JP3575727B2 - 電解水生成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濃塩水タンク内に蓄えられた飽和状態の濃塩水と外部から供給される水とを混合して調製した所定の濃度の希塩水を希塩水タンク内に蓄えておき、同蓄えられている希塩水を電解槽に供給するとともに同電解槽にて電気分解してアルカリ性イオン水と酸性イオン水を生成し、これらの生成水を電解槽から取り出す電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置は、濃塩水タンク内に多量の塩と所定量の水を収容して塩をほぼ飽和状態にて水に溶解させておき、電解層内に希塩水を供給して電解水の生成を開始して、希塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同タンク内に水を補給するようにし、また希塩水タンク内に設けた濃度センサにより検出された希塩水の濃度が所定の濃度より低くなったとき、濃塩水タンクから希塩水タンクに濃塩水を補給して希塩水タンク内の希塩水の濃度を所定の濃度に調整するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置にあっては、生成水の貯水槽の水位が上限となって生成待機状態となった場合に、濃塩水供給手段を構成する電磁バルブなどに異常が発生して濃塩水漏れを生じ、濃塩水タンクの水位が下限になるまで漏れると、濃塩水タンク内に給水装置から上限の水位まで水を補給する。生成待機状態がさらに継続すると、同様の動作を繰り返して行うこととなる。そのため、希塩水タンク内の希塩水の濃度は所定の濃度より徐々に高くなるが、生成水の貯水槽の水位が下限となって、希塩水タンク内の濃度が所定の濃度になると生成動作を開始するようにしているため、電解槽内において高い塩濃度の希塩水を電気分解することとなる。その結果、電解槽内に配置された両電極間に大きな電流が流れることとなり、電源装置の過電流に起因する破損や異常停止を生じたり、あるいは電解槽にて均質な電解水が長時間に渡って生成されなかったり、同電解槽内の電極が劣化したりする等の問題を生じる。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に対処するためになされもので、濃塩水供給手段に濃塩水漏れ等の異常を生じるとこの異常を検出して電解水の生成動作を停止して、過電流から機器を保護できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
本発明は、電解槽内に配設した一対の電極に直流電圧を印加することにより同電解槽に供給された希塩水を電気分解してアルカリ性イオン水と酸性イオン水を生成し、生成したアルカリ性イオン水と酸性イオン水を同電解槽から取り出すようにしてなる電解水生成装置であって、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明においては、飽和状態の濃塩水を蓄える濃塩水タンクと、この濃塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同濃塩水タンクに水を補給する第1給水手段と、所定の低濃度の希塩水を蓄える希塩水タンクと、この希塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同希塩水タンクに水を補給する第2給水手段と、希塩水タンク内に設けられて同タンク内の塩水の濃度を検出する濃度センサと、この濃度センサにより検出された濃度が所定の低濃度より低いとき濃塩水タンクから希塩水タンクに濃塩水を補給して同希塩水タンク内の希塩水の濃度をほぼ所定の低濃度まで高める濃塩水補給手段と、希塩水タンク内に蓄えられている希塩水を取り出して電解槽に供給する希塩水供給手段と、電解槽から取り出したアルカリ性イオン水を貯水するアルカリ性イオン水貯水タンクと、電解槽から取り出した酸性イオン水を貯水する酸性イオン水貯水タンクとを備えている。
【0006】
さらに、両貯水タンクが満水となった後、どちらか一方の貯水タンクの水位が所定水位より低下して電解水の生成を開始する状態となったとき、第2給水手段により希塩水タンクへの水の補給を開始し、水の補給の開始後第1の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第1判定手段と、この第1判定手段が濃度異常と判定すると、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加し、低電圧の印加後第2の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第2判定手段と、この第2判定手段が濃度異常と判定すると、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加し、高電圧の印加後第3の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第3判定手段とを備え、第3判定手段が濃度異常と判定すると高電圧の印加を停止して各イオン水の生成を行わないようにするとともに異常を報知するようにしたことにある。
【0007】
これによれば、各イオン水の生成を開始する状態になると、第2給水手段により希塩水タンクへ水を補給するので、希塩水タンク内の水位は上昇してオーバーフローする。これにより、濃塩水補給手段が正常であれば希塩水タンク内の希塩水の濃度は低下することになるが、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、第2給水手段による希塩水タンクへの水の補給を開始させて第1の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第1判定手段は濃度異常と判定する。
【0008】
第1判定手段が濃度異常と判定すると、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加する。これにより、希塩水タンク内の水位が低下して下限水位より低下すると、第2給水手段による希塩水タンクへの水の補給を開始させるので、濃塩水補給手段が正常であれば希塩水タンク内の希塩水の濃度が低下することとなるが、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、低電圧の印加後第2の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第2判定手段は濃度異常と判定する。
【0009】
第2判定手段が濃度異常と判定すると、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加し、高電圧の印加後第3の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第3判定手段は濃度異常と判定する。ここで、通常、一時的な濃度異常は第3の時間が経過するまでに解消するため、第2判定手段が濃度異常と判定すると、一旦、一対の電極に高電圧を印加して電解水の生成動作を開始する。
【0010】
しかしながら、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、第3の時間が経過しても希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならないため、第3判定手段が濃度異常と判定すると各イオン水の生成を行わないようにするとともに異常を報知するようにしている。そのため、電解槽内において、異常な高濃度の希塩水により長時間にわたって電気分解を行わなくなるので、一対の電極間に長時間にわたって大電流が流れることが防止できるようになり、大電流に起因する電源装置の破損、異常停止を防止できるようになる。
【0011】
請求項2に係る発明においては、第1判定手段が濃度異常と判定しないと、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加した後、同一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、第2判定手段が濃度異常と判定しないと、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、第3判定手段が濃度異常と判定しないと、一対の電極に高電圧の印加を継続して電解水を生成するようにしたことにある。
【0012】
これによれば、第1判定手段が濃度異常と判定しないと、所定の低濃度の希塩水により低電圧を印加した後、高電圧を印加して電気分解を開始するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。また、第2判定手段が濃度異常と判定しないと、直ちに高電圧を印加して電解水の生成を開始するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。さらに、第3判定手段が濃度異常と判定しないと、高電圧を継続して印加して電解水を生成するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は同実施形態に係る電解水生成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0014】
この電解水生成装置は、濃塩水を蓄える濃塩水タンク10(例えば、容量約10リットル)と、同タンク10の下方に設けられて希塩水を蓄える希塩水タンク20(例えば、容量約20リットル)と、希塩水タンク20から供給される希塩水を電気分解する電解槽30と、電解槽30にて生成された酸性イオン水を蓄える酸性イオン水貯水タンク40(例えば、容量約500〜1000リットル)と、電解槽30にて生成されたアルカリ性イオン水を蓄えるアルカリ性イオン水貯水タンク50(例えば、容量約500〜1000リットル)と、電解槽30内に配設された両電極34,35に電圧を印加する直流電源装置60とを備えている。
【0015】
濃塩水タンク10内には、このタンク10内を補給室10aと供給室10bの2室に区画する隔壁17を配設しており、両室10a,10bの容量は例えば3対1程度に設定されている。補給室10aには塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩が多量に補給されるとともに、図示しない外部給水源(例えば、水道)から給水管11を介して水が圧送されるようになっている。この給水管11には電磁バルブよりなる第1給水バルブ12が介装されていて、同バルブ12は給水管11と共に濃塩水タンク10に水を補給するための第1給水手段を構成する。濃塩水タンク10の補給室10aは補給された塩を水によりほぼ飽和状態に溶解させてなる濃塩水で常に満たされており、溶解し得ない残りの塩Sは同補給室10aの底部に常に沈澱している。そして、飽和状態に溶解させてなる濃塩水は隔壁17をオーバーフローして供給室10bに流入する。
【0016】
また、濃塩水タンク10の供給室10b内には、フロート式の水位センサ13が収容されている。水位センサ13は、濃塩水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同濃塩水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。そして、供給室10b内には、希塩水タンク20に濃塩水を供給するための供給管14が同タンク10の底部にて上方向に侵入し、同供給管14の上端面は、前記下限水位より低い位置にて開口している。供給管14にはピンチバルブよりなる濃塩水バルブ15が介装されていて、同バルブ15は供給管14と共に濃塩水補給手段を構成する。
【0017】
このように、濃塩水タンク10内を大きい容量の補給室10aと小さい容量の供給室10bとに隔壁17により区画することにより、濃塩水バルブ15に故障等を生じて濃塩水漏れを起こしても、第1給水バルブ12を閉動作させて新たな水を補給しないようにすれば、濃塩水の漏れ量は供給室10b内に残存する濃塩水の量だけとなるので、濃塩水の漏れ量を制限することができるようになる。また、補給室10a内に水を補給するようにし、供給室10b内に水位センサ13を設けるようにすれば、第1給水バルブ12を開動作させて水を補給しても、供給室10b内は波立つことがないので、水の補給時に水位を誤検出することが防止できるようになる。
【0018】
希塩水タンク20内には、このタンク20内を仕切り板21によりその内部で連通させた状態で第1室20aと第2室20bとに区画し、両室20a,20bの容量は例えば3対1程度に設定している。第1室20aの上方には供給管14の下端出口及び給水管22の出口が配置されており、同第1室20aには、前記濃塩水が供給管14を介して供給されるとともに、外部給水源からの水も給水管22を介して供給されるようになっている。この給水管22には電磁バルブよりなる第2給水バルブ23が介装されていて、同バルブ23は給水管22と共に希塩水タンク20に水を補給するための第2給水手段を構成する。
【0019】
第1室20a内には濃度センサ24が収容され、同センサ24は希塩水タンク20内の希塩水の濃度Cを検出する。また、この第1室20aの底部には、攪拌用の導管26及び電解槽30に希塩水を供給するための供給管27の入口が接続されている。導管26の他端は第1室20aの側壁に接続され、導管26の中間部には希塩水タンク20内の希塩水を攪拌するための電動ポンプよりなる循環ポンプ28が介装されている。供給管27にも電動ポンプよりなる生成ポンプ29が介装されていて、同ポンプ29は供給管27と共に希塩水供給手段を構成する。
【0020】
希塩水タンク20の第1室20aに連通した第2室20b内には水位センサ25が収容され、同センサ25は希塩水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同希塩水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。このように、希塩水タンク20内を仕切り板21によりその内部で連通させた状態で第1室20aと第2室20bとに区画し、第1室20a内に水を補給するようにし、第2室20b内に水位センサ25を設けるようにすれば、第2給水バルブ23を開動作させて水を補給しても、第2室20b内は波立つことがないので、水の補給時に水位を誤検出することが防止できるようになる。
【0021】
なお、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の各側壁にはオーバーフローパイプ16が接続されており、同パイプ16は前記水位センサ13,25によりそれぞれ検出される上限水位より若干高い位置にて各タンク10,20内に開口している。これにより、各タンク10,20の水位がオーバーフロー管16の各開口位置より高くなると、各タンク10,20内の塩水が外部に排出されるようになっている。
【0022】
電解槽30は内部が隔膜31によって第1電極室32及び第2電極室33に区画されていて、各電極室32,33には、生成ポンプ29の作動により供給管27、各フローセンサ30a,30b、各ニードルバルブ39a,39bを介して希塩水が供給されるようになっている。また、各電極室32,33の流出口には導管32a,33aを介して流路切換弁36が接続されている。両導管32a,33aはそれぞれ分岐しており、分岐した一方は流路切換弁36にそれぞれ接続され、分岐した他方は各排出バルブ32b,33bに接続されている。そして、各排出バルブ32b,33bを開動作することにより、各電極室32,33に供給された希塩水を外部に排出する。
【0023】
流路切換弁36は4ポート2位置切換弁であって、電動モータ(図示省略)によって切換駆動されるものであり、図1の仮想線で示した第2切換状態(導管32aが排出管38に接続され、導管33aが排出管37に接続されて、図1の破線矢印で示す方向に連通している状態)にて後述する電気制御回路70から信号を受けたとき図1の実線で示した第1切換状態(導管32aが排出管37に接続され、導管33aが排出管38に接続されて、図1の実線矢印で示す方向に連通している状態)に切り替わり、また図1の実線で示した第1切換状態にて電気制御回路70から信号を受けたとき図1の仮想線で示した第2切換状態に切り替わるようになっており、図1の仮想線で示した第2切換状態にあるか実線で示した第1切換状態にあるかはセンサ(図示省略)によって検出されるようになっている。
【0024】
各電極室32,33には、第1電極34及び第2電極35が隔膜31を間にして対向して配設しており、両電極34,35はチタン基材の表面に白金メッキあるいは白金イリジウムを焼成してなるもので、直流電源装置60から正負の直流電圧が印加されるようになっている。この直流電源装置60は流路切換弁36が第1切換状態にあって電気制御回路70からの第1の信号を受けたとき順方向の直流電圧を両電極34,35に印加し、希塩水タンク20から供給された希塩水を電気分解して、第1電極室32にて酸性イオン水を生成させ、第2電極室33にてアルカリ性イオン水を生成させる。また、直流電源装置60は流路切換弁36が第2切換状態にあって電気制御回路70からの第2の信号を受けたとき逆方向の直流電圧を両電極34,35に印加し、希塩水タンク20から供給された希塩水を電気分解して、第1電極室32にてアルカリ性イオン水を生成させ、第2電極室33にて酸性イオン水を生成させる。
【0025】
したがって、流路切換弁36が図1の実線で示した第1切換状態にある場合、第1電極室32にて生成された酸性イオン水は導管32a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を介して酸性イオン水貯水タンク40に供給され、第2電極室33にて生成されたアルカリ性イオン水は導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管38を介してアルカリ性イオン水貯水タンク50に供給されるようになっている。一方、流路切換弁36が図1の仮想線で示した第2切換状態にある場合、第1電極室32にて生成されたアルカリ性イオン水は導管32a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管38を介してアルカリ性イオン水貯水タンク50に供給され、第2電極室33にて生成された酸性イオン水は導管33a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管37を介して酸性イオン水貯水タンク40に供給されるようになっている。
【0026】
酸性イオン水貯水タンク40には水位センサ43が収容され、同センサ43は酸性イオン水の水位が同タンク40の満杯に近い上限水位以上になったことを検出するとともに、同酸性イオン水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。アルカリ性イオン水貯水タンク50にも、水位センサ53が収容され、同センサ53はアルカリ性イオン水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同アルカリ性イオン水の水位が同上限水位より低い下限水位以下になったことも検出する。
【0027】
この電解水生成装置は、水位センサ13,25,43,53、濃度センサ24、フローセンサ30a,30b、流路切換弁36の状態を検出するセンサ、第1、第2給水バルブ12,23、濃塩水バルブ15、各排出バルブ32b,33b、循環ポンプ28、生成ポンプ29及び直流電源装置60に接続された電気制御回路70を備えている。この電気制御回路70はマイクロコンピュータにより構成されており、図2,3.4に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、各バルブ12,15,23,32b,33bの開閉、流路切換弁36の切換作動、各ポンプ28,29の作動及び直流電源装置60の作動ならびに極性切換(順方向電圧、逆方向電圧の切換)を制御する。また、この電気制御回路70には、運転スイッチ71、警報器72、表示器73及び流路切換タイマ74も接続されている。
【0028】
運転スイッチ71はこの電解水生成装置の運転の開始及び停止を制御するためのもので、手動操作によりオン状態又はオフ状態に切り換えられるとともに、内蔵の電磁ソレノイドにより制御されてオン状態からオフ状態に切り換えられるようになっている。警報器72はこの電解水生成装置の異常時に警報を発生するためのもので、表示器73は同異常時に異常の種類を表示するためのものである。流路切換タイマ74は設定時間T(例えば10〜20分)を可変設定するための設定器を備えており、この設定器により設定した設定時間T(例えば10〜20分)が経過すると経過信号を出力するためのものであって、経過信号を出力する毎に流路切換弁36は第1の状態から第2の状態に、あるいは第2の状態から第1の状態に切り換えられることとなる。
【0029】
次に、上記のように構成した本実施形態の動作を説明する。まず、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩Sを濃塩水タンク10の補給室10a内に多量に投入して、同タンク10内の濃塩水をほぼ飽和状態にするとともに、残留の塩Sが同タンク10の補給室10aの底に常に沈澱している状態にしておく。なお、塩Sが不足している場合には随時補充する。その後、電源スイッチ(図示しない)の投入により、電気制御回路70は、図2のステップ100にてプログラムの実行を開始し、ステップ102にて運転スイッチ71がオン状態にあるか否かを判定する。運転スイッチ71がオフ状態に保たれている間、ステップ102の処理が続けられる。運転スイッチ71がオン状態に切り換えられると、ステップ102にて「YES」と判定して、プログラムをステップ104に進める。ついで、ステップ104以降に進み、ステップ104にて濃塩水タンク10に対する初期給水処理、ステップ106にて希塩水タンク20に対する初期給水処理及びステップ108にて循環ポンプ28を駆動しての希塩水タンク20の初期濃度調整処理を実行する。
【0030】
ステップ104の濃塩水タンク10に対する初期給水処理においては、水位センサ13により検出される濃塩水の水位が上限水位未満であれば、同水位が上限水位になるまで第1給水バルブ12を開状態に切り換え、濃塩水タンク10の補給室10aに外部から水を補給する。ステップ106の希塩水タンク20に対する初期給水処理においては、水位センサ25により検出される希塩水の水位が上限水位未満であれば、同水位が上限水位になるまで第2給水バルブ23を開状態に切り換えて、希塩水タンク20の第1室20aに外部から水を補給する。
【0031】
また、ステップ108の希塩水タンク20の初期濃度調整処理においては、循環ポンプ28を駆動して希塩水タンク20内の希塩水を撹拌するとともに、希塩水タンク20に対する水の補給により同タンク20内の希塩水の濃度が所定の濃度Co(例えば、0.1重量%)より微少量ΔCo(例えば、0.03重量%)だけ低い下限値Co−ΔCo(例えば、0.07重量%)より低くなり、濃度センサ24がこれを検出すると、濃塩水バルブ15を開状態に切り換えて濃塩水タンク10の供給室10bから希塩水タンク20の第1室20aに濃塩水を補給する。
【0032】
そして、濃度センサ24により検出される希塩水の濃度が所定の濃度Coより微少量ΔCoだけ高い上限値Co+ΔCo(例えば、0.13重量%)になると、濃塩水バルブ15を閉状態に切り換えて前記濃塩水の補給を停止する。これらのステップ104〜108の処理により、濃塩水タンク10内には濃塩水が上限水位まで蓄えられ、希塩水タンク20内にはほぼ所定の濃度Co±ΔCo(例えば、0.07〜0.13重量%)の希塩水が上限水位まで蓄えられる。
【0033】
これらのステップ104〜108の処理後、ステップ110においては、流路切換タイマ74にリセット信号を送出してその計時値tをリセット(t=0)させ、流路切換タイマ74の計時値tの計時動作を開始させ、プログラムをステップ112に進める。
【0034】
ステップ112においては、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、およびアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が上限水位に達しているか否かを判定する。この場合、酸性イオン水およびアルカリ性イオン水の水位が上限水位未満であれば、ステップ112にて「No」と判定して、プログラムをステップ114に進め、生成待機状態となる。
【0035】
電解槽30にて希塩水が電気分解され続け、同電気分解された酸性イオン水及びアルカリ性イオン水が酸性イオン水貯水タンク40及びアルカリ性イオン水貯水タンク50に蓄積され続けて、両水位センサ43、53が上限水位を検出すると、ステップ112にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ112aに進める。
【0036】
ついで、ステップ112a〜112cにて、排水バルブ32b,33bを開状態に切り換えて電解槽30内に残留するイオン水を外部に排出する。即ち、ステップ112aにて、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第2タイマをリセット動作させてその計時値t2の計時動作を開始させるとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、ステップ112bにて、第2タイマの計時値t2が予め設定したT2時間(なお、このT2時間は電解槽30内に残留するイオン水を排水する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。T2時間が経過するとステップ112bにて「Yes」と判定してステップ112cに進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換え、プログラムをステップ112dに進める。
【0037】
ステップ112dにおいては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23を閉状態に切り換える。なお、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60に関して、既にオフ状態にある場合はそのままオフ状態を保つとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15および第2給水バルブ23に関して、既に閉状態にある場合はそのまま閉状態を保つ。
【0038】
これにより、希塩水タンク20内の希塩水の攪拌、希塩水タンク20から電解槽30への希塩水の供給、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20への給水、希塩水タンク20内の希塩水の濃度調整、及び両電極34,35への電圧印加が停止するとともに、電解槽30内に残留するイオン水が外部に排出されて、当該電解水生成装置は電解水の生成待機状態になる。
【0039】
ステップ114においては、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、あるいはアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が下限水位に達しているか否かを判定する。始めて各イオン水の生成動作を開始した場合、あるいは生成待機中に酸性イオン水あるいはアルカリ性イオン水を使用して貯水タンク40,50のどちらか一方の水位が下限水位に達した場合は、ステップ114にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ116に進める。ステップ114にて「No」と判定すると、どちらか一方の水位が下限水位に達するまでステップ114の処理が続けられる。
【0040】
続いてステップ116〜120にて、排水バルブ32b,33bを所定のT1時間だけ開動作させて電解槽30内に残留するイオン水を外部に排出する。即ち、ステップ116にて、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第1タイマをリセット動作させてその計時値t1の計時動作を開始させるとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、ステップ118にて、第1タイマの計時値t1が予め設定したT1時間(なお、このT1時間は電解槽30内に残留するイオン水を排水する時間であって、例えば、40秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。T1時間が経過するとステップ118にて「Yes」と判定してステップ120に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。これにより、電解槽30内に残留するイオン水は外部に排出されることとなる。
【0041】
ついで、ステップ122にて、第2給水バルブ23に開信号を送出して第2給水バルブ23を開状態に切り換えるとともに、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第3タイマをリセット動作させて、その計時値t3の計時動作を開始させ、プログラムをステップ124に進める。これにより、希塩水タンク20内に外部より水が補給され、水位が上昇することとなるが、余分な希塩水はオーバーフロー管16より外部に排出されることとなる。
【0042】
ついで、ステップ124およびステップ126にて、設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ124においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ124にて「NO」と判定するので、ステップ126に進み、ステップ122にて計時動作を開始した第3タイマの計時値t3が予め設定した設定時間T3(なお、この設定時間T3は希塩水タンク20内へ水を補給する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0043】
設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ124にて「Yes」と判定して、プログラムを図3のステップ128に進める。一方、設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ126にて「Yes」と判定して、プログラムを図4のステップ160に進める。
【0044】
ステップ128においては、生成ポンプ29に駆動信号を送出して、生成ポンプ29を駆動させて作動状態にするとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、プログラムをステップ130に進める。なお、循環ポンプ28が作動状態にない場合は 循環ポンプ28に駆動信号を送出して、循環ポンプ28を駆動させて作動状態にする。
【0045】
ステップ130においては、フローセンサ30a,30bがオン信号を出力しているか否かの判定を行う。生成ポンプ29が正常に作動し、かつ配管詰まり等の異常がなければ、供給管27内を希塩水が流れてフローセンサ30a,30bがオンとなり、ステップ130にて「Yes」と判定して、ステップ132に進める。これにより、希塩水タンク20内の希塩水は供給管27、フローセンサ30a,30bおよびニードルバルブ39a,39bを介して電解槽30に連続的に供給され、排水バルブ32b,33bを介して外部に排水されることとなる。
【0046】
ここで、長期間の電解水の生成動作をするにつれて徐々に供給管27に配管詰まりが生じて、生成ポンプ29を作動させても供給管27内に所定のレベル以上の希塩水の流量が流れなくなったり、あるいは生成ポンプ29に故障を生じて、フローセンサ30a,30bがオン信号を出力しなくなると、ステップ130にて「No」と判定して、プログラムをステップ130aに進める。
【0047】
ステップ130aにおいては、警報器72を制御して警報音を発生させるとともに、表示器73を制御して、配管詰まりあるいは生成ポンプ29が異常である旨の表示をした後、プログラムをステップ130bに進める。ステップ130bにおいては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23および排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。ついで、ステップ130cにおいて、運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換え、ステップ130dにて、生成処理のプログラムの実行を終了する。この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0048】
ステップ131においては、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第4タイマをリセット動作させてその計時値t4の計時動作を開始させ、プログラムをステップ132に進める。ステップ132に進むと、流路切換弁36が図1の実線に示した第1切換状態に保持されているか否かを判定し、「Yes」と判定したときには、ステップ134にて電解槽30内の一対の電極34,35間に順方向(電極34を正側電圧、電極35を負側電圧)の直流定電圧(例えば2V)を印加して、電極34が陽極側となり電極35が陰極側となる。一方、流路切換弁36が図1の仮想線に示した第2切換状態に保持されていると、ステップ132にて「No」と判定し、ステップ136にて電解槽30内の一対の電極34,35間に逆方向(電極34を負側電圧、電極35を正側電圧)の直流定電圧(例えば2V)を印加して、電極34が陰極側となり電極35が陽極側となる。
【0049】
両電極34,35間に直流定電圧(例えば2V)を印加した後、ステップ131にて計時動作を開始した第4タイマの計時値t4が予め設定した設定時間Ta(なお、この時間Taは両電極34,35間に直流定電圧(例えば2V)を印加する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過して経過信号を送出したか否かの判定を行う。Ta時間が経過するとステップ138にて「Yes」と判定してステップ140に進み、直流電源装置60に定電流モードの指令を送出した後、プログラムをステップ142に進める。これにより、直流電源装置60は両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)が流れるような直流高電圧を印加することとなる。
【0050】
このように、所定時間(Ta時間)が経過するまでは2V程度の直流定電圧を印加し、所定時間(Ta時間)が経過すると10A程度の定電流が流れるような直流高電圧を印加するようにすることにより、間違って高濃度の希塩水が電解槽30に供給されても、いきなり両電極34,35間に過電流が流れることが防止でき、過電流が流れることに起因した直流電源装置60の破損、異常停止、あるいは両電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0051】
ステップ142においては、ステップ131にて計時動作を開始した第4タイマの計時値t4が予め設定した設定時間Tb(なお、この時間Tbは、両電極34,35に電圧を印加後、電解槽30内に供給した希塩水を排水バルブ32b,33bを通して外部に排水する時間であって、例えば、40秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過して経過信号を送出したか否かの判定を行う。Tb時間が経過するとステップ142にて「Yes」と判定してステップ144に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。
【0052】
これにより、電解槽30の各電極室32,33に供給された希塩水は、流路切換弁が第1状態にあって、両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)の電流が流れるような順方向の直流高電圧が印加されて電解槽30内で電解されると、陽極側電極34の電極室32からは水素イオンが増加した酸性イオン水が導管32a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を通して大容量の酸性イオン水貯水タンク40に送られ、また陰極側電極35の電極室33からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管38を通して大容量のアルカリ性イオン水貯水タンク50に送られることとなる。一方、流路切換弁が第2状態にあって、両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)の電流が流れるような逆方向の直流高電圧が印加されて電解槽30内で電解されると、陰極側電極34の電極室32からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が導管32a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管38を通して大容量のアルカリ性イオン水貯水タンク50に送られ、また陽極側電極35の電極室33からは水素イオンが増加した酸性イオン水が導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を通して大容量の酸性イオン水貯水タンク40に送られることとなる。
【0053】
ステップ146においては、水位センサ13による水位検出に基づき、濃塩水タンク10内の濃塩水の水位が下限水位以下になった時点で第1給水バルブ12を開状態に切り換え、同切り換えによる給水により、同タンク10内の濃塩水の水位が上限水位以上になった時点で第1給水バルブ12を閉状態に切り換える。また、水位センサ25による水位検出に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の水位が下限水位以下になった時点で第2給水バルブ23を開状態に切り換え、同切り換えによる給水により、同タンク20内の希塩水の水位が上限水位以上になった時点で第2給水バルブ23を閉状態に切り換える。
【0054】
さらに、ステップ146においては、濃度センサ24による検出濃度に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が前記下限値Co−ΔCoより低くなった時点で濃塩水バルブ15を開状態に切り換え、同切り換えによる濃塩水の供給により、同タンク20内の希塩水の濃度が前記上限値Co+ΔCo以上になった時点で濃塩水バルブ15を閉状態に切り換える。
【0055】
ステップ148に進むと、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、およびアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が上限水位に達しているか否かを判定する。酸性イオン水およびアルカリ性イオン水の水位が上限水位未満であれば、ステップ148にて「No」と判定して、ステップ146に戻り、ステップ146の処理を繰り返し実行する。ステップ146の処理を繰り返し実行しているうちに、酸性イオン水貯水タンク40およびアルカリ性イオン水貯水タンク50の各水位が上限水位に達すると、ステップ148にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ150に進める。
【0056】
ステップ150においては、ステップ110にて計時値tの計時動作を開始した流路切換タイマ74が設定時間Tが経過(t≧T)して、時間経過信号を出力したか否かの判定を行う。流路切換タイマ74の計時値tが設定時間Tに満たないときにはステップ150にて「No」と判定してステップ152の処理を実行し、また上記した計時値tが設定時間Tに達するとステップ150にて「Yes」と判定してステップ154に進む。上記した設定時間Tは流路切換タイマ74に備えられた設定器によって、例えば10〜20時間の範囲で適宜に変更可能である。
【0057】
ステップ152に進むと、運転スイッチ71がオン操作されているか否かを判定する。このとき、運転スイッチ71がオン操作されていれば、ステップ152にて「Yes」と判定してステップ112に戻り、ステップ112にて「Yes」と判定して、ステップ112aからステップ112dの処理を実行した後、生成待機状態となる。運転スイッチ71がオフ操作されていれば、ステップ152にて「No」と判定してステップ154に進む。
【0058】
ステップ154においては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換え、プログラムをステップ156に進める。ステップ156においては、電気制御回路70は流路切換弁36の電動モータに駆動信号を送出する。すると、電動モータは流路切換弁36を90度だけ回転駆動するため、ステップ132にて流路切換弁36が第1切換状態と判定した場合は第2切換状態に変更し、逆にステップ132にて流路切換弁36が第2切換状態と判定した場合は第1切換状態に変更されることとなる。この後、ステップ102に戻り、上述のステップ102からステップ156までの処理を繰り返して実行する。
【0059】
このように、ステップ156にて流路切換弁36が90度回転駆動されることにより、再度、生成動作を再開すると、上述のステップ132にて流路切換弁36が第1切換状態にあると、今度は、流路切換弁36は第2切換状態となって、電解槽30内の各電極34,35に逆方向の直流電圧が印加される。これにより、各電極室32,33での各イオン水の生成が設定時間T毎にあるいは運転スイッチ71がオフ操作される毎に交互に切換えられても、排出管37からは常に酸性イオン水が排出され、排出管38より常にアルカリ性イオン水が排出されるようになる。
【0060】
ここで、濃塩水バルブ15等の濃塩水補給手段の故障や不具合が生じると、濃塩水は常に供給管14を通して希塩水タンク20に流出し、この濃塩水の流出に伴って、第1給水バルブ12が上限水位と下限水位との間で常にオン/オフ動作することとなる。すると、濃塩水タンク10内は常に給水される状態となるので、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が逐次上昇することとなる。そこで、本実施形態においては、ステップ126にて「No」と判定すると、図4のステップ160以降の処理プログラムを実行することとなる。
【0061】
ステップ160からステップ168においては、上述したステップ128からステップ136までの処理動作と同様にして、生成ポンプ29を作動状態にするとともに、排水バルブ32b,33bを開状態に切り換える。なお、循環ポンプ28が作動状態にない場合は循環ポンプ28を作動状態にする。フローセンサ30a,30bがオン信号を出力していて、ステップ162にて「Yes」と判定すると、ステップ163にて電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第5タイマをリセット動作させて、その計時値t5の計時動作を開始させる。
【0062】
流路切換弁36が第1状態でステップ164にて「Yes」と判定すると、ステップ166にて順方向の2V程度の低電圧を印加し、流路切換弁36が第2状態でステップ164にて「No」と判定すると、ステップ168にて逆方向の2V程度の低電圧を印加した後、プログラムをステップ170に進める。なお、ステップ162にて「No」と判定すると、上述したステップ130aからステップ130dまでの処理を実行する。
【0063】
ついで、ステップ170およびステップ172にて、所定のTα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ170においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ170にて「NO」と判定するので、ステップ172に進み、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定したTα時間(なお、このTα時間は両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0064】
Tα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ170にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ174に進める。一方、Tα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ172にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ176以降に進める。
【0065】
ステップ174においては、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定したTα時間が経過したか否かの判定を行う。Tα時間が経過してステップ174に「Yes」と判定すると、プログラムをステップ180に進め、ステップ174にて「No」と判定すると、Tα時間が経過するまでステップ174の処理を継続する。
【0066】
ついで、ステップ176およびステップ178にて、所定のTβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ176においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ176にて「NO」と判定するので、プログラムをステップ178に進め、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tβ時間(なお、この設定時間Tβは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、60秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0067】
Tβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ176にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ180に進める。一方、Tβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ178にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ180以降に進める。
【0068】
ステップ180からステップ184においては、高電圧を印加してから所定の時間(Tγ−Tβ)が経過するまでは生成水を排水するようにしている。即ち、ステップ180においては、直流電源装置60に定電流モードの指令を送出する。これにより、直流電源装置60は両電極34,35間に常に定電流(例えば10A)が流れるような直流高電圧を印加する。ついで、ステップ182に進み、ステップ163にて計時値t5の計時動作を開始した第5のタイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tγ(なお、この設定時間Tγは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、70秒、即ち両電極34,35間に高電圧を印加してから10秒(Tγ−Tβ)に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。設定時間Tγが経過してステップ182にて「Yes」と判定すると、ステップ184に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。
【0069】
このように、Tα時間が経過するまでに濃度センサ24により検出された濃度CがCo−α以下になると、Tα時間が経過すると高電圧を印加し、Tβ時間が経過すると、濃度センサ24により検出された濃度CがCo−α以下になってもならなくても高電圧を印加して電解水の生成作動を継続し、生成ランプが点灯しているのに拘わらず電解生成水が出てこない不自然さを解消する。
【0070】
ステップ184にて排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換えて、生成水を各貯水タンク40,50に蓄えるようにした後、プログラムをステップ186以降に進める。ステップ186およびステップ188においては、予め設定した設定時間Tδ内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ186においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ186にて「NO」と判定するので、プログラムをステップ188に進め、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tδ時間(なお、この設定時間Tδは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0071】
Tδ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ186にて「Yes」と判定して、プログラムを上述したステップ146に進め、生成動作を継続して実行する。一方、Tδ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ188にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ190以降に進める。
【0072】
ステップ190においては、警報器72を制御して警報音を発生させる。また、表示器73を制御して、濃塩水バルブ15等の濃塩水補給手段に故障が発生した旨の表示をした後、プログラムをステップ192に進める。ステップ192においては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23を閉状態に切り換え、電解水の生成動作を停止する。ついで、ステップ194において、運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換え、ステップ196にて、生成処理のプログラムの実行を終了する。なお、この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0073】
上述した本実施形態においては、ステップ120にて第2給水バルブ23を開状態に切り換えて、希塩水タンク20への水を補給を開始させて、T3時間(第1の時間)が経過するまでに希塩水タンク内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ124およびステップ126(第1判定手段)にて濃度異常と判定する。ステップ124およびステップ126(第1判定手段)にて濃度異常と判定すると、ステップ160にて生成ポンプ29を作動させて電解槽30への希塩水の供給を開始するとともに、ステップ166,168にて電極34,35に電気分解を生じないような低電圧(2V)を印加する。
【0074】
これにより、希塩水タンク20内の水位が低下して下限水位より低下すると、第2給水バルブ23を開状態に切り換えて希塩水タンク20への水の補給を開始させるので、濃塩水バルブ15が正常であれば希塩水タンク20内の希塩水の濃度が低下することとなるが、濃塩水バルブ15に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク20内に濃塩水が補給されて希塩水タンク20内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、電極34,35に低電圧の印加後、Tβ時間(第2の時間)が経過するまでに、希塩水タンク20内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定する。
【0075】
ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定すると、ステップ180にて高電圧を印加し、高電圧の印加後、(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過するまでに希塩水タンク20内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ186およびステップ188(第3判定手段)にて濃度異常と判定する。通常、一時的な濃度異常は(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過するまでに解消するため、ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定すると、一旦、高電圧を印加して電解水の生成動作を開始する。
【0076】
しかしながら、濃塩水バルブ15に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過しても希塩水タンク20内に濃塩水が補給されて希塩水タンク20内の希塩水の濃度は低くならないため、ステップ186およびステップ188(第3判定手段)にて濃度異常と判定するとステップ190にて異常を報知するとともに、ステップ192にて生成動作を停止するようにしている。そのため、電解槽30内において、異常な高濃度の希塩水により長時間にわたって電気分解を行わなくなるので、電極34,35間に長時間にわたって大電流が流れることが防止できるようになり、大電流に起因する直流電源装置60の破損、異常停止、電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0077】
また、当該生成装置の運転を開始して設定時間T(例えば、10〜20時間)毎、あるいは運転を停止する毎に、流路切換弁36の切換状態を転換するとともに、両電極34,35間に印加する電圧の極性を転換するので、両電極室32,33は交互に酸性イオン水とアルカリ性イオン水を生成することとなり、両電極室32,33にスケールが付着することが防止できるようになる。
【0078】
さらに、生成動作を開始して所定の時間(Ta時間:例えば30秒)が経過するまでは両電極室32,33に定電圧(例えば2V)を印加(ステップ130,132)し、所定の時間(Ta時間:例えば30秒)が経過すると定電流(例えば10A)が流れるような高電圧を印加(ステップ136)するようにしているので、電解槽30に高濃度の希塩水が供給されても、いきなり両電極34,35間に過電流が流れることが防止でき、過電流が流れることに起因した直流電源装置60の破損、異常停止、あるいは両電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0079】
なお、上記した実施形態においては、電磁バルブよりなる濃塩水バルブ15を用いて濃塩水タンク10内の濃塩水を希塩水タンク20に補給するようにしたが、同バルブ15に代えて電動ポンプを用いるようにしてもよい。この場合、濃塩水タンク10を希塩水タンク20の上方に位置させる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電解水生成装置の全体概略図である。
【図2】図1の電解水生成装置の第1実施形態の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により実行されるプログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図3】同プログラムの中間部分を示すフローチャートである。
【図4】同プログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…濃塩水タンク、11…給水管、12…第1給水バルブ、13…水位センサ、14…供給管、15…濃塩水バルブ、17…隔壁、10a…補給室、10b…供給室、20…希塩水タンク、21…仕切り板、22…給水管、23…第2給水バルブ、24…濃度センサ、25…水位センサ、27…供給管、28…循環ポンプ、29…生成ポンプ、20a…第1室、20b…第2室、30…電解槽、30a,30b…フローセンサ、32a,33a…導管、33b,33b…排出バルブ、34,35…電極、36…流路切換弁、37,38…排出管、40…酸性イオン水貯水タンク、43…水位センサ、50…アルカリ性イオン水貯水タンク、53…水位センサ、60…直流電源装置、70…電気制御回路(マイクロコンピュータ),71…運転スイッチ、72…警報器、73…表示器0、74…流路切換タイマ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、濃塩水タンク内に蓄えられた飽和状態の濃塩水と外部から供給される水とを混合して調製した所定の濃度の希塩水を希塩水タンク内に蓄えておき、同蓄えられている希塩水を電解槽に供給するとともに同電解槽にて電気分解してアルカリ性イオン水と酸性イオン水を生成し、これらの生成水を電解槽から取り出す電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置は、濃塩水タンク内に多量の塩と所定量の水を収容して塩をほぼ飽和状態にて水に溶解させておき、電解層内に希塩水を供給して電解水の生成を開始して、希塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同タンク内に水を補給するようにし、また希塩水タンク内に設けた濃度センサにより検出された希塩水の濃度が所定の濃度より低くなったとき、濃塩水タンクから希塩水タンクに濃塩水を補給して希塩水タンク内の希塩水の濃度を所定の濃度に調整するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置にあっては、生成水の貯水槽の水位が上限となって生成待機状態となった場合に、濃塩水供給手段を構成する電磁バルブなどに異常が発生して濃塩水漏れを生じ、濃塩水タンクの水位が下限になるまで漏れると、濃塩水タンク内に給水装置から上限の水位まで水を補給する。生成待機状態がさらに継続すると、同様の動作を繰り返して行うこととなる。そのため、希塩水タンク内の希塩水の濃度は所定の濃度より徐々に高くなるが、生成水の貯水槽の水位が下限となって、希塩水タンク内の濃度が所定の濃度になると生成動作を開始するようにしているため、電解槽内において高い塩濃度の希塩水を電気分解することとなる。その結果、電解槽内に配置された両電極間に大きな電流が流れることとなり、電源装置の過電流に起因する破損や異常停止を生じたり、あるいは電解槽にて均質な電解水が長時間に渡って生成されなかったり、同電解槽内の電極が劣化したりする等の問題を生じる。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に対処するためになされもので、濃塩水供給手段に濃塩水漏れ等の異常を生じるとこの異常を検出して電解水の生成動作を停止して、過電流から機器を保護できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
本発明は、電解槽内に配設した一対の電極に直流電圧を印加することにより同電解槽に供給された希塩水を電気分解してアルカリ性イオン水と酸性イオン水を生成し、生成したアルカリ性イオン水と酸性イオン水を同電解槽から取り出すようにしてなる電解水生成装置であって、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明においては、飽和状態の濃塩水を蓄える濃塩水タンクと、この濃塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同濃塩水タンクに水を補給する第1給水手段と、所定の低濃度の希塩水を蓄える希塩水タンクと、この希塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同希塩水タンクに水を補給する第2給水手段と、希塩水タンク内に設けられて同タンク内の塩水の濃度を検出する濃度センサと、この濃度センサにより検出された濃度が所定の低濃度より低いとき濃塩水タンクから希塩水タンクに濃塩水を補給して同希塩水タンク内の希塩水の濃度をほぼ所定の低濃度まで高める濃塩水補給手段と、希塩水タンク内に蓄えられている希塩水を取り出して電解槽に供給する希塩水供給手段と、電解槽から取り出したアルカリ性イオン水を貯水するアルカリ性イオン水貯水タンクと、電解槽から取り出した酸性イオン水を貯水する酸性イオン水貯水タンクとを備えている。
【0006】
さらに、両貯水タンクが満水となった後、どちらか一方の貯水タンクの水位が所定水位より低下して電解水の生成を開始する状態となったとき、第2給水手段により希塩水タンクへの水の補給を開始し、水の補給の開始後第1の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第1判定手段と、この第1判定手段が濃度異常と判定すると、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加し、低電圧の印加後第2の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第2判定手段と、この第2判定手段が濃度異常と判定すると、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加し、高電圧の印加後第3の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第3判定手段とを備え、第3判定手段が濃度異常と判定すると高電圧の印加を停止して各イオン水の生成を行わないようにするとともに異常を報知するようにしたことにある。
【0007】
これによれば、各イオン水の生成を開始する状態になると、第2給水手段により希塩水タンクへ水を補給するので、希塩水タンク内の水位は上昇してオーバーフローする。これにより、濃塩水補給手段が正常であれば希塩水タンク内の希塩水の濃度は低下することになるが、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、第2給水手段による希塩水タンクへの水の補給を開始させて第1の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第1判定手段は濃度異常と判定する。
【0008】
第1判定手段が濃度異常と判定すると、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加する。これにより、希塩水タンク内の水位が低下して下限水位より低下すると、第2給水手段による希塩水タンクへの水の補給を開始させるので、濃塩水補給手段が正常であれば希塩水タンク内の希塩水の濃度が低下することとなるが、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、低電圧の印加後第2の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第2判定手段は濃度異常と判定する。
【0009】
第2判定手段が濃度異常と判定すると、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加し、高電圧の印加後第3の時間が経過するまでに希塩水タンク内の希塩水の濃度が所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは第3判定手段は濃度異常と判定する。ここで、通常、一時的な濃度異常は第3の時間が経過するまでに解消するため、第2判定手段が濃度異常と判定すると、一旦、一対の電極に高電圧を印加して電解水の生成動作を開始する。
【0010】
しかしながら、濃塩水補給手段に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、第3の時間が経過しても希塩水タンク内に濃塩水が補給されて希塩水タンク内の希塩水の濃度は低くならないため、第3判定手段が濃度異常と判定すると各イオン水の生成を行わないようにするとともに異常を報知するようにしている。そのため、電解槽内において、異常な高濃度の希塩水により長時間にわたって電気分解を行わなくなるので、一対の電極間に長時間にわたって大電流が流れることが防止できるようになり、大電流に起因する電源装置の破損、異常停止を防止できるようになる。
【0011】
請求項2に係る発明においては、第1判定手段が濃度異常と判定しないと、希塩水供給手段を作動させて電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加した後、同一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、第2判定手段が濃度異常と判定しないと、一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、第3判定手段が濃度異常と判定しないと、一対の電極に高電圧の印加を継続して電解水を生成するようにしたことにある。
【0012】
これによれば、第1判定手段が濃度異常と判定しないと、所定の低濃度の希塩水により低電圧を印加した後、高電圧を印加して電気分解を開始するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。また、第2判定手段が濃度異常と判定しないと、直ちに高電圧を印加して電解水の生成を開始するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。さらに、第3判定手段が濃度異常と判定しないと、高電圧を継続して印加して電解水を生成するので、均質な電解水を効率よく生成することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は同実施形態に係る電解水生成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0014】
この電解水生成装置は、濃塩水を蓄える濃塩水タンク10(例えば、容量約10リットル)と、同タンク10の下方に設けられて希塩水を蓄える希塩水タンク20(例えば、容量約20リットル)と、希塩水タンク20から供給される希塩水を電気分解する電解槽30と、電解槽30にて生成された酸性イオン水を蓄える酸性イオン水貯水タンク40(例えば、容量約500〜1000リットル)と、電解槽30にて生成されたアルカリ性イオン水を蓄えるアルカリ性イオン水貯水タンク50(例えば、容量約500〜1000リットル)と、電解槽30内に配設された両電極34,35に電圧を印加する直流電源装置60とを備えている。
【0015】
濃塩水タンク10内には、このタンク10内を補給室10aと供給室10bの2室に区画する隔壁17を配設しており、両室10a,10bの容量は例えば3対1程度に設定されている。補給室10aには塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩が多量に補給されるとともに、図示しない外部給水源(例えば、水道)から給水管11を介して水が圧送されるようになっている。この給水管11には電磁バルブよりなる第1給水バルブ12が介装されていて、同バルブ12は給水管11と共に濃塩水タンク10に水を補給するための第1給水手段を構成する。濃塩水タンク10の補給室10aは補給された塩を水によりほぼ飽和状態に溶解させてなる濃塩水で常に満たされており、溶解し得ない残りの塩Sは同補給室10aの底部に常に沈澱している。そして、飽和状態に溶解させてなる濃塩水は隔壁17をオーバーフローして供給室10bに流入する。
【0016】
また、濃塩水タンク10の供給室10b内には、フロート式の水位センサ13が収容されている。水位センサ13は、濃塩水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同濃塩水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。そして、供給室10b内には、希塩水タンク20に濃塩水を供給するための供給管14が同タンク10の底部にて上方向に侵入し、同供給管14の上端面は、前記下限水位より低い位置にて開口している。供給管14にはピンチバルブよりなる濃塩水バルブ15が介装されていて、同バルブ15は供給管14と共に濃塩水補給手段を構成する。
【0017】
このように、濃塩水タンク10内を大きい容量の補給室10aと小さい容量の供給室10bとに隔壁17により区画することにより、濃塩水バルブ15に故障等を生じて濃塩水漏れを起こしても、第1給水バルブ12を閉動作させて新たな水を補給しないようにすれば、濃塩水の漏れ量は供給室10b内に残存する濃塩水の量だけとなるので、濃塩水の漏れ量を制限することができるようになる。また、補給室10a内に水を補給するようにし、供給室10b内に水位センサ13を設けるようにすれば、第1給水バルブ12を開動作させて水を補給しても、供給室10b内は波立つことがないので、水の補給時に水位を誤検出することが防止できるようになる。
【0018】
希塩水タンク20内には、このタンク20内を仕切り板21によりその内部で連通させた状態で第1室20aと第2室20bとに区画し、両室20a,20bの容量は例えば3対1程度に設定している。第1室20aの上方には供給管14の下端出口及び給水管22の出口が配置されており、同第1室20aには、前記濃塩水が供給管14を介して供給されるとともに、外部給水源からの水も給水管22を介して供給されるようになっている。この給水管22には電磁バルブよりなる第2給水バルブ23が介装されていて、同バルブ23は給水管22と共に希塩水タンク20に水を補給するための第2給水手段を構成する。
【0019】
第1室20a内には濃度センサ24が収容され、同センサ24は希塩水タンク20内の希塩水の濃度Cを検出する。また、この第1室20aの底部には、攪拌用の導管26及び電解槽30に希塩水を供給するための供給管27の入口が接続されている。導管26の他端は第1室20aの側壁に接続され、導管26の中間部には希塩水タンク20内の希塩水を攪拌するための電動ポンプよりなる循環ポンプ28が介装されている。供給管27にも電動ポンプよりなる生成ポンプ29が介装されていて、同ポンプ29は供給管27と共に希塩水供給手段を構成する。
【0020】
希塩水タンク20の第1室20aに連通した第2室20b内には水位センサ25が収容され、同センサ25は希塩水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同希塩水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。このように、希塩水タンク20内を仕切り板21によりその内部で連通させた状態で第1室20aと第2室20bとに区画し、第1室20a内に水を補給するようにし、第2室20b内に水位センサ25を設けるようにすれば、第2給水バルブ23を開動作させて水を補給しても、第2室20b内は波立つことがないので、水の補給時に水位を誤検出することが防止できるようになる。
【0021】
なお、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の各側壁にはオーバーフローパイプ16が接続されており、同パイプ16は前記水位センサ13,25によりそれぞれ検出される上限水位より若干高い位置にて各タンク10,20内に開口している。これにより、各タンク10,20の水位がオーバーフロー管16の各開口位置より高くなると、各タンク10,20内の塩水が外部に排出されるようになっている。
【0022】
電解槽30は内部が隔膜31によって第1電極室32及び第2電極室33に区画されていて、各電極室32,33には、生成ポンプ29の作動により供給管27、各フローセンサ30a,30b、各ニードルバルブ39a,39bを介して希塩水が供給されるようになっている。また、各電極室32,33の流出口には導管32a,33aを介して流路切換弁36が接続されている。両導管32a,33aはそれぞれ分岐しており、分岐した一方は流路切換弁36にそれぞれ接続され、分岐した他方は各排出バルブ32b,33bに接続されている。そして、各排出バルブ32b,33bを開動作することにより、各電極室32,33に供給された希塩水を外部に排出する。
【0023】
流路切換弁36は4ポート2位置切換弁であって、電動モータ(図示省略)によって切換駆動されるものであり、図1の仮想線で示した第2切換状態(導管32aが排出管38に接続され、導管33aが排出管37に接続されて、図1の破線矢印で示す方向に連通している状態)にて後述する電気制御回路70から信号を受けたとき図1の実線で示した第1切換状態(導管32aが排出管37に接続され、導管33aが排出管38に接続されて、図1の実線矢印で示す方向に連通している状態)に切り替わり、また図1の実線で示した第1切換状態にて電気制御回路70から信号を受けたとき図1の仮想線で示した第2切換状態に切り替わるようになっており、図1の仮想線で示した第2切換状態にあるか実線で示した第1切換状態にあるかはセンサ(図示省略)によって検出されるようになっている。
【0024】
各電極室32,33には、第1電極34及び第2電極35が隔膜31を間にして対向して配設しており、両電極34,35はチタン基材の表面に白金メッキあるいは白金イリジウムを焼成してなるもので、直流電源装置60から正負の直流電圧が印加されるようになっている。この直流電源装置60は流路切換弁36が第1切換状態にあって電気制御回路70からの第1の信号を受けたとき順方向の直流電圧を両電極34,35に印加し、希塩水タンク20から供給された希塩水を電気分解して、第1電極室32にて酸性イオン水を生成させ、第2電極室33にてアルカリ性イオン水を生成させる。また、直流電源装置60は流路切換弁36が第2切換状態にあって電気制御回路70からの第2の信号を受けたとき逆方向の直流電圧を両電極34,35に印加し、希塩水タンク20から供給された希塩水を電気分解して、第1電極室32にてアルカリ性イオン水を生成させ、第2電極室33にて酸性イオン水を生成させる。
【0025】
したがって、流路切換弁36が図1の実線で示した第1切換状態にある場合、第1電極室32にて生成された酸性イオン水は導管32a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を介して酸性イオン水貯水タンク40に供給され、第2電極室33にて生成されたアルカリ性イオン水は導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管38を介してアルカリ性イオン水貯水タンク50に供給されるようになっている。一方、流路切換弁36が図1の仮想線で示した第2切換状態にある場合、第1電極室32にて生成されたアルカリ性イオン水は導管32a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管38を介してアルカリ性イオン水貯水タンク50に供給され、第2電極室33にて生成された酸性イオン水は導管33a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管37を介して酸性イオン水貯水タンク40に供給されるようになっている。
【0026】
酸性イオン水貯水タンク40には水位センサ43が収容され、同センサ43は酸性イオン水の水位が同タンク40の満杯に近い上限水位以上になったことを検出するとともに、同酸性イオン水の水位が同上限水位より若干低い下限水位以下になったことも検出する。アルカリ性イオン水貯水タンク50にも、水位センサ53が収容され、同センサ53はアルカリ性イオン水の水位が所定の上限水位以上になったことを検出するとともに、同アルカリ性イオン水の水位が同上限水位より低い下限水位以下になったことも検出する。
【0027】
この電解水生成装置は、水位センサ13,25,43,53、濃度センサ24、フローセンサ30a,30b、流路切換弁36の状態を検出するセンサ、第1、第2給水バルブ12,23、濃塩水バルブ15、各排出バルブ32b,33b、循環ポンプ28、生成ポンプ29及び直流電源装置60に接続された電気制御回路70を備えている。この電気制御回路70はマイクロコンピュータにより構成されており、図2,3.4に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、各バルブ12,15,23,32b,33bの開閉、流路切換弁36の切換作動、各ポンプ28,29の作動及び直流電源装置60の作動ならびに極性切換(順方向電圧、逆方向電圧の切換)を制御する。また、この電気制御回路70には、運転スイッチ71、警報器72、表示器73及び流路切換タイマ74も接続されている。
【0028】
運転スイッチ71はこの電解水生成装置の運転の開始及び停止を制御するためのもので、手動操作によりオン状態又はオフ状態に切り換えられるとともに、内蔵の電磁ソレノイドにより制御されてオン状態からオフ状態に切り換えられるようになっている。警報器72はこの電解水生成装置の異常時に警報を発生するためのもので、表示器73は同異常時に異常の種類を表示するためのものである。流路切換タイマ74は設定時間T(例えば10〜20分)を可変設定するための設定器を備えており、この設定器により設定した設定時間T(例えば10〜20分)が経過すると経過信号を出力するためのものであって、経過信号を出力する毎に流路切換弁36は第1の状態から第2の状態に、あるいは第2の状態から第1の状態に切り換えられることとなる。
【0029】
次に、上記のように構成した本実施形態の動作を説明する。まず、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩Sを濃塩水タンク10の補給室10a内に多量に投入して、同タンク10内の濃塩水をほぼ飽和状態にするとともに、残留の塩Sが同タンク10の補給室10aの底に常に沈澱している状態にしておく。なお、塩Sが不足している場合には随時補充する。その後、電源スイッチ(図示しない)の投入により、電気制御回路70は、図2のステップ100にてプログラムの実行を開始し、ステップ102にて運転スイッチ71がオン状態にあるか否かを判定する。運転スイッチ71がオフ状態に保たれている間、ステップ102の処理が続けられる。運転スイッチ71がオン状態に切り換えられると、ステップ102にて「YES」と判定して、プログラムをステップ104に進める。ついで、ステップ104以降に進み、ステップ104にて濃塩水タンク10に対する初期給水処理、ステップ106にて希塩水タンク20に対する初期給水処理及びステップ108にて循環ポンプ28を駆動しての希塩水タンク20の初期濃度調整処理を実行する。
【0030】
ステップ104の濃塩水タンク10に対する初期給水処理においては、水位センサ13により検出される濃塩水の水位が上限水位未満であれば、同水位が上限水位になるまで第1給水バルブ12を開状態に切り換え、濃塩水タンク10の補給室10aに外部から水を補給する。ステップ106の希塩水タンク20に対する初期給水処理においては、水位センサ25により検出される希塩水の水位が上限水位未満であれば、同水位が上限水位になるまで第2給水バルブ23を開状態に切り換えて、希塩水タンク20の第1室20aに外部から水を補給する。
【0031】
また、ステップ108の希塩水タンク20の初期濃度調整処理においては、循環ポンプ28を駆動して希塩水タンク20内の希塩水を撹拌するとともに、希塩水タンク20に対する水の補給により同タンク20内の希塩水の濃度が所定の濃度Co(例えば、0.1重量%)より微少量ΔCo(例えば、0.03重量%)だけ低い下限値Co−ΔCo(例えば、0.07重量%)より低くなり、濃度センサ24がこれを検出すると、濃塩水バルブ15を開状態に切り換えて濃塩水タンク10の供給室10bから希塩水タンク20の第1室20aに濃塩水を補給する。
【0032】
そして、濃度センサ24により検出される希塩水の濃度が所定の濃度Coより微少量ΔCoだけ高い上限値Co+ΔCo(例えば、0.13重量%)になると、濃塩水バルブ15を閉状態に切り換えて前記濃塩水の補給を停止する。これらのステップ104〜108の処理により、濃塩水タンク10内には濃塩水が上限水位まで蓄えられ、希塩水タンク20内にはほぼ所定の濃度Co±ΔCo(例えば、0.07〜0.13重量%)の希塩水が上限水位まで蓄えられる。
【0033】
これらのステップ104〜108の処理後、ステップ110においては、流路切換タイマ74にリセット信号を送出してその計時値tをリセット(t=0)させ、流路切換タイマ74の計時値tの計時動作を開始させ、プログラムをステップ112に進める。
【0034】
ステップ112においては、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、およびアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が上限水位に達しているか否かを判定する。この場合、酸性イオン水およびアルカリ性イオン水の水位が上限水位未満であれば、ステップ112にて「No」と判定して、プログラムをステップ114に進め、生成待機状態となる。
【0035】
電解槽30にて希塩水が電気分解され続け、同電気分解された酸性イオン水及びアルカリ性イオン水が酸性イオン水貯水タンク40及びアルカリ性イオン水貯水タンク50に蓄積され続けて、両水位センサ43、53が上限水位を検出すると、ステップ112にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ112aに進める。
【0036】
ついで、ステップ112a〜112cにて、排水バルブ32b,33bを開状態に切り換えて電解槽30内に残留するイオン水を外部に排出する。即ち、ステップ112aにて、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第2タイマをリセット動作させてその計時値t2の計時動作を開始させるとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、ステップ112bにて、第2タイマの計時値t2が予め設定したT2時間(なお、このT2時間は電解槽30内に残留するイオン水を排水する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。T2時間が経過するとステップ112bにて「Yes」と判定してステップ112cに進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換え、プログラムをステップ112dに進める。
【0037】
ステップ112dにおいては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23を閉状態に切り換える。なお、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60に関して、既にオフ状態にある場合はそのままオフ状態を保つとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15および第2給水バルブ23に関して、既に閉状態にある場合はそのまま閉状態を保つ。
【0038】
これにより、希塩水タンク20内の希塩水の攪拌、希塩水タンク20から電解槽30への希塩水の供給、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20への給水、希塩水タンク20内の希塩水の濃度調整、及び両電極34,35への電圧印加が停止するとともに、電解槽30内に残留するイオン水が外部に排出されて、当該電解水生成装置は電解水の生成待機状態になる。
【0039】
ステップ114においては、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、あるいはアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が下限水位に達しているか否かを判定する。始めて各イオン水の生成動作を開始した場合、あるいは生成待機中に酸性イオン水あるいはアルカリ性イオン水を使用して貯水タンク40,50のどちらか一方の水位が下限水位に達した場合は、ステップ114にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ116に進める。ステップ114にて「No」と判定すると、どちらか一方の水位が下限水位に達するまでステップ114の処理が続けられる。
【0040】
続いてステップ116〜120にて、排水バルブ32b,33bを所定のT1時間だけ開動作させて電解槽30内に残留するイオン水を外部に排出する。即ち、ステップ116にて、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第1タイマをリセット動作させてその計時値t1の計時動作を開始させるとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、ステップ118にて、第1タイマの計時値t1が予め設定したT1時間(なお、このT1時間は電解槽30内に残留するイオン水を排水する時間であって、例えば、40秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。T1時間が経過するとステップ118にて「Yes」と判定してステップ120に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。これにより、電解槽30内に残留するイオン水は外部に排出されることとなる。
【0041】
ついで、ステップ122にて、第2給水バルブ23に開信号を送出して第2給水バルブ23を開状態に切り換えるとともに、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第3タイマをリセット動作させて、その計時値t3の計時動作を開始させ、プログラムをステップ124に進める。これにより、希塩水タンク20内に外部より水が補給され、水位が上昇することとなるが、余分な希塩水はオーバーフロー管16より外部に排出されることとなる。
【0042】
ついで、ステップ124およびステップ126にて、設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ124においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ124にて「NO」と判定するので、ステップ126に進み、ステップ122にて計時動作を開始した第3タイマの計時値t3が予め設定した設定時間T3(なお、この設定時間T3は希塩水タンク20内へ水を補給する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0043】
設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ124にて「Yes」と判定して、プログラムを図3のステップ128に進める。一方、設定時間T3内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ126にて「Yes」と判定して、プログラムを図4のステップ160に進める。
【0044】
ステップ128においては、生成ポンプ29に駆動信号を送出して、生成ポンプ29を駆動させて作動状態にするとともに、排水バルブ32b,33bに開信号を送出して排水バルブ32b,33bを開状態に切り換え、プログラムをステップ130に進める。なお、循環ポンプ28が作動状態にない場合は 循環ポンプ28に駆動信号を送出して、循環ポンプ28を駆動させて作動状態にする。
【0045】
ステップ130においては、フローセンサ30a,30bがオン信号を出力しているか否かの判定を行う。生成ポンプ29が正常に作動し、かつ配管詰まり等の異常がなければ、供給管27内を希塩水が流れてフローセンサ30a,30bがオンとなり、ステップ130にて「Yes」と判定して、ステップ132に進める。これにより、希塩水タンク20内の希塩水は供給管27、フローセンサ30a,30bおよびニードルバルブ39a,39bを介して電解槽30に連続的に供給され、排水バルブ32b,33bを介して外部に排水されることとなる。
【0046】
ここで、長期間の電解水の生成動作をするにつれて徐々に供給管27に配管詰まりが生じて、生成ポンプ29を作動させても供給管27内に所定のレベル以上の希塩水の流量が流れなくなったり、あるいは生成ポンプ29に故障を生じて、フローセンサ30a,30bがオン信号を出力しなくなると、ステップ130にて「No」と判定して、プログラムをステップ130aに進める。
【0047】
ステップ130aにおいては、警報器72を制御して警報音を発生させるとともに、表示器73を制御して、配管詰まりあるいは生成ポンプ29が異常である旨の表示をした後、プログラムをステップ130bに進める。ステップ130bにおいては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23および排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。ついで、ステップ130cにおいて、運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換え、ステップ130dにて、生成処理のプログラムの実行を終了する。この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0048】
ステップ131においては、電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第4タイマをリセット動作させてその計時値t4の計時動作を開始させ、プログラムをステップ132に進める。ステップ132に進むと、流路切換弁36が図1の実線に示した第1切換状態に保持されているか否かを判定し、「Yes」と判定したときには、ステップ134にて電解槽30内の一対の電極34,35間に順方向(電極34を正側電圧、電極35を負側電圧)の直流定電圧(例えば2V)を印加して、電極34が陽極側となり電極35が陰極側となる。一方、流路切換弁36が図1の仮想線に示した第2切換状態に保持されていると、ステップ132にて「No」と判定し、ステップ136にて電解槽30内の一対の電極34,35間に逆方向(電極34を負側電圧、電極35を正側電圧)の直流定電圧(例えば2V)を印加して、電極34が陰極側となり電極35が陽極側となる。
【0049】
両電極34,35間に直流定電圧(例えば2V)を印加した後、ステップ131にて計時動作を開始した第4タイマの計時値t4が予め設定した設定時間Ta(なお、この時間Taは両電極34,35間に直流定電圧(例えば2V)を印加する時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過して経過信号を送出したか否かの判定を行う。Ta時間が経過するとステップ138にて「Yes」と判定してステップ140に進み、直流電源装置60に定電流モードの指令を送出した後、プログラムをステップ142に進める。これにより、直流電源装置60は両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)が流れるような直流高電圧を印加することとなる。
【0050】
このように、所定時間(Ta時間)が経過するまでは2V程度の直流定電圧を印加し、所定時間(Ta時間)が経過すると10A程度の定電流が流れるような直流高電圧を印加するようにすることにより、間違って高濃度の希塩水が電解槽30に供給されても、いきなり両電極34,35間に過電流が流れることが防止でき、過電流が流れることに起因した直流電源装置60の破損、異常停止、あるいは両電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0051】
ステップ142においては、ステップ131にて計時動作を開始した第4タイマの計時値t4が予め設定した設定時間Tb(なお、この時間Tbは、両電極34,35に電圧を印加後、電解槽30内に供給した希塩水を排水バルブ32b,33bを通して外部に排水する時間であって、例えば、40秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過して経過信号を送出したか否かの判定を行う。Tb時間が経過するとステップ142にて「Yes」と判定してステップ144に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。
【0052】
これにより、電解槽30の各電極室32,33に供給された希塩水は、流路切換弁が第1状態にあって、両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)の電流が流れるような順方向の直流高電圧が印加されて電解槽30内で電解されると、陽極側電極34の電極室32からは水素イオンが増加した酸性イオン水が導管32a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を通して大容量の酸性イオン水貯水タンク40に送られ、また陰極側電極35の電極室33からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管38を通して大容量のアルカリ性イオン水貯水タンク50に送られることとなる。一方、流路切換弁が第2状態にあって、両電極34,35間に常に定電流(例えば、10A)の電流が流れるような逆方向の直流高電圧が印加されて電解槽30内で電解されると、陰極側電極34の電極室32からは水酸イオンが増加したアルカリ性イオン水が導管32a、第2切換状態の流路切換弁36および排出管38を通して大容量のアルカリ性イオン水貯水タンク50に送られ、また陽極側電極35の電極室33からは水素イオンが増加した酸性イオン水が導管33a、第1切換状態の流路切換弁36および排出管37を通して大容量の酸性イオン水貯水タンク40に送られることとなる。
【0053】
ステップ146においては、水位センサ13による水位検出に基づき、濃塩水タンク10内の濃塩水の水位が下限水位以下になった時点で第1給水バルブ12を開状態に切り換え、同切り換えによる給水により、同タンク10内の濃塩水の水位が上限水位以上になった時点で第1給水バルブ12を閉状態に切り換える。また、水位センサ25による水位検出に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の水位が下限水位以下になった時点で第2給水バルブ23を開状態に切り換え、同切り換えによる給水により、同タンク20内の希塩水の水位が上限水位以上になった時点で第2給水バルブ23を閉状態に切り換える。
【0054】
さらに、ステップ146においては、濃度センサ24による検出濃度に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が前記下限値Co−ΔCoより低くなった時点で濃塩水バルブ15を開状態に切り換え、同切り換えによる濃塩水の供給により、同タンク20内の希塩水の濃度が前記上限値Co+ΔCo以上になった時点で濃塩水バルブ15を閉状態に切り換える。
【0055】
ステップ148に進むと、酸性イオン水貯水タンク40内に配設された水位センサ43により検出される酸性イオン水の水位、およびアルカリ性イオン水貯水タンク50内に配設された水位センサ53により検出されるアルカリ性イオン水の水位が上限水位に達しているか否かを判定する。酸性イオン水およびアルカリ性イオン水の水位が上限水位未満であれば、ステップ148にて「No」と判定して、ステップ146に戻り、ステップ146の処理を繰り返し実行する。ステップ146の処理を繰り返し実行しているうちに、酸性イオン水貯水タンク40およびアルカリ性イオン水貯水タンク50の各水位が上限水位に達すると、ステップ148にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ150に進める。
【0056】
ステップ150においては、ステップ110にて計時値tの計時動作を開始した流路切換タイマ74が設定時間Tが経過(t≧T)して、時間経過信号を出力したか否かの判定を行う。流路切換タイマ74の計時値tが設定時間Tに満たないときにはステップ150にて「No」と判定してステップ152の処理を実行し、また上記した計時値tが設定時間Tに達するとステップ150にて「Yes」と判定してステップ154に進む。上記した設定時間Tは流路切換タイマ74に備えられた設定器によって、例えば10〜20時間の範囲で適宜に変更可能である。
【0057】
ステップ152に進むと、運転スイッチ71がオン操作されているか否かを判定する。このとき、運転スイッチ71がオン操作されていれば、ステップ152にて「Yes」と判定してステップ112に戻り、ステップ112にて「Yes」と判定して、ステップ112aからステップ112dの処理を実行した後、生成待機状態となる。運転スイッチ71がオフ操作されていれば、ステップ152にて「No」と判定してステップ154に進む。
【0058】
ステップ154においては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換え、プログラムをステップ156に進める。ステップ156においては、電気制御回路70は流路切換弁36の電動モータに駆動信号を送出する。すると、電動モータは流路切換弁36を90度だけ回転駆動するため、ステップ132にて流路切換弁36が第1切換状態と判定した場合は第2切換状態に変更し、逆にステップ132にて流路切換弁36が第2切換状態と判定した場合は第1切換状態に変更されることとなる。この後、ステップ102に戻り、上述のステップ102からステップ156までの処理を繰り返して実行する。
【0059】
このように、ステップ156にて流路切換弁36が90度回転駆動されることにより、再度、生成動作を再開すると、上述のステップ132にて流路切換弁36が第1切換状態にあると、今度は、流路切換弁36は第2切換状態となって、電解槽30内の各電極34,35に逆方向の直流電圧が印加される。これにより、各電極室32,33での各イオン水の生成が設定時間T毎にあるいは運転スイッチ71がオフ操作される毎に交互に切換えられても、排出管37からは常に酸性イオン水が排出され、排出管38より常にアルカリ性イオン水が排出されるようになる。
【0060】
ここで、濃塩水バルブ15等の濃塩水補給手段の故障や不具合が生じると、濃塩水は常に供給管14を通して希塩水タンク20に流出し、この濃塩水の流出に伴って、第1給水バルブ12が上限水位と下限水位との間で常にオン/オフ動作することとなる。すると、濃塩水タンク10内は常に給水される状態となるので、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が逐次上昇することとなる。そこで、本実施形態においては、ステップ126にて「No」と判定すると、図4のステップ160以降の処理プログラムを実行することとなる。
【0061】
ステップ160からステップ168においては、上述したステップ128からステップ136までの処理動作と同様にして、生成ポンプ29を作動状態にするとともに、排水バルブ32b,33bを開状態に切り換える。なお、循環ポンプ28が作動状態にない場合は循環ポンプ28を作動状態にする。フローセンサ30a,30bがオン信号を出力していて、ステップ162にて「Yes」と判定すると、ステップ163にて電気制御回路70のマイクロコンピュータが内蔵する第5タイマをリセット動作させて、その計時値t5の計時動作を開始させる。
【0062】
流路切換弁36が第1状態でステップ164にて「Yes」と判定すると、ステップ166にて順方向の2V程度の低電圧を印加し、流路切換弁36が第2状態でステップ164にて「No」と判定すると、ステップ168にて逆方向の2V程度の低電圧を印加した後、プログラムをステップ170に進める。なお、ステップ162にて「No」と判定すると、上述したステップ130aからステップ130dまでの処理を実行する。
【0063】
ついで、ステップ170およびステップ172にて、所定のTα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ170においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ170にて「NO」と判定するので、ステップ172に進み、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定したTα時間(なお、このTα時間は両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、30秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0064】
Tα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ170にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ174に進める。一方、Tα時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ172にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ176以降に進める。
【0065】
ステップ174においては、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定したTα時間が経過したか否かの判定を行う。Tα時間が経過してステップ174に「Yes」と判定すると、プログラムをステップ180に進め、ステップ174にて「No」と判定すると、Tα時間が経過するまでステップ174の処理を継続する。
【0066】
ついで、ステップ176およびステップ178にて、所定のTβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ176においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ176にて「NO」と判定するので、プログラムをステップ178に進め、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tβ時間(なお、この設定時間Tβは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、60秒に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0067】
Tβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ176にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ180に進める。一方、Tβ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ178にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ180以降に進める。
【0068】
ステップ180からステップ184においては、高電圧を印加してから所定の時間(Tγ−Tβ)が経過するまでは生成水を排水するようにしている。即ち、ステップ180においては、直流電源装置60に定電流モードの指令を送出する。これにより、直流電源装置60は両電極34,35間に常に定電流(例えば10A)が流れるような直流高電圧を印加する。ついで、ステップ182に進み、ステップ163にて計時値t5の計時動作を開始した第5のタイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tγ(なお、この設定時間Tγは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、例えば、70秒、即ち両電極34,35間に高電圧を印加してから10秒(Tγ−Tβ)に設定されており、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。設定時間Tγが経過してステップ182にて「Yes」と判定すると、ステップ184に進み、排水バルブ32b,33bに閉信号を送出して排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換える。
【0069】
このように、Tα時間が経過するまでに濃度センサ24により検出された濃度CがCo−α以下になると、Tα時間が経過すると高電圧を印加し、Tβ時間が経過すると、濃度センサ24により検出された濃度CがCo−α以下になってもならなくても高電圧を印加して電解水の生成作動を継続し、生成ランプが点灯しているのに拘わらず電解生成水が出てこない不自然さを解消する。
【0070】
ステップ184にて排水バルブ32b,33bを閉状態に切り換えて、生成水を各貯水タンク40,50に蓄えるようにした後、プログラムをステップ186以降に進める。ステップ186およびステップ188においては、予め設定した設定時間Tδ内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α(例えば、0.067重量%)以下になったか否かを判定する。即ち、ステップ186においては、前記検出濃度CがCo−α以下でなければ、ステップ186にて「NO」と判定するので、プログラムをステップ188に進め、ステップ163にて計時動作を開始した第5タイマの計時値t5が予め設定した設定時間Tδ時間(なお、この設定時間Tδは両電極34,35間に低電圧を印加してからの経過時間であって、マイクロコンピュータのROMに予め記憶させている)が経過したか否かの判定を行う。
【0071】
Tδ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下になると、ステップ186にて「Yes」と判定して、プログラムを上述したステップ146に進め、生成動作を継続して実行する。一方、Tδ時間内に濃度センサ24により検出された濃度Cが前記下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないと、ステップ188にて「Yes」と判定して、プログラムをステップ190以降に進める。
【0072】
ステップ190においては、警報器72を制御して警報音を発生させる。また、表示器73を制御して、濃塩水バルブ15等の濃塩水補給手段に故障が発生した旨の表示をした後、プログラムをステップ192に進める。ステップ192においては、生成ポンプ29、循環ポンプ28および直流電源装置60をオフ状態に切り換えるとともに、第1給水バルブ12、濃塩水バルブ15、第2給水バルブ23を閉状態に切り換え、電解水の生成動作を停止する。ついで、ステップ194において、運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換え、ステップ196にて、生成処理のプログラムの実行を終了する。なお、この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0073】
上述した本実施形態においては、ステップ120にて第2給水バルブ23を開状態に切り換えて、希塩水タンク20への水を補給を開始させて、T3時間(第1の時間)が経過するまでに希塩水タンク内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ124およびステップ126(第1判定手段)にて濃度異常と判定する。ステップ124およびステップ126(第1判定手段)にて濃度異常と判定すると、ステップ160にて生成ポンプ29を作動させて電解槽30への希塩水の供給を開始するとともに、ステップ166,168にて電極34,35に電気分解を生じないような低電圧(2V)を印加する。
【0074】
これにより、希塩水タンク20内の水位が低下して下限水位より低下すると、第2給水バルブ23を開状態に切り換えて希塩水タンク20への水の補給を開始させるので、濃塩水バルブ15が正常であれば希塩水タンク20内の希塩水の濃度が低下することとなるが、濃塩水バルブ15に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、希塩水タンク20内に濃塩水が補給されて希塩水タンク20内の希塩水の濃度は低くならなくなる。そこで、電極34,35に低電圧の印加後、Tβ時間(第2の時間)が経過するまでに、希塩水タンク20内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定する。
【0075】
ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定すると、ステップ180にて高電圧を印加し、高電圧の印加後、(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過するまでに希塩水タンク20内の濃度センサ24により検出された濃度Cが下限値Co−ΔCoより小さい検出値Co−α以下にならないときは、ステップ186およびステップ188(第3判定手段)にて濃度異常と判定する。通常、一時的な濃度異常は(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過するまでに解消するため、ステップ170〜ステップ178(第2判定手段)にて濃度異常と判定すると、一旦、高電圧を印加して電解水の生成動作を開始する。
【0076】
しかしながら、濃塩水バルブ15に故障、不具合を生じて、濃塩水漏れを生じていると、(Tδ−Tγ)時間(第3の時間)が経過しても希塩水タンク20内に濃塩水が補給されて希塩水タンク20内の希塩水の濃度は低くならないため、ステップ186およびステップ188(第3判定手段)にて濃度異常と判定するとステップ190にて異常を報知するとともに、ステップ192にて生成動作を停止するようにしている。そのため、電解槽30内において、異常な高濃度の希塩水により長時間にわたって電気分解を行わなくなるので、電極34,35間に長時間にわたって大電流が流れることが防止できるようになり、大電流に起因する直流電源装置60の破損、異常停止、電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0077】
また、当該生成装置の運転を開始して設定時間T(例えば、10〜20時間)毎、あるいは運転を停止する毎に、流路切換弁36の切換状態を転換するとともに、両電極34,35間に印加する電圧の極性を転換するので、両電極室32,33は交互に酸性イオン水とアルカリ性イオン水を生成することとなり、両電極室32,33にスケールが付着することが防止できるようになる。
【0078】
さらに、生成動作を開始して所定の時間(Ta時間:例えば30秒)が経過するまでは両電極室32,33に定電圧(例えば2V)を印加(ステップ130,132)し、所定の時間(Ta時間:例えば30秒)が経過すると定電流(例えば10A)が流れるような高電圧を印加(ステップ136)するようにしているので、電解槽30に高濃度の希塩水が供給されても、いきなり両電極34,35間に過電流が流れることが防止でき、過電流が流れることに起因した直流電源装置60の破損、異常停止、あるいは両電極34,35の損傷を防止できるようになる。
【0079】
なお、上記した実施形態においては、電磁バルブよりなる濃塩水バルブ15を用いて濃塩水タンク10内の濃塩水を希塩水タンク20に補給するようにしたが、同バルブ15に代えて電動ポンプを用いるようにしてもよい。この場合、濃塩水タンク10を希塩水タンク20の上方に位置させる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電解水生成装置の全体概略図である。
【図2】図1の電解水生成装置の第1実施形態の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により実行されるプログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図3】同プログラムの中間部分を示すフローチャートである。
【図4】同プログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…濃塩水タンク、11…給水管、12…第1給水バルブ、13…水位センサ、14…供給管、15…濃塩水バルブ、17…隔壁、10a…補給室、10b…供給室、20…希塩水タンク、21…仕切り板、22…給水管、23…第2給水バルブ、24…濃度センサ、25…水位センサ、27…供給管、28…循環ポンプ、29…生成ポンプ、20a…第1室、20b…第2室、30…電解槽、30a,30b…フローセンサ、32a,33a…導管、33b,33b…排出バルブ、34,35…電極、36…流路切換弁、37,38…排出管、40…酸性イオン水貯水タンク、43…水位センサ、50…アルカリ性イオン水貯水タンク、53…水位センサ、60…直流電源装置、70…電気制御回路(マイクロコンピュータ),71…運転スイッチ、72…警報器、73…表示器0、74…流路切換タイマ。
Claims (2)
- 電解槽内に配設した一対の電極に直流電圧を印加することにより同電解槽内に供給された希塩水を電気分解してアルカリ性イオン水と酸性イオン水を生成し、生成したアルカリ性イオン水と酸性イオン水を同電解槽から取り出すようにしてなる電解水生成装置であって、
飽和状態の濃塩水を蓄える濃塩水タンクと、
前記濃塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同濃塩水タンクに水を補給する第1給水手段と、
所定の低濃度の希塩水を蓄える希塩水タンクと、
前記希塩水タンク内の水位が所定水位より低下したとき外部から同希塩水タンクに水を補給する第2給水手段と、
前記希塩水タンク内に設けられて同タンク内の希塩水の濃度を検出する濃度センサと、
前記濃度センサにより検出された濃度が前記所定の低濃度より低いとき前記濃塩水タンクから前記希塩水タンクに濃塩水を補給して同希塩水タンク内の希塩水の濃度をほぼ前記所定の低濃度まで高める濃塩水補給手段と、
前記希塩水タンク内に蓄えられている希塩水を取り出して電解槽に供給する希塩水供給手段と、
前記電解槽から取り出したアルカリ性イオン水を貯水するアルカリ性イオン水貯水タンクと、
前記電解槽から取り出した酸性イオン水を貯水する酸性イオン水貯水タンクとを備え、
さらに、前記両貯水タンクが満水となった後、どちらか一方の貯水タンクの水位が前記所定水位より低下して電解水の生成を開始する状態となったとき、前記第2給水手段により前記希塩水タンクへの水の補給を開始し、水の補給の開始後第1の時間が経過するまでに前記希塩水タンク内の希塩水の濃度が前記所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第1判定手段と、前記第1判定手段が濃度異常と判定すると、前記希塩水供給手段を作動させて前記電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、前記一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加し、低電圧の印加後第2の時間が経過するまでに前記希塩水タンク内の希塩水の濃度が前記所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段が濃度異常と判定すると、前記一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加し、高電圧の印加後第3の時間が経過するまでに前記希塩水タンク内の希塩水の濃度が前記所定の低濃度よりさらに低い濃度とならないときは濃度異常と判定する第3判定手段とを備え、
前記第3判定手段が濃度異常と判定すると前記高電圧の印加を停止して各イオン水の生成を行わないようにするとともに異常を報知するようにしたことを特徴とする電解水生成装置。 - 前記第1判定手段が濃度異常と判定しないと、前記希塩水供給手段を作動させて前記電解槽への希塩水の供給を開始するとともに、前記一対の電極に電気分解を生じないような低電圧を印加した後、同一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、
前記第2判定手段が濃度異常と判定しないと、前記一対の電極に電気分解を生じるような高電圧を印加して電解水の生成を開始するようにし、
前記第3判定手段が濃度異常と判定しないと、前記一対の電極に高電圧の印加を継続して電解水を生成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。
Priority Applications (1)
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JP31673996A JP3575727B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 電解水生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31673996A JP3575727B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 電解水生成装置 |
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JPH10156359A JPH10156359A (ja) | 1998-06-16 |
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-
1996
- 1996-11-27 JP JP31673996A patent/JP3575727B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10156359A (ja) | 1998-06-16 |
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