JP3566580B2 - 樹脂封止金型のクリーニング装置、樹脂封止金型クリーニング方法およびクリーニングシステム - Google Patents

樹脂封止金型のクリーニング装置、樹脂封止金型クリーニング方法およびクリーニングシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂封止金型のクリーニング装置および金型のクリーニング方法に関する。
特に、本発明は、レーザー光を使用した、樹脂封止金型の汚れを除去するための装置およびこの装置を用いた金型のクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSIなどに樹脂を封止して製品を製造する場合、樹脂封止金型が使用される。この樹脂封止金型は、製造される製品の数が多数であるため、製品を樹脂封止金型により、一定数以上製造した後に、製品の外観等の向上、製品の耐候性等の維持、向上のため、使用した樹脂樹脂封止金型を洗浄する必要がある。
【0003】
このような樹脂封止金型の洗浄においては、従来、人手によって、洗浄工程が行われることが多かった。このため、多大な労力、洗浄時間を要していた。したがって、このような結果、樹脂封止工程における工数増大、生産性低下等の問題を招いている。
【0004】
この為、樹脂封止金型の洗浄を簡素化できる洗浄装置および洗浄方法の開発が望まれており、このような発明によって、たとえば洗浄作業の工数を低減することが可能となり、その結果、洗浄時間の短縮による生産性向上が達成できることが期待される。
【0005】
たとえば、特開平10−255510号公報には、車両用前照明レンズの発明が記載され、より具体的には、前照灯レンズ表面の少なくとも一部分に、酸化チタンを主体としてなり光触媒機能を有する薄膜が形成されていることを特徴とする車両用前照明レンズの発明が記載されている。この公報の表1には、車両用前照明レンズの外表面にコートした前記機能を有する薄膜が設けられた前記レンズに、太陽光を5時間照射し、この照射前後の光透過率の差を測定している。この表1において、異形レンズにおいて調べた太陽光を照射する前後の透過率の変化、すなわち太陽光によって汚れを分解する前と後とでは、透過率がどのように変化したかを、500nmの光に関して測定した結果が示されている。
【0006】
また前記公報には、光触媒効果をもつ酸化チタン薄膜を、異形レンズ表面に効率よく形成しているので、汚れが付着しても、紫外線によって付着した汚れを光分解し、透明度が自然に保持できるようにした車両用前照灯用レンズが得られる旨の記載もされている。
【0007】
このように、この公報に記載された薄膜が形成された異形レンズの発明によって、付着した汚れが分解・除去されるため、前照灯を外観的にも照度的にも好ましい状態に長時間維持できる旨記載されてはいるが、このような公報に記載の薄膜を形成すれば、付着した汚れである有機化合物の一部を分解・除去することが可能となった。
【0008】
しかしながら、付着した無機系物質の除去については、何ら開示されてはおらず、さらに、エポキシ樹脂などの有機材料と、シリカ、酸化カルシウムなどの充填剤などの無機材料とが複合した封止材料などのような有機材料と無機系物質を含む複合系においては、完全な洗浄が困難である。このような複合系の汚れにおいては、一般に、有機物質のみの汚れを除去するよりも数段難しく、また、前記したような除去法だけでは、除去することは困難である。
【0009】
また、特開平1−122417号公報には、合成樹脂モールド用金型の清掃方法の発明が記載されており、この方法によれば、有機系及び無機系物質の汚れを除去することが可能である。
【0010】
しかしながらこの公報に記載された方法においては、この公報の図3に示すような方法を用いると、汚れを完全除去するために要する時間が、3〜4時間(h)と長時間を要し、また、この除去時間は、金型の大きさおよび汚れの程度に依存し、さらに生産性の向上が達成できないこととなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術に鑑みて成されたものであって、樹脂封止に使用される樹脂は、各種有機系物質と各種無機系物質が混練されている為、樹脂封止成形用金型表面には、成形毎に、有機系物質と無機系物質が混在する樹脂封止材料が付着し、これらが汚れとなって堆積してしまう。
【0012】
このような従来技術に記載された方法では、たとえば紫外線による光分解作用によって汚れを除去して洗浄する為、分解対象が有機系物質に限定されてしまう。
【0013】
したがって、無機系物質は分解されずに金型中に堆積したままとなり、金型内の完全な洗浄効果は期待できず、さらに、有機系物質と、無機系物質が複雑に複合された封止材料に到っては、洗浄効果はさらに減少し、これらの汚れを除去することはさらに困難であった。
【0014】
本発明は、係る有機物質および無機物質などの汚れが複雑に複合した樹脂封止金型の汚れを、短時間に除去しうるような、樹脂封止金型の汚れを除去するための装置およびこの装置を用いた金型のクリーニング方法の発明を完成することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、金型内の汚れを光照射して分解する装置であって、前記装置は、レーザー光発生手段と、レーザー光発生手段により発生したレーザー光を反射する第1反射手段と、第1反射手段からの反射光を前記金型の内面に照射する回転軸を有する多面体構造の第2反射手段とからなることを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング装置が提供される。
【0016】
また請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1において、前記多面体構造の第2反射手段は、所定速度で回転する回転手段をさらに有することを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング装置が提供される。
【0017】
また請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1または2において、前記レーザー光発生手段は、パルスに照射されるパルス状レーザー光発生手段であることを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング装置が提供される。
【0018】
また請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、樹脂封止金型とを有するクリーニングシステムであって、
前記樹脂封止金型には、光触媒機能を有する薄膜が少なくとも一部に形成されていることを特徴とするクリーニングシステムが提供される。
【0019】
また請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載のクリーニング装置により照射されたレーザー光を金型内面に照射することを特徴する樹脂封止金型のクリーニング方法が提供される。
【0020】
また請求項6に記載の発明によれば、前記請求項5において、前記金型に光触媒機能を有する薄膜が少なくとも一部に形成され、光触媒作用の光分解とレーザ光強度による熱分解の複合作用によることを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング方法が提供される。
【0021】
また請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載のクリーニング装置により照射されたレーザー光を、金型内面に設けられた前記薄膜上にパルス状あるいは連続に照射して光分解作用(光酸化)と熱分解作用を発生させ、金型内の有機材料および無機材料からなる複合した汚れを除去することを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3の図面を参照しつつ、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置の実施の形態について、まず説明する。図1は、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置の側面図であり、図2は、図1におけるA−A' 部分の断面図であり、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置の断面図を示しており、図3は、図1におけるB−B' 部分の断面図であり、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置の平面図を示す。
【0023】
本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2は、図1及び図2に示すように、レーザー光発振ユニット3、全反射ミラー5、及びポリゴンミラー7により構成される。なお全反射ミラー5、及びポリゴンミラー7等は、複数設けることもできる。
【0024】
このポリゴンミラー7は、たとえば図4に示すように、多面体構造であり、多面体構造を構成する各面は、好ましくは平面に構成されており、前記多面体構造としては、特に限定されないが、好ましくは8面体構造となっている。このポリゴンミラーは、たとえば1つの回転軸を有しており、ステッピングモータ、直流モータ、ブラシレスモータなどの回転手段により、100rpmまたはそれ以上の速度で自在に回転することが可能な構造を有している。
【0025】
このような本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2では、図1に示すように、樹脂封止金型1、1' が開いた状態で、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置が金型1、1' 間のスペースに進入し、クリーニング動作が開始される。
【0026】
そして本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2は、前記したように、レーザー光発振ユニット3、全反射ミラー5、及びポリゴンミラー7で構成されており、このような本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2において、レーザー光発振ユニット3から照射されたレーザー光4は、先ず全反射ミラー5により反射し、次いで、所定の角度で反射されたレーザー光6が、前記したように、100r.p.m.以上で回転するポリゴンミラー7により反射される。
【0027】
この反射したレーザー光8は、前記ポリゴンミラーが自在に回転することにより、図4に示すように、実質的にポリゴンミラーの入射角(反射角)が変化することによって、反射光が、全体としてシート状12となって樹脂封止用キャビティ11に、一様に照射されることとなる。すなわち、図2に示すように、ある瞬間にポリゴンミラーのある一面に入射したレーザー光は、この入射光に対する法線方向に対して、対称的に反射され、この反射光がたとえば樹脂封止用キャビティ11内のある部分にスポット状に照射されることになる。そして続く次の瞬間にポリゴンミラーが回転すると、新たなレーザー光は、入射面と入射光とで形成される法線が変化することにより反射光は先に照射された部分と異なる部分に、好ましくは前回の照射された部分の近傍に、続いて照射される。このようにして、ポリゴンミラーの回転により、図1に示すY方向線上にレーザー光が連続して照射される。
【0028】
以下同様にして、X方向を固定してY方向の操作が全反射ミラーおよび回転するポリゴンミラーから多重反射されたレーザー光により、キャビティー11内でのレーザー光照射が連続して行われる。次いで、同様にしてX方向に対して操作を連続的に行うことにより、前記Y方向およびX方向の両方向に対して照射光が操作されシート状に照射されることになる。なお、上記した全反射ミラーおよびポリゴンミラーは、CPUなどの操作手段を介して操作することができる。このような操作方法によれば、照射強度を、汚れのひどい部分に集中させるように、キャビティー内の汚れの度合いをマッピングした情報を予め作成しておき、この情報を基に短時間に汚れを除去するようにすることもできる。
【0029】
このように、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2は、この装置自体がX方向へ移動可能な為(13)、全域に渡ってレーザー光をキャビティ11に照射できる。また全反射ミラー5は、角度可変可能であり、かつポリゴンミラー7はZ方向(垂直方向)に移動可能である為、上金型1、および下金型1' の上下左右全てのキャビティ11に渡り、レーザー光8を照射可能である。
【0030】
上記説明においては、上部金型または下部金型のいずれかの汚れを除去する場合について説明したが、本発明では、このような場合に限られず、上部および下部の金型の汚れを同時に除去するようにすることもできる。このような場合には、ポリゴンミラー7、全反射ミラー5等を複数設けてもよく、また全反射ミラーを複数設け、全反射ミラーの前段にハーフミラーを設けることにより、レーザー光を2つに分け、あるいは光源を複数設けることにより、ポリゴンミラーに複数の光を入射させて、上部および下部金型を同時に照射することもできる。このように、本発明においては、ポリゴンミラー7、全反射ミラー5等の反射機能を有する部材を複数設けることにより、多重反射方式を採用して、金型のX方向、Y方向およびZ方向に自在に照射可能である。なお本発明においては、本発明の趣旨を変えない範囲で、適宜ポリゴンミラー7、全反射ミラー5、レーザー光源等を複数設けることもでき、他のハーフミラー、レンズなどの光学系を適宜加えることもできる。
【0031】
またレーザー光照射のシート状に照射する操作を、操作プログラム等にしたがって行うこともできる。たとえば本発明においては、金型毎に汚れのひどい部分をマッピング形式に編集したデータ等を入力して操作プログラムを作成し、この作成したプログラムにしたがって、汚れの分布をマッピングしたプログラムにしたがって操作することもでき、また複雑な形状の金型でも、金型毎に有効にレーザー光を照射することもできる。
【0032】
したがって本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置2では、キャビティー11内のあらゆる箇所に、強力なレーザー光を短時間で照射することが可能である。このため、金型内面に強力な紫外線を短時間で供給でき、したがって、有機物質および無機物質の複合したあらゆる汚れを、短時間のうちに全て除去することが可能となる。
【0033】
このような前記本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置においては、光源として、紫外線の波長域を有するYAG FHG(First Harmonic Generator)レーザー光 (266nm)やYAG THG(Third Harmonic Generator)レーザー光(355nm)等のレーザー光4を用いることが好ましい。特に本発明においては、このようなレーザー光の強度は、通常、500〜2000mWの出力で、スポットサイズが、0.1〜0.2mm2 程度である。またこのようなレーザー光は、好ましくはパルス状に照射されることが好ましく、このパルス周期は、通常、100〜10万Hz、好ましくは500〜5万Hz、さらに好ましくは1万Hz程度である。また、金型上を60〜100mm/sec程度の操作速度によって行うことができる。このようなレーザー光を、光触媒機能を有する酸化チタン膜10上に照射させる。
【0034】
このような酸化チタン膜10は、公知の方法、たとえば、チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンアセトキシドまたは式Ra TiCl3-a (Rはアルキル基、アルコキシ基またはアセトキシ基などの一価の有機基であり、aは、1または2の整数である。またaが2である場合、Rは、同一でも異なっていてもよい。)等の有機チタン化合物、およびTiX4 などのハロゲン化物、たとえばTiCl4 または、Ti(SO42 等の無機チタン化合物等を用いて、ゾルーゲル法、CVD等による方法(たとえば前記有機チタン化合物または無機チタン化合物を用いるMOCVD法を含む)により、酸化チタン膜10を形成することができる。
【0035】
さらにルチル型あるいはアナターゼ型酸化チタンをターゲットにスパッタリングする方法および金属チタンをターゲットに酸化雰囲気下にスパッタリングする方法が挙げられる。
【0036】
さらに、液状の有機チタン化合物を有機溶媒に溶解または分散させた溶液または分散液を用いて塗布等により、有機チタン化合物あるいは無機チタン化合物等を加水分解または酸化チタンの前駆体を膜状に形成し、その後、酸化処理等を行って酸化チタンを膜状に形成する方法などが挙げられる。なお形成された酸化チタン膜10は、ルチル型でもよく、アナターゼ型のいずれであってもよい。
【0037】
また酸化チタンを前記した方法によって、金型表面に膜状に形成する前に、シリコーンなどのケイ素化合物を担持させた後に、これら上記したチタン化合物を用いて酸化チタン化合物を成分として有する化合物を膜状に形成することもできる。好ましくは、酸化チタン化合物を有する化合物は、金型上に強固にかつ光酸化効率を高めるために、膜状に形成した後に加熱することもできる。なお、本発明においては、金型表面に設けられる光触媒機能を有する酸化チタンを膜状に形成したものが好ましく用いられるが、本発明では、光触媒機能(光酸化機能)を有するものであれば、本発明の趣旨を変えない範囲で、金型表面(好ましくは金型内面)に光触媒機能を有する化合物を設けてもよい。このようなものとしては、たとえば、SrTiO3 、ZnO、SnO2 、WO3 、Fe23 、Fe23 −FeO、Bi23 などを1種以上選択して、前記した光触媒に代えて用いてもよく、さらに、前記した光触媒の酸化チタンと共に、薄膜状に形成して用いることもできる。
【0038】
このように形成された酸化チタン膜10上に前記したようにして、酸化チタン10上の汚れ9を、前記光源からの強力なレーザー光の照射することにより、光分解および熱分解の2つの分解作用によって、汚れが除去される。すなわちこのような汚れ9は、封止材料として使用されている、たとえばエポキシ樹脂の残留成分であり、このようなエポキシ樹脂などが有機物質である為、酸化チタンの強力な光酸化作用により光分解され、また同時にスポット面積が0.1〜0.2mm2 程度で、出力が200mW以上、たとえば500〜2000mWといった、レーザー光4の有する強力な光エネルギーによって、汚れ4は前記光分解と共に炭化等され熱分解される。なお本発明で使用されるレーザー光は、好ましくはパルス型であるが、連続型であってもよい。
【0039】
このような本発明の樹脂封止金型のクリーニング装置2によって除去された汚れの具合を、他の方法により除去した例とともに、図5に示す。図5は、各種照射条件を変化させた場合の洗浄効果を示すグラフである。この図5において、水準1は、光源として、低圧水銀ランプを用いて0.355μm(355nm)の紫外線を照射した場合の洗浄効果を示す。この光源を使用した場合には、主に光分解作用のみによって、汚れが分解する。
【0040】
また水準2は、光触媒を併用したときの洗浄効果を示す。光源として、低圧水銀ランプを用いて0.355μm(355nm)の紫外線を照射した。この場合には、紫外線の直接的な光分解と、光触媒との複合作用による光分解作用により、汚れが分解することになる。
【0041】
また水準3は、光源として、CO2 レーザーを用いて10.59μm(1059nm)の赤外線を照射した場合の洗浄効果を示す。この光源を使用した場合には、主として熱分解作用のみによって、汚れが分解することになる。
【0042】
また水準4は、光源として、YAG THG(Third Harmonic Generator)レーザーを用いて0.355μm(355nm)の紫外線を照射した。この場合には、紫外線の直接的な光分解と、光触媒との複合作用による光分解作用光触媒の併用からなる複合的な光分解および強力レーザー光強度による熱分解の同時的な複合作用によって、汚れが短時間のうちに分解し、洗浄効果が100%に達している。
【0043】
このように図5の結果から、光触媒併用の光分解と熱分解の同時複合作用による本発明に係る洗浄方法である水準4の発明が、光分解あるいは熱分解などの単独の作用による洗浄作用に比較して、洗浄効果が100%となり、しかも洗浄に係る時間が1時間あるいはそれ以下程度と、短時間のうちに、洗浄効果が現われることが判る。
【0044】
以上説明したように、本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置は、レーザー光発振ユニット3、全反射ミラー5、及びポリゴンミラー7により構成される。
【0045】
【発明の効果】
樹脂封止に使用される樹脂は、各種有機系物質と各種無機系物質が混練されており、このような樹脂封止用樹脂を使用して、金型によって成形される。この際に使用される金型樹脂封止成形用金型の表面は、成形毎に、有機系物質と無機系物質が混在する樹脂封止材料が付着する。このような封止樹脂材料を多数回に亘って前記した金型に使用すれば、これらの汚れが堆積して複雑な有機系樹脂と無機系樹脂が混在した汚れとなり、この汚れが金型内に形成される。
【0046】
本発明では、前記したような構成を採用して、光分解作用(光酸化)と熱分解作用を同時に発生させ、これによって、有機系化合物の汚れのみではなく、無機系物質の汚れの除去に対しても有効であり、さらにこのような有機系化合物および無機系化合物が複合した封止材料のような複合形の汚れも完全に洗浄することが可能である。
【0047】
さらに本発明によれば、強力な紫外レーザー光をパルス状にしかもシート状に照射できるので、前記作用による汚れの除去の他に強力なレーザーパワーおよびパルス化の照射等による衝撃力等による機械的作用による汚れの除去作用も加わることによって、金型に生じた有機系化合物の汚れ、および無機系物質の汚れの除去に対してもさらに有効なものとなり、さらにこのような有機系化合物および無機系化合物が複合した封止材料のような複合系の汚れを完全に洗浄することができる。このような複合系の汚れは、光酸化あるいは熱酸化のみでは除去することが困難であるかまたは長時間を要するので、本発明によって、このような複合系の汚れを金型に傷をつけずにしかも短時間でこのような複合系の汚れでさえも除去可能となった。
【0048】
このため、このような本発明によれば、金型に新たな汚れが付着しても容易に除去でき、傷が付いた金型による新たな汚れが発生することもなく、この傷等の発生が原因でLSIなどの品質に影響をおよぼすといった虞が全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂封止金型のクリーニング装置を金型にセットしたときの側面図である。
【図2】図1のA−A' 部分の断面図である。
【図3】同様に、図1のB−B' 部分の断面図である。
【図4】本発明に使用されるポリゴンミラーの一例を示す図である。
【図5】各種の光源からの光照射時間と、洗浄効果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 金型(上部)
1' 金型(下部)
2 クリーニング装置
3 レーザー光発振ユニット
4 全反射ミラー
7 ポリゴンミラー
9 金型内の汚れ
10 酸化チタン膜
10' 酸化チタン膜
11 樹脂封止用キャビティー
11' 樹脂封止用キャビティー

Claims (7)

  1. 金型内の汚れを光照射して分解する装置であって、
    前記装置は、レーザー光発生手段と、
    レーザー光発生手段により発生したレーザー光を反射する第1反射手段と、
    第1反射手段からの反射光を前記金型の内面に照射する回転軸を有する多面体構造の第2反射手段と、
    からなることを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング装置。
  2. 前記多面体構造の第2反射手段は、所定速度で回転する回転手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止金型のクリーニング装置。
  3. 前記レーザー光発生手段は、パルスに照射されるパルス状レーザー光発生手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂封止金型のクリーニング装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、樹脂封止金型とを有するクリーニングシステムであって、
    前記樹脂封止金型には、光触媒機能を有する薄膜が少なくとも一部に形成されていることを特徴とするクリーニングシステム。
  5. 請求項1に記載のクリーニング装置により照射されたレーザー光を金型内面に照射することを特徴する樹脂封止金型のクリーニング方法。
  6. 前記金型に光触媒機能を有する薄膜が少なくとも一部に形成され、光触媒用の光分解とレーザ光強度による熱分解の複合作用によることを特徴とする請求項5に記載の樹脂封止金型のクリーニング方法。
  7. 請求項1に記載のクリーニング装置により照射されたレーザー光を、金型内面に設けられた前記薄膜上にパルス状あるいは連続に照射して光分解作用(光酸化)と熱分解作用を発生させ、金型内の有機材料および無機材料からなる複合した汚れを除去することを特徴とする樹脂封止金型のクリーニング方法。
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