプランジャーロッド先端部に取り付けるときに、ガスケットの外形が歪んだり変形したりすることなくねじ込むことができる旨が記載されている。
特開2002−210010号公報 実願平3−5264号公報
しかし、特許文献1の注射筒用のガスケットを用いたシジンジは、ガスケットが取り付けられたプランジャーロッドを比較的強い力で抜き差しすると、プランジャーロッドとバレルとの間のクリアランスによってプランジャーロッドが傾き易いので、ガスケットの外形に歪みや変形が生じガスケットの摺動面とバレル内壁との間の密封性が低下する問題があった。
また、特許文献2のガスケットを用いたシリンジの場合も同様に、ガスケットが取り付けられたプランジャーロッドを比較的強い力で抜き差しすると、ガスケットの外形に歪みや変形が生じ、ガスケットの摺動面とバレル内壁との間の密閉性が低下する問題があった。特に、ガスケットのプランジャーロッド先端部に嵌合する部分の合成樹脂が薄いフィルムで構成されている場合、ガスケットとプランジャーロッドの嵌合部分に強い力を受けると、剛性の高い合成樹脂といえども当初の形状を維持することはできずに変形し、ガスケットがプランジャーロッドから脱落してしまうことがあった。
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、ガスケットとバレル内壁間の気密性が高く、且つガスケットの摺動性に優れたシリンジを提供することを目的とする。
この発明は、円筒状外形を有し、薬液等の液剤が充填され、先端側に形成されたノズルから前記液剤を吐出する樹脂製のバレルと、細長の軸部を有し、その先端が前記バレルの開口端に挿入され、挿入状態で前記開口端から突出した後端の押圧部に力を加えることによって抜き差しされる樹脂性のプランジャーロッドと、円柱状外形を有し、一方の底面に前記プランジャーロッドの前記軸部先端に突設された嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部が形成され、側面に前記バレルの内側面に水密に密接して摺動する摺動面が設けられたガスケットとを備えたシリンジであって、前記ガスケットは、熱可塑性樹脂により成形され前記嵌合凹部が設けられた硬質層と、弾性体材料が前記硬質層の外壁表面を覆うように一体成形された軟質層とで構成され、前記ガスケットの前記摺動面は前記軟質層の外側面に設けられ、前記摺動面は2本以上の環状の溝部によって摺動方向に分割して形成されたシリンジである。
また、前記プランジャーロッドの軸部には、前記バレルの内側面の径よりも僅かに小さい一定の外径を有する円盤状のガイド用リブが、軸方向に互いに離れた位置に複数設けられている。
また、前記バレルは、前記開口端から先端側寄りの位置に、外向きのフランジが一体に設けられている。
また、前記バレルは、前記フランジ先端に、前記フランジの根元の方向に凹んだ位置決め用の切り欠きが設けられている。
また、前記バレルは、前記ノズルを水密に塞ぐトップキャップを備え、前記トップキャップは、弾性材料により成形され前記ノズルに密接して水密に塞ぐ軟質層と、熱可塑性樹脂が前記軟質層の外壁表面を覆うように一体成形された硬質層とで構成されている。
この発明のシリンジは、ガスケットの熱可塑性樹脂の成形体に設けた強固な嵌合凹部がプランジャーロッドの嵌合凸部に嵌合しているので、ガスケットとプランジャーロッドの一体性が高い。また、バレル内側面に当接するガスケットの摺動面は、軟質層による多重の密閉構造を有している。従って、比較的強い力でプランジャーロッドを抜き差ししてプランジャーロッドが傾いたとしても、ガスケットがプランジャーロッドから脱落することなく、且つ、プランジャーロッドの傾きによってガスケットの外形に歪みや変形が生じても、密閉性を確保することができる。
また、プランジャーロッドの軸部に、バレル内側面の内径よりも僅かに小さい一定外径のガイド用リブが、軸方向に離れた位置に複数設けられているので、比較的強い力でプランジャーロッドを抜き差ししても、プランジャーロッドの傾きを小さく抑えることができる
ので、ガスケットの外形に歪みや変形が生じにくく、密閉性の低下が生じにくい。
また、バレルの開口端から離れた位置に設けられ位置決め等に用いられるフランジは、強度が向上しているので、フランジを支持した状態でプランジャーロッドを強い力で抜き差ししても、フランジが破損しにくい。また、プランジャーロッドを抜き差しする力を一定に制御するなどの目的で注射装置に取り付けて使用される場合でも、フランジ先端に形成した位置決め用の切り欠きによって、バレルの回転方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、バレル先端のノズルを水密に塞ぐための部材として、ノズルの吐出口に密接して塞ぐ軟質層と、熱可塑性樹脂が該軟質層の外壁表面を覆うように一体成形された硬質層との2層で構成されたトップキャップを用いることにより、シリンジを保管用容器として使用する場合に、高い密閉性を維持しつつトップキャップの着脱等の取り扱いが容易になるものである。
この発明の一の実施形態のシリンジの保管状態を示す断面図(a)と使用後の状態を示す断面図(b)である。 この実施形態のガスケットを正面から見た部分断面図(a)と右側面図(b)である。 この実施形態のトップキャップを正面から見た部分断面図(a)、左側面図(b)及び右側面図(c)である。 この実施形態のオーバーキャップを正面から見た部分断面図(a)、左側面図(b)及び右側面図(c)である。 この実施形態のバレルを正面から見た部分断面図(a)と右側面図(b)である。 この実施形態のプランジャーロッドの正面図(a)、左側面図(b)及び右側面図(c)である。
以下、この発明の一実施形態のシリンジ10について、図面に基づいて説明する。シリンジ10は、医療用の注射器及び薬液の保管容器として使用されるものである。薬液を保管するときは、図1(a)に示すように、円筒状の外形を有するバレル12の後側の開口端14から薬液16が充填された後、開口端14から略円柱外形のガスケット18が挿入され、ガスケット18側面に設けられた摺動面20がバレル12の内側面に水密に当接して、バレル12内を密閉する。一方、バレル12の先端側に設けられ薬液16を吐出するノズル22は、トップキャップ24を被せて密閉され、さらにトップキャップ24の外側に、取り扱い時の保護用のオーバーキャップ26が装着される。
また、シリンジ10を注射器として使用しノズル22から薬液を吐出させるときは、図1(b)に示すように、細長の軸部30を有するプランジャーロッド32を使用する。プランジャーロッド32は、先端側がバレル12の開口端14から挿入されてガスケット18と一体に連結し、軸部30後端の押圧部34がバレル12の開口端14から突出する。一方、バレル12の先端側はオーバーキャップ26とトップキャップ24が取り外され、ノズル22に薬液搬送用のホース36が取り付けられる。そして、バレル12を固定した状態でプランジャーロッド32の押圧部34を所定の力で押圧すると、ガスケット18がバレル12の内側面に密接した状態で前方(図1の左方向)に摺動し、その圧力によって薬液16がノズル22から吐出する。
次に、シリンジ10を構成する各部材について、図2〜図6に基づいて詳しく説明する。ガスケット18は、図2に示すように、略円柱外形を有し、一方の底面側に薬液との接触面である薬液面42が形成され、中心から側方の摺動面20にかけて緩やかに傾斜している。また、薬液面42と対向するもう一方の底面44の中央には、後述するプランジャーロッド32先端の嵌合凸部40が挿入されて嵌合する嵌合凹部46が円形に掘り込まれて設けられている。そして、嵌合凹部46の内壁には雌ネジ部46aが形成されている。また、筒状の摺動面20は、環状に形成され互いに平行な2本の溝部48によって3分割され、摺動方向に3つの摺動面20a,20b,20cが形成されている。そして、中央の摺動面20bが、相対的に幅狭であり溝部48の幅よりも細く形成されている。
また、ガスケット18は、熱可塑性樹脂により成形され相対的に固い硬質層50を備え、さらに硬質層50の外壁表面全体を覆うように相対的に柔らかい弾性体材料が成形された軟質層52が配置された2層構造を有している。そして、上記の嵌合凹部46と雌ネジ部46aは硬質層50により形成され、薬液面42と摺動面20は軟質層52により形成されている。
なお、軟質層40は、薬液面42が接触する薬液16の品質に影響しないこと、摺動面20がバレル12内側面と当接したときの密閉性、滑らかに摺動可能な低摩擦性等の観点から、フッ素系ゴムやシリコーン樹脂が好ましい。また、硬質層38の熱可塑性樹脂としては、軟質層40との密着性や一体成形の容易性等の観点から、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネイト(PC)、ポリプロピレン(PP)を選択することが好ましい。
硬質層50の外側に軟質層52を形成する方法は、いわゆる二色成型技術を用いる。例えば、硬質層50を熱可塑性樹脂により成型した後、その熱可塑性樹脂の軟化点温度よりも低い温度で硬化する熱硬化性の弾性材料である樹脂を用いて軟質層52を成形する。また、この逆でも良く、軟質層52を成型した後、軟質層52の耐熱温度以下の温度で軟化する熱可塑性樹脂を用いて硬質層50を成型しても良い。
トップキャップ24は、図3に示すように、略円柱状の外形を有し、一方の底面56と対向する底面の中央に、バレル12のノズル22が挿入されるノズル挿入部58が、円形に掘り込まれて設けられている。ノズル挿入部58の底部分には、ノズル22先端に当接して吐出口を覆うように密閉する中央凹部60が形成されている。また、略円柱外形の側面62には、円柱の高さ方向に形成された複数本の筋状溝64が互いに均等な間隔で設けられている。
また、トップキャップ24は、弾性体材料により成形された軟質層66を備え、さらに軟質層66の外壁表面全体を覆うように熱可塑性樹脂により成形された硬質層68が配置された2層構造を有し、上述した二色成形技術を用いて形成されている。そして、上記のノズル挿入部56及び中央凹部58は軟質層66により形成され、人の手によって取り扱われる底面56及び側面62は硬質層68により形成されている。ここでは、軟質層66の弾性体材料は、ガスケット18の軟質層40と同様の素材が選択され、硬質層68の熱可塑性樹脂も、ガスケット18の硬質層38と同様の素材が選択されている。
オーバーキャップ26は、図4に示すように、略円筒状に形成された側壁72を有し、側壁72の一方の端部を底板74で塞いだ形状を有する樹脂製のキャップである。内側の開口部には、圧入されるバレル12の筒状部分の先端縁を保持するするバレル保持部76が設けられている。側壁72の外側の面には、円筒外形の高さ方向に形成された複数本の筋状突起78が互いに均等な間隔で設けられ、着脱する際に滑り止めの働きをする。また、底面74の外側の面には、表示用のラベル80が貼り付けられている。
バレル12は、樹脂成形によって形成されており、上述したように、円筒状の外形を有し、後側には開口端14が、先端には薬液吐出用のノズル22が設けられている。また、図5に示すように、開口端14から一定の距離だけノズル22に近づいた位置の外側面に、フランジ82が形成されている。この一定の距離は、フランジ82の倒れ方向の強度を向上させる目的で設定されるもので、少なくともフランジ82の厚み分程度の距離に設定すればよい。また、フランジ82の先端2箇所に、フランジ82の根元の方向に凹んだ切り欠き84が設けられている。この切り欠き84は、ノズル22から薬液を吐出させる動作を行う注射装置に取り付けるときに位置決め用に使用されるものであり、ここでは軸対称の2箇所に設けられ、特にバレル12の回転方向の固定を容易する。
バレル12を構成する樹脂は、水蒸気透過性が低く、外圧や熱に対する形状安定性に優れた素材であること好ましく、例えば、ほぼ透明な樹脂であるシクロオレフィンコポリマー(COC)やシクロオレフィンポリマー(COP)、比較的耐熱性の高い樹脂であるポリプロピレン(PP)等が選択されている。
プランジャーロッド32は、樹脂成形によって形成されており、上述したように、軸部30と、軸部30の後端に設けられた押圧部34と、軸部30の先端に設けられた嵌合凸部40を備えている。軸部30は、細長で幅Dを有する2枚の板材を幅Dの中心を通る同軸線に沿って互いに交差させた十字状の断面形状に形成されている。この板材の幅Dは、バレル12の内側面の径よりも僅かに小さい。
また、軸部30の先端側に、直径が軸部30の幅Dと等しい円盤形のガイド用リブ86a,86bが一体に設けられ、上記の同軸線に沿って一定の距離を空けて平行に配置されている。この2つのガイド用リブ86a,86bは、プランジャーロッド32がバレル12内を抜き差しされるときに、軸部30が傾くのを抑制するガイドの働きをする。
軸部30の中央部とやや後端よりの位置に、軸部30の幅Dよりも小さい直径を有する円盤形の補強用リブ88a,88bが設けられ、上記の同軸線に沿って平行に配置されている。この補強用リブ88a,88bは、軸部30を構成する2枚の板材と一体に形成され、断面十字形の構造を補強する働きする。また、ガイド用リブ86a,86bは、補強用リブとしても機能し、軸部30を補強する役割も果たす。さらに、同軸線を挟むように平行に配置され、且つガイド用リブ86aとガイド用リブ86bの対向する面同士を繋ぐように配置され、ガイド用リブ86a,86bの倒れを防止する一対の補強用リブ90a,90bが設けられている。
さらに、軸部30の先端に設けられた嵌合凸部40の側面には、ガスケット18の嵌合凹部46の雌ネジ部46aに螺合可能な雄ネジ部40aが形成されている。
また、プランジャーロッド32は軽量化を重視した構造設計がなされており、軸部30の中央から後端側の部分を細くしてあるが、複数の補強リブ等によって自身の強度は十分に確保されている。同様に、嵌合凸部40の内部も中空にして軽量化を図りつつ、十字形の梁92で強度を確保する工夫がなされている。
以上説明した部品によって構成されたシリンジ10は、次のような優れた点を有している。ガスケット18は、図1(b)に示すように、熱可塑性樹脂の成形体である硬質層50に形成された強固な嵌合凹部40を介してプランジャーロッド32の嵌合凸部46に緊密に螺合して取り付けられるので、プランジャーロッド32に対する一体性が高い。また、バレル12の内側面に当接するピストン18の摺動面20は、シール性の高い軟質層52に形成され、摺動方向の異なる位置に設けられた3つの摺動面20a,20b,20cに分割して形成されているので、いわゆる3重の密閉構造となる。従って、比較的強い力でロッド32が抜き差しすることによってプランジャーロッド32が傾いたとしても、ガスケット18がプランジャーロッド32から脱落することなく、また、ガスケット18の外形に歪や変形が生じても、少なくとも摺動面20a,20b,20cのいずれかによって密閉性を確保することができる。また、製造時に溝部48の幅を変更することによって、摺動性の調整も容易に行うことができる。
また、ロッド32の軸部30に、バレル12内側面の内径よりも僅かに小さい一定外径を有するガイド用リブ86a,86bが軸方向に離れた位置に設けられているので、比較的強い力でプランジャーロッド32を抜き差ししてもプランジャーロッド32の傾きを小さく抑えることができ、ガスケット18の外形に歪や変形が生じにくくなり密閉性が低下しない。
また、バレル12の開口端14周縁に設けられたフランジ82が、開口端14からやや前端側に寄った位置の外側面の周縁に設けられているので、フランジ82の強度が向上し、フランジ82を支持・固定した状態でプランジャーロッド34を強く抜き差ししても、フランジ82が破損しにくい。また、プランジャーロッド34を抜き差しする力を一定に制御するなどの目的で注射装置に取り付けて使用される場合でも、フランジ82先端に形成した位置決め用の切り欠き82aによって、特にバレル12の回転方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、保管用の容器としても使用可能なシリンジ10は、内部に薬液16を充填した図1(a)の状態で、高圧蒸気滅菌処理が施される場合がある。従って、トップキャップ24は、当該高圧が加わった環境下でもバレル12先端のノズル22を水密に塞ぐことができるように、中央凹部60の内壁が比較的小径に形成され、ノズル22の吐出口付近に強く密接するように取り付けられる。しかし、トップキャップ24は、内側部分の中央凹部60がシール性の高い軟質層66で形成され、手で取り扱う外側部分は形状安定性のよい硬質層68で形成されているので、トップキャップ24の装着状態の水密性が容易に確保され、且つ手で着脱するときにはトップキャップ24がつぶれにくく、ハンドリングもよい。また、側面62に筋状溝64が設けられているので、トップキャップ24をひねりながら着脱するときに滑り止めの働きをする。従って、保管容器として使用したときに使い勝手のよいシリンジを構成することができる。
なお、この発明のシリンジは、上記実施形態に限定されるものではなく、ガスケットの摺動面を4つ以上に分割してもよい。例えば、内径の大きなバレルを有する大型のシリンジの場合は、密閉性を確保するためガスケットの摺動面が摺動方向に長いものを使用することになる。そのときは、摺動面を3本以上の溝部によって分割すれば、多重の密閉構造による優れた密閉性を維持しつつ、溝部の幅を調整することによって滑らかな摺動性も得ることができる。
また、プランジャーロッドは、前記バレルの内側面の径よりも僅かに小さい一定の外径を有する円盤状のガイド用リブが軸方向に互いに離れた位置に複数設けられた軸部を備えたものであればよく、軸部の構造は、例えば、細い棒形状、角柱形状、円筒形状、角筒形状など自由に設定することができる。
10 シリンジ
12 バレル
14 開口端
16 薬液
18 ガスケット
20,20a,20b,20c 摺動面
22 ノズル
24 トップキャップ
26 オーバーキャップ
30 軸部
32 プランジャーロッド
34 押圧部
40 嵌合凸部
40a 雄ネジ部
46 嵌合凹部
46a 雌ネジ部
48 溝部
50 硬質層
52 軟質層
58 ノズル挿入部
66 軟質層
68 硬質層
82 フランジ
84 切り欠き
86a,86b ガイド用リブ
88a,88b,90a,90b 補強用リブ

Claims (5)

  1. 円筒状外形を有し、液剤が充填され、先端側に形成されたノズルから前記液剤を吐出する樹脂製のバレルと、
    細長の軸部を有し、その先端が前記バレルの開口端に挿入され、挿入状態で前記開口端から突出した後端の押圧部に力を加えることによって抜き差しされる樹脂性のプランジャーロッドと、
    円柱状外形を有し、一方の底面に前記プランジャーロッドの前記軸部先端に突設された嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部が形成され、側面に前記バレルの内側面に水密に密接して摺動する摺動面が設けられたガスケットとを備えた注射器において、
    前記ガスケットは、熱可塑性樹脂が成形され前記嵌合凹部が設けられた硬質層と、弾性体材料が前記硬質層の外壁表面を覆うように一体成形された軟質層とで構成され、
    前記ガスケットの前記摺動面は前記軟質層の外側面に設けられ、前記摺動面は2本以上の環状の溝部によって摺動方向に分割して形成されたことを特徴とするシリンジ。
  2. 前記プランジャーロッドの軸部には、前記バレルの内側面の径よりも僅かに小さい一定の外径を有する円盤状のガイド用リブが、軸方向に互いに離れた位置に複数設けられたことを特徴とする請求項1記載のシリンジ。
  3. 前記バレルは、前記開口端から先端側寄りの位置に、外向きのフランジが一体に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のシリンジ。
  4. 前記バレルは、前記フランジ先端に、前記フランジの根元の方向に凹んだ位置決め用の切り欠きが設けられたことを特徴とする請求項3記載のシリンジ。
  5. 前記バレルは、前記ノズルを水密に塞ぐトップキャップを備え、
    前記トップキャップは、弾性材料により成形され前記ノズルに密接して水密に塞ぐ軟質層と、熱可塑性樹脂が前記軟質層の外壁表面を覆うように一体成形された硬質層とで構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のシリンジ。
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