JP3548638B2 - 電解水生成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理水タンクに貯えられている水を電気分解することにより電解水を生成して、同電解水を飲料用、医療用などに利用する電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置は、外部給水源から電磁バルブを介して供給される水を処理水タンクに貯えておき、同処理水タンク内の水を電解槽に連続して供給することにより、同電解槽にて電気分解により生成した電解水を連続的に得るようにしている。そして、電解水の生成により処理水タンク内の水位が下限水位以下に低下し、この低下を同処理水タンク内に設けた水位センサが検出したとき、同水位センサにより同処理水タンク内の水位が上限水位まで達したことが検出されるまで前記電磁バルブを開成して同処理水タンク内に水を補給するようにしている。一方、この装置は、電解槽にて生成された電解水を貯えるとともに貯えた電解水が必要に応じて取出して使用される電解水タンクを備えており、同電解水タンク内に設けた水位センサにより同電解水タンク内の水位が上限水位に達したことが検出されたとき、前記電磁バルブを閉成するとともに、処理水タンクから電解槽への水の供給及び電解槽にての電気分解を休止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、電磁バルブの止水不良を自動的に検出する手段がなく、使用者が同バルブの止水不良を見逃すと、電磁バルブを閉成していても水が処理水タンクから溢れて無駄に消費される。特に、電解水タンク内の水位が上限水位以上になって処理水タンクから電解槽への水の供給が停止したときには、処理水タンク内の水が無駄に消費される。また、電気分解を促進するために塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩を電気分解用の水に溶かして用いる場合には、塩も無駄に消費される。
【0004】
本発明の目的は、上記問題に対処するため、電気分解に利用される水を貯えた処理水タンクに外部給水源から水を補給するための電磁バルブに止水不良が発生したとき、同止水不良を的確に検出するようにした電解水生成装置を提供することにある。
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するため、外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンク(10,20)と、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽(30)と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段(204,206,220,222,304,306,320,322)とを備えた電解水生成装置において、前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記水位センサにより検出される前記処理水タンク内の水位の変化に基づいて前記電磁バルブの閉成時に同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間を繰り返し計測する時間計測手段(70a、204,216,220,226,304,316,320,326,352,358,602,604)と、該時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(214,314,356)とを設けたことを特徴とする電解水生成装置を提供するものである。
【0006】
上記のように構成した電解水生成装置においては、バルブ開閉制御手段が処理水タンクに設けた水位センサとの協働により電磁バルブの開閉を制御して外部給水源から同処理水タンクに間欠的に水を補給している間に、時間計測手段が水位センサと協働して処理水タンク内の水位の変化に基づいて電磁バルブの閉成時に所定水位だけ低下する時間を計測し、今回計測された時間が同時間計測手段により以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき止水不良検出手段が電磁バルブの止水不良を検出する。電磁バルブが閉成されている間にも、処理水タンク内の水は電解槽に連続的に供給されているので、同電磁バルブが正常であれば、同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は常にほぼ一定である。一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は長くなる。したがって、止水不良検出手段は止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0007】
本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(342,370)を採用してもよい。
【0008】
この実施形態においては、止水不良検出手段が、時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する。上記のように電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は長くなるので、止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0009】
また、本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までのバルブ開閉制御手段による電磁バルブの開閉制御の1サイクルに要する時間を繰り返し計測する時間計測手段(70a,304,382,384,604)と、この時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(380)を採用してもよい。
【0010】
この実施形態においては、上記の時間計測手段が、前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までのバルブ開閉制御手段による電磁バルブの開閉制御の1サイクルに要する時間を繰り返し計測する。電磁バルブが開成状態にあって外部給水源から同電磁バルブを介して処理水タンクに給水される時間はほぼ一定であり、また電磁バルブが正常であれば処理水タンク内の水位が上限水位から下限水位まで変化する電磁バルブの閉成時間もほぼ一定である。一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、電磁バルブの閉成時間が長くなるので、止水不良検出手段は、前記時間計測手段により今回計測された時間が前回計測された時間より所定時間以上長いことを条件に、電磁バルブの止水不良を検出する。これにより、電磁バルブの止水不良が的確に検出され適切に対処できるようになる。
【0011】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(392)を採用してもよい。
【0012】
この実施形態においては、前記止水不良検出手段が、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する。上記のように、電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が上限水位から下限水位まで変化する時間(すなわち電磁バルブのオフ時間)は長くなるので、この場合も止水不良検出手段は止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0013】
また、本発明の一実施形態においては、外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンク(10,20)と、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽(30)と、該電解槽から導出される電解水を貯えて同電解水を適宜に取出して使用される電解水タンク(40)と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段と、前記電解水タンクに設けた水位センサにより同電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するとともに前記処理水タンクから前記電解槽に水を供給する給水手段の作動を停止させ同時に前記電解槽内の電極への給電を休止させる休止制御手段(116,402,420,425,432、)とを備えた電解水生成装置において、前記休止制御手段により前記電磁バルブが閉成された状態にて前記処理水タンク内の水位が上昇したとき同電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(406−410,426−430,434,436)を設けたことを特徴とする電解水生成装置が提供される。
【0014】
この実施形態においては、前記休止制御手段が電磁バルブを閉成するとともに給水手段による電解槽に対する水の供給及び電解槽における電気分解を休止した状態では、電磁バルブが正常であれば処理水タンク内の水位は変化しないはずである。一方、電磁バルブに止水不良が発生すれば処理水タンク内の水位は上昇し、このとき止水不良検出手段は処理水タンク内の水位の上昇により電磁バルブの止水不良を検出する。したがって、当該電解水生成装置が電解水の生成を休止している間にも、電磁バルブの止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0015】
また、本発明の実施にあたっては、上記の実施形態における止水不良検出手段を、前記電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが同電解槽に設けた水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブを閉成した状態にて前記給水手段を短時間だけ作動させて前記処理水タンク内の水位を前記所定の上限水位より所定量だけ下げる水位制御手段と、該水位制御手段の制御下にて前記処理水タンク内の水位が低下した後に同処理水タンク内の水位が前記上限水位以上に上昇したことが前記水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブの止水不良を検出する水位上昇検出手段とにより構成してもよい。
【0016】
この実施形態においては、上記の休止制御手段により電解水の生成が休止された状態で、処理水タンク内の水位が上限水位以上であっても、水位制御手段が同処理水タンク内の水位を上限水位未満まで下げる。したがって、水位上昇検出手段が処理水タンクの水位センサにより検出される上限水位を用いて、電磁バルブの止水不良を必ず検出できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る電解水生成装置の全体を概略的に示している。
【0018】
この電解水生成装置は、濃塩水を蓄える濃塩水タンク10と、同タンク10の下方に設けられて希塩水を蓄える希塩水タンク20と、希塩水タンク20から供給される希塩水を電気分解する電解槽30と、電解槽30にて生成された酸性イオン水を蓄える酸性イオン水タンク40と、酸性イオン水の生成に付随して生成されるアルカリ性イオン水を蓄えるアルカリ性イオン水タンク50とを備えている。
【0019】
濃塩水タンク10には塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩が多量に補給されるとともに、図示しない外部給水源(例えば、水道)から給水管11を介して水が圧送されるようになっている。この給水管11には電磁バルブ12が介装されており、同バルブ12は定量バルブで構成されており、開成状態にて単位時間当り一定量の水を外部から給水管11を介して濃塩水タンク10に供給する。濃塩水タンク10は補給された塩を水によりほぼ飽和状態に溶解させてなる濃塩水で常に満たされており、溶解し得ない残りの塩Sは同タンク10の底部に常に沈澱している。また、濃塩水タンク10内には、上限スイッチ13a及び下限スイッチ13bからなる水位センサ13が収容されている。
【0020】
上限スイッチ13aは、図2に示すように、濃塩水の水位が上昇して所定の上限水位以上になるとオフ状態からオン状態に切り換えられ、同濃塩水の水位が低下して前記上限水位から微少量だけ下がった水位以下になると前記オン状態からオフ状態に切り換えられる。下限スイッチ13bは、図2に示すように、濃塩水の水位が低下して所定の下限水位以下になるとオン状態からオフ状態に切り換えられ、同濃塩水の水位が上昇して前記下限水位から微少量だけ高い水位以上になると前記オフ状態からオン状態に切り換えられる。
【0021】
濃塩水タンク10には、希塩水タンク20に濃塩水を供給するための供給管14が同タンク10の底部にて上方向に侵入し、同供給管14の上端面は、沈澱している塩Sが混入しないように前記下限水位より若干だけ低い位置にて開口している。供給管14には電磁バルブ15が介装されており、同バルブ15は開成状態にて濃塩水タンク10内の濃塩水を供給管14を介して希塩水タンク20に供給する。
【0022】
希塩水タンク20の上方には供給管14の下端出口及び給水管21の出口が配置されており、同タンク20には、前記濃塩水が供給管15を介して供給されるとともに、外部給水源からの水も給水管21を介して供給されるようになっている。この給水管21には電磁バルブ22が介装されていて、同バルブ22は定量バルブで構成されており、開成状態にて単位時間当り一定量の水を外部から給水管21を介して希塩水タンク20に供給する。希塩水タンク20内には、濃度センサ23、上限及び下限スイッチ24a,24bからなる水位センサ24が収容されている。濃度センサ23は希塩水タンク20内の希塩水の濃度Cを検出する。上限及び下限スイッチ24a,24bは、上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。
【0023】
また、希塩水タンク20の底部には、攪拌用の導管25及び電解槽30に希塩水を供給するための供給管26の入口が接続されている。導管25の他端は希塩水タンク20の側壁に接続されるとともに導管25の中間部には電動ポンプ27が介装されており、同ポンプ27は作動状態にて希塩水タンク20内の希塩水を攪拌する。供給管26にも本願発明の水供給手段としての電動ポンプ28が介装されていて、同ポンプ28は定量ポンプで構成されており、作動状態にて単位時間当り一定量の希塩水を希塩水タンク20から供給管26を介して電解槽30に供給する。
【0024】
なお、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の各側壁にはオーバーフローパイプ16が接続されており、同パイプ16は上限スイッチ13a,24aがオン状態に切り換えられる上限水位より若干高い位置にて各タンク10,20内に開口している。これにより、各タンク10,20の水位がオーバーフロー管16の各開口位置より高くなると、各タンク10,20内の塩水が外部に排出されるようになっている。
【0025】
電解槽30は内部が隔膜31によって陽極室32及び陰極室33に区画されていて、各電極室32,33には、電動ポンプ28の作動により供給管26を介した希塩水が供給されるようになっている。各電極室32,33には、直流電源装置60から正負の直流電圧が印加される正電極34及び負電極35が対向して配設されている。この直流電圧の印加により希塩水タンク20から供給された希塩水が電気分解され、陽極室32にて生成された酸性イオン水(電解水)は、導出管36を介して酸性イオン水タンク40に供給されるようになっている。陰極室33にて生成されたアルカリ性イオン水(電解水)は、導出管37を介してアルカリ性イオン水タンク50に供給されるようになっている。なお、この導出管37はアルカリ性イオン水タンク50の底部近くにて開口している。
【0026】
酸性イオン水タンク40の底部には取り出し管41の一端が接続されるとともに、同管41にはコック42が介装され、同コック42の操作により適宜取り出し管41の他端に位置する取り出し口41aから酸性イオン水が取り出されるようになっている。酸性イオン水タンク40には上限及び下限スイッチ43a,43bからなる水位センサ43が収容され、両スイッチ43a,43bは上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。また、酸性イオン水タンク40にはオーバーフローパイプ44が設けられ、同パイプ44の上端は同タンク40の前記上限水位より高い位置まで延出されるとともに、同パイプ44の下端は導出管37の中間部に接続されている。なお、このオーバーフローパイプ44は余剰の酸性イオン水をアルカリ性イオン水タンク50に排出する機能を果たすとともに、電気分解により発生した塩素ガスをアルカリ性イオン水にとけ込ませる機能も果たしている。
【0027】
アルカリ性イオン水タンク50には排出管51も侵入しており、同管51に介装させた電動ポンプ52の作動により同タンク50内のアルカリ性イオン水を外部に排出するようにしている。また、アルカリ性イオン水タンク50にも、上限及び下限スイッチ53a,53bからなる水位センサ53が収容され、両スイッチ53a,53bは上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。
【0028】
この電解水生成装置は、前記各種センサ13,23,24,43,53、電磁バルブ12,15,22、電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60に接続された電気制御回路70を備えている。この電気制御回路70はマイクロコンピュータにより構成されており、図3〜9に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、電磁バルブ12,15,22の開閉、電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60の作動を制御する。電気制御回路70はタイマ70aを内蔵しており、同タイマ70aは時間を計時してタイマインタラプト信号を所定の短時間毎に発生させて、同短時間毎に電気制御回路70に図9のタイマインラプトプログラムを実行させる。
【0029】
また、この電気制御回路70には、運転スイッチ71、警報器72及び表示器73も接続されている。運転スイッチ71はこの電解水生成装置の運転の開始及び停止を制御するためのもので、手動操作によりオン状態又はオフ状態に切り換えられるとともに、内蔵の電磁ソレノイドにより制御されてオン状態からオフ状態に切り換えられるようになっている。警報器72はこの電解水生成装置の異常時に警報を発生するためのもので、表示器73は同異常時に異常の種類を表示するためのものである。
【0030】
次に、上記のように構成した実施例の動作を説明すると、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩Sを濃塩水タンク10内に多量に投入して、同タンク10内の濃塩水をほぼ飽和状態にするとともに、残留の塩Sが同タンク10の底に常に沈澱している状態にしておく。なお、塩Sが不足している場合には随時補充する。その後、電源スイッチ(図示しない)の投入により、電気制御回路70は図2のステップ100にてプログラムの実行を開始し、ステップ102にて濃塩水タンク10に対する初期給水処理、ステップ104にて希塩水タンク20に対する初期給水処理及びステップ106にて希塩水タンク20の初期濃度調整処理を実行する。
【0031】
ステップ102の濃塩水タンク10に対する初期給水処理においては、上限スイッチ13aがオフしていれば、同スイッチ13aがオンするまで電磁バルブ12をオン状態に切り換えて、濃塩水タンク10に外部から給水する。ステップ104の希塩水タンク20に対する初期給水処理においては、上限スイッチ24aがオフしていれば、同スイッチ24aがオンするまで電磁バルブ22をオン状態に切り換えて、希塩水タンク20に外部から給水する。また、ステップ106の希塩水タンク20の初期濃度調整処理においては、前記希塩水タンク20に対する給水により同タンク20内の希塩水の濃度が所定の低濃度Coより微少量ΔCoだけ低い下限値Co−ΔCoより低くなり、濃度センサ23がこれを検出すると、電磁バルブ15をオン状態に切り換えて濃塩水タンク10から希塩水タンク20に濃塩水を補給する。そして、濃度センサ23により検出される希塩水の濃度が所定の低濃度Coより微少量ΔCoだけ高い上限値Co+ΔCoになると、電磁バルブ15をオフ状態に切り換えて前記濃塩水の補給を停止する。これらのステップ102〜106の処理により、濃塩水タンク10内には濃塩水が上限水位まで蓄えられ、希塩水タンク20内にはほぼ所定の低濃度Coの希塩水が上限水位まで蓄えられる。なお、この状態では、電磁バルブ12,15,22はオフ状態にある。
【0032】
次に、電気制御回路70は、ステップ108にて電磁バルブ12,22の各止水不良検出のために利用される初期フラグIF1,IF2を「0」に初期設定し、ステップ110にて電磁バルブ12,22の各オンオフ状態を表すウォータバルブフラグWF1,WF2も”0”に初期設定して、プログラムをステップ112に進める。
【0033】
ステップ112においては、電気制御回路70が運転スイッチ71がオン状態にあるか否かを判定する。運転スイッチ71がオフ状態に保たれている間、ステップ110〜114の処理が続けられる。ステップ114の処理は、電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を非作動状態に設定するとともに、電磁バルブ12,15,22をオフ状態に設定して、当該電解水生成装置の作動を停止させておくものである。運転スイッチ71がオン状態に切り換えられると、ステップ112にて「YES」と判定して、プログラムをステップ116に進める。
【0034】
ステップ116においては、上限スイッチ43aにより検出される酸性イオン水の水位が上限水位以上であるか否かを判定する。この場合、酸性イオン水の水位が上限水位以上でなくて上限スイッチ43aがオフしていれば、ステップ116にて「NO」と判定して、ステップ118にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を作動状態に切り換える。電動ポンプ27は希塩水タンク20内の希塩水を攪拌し、電動ポンプ28は同タンク20内の希塩水を供給管26を介して電解槽30に連続的に供給する。直流電源装置60は正負電極34,35間に直流電圧を印加するので、電解槽30に供給された希塩水は電解され始める。そして、電解槽30にて電気分解された酸性イオン水は陽極室32から導出管36を介して酸性イオン水タンク40内に供給され始めるとともに、同電気分解されたアルカリ性イオン水は陰極室33から導出管37を介してアルカリ性イオン水タンク50に供給され始める。
【0035】
前記ステップ118の処理後、電気制御回路70は、ステップ120にて濃塩水タンク10に水を補給するための濃塩水タンク給水ルーチンを実行し、ステップ122にて希塩水タンク20に水を補給するための希塩水タンク給水ルーチンを実行し、ステップ124にて希塩水タンク20内の希塩水の濃度を調整する。濃塩水タンク給水ルーチン及び希塩水タンク給水ルーチンについては、詳しく後述する。ステップ124の希塩水濃度の調整においては、濃度センサ23による検出濃度に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が前記下限値Co−ΔCoより低くなった時点で電磁バルブ15をオン状態に切り換え、同切り換えによる濃塩水の供給により、同タンク20内の希塩水の濃度が前記上限値Co+ΔCo以上になった時点で電磁バルブ15をオフ状態に切り換える。なお、これらのステップ120〜124の処理は、希塩水濃度の調整中にプログラムの進行を止めてしまうものではなく、ステップ112,116〜124からなる循環処理中に繰り返し行われるものである。そして、ステップ112,116〜124からなる循環処理中、酸性イオン水及びアルカリイオン水からなる電解水が生成され続ける。
【0036】
一方、前記運転スイッチ71の投入直後又はステップ112〜124からなる循環処理中、酸性イオン水タンク40の水位が上限水位以上に上昇して上限スイッチ43aがオンすれば、ステップ116にて「YES」と判定して、ステップ126にて電解水の生成を休止する待機処理ルーチンを実行する。この待機処理ルーチンについては、詳しく後述する。また、ステップ112,116〜124からなる循環処理中、運転スイッチ71がオフされると、ステップ112にて「NO」と判定して、ステップ114の処理により電解水の生成を停止してステップ110〜114からなる循環処理を繰り返し実行し始める。そして、運転スイッチ71が再度オン操作されれば、上述した場合と同様にして電解水の生成を開始する。
【0037】
次に、ステップ120の濃塩水タンク給水ルーチンについて説明すると、同ルーチンは図4に詳細に示されており、電気制御回路70はステップ200にて同ルーチンの実行を開始する。この濃塩水タンク給水ルーチンにおいては、電磁バルブ12がオフ状態にあってウォータバルブフラグWF1が”0”に設定されていれば、ステップ202における「YES」との判定の基に、濃塩水タンク10内の水位が電動ポンプ28の作動により下限水位以下に低下するまで、ステップ204にて「NO」と判定する。濃塩水タンク10内の水位が下限水位以下まで低下すると、下限スイッチ13bがオフ状態に変化するので、ステップ204にて「YES」と判定してプログラムをステップ206,208に進める。ステップ206においては電磁バルブ12に通電して同バルブ12を開成し、ステップ208においてはウォータバルブフラグWF1を”1”に変更する。
【0038】
また、電磁バルブ12がオン状態にあってウォータバルブフラグWF1が”1”に設定されていれば、ステップ202における「NO」との判定の基に、濃塩水タンク10内の水位が電磁バルブ12の開成により上限水位以上に上昇するまで、ステップ220にて「NO」と判定する。濃塩水タンク10内の水位が上限水位以上に上昇すると、上限スイッチ13aがオン状態に変化するので、ステップ220にて「YES」と判定してプログラムをステップ222,224に進める。ステップ222においては電磁バルブ12の通電を解除して同バルブ12を閉成し、ステップ224においてはウォータバルブフラグWF1を”0”に変更する。その結果、電解水の生成中においては、濃塩水タンク10内の水位は電磁バルブ12の開閉に連動して下限水位と上限水位との間を繰り返し往復する。
【0039】
また、この濃塩水給水ルーチンにおいては、電磁バルブ12の止水不良も検出される。濃塩水タンク10内の水位が上限水位以上に上昇して電磁バルブ12がオフ状態に切り換えられると、電気制御回路70はステップ226にてタイマカウント値TM1を「0」に初期設定する(図2のt2,t5,t8参照)。このタイマカウント値TM1は、後述するタイマカウント値TM2,TM3と共に、所定の短時間毎に「1」ずつ増加する。すなわち、タイマ70aが所定の短時間の経過を計測する毎に、電気制御回路70は図9のステップ600〜608からなるタイマインタラプトプログラムを割り込み実行し、ステップ602〜606の処理によりタイマカウント値TM1,TM2,TM3をそれぞれ「1」ずつ増加させる。
【0040】
そして、この電磁バルブ12を閉成した状態で濃塩水タンク10内の濃塩水が希塩水タンク20に供給され、同タンク10内の水位が下限水位以下まで低下すると、電気制御回路70は前記ステップ204〜208の処理後にステップ210〜212の止水不良検出のための処理を実行する(図2のt1,t4,t7参照)。この場合、ステップ214の処理は、電磁バルブ12が今回オフ状態にあった時間を表すタイマカウント値TM1と、電磁バルブ12が前回オフ状態にあった時間を表すデータ値TM1oとを比較して、電磁バルブ12の止水不良を検出する判定処理である。また、ステップ216の処理は、次回のステップ214の判定処理のために、データ値TM1oをタイマカウント値TM1に更新しておく処理である。なお、ステップ210,212の処理は、運転スイッチ71の投入からこれらの処理が3回行われるまではタイマカウント値TM1及びデータ値TM1oが正確な値を示していないために(図2のt1,t4参照)、ステップ214の判定処理を運転ステップ71の投入から3回目以降に行うようにするための処理である。
【0041】
電磁バルブ12が閉成されている間にも、濃塩水タンク10内の濃塩水は一定の条件で定期的に消費されるので、同バルブ12が正常であれば、同タンク12内の水位が上限水位から下限水位まで低下する時間は常にほぼ一定である。したがって、電磁バルブ12が正常であって同バルブ12の今回のオフ時間と前回のオフ時間とがほぼ同じであれば、ステップ214にて「NO」と判定してプログラムをステップ216,218に進めて、電解水の生成を続行する。
【0042】
一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、濃塩水タンク10内の水位が上限水から下限水位まで低下する時間は長くなる。したがって、電磁バルブ12に止水不良が発生して、同バルブ12の今回のオフ時間が前回のオフ時間より所定時間α1以上長くなると、ステップ214にて「YES」すなわち電磁バルブ12が止水不良であると判定して、プログラムをステップ228の異常処理ルーチンに進める。
【0043】
この異常処理ルーチンにおいては、電気制御回路70は、図8のステップ500にてプログラムの実行を開始し、ステップ502にて電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60を非作動状態に切り換えるとともに、電磁バルブ12,15,22をオフ状態に切り換えて、電解水の生成を停止する。次に、ステップ504にて表示器73を制御して電磁バルブ12が止水不良であることを表示し、ステップ506にて警報器72を制御して警報音を発生させる。前記ステップ506の処理後、ステップ508にて運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換える。そして、ステップ510のこの異常処理ルーチンの実行を終了して、図4のステップ230にてプログラムの実行を終了する。なお、この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0044】
次に、図3のステップ122の希塩水タンク給水ルーチンについて説明すると、同ルーチンは図5に詳細に示されており、電気制御回路70はステップ300にて同ルーチンの実行を開始する。この希塩水タンク給水ルーチンは前述した濃塩水タンク給水ルーチンとほぼ同様に構成されており、ステップ302〜308,320〜324の処理により、濃塩水タンク10内の水位は電磁バルブ22の開閉に連動して下限水位と上限水位との間を繰り返し往復する。なお、この場合、前記濃塩水タンク給水ルーチンにおけるウォータバルブフラグWF1、上限及び下限スイッチ13a,13b、並びに電磁バルブ12に代えて、ウォータバルブフラグWF2、上限及び下限スイッチ24a,24b、並びに電磁バルブ22が利用又は制御される。
【0045】
また、この希塩水タンク給水ルーチンにおいても、ステップ310〜316,326の処理により電磁バルブ22の止水不良が検出される。ステップ310〜316の止水不良検出処理においては、タイマカウント値TM1、初期フラグIF1、データ値TM1o及び所定時間α1に代えて、タイマカウント値TM2、初期フラグIF2、データ値TM2o及び所定時間α2が利用される以外は濃塩水タンク給水ルーチンの処理と同じである。したがって、この場合も、電磁バルブ22が正常であって電磁バルブ22の今回のオフ時間と前回のオフ時間とがほぼ同じであれば、電解水の生成が続行される。一方、電磁バルブ22に止水不良が発生して、電磁バルブ22の今回のオフ時間が前回のオフ時間より所定時間α2以上長くなると、同バルブ22の異常が判定されて、ステップ328にて異常処理ルーチンが実行される。この異常処理ルーチンは前記濃塩水タンク給水ルーチンと同じである。
【0046】
上記のような作動説明からも理解できるように、電解水の生成中における電磁バルブ12,22の閉成状態では、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20内の水はほぼ一定の速さで減少することに着目して、ステップ210〜216,226,310〜316,326の処理により、電磁バルブ12,22の閉成時間(図2のA参照)の変化に基づいて同バルブ12,22の止水不良が検出される。そして、ステップ228,328の異常処理により、前記止水不良が使用者に対して聴覚的かつ視覚的に知らせられるので、使用者は前記止水不良に迅速に対処できる。
【0047】
次に、酸性イオン水タンク40内の水位が上限水位以上に上昇した場合における図3のステップ126の待機処理ルーチンについて説明する。この待機処理ルーチンは、図6,7に詳細に示すように、ステップ400にてその実行が開始され、電気制御回路70は、ステップ402にて電磁バルブ12をオフ状態に設定するとともに、ステップ404にてウォータバルブフラグWF1を”0”に設定して、ステップ406にて上限スイッチ13aがオン状態にあるか否かを判定する。濃塩水タンク10内の水位が上限水位未満であって上限スイッチ13aがオフしていれば、ステップ406にて「NO」と判定して、プログラムをステップ412以降に進める。
【0048】
一方、上限スイッチ13aがオン状態にあれば、ステップ406にて「YES」と判定してプログラムをステップ408,410に進める。ステップ408,410においては、上述したステップ122,124の場合と同様に、希塩水タンク20への給水処理及び同タンク20内の希塩水の濃度調整が行われる。このとき、電動ポンプ28は作動しているので、電解水が生成されるとともに、濃塩水タンク10から希塩水タンク20への濃塩水の供給により、濃塩水タンク10内の水位は上限水位から若干量だけ低下する。その結果、電気制御回路70はステップ406にて「NO」と判定してプログラムをステップ412に進める。
【0049】
ステップ412においては、電動ポンプ27,28の作動を停止するとともに、直流電源装置60による正負電極34,35への直流電圧の供給を停止させる。そして、ステップ414にて上限スイッチ24aがオン状態にあるか否かを判定する。この場合、希塩水タンク20内に希塩水が充分に満たされていて上限スイッチ24aがオン状態にあれば、ステップ414にて「YES」と判定し、ステップ420にて電磁バルブ22をオフ状態に設定してプログラムをステップ422〜425に進める。上限スイッチ24aがオフ状態にあれば、ステップ416の処理により電磁バルブ22を開成して希塩水タンク20に給水する。この給水により、希塩水タンク20に希塩水が充分に満たされて上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられれば、ステップ414にて「YES」と判定し、ステップ420にて電磁バルブ22をオフ状態に設定してプログラムをステップ422〜425に進める。なお、このステップ416の処理による給水中、ステップ418の処理により、希塩水タンク20の希塩水の濃度が電磁バルブ15の開閉により調整される。ステップ422〜425の処理は、ステップ410,418の処理では希塩水の濃度調整が完了していなかったり、電磁バルブ15が開成され続けることを避けるための処理で、これらの処理により、希塩水タンク20内の希塩水の濃度はほぼ所定濃度Coに設定されるとともに、電磁バルブ15も必ず閉成される。
【0050】
次に、電気制御回路70はステップ426にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を作動させて、希塩水タンク20内の希塩水を電解槽30に供給して電解水を生成することにより、同タンク20内の希塩水の水位を低下させる。そして、ステップ428にてタイマカウント値TM3を「0」に初期設定した後、同カウント値TM3が所定値Toになるまでステップ430の判定処理を続ける。。このタイマカウント値TM3は、上述のように図9のタイマインタラプトプログラムの実行により所定の短時間毎に「1」ずつ増加する。タイマカウント値TM3が所定値Toに達すると、ステップ430にて「YES」と判定して、ステップ432にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60の作動を停止する。
【0051】
次に、電気制御回路70はステップ434〜440からなる循環処理を実行し続ける。これらの循環処理中、電磁バルブ12,22は閉成状態に保たれているので、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20内の水位は上昇しないはずである。しかし、電磁バルブ12,22に止水不良が発生すると、両バルブ12,22を介して濃塩水タンク10及び希塩水タンク20に外部からの水が漏れ入る。そして、上限スイッチ13a,24aがオン状態に変化すると、電気制御回路70はステップ434又はステップ436にて「YES」と判定して、上述の場合と同様にステップ444にて異常処理ルーチンを実行して、ステップ446にてプログラムの実行を終了する。このように、当該電解水生成装置の待機中においては、ステップ406〜410及びステップ414〜430の処理により濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の水位を上限水位から若干量だけ下げて、その後の水位の上昇により電磁バルブ12,22に止水不良を検出するようにしたので、電磁バルブ12,22の止水不良が的確に検出されるとともに、同不良に適切に対処できる。
【0052】
一方、前記ステップ434〜440からなる循環処理中、酸性イオン水タンク40の酸性イオン水がコック42の操作により取り出し口41aから取り出されて、同タンク40内の水位が下限水位まで低下すると、電気制御回路70はステップ438にて「YES」と判定して、ステップ442にてこの待機処理ルーチンの実行を終了して、プログラムを図3のステップ110に進め、上述したステップ118〜124の処理により電解水を生成し始める。また、前記ステップ434〜440からなる循環処理中、ステップ440にて運転スイッチ71がオン状態にあるか否かも判定される。運転スイッチ71がオン状態に維持されていれば、同ステップ440にて「YES」と判定して、ステップ434〜440からなる循環処理を実行し続ける。一方、このステップ434〜440からなる循環処理中、運転スイッチ71がオフ状態に切り換えられると、ステップ440にて「NO」と判定してステップ442にてこの待機処理ルーチンの実行を終了する。この場合、図3のステップ110〜114からなる循環処理が実行されるようになる。そして、運転スイッチ71がふたたびオン状態に切り換えられれば、ステップ112における「YES」と判定により、プログラムを前述したステップ116以降へ進める。
【0053】
また、前記酸性イオン水の生成と同時に生成されるアルカリイオン水はアルカリ性イオン水タンク50に蓄えられる。そして、アルカリ性イオン水タンク50の水位が上限水位以上に上昇すると、上限スイッチ53aはオン状態に切り換えられる。この上限スイッチ53aの切り換えに応答して、電気制御回路70は図示しないプログラムの実行により電動ポンプ52を作動させて、アルカリ性イオン水タンク50内のアルカリ性イオン水を排出管51を介して外部に排出する。この電動ポンプ52の作動は、下限スイッチ53bがオフ状態に切り換えられた後に停止される。
【0054】
次に、上記実施形態の第1〜第5変形例について説明する。
a.第1変形例
第1変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図10のように変形したもので、図5のステップ310,314の処理をステップ340,342の処理のように変形している。この変形例においても、ステップ326,図9のステップ604の処理により、電磁バルブ22がオフ状態にある時間がタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ314の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T1より所定時間β1以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるために、ステップ340にて初期フラグIF2は「1」以上であるか否かが判定されて、同フラグIF2が「1」以上であればステップ342の判定処理が行われる。また、図5のステップ316のデータ値TM2oの更新処理も不要となる。
【0055】
上述のように、電磁バルブ22が正常に閉成されていれば、電動ポンプ28の作動により希塩水タンク20内の水位の低下はほぼ一定であるので、同バルブ22のオフ時間を表すタイマカウント値TM2は常にほぼ一定の値に保たれるはずである。したがって、前記第1変形例のようにタイマカウント値TM2と所定時間値T1とを比較するようにしても、電磁バルブ22の止水不良は的確に検出できる。
【0056】
b.第2変形例
第2変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図10のように変形したもので、図5のステップ310〜316の処理に代えてステップ350〜360の処理を採用するとともに、同ステップ350〜360の処理を図5のステップ302とステップ304との間に挿入するようにしている。また、ステップ326の処理の後にステップ362の処理を追加している。これにより、同変形例においては、電磁バルブ22がオフ状態にある期間のうちの上限スイッチ24aがオン状態に変化してからオフ状態に変化するまでの少ない時間を計測するとともに、今回の計測時間を表すタイマカウント値TM2と前回の計測時間を表すデータ値TM2oとを比較するようにしている(図2のB参照)。
【0057】
まず、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられて、電磁バルブ22がオフ状態に切り換えられるとともにタイマカウント値TM2が「0」に初期設定されると同時に、ステップ362の処理によりタイマフラグTM2が”1”に設定される(図2のt2,t5,t8参照)。そして、ステップ350,352の処理により、このタイマフラグTF2が”1”であり、かつ上限スイッチ24aがオン状態からオフ状態に切り換えられたときにのみ、ステップ354〜360の処理が実行される。ステップ354の処理により、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられてからオフ状態に変化するまでの時間を表すタイマカウント値TM2と、前回の同時間を表すデータ値TM2oとが比較されて、タイマカウント値TM2がデータ値TM2oより所定値α3以上長ければ、電磁バルブ22の止水不良が判定される。
【0058】
ステップ358の処理は前記データ値TM2oを上限スイッチ24aがオフ状態に変化する毎に更新するための処理であり、ステップ360の処理は上限スイッチ24aがオフ状態に変化したときに1回だけステップ354〜360の処理を行うためのタイマフラグTF2をクリアする処理である。なお、この場合、初期フラグIF2が「1」に変化した時点で正確なデータ値TM2oが用意されるために、ステップ354においては同フラグTF2は「1」と比較される。
【0059】
これにより、この第2変形例においても、電磁バルブ22がオフ状態にある間に、希塩水タイマ20内の水位が所定量だけ低下する時間の変化に基づいて、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0060】
c.第3変形例
第3変形例は、上記第2変形例の図11の希塩水タンク給水ルーチンを図12のようにさらに変形したもので、図11のステップ356の処理をステップ370の処理のように変形している。この変形例においても、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられてからオフ状態に変化するまでの時間がタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ370の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T2より所定時間β2以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるとともに、タイマフラグTF2のためにステップ370の処理が実行される際にはタイマカウント値TM2は必ず正確な前記時間の計測を終了しているために、図11のステップ312,354,358の処理は省略される。
【0061】
この第3変形例においても、第1変位例と同様に、電磁バルブ22がオフ状態にある間に、希塩水タイマ20内の水位が所定量だけ低下する時間に基づいて、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0062】
d.第4変形例
第4変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図13のように変形したもので、図5のステップ314,316の処理に代えてステップ380〜384の処理を採用するとともに、図5のステップ324の処理を省略している。これにより、同変形例においては、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから今回再びオン状態に切り換えられるまで時間を計測するとともに、今回の計測時間を表すタイマカウント値TM2と前回の計測時間を表すデータ値TM2oとを比較するようにしている(図2のC参照)。
【0063】
まず、上限スイッチ24aがオフ状態に切り換えられて電磁バルブ22がオフ状態に切り換えられると同時に、ステップ384の処理によりタイマカウント値TM2は「0」に初期設定される(図2のt1,t4,t7参照)。そして、ステップ310,312の処理により、上記実施形態の場合と同様に、データ値TM2oが正確な値を示す以降に、ステップ380の処理により、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから同バルブ22が今回オン状態に切り換えられるまでの時間を表すタイマカウント値TM2と、前回の同時間を表すデータ値TM2oとが比較される。そして、タイマカウント値TM2がデータ値TM2oより所定値α4以上長ければ、電磁バルブ22の止水不良が判定される。なお、ステップ382の処理はデータ値TM2oを電磁バルブ22がオン状態に切り換えられる毎に更新するための処理である。
【0064】
電磁バルブ22は定量バルブで構成されていて外部からの水の単位時間当り通過流量はほぼ一定であるので、電磁バルブ22がオン状態に切り換えられて希塩水タンク20の水位が下限水位から上限水位まで変化する時間はほぼ一定である。したがって、この第4変形例のように、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから今回再びオン状態に切り換えられるまで時間を計測することは、実質的に電磁バルブ22がオフ状態にある時間を計測することに相当する。したがって、上記実施形態と同様に、電磁バルブ22の止水不良を的確に検出できる。
【0065】
e.第5変形例
第5変形例は、上記第4変形例の図13の希塩水タンク給水ルーチンを図14のようにさらに変形したもので、図13のステップ310,380の処理をステップ390,392の処理のように変形している。この変形例においても、上限スイッチ24aが前回オン状態に切り換えられてから今回オン状態に切り換えられるまでの時間ががタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ392の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T3より所定時間β3以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるとともに、タイマカウント値TM2は下限スイッチ24bが2回目にオフした時点で正確な前記時間の計測を終了しているために、図13のステップ382の処理が省略されるとともに、ステップ390にて初期フラグIF2が「1」以上であると判定されたときステップ392の処理が実行される。
【0066】
この第5変形例においても、第4変位例と同様に、実質的に電磁バルブ22がオフ状態にある時間が測定されるので、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0067】
なお、前記第4及び第5変形例においては、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから次に再びオン状態に切り換えられるまでの時間をタイマカウント値TM2として計測するようにしたが、同バルブ22が前回オフ状態に切り換えられてから次に再びオフ状態に切り換えられるまでの時間をタイマカウント値TM2として計測するようにしても同じである。すなわち、電磁バルブ22の開成から次の開成までであっても、同バルブ22の閉成から次の閉成までであっても、同バルブ22の開閉制御の1サイクルに要する時間を測定するようにすればよい。また、上記第1〜第5変形例は希塩水タンク給水ルーチンを変形したものであるが、希塩水タンク給水ルーチンと濃塩水タンク給水ルーチンは実質的に同じであるので、前記各変形例を濃塩水タンク給水ルーチンに適用することもできることは当然である。
【0068】
また、上記実施の形態においては、電解槽30にて電気分解された酸性イオン水のみ取り出して利用するようにしたが、アルカリ性イオン水も取り出して、酸性イオン水及びアルカリ性イオン水の両電解水を利用するようにしてもよい。この場合、アルカリ性イオン水タンク50にも酸性イオン水タンク40と同様なコックを設けて、アルカリ性イオンタンク50からアルカリ性イオン水を必要に応じて取り出すことができるようにするとよい。また、この場合、アルカリ性イオン水タンクにも酸性イオン水タンク40と同様な水位センサを収容させて、当該電解水生成装置の生成状態及び生成待機状態とを両タンク40,50の各水位に応じて切り換え制御するようにすればよい。
【0069】
さらに、上記実施の形態においては、電気分解を促進するために塩を水に溶かすようにしたが、電解水の用途によっては外部給水源からの水(例えば、水道水)を直接電気分解するようにすればよい。この場合、上記実施形態の濃塩水タンク10を省略して希塩水タンク20のみを設けるとともに、同希塩水タンク20における濃度調整を省略して外部からの給水のみを行うようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電解水生成装置の全体概略図である。
【図2】図1の上限及び下限スイッチの切り換え状態及び電磁バルブのオンオフ状態を示すタイムチャートである。
【図3】図1の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により実行されるプログラムのフローチャートである。
【図4】図3の濃塩水給水ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3の希塩水給水ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3の待機処理ルーチンの前半部分の詳細を示すフローチャートである。
【図7】同ルーチンの後半部分の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図4,5,7の異常処理ルーチンを詳細に示すフローチャートである。
【図9】図1の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により所定の短時間毎に実行されるタイマインタラプトプログラムのフローチャートである。
【図10】図5の希塩水給水ルーチンの第1変形例を示すフローチャートである。
【図11】図5の希塩水給水ルーチンの第2変形例を示すフローチャートである。
【図12】図5の希塩水給水ルーチンの第3変形例を示すフローチャートである。
【図13】図5の希塩水給水ルーチンの第4変形例を示すフローチャートであ
【図14】図5の希塩水給水ルーチンの第5変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…濃塩水タンク、11…給水管、12…電磁バルブ、13…水位センサ、13a…上限スイッチ、13b…下限スイッチ、14…供給管、15…電磁バルブ、20…希塩水タンク、21…給水管、22…電磁バルブ、23…濃度センサ、24…水位センサ、24a…上限スイッチ、24b…下限スイッチ、26…供給管、28…電動ポンプ(水供給手段)、30…電解槽、34,35…電極、36,37…導出管、40…酸性イオン水タンク、41a…取り出し口、42…コック、43…水位センサ、43a…上限スイッチ、43b…下限スイッチ、50…アルカリ性イオン水タンク、60…直流電源装置、70…電気制御回路(マイクロコンピュータ),71…運転スイッチ、72…警報器、73…表示器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理水タンクに貯えられている水を電気分解することにより電解水を生成して、同電解水を飲料用、医療用などに利用する電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置は、外部給水源から電磁バルブを介して供給される水を処理水タンクに貯えておき、同処理水タンク内の水を電解槽に連続して供給することにより、同電解槽にて電気分解により生成した電解水を連続的に得るようにしている。そして、電解水の生成により処理水タンク内の水位が下限水位以下に低下し、この低下を同処理水タンク内に設けた水位センサが検出したとき、同水位センサにより同処理水タンク内の水位が上限水位まで達したことが検出されるまで前記電磁バルブを開成して同処理水タンク内に水を補給するようにしている。一方、この装置は、電解槽にて生成された電解水を貯えるとともに貯えた電解水が必要に応じて取出して使用される電解水タンクを備えており、同電解水タンク内に設けた水位センサにより同電解水タンク内の水位が上限水位に達したことが検出されたとき、前記電磁バルブを閉成するとともに、処理水タンクから電解槽への水の供給及び電解槽にての電気分解を休止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、電磁バルブの止水不良を自動的に検出する手段がなく、使用者が同バルブの止水不良を見逃すと、電磁バルブを閉成していても水が処理水タンクから溢れて無駄に消費される。特に、電解水タンク内の水位が上限水位以上になって処理水タンクから電解槽への水の供給が停止したときには、処理水タンク内の水が無駄に消費される。また、電気分解を促進するために塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩を電気分解用の水に溶かして用いる場合には、塩も無駄に消費される。
【0004】
本発明の目的は、上記問題に対処するため、電気分解に利用される水を貯えた処理水タンクに外部給水源から水を補給するための電磁バルブに止水不良が発生したとき、同止水不良を的確に検出するようにした電解水生成装置を提供することにある。
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するため、外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンク(10,20)と、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽(30)と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段(204,206,220,222,304,306,320,322)とを備えた電解水生成装置において、前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記水位センサにより検出される前記処理水タンク内の水位の変化に基づいて前記電磁バルブの閉成時に同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間を繰り返し計測する時間計測手段(70a、204,216,220,226,304,316,320,326,352,358,602,604)と、該時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(214,314,356)とを設けたことを特徴とする電解水生成装置を提供するものである。
【0006】
上記のように構成した電解水生成装置においては、バルブ開閉制御手段が処理水タンクに設けた水位センサとの協働により電磁バルブの開閉を制御して外部給水源から同処理水タンクに間欠的に水を補給している間に、時間計測手段が水位センサと協働して処理水タンク内の水位の変化に基づいて電磁バルブの閉成時に所定水位だけ低下する時間を計測し、今回計測された時間が同時間計測手段により以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき止水不良検出手段が電磁バルブの止水不良を検出する。電磁バルブが閉成されている間にも、処理水タンク内の水は電解槽に連続的に供給されているので、同電磁バルブが正常であれば、同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は常にほぼ一定である。一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は長くなる。したがって、止水不良検出手段は止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0007】
本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(342,370)を採用してもよい。
【0008】
この実施形態においては、止水不良検出手段が、時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する。上記のように電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間は長くなるので、止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0009】
また、本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までのバルブ開閉制御手段による電磁バルブの開閉制御の1サイクルに要する時間を繰り返し計測する時間計測手段(70a,304,382,384,604)と、この時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(380)を採用してもよい。
【0010】
この実施形態においては、上記の時間計測手段が、前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までのバルブ開閉制御手段による電磁バルブの開閉制御の1サイクルに要する時間を繰り返し計測する。電磁バルブが開成状態にあって外部給水源から同電磁バルブを介して処理水タンクに給水される時間はほぼ一定であり、また電磁バルブが正常であれば処理水タンク内の水位が上限水位から下限水位まで変化する電磁バルブの閉成時間もほぼ一定である。一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、電磁バルブの閉成時間が長くなるので、止水不良検出手段は、前記時間計測手段により今回計測された時間が前回計測された時間より所定時間以上長いことを条件に、電磁バルブの止水不良を検出する。これにより、電磁バルブの止水不良が的確に検出され適切に対処できるようになる。
【0011】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記の電解水生成装置における止水不良検出手段に代えて、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(392)を採用してもよい。
【0012】
この実施形態においては、前記止水不良検出手段が、前記時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき電磁バルブの止水不良を検出する。上記のように、電磁バルブに止水不良が発生すると、処理水タンク内の水位が上限水位から下限水位まで変化する時間(すなわち電磁バルブのオフ時間)は長くなるので、この場合も止水不良検出手段は止水不良に伴う計測時間の変化により同止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0013】
また、本発明の一実施形態においては、外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンク(10,20)と、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽(30)と、該電解槽から導出される電解水を貯えて同電解水を適宜に取出して使用される電解水タンク(40)と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段と、前記電解水タンクに設けた水位センサにより同電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するとともに前記処理水タンクから前記電解槽に水を供給する給水手段の作動を停止させ同時に前記電解槽内の電極への給電を休止させる休止制御手段(116,402,420,425,432、)とを備えた電解水生成装置において、前記休止制御手段により前記電磁バルブが閉成された状態にて前記処理水タンク内の水位が上昇したとき同電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段(406−410,426−430,434,436)を設けたことを特徴とする電解水生成装置が提供される。
【0014】
この実施形態においては、前記休止制御手段が電磁バルブを閉成するとともに給水手段による電解槽に対する水の供給及び電解槽における電気分解を休止した状態では、電磁バルブが正常であれば処理水タンク内の水位は変化しないはずである。一方、電磁バルブに止水不良が発生すれば処理水タンク内の水位は上昇し、このとき止水不良検出手段は処理水タンク内の水位の上昇により電磁バルブの止水不良を検出する。したがって、当該電解水生成装置が電解水の生成を休止している間にも、電磁バルブの止水不良を的確に検出でき適切に対処できるようになる。
【0015】
また、本発明の実施にあたっては、上記の実施形態における止水不良検出手段を、前記電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが同電解槽に設けた水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブを閉成した状態にて前記給水手段を短時間だけ作動させて前記処理水タンク内の水位を前記所定の上限水位より所定量だけ下げる水位制御手段と、該水位制御手段の制御下にて前記処理水タンク内の水位が低下した後に同処理水タンク内の水位が前記上限水位以上に上昇したことが前記水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブの止水不良を検出する水位上昇検出手段とにより構成してもよい。
【0016】
この実施形態においては、上記の休止制御手段により電解水の生成が休止された状態で、処理水タンク内の水位が上限水位以上であっても、水位制御手段が同処理水タンク内の水位を上限水位未満まで下げる。したがって、水位上昇検出手段が処理水タンクの水位センサにより検出される上限水位を用いて、電磁バルブの止水不良を必ず検出できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る電解水生成装置の全体を概略的に示している。
【0018】
この電解水生成装置は、濃塩水を蓄える濃塩水タンク10と、同タンク10の下方に設けられて希塩水を蓄える希塩水タンク20と、希塩水タンク20から供給される希塩水を電気分解する電解槽30と、電解槽30にて生成された酸性イオン水を蓄える酸性イオン水タンク40と、酸性イオン水の生成に付随して生成されるアルカリ性イオン水を蓄えるアルカリ性イオン水タンク50とを備えている。
【0019】
濃塩水タンク10には塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩が多量に補給されるとともに、図示しない外部給水源(例えば、水道)から給水管11を介して水が圧送されるようになっている。この給水管11には電磁バルブ12が介装されており、同バルブ12は定量バルブで構成されており、開成状態にて単位時間当り一定量の水を外部から給水管11を介して濃塩水タンク10に供給する。濃塩水タンク10は補給された塩を水によりほぼ飽和状態に溶解させてなる濃塩水で常に満たされており、溶解し得ない残りの塩Sは同タンク10の底部に常に沈澱している。また、濃塩水タンク10内には、上限スイッチ13a及び下限スイッチ13bからなる水位センサ13が収容されている。
【0020】
上限スイッチ13aは、図2に示すように、濃塩水の水位が上昇して所定の上限水位以上になるとオフ状態からオン状態に切り換えられ、同濃塩水の水位が低下して前記上限水位から微少量だけ下がった水位以下になると前記オン状態からオフ状態に切り換えられる。下限スイッチ13bは、図2に示すように、濃塩水の水位が低下して所定の下限水位以下になるとオン状態からオフ状態に切り換えられ、同濃塩水の水位が上昇して前記下限水位から微少量だけ高い水位以上になると前記オフ状態からオン状態に切り換えられる。
【0021】
濃塩水タンク10には、希塩水タンク20に濃塩水を供給するための供給管14が同タンク10の底部にて上方向に侵入し、同供給管14の上端面は、沈澱している塩Sが混入しないように前記下限水位より若干だけ低い位置にて開口している。供給管14には電磁バルブ15が介装されており、同バルブ15は開成状態にて濃塩水タンク10内の濃塩水を供給管14を介して希塩水タンク20に供給する。
【0022】
希塩水タンク20の上方には供給管14の下端出口及び給水管21の出口が配置されており、同タンク20には、前記濃塩水が供給管15を介して供給されるとともに、外部給水源からの水も給水管21を介して供給されるようになっている。この給水管21には電磁バルブ22が介装されていて、同バルブ22は定量バルブで構成されており、開成状態にて単位時間当り一定量の水を外部から給水管21を介して希塩水タンク20に供給する。希塩水タンク20内には、濃度センサ23、上限及び下限スイッチ24a,24bからなる水位センサ24が収容されている。濃度センサ23は希塩水タンク20内の希塩水の濃度Cを検出する。上限及び下限スイッチ24a,24bは、上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。
【0023】
また、希塩水タンク20の底部には、攪拌用の導管25及び電解槽30に希塩水を供給するための供給管26の入口が接続されている。導管25の他端は希塩水タンク20の側壁に接続されるとともに導管25の中間部には電動ポンプ27が介装されており、同ポンプ27は作動状態にて希塩水タンク20内の希塩水を攪拌する。供給管26にも本願発明の水供給手段としての電動ポンプ28が介装されていて、同ポンプ28は定量ポンプで構成されており、作動状態にて単位時間当り一定量の希塩水を希塩水タンク20から供給管26を介して電解槽30に供給する。
【0024】
なお、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の各側壁にはオーバーフローパイプ16が接続されており、同パイプ16は上限スイッチ13a,24aがオン状態に切り換えられる上限水位より若干高い位置にて各タンク10,20内に開口している。これにより、各タンク10,20の水位がオーバーフロー管16の各開口位置より高くなると、各タンク10,20内の塩水が外部に排出されるようになっている。
【0025】
電解槽30は内部が隔膜31によって陽極室32及び陰極室33に区画されていて、各電極室32,33には、電動ポンプ28の作動により供給管26を介した希塩水が供給されるようになっている。各電極室32,33には、直流電源装置60から正負の直流電圧が印加される正電極34及び負電極35が対向して配設されている。この直流電圧の印加により希塩水タンク20から供給された希塩水が電気分解され、陽極室32にて生成された酸性イオン水(電解水)は、導出管36を介して酸性イオン水タンク40に供給されるようになっている。陰極室33にて生成されたアルカリ性イオン水(電解水)は、導出管37を介してアルカリ性イオン水タンク50に供給されるようになっている。なお、この導出管37はアルカリ性イオン水タンク50の底部近くにて開口している。
【0026】
酸性イオン水タンク40の底部には取り出し管41の一端が接続されるとともに、同管41にはコック42が介装され、同コック42の操作により適宜取り出し管41の他端に位置する取り出し口41aから酸性イオン水が取り出されるようになっている。酸性イオン水タンク40には上限及び下限スイッチ43a,43bからなる水位センサ43が収容され、両スイッチ43a,43bは上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。また、酸性イオン水タンク40にはオーバーフローパイプ44が設けられ、同パイプ44の上端は同タンク40の前記上限水位より高い位置まで延出されるとともに、同パイプ44の下端は導出管37の中間部に接続されている。なお、このオーバーフローパイプ44は余剰の酸性イオン水をアルカリ性イオン水タンク50に排出する機能を果たすとともに、電気分解により発生した塩素ガスをアルカリ性イオン水にとけ込ませる機能も果たしている。
【0027】
アルカリ性イオン水タンク50には排出管51も侵入しており、同管51に介装させた電動ポンプ52の作動により同タンク50内のアルカリ性イオン水を外部に排出するようにしている。また、アルカリ性イオン水タンク50にも、上限及び下限スイッチ53a,53bからなる水位センサ53が収容され、両スイッチ53a,53bは上述した上限及び下限スイッチ13a,13bと同様に構成されている。
【0028】
この電解水生成装置は、前記各種センサ13,23,24,43,53、電磁バルブ12,15,22、電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60に接続された電気制御回路70を備えている。この電気制御回路70はマイクロコンピュータにより構成されており、図3〜9に示すフローチャートに対応したプログラムを実行して、電磁バルブ12,15,22の開閉、電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60の作動を制御する。電気制御回路70はタイマ70aを内蔵しており、同タイマ70aは時間を計時してタイマインタラプト信号を所定の短時間毎に発生させて、同短時間毎に電気制御回路70に図9のタイマインラプトプログラムを実行させる。
【0029】
また、この電気制御回路70には、運転スイッチ71、警報器72及び表示器73も接続されている。運転スイッチ71はこの電解水生成装置の運転の開始及び停止を制御するためのもので、手動操作によりオン状態又はオフ状態に切り換えられるとともに、内蔵の電磁ソレノイドにより制御されてオン状態からオフ状態に切り換えられるようになっている。警報器72はこの電解水生成装置の異常時に警報を発生するためのもので、表示器73は同異常時に異常の種類を表示するためのものである。
【0030】
次に、上記のように構成した実施例の動作を説明すると、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩Sを濃塩水タンク10内に多量に投入して、同タンク10内の濃塩水をほぼ飽和状態にするとともに、残留の塩Sが同タンク10の底に常に沈澱している状態にしておく。なお、塩Sが不足している場合には随時補充する。その後、電源スイッチ(図示しない)の投入により、電気制御回路70は図2のステップ100にてプログラムの実行を開始し、ステップ102にて濃塩水タンク10に対する初期給水処理、ステップ104にて希塩水タンク20に対する初期給水処理及びステップ106にて希塩水タンク20の初期濃度調整処理を実行する。
【0031】
ステップ102の濃塩水タンク10に対する初期給水処理においては、上限スイッチ13aがオフしていれば、同スイッチ13aがオンするまで電磁バルブ12をオン状態に切り換えて、濃塩水タンク10に外部から給水する。ステップ104の希塩水タンク20に対する初期給水処理においては、上限スイッチ24aがオフしていれば、同スイッチ24aがオンするまで電磁バルブ22をオン状態に切り換えて、希塩水タンク20に外部から給水する。また、ステップ106の希塩水タンク20の初期濃度調整処理においては、前記希塩水タンク20に対する給水により同タンク20内の希塩水の濃度が所定の低濃度Coより微少量ΔCoだけ低い下限値Co−ΔCoより低くなり、濃度センサ23がこれを検出すると、電磁バルブ15をオン状態に切り換えて濃塩水タンク10から希塩水タンク20に濃塩水を補給する。そして、濃度センサ23により検出される希塩水の濃度が所定の低濃度Coより微少量ΔCoだけ高い上限値Co+ΔCoになると、電磁バルブ15をオフ状態に切り換えて前記濃塩水の補給を停止する。これらのステップ102〜106の処理により、濃塩水タンク10内には濃塩水が上限水位まで蓄えられ、希塩水タンク20内にはほぼ所定の低濃度Coの希塩水が上限水位まで蓄えられる。なお、この状態では、電磁バルブ12,15,22はオフ状態にある。
【0032】
次に、電気制御回路70は、ステップ108にて電磁バルブ12,22の各止水不良検出のために利用される初期フラグIF1,IF2を「0」に初期設定し、ステップ110にて電磁バルブ12,22の各オンオフ状態を表すウォータバルブフラグWF1,WF2も”0”に初期設定して、プログラムをステップ112に進める。
【0033】
ステップ112においては、電気制御回路70が運転スイッチ71がオン状態にあるか否かを判定する。運転スイッチ71がオフ状態に保たれている間、ステップ110〜114の処理が続けられる。ステップ114の処理は、電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を非作動状態に設定するとともに、電磁バルブ12,15,22をオフ状態に設定して、当該電解水生成装置の作動を停止させておくものである。運転スイッチ71がオン状態に切り換えられると、ステップ112にて「YES」と判定して、プログラムをステップ116に進める。
【0034】
ステップ116においては、上限スイッチ43aにより検出される酸性イオン水の水位が上限水位以上であるか否かを判定する。この場合、酸性イオン水の水位が上限水位以上でなくて上限スイッチ43aがオフしていれば、ステップ116にて「NO」と判定して、ステップ118にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を作動状態に切り換える。電動ポンプ27は希塩水タンク20内の希塩水を攪拌し、電動ポンプ28は同タンク20内の希塩水を供給管26を介して電解槽30に連続的に供給する。直流電源装置60は正負電極34,35間に直流電圧を印加するので、電解槽30に供給された希塩水は電解され始める。そして、電解槽30にて電気分解された酸性イオン水は陽極室32から導出管36を介して酸性イオン水タンク40内に供給され始めるとともに、同電気分解されたアルカリ性イオン水は陰極室33から導出管37を介してアルカリ性イオン水タンク50に供給され始める。
【0035】
前記ステップ118の処理後、電気制御回路70は、ステップ120にて濃塩水タンク10に水を補給するための濃塩水タンク給水ルーチンを実行し、ステップ122にて希塩水タンク20に水を補給するための希塩水タンク給水ルーチンを実行し、ステップ124にて希塩水タンク20内の希塩水の濃度を調整する。濃塩水タンク給水ルーチン及び希塩水タンク給水ルーチンについては、詳しく後述する。ステップ124の希塩水濃度の調整においては、濃度センサ23による検出濃度に基づき、希塩水タンク20内の希塩水の濃度が前記下限値Co−ΔCoより低くなった時点で電磁バルブ15をオン状態に切り換え、同切り換えによる濃塩水の供給により、同タンク20内の希塩水の濃度が前記上限値Co+ΔCo以上になった時点で電磁バルブ15をオフ状態に切り換える。なお、これらのステップ120〜124の処理は、希塩水濃度の調整中にプログラムの進行を止めてしまうものではなく、ステップ112,116〜124からなる循環処理中に繰り返し行われるものである。そして、ステップ112,116〜124からなる循環処理中、酸性イオン水及びアルカリイオン水からなる電解水が生成され続ける。
【0036】
一方、前記運転スイッチ71の投入直後又はステップ112〜124からなる循環処理中、酸性イオン水タンク40の水位が上限水位以上に上昇して上限スイッチ43aがオンすれば、ステップ116にて「YES」と判定して、ステップ126にて電解水の生成を休止する待機処理ルーチンを実行する。この待機処理ルーチンについては、詳しく後述する。また、ステップ112,116〜124からなる循環処理中、運転スイッチ71がオフされると、ステップ112にて「NO」と判定して、ステップ114の処理により電解水の生成を停止してステップ110〜114からなる循環処理を繰り返し実行し始める。そして、運転スイッチ71が再度オン操作されれば、上述した場合と同様にして電解水の生成を開始する。
【0037】
次に、ステップ120の濃塩水タンク給水ルーチンについて説明すると、同ルーチンは図4に詳細に示されており、電気制御回路70はステップ200にて同ルーチンの実行を開始する。この濃塩水タンク給水ルーチンにおいては、電磁バルブ12がオフ状態にあってウォータバルブフラグWF1が”0”に設定されていれば、ステップ202における「YES」との判定の基に、濃塩水タンク10内の水位が電動ポンプ28の作動により下限水位以下に低下するまで、ステップ204にて「NO」と判定する。濃塩水タンク10内の水位が下限水位以下まで低下すると、下限スイッチ13bがオフ状態に変化するので、ステップ204にて「YES」と判定してプログラムをステップ206,208に進める。ステップ206においては電磁バルブ12に通電して同バルブ12を開成し、ステップ208においてはウォータバルブフラグWF1を”1”に変更する。
【0038】
また、電磁バルブ12がオン状態にあってウォータバルブフラグWF1が”1”に設定されていれば、ステップ202における「NO」との判定の基に、濃塩水タンク10内の水位が電磁バルブ12の開成により上限水位以上に上昇するまで、ステップ220にて「NO」と判定する。濃塩水タンク10内の水位が上限水位以上に上昇すると、上限スイッチ13aがオン状態に変化するので、ステップ220にて「YES」と判定してプログラムをステップ222,224に進める。ステップ222においては電磁バルブ12の通電を解除して同バルブ12を閉成し、ステップ224においてはウォータバルブフラグWF1を”0”に変更する。その結果、電解水の生成中においては、濃塩水タンク10内の水位は電磁バルブ12の開閉に連動して下限水位と上限水位との間を繰り返し往復する。
【0039】
また、この濃塩水給水ルーチンにおいては、電磁バルブ12の止水不良も検出される。濃塩水タンク10内の水位が上限水位以上に上昇して電磁バルブ12がオフ状態に切り換えられると、電気制御回路70はステップ226にてタイマカウント値TM1を「0」に初期設定する(図2のt2,t5,t8参照)。このタイマカウント値TM1は、後述するタイマカウント値TM2,TM3と共に、所定の短時間毎に「1」ずつ増加する。すなわち、タイマ70aが所定の短時間の経過を計測する毎に、電気制御回路70は図9のステップ600〜608からなるタイマインタラプトプログラムを割り込み実行し、ステップ602〜606の処理によりタイマカウント値TM1,TM2,TM3をそれぞれ「1」ずつ増加させる。
【0040】
そして、この電磁バルブ12を閉成した状態で濃塩水タンク10内の濃塩水が希塩水タンク20に供給され、同タンク10内の水位が下限水位以下まで低下すると、電気制御回路70は前記ステップ204〜208の処理後にステップ210〜212の止水不良検出のための処理を実行する(図2のt1,t4,t7参照)。この場合、ステップ214の処理は、電磁バルブ12が今回オフ状態にあった時間を表すタイマカウント値TM1と、電磁バルブ12が前回オフ状態にあった時間を表すデータ値TM1oとを比較して、電磁バルブ12の止水不良を検出する判定処理である。また、ステップ216の処理は、次回のステップ214の判定処理のために、データ値TM1oをタイマカウント値TM1に更新しておく処理である。なお、ステップ210,212の処理は、運転スイッチ71の投入からこれらの処理が3回行われるまではタイマカウント値TM1及びデータ値TM1oが正確な値を示していないために(図2のt1,t4参照)、ステップ214の判定処理を運転ステップ71の投入から3回目以降に行うようにするための処理である。
【0041】
電磁バルブ12が閉成されている間にも、濃塩水タンク10内の濃塩水は一定の条件で定期的に消費されるので、同バルブ12が正常であれば、同タンク12内の水位が上限水位から下限水位まで低下する時間は常にほぼ一定である。したがって、電磁バルブ12が正常であって同バルブ12の今回のオフ時間と前回のオフ時間とがほぼ同じであれば、ステップ214にて「NO」と判定してプログラムをステップ216,218に進めて、電解水の生成を続行する。
【0042】
一方、電磁バルブに止水不良が発生すると、濃塩水タンク10内の水位が上限水から下限水位まで低下する時間は長くなる。したがって、電磁バルブ12に止水不良が発生して、同バルブ12の今回のオフ時間が前回のオフ時間より所定時間α1以上長くなると、ステップ214にて「YES」すなわち電磁バルブ12が止水不良であると判定して、プログラムをステップ228の異常処理ルーチンに進める。
【0043】
この異常処理ルーチンにおいては、電気制御回路70は、図8のステップ500にてプログラムの実行を開始し、ステップ502にて電動ポンプ27,28,52及び直流電源装置60を非作動状態に切り換えるとともに、電磁バルブ12,15,22をオフ状態に切り換えて、電解水の生成を停止する。次に、ステップ504にて表示器73を制御して電磁バルブ12が止水不良であることを表示し、ステップ506にて警報器72を制御して警報音を発生させる。前記ステップ506の処理後、ステップ508にて運転スイッチ71に内蔵されている電磁ソレノイドを制御して運転スイッチ71をオフ状態に切り換える。そして、ステップ510のこの異常処理ルーチンの実行を終了して、図4のステップ230にてプログラムの実行を終了する。なお、この場合、電源を新たに投入しない限り、前述したプログラム制御は行われない。
【0044】
次に、図3のステップ122の希塩水タンク給水ルーチンについて説明すると、同ルーチンは図5に詳細に示されており、電気制御回路70はステップ300にて同ルーチンの実行を開始する。この希塩水タンク給水ルーチンは前述した濃塩水タンク給水ルーチンとほぼ同様に構成されており、ステップ302〜308,320〜324の処理により、濃塩水タンク10内の水位は電磁バルブ22の開閉に連動して下限水位と上限水位との間を繰り返し往復する。なお、この場合、前記濃塩水タンク給水ルーチンにおけるウォータバルブフラグWF1、上限及び下限スイッチ13a,13b、並びに電磁バルブ12に代えて、ウォータバルブフラグWF2、上限及び下限スイッチ24a,24b、並びに電磁バルブ22が利用又は制御される。
【0045】
また、この希塩水タンク給水ルーチンにおいても、ステップ310〜316,326の処理により電磁バルブ22の止水不良が検出される。ステップ310〜316の止水不良検出処理においては、タイマカウント値TM1、初期フラグIF1、データ値TM1o及び所定時間α1に代えて、タイマカウント値TM2、初期フラグIF2、データ値TM2o及び所定時間α2が利用される以外は濃塩水タンク給水ルーチンの処理と同じである。したがって、この場合も、電磁バルブ22が正常であって電磁バルブ22の今回のオフ時間と前回のオフ時間とがほぼ同じであれば、電解水の生成が続行される。一方、電磁バルブ22に止水不良が発生して、電磁バルブ22の今回のオフ時間が前回のオフ時間より所定時間α2以上長くなると、同バルブ22の異常が判定されて、ステップ328にて異常処理ルーチンが実行される。この異常処理ルーチンは前記濃塩水タンク給水ルーチンと同じである。
【0046】
上記のような作動説明からも理解できるように、電解水の生成中における電磁バルブ12,22の閉成状態では、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20内の水はほぼ一定の速さで減少することに着目して、ステップ210〜216,226,310〜316,326の処理により、電磁バルブ12,22の閉成時間(図2のA参照)の変化に基づいて同バルブ12,22の止水不良が検出される。そして、ステップ228,328の異常処理により、前記止水不良が使用者に対して聴覚的かつ視覚的に知らせられるので、使用者は前記止水不良に迅速に対処できる。
【0047】
次に、酸性イオン水タンク40内の水位が上限水位以上に上昇した場合における図3のステップ126の待機処理ルーチンについて説明する。この待機処理ルーチンは、図6,7に詳細に示すように、ステップ400にてその実行が開始され、電気制御回路70は、ステップ402にて電磁バルブ12をオフ状態に設定するとともに、ステップ404にてウォータバルブフラグWF1を”0”に設定して、ステップ406にて上限スイッチ13aがオン状態にあるか否かを判定する。濃塩水タンク10内の水位が上限水位未満であって上限スイッチ13aがオフしていれば、ステップ406にて「NO」と判定して、プログラムをステップ412以降に進める。
【0048】
一方、上限スイッチ13aがオン状態にあれば、ステップ406にて「YES」と判定してプログラムをステップ408,410に進める。ステップ408,410においては、上述したステップ122,124の場合と同様に、希塩水タンク20への給水処理及び同タンク20内の希塩水の濃度調整が行われる。このとき、電動ポンプ28は作動しているので、電解水が生成されるとともに、濃塩水タンク10から希塩水タンク20への濃塩水の供給により、濃塩水タンク10内の水位は上限水位から若干量だけ低下する。その結果、電気制御回路70はステップ406にて「NO」と判定してプログラムをステップ412に進める。
【0049】
ステップ412においては、電動ポンプ27,28の作動を停止するとともに、直流電源装置60による正負電極34,35への直流電圧の供給を停止させる。そして、ステップ414にて上限スイッチ24aがオン状態にあるか否かを判定する。この場合、希塩水タンク20内に希塩水が充分に満たされていて上限スイッチ24aがオン状態にあれば、ステップ414にて「YES」と判定し、ステップ420にて電磁バルブ22をオフ状態に設定してプログラムをステップ422〜425に進める。上限スイッチ24aがオフ状態にあれば、ステップ416の処理により電磁バルブ22を開成して希塩水タンク20に給水する。この給水により、希塩水タンク20に希塩水が充分に満たされて上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられれば、ステップ414にて「YES」と判定し、ステップ420にて電磁バルブ22をオフ状態に設定してプログラムをステップ422〜425に進める。なお、このステップ416の処理による給水中、ステップ418の処理により、希塩水タンク20の希塩水の濃度が電磁バルブ15の開閉により調整される。ステップ422〜425の処理は、ステップ410,418の処理では希塩水の濃度調整が完了していなかったり、電磁バルブ15が開成され続けることを避けるための処理で、これらの処理により、希塩水タンク20内の希塩水の濃度はほぼ所定濃度Coに設定されるとともに、電磁バルブ15も必ず閉成される。
【0050】
次に、電気制御回路70はステップ426にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60を作動させて、希塩水タンク20内の希塩水を電解槽30に供給して電解水を生成することにより、同タンク20内の希塩水の水位を低下させる。そして、ステップ428にてタイマカウント値TM3を「0」に初期設定した後、同カウント値TM3が所定値Toになるまでステップ430の判定処理を続ける。。このタイマカウント値TM3は、上述のように図9のタイマインタラプトプログラムの実行により所定の短時間毎に「1」ずつ増加する。タイマカウント値TM3が所定値Toに達すると、ステップ430にて「YES」と判定して、ステップ432にて電動ポンプ27,28及び直流電源装置60の作動を停止する。
【0051】
次に、電気制御回路70はステップ434〜440からなる循環処理を実行し続ける。これらの循環処理中、電磁バルブ12,22は閉成状態に保たれているので、濃塩水タンク10及び希塩水タンク20内の水位は上昇しないはずである。しかし、電磁バルブ12,22に止水不良が発生すると、両バルブ12,22を介して濃塩水タンク10及び希塩水タンク20に外部からの水が漏れ入る。そして、上限スイッチ13a,24aがオン状態に変化すると、電気制御回路70はステップ434又はステップ436にて「YES」と判定して、上述の場合と同様にステップ444にて異常処理ルーチンを実行して、ステップ446にてプログラムの実行を終了する。このように、当該電解水生成装置の待機中においては、ステップ406〜410及びステップ414〜430の処理により濃塩水タンク10及び希塩水タンク20の水位を上限水位から若干量だけ下げて、その後の水位の上昇により電磁バルブ12,22に止水不良を検出するようにしたので、電磁バルブ12,22の止水不良が的確に検出されるとともに、同不良に適切に対処できる。
【0052】
一方、前記ステップ434〜440からなる循環処理中、酸性イオン水タンク40の酸性イオン水がコック42の操作により取り出し口41aから取り出されて、同タンク40内の水位が下限水位まで低下すると、電気制御回路70はステップ438にて「YES」と判定して、ステップ442にてこの待機処理ルーチンの実行を終了して、プログラムを図3のステップ110に進め、上述したステップ118〜124の処理により電解水を生成し始める。また、前記ステップ434〜440からなる循環処理中、ステップ440にて運転スイッチ71がオン状態にあるか否かも判定される。運転スイッチ71がオン状態に維持されていれば、同ステップ440にて「YES」と判定して、ステップ434〜440からなる循環処理を実行し続ける。一方、このステップ434〜440からなる循環処理中、運転スイッチ71がオフ状態に切り換えられると、ステップ440にて「NO」と判定してステップ442にてこの待機処理ルーチンの実行を終了する。この場合、図3のステップ110〜114からなる循環処理が実行されるようになる。そして、運転スイッチ71がふたたびオン状態に切り換えられれば、ステップ112における「YES」と判定により、プログラムを前述したステップ116以降へ進める。
【0053】
また、前記酸性イオン水の生成と同時に生成されるアルカリイオン水はアルカリ性イオン水タンク50に蓄えられる。そして、アルカリ性イオン水タンク50の水位が上限水位以上に上昇すると、上限スイッチ53aはオン状態に切り換えられる。この上限スイッチ53aの切り換えに応答して、電気制御回路70は図示しないプログラムの実行により電動ポンプ52を作動させて、アルカリ性イオン水タンク50内のアルカリ性イオン水を排出管51を介して外部に排出する。この電動ポンプ52の作動は、下限スイッチ53bがオフ状態に切り換えられた後に停止される。
【0054】
次に、上記実施形態の第1〜第5変形例について説明する。
a.第1変形例
第1変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図10のように変形したもので、図5のステップ310,314の処理をステップ340,342の処理のように変形している。この変形例においても、ステップ326,図9のステップ604の処理により、電磁バルブ22がオフ状態にある時間がタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ314の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T1より所定時間β1以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるために、ステップ340にて初期フラグIF2は「1」以上であるか否かが判定されて、同フラグIF2が「1」以上であればステップ342の判定処理が行われる。また、図5のステップ316のデータ値TM2oの更新処理も不要となる。
【0055】
上述のように、電磁バルブ22が正常に閉成されていれば、電動ポンプ28の作動により希塩水タンク20内の水位の低下はほぼ一定であるので、同バルブ22のオフ時間を表すタイマカウント値TM2は常にほぼ一定の値に保たれるはずである。したがって、前記第1変形例のようにタイマカウント値TM2と所定時間値T1とを比較するようにしても、電磁バルブ22の止水不良は的確に検出できる。
【0056】
b.第2変形例
第2変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図10のように変形したもので、図5のステップ310〜316の処理に代えてステップ350〜360の処理を採用するとともに、同ステップ350〜360の処理を図5のステップ302とステップ304との間に挿入するようにしている。また、ステップ326の処理の後にステップ362の処理を追加している。これにより、同変形例においては、電磁バルブ22がオフ状態にある期間のうちの上限スイッチ24aがオン状態に変化してからオフ状態に変化するまでの少ない時間を計測するとともに、今回の計測時間を表すタイマカウント値TM2と前回の計測時間を表すデータ値TM2oとを比較するようにしている(図2のB参照)。
【0057】
まず、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられて、電磁バルブ22がオフ状態に切り換えられるとともにタイマカウント値TM2が「0」に初期設定されると同時に、ステップ362の処理によりタイマフラグTM2が”1”に設定される(図2のt2,t5,t8参照)。そして、ステップ350,352の処理により、このタイマフラグTF2が”1”であり、かつ上限スイッチ24aがオン状態からオフ状態に切り換えられたときにのみ、ステップ354〜360の処理が実行される。ステップ354の処理により、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられてからオフ状態に変化するまでの時間を表すタイマカウント値TM2と、前回の同時間を表すデータ値TM2oとが比較されて、タイマカウント値TM2がデータ値TM2oより所定値α3以上長ければ、電磁バルブ22の止水不良が判定される。
【0058】
ステップ358の処理は前記データ値TM2oを上限スイッチ24aがオフ状態に変化する毎に更新するための処理であり、ステップ360の処理は上限スイッチ24aがオフ状態に変化したときに1回だけステップ354〜360の処理を行うためのタイマフラグTF2をクリアする処理である。なお、この場合、初期フラグIF2が「1」に変化した時点で正確なデータ値TM2oが用意されるために、ステップ354においては同フラグTF2は「1」と比較される。
【0059】
これにより、この第2変形例においても、電磁バルブ22がオフ状態にある間に、希塩水タイマ20内の水位が所定量だけ低下する時間の変化に基づいて、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0060】
c.第3変形例
第3変形例は、上記第2変形例の図11の希塩水タンク給水ルーチンを図12のようにさらに変形したもので、図11のステップ356の処理をステップ370の処理のように変形している。この変形例においても、上限スイッチ24aがオン状態に切り換えられてからオフ状態に変化するまでの時間がタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ370の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T2より所定時間β2以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるとともに、タイマフラグTF2のためにステップ370の処理が実行される際にはタイマカウント値TM2は必ず正確な前記時間の計測を終了しているために、図11のステップ312,354,358の処理は省略される。
【0061】
この第3変形例においても、第1変位例と同様に、電磁バルブ22がオフ状態にある間に、希塩水タイマ20内の水位が所定量だけ低下する時間に基づいて、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0062】
d.第4変形例
第4変形例は、上記実施形態の図5の希塩水タンク給水ルーチンを図13のように変形したもので、図5のステップ314,316の処理に代えてステップ380〜384の処理を採用するとともに、図5のステップ324の処理を省略している。これにより、同変形例においては、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから今回再びオン状態に切り換えられるまで時間を計測するとともに、今回の計測時間を表すタイマカウント値TM2と前回の計測時間を表すデータ値TM2oとを比較するようにしている(図2のC参照)。
【0063】
まず、上限スイッチ24aがオフ状態に切り換えられて電磁バルブ22がオフ状態に切り換えられると同時に、ステップ384の処理によりタイマカウント値TM2は「0」に初期設定される(図2のt1,t4,t7参照)。そして、ステップ310,312の処理により、上記実施形態の場合と同様に、データ値TM2oが正確な値を示す以降に、ステップ380の処理により、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから同バルブ22が今回オン状態に切り換えられるまでの時間を表すタイマカウント値TM2と、前回の同時間を表すデータ値TM2oとが比較される。そして、タイマカウント値TM2がデータ値TM2oより所定値α4以上長ければ、電磁バルブ22の止水不良が判定される。なお、ステップ382の処理はデータ値TM2oを電磁バルブ22がオン状態に切り換えられる毎に更新するための処理である。
【0064】
電磁バルブ22は定量バルブで構成されていて外部からの水の単位時間当り通過流量はほぼ一定であるので、電磁バルブ22がオン状態に切り換えられて希塩水タンク20の水位が下限水位から上限水位まで変化する時間はほぼ一定である。したがって、この第4変形例のように、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから今回再びオン状態に切り換えられるまで時間を計測することは、実質的に電磁バルブ22がオフ状態にある時間を計測することに相当する。したがって、上記実施形態と同様に、電磁バルブ22の止水不良を的確に検出できる。
【0065】
e.第5変形例
第5変形例は、上記第4変形例の図13の希塩水タンク給水ルーチンを図14のようにさらに変形したもので、図13のステップ310,380の処理をステップ390,392の処理のように変形している。この変形例においても、上限スイッチ24aが前回オン状態に切り換えられてから今回オン状態に切り換えられるまでの時間ががタイマカウント値TM2として計測される。しかし、この変形例においては、ステップ392の処理により、タイマカウント値TM2が予め定めた所定時間値T3より所定時間β3以上長くなったとき、電磁バルブ22の止水不良が判定される。そして、この場合、前回の計測時間を表すデータ値TM2oは不要であるとともに、タイマカウント値TM2は下限スイッチ24bが2回目にオフした時点で正確な前記時間の計測を終了しているために、図13のステップ382の処理が省略されるとともに、ステップ390にて初期フラグIF2が「1」以上であると判定されたときステップ392の処理が実行される。
【0066】
この第5変形例においても、第4変位例と同様に、実質的に電磁バルブ22がオフ状態にある時間が測定されるので、同バルブ22の止水不良が的確に検出される。
【0067】
なお、前記第4及び第5変形例においては、電磁バルブ22が前回オン状態に切り換えられてから次に再びオン状態に切り換えられるまでの時間をタイマカウント値TM2として計測するようにしたが、同バルブ22が前回オフ状態に切り換えられてから次に再びオフ状態に切り換えられるまでの時間をタイマカウント値TM2として計測するようにしても同じである。すなわち、電磁バルブ22の開成から次の開成までであっても、同バルブ22の閉成から次の閉成までであっても、同バルブ22の開閉制御の1サイクルに要する時間を測定するようにすればよい。また、上記第1〜第5変形例は希塩水タンク給水ルーチンを変形したものであるが、希塩水タンク給水ルーチンと濃塩水タンク給水ルーチンは実質的に同じであるので、前記各変形例を濃塩水タンク給水ルーチンに適用することもできることは当然である。
【0068】
また、上記実施の形態においては、電解槽30にて電気分解された酸性イオン水のみ取り出して利用するようにしたが、アルカリ性イオン水も取り出して、酸性イオン水及びアルカリ性イオン水の両電解水を利用するようにしてもよい。この場合、アルカリ性イオン水タンク50にも酸性イオン水タンク40と同様なコックを設けて、アルカリ性イオンタンク50からアルカリ性イオン水を必要に応じて取り出すことができるようにするとよい。また、この場合、アルカリ性イオン水タンクにも酸性イオン水タンク40と同様な水位センサを収容させて、当該電解水生成装置の生成状態及び生成待機状態とを両タンク40,50の各水位に応じて切り換え制御するようにすればよい。
【0069】
さらに、上記実施の形態においては、電気分解を促進するために塩を水に溶かすようにしたが、電解水の用途によっては外部給水源からの水(例えば、水道水)を直接電気分解するようにすればよい。この場合、上記実施形態の濃塩水タンク10を省略して希塩水タンク20のみを設けるとともに、同希塩水タンク20における濃度調整を省略して外部からの給水のみを行うようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電解水生成装置の全体概略図である。
【図2】図1の上限及び下限スイッチの切り換え状態及び電磁バルブのオンオフ状態を示すタイムチャートである。
【図3】図1の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により実行されるプログラムのフローチャートである。
【図4】図3の濃塩水給水ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3の希塩水給水ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3の待機処理ルーチンの前半部分の詳細を示すフローチャートである。
【図7】同ルーチンの後半部分の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図4,5,7の異常処理ルーチンを詳細に示すフローチャートである。
【図9】図1の電気制御回路(マイクロコンピュータ)により所定の短時間毎に実行されるタイマインタラプトプログラムのフローチャートである。
【図10】図5の希塩水給水ルーチンの第1変形例を示すフローチャートである。
【図11】図5の希塩水給水ルーチンの第2変形例を示すフローチャートである。
【図12】図5の希塩水給水ルーチンの第3変形例を示すフローチャートである。
【図13】図5の希塩水給水ルーチンの第4変形例を示すフローチャートであ
【図14】図5の希塩水給水ルーチンの第5変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…濃塩水タンク、11…給水管、12…電磁バルブ、13…水位センサ、13a…上限スイッチ、13b…下限スイッチ、14…供給管、15…電磁バルブ、20…希塩水タンク、21…給水管、22…電磁バルブ、23…濃度センサ、24…水位センサ、24a…上限スイッチ、24b…下限スイッチ、26…供給管、28…電動ポンプ(水供給手段)、30…電解槽、34,35…電極、36,37…導出管、40…酸性イオン水タンク、41a…取り出し口、42…コック、43…水位センサ、43a…上限スイッチ、43b…下限スイッチ、50…アルカリ性イオン水タンク、60…直流電源装置、70…電気制御回路(マイクロコンピュータ),71…運転スイッチ、72…警報器、73…表示器。
Claims (6)
- 外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンクと、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段とを備えた電解水生成装置において、
前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記水位センサにより検出される前記処理水タンク内の水位の変化に基づいて前記電磁バルブの閉成時に同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間を繰り返し計測する時間計測手段と、
該時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段とを設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンクと、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段とを備えた電解水生成装置において、
前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記水位センサにより検出される前記処理水タンク内の水位の変化に基づいて前記電磁バルブの閉成時に同処理水タンク内の水位が所定水位だけ低下する時間を繰り返し計測する時間計測手段と、
該時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段とを設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンクと、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段とを備えた電解水生成装置において、
前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記バルブ開閉制御手段による前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までの1サイクルに要する時間を繰り返し計測する時間計測手段と、
該時間計測手段により今回計測された時間が以前に計測された時間よりも所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段とを設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンクと、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段とを備えた電解水生成装置において、
前記処理水タンクに貯えられた水が前記電解槽に継続的に供給されている状態にて前記 バルブ開閉制御手段による前記電磁バルブの開成から次の開成まで又は同電磁バルブの閉成から次の閉成までの1サイクルに要する時間を繰り返し計測する時間計測手段と、
該時間計測手段により計測された時間が予め定めた第1の所定時間より第2の所定時間以上長いとき前記電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段とを設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 外部給水源から通電時に開成される常閉型の電磁バルブを介して新たな水を補給される処理水タンクと、同処理水タンクから供給された水を電気分解して電解水を生成する電解槽と、該電解槽から導出される電解水を貯えて同電解水を適宜に取出して使用される電解水タンクと、前記処理水タンクに設けた水位センサから付与される信号により同処理水タンク内の水位が所定の下限水位以下に低下したことが検出されたとき前記電磁バルブに通電して同電磁バルブを開成し、同処理水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するバルブ開閉制御手段と、前記電解水タンクに設けた水位センサにより同電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが検出されたとき前記電磁バルブの通電を解除して同電磁バルブを閉成するとともに前記処理水タンクから前記電解槽に水を供給する給水手段の作動を停止させ同時に前記電解槽内の電極への給電を休止させる休止制御手段とを備えた電解水生成装置において、
前記休止制御手段により前記電磁バルブが閉成された状態にて前記処理水タンク内の水位が上昇したとき同電磁バルブの止水不良を検出する止水不良検出手段を設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 前記止水不良検出手段を、
前記電解水タンク内の水位が所定の上限水位以上に上昇したことが同電解槽に設けた水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブを閉成した状態にて前記給水手段を短時間だけ作動させて前記処理水タンク内の水位を前記所定の上限水位より所定量だけ下げる水位制御手段と、
該水位制御手段の制御下にて前記処理水タンク内の水位が低下した後に同処理水タンク内の水位が前記上限水位以上に上昇したことが前記水位センサにより検出されたとき前記電磁バルブの止水不良を検出する水位上昇検出手段とにより構成したことを特徴とする請求項5に記載の電解水生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23578195A JP3548638B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 電解水生成装置 |
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