JP3568481B2 - 均平装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受止部材の受止面上に供給された穀物を均平する均平装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所謂無洗化処理装置においては、例えば、洗米部を備えており、洗米部において供給された原料米(精白米)を洗米水と共に攪拌して洗米し、アリウロン残留物(玄米の糠層の最下層であるアリウロン層(糊粉層)に含まれていた油脂や蛋白質や糖質などから成る極めて粘度の高い半液体状の混合物)等の被除去物を原料米表面から遊離させて洗米水に溶解した状態にする。また、この無洗化処理装置は脱水部を備えており、洗米処理が終了した原料米を脱水部に供給して脱水する。
【0003】
さらに、この無洗化処理装置は乾燥部を備えている。乾燥部には乾燥円盤が設けられており、脱水処理が終了した原料米が回転する乾燥円盤上に供給される。乾燥円盤には多数の通風孔が形成されると共に、乾燥円盤の上方にはヒータが設けられており、ヒータが空気を加熱し、この空気が多数の通風孔を介して乾燥円盤の下側から吸引されることで、温風が乾燥円盤上に均等に送風されて、原料米が乾燥される。
【0004】
これにより、無洗化処理装置は、原料米を無洗化処理して無洗化処理米(乾燥部において乾燥された後の原料米であり、本明細書では以下「処理米」という)を製造する構成である。
【0005】
しかしながら、このような無洗化処理装置では、乾燥部の乾燥円盤に供給された原料米が全面に亘り均平されて層厚が一定でないと、原料米の乾燥ムラが発生すると共に乾燥効率が悪化し、これにより、水分変動等の少ない均質な処理米を得ることができないという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、穀物を良好に均平できる均平装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の均平装置は、水平にされた受止面を有し、前記受止面上に穀物が供給される受止部材と、前記受止部材が前記受止面に平行な所定方向へ相対移動可能とされた状態で前記受止面の上方に配置されると共に、前記受止面に対する上下方向及び水平方向の相対位置及び反所定方向側側面の所定方向に対する傾斜角度を調整可能とされ、前記受止部材が所定方向へ相対移動されることで前記受止面上の穀物を均平する調整部材と、を備えている。
【0008】
請求項1に記載の均平装置では、調整部材に対し受止部材が受止面に平行な所定方向へ相対移動されることで、受止面上に供給された穀物が調整部材によって均平される。
【0009】
ここで、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態(水の付着等の状態)等に対応して調整部材の受止面に対する上下方向及び水平方向の相対位置及び調整部材の反所定方向側側面の所定方向に対する傾斜角度を調整することで、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態等に拘らず、穀物を良好に均平することができる。
【0010】
このため、この均平装置が例えば上記従来の技術に記載の無洗化処理装置の乾燥部に適用された場合でも、乾燥円盤上に供給された原料米を良好に均平できて層厚が一定となり、これにより、原料米の乾燥ムラ及び乾燥効率の悪化を防止して、水分変動等の少ない均質な処理米を得ることができる。
【0011】
請求項2に記載の均平装置は、請求項1に記載の均平装置において、弾性を有し、かつ、前記受止部材が所定方向へ相対移動可能とされた状態で前記受止面の上方であって前記調整部材の所定方向側に配置され、前記受止部材が所定方向へ相対移動されることで前記受止面上の穀物を均平する規制部材を備えた、ことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の均平装置では、規制部材に対し受止部材が所定方向へ相対移動されることで、受止面上の穀物が調整部材によって均平された後に更に規制部材によって均平される。
【0013】
ここで、規制部材は弾性を有するため、規制部材は受止面上の穀物を弾性変形しつつ均平することができる。このため、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態等の他均平装置作動中における受止面上への穀物の供給量変化等にも拘らず、穀物を一層良好に均平することができる。
【0014】
したがって、この均平装置が例えば上記従来の技術に記載の無洗化処理装置の乾燥部に適用された場合でも、乾燥円盤上に供給された原料米を一層良好に均平できて一層層厚が一定となり、これにより、一層水分変動等の少ない均質な処理米を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る無洗化処理装置10が縦断正面図にて示されており、図2には、無洗化処理装置10が一部破断した平面図にて示されている。
【0016】
本実施の形態に係る無洗化処理装置10は、竪型の洗米部12、脱水部14及び本発明の均平装置が適用された乾燥部16を備えており、脱水部14及び乾燥部16は装置本体18内に収容されている。装置本体18の内部には取付台20が架設されると共に、装置本体18の外周(4つの周面)にはカバー22が設けられている。
【0017】
装置本体18の内壁には支持部材24が固定されており、支持部材24には円筒状とされた支柱26の下部が回転可能に支持されている。支柱26の上側は装置本体18の上壁から上方に突出すると共に、支柱26の上部にはアーム28が一体に設けられており、アーム28には洗米部12が取り付けられている。
【0018】
支柱26の上下方向略中間部分には略扇状のベース30が一体に設けられており、ベース30は装置本体18の上面に接している。ベース30の円弧部分近傍には、この円弧部分に沿って円弧状の切欠部32が形成されており、切欠部32の一端部は開口している。切欠部32に対応して装置本体18の上面には、クランプレバー34が末端において回動自在に取り付けられており、切欠部32の他端部をクランプレバー34の末端に当接させた状態でクランプレバー34を締め付けることで、支柱26の回転が阻止されて洗米部12が装置本体18に装着されている。また、クランプレバー34を緩めることで支柱26の回転が可能となり、これにより、支柱26を中心として洗米部12を回動させて、洗米部12を装置本体18から離脱させることができる。なお、洗米部12は装置本体18に対し、洗米部12が装置本体18に装着された状態(切欠部32の他端部がクランプレバー34の末端に当接した状態)から180°回動可能とされている。
【0019】
図3及び図5に詳細に示す如く、洗米部12は軸受部材36を備えており、軸受部材36はアーム28に固定されている。また、洗米部12は洗米モータ38を備えており、洗米モータ38もアーム28に固定されている。軸受部材36は回転軸40を回転自在に軸支しており、回転軸40の上部及び下部は軸受部材36から突出している。回転軸40には、軸受部材36の上方においてプーリ42が固定されており、このプーリ42は、洗米モータ38の駆動軸に固定されたプーリ44にベルト46を介して連結されている。これにより、洗米モータ38が駆動されることで、回転軸40が回転される。また、洗米モータ38の電線48は、支柱26内部を貫通されることで、装置本体18内に設けられた制御盤50(図1及び図4参照)に接続されている。
【0020】
軸受部材36の下部には円筒状の洗米筒52の上端が固定されており、洗米筒52内には回転軸40が収容されると共に、洗米筒52の下端は開口されている。洗米筒52の下端近傍における側壁には供給口52Aが形成されており、供給口52Aにはスクリューフィーダ54が臨設されている。スクリューフィーダ54は供給モータ56を備えており、供給モータ56によりスクリューフィーダ54が駆動される。スクリューフィーダ54にはホッパ58が連設されており、ホッパ58は、上記アーム28に固定されると共に、上方に開放されている。ここで、ホッパ58に穀物としての原料米(精白米)が供給されると、スクリューフィーダ54によって原料米が搬送されて、供給口52Aを介して洗米筒52内に原料米が供給される。また、供給モータ56の電線60は、支柱26内部を貫通されることで上記制御盤50に接続されている。
【0021】
ホッパ58の下部には原料センサ62が設けられており、原料センサ62はホッパ58内の原料米の有無を検出する。原料センサ62の配線64は支柱26内部を貫通されることで上記制御盤50に接続されており、ホッパ58内に原料米が無くなったことを原料センサ62が検出すると、所定時間後に無洗化処理装置10の全体(洗米モータ38、供給モータ56、後記脱水モータ134、ポンプ164、搬送モータ168、乾燥モータ208及びヒータ216等)が停止される。また、ホッパ58には原料センサ62の下方において流量調節シャッタ66が設けられており、流量調節シャッタ66によって洗米筒52内に供給される原料米の量が調節される。
【0022】
洗米筒52内における回転軸40下側の外周には、洗米スクリュー68Aが形成されて揚穀螺旋68が構成されている。揚穀螺旋68と洗米筒52との間には揚穀室70が形成されている。これにより、回転軸40が回転されることで、揚穀螺旋68が揚穀室70内の原料米を下から上に搬送する。また、上記供給口52Aの上方側(図3のAの部位)においては、洗米スクリュー68Aは1条形成されると共に、洗米スクリュー68Aと洗米筒52との隙間は原料米の砕粒が生じない程度の大きさ(例えば5mm程度)とされている。一方、供給口52Aの下方側(図3のBの部位)においては、洗米スクリュー68Aは2条形成されると共に、洗米スクリュー68Aと洗米筒52との隙間は原料米が通過しない程度の大きさ以下(例えば1mm程度以下)とされている。これにより、揚穀室70内で原料米が砕粒することが防止されると共に、洗米筒52下端の開口から原料米が落下することが防止されている。
【0023】
洗米筒52内における回転軸40の外周には、洗米スクリュー68Aの直上において円柱状の突条72Aが複数形成されており、複数の突条72Aは螺旋状に配列されている。さらに、洗米筒52内における回転軸40の外周には、複数の突条72Aの直上において複数枚の掻き出し板72Bが固定されており、各掻き出し板72Bは回転軸40の軸線(回転中心)と平行とされている。この複数の突条72A及び複数枚の掻き出し板72Bによって、洗米筒52内における回転軸40上側に洗米ロール72が構成されている。洗米筒52と洗米ロール72の突条72A形成部位との間には洗米室74が形成されている。これにより、回転軸40が回転されることで、原料米が洗米室74内で突条72A及び上昇する原料米の自重によって抵抗を与えられて攪拌される。
【0024】
回転軸40の中心には、その上端から突条72A形成部位の中間部分に亘って、給水穴76が形成されている。この給水穴76は、回転軸40の外周から洗米室74に臨むように開口する複数の注水口76Aに連通しており、複数の注水口76Aは、回転軸40の最上部の突条72Aの上方から突条72A形成部位の中間部分の範囲において形成されている。回転軸40の上端には連結器78が設けられており、連結器78は、回転部である回転軸40と固定部である配管80とを密封した状態で連結している。配管80にはチューブ82が接続されると共に、チューブ82は支柱26内部を貫通されることで装置本体18内を通って装置本体18外に出されており、チューブ82は装置本体18の外部に設けられた給水タンク(図示省略)に接続されている。このため、給水タンクからチューブ82、配管80、連結器78を介して給水穴76内に洗米水(清純水)が供給され、複数の注水口76Aから洗米室74の内部に洗米水が注がれる。これにより、洗米室74内で原料米が洗米される。
【0025】
洗米筒52の洗米室74形成部位の下部には、給水管84が設けられており、洗米筒52内と給水管84内とは連通している。給水管84にはチューブ86が接続されると共に、チューブ86は支柱26内部を貫通されることで脱水部14の後記ポンプ164に接続されており、後に詳細に説明する如く脱水部14において原料米が脱水されることで得られる脱水液(洗米室74の上部で原料米に付着した洗米水であるため準清水である)がポンプ164、チューブ86及び給水管84を介して洗米室74の下部へ注がれる。これにより、脱水液が洗米水として再利用され、このため、上記給水タンクから供給する洗米水の量を少なくすることができる。
【0026】
洗米筒52には、洗米室74形成部位の上下方向略中間部分から揚穀室70形成部位の上部に亘って、多数の排水口52Bが穿設されており、多数の排水口52Bからアリウロン残留物等を含有する汚れた洗米水(洗米汁)が排水されることで、洗米室74内の洗米水の汚れが抑制される。なお、この排水口52Bは、洗米筒52の洗米室74形成部位の全体に穿設してもよい。洗米筒52の外周には、排水口52B穿設部位から下端に亘って排水壁88が設けられており、洗米筒52と排水壁88との間には排水室90が形成されている。これにより、多数の排水口52Bから排水された洗米水(洗米汁)が、排水室90を介して洗米筒52の下端近傍から下方へ排水される。さらに、上述の如く洗米筒52の下端は開口されているため、洗米室74及び揚穀室70を通過して汚れた洗米水(洗米汁)が洗米筒52の下端から下方へ排水される。これにより、洗米室74及び揚穀室70内の洗米水の汚れが抑制される。
【0027】
洗米筒52の上部であって洗米ロール72の掻き出し板72Bに対応する位置には排出口52Cが形成されており、洗米処理された原料米が、上記揚穀螺旋68の搬送力により洗米室74から排出口52Cを介して洗米筒52外へ排出される。また、排出口52Cに対応して洗米筒52の上部には排出管92が固定されており、排出管92は、一端部が排出口52Cを被った状態で洗米筒52に沿って垂設されている。これにより、排出口52Cから排出された原料米が、排出管92内を落下して排出管92の下端から排出される。
【0028】
図4及び図5に詳細に示す如く、脱水部14は、洗米部12の直下における装置本体18内に配設されており、脱水部14は遠心脱水筒100及び外郭筒102を備えている。遠心脱水筒100は脱水内筒104及び脱水外筒106から成り、脱水内筒104及び脱水外筒106は双方とも上端が開口した円筒状とされて立設されると共に、脱水内筒104と脱水外筒106との間には脱水室108が形成されている。一方、外郭筒102は、上端が開口した円筒状とされて遠心脱水筒100を囲うように立設されている。
【0029】
脱水部14に対応して装置本体18の上壁には開放口110が形成されており、開放口110には円環状の外カバー112が着脱自在に装着されると共に、外カバー112の内側には略円盤状の内カバー114が着脱自在に装着されている。外カバー112が内カバー114と共に装置本体18の上壁から離脱されると、開放口110全体が開放されて外郭筒102の内側の範囲が開放される一方、内カバー114のみが装置本体18の上壁(外カバー112)から離脱されると、開放口110が部分的に開放されて脱水内筒104の内側の範囲のみが開放される。
【0030】
内カバー114の中心部分には、水受管116が垂設されており、水受管116の上端は上記洗米筒52及び排水壁88に対応して大きくされる共に、水受管116の下部は脱水内筒104内の下側まで到達している。このため、排水室90の下端及び洗米筒52の下端から排水された洗米水(洗米汁)が水受管116の上端に受け止められることで、この洗米水(洗米汁)が水受管116内を落下する。
【0031】
内カバー114には米受管118が垂設されており、米受管118の上端は拡径されて上記排出管92の直下に配置されると共に、米受管118の下端は脱水内筒104内の下端近傍まで到達している。このため、洗米部12での洗米処理が終了して排出管92から排出された原料米は、米受管118内を落下して脱水内筒104内の下端に到達する。
【0032】
内カバー114には周方向に沿って複数の吸気口120が形成されており、後に詳細に説明する如くこの複数の吸気口120を介して脱水内筒104の内部に空気が吸気される。また、内カバー114に設けられた水受管116及び米受管118には遮風板122が取り付けられており、遮風板122は脱水内筒104内の上下方向略中間部分に配置されている。このため、複数の吸気口120からの空気が脱水内筒104内の下側へ到達することがこの遮風板122によって阻害される。
【0033】
脱水内筒104の下端には下端板124が設けられており、下端板124には円筒軸126が固定されている。円筒軸126の内部には、回転不能とされた円筒状の排水管128が配置されている。円筒軸126は、上記取付台20に固定された軸受台130に後記円筒軸148を介して回転自在に軸支されている。円筒軸126の下端にはプーリ132が固定されており、このプーリ132は、脱水モータ134の駆動軸に固定されたプーリ136にベルト138を介して連結されている。これにより、脱水モータ134が駆動されることで、円筒軸126及び下端板124が回転されて、脱水内筒104が回転される。また、排水管128の上端には上記水受管116の下端が着脱自在に差しこまれており、これにより、上述の如く水受管116内を落下した洗米水(洗米汁)が排水管128を介して装置本体18外に排水される。
【0034】
脱水内筒104の周面には、多数の噴風孔104Aが形成されており、脱水内筒104の内部は噴風室140とされている。また、脱水内筒104の下端周面には、周方向に沿って複数の移送口142が形成されており、米受管118から落下して下端板124上に到達した原料米は、下端板124が回転されることで遠心力を受けて移送口142を介して脱水室108の下部に移送される。さらに、脱水内筒104の外周には脱水スクリュー144が張設されており、脱水内筒104が回転されることで脱水スクリュー144が一体に回転されて、脱水室108下部の原料米が脱水室108上部へ上昇される。
【0035】
脱水外筒106の下端には下端板146が設けられており、下端板146には円筒軸148が固定されている。円筒軸148は、円筒軸126を囲う状態で上記軸受台130に回転自在に軸支されている。円筒軸148の下端にはプーリ150が固定されており、このプーリ150は、上記脱水モータ134の駆動軸に固定されたプーリ152にベルト154を介して連結されている。これにより、脱水モータ134が駆動されることで、円筒軸148及び下端板146が回転されて、脱水外筒106が回転される。また、プーリ150の直径はプーリ132の直径と同一とされると共に、プーリ152の直径はプーリ136の直径より若干小さくされている。
【0036】
脱水外筒106の周面には、多数の排水・排風用の排出孔106Aが形成されると共に、脱水外筒106の外周には、脱水外筒106の軸線(回転中心)と平行とされた複数枚の起風翼156が固定されている。このため、脱水外筒106が回転されることで、起風翼156が一体に回転して脱水外筒106の外側(外郭筒102内)に風が発生し、上記吸気口120、噴風室140、噴風孔104A、脱水室108、排出孔106A及び外郭筒102内の順で風が送風される。これにより、脱水室108内を上昇される原料米に付着した洗米水が脱水される。また、上述の如く遮風板122によって脱水内筒104内(噴風室140)の下側へ空気が到達することが阻害されるため、脱水室108の下側への送風量は少なくされる一方、脱水室108の上側への送風量は多くされる。これは、脱水室108の下側に位置する原料米に付着している洗米水は多いため、脱水室108の下側への送風量が少なくても多くの洗米水を脱水できる一方、脱水室108の上側に位置する原料米に付着している洗米水は比較的少ないため、脱水室108の上側への送風量を多くすることで良好に原料米を脱水できることによる。
【0037】
脱水外筒106の上端の外周全体には移送板158が設けられており、脱水処理が終了して脱水室108の上端から排出された原料米が遠心力により移送板158上に搬送される。移送板158は外郭筒102の上方に配置されており、脱水外筒106が回転されて移送板158が一体に回転されることで、移送板158上の原料米が遠心力を受けて、この原料米が移送板158の外周から落下する。移送板158の外周は外郭筒102の周壁の直上に位置しており、このため、移送板158の外周から落下する原料米は、外郭筒102の外側を通過する。
【0038】
外郭筒102の下端には下面板102Aが形成されており、下面板102Aは上記取付台20に取付部材160を介して固定されている。下面板102Aには搬送管162が連結されており、脱水室108で原料米を脱水して得られる脱水液が排出孔106A及び外郭筒102内を介して搬送管162内を落下する。搬送管162はポンプ164に接続されると共に、ポンプ164には上記チューブ86を介して給水管84が接続されており、搬送管162からの脱水液(準清水)はポンプ164によってチューブ86及び給水管84内を搬送されて洗米室74の下部へ注がれる。
【0039】
外郭筒102の外周にはプーリ166が回転自在に支持されており、このプーリ166は、搬送モータ168の駆動軸に固定されたプーリ170にベルト172を介して連結されている。プーリ166の上面には円環状の搬送板174が固定されており、搬送板174は、上記移送板158の下方に配置されて外郭筒102の外周を取り囲むと共に、常にプーリ166と一体に回転する。このため、搬送モータ168が駆動されることで、プーリ166と一体に搬送板174が回転され、後述の如く脱水処理が終了して移送板158から搬送板174上に落下した原料米が、遠心力を受けて搬送板174の外方向へ移動する。
【0040】
搬送板174に対応して装置本体18の上壁下面には、円筒状の係止筒176の上端が固定されており、係止筒176の周壁は搬送板174の外周近傍の直上に位置すると共に、係止筒176の周壁下端と搬送板174との隙間は原料米が通過しない程度以下の大きさとされている。このため、この係止筒176の周壁によって、移送板158からの原料米が全て搬送板174上に落下されると共に、搬送板174上の原料米が搬送板174から落下することが防止される。また、係止筒176の乾燥部16側における周壁には、シュート178が形成されており、シュート178は対向する一対の側壁178A(図7参照)を有している。さらに、一方の側壁178A(搬送板174回転方向側の側壁178A)と外郭筒102との間には、曲面を有する堰板180(図7参照)が架け渡されており、堰板180の下端と搬送板174との隙間は原料米が通過しない程度以下の大きさとされている。これにより、搬送板174上の原料米の回転が堰板180に阻止されることで、この原料米が搬送板174から落下してシュート178を介して乾燥部16へ搬送される。
【0041】
図6乃至図8に詳細に示す如く、乾燥部16は、脱水部14に隣接して装置本体18内に配設されている。乾燥部16は乾燥筒200を備えており、乾燥筒200は上記取付台20上に立設されている。乾燥筒200の内周面には複数の受けロール202が固定されており、複数の受けロール202上には受止部材としての円盤状の乾燥円盤204が載置されている。これにより、乾燥円盤204は乾燥筒200内で受止面としての上面が水平な状態とされて回転可能に支持されている。乾燥筒200の上端は開口されると共に、乾燥筒200内の乾燥円盤204より上側は乾燥室206とされており、脱水処理が終了した原料米がシュート178から落下し、乾燥筒200の上端開口を介して乾燥円盤204上の脱水部14側に供給される。
【0042】
乾燥筒200の上端には長尺板状のブラケット214が架け渡されると共に、ブラケット214には上面を有する略円筒状のカバー210が該上面において吊設され、さらに、カバー210と乾燥筒200との間の反脱水部14側にはブラケット212が架け渡されており、これにより、カバー210が乾燥室206の中心に設置されている。
【0043】
乾燥円盤204の中心には乾燥モータ208の駆動軸が固定されており、乾燥モータ208が駆動されることで、乾燥円盤204が上面に平行な所定方向Aへ回転される。乾燥筒200の内周面には、乾燥円盤204上への原料米供給位置の所定方向A側近傍において、平面視V字状の支持部材228の両端が固定されており、支持部材228の反所定方向A側の部位には、複数の取付ねじ孔230が水平方向へ沿って形成されている。支持部材228には円筒状の調整筒232が所定数(本実施の形態では3つ)取り付けられており、各調整筒232は、所定の取付ねじ孔230に挿通された取付ねじ234が螺合されることで支持部材228に固定されている。各調整筒232の周壁には固定ねじ236が貫通されると共に、各調整筒232内には円柱状の調整板柄238が嵌入されており、固定ねじ236を締め付けて固定ねじ236の先端が調整板柄238を押圧することで、調整板柄238が調整筒232に固定されている。各調整板柄238の下端には、調整部材としての矩形板状の調整板240が一体に設けられており、これにより、所定数(本実施の形態では3つ)の調整板240が乾燥円盤204上面の上方に配置されている。したがって、乾燥円盤204が所定方向Aへ回転されることで、乾燥円盤204上の原料米が所定数の調整板240の反所定方向A側側面及び下端に当接して均平(粗均平)される(図9参照)。
【0044】
また、固定ねじ236を緩めて調整板柄238の調整筒232への固定を解除することで、調整板240の乾燥円盤204上面に対する上下方向の相対位置及び調整板240の反所定方向A側側面の所定方向Aに対する傾斜角度を調整可能とされている。さらに、調整筒232を支持部材228に固定するために取付ねじ234を挿通させる取付ねじ孔230を変更することで、調整板240の乾燥円盤204上面に対する水平方向の相対位置を調整可能とされている。なお、本実施の形態では、所定数の調整板240が水平方向へ等間隔に配置されると共に、各調整板240の反所定方向A側側面の所定方向Aに対する傾斜角度が全て同一とされて、各調整板240間の乾燥円盤204径方向においる隙間がほとんどなくされている。これにより、所定数の調整板240がほぼ乾燥筒200とカバー210との間に亘って配置されて、所定数の調整板240によって乾燥円盤204上の原料米を略全面に亘って均平できる構成とされている。
【0045】
支持部材228の所定方向A側の部位には、規制部材としての矩形板状の規制板242の上部が固定されており、これにより、規制板242が乾燥円盤204上面の上方に配置されている。したがって、乾燥円盤204が所定方向Aへ回転されることで、所定数の調整板240によって均平(粗均平)された後の乾燥円盤204上の原料米が規制板242の反所定方向A側側面及び下端に当接して均平(仕上均平)される(図9参照)。また、規制板242はゴム製(例えばウレタンゴム製)とされて弾性を有しており、これにより、規制板242は、乾燥円盤204上の原料米を均平する際に弾性変形可能とされている。なお、本実施の形態では、規制板242の下端は所定数の調整板240の下端と略同一の高さとされている。また、規制板242がほぼ乾燥筒200とカバー210との間に亘って配置されていることから、規制板242によって乾燥円盤204上の原料米を略全面に亘って均平できる構成とされている。
【0046】
乾燥筒200の上方における装置本体18上壁にはヒータ216が設けられており、ヒータ216は空気を加熱する。さらに、乾燥円盤204には多数の通風孔204Aが形成されており、乾燥筒200内の乾燥円盤204より下側は排気室218とされている。乾燥筒200の下端は開口されると共に、上記取付台20には乾燥筒200の下方において排気口220が形成されており、排気口220の下側には排気管222が排気口220を被う状態で連結されている。排気管222は装置本体18外部に設けられたブロワ(図示省略)に連結されており、このブロワによって空気が吸気される。このため、ヒータ216によって加熱された空気が温風となって乾燥筒200の上端開口を介して乾燥円盤204上の原料米に均等に送風され、さらに、原料米を通過した温風が通風孔204A、排気室218、排気口220及び排気管222を介して装置本体18の外部に排気される。これにより、乾燥円盤204上の原料米が乾燥される。
【0047】
乾燥筒200とカバー210との間には、曲面を有する堰板224が架け渡されており、堰板224の下端と搬送板174との隙間は原料米が通過しない程度以下の大きさとされている。堰板224に対応して乾燥筒200には排出樋226が設けられており、排出樋226は、乾燥筒200内と装置本体18の外部とを連通している。これにより、上記シュート178を介して乾燥円盤204上に落下した原料米が乾燥円盤204によって略一回転された際に、原料米の回転が堰板224に阻止されて原料米が乾燥円盤204の外方向へ移動されることで、乾燥処理が終了した原料米(無洗化処理後の処理米)が、乾燥筒200内から排出樋226を介して装置本体18の外部に排出される構成である。
【0048】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0049】
以上の構成の無洗化処理装置10では、洗米モータ38により回転軸40を所定の回転速度(例えば700rpm)で回転させた状態で供給モータ56によりスクリューフィーダ54を駆動してホッパ58内の原料米を洗米筒52の下部に供給すると、原料米は揚穀螺旋68によって揚穀室70内を下から上へ搬送され、洗米室74に供給される。洗米室74では、原料米は、揚穀螺旋68の搬送力によって下から上へ搬送されると共に自重により加圧される。
【0050】
給水タンク(図示省略)により注水口76Aから適量の洗米水(清純水)を洗米室74内に注ぐと、回転する洗米ロール72によって洗米室74内の原料米が洗米水と共に攪拌され、洗米処理が行われる。また、脱水部14からの脱水液(準清水)を給水管84から洗米室74の下部へ注ぐため、給水タンクから供給される洗米水の量が少なくされる。
【0051】
洗米処理された原料米は、回転する掻き出し板72Bにより排出口52Cを介して排出管92の下端から排出され、脱水部14の米受管118を介して脱水内筒104の下端に到達する。また、洗米処理されて汚れた洗米水(洗米汁)は、排水室90の下端及び洗米筒52の下端から排水され、脱水部14の水受管116及び排水管128を介して装置本体18外へ排水される。
【0052】
脱水部14では、脱水モータ134により遠心脱水筒100が所定の速度で回転している。すなわち、脱水内筒104が所定の速度(例えば1200rpm)で回転すると共に、脱水外筒106は脱水内筒104より若干遅い所定の速度(例えば1000rpm)で回転している。同時に、脱水外筒106の回転により起風翼156が回転することで吸気口120から吸気が行われ、この空気が脱水内筒104の噴風室140、噴風孔104A、脱水室108、脱水外筒106の排出孔106Aを経て外郭筒102内に至る。
【0053】
脱水内筒104の下端に到達した原料米は、遠心力により移送口142を介して脱水室108の下部に供給される。脱水室108に供給された原料米は、脱水スクリュー144により上昇されながら遠心脱水され、脱水液は脱水外筒106の排出孔106Aから排出される。この際、原料米に付着した洗米水は、脱水室108内を上昇する途中で全て遠心脱水される。また、上述の如く吸気口120から吸気された空気が脱水室108に噴射されることで、遠心脱水作用が補助されている。脱水処理された原料米は、その表面にごく僅かに水が付着した状態で、遠心力と自然落下により脱水室108の上部から移送板158、搬送板174及びシュート178を介して排出され、乾燥部16の乾燥円盤204上に供給される。
【0054】
乾燥部16では、乾燥モータ208によって乾燥円盤204が所定の速度(例えば7rpm)で所定方向Aへ回転されており、乾燥円盤204上に供給された原料米は、所定数の調整板240によって均平(粗均平)された後に規制板242によって均平(仕上均平)される。乾燥円盤204上で均平された原料米は、ヒータ216から乾燥室206、乾燥円盤204の通風孔204A、排気室218、排気口220及び排気管222を経て装置本体18外へ流れる温風を浴びることで、表面付着水が完全に除去されて乾燥されることにより、処理米となる。処理米となった原料米は、排出樋226から排出されて、原料米の無洗化処理が終了する。
【0055】
ここで、乾燥円盤204上に供給される原料米の供給量及び状態(水の付着量等の状態)等に対応して調整板240の上面に対する上下方向及び水平方向の相対位置及び調整板240の反所定方向A側側面の所定方向Aに対する傾斜角度を調整することで、乾燥円盤204上に供給される原料米の供給量及び状態等に拘らず、原料米を良好に均平することができる。
【0056】
このため、乾燥円盤204上に供給された原料米を良好に均平できて層厚が一定となり、これにより、原料米の乾燥ムラ及び乾燥効率の悪化を防止して、水分変動等の少ない均質な処理米を得ることができる。
【0057】
さらに、規制板242は弾性を有するため、規制板242は乾燥円盤204上の原料米を弾性変形しつつ均平することができる。このため、乾燥円盤204上に供給される原料米の供給量及び状態等の他無洗化処理装置10作動中における乾燥円盤204上への原料米の供給量変化等にも拘らず、原料米を一層良好に均平することができる。
【0058】
したがって、乾燥円盤204上に供給された原料米を一層良好に均平できて一層層厚が一定となり、これにより、一層水分変動等の少ない均質な処理米を得ることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、竪型かつ直列型の洗米部12を備えた構成としたが、竪型の洗米部を備えた構成に限定されるものでなく、洗米筒が横設された横型の洗米部や洗米筒が傾斜された傾斜型の洗米部を備えた構成としてもよい。かつ、直列型の洗米部を備えた構成に限定されるものでなく、複数の洗米筒が並べられた並列型の洗米部を備えた構成としてもよい。
【0060】
さらに、本実施の形態では、脱水内筒104及び脱水外筒106を回転させることで、脱水室108に供給された原料米が脱水内筒104の脱水スクリュー144により上昇されながら遠心脱水される構成としたが、これに限らず、脱水室に供給された原料米が遠心力や回転する脱水スクリュー等により上昇または下降されながら遠心脱水される構成であればよい。
【0061】
また、本実施の形態では、調整板240(調整部材)及び規制板242(規制部材)が固定された状態で乾燥円盤204(受止部材)が回転(移動)されることにより乾燥円盤204上の原料米(穀物)を調整板240や規制板242によって均平する構成としたが、受止部材が固定された状態で調整部材や規制部材が移動されることにより受止部材上の穀物を調整部材や規制部材によって均平する構成としてもよい。
【0062】
さらにまた、本実施の形態では、本発明の均平装置が無洗化処理装置10の乾燥部16に適用されて米(原料米)を均平する構成としたが、本発明の均平装置が米以外の穀物を処理する装置に適用されて米以外の穀物を均平する構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】
請求項1に記載の均平装置では、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態等に対応して調整部材の受止面に対する上下方向及び水平方向の相対位置及び調整部材の反所定方向側側面の所定方向に対する傾斜角度を調整することで、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態等に拘らず、穀物を良好に均平することができる。
【0064】
請求項2に記載の均平装置では、規制部材が弾性を有するため、規制部材は受止面上の穀物を弾性変形しつつ均平することができる。このため、受止面上に供給される穀物の種類、供給量及び状態等の他均平装置作動中における受止面上への穀物の供給量変化等にも拘らず、穀物を一層良好に均平することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無洗化処理装置を示す縦断正面図である。
【図2】無洗化処理装置を示す一部破断した平面図である。
【図3】洗米部を詳細に示す縦断正面図である。
【図4】脱水部を詳細に示す縦断正面図である。
【図5】洗米部及び脱水部を詳細に示す一部破断した平面図である。
【図6】乾燥部を詳細に示す縦断正面図である。
【図7】乾燥部を詳細に示す一部破断した平面図である。
【図8】乾燥部における原料米の均平構造を詳細に示す平面図である。
【図9】乾燥部における原料米の均平構造を詳細に示す側面図である。
【符号の説明】
10 無洗化処理装置
12 洗米部
14 脱水部
16 乾燥部
204 乾燥円盤(受止部材)
240 調整板(調整部材)
242 規制板(規制部材)
Claims (2)
- 水平にされた受止面を有し、前記受止面上に穀物が供給される受止部材と、
前記受止部材が前記受止面に平行な所定方向へ相対移動可能とされた状態で前記受止面の上方に配置されると共に、前記受止面に対する上下方向及び水平方向の相対位置及び反所定方向側側面の所定方向に対する傾斜角度を調整可能とされ、前記受止部材が所定方向へ相対移動されることで前記受止面上の穀物を均平する調整部材と、
を備えた均平装置。 - 弾性を有し、かつ、前記受止部材が所定方向へ相対移動可能とされた状態で前記受止面の上方であって前記調整部材の所定方向側に配置され、前記受止部材が所定方向へ相対移動されることで前記受止面上の穀物を均平する規制部材を備えた、
ことを特徴とする請求項1記載の均平装置。
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