JP3567622B2 - 乗用型田植機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型田植機に関するもので、詳しくは、その走行操作機構に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来の乗用型田植機では、路上走行速度を高・低2段変速するチェンジレバ−で田植装置側の動力を断・続させるクラッチ操作を併用して、路上走行高速時に誤って田植装置側の動力伝達が行われないよう配慮したものは周知であった。しかし、このチェンジレバ−で田植作業中は後輪デフロックが働き、路上走行中は自動的に後輪デフロックが解除される技術手段は見られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、路上走行時から圃場に入って植付作業をする場合には、必ず後輪デフロックを掛けて後輪側の左右回転が同じ回転数になるようにしないと植付走行時に蛇行が激しく条間が一定にならない欠点が生じる。然るに、この後輪デフロックを解除した路上走行時のままで圃場に入りそのまま作業を始めることがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、乗用型牽引車1の後部に田植装置23を昇降リンク機構19を介して装着した乗用型田植機において、この乗用牽引車1には左右後輪伝動間に後輪デファレンシャル機構Bを構成し、この後輪デファレンシャル機構Bを固定する後輪デフロック機構Cを有し、走行車輪側への動力伝達系路中に路上走行速を高速及び低速に切切換え可能な変速切換機構を構成すると共に、その高速側から低速側に切り換える途中の中立位置を有し、この変速切換機構の切換操作を単一の変速操作レバ−43で切換えるよう構成し、この変速操作レバ−43で路上走行の高速シフト位置から低速シフト位置に路上走行速を切り換える場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが解除状態を維持し、低速シフト位置を継続した状態で前記田植装置側への動力伝達系を伝動するよう前記変速操作レバ−43を位置変更操作する場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが働くよう変速操作レバ−43と後輪デフロック機構Cとを連繋してなる乗用型田植機とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用牽引車である。この車体2の前部にフロントミッションケ−ス3を、後部に前後方向に向かう軸心回りに左右側が上下に回動するロ−リング枠4を介して左右両側に後輪伝動ケ−ス5a,5bを設け、車体2の前後中間部にエンジン6を搭載している。
【0006】
7a,7bは左右の前輪で、前記フロントミッションケ−ス3から伝動軸を内装して左右両側へ突出した筒型ケ−ス8の端側に縦型の操舵用伝動ケ−ス9を介して前輪駆動軸10が外方へ突出され、この駆動軸10に該前輪7が取り付けられている。
11a,11bは左右の後輪で、前記後輪伝動ケ−ス5a,5bに駆動軸12を突出させて取り付けられている。
【0007】
13は搭乗枠で、前記フロントミッションケ−ス3の前方部から車体2の前後中間位置までの上部を覆うようにしてミッションケ−ス3と車体2とに取付けられており、前記エンジン6の上部は膨出させて該エンッジン6をカバ−し、前記後輪11の上方部においては該車輪を覆うように泥避けカバ−に構成されている。 14は操縦枠で、前記搭乗枠13の前部左右中央部に突出され、その上面に計器取付けパネル15ご設けられている。16は操縦ハンドルで、前記操縦枠14の上側にステアリング軸を突出ならしめて取り付けられている。
【0008】
17は操縦座席で、前記エンジン上部の膨出カバ−の上側に設けられている。18は作業機を昇降可能に取り付けるリンクの基部側を取り付ける支柱で、車体2の後部に立設している。
19はリンク機構で、上下のリンクア−ム20a,20bの基部側が前記支柱18に枢着されており、後端部側が縦リンク杆21で枢結されて平行リンク機構が構成されている。
【0009】
22は油圧装置で、油圧シリンダ−22aの基部側が前記車体2に枢着され、油圧ピストン22bの先端側が前記下リンクア−ム20bに連結されていて、この油圧装置22の作動によりリンク機構19が上下に作動されるよう構成されている。
23は田植装置で、植付伝動ケ−ス24の上部側に前側が上位に傾斜した苗載置台25を左右往復移動するよう搭載し、植付伝動ケ−ス24から後方側へ左右側に所定の間隔で分岐させて延ばした植付具伝動ケ−ス26を複数箇設け、この植付具伝動ケ−ス26の後端側の側部に回転ケ−ス27設け、この回転ケ−ス27に2基の苗植付具28を設けている。そして、この苗植付具28に取り付けた分割爪29が前記苗載置台25から苗を1株分づつ分割保持して植付軌跡(イ)を描き、下部の圃場面に苗を植付けるよう構成している。
【0010】
30,31は整地フロ−トを示す。
このように構成された田植装置23の左右中央部前部を前記リンク機構19の縦リンク杆21にロ−リング軸32を介して取り付けている。
この乗用型田植装置の動力伝動構成について説明すると、エンジン6の出力軸から油圧ポンプ33の入力軸をベルト伝動し、この油圧ポンプ33の入力軸からフロントミッションケ−ス3の入力軸34へ無段変速機構Aを介して動力を伝達構成している。実施例の無段変速機構Aはミッションケ−ス3の入力軸側に設けられた割プ−リ35にベルトを巻掛け、このベルトをテンションプ−リ36で可変テンション圧を掛けることにより割プ−リ35の巻掛ピッチサ−クルを変更して変速可能にしている。
【0011】
37,38,39,40は各々第1、第2、第3、第4カウンタ−軸で、前記入力軸34に平行にミッションケ−ス3内に回転自在に軸受けされており、軸34と軸37との間には一組みのスパ−ギヤ41,42が噛み合わされて軸37が減速回転されるよう構成され、この第1カウンタ−軸37には軸と一体的に回転されながら軸方向に変速レバ−43で移動操作可能なギヤ−44a,44bが一体状に連なった変速用ギヤ−44が設けられている。第2カウンタ−軸38には前記変速用ギヤ−44a,44bと選択して噛み合うギヤ−45a,45bが一体的に取り付けられ、該第2カウンタ−軸38が変速回転されるように構成されている。また、変速ギヤ−44aとギヤ−45aとが噛み合う第2カウンタ−軸38を低速回転する場合には、該変速ギヤ−44aが作業機側としての田植装置側への動力を伝達する作業部駆動用入力軸46に取り付けたギヤ−47とも同時に噛み合うようになっている。第3カウンタ−軸39には、前記ギヤ−45aと常時噛み合うギヤ−48及び前記変速ギヤ−44aと噛み合いできるバック走行用ギヤ−49及び第4カウンタ−軸40に設けられた後輪デファレンシャル伝動機構Bの入力用キングギヤ−50と常時噛み合うギヤ−51が設けられている。そして、該第4カウンタ−軸40は左右両側に突出する軸40a,40bに後輪デファレンシャル機構Bを介して格別に動力が伝達され、左右側の軸40a,40bに加わる負荷に応じて動力が差動伝達されるようになっている。そして、この後輪デファレンシャル機構Bには後輪デフロック機構Cが設けられ、前記差動伝達を解除して左右側の軸40a,40bが一体的に駆動されるようになっている。そして、該後輪デフロック機構Cのロック作動体52は電磁ソレノイドSOL1でロック状態、ロック解除状態に作動されるよう構成されている。
【0012】
前記後輪デファレンシャル機構Bのキングギヤ−50が取り付けられている枠部材にギヤ−53を取付け、このギヤ−53と前輪デファレンシャル機構Dのキングギヤ−54とを噛み合わせて該前輪デファレンシャル機構Dから左右両側に突出する前輪駆動軸55a,55bを伝動駆動するよう構成している。
前記軸40a,40bの各外端部に一組みの噛み合いベベルギヤ−56,57を設けて出力軸58a,58bを伝動し、この出力軸58a,58bからサイドクラッチ・ブレ−キ59a,59bを介して前記後輪伝動ケ−ス5a,5b内の伝動装置を作動して、左右の後輪11a,11bを駆動するよう構成している。
【0013】
前記作業部駆動用入力軸46からは、植付第1カウンタ−軸60へ変速機構Eを介して高・低2速に動力が伝達され、更に、この植付第1カウンタ−軸60から植付第2カウンタ−軸61に株間選択用の変速機構Fを介して動力が伝達されるよう構成されている。62は変速機構Eの切換レバ−、63は変速機構Fの切換レバ−を示す。
【0014】
第2カウンタ−軸61から作業機側である田植装置23側への伝動は、一組みのベベルギヤ−64,65を介してPTO軸66を駆動し、田植装置23側の植付伝動ケ−ス24の前側に突出した入力軸67に連繋された軸68と前記PTO軸66との間に動力伝達を断、続するクラッチ機構69を設け、このクラッチ機構69が電磁ソレノイドSOL2の励磁で「断切」でき、植付部への伝動が絶たれるよう構成されている。
【0015】
上例の伝動機構において、前記変速レバ−43は、レバ−ガイド70に前後方向に向かうレバ−ガイド溝(ロ)を穿設してガイドされるように操作構成され、このガイド溝の前後中間部はクランク状に屈折されている。そして、該レバ−43を前方端側に操作したときはギヤ−44bとギヤ−45bとが噛み合って、ギヤ−44aとギヤ−45a及びギヤ−47との噛み合いが外れ、作業機側への動力伝達が解除されて走行部側だけが高速伝動される。即ち、路上走行速度の高速になる。このとき、後輪側のデファレンシャル機構Bのデフロック機構CはソレノイドSOL1が励磁されないで解除された状態を保持することになる。
【0016】
次ぎに、変速レバ−43をレバ−ガイド溝(ロ)の屈折部位置にまで操作するとき、その中間部ではニュトラルゾ−ン(中立位置)になって、動力が走行部側及び作業機側の両方に伝わらず、単に後方へ操作した屈折位置aにおいて、ギヤ−44aとギヤ−45aとが噛み合い、更に、ギヤ−44aとギヤ−47とが噛み合うことになる。したがって、走行部側の伝動が低速になり、且つ、作業機側への動力伝達が行われる状態になる。然るに、この状態では、ソレノイドSOL1及びソレノイドSOL2の両方共に励磁されず、後輪デフロック機構Cは解除されたままで、且つ、作業機側を駆動するPTO軸66の部分に設けたクラッチ機構69は外れた状態を維持する。したがって、単に変速レバ−43を後方へ操作したa位置状態のときは、路上走行速度の低速になる。
【0017】
次ぎに、変速レバ−43をガイド溝(ロ)の屈折位置で横方向端位置bへ操作すると、スイッチSW1のスイッチ作動板を介してスイッチSW1がオンし、第6図の回路によりソレノイドSOL1及びソレノイドSOL2が共に励磁されて後輪デフロック機構Cが働き、更に、クラッチ機構69が接続される。したがって、圃場内における田植作業状態になる。即ち、圃場内で、低速走行状態、デフロック状態、植付装置側駆動状態になる。
【0018】
次ぎに、変速レバ−43を更に後方側へ操作するとき、その後端に至る途中部では、ギヤ−44aとギヤ−45aとが先に外れ、一時ギヤ−44aとギヤ−47とが噛み合った状態になる。そして、この状態時においてスイッチSW1がオン状態に保たれている。即ち、変速レバ−43の後方操作中間部では、走行停止状態で、作業機側の伝動が保持されることになる。
【0019】
次ぎに、変速レバ−43を最終の後端側に操作すると、ギヤ−44aがギヤ−49と噛み合ってバック速度になり、牽引車1がバックする。
以上のように、単一の変速レバ−により、路上走行の高速状態、中立状態、低速の路上走行状態、苗植付け作業状態の低速走行、走行停止状態での植付部駆動及び低速バックの切換えができ、しかも、後輪駆動のデファレンシャル機構Bが路上走行の高速及び低速時の何れの場合にもデフロック解除状態になり、苗植付速度の低速時においてはデフロックが働いて車体が蛇行せずに直進走行して植付苗列が真っ直ぐになるよう操作しやすくなる。また、バックも該単一変速レバ−で行える。
【0020】
田植装置や管理装置などを乗用牽引車の後部に昇降リンク機構を介して装着し、この乗用牽引車1が、左右後輪11a,11bを天秤作動するロ−リング枠4を介して取り付けた構造のものにおいて、該ロ−リング枠4が一定以上の傾斜角度になるとき、牽引車1が横倒れになる危険性がある。したがって、このような状態を検出するとき操縦者に警報を発することが要求される。この警報手段の一例として第7図〜第9図を開示する。この実施例は、ロ−リング枠4が背面から見て、一定以上に左上がり傾きになるときの検出スイッチSW2と逆に右上がり傾きになるときの検出スイッチSW3と、更にリンク機構19が一定以上作業機を上昇させたことを検出するスイッチSW4とから第9図の回路で警報ランプ71、ブザ−72を点灯及び警報音を発するよう構成している。
【0021】
即ち、田植装置や管理装置を圃場面に接地あるいは地面に接近させているときは牽引車1が横倒になることがないため、警報は不要であるが、これらの装置を上昇して旋回したり、路上走行時には危険であるから上記の警報を発するように構成している。
第10図及び第11図のように乗用牽引車1の前側に取り付けるバランスウエイトを兼ねたバンパ−を油圧タンク73にすればオイル冷却効果もあり便利である。第11図の配管回路を説明すると、サクションフイルタ74が前記タンク73内に設けられて、このフイルタ74で濾過されてオイルがポンプ33に送り込まれ、該ポンプ33から油圧切換弁75を介して油圧装置22が作動される。一方、該ポンプ33からパワ−ステアリング機構76にオイルが送られる。また、無断変速機構Aの別例である流体動力変速機(HST)77のオイルが油圧タンク73から送りこまれる構成になっている。これらのポンプ33、パワ−ステアリング機構76及びHST77が乗用車体1の前側付近に集まった形態になるから、油圧タンク73をバンパ−兼用にすると配管長さが短くできて極めて便利になる。78はラインフイルタを示す。
【0022】
【発明の作用効果】
この発明によれば、単一の変速操作レバ−の操作によってデフロックが働かない路上走行の高速状態と低速状態とが得られると共に、低速の田植作業側を選択操作するときにはデフロックが働いた状態に切り替わり、更に、ニュウ−トラルゾ−ン及び田植装置側を駆動状態の走行停止状態を選択することができ、これらの操作を単一変速操作レバ−で簡単に操作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】平面図
【図3】要部の平面図
【図4】伝動機構図
【図5】要部の平面図
【図6】電気回路図
【図7】別例の要部背面図
【図8】要部の側面図
【図9】電気回路図
【図10】別例の要部側面図
【図11】要部の油圧回路面
【符号の説明】
1 乗用牽引車
15 昇降リンク機構
23 田植装置
43 変速操作レバ−
A 無段変速機構
B 後輪デファレンシャル機構
C 後輪デフロック機構
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型田植機に関するもので、詳しくは、その走行操作機構に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来の乗用型田植機では、路上走行速度を高・低2段変速するチェンジレバ−で田植装置側の動力を断・続させるクラッチ操作を併用して、路上走行高速時に誤って田植装置側の動力伝達が行われないよう配慮したものは周知であった。しかし、このチェンジレバ−で田植作業中は後輪デフロックが働き、路上走行中は自動的に後輪デフロックが解除される技術手段は見られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、路上走行時から圃場に入って植付作業をする場合には、必ず後輪デフロックを掛けて後輪側の左右回転が同じ回転数になるようにしないと植付走行時に蛇行が激しく条間が一定にならない欠点が生じる。然るに、この後輪デフロックを解除した路上走行時のままで圃場に入りそのまま作業を始めることがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。
即ち、乗用型牽引車1の後部に田植装置23を昇降リンク機構19を介して装着した乗用型田植機において、この乗用牽引車1には左右後輪伝動間に後輪デファレンシャル機構Bを構成し、この後輪デファレンシャル機構Bを固定する後輪デフロック機構Cを有し、走行車輪側への動力伝達系路中に路上走行速を高速及び低速に切切換え可能な変速切換機構を構成すると共に、その高速側から低速側に切り換える途中の中立位置を有し、この変速切換機構の切換操作を単一の変速操作レバ−43で切換えるよう構成し、この変速操作レバ−43で路上走行の高速シフト位置から低速シフト位置に路上走行速を切り換える場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが解除状態を維持し、低速シフト位置を継続した状態で前記田植装置側への動力伝達系を伝動するよう前記変速操作レバ−43を位置変更操作する場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが働くよう変速操作レバ−43と後輪デフロック機構Cとを連繋してなる乗用型田植機とした。
【0005】
【実施例】
この発明の一例を図面に基づき詳細に説明する。
1は乗用牽引車である。この車体2の前部にフロントミッションケ−ス3を、後部に前後方向に向かう軸心回りに左右側が上下に回動するロ−リング枠4を介して左右両側に後輪伝動ケ−ス5a,5bを設け、車体2の前後中間部にエンジン6を搭載している。
【0006】
7a,7bは左右の前輪で、前記フロントミッションケ−ス3から伝動軸を内装して左右両側へ突出した筒型ケ−ス8の端側に縦型の操舵用伝動ケ−ス9を介して前輪駆動軸10が外方へ突出され、この駆動軸10に該前輪7が取り付けられている。
11a,11bは左右の後輪で、前記後輪伝動ケ−ス5a,5bに駆動軸12を突出させて取り付けられている。
【0007】
13は搭乗枠で、前記フロントミッションケ−ス3の前方部から車体2の前後中間位置までの上部を覆うようにしてミッションケ−ス3と車体2とに取付けられており、前記エンジン6の上部は膨出させて該エンッジン6をカバ−し、前記後輪11の上方部においては該車輪を覆うように泥避けカバ−に構成されている。 14は操縦枠で、前記搭乗枠13の前部左右中央部に突出され、その上面に計器取付けパネル15ご設けられている。16は操縦ハンドルで、前記操縦枠14の上側にステアリング軸を突出ならしめて取り付けられている。
【0008】
17は操縦座席で、前記エンジン上部の膨出カバ−の上側に設けられている。18は作業機を昇降可能に取り付けるリンクの基部側を取り付ける支柱で、車体2の後部に立設している。
19はリンク機構で、上下のリンクア−ム20a,20bの基部側が前記支柱18に枢着されており、後端部側が縦リンク杆21で枢結されて平行リンク機構が構成されている。
【0009】
22は油圧装置で、油圧シリンダ−22aの基部側が前記車体2に枢着され、油圧ピストン22bの先端側が前記下リンクア−ム20bに連結されていて、この油圧装置22の作動によりリンク機構19が上下に作動されるよう構成されている。
23は田植装置で、植付伝動ケ−ス24の上部側に前側が上位に傾斜した苗載置台25を左右往復移動するよう搭載し、植付伝動ケ−ス24から後方側へ左右側に所定の間隔で分岐させて延ばした植付具伝動ケ−ス26を複数箇設け、この植付具伝動ケ−ス26の後端側の側部に回転ケ−ス27設け、この回転ケ−ス27に2基の苗植付具28を設けている。そして、この苗植付具28に取り付けた分割爪29が前記苗載置台25から苗を1株分づつ分割保持して植付軌跡(イ)を描き、下部の圃場面に苗を植付けるよう構成している。
【0010】
30,31は整地フロ−トを示す。
このように構成された田植装置23の左右中央部前部を前記リンク機構19の縦リンク杆21にロ−リング軸32を介して取り付けている。
この乗用型田植装置の動力伝動構成について説明すると、エンジン6の出力軸から油圧ポンプ33の入力軸をベルト伝動し、この油圧ポンプ33の入力軸からフロントミッションケ−ス3の入力軸34へ無段変速機構Aを介して動力を伝達構成している。実施例の無段変速機構Aはミッションケ−ス3の入力軸側に設けられた割プ−リ35にベルトを巻掛け、このベルトをテンションプ−リ36で可変テンション圧を掛けることにより割プ−リ35の巻掛ピッチサ−クルを変更して変速可能にしている。
【0011】
37,38,39,40は各々第1、第2、第3、第4カウンタ−軸で、前記入力軸34に平行にミッションケ−ス3内に回転自在に軸受けされており、軸34と軸37との間には一組みのスパ−ギヤ41,42が噛み合わされて軸37が減速回転されるよう構成され、この第1カウンタ−軸37には軸と一体的に回転されながら軸方向に変速レバ−43で移動操作可能なギヤ−44a,44bが一体状に連なった変速用ギヤ−44が設けられている。第2カウンタ−軸38には前記変速用ギヤ−44a,44bと選択して噛み合うギヤ−45a,45bが一体的に取り付けられ、該第2カウンタ−軸38が変速回転されるように構成されている。また、変速ギヤ−44aとギヤ−45aとが噛み合う第2カウンタ−軸38を低速回転する場合には、該変速ギヤ−44aが作業機側としての田植装置側への動力を伝達する作業部駆動用入力軸46に取り付けたギヤ−47とも同時に噛み合うようになっている。第3カウンタ−軸39には、前記ギヤ−45aと常時噛み合うギヤ−48及び前記変速ギヤ−44aと噛み合いできるバック走行用ギヤ−49及び第4カウンタ−軸40に設けられた後輪デファレンシャル伝動機構Bの入力用キングギヤ−50と常時噛み合うギヤ−51が設けられている。そして、該第4カウンタ−軸40は左右両側に突出する軸40a,40bに後輪デファレンシャル機構Bを介して格別に動力が伝達され、左右側の軸40a,40bに加わる負荷に応じて動力が差動伝達されるようになっている。そして、この後輪デファレンシャル機構Bには後輪デフロック機構Cが設けられ、前記差動伝達を解除して左右側の軸40a,40bが一体的に駆動されるようになっている。そして、該後輪デフロック機構Cのロック作動体52は電磁ソレノイドSOL1でロック状態、ロック解除状態に作動されるよう構成されている。
【0012】
前記後輪デファレンシャル機構Bのキングギヤ−50が取り付けられている枠部材にギヤ−53を取付け、このギヤ−53と前輪デファレンシャル機構Dのキングギヤ−54とを噛み合わせて該前輪デファレンシャル機構Dから左右両側に突出する前輪駆動軸55a,55bを伝動駆動するよう構成している。
前記軸40a,40bの各外端部に一組みの噛み合いベベルギヤ−56,57を設けて出力軸58a,58bを伝動し、この出力軸58a,58bからサイドクラッチ・ブレ−キ59a,59bを介して前記後輪伝動ケ−ス5a,5b内の伝動装置を作動して、左右の後輪11a,11bを駆動するよう構成している。
【0013】
前記作業部駆動用入力軸46からは、植付第1カウンタ−軸60へ変速機構Eを介して高・低2速に動力が伝達され、更に、この植付第1カウンタ−軸60から植付第2カウンタ−軸61に株間選択用の変速機構Fを介して動力が伝達されるよう構成されている。62は変速機構Eの切換レバ−、63は変速機構Fの切換レバ−を示す。
【0014】
第2カウンタ−軸61から作業機側である田植装置23側への伝動は、一組みのベベルギヤ−64,65を介してPTO軸66を駆動し、田植装置23側の植付伝動ケ−ス24の前側に突出した入力軸67に連繋された軸68と前記PTO軸66との間に動力伝達を断、続するクラッチ機構69を設け、このクラッチ機構69が電磁ソレノイドSOL2の励磁で「断切」でき、植付部への伝動が絶たれるよう構成されている。
【0015】
上例の伝動機構において、前記変速レバ−43は、レバ−ガイド70に前後方向に向かうレバ−ガイド溝(ロ)を穿設してガイドされるように操作構成され、このガイド溝の前後中間部はクランク状に屈折されている。そして、該レバ−43を前方端側に操作したときはギヤ−44bとギヤ−45bとが噛み合って、ギヤ−44aとギヤ−45a及びギヤ−47との噛み合いが外れ、作業機側への動力伝達が解除されて走行部側だけが高速伝動される。即ち、路上走行速度の高速になる。このとき、後輪側のデファレンシャル機構Bのデフロック機構CはソレノイドSOL1が励磁されないで解除された状態を保持することになる。
【0016】
次ぎに、変速レバ−43をレバ−ガイド溝(ロ)の屈折部位置にまで操作するとき、その中間部ではニュトラルゾ−ン(中立位置)になって、動力が走行部側及び作業機側の両方に伝わらず、単に後方へ操作した屈折位置aにおいて、ギヤ−44aとギヤ−45aとが噛み合い、更に、ギヤ−44aとギヤ−47とが噛み合うことになる。したがって、走行部側の伝動が低速になり、且つ、作業機側への動力伝達が行われる状態になる。然るに、この状態では、ソレノイドSOL1及びソレノイドSOL2の両方共に励磁されず、後輪デフロック機構Cは解除されたままで、且つ、作業機側を駆動するPTO軸66の部分に設けたクラッチ機構69は外れた状態を維持する。したがって、単に変速レバ−43を後方へ操作したa位置状態のときは、路上走行速度の低速になる。
【0017】
次ぎに、変速レバ−43をガイド溝(ロ)の屈折位置で横方向端位置bへ操作すると、スイッチSW1のスイッチ作動板を介してスイッチSW1がオンし、第6図の回路によりソレノイドSOL1及びソレノイドSOL2が共に励磁されて後輪デフロック機構Cが働き、更に、クラッチ機構69が接続される。したがって、圃場内における田植作業状態になる。即ち、圃場内で、低速走行状態、デフロック状態、植付装置側駆動状態になる。
【0018】
次ぎに、変速レバ−43を更に後方側へ操作するとき、その後端に至る途中部では、ギヤ−44aとギヤ−45aとが先に外れ、一時ギヤ−44aとギヤ−47とが噛み合った状態になる。そして、この状態時においてスイッチSW1がオン状態に保たれている。即ち、変速レバ−43の後方操作中間部では、走行停止状態で、作業機側の伝動が保持されることになる。
【0019】
次ぎに、変速レバ−43を最終の後端側に操作すると、ギヤ−44aがギヤ−49と噛み合ってバック速度になり、牽引車1がバックする。
以上のように、単一の変速レバ−により、路上走行の高速状態、中立状態、低速の路上走行状態、苗植付け作業状態の低速走行、走行停止状態での植付部駆動及び低速バックの切換えができ、しかも、後輪駆動のデファレンシャル機構Bが路上走行の高速及び低速時の何れの場合にもデフロック解除状態になり、苗植付速度の低速時においてはデフロックが働いて車体が蛇行せずに直進走行して植付苗列が真っ直ぐになるよう操作しやすくなる。また、バックも該単一変速レバ−で行える。
【0020】
田植装置や管理装置などを乗用牽引車の後部に昇降リンク機構を介して装着し、この乗用牽引車1が、左右後輪11a,11bを天秤作動するロ−リング枠4を介して取り付けた構造のものにおいて、該ロ−リング枠4が一定以上の傾斜角度になるとき、牽引車1が横倒れになる危険性がある。したがって、このような状態を検出するとき操縦者に警報を発することが要求される。この警報手段の一例として第7図〜第9図を開示する。この実施例は、ロ−リング枠4が背面から見て、一定以上に左上がり傾きになるときの検出スイッチSW2と逆に右上がり傾きになるときの検出スイッチSW3と、更にリンク機構19が一定以上作業機を上昇させたことを検出するスイッチSW4とから第9図の回路で警報ランプ71、ブザ−72を点灯及び警報音を発するよう構成している。
【0021】
即ち、田植装置や管理装置を圃場面に接地あるいは地面に接近させているときは牽引車1が横倒になることがないため、警報は不要であるが、これらの装置を上昇して旋回したり、路上走行時には危険であるから上記の警報を発するように構成している。
第10図及び第11図のように乗用牽引車1の前側に取り付けるバランスウエイトを兼ねたバンパ−を油圧タンク73にすればオイル冷却効果もあり便利である。第11図の配管回路を説明すると、サクションフイルタ74が前記タンク73内に設けられて、このフイルタ74で濾過されてオイルがポンプ33に送り込まれ、該ポンプ33から油圧切換弁75を介して油圧装置22が作動される。一方、該ポンプ33からパワ−ステアリング機構76にオイルが送られる。また、無断変速機構Aの別例である流体動力変速機(HST)77のオイルが油圧タンク73から送りこまれる構成になっている。これらのポンプ33、パワ−ステアリング機構76及びHST77が乗用車体1の前側付近に集まった形態になるから、油圧タンク73をバンパ−兼用にすると配管長さが短くできて極めて便利になる。78はラインフイルタを示す。
【0022】
【発明の作用効果】
この発明によれば、単一の変速操作レバ−の操作によってデフロックが働かない路上走行の高速状態と低速状態とが得られると共に、低速の田植作業側を選択操作するときにはデフロックが働いた状態に切り替わり、更に、ニュウ−トラルゾ−ン及び田植装置側を駆動状態の走行停止状態を選択することができ、これらの操作を単一変速操作レバ−で簡単に操作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】側面図
【図2】平面図
【図3】要部の平面図
【図4】伝動機構図
【図5】要部の平面図
【図6】電気回路図
【図7】別例の要部背面図
【図8】要部の側面図
【図9】電気回路図
【図10】別例の要部側面図
【図11】要部の油圧回路面
【符号の説明】
1 乗用牽引車
15 昇降リンク機構
23 田植装置
43 変速操作レバ−
A 無段変速機構
B 後輪デファレンシャル機構
C 後輪デフロック機構
Claims (1)
- 乗用型牽引車1の後部に田植装置23を昇降リンク機構19を介して装着した乗用型田植機において、この乗用牽引車1には左右後輪伝動間に後輪デファレンシャル機構Bを構成し、この後輪デファレンシャル機構Bを固定する後輪デフロック機構Cを有し、走行車輪側への動力伝達系路中に路上走行速を高速及び低速に切切換え可能な変速切換機構を構成すると共に、その高速側から低速側に切り換える途中の中立位置を有し、この変速切換機構の切換操作を単一の変速操作レバ−43で切換えるよう構成し、この変速操作レバ−43で路上走行の高速シフト位置から低速シフト位置に路上走行速を切り換える場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが解除状態を維持し、低速シフト位置を継続した状態で前記田植装置側への動力伝達系を伝動するよう前記変速操作レバ−43を位置変更操作する場合には、前記後輪デファレンシャル機構Bの後輪デフロック機構Cが働くよう変速操作レバ−43と後輪デフロック機構Cとを連繋してなる乗用型田植機。
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- 1996-06-21 JP JP16125096A patent/JP3567622B2/ja not_active Expired - Lifetime
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