JP2002210010A - 注射筒用ピストン - Google Patents

注射筒用ピストン

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JP2002210010A
JP2002210010A JP2001072985A JP2001072985A JP2002210010A JP 2002210010 A JP2002210010 A JP 2002210010A JP 2001072985 A JP2001072985 A JP 2001072985A JP 2001072985 A JP2001072985 A JP 2001072985A JP 2002210010 A JP2002210010 A JP 2002210010A
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piston
fluorine
injection cylinder
syringe
elastomer
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JP2001072985A
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Morihiro Sudo
盛皓 須藤
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Daikyo Seiko Ltd
Original Assignee
Daikyo Seiko Ltd
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    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のフッ素系ポリマーで被覆した非フッ素
系エラストマー製ピストンの有する耐溶出性及び慴動性
を活かし、更に、相反する特性である密封度と慴動性を
高度にバランスさせたプラスチック製注射筒用ピストン
及びプレフィルド注射筒を提供すること。 【解決手段】 プラスチック製注射筒に用いるピストン
において、その薬剤接触面及びそれに隣接する摺動面の
少なくとも一部、又は摺動面の少なくとも一部が、少な
くとも1種のエラストマー鎖セグメントと少なくとも1
種の非エラストマー鎖セグメントとからなり、エラスト
マー鎖及び非エラストマー鎖の少なくとも一方はフッソ
含有鎖であるフッ素系熱可塑性エラストマーを基材とし
て形成されていることを特徴とする注射筒のピストン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、医療分野に
おいて薬剤を人体及び動物に投与する際に用いられる、
注射筒用ピストン(密栓又は滑栓)及び該注射筒用ピス
トンを用いて薬剤を注射筒(兼容器)に密封する容器兼
注射筒に関する。
【0002】
【従来の技術】薬剤を注射筒(兼容器)に密封した容器
兼注射筒(プレフィルド注射筒(pre-filled syringe)
と称されることもある。予め薬剤等が注射筒内に充填さ
れて開口上下端部は通常ゴム栓等で密封されている。使
用に際しては、下端部のゴム栓(注射筒用ピストン)に
押棒を螺合させ、ピストンを摺動させる。)は、緊急時
でも薬剤を誤用することなく正確な量が投与できるこ
と、薬品を移し替える操作がなく、微生物汚染を回避し
易く衛生性が高いこと、操作が簡単であること等の種々
の利点があることから、近年、医療現場における治療の
効率化及び細菌汚染防止の観点から多用されている。
【0003】容器兼注射筒は、上記のように使用に際し
ては便利であるが、保管時には高い密封性が要求され、
薬剤投与時にはピストン(密封栓、密栓、あるいは滑栓
と称される。)を滑らかに慴動させる必要があり、ピス
トンには密封性と慴動性という相反する機能が要求され
る。
【0004】通常の注射筒及び容器兼注射筒は、典型的
な形状を図3に示すが、形状は全く同じであり、違いは
注射筒に予め薬剤と上端部の注射針を取り付ける薬剤吐
出部、下端部のフランジ部から構成される(a)。注射
筒では、使用に際してはプラスチック製注射筒2内の空
気を排出し、薬剤吐出部に取り付けた注射針をバイアル
等に差し込んで薬剤を注射筒内に吸引して使用する
(b:注射針は不図示。吸引前の状態を示す。)。
【0005】一方、注射筒兼容器では、予め薬剤が充填
され、薬剤吐出部にはキャップを被せ、下端部には注射
筒用ピストンを挿入して密封される(c)。使用に際し
ては注射筒用ピストンに押棒を螺合させ、注射筒用ピス
トンを摺動させて薬剤を人体等に投与する。(c)は注
射筒が一つの部屋となっている場合であるが、注射筒が
注射筒用ピストンの一種である中栓で複数の部屋に仕切
られているものもある。(d)は1個の中栓で注射筒が
2つの部屋に分割され、一方に薬剤が、他方に固剤又は
薬剤が充填されている例である。この例では固剤が充填
されている。注射筒の内面にはバイパスが形成されてい
る。この部分は注射筒の全周又はその一部が、中栓の直
径より大きく作られおり、下方部の注射筒用ピストンに
螺合させた押し棒でピストンを摺動させて中栓をバイパ
スまで押し上げると、バイパスを経由して薬剤が上部の
部屋に流入し、固剤は溶解する。この薬剤が人体等に投
与される。本発明の注射筒用ピストンには上記の中栓も
含まれる。
【0006】容器兼注射筒のピストンとしては、従来か
らブチルゴム等の非フッ素系エラストマーから形成され
たものが一般的に使用されている。しかしながら、この
ようなピストンでは注射筒との慴動抵抗が大きく、ピス
トン表面にシリコンオイルを塗布して密封性と慴動性を
両立させていたが、シリコンオイルの人体への悪影響や
シリコンオイルが薬剤の力価を低下させることがあり、
現在ではシリコンオイルの使用は問題となっている。
又、ピストンは薬剤と接触するためにピストン中の可溶
性成分が薬剤中に溶出する恐れがある。
【0007】上記のような問題を解消すべく本出願人
は、表面にポリテトラフロオロエチレン(PTFE)フ
ィルムをラミネート(被覆)した注射筒用滑栓(特願昭
61−243122号「積層した注射筒用滑栓」)を提
案及び実用化し、又、更なる改良として特定な表面荒さ
のPTFEフィルムをラミネートした注射筒用密栓及び
プレフィルド注射筒(特願平10−314305号「注
射筒用密栓及びプレフィルド注射筒」)等を提案した。
【0008】ところが、液性を低表面張力に調製したあ
る種のワクチン製剤や懸濁製剤等の高力価の注射薬剤を
製剤に使用する小容量のプラスチック製プレフィルド注
射筒のピストンとして、上記のフッ素系ポリマーフィル
ムをラミネートした慴動性及び耐溶出性に優れたエラス
トマー製注射筒用ピストンを薬剤の特性に適合した充分
な密封性を発現させる嵌合条件(例えば、注射筒用ピス
トンの圧縮率が10%となるような)で製造すると、通
常の嵌合条件(ピストン摺動部(ピストンの形状がテー
パー付き円筒状等の外形が一様でない場合には、最大外
形部の)の圧縮率が5%以下)で製造した上記のエラス
トマー製注射筒用ピストンに比べて密封性は一層良好と
なるものの慴動抵抗は更に高くなり、使用に難が見られ
た。又、非フッソ系エラストマーへのフッ素系ポリマー
フィルムのラミネートは、フッ素系ポリマーフィルムに
接着性を付与するために煩雑な表面処理を行うことから
該フィルムはコストが高く、又、非フッソ系エラストマ
ー表面への均一なラミネートには煩雑な工程を要する、
問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造が容
易で、従来のフッ素系ポリマーフィルムをラミネートし
た非フッ素系エラストマー製注射筒用ピストンの有する
耐溶出性及び慴動性を活かし、更に、相反する特性であ
る密封度と慴動性を高度にバランスさせたプラスチック
製注射筒用ピストン及び容器兼用注射筒を提供すること
である。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討し
た結果、ある種のフッ素系熱可塑性エラストマーでピス
トンの薬剤と接触する面及び慴動面の少なくとも一部を
形成することで、製造が容易で、耐溶出性が付与される
とともに、密封度と慴動性を高度にバランスさせること
ができることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
プラスチック製注射筒に用いるピストンにおいて、その
薬剤と接触する面及びそれに隣接する慴動面の少なくと
も一部、又は摺動面の少なくとも一部が、少なくとも1
種のエラストマー鎖セグメントと少なくとも1種の非エ
ラストマー鎖セグメントとからなり、エラストマー鎖及
び非エラストマー鎖の少なくとも一方はフッ素含有鎖で
あるフッ素系熱可塑性エラストマーを基材として形成さ
れていることを特徴とする注射筒用ピストン及びプラス
チック製注射筒と上記ピストンとの組み合わせからなる
キット製剤用容器が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。従来の注射筒用ピストン
は、例えば図1に示すように、円筒状(a、c、h)、
テーパー付き円筒状(b、d、f、g)やその他(e)
の種々の形状を有し、その先端部を薬剤接触面、周面の
全体又は一部を摺動面とし、下端部にはピストン押棒
(プランジャーロッド)を螺合させる螺旋溝のある孔
(プランジャーロッド螺合孔)が形成されている。又、
ピストン底部にプランジャーロッドに螺合させる雄螺子
を形成したもの(i)もある。この場合のピストンの形
状も上記同様種々のものがある。
【0012】本発明の注射筒用ピストン(以下では単に
ピストンと称することがある。)も形状は従来のピスト
ンと同様であり、特に限定されない。本発明のピストン
には、図1に例示するようなピストン全体が熱可塑性フ
ッ素系ゴムを基材として形成されたもの(第1のピスト
ン)と、図2に例示するようなピストンの本体はプラス
チックで形成され、その薬剤と接触する面及びそれに隣
接する慴動部の少なくとも一部が熱可塑性フッ素系ゴム
を基材として形成されたもの(第2のピストン)とが含
まれる。更に、第1及び第2のピストンには図3の
(d)に例示するような容器兼注射筒で使用される前記
の中栓も含まれる。この中栓の第2のピストンの例を図
4に示す。
【0013】ピストン全体が熱可塑性フッ素系ゴムを基
材として形成された第1のピストンは、従来のブチルゴ
ム等の非フッ素系エラストマーを基材とするピストンと
同様にして製造される。一方、プラスチック製ピストン
本体の上記の部分を熱可塑性フッ素系ゴムを基材として
形成された第2のピストンは、例えば、予め形成した上
記のエラストマー部分を載置した金型に溶融プラスチッ
クを射出する又は予め形成したプラスチック製ピストン
本体を載置した金型に熱可塑性フッ素系ゴムを射出する
インサート成形等の公知の方法で一体に形成される。
【0014】本発明で使用されるフッ素系熱可塑性エラ
ストマーは、少なくとも1種のエラストマー鎖セグメン
トと少なくとも1種の非エラストマー鎖セグメントとか
らなり、上記の2種の鎖の少なくとも一方はフッ素含有
鎖である熱可塑性のフッ素含有ブロックコポリマーであ
る。非エラストマー鎖は、樹脂状又は結晶性の分子鎖で
あり、エラストマー鎖の架橋点として作用し、未架橋状
態のフッ素系熱可塑性エラストマー製ピストンの製造及
び使用を可能とする。
【0015】上記のフッ素系熱可塑性エラストマーは、
例えば、特開昭53−3495号公報に記載されている
ラジカル重合(ラジカル発生源:紫外線照射あるいは
3,5,6−トリクロロパーフルオロヘキサノイルパー
オキサイド等のラジカル重合開始剤)するに際し、重合
系に炭素と結合したヨウ素を有する一般式XInで表さ
れるアイオダイド化合物(Xはフルオロ炭化水素基、ク
ロロフルオロ炭化水素基等、nは1以上の整数であり、
例えば、パーフルオロイソプロピルアイオダイド、1,
3−ジヨウドパーフルオロ−n−プロパン等)とラジカ
ル重合させる所定量の単量体又は単量体混合物を仕込ん
で重合を行い、前記アイオダイド化合物の炭素−ヨウ素
結合間に重合体鎖セグメントAを形成させた後、単量体
又は単量体混合物を新たな単量体又は単量体混合物で置
換して重合を行って重合体鎖セグメントAに連結した重
合体鎖セグメントBを上記結合間に逐次形成させる方法
によって得られる下記の一般式で表される少なくとも2
種の重合体鎖セグメント(一方はエラストマー鎖セグメ
ント、他方は非エラストマー鎖セグメントであり、少な
くとも一方はフッ素含有鎖セグメントである)を有する
重合体である。 X〔(A−B−・・・・)I〕n (式中Xはアイオダイド化合物から少なくとも1個のヨ
ウ素Iを除いた残基、nはXの結合手の数を表す。)
【0016】上記の各重合体鎖セグメントを形成するラ
ジカル重合性単量体としては、例えば、テトラフルオロ
エチレン(TFE)、トリフルオロエチレン、ビニリデ
ンフルオライド(VDF)、ビニルフルオライド、クロ
ロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン
(HFP)、ペンタフルオロプロピレン(PHP)等の
フルオロオレフィン類、パーフルオロメチルビニルエー
テル(PFMVE)等のパーフルオロアルキルビニルエ
ーテル(アルキル基の炭素数1〜3程度)類等のフッ素
系単量体が挙げられる。これらの単量体は1種又は2種
以上を組み合わせて使用することができる。又、これら
のフッ素系単量体と共重合可能なエチレン(E)、プロ
ピレン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル等の非フッ
素系単量体の少なくとも1種を更に共重合させることも
できる。
【0017】これらの単量体を用いたエラストマー鎖セ
グメントを構成する重合体としては、例えば、VDF/
HFP又はPFP/TFE(モル比 45〜90:5〜
50:0〜35)共重合体、PFMVE/TFE/VD
F(モル比 15〜75:0〜85:0〜85)共重合
体等が挙げられる。これらの共重合体の分子量は、通
常、30,000〜1,200,000程度である。
又、非エラストマー鎖セグメントを構成する重合体とし
ては、例えば、VDF/TFE(モル比 0〜100:
0〜100)(共)重合体、E/TFE/HFP及び/
又はPFMVE(モル比 40〜60:60〜40:0
〜30)共重合体等が挙げられる。これらの共重合体の
分子量は、通常、3,000〜400,000程度であ
る。
【0018】本発明で使用するフッ素系熱可塑性エラス
トマーとしては、上記の如きエラストマー鎖セグメント
を40〜95重量%、非エラストマー鎖セグメントを5
〜60重量%の割合で有するものが好ましい。耐圧縮歪
み性の観点から更に好ましくは、非エラストマー鎖セグ
メント−エラストマー鎖セグメント−非エラストマー鎖
セグメントの構造を有し、両鎖セグメントがともにフッ
素含有鎖セグメントであり、曲げ弾性率が200MPa
以下のものである。このようなフッ素系熱可塑性エラス
トマーは、ダイエルサーモプラスチックT−530、T
−630(ダイキン工業社製)、THV500、500
G(住友スリーエム社製)等が市販されており、容易に
入手することができる。
【0019】本発明の第1のピストンは、上記のフッ素
系熱可塑性エラストマーを基材として形成されたもの
で、製造方法は従来のブチルゴム等の非フッ素含有エラ
ストマーを基材とするピストンの製造方法を用いること
ができ、特に制限されない。その際、ピストンを架橋剤
を使用せずに未架橋で製造することが好ましく、例え
ば、上記のフッ素系熱可塑性エラストマーに、従来の非
フッ素含有エラストマー製のピストンの製造に使用され
ている着色剤、充填剤等の添加剤を必要に応じて配合
し、これらを混練して調製した組成物を、モールド成形
や射出成形等の従来公知の方法でピストンに成形するこ
とにより製造される。尚、本発明の第1のピストンは、
上記のフッ素系熱可塑性エラストマーの架橋物からも形
成することもできる。耐溶出性の観点からは、架橋剤を
使用せずに、上記の未架橋のピストンに電子線やγ線等
の電離放射線を照射して架橋することが適している。勿
論、該エラストマーに上記の着色剤や充填剤に加えてフ
ッ素系ゴムで従来から使用されている公知の架橋剤やそ
の他の添加剤を加えて架橋して製造することもできる。
【0020】本発明の第2のピストンは、本体がプラス
チックで形成され、その薬剤接触面とそれに隣接する又
は隣接しない慴動部の少なくとも一部が、上記の熱可塑
性フッ素系エラストマーを基材として形成されたもので
ある。この場合のピストンの形状は前記の第1のピスト
ンの場合と同じであるが、図2及び図4に例示するよう
にプラスチックで形成したピストン本体1と薬剤接触面
及びそれに隣接した慴動面の少なくとも一部、又は慴動
面の少なくとも一部を熱可塑性フッ素系エラストマーで
形成した部分2とが一体に形成された構造を有してい
る。図2の(a)及び(b)は薬剤接触面及びそれに隣
接した慴動部の一部を含むブロック全体2が上記の熱可
塑性フッ素系エラストマーで形成された場合であり、
(c)はピストン本体1の薬剤接触面とそれに隣接する
摺動部の摺動面の一部(以下では表面部分2と称する)
とが上記の熱可塑性フッ素系エラストマーで形成された
場合であり、(d)は薬剤接触面に隣接する又は隣接し
ない摺動部の摺動面の一部が上記の熱可塑性フッ素系エ
ラストマーで帯状に形成された場合(以下では帯状摺動
面2と称する。)であり、いずれの場合もこれらの部分
とプラスチック製ピストン本体とは一体に形成される。
図4の例はこの(d)の場合と同じ例である。
【0021】図2の(a)〜(d)及び図4のいずれの
場合においても、上記のブロック全体2、表面部分2及
び帯状摺動面2の摺動部の長さL2は、ピストンの全摺
動部の長さL1の少なくとも1%は気密性の点から必要
であり、好ましくはL1の3〜30%、更に好ましくは
3〜20%である。一方、いずれの場合も、フッ素系熱
可塑性エラストマーからなる摺動部の外径(ピストンが
テーパー付き円筒状や摺動部が一様に形成されていない
場合(例えば図1の(e)の如き)は最大直径)D
2は、気密性の点から注射筒の内径の1.0〜1.1倍
が好ましく、更に好ましくは1.05〜1.0倍であ
る。又、表面部分2及び帯状摺動面2における厚さは、
製造上支障がなく、帯状摺動面2においては気密性が確
保される厚さであれば特に限定されないが、摺動部の直
径又は最大直径D1の30%以下が好ましく、更に好ま
しくは5〜15%である。尚、D1、2及びL1、L
2は、それぞれ図2及び図4に示す長さである。又、帯
状摺動面2の形成箇所は、摺動部の上方部、中央部又は
下方部の任意の箇所でよく、特に限定されない。
【0022】本発明で使用されるプラスチックとして
は、摩擦係数が小さく、成形時にフッ素系熱可塑性エラ
ストマーと容易に加熱接着するプラスチックが好まし
く、例えば、フッ素含有熱可塑性樹脂、高密度ポリエチ
レン、超高分子量ポリエチレン等が挙げられるが、上記
の熱可塑性フッ素系エラストマーとの加熱接着性を考慮
するとフッ素含有熱可塑性樹脂が特に好ましい。
【0023】フッ素含有熱可塑性樹脂としては、例え
ば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、
ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(P
VF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン
(ECTFE)等の含フッ素モノマーを含む重合体やポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体等のポリオレフィン系重合体のフッ素化物、フル
オロアルキル化物等の熱可塑性フッ素系樹脂が挙げられ
る。
【0024】プラスチック製ピストン本体1と前記のブ
ロック全体2、表面部分2又は帯状摺動面2とを一体に
形成する成形方法は、特に限定されないが、例えば、従
来の非フッ素系エラストマーを用いた従来公知のピスト
ン製造方法で予め形成した上記の熱可塑性フッ素系エラ
ストマーを基材とする前記のブロック全体2、表面部分
2又は帯状摺動面2からなるピストンの一部をピストン
本体1製造用金型内に載置し、プラスチックをこの金型
内に射出するインサート成形方法(方法1)が好ましい
方法として挙げられる。このような射出成形による方法
は、前記のブロック全体又は表面部分2とプラスチック
本体との良好な接着が得られ、両者を一体化することが
できるので好ましい方法である。特に、エラストマーと
プラスチックがともにフッ素含有ポリマーである場合に
は、両者を極めて良好に一体化することができる。又、
上記の逆の方法、即ち、予め形成したプラスチック製ピ
ストン本体をインサートした金型内に前記のブロック全
体又は表面部分2を形成する熱可塑性フッ素系エラスト
マーを射出する方法(方法2)も用いることができる。
【0025】好ましいのは前者の方法1である。この方
法では、図2に例示するいずれの場合にも、ピストンに
形成されたプランジャーロッド螺合孔及び螺合雄螺子の
如何によらず、溶融プラスチックをピストンの軸(長
さ)方向に対して任意の方向に射出してもエラストマー
部分とプラスチック本体との良好な接着が得られるが、
ピストンの軸方向に溶融プラスチックを射出することに
よってエラストマー部分とプラスチック本体との一層良
好な接着が得られるので好ましい。上記のインサート成
形においては、インサート物を射出成形し、金型の一部
を交換し、連続して射出成形によって残りの部分を形成
させることも可能である。
【0026】前記のブロック全体又は表面部分2は、前
記のピストン全体が熱可塑性フッ素系エラストマーから
なる場合と同様にして製造される。又、プラスチックか
らなるピストン本体1は、好ましくは熱可塑性フッ素系
樹脂を用いて射出成形等によって製造されるが、熱可塑
性フッ素系樹脂は、必要により着色剤を添加する以外
は、その他の添加剤を用いずに使用することができる。
【0027】上記のようにして製造される本発明の注射
筒用ピストンは、通常の注射筒にも使用できるが、特
に、高力価の注射液が充填されたプラスチック製プリフ
ィルド注射筒のピストンとして好適である。又、プラス
チックとしては、従来から使用されている注射筒用のプ
ラスチックがいずれも使用できるが、特に、ガラス転移
温度(Tg)が100℃以上の環状オレフィン系重合体
樹脂又はその水素添加物製の注射筒に使用すると防湿性
等において最大の効果が得られるので好ましい。
【0028】上記の環状オレフィン系重合体樹脂及びそ
の水素添加物は、環状オレフィン系単量体の開環(共)
重合体及び付加(共)重合体及びこれらの水素添加化物
である。環状オレフィン系単量体は、以下に例示するよ
うに単環式オレフィン系単量体、二環以上の縮合多環式
オレフィン系単量体が含まれる。
【0029】環状オレフィン系(共)重合体の製造に使
用される単環式単量体としては、例えば、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、メチルシク
ロヘキセン、シクロオクテン等の単環オレフィン系単量
体及び置換基として1〜3個のメチル基、エチル基等の
低級アルキル基を有する低級アルキル誘導体、アクリレ
ート誘導体等が挙げられる。
【0030】縮合多環式オレフィン系単量体としては、
例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロシク
ロペンタジエン、ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2
−エン及びその誘導体、トリシクロ〔4,3,0,1
2,5 〕−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ
〔4,4,0,12,5 〕−3−ウンデセン及びその誘導
体、テトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,17,10〕−3
−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ〔6,5,
1,13,6 ,02,7 ,09,13〕−4−ペンタデセン及び
その誘導体、ペンタシクロ〔7,4,0,12,5 ,0,
8,13,19,12〕−3−ペンタデセン及びその誘導体、
ヘキサシクロ〔6,6,1,13,6 ,110,13 ,0
2,7 ,09,14〕−4−ヘプタデセン及びその誘導体等が
挙げられる。
【0031】ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エ
ンの誘導体としては、例えば、5−メチル−ビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−ビ
シクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリ
デン−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エン、5
−フェニル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプト−2−エ
ン、6−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2,2,1〕
−ヘプト−2−エン等が挙げられる。
【0032】トリシクロ〔4,3,0,12,5 〕−3−
デセンの誘導体としては、2−メチル−トリシクロ
〔4,3,0,12,5 〕−3−デセン、5−メチル−ト
リシクロ〔4,3,0,12,5 〕−3−デセン等が挙げ
られる。
【0033】テトラシクロ〔4,4,0,12,5 〕−3
−ウンデセンの誘導体としては、10−メチル−テトラ
シクロ〔4,4,0,12,5 〕−3−ウンデセン等が、
トリシクロ〔4,3,0,12,5 〕−3−デセンの誘導
体としては5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,1
2,5 〕−3−デセン等が挙げられる。
【0034】テトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,1
7,10〕−3−ドデセンの誘導体としては、8−エチリデ
ン−テトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,17,10〕−3
−ドデセン、8−メチル−テトラシクロ〔4,4,0,
2,5 ,17,10〕−3−ドデセン、9−メチル−8−メ
トキシカルボニル−テトラシクロ〔4,4,0,
2,5,17,10〕−3−ドデセン、5,10−ジメチル
−テトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,17,10〕−3−
ドデセン等が挙げられる。
【0035】ヘキサシクロ〔6,6,1,13,6 ,1
10,13 ,02,7 ,09,14〕−4−ヘプタデセンの誘導体
としては、12−メチル−ヘキサシクロ〔6,6,1,
3,6,110,13 ,02,7 ,09,14〕−4−ヘプタデセ
ン、1,6−ジメチル−ヘキサシクロ〔6,6,1,1
3,6 ,110,13 ,02,7 ,09,14〕−4−ヘプタデセン
等が挙げられる。
【0036】環状オレフィン系単量体の少なくとも1種
又は環状オレフィン系単量体の少なくとも1種とオレフ
ィン系単量体(例えば、エチレン、プロピレン、4−メ
チルペンテン−1、シクロペンテン、シクロオクテン、
ブタジエン、イソプレン、スチレン等)の少なくとも1
種との付加(共)重合体は、これらの単量体を、例え
ば、触媒として炭化水素溶媒に可溶のバナジウム化合物
等と有機アルミニウム化合物等からなる公知の触媒(特
開平6−157672号公報、特開平5−43663号
公報等)を用いて重合することによって得ることができ
る。
【0037】上記単量体の開環(共)重合体は、触媒と
して、例えば、(1)ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、白金等の白金族金属のハロゲン化物、
硝酸塩等と還元剤とからなる触媒、(2)チタン、モリ
ブデン、タングステン等の遷移金属の化合物と有機アル
ミニウム化合物、有機スズ化合物等の周期律表I〜IV
族金属の有機金属化合物からなる触媒(特開平6−15
7672号公報、特開平5−43663号公報等)等の
公知の触媒を用いて該単量体を(共)重合させることに
よって得ることができる。
【0038】上記で得られる(共)重合体が不飽和結合
を有している場合には、公知の水素化触媒を用いて水素
添加することができる。水素添加触媒としては、例え
ば、(1)チタン、コバルト、ニッケル等の有機酸塩と
リチウム、アルミニウム等の有機金属からなるチーグラ
ー型の均一触媒、(2)パラジウム、ルテニウム等の白
金族金属をカーボン、アルミナ等の担体に担持させた担
持触媒、(3)上記白金族金属の錯体触媒等(特開平6
−157672号公報等)が挙げられる。
【0039】尚、本発明においては上記の水素添加
(共)重合体には、二環以上の縮合多環式飽和炭化水素
化合物又は該化合物で重合性二重結合を有する置換基を
有するものの開環(共)重合体及び付加(共)重合体も
含まれる。
【0040】本発明で使用する環状オレフィン系樹脂又
はその水素添加物は、ガラス転移温度が100℃以上の
ものが好ましく、このようなものとしては、日本ゼオン
社製のゼオネックス、三井石油化学社製のアペルCO
C、ティコナ社製TopasCOC等が市販されてお
り、入手可能である。
【0041】環状オレフィン系樹脂又はその水素添加物
を用いた注射筒兼容器(プレフィルド注射筒)は、射出
成形等による従来公知のプラスチック製注射筒の製造方
法により製造することができ、製造方法は特に限定され
ない。又、形状も特に限定されない。
【0042】環状オレフィン系樹脂又はその水素添加物
を用いた注射筒兼容器(プレフィルド注射筒)と前記の
フッ素系熱可塑性エラストマー製のピストンを組み合わ
せたキット製剤容器は、このピストンの直径又は最大外
径(図1に例示したようにピストンの形状は多様であっ
て、テーパー付き円筒状等の用に外径が一様でないもの
もあるので、このような場合にはピストンの外径として
最大外径を使用する。)を、これと注射筒の内径の比
(最大外径/内径)が、好ましくは1.0〜1.1、更
に好ましくは1.05〜1.0となるように形成するこ
とで、密封性と慴動性を同時に高度にバランスさせるこ
とができる。
【0043】しかしながら、注射筒兼容器を従来のポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(PET等)
等のプラスチックで形成した場合には、以上に説明した
本発明のピストンでは密封性と慴動性高度にバランスさ
せることは難しい。又、透明性や剛性も劣る。本発明の
注射筒用ピストンは、使用に際しては、所望により摺動
面を状フッ素系ポリマー(例えば、特願平11−283
788号明細書に記載等の)で被覆することで摺動性及
び気密性を著しく向上させることができる。
【0044】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。
【0045】実施例1、比較例1 容量が1ミリリットルの注射筒(内径6mm、長さ60
mm)をポリプロピレン(PP)及び環状オレフィン系
重合体(三井石油化学社製アペルCOC、Tg:140
℃)を用いて射出成形により作製した。一方、本発明の
未架橋ピストンをフッ素系熱可塑性エラストマー(ダイ
キン工業社製ダイエルサーモプラスチックT−530)
を用いて圧縮成形により作製した(先端が円錐面の円筒
状ピストン:圧縮率5%;慴動面の長さ2.0mm)。
又、比較例のピストン(形状は実施例と同じ)としてポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムを表面
にラミネートした架橋ブチルゴム製のピストン(圧縮率
5%)を作製した。
【0046】実施例2 実施例1のピストンに代えて図2(b)に示す構造の、
フッ素系熱可塑性樹脂(住友スリーエム社製THV50
0G)製のピストン本体とフッ素系熱可塑性エラストマ
ー(ダイキン工業社製ダイエルサーモプラスチックT−
530)からなる薬剤接触面及び摺動面の一部の表面と
が一体に形成されたピストンをインサート成形によって
製造した(ピストンの全体の形状は実施例1と同じ)。
即ち、圧縮成形により作製した上記の表面部分(厚さ
0.5mm;摺動面の長さ1.5mm、外径6.1m
m)を金型内にインサートし、この状態で金型に溶融フ
ッ素系熱可塑性樹脂射出することにによって作製した。
【0047】上記の各注射筒にそれぞれ注射用蒸留水
(WFI)(光製薬社製)又は界面活性剤(SAA)
(和光純薬社製ポリソルベート80)で液性を調整した
WFIを充填し、上記の各実施例及び比較例のピストン
で密封した。尚、各注射筒の注射針取り付け部は内面に
PTFEフィルムをラミネートしたゴム栓を被せて密封
した。密封性は、薬務公報第1792号(平成11年2
月1日)で通知の滅菌済み注射筒基準の圧力試験に準拠
して測定した。又、慴動抵抗は上記の各実施例及び比較
例のピストンをそれぞれ挿入した注射筒にWFIを充填
し、25G(ゲージ)の注射針を装着し、ピストンに螺
合させたピストン押棒を加圧して、ピストンが慴動する
際の最大荷重を測定した。結果を表1に示す。
【0048】又、溶出物試験を以下のようにして行っ
た。前記の注射筒に前記のピストンを装着し、WFIを
吸引して70℃で30分間加温して調製した試験液の液
性を、第13改正日本薬局方輸液用ゴム栓の溶出物試験
の測定法に準拠して測定した。測定結果を表2に示す。
【0049】
【0050】ピストンの摺動抵抗は6N以下が理想的で
あるが、密封性をも両立させることは極めて困難であ
る。ピストンの摺動抵抗が6〜10Nの範囲にあれば実
用上支障なく使用でき、摺動抵抗が10N〜15Nの範
囲はスムーズな摺動性は得られ難いが、なんとか使用で
きる許容範囲とされ、15Nを超えると使用不可とされ
ている。表1から、実施例のピストンの摺動性は、注射
筒の材質がPP及び環状オレフィン系重合体の場合とも
全く問題はなく、そのうえ密封性にも優れていることが
分かる。
【0051】
【0052】表2の結果は、実施例1のフッ素系熱可塑
性エラストマーを用いた未架橋ピストンは、比較例1の
従来のPTFEフィルムラミネートブチルゴム製架橋ピ
ストンと同様に実質的に溶出物のないピストンであるこ
とが分かる。
【0053】実施例3 図1の(i)と同様のプランジャーロッド螺合雄螺子を
有する点以外は実施例2と同じピストンを作製した。プ
ランジャーロッド螺合雄螺子の寸法は、長さ3mm、直
径3.4mmである。予め作製したエラストマー製ブロ
ック全体をプラスチック本体及びプランジャーロッド螺
合雄螺子形成用金型にインサートし、溶融プラスチック
をピストン軸に平行に射出してピストンを作製した。こ
のピストンのエラストマー製ブロック全体とプラスチッ
ク本体とは非常に良好に接着され一体化されていた。得
られたピストンの密封性、摺動性及び溶出試験の結果は
実施例2のピストンと同等であった。
【0054】
【発明の効果】以上の本発明によれば、高圧縮率で密封
性を高めた場合にも摺動性に優れたプラスチック製注射
筒用のピストンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 注射筒用ピストンの形状の例を示す概略断面
図である。
【図2】 本発明のピストンの一例を説明する概略断面
図である。
【図3】 注射筒、容器兼注射筒及び注射筒用ピストン
等を説明する概略断面図である。
【図4】 本発明のピストン(中栓)の一例を説明する
概略断面図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製注射筒に用いるピストン
    において、その薬剤接触面及びそれに隣接する摺動面の
    少なくとも一部、又は摺動面の少なくとも一部が、少な
    くとも1種のエラストマー鎖セグメントと少なくとも1
    種の非エラストマー鎖セグメントとからなり、エラスト
    マー鎖及び非エラストマー鎖の少なくとも一方はフッソ
    含有鎖であるフッ素系熱可塑性エラストマーを基材とし
    て形成されていることを特徴とする注射筒用ピストン。
  2. 【請求項2】 ピストン全体が上記のフッ素系熱可塑性
    エラストマーを基材として形成されている請求項1に記
    載の注射筒用ピストン。
  3. 【請求項3】 ピストン本体はプラスチックで形成さ
    れ、ピストン本体と上記のフッ素系熱可塑性エラストマ
    ーを基材とする薬剤接触面及びそれに隣接する慴動部の
    すくなくとも一部とが一体に形成されている請求項1に
    記載の注射筒用ピストン。
  4. 【請求項4】 プラスチックが、フッ素系熱可塑性エラ
    ストマーと加熱により接着する熱可塑性プラスチックで
    ある請求項3に記載の注射筒用ピストン。
  5. 【請求項5】 フッ素系熱可塑性エラストマーは、曲げ
    弾性率が200MPa以下である請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の注射筒用ピストン。
  6. 【請求項6】 ピストンの外径と注射筒の内径の比が
    1.0〜1.1である請求項1に記載の注射筒用ピスト
    ン。
  7. 【請求項7】 フッ素系熱可塑性エラストマーが電離放
    射線照射で架橋された請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の注射筒用ピストン。
  8. 【請求項8】 注射筒がガラス転移温度が100℃以上
    の環状オレフィン系重合体樹脂又はその水素添加物から
    なる請求項1〜7のいずれか1項に記載の注射筒用ピス
    トン。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の注射筒用ピストンを製
    造するに際し、予め形成したフッ素系熱可塑性エラスト
    マーを基材とする薬剤接触面及びそれに隣接する摺動面
    の少なくとも一部、又は摺動面の一部をインサートした
    金型に、フッ素系熱可塑性樹脂を射出してピストン本体
    を形成することを特徴とする注射筒用ピストンの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載のピストンを製造する
    に際し、予め形成したフッ素系熱可塑性樹脂製注射筒用
    ピストン本体をインサートした金型に、フッ素系熱可塑
    性エラストマーを射出して薬剤接触面及びそれに隣接す
    る慴動面のすくなくとも一部、又は摺動面の少なくとも
    一部を形成することを特徴とする注射筒用ピストンの製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    注射筒のピストンと、ガラス転移温度が100℃以上の
    環状オレフィン系ポリマーからなる注射筒との組み合わ
    せからなることを特徴とするキット製剤容器。
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