JP4568544B2 - 樹脂成形型及び樹脂成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャビティに充填した流動性樹脂を硬化させて樹脂成形を行うことによって成形体を製造する際に使用される樹脂成形型と樹脂成形方法とに関するものである。
従来の樹脂成形について、リードフレーム等の回路基板に装着された半導体チップを樹脂封止して、電子部品の完成品を製造する場合を例にとって説明する。従来の樹脂成形では、まず、相対向する樹脂成形型の一方の型面に、チップが装着された回路基板を載置する。ここで、平面視した場合に、他方の樹脂成形型に設けられたキャビティにチップが含まれるように、回路基板を位置合わせする。次に、樹脂成形型を型締めし、その後に樹脂流路を介してキャビティに流動性樹脂を充填する。次に、流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成し、その後に樹脂成形型を型開きする。次に、エジェクタピンを使用して、回路基板と半導体チップと硬化樹脂とを含む成形体を突き出すことにより、これを樹脂成形型から取り出す。次に、硬化樹脂のうち不要な部分を成形体から分離して、電子部品を完成させる。
しかしながら、上述した従来の技術によれば、樹脂封止、すなわち樹脂成形を繰り返すことによって、樹脂成形型に対する成形体の離型性が低下するという問題がある。この問題は、樹脂成形を繰り返すことによって、流動性樹脂に含まれる成分が付着物として型面に付着し、その付着物が堆積していくことに起因して発生する。型面において付着物が堆積すると、硬化樹脂と付着物との間の密着性によって、樹脂成形型に対する成形体の離型性が低下する。このことにより、成形体を離型させようとしてエジェクタピンを使用して成形体を押圧すると、成形体を損傷させるおそれがある。また、成形体が離型されにくくなるので、樹脂封止装置が停止して樹脂封止工程の効率が低下するおそれがある。更に、エジェクタピンの存在によって、樹脂成形型の構成が複雑になるという問題もある。
また、付着物を除去するために、一定の頻度で次のような作業を行う必要がある。それは、ブラシ等を使用して行う型面の清掃(例えば、特許文献1参照)、型面に対する離型剤の塗布、クリーニング用部材や離型剤を含む樹脂材料等を使用して行う離型性回復用の樹脂成形(例えば、特許文献2参照)という作業である。これらの作業は、樹脂成形装置の複雑化と、工数や材料等の増加とを招く。したがって、装置コスト、加工コスト、及び材料等のコストが増大するという問題がある。
また、流動性樹脂に含まれる成分が型面に付着することを防止するために、型面と回路基板との間にフィルムを張設して、その状態で型締めした後に樹脂封止を行う方式が提案されている。これにより、成形体が有する回路基板は型面に接触せず、フィルムに接触することになる。したがって、成形体がフィルムから引き離されることになるので、樹脂成形型から成形体を容易に離型させることができる(例えば、特許文献3参照)。しかし、この場合においても、フィルムが有する微小な連通孔を通して、流動性樹脂に含まれるガス成分が型面に付着するおそれがある。また、フィルム自体に含まれる成分が気化したガス成分が型面に付着するおそれもある。したがって、型面における付着物がまったく生じないようにすることは困難である。更に、フィルムを使用する場合には、いわゆる使い捨て方式であることによって、環境に対する負荷の増大とランニングコストの増大という問題を引き起こす。また、フィルムの供給及び巻き取り機構が必要になることから装置の複雑化を招くので、装置コストの増大という問題も発生する。
特開平5−183002号公報(第2頁、図1、図2) 特開平3−202327号公報(第3頁、第6頁、図2) 特開平8−142105号公報(第4頁−第5頁、図3)
本発明が解決しようとする課題は、樹脂成形型の型面において付着物が堆積し、その結果として、樹脂成形型に対する成形体の離型性が低下することである。
上述の課題を解決するために、本発明に係る樹脂成形型は、キャビティ(4)に充填された流動性樹脂が硬化して硬化樹脂(12)が形成されることによって成形体(13)を製造する際に使用される樹脂成形型であって、樹脂成形型が有する面のうちキャビティ(4)の内底面を少なくとも含む一の型面(6)と、一の型面(6)に形成された機能膜(7)と、樹脂成形型において一の型面(6)を含むようにして設けられた透光部(19)と、透光部において一の型面(6)に対してキャビティ(4)とは反対の側に設けられた他の面と、樹脂成形型において他の面の側に設けられた光源(24)とを備えるとともに、光源(24)は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において光(23)を発し、機能膜(7)は透光部(19)を透過する光(23)によって照射されることにより光触媒として機能することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形型は、上述の樹脂成形型において、キャビティ(4)に充填された流動性樹脂が硬化して硬化樹脂(12)が形成されることによって成形体(13)を製造する際に使用される樹脂成形型であって、樹脂成形型が有する面のうちキャビティ(4)の内底面を少なくとも含む一の型面(6)と、一の型面(6)に形成された機能膜(7)と、樹脂成形型において一の型面(6)を含むようにして設けられた透光部(19)と、透光部において一の型面(6)に対してキャビティとは反対の側に設けられた他の面と、透光部において一の型面(6)と他の面との間をつなぐ側面と、樹脂成形型において側面の側に設けられた光源(24)とを備えるとともに、光源(24)は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において光(23)を発し、機能膜(7)は透光部(19)を透過する光(23)によって照射されることにより光触媒として機能することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形型は、上述の樹脂成形型において、樹脂成形型において他の面の側に設けられたブロック(26)を備えるとともに、ブロック(26)における他の面に対向する面(27)は鏡面(27)であり、光(23)が鏡面(27)によって反射した反射光によって機能膜(7)が更に照射されることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、流動性樹脂が充填されるべきキャビティ(4)が設けられた樹脂成形型を型締めする工程と、キャビティ(4)を流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂(12)を形成することによって成形体(13)を形成する工程と、樹脂成形型を型開きする工程と、成形体(13)を取り出す工程とを有する樹脂成形方法であって、キャビティ(4)の内底面を少なくとも含む一の型面(6)に光触媒として機能する機能膜(7)が形成されており、樹脂成形型は、一の型面(6)を含むようにして設けられた透光部(19)を有し、透光部は、一の型面(6)に対してキャビティ(4)とは反対の側に設けられた他の面を有するとともに、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において透光部(19)を透過する光(23)によって機能膜(7)を照射する工程を備え、照射する工程においては、樹脂成形型において他の面の側から透光部(19)を透過する光(23)によって機能膜(7)を照射することにより、機能膜(7)を光触媒として機能させることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、流動性樹脂が充填されるべきキャビティ(4)が設けられた樹脂成形型を型締めする工程と、キャビティ(4)を流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂(12)を形成することによって成形体(13)を形成する工程と、樹脂成形型を型開きする工程と、成形体(13)を取り出す工程とを有する樹脂成形方法であって、キャビティ(4)の内底面を少なくとも含む一の型面(6)に光触媒として機能する機能膜(7)が形成されており、樹脂成形型は、一の型面(6)を含むようにして設けられた透光部(19)を有し、透光部(19)は、一の型面(6)に対してキャビティ(4)とは反対の側に設けられた他の面と、一の型面(6)と他の面との間をつなぐ側面とを有するとともに、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において透光部(19)を透過する光(23)によって機能膜(7)を照射する工程を備え、照射する工程においては、樹脂成形型において側面の側から透光部(19)を透過する光(23)によって機能膜(7)を照射することにより、機能膜(7)を光触媒として機能させることを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、樹脂成形型において他の面の側にはブロック(26)が設けられており、ブロック(26)における他の面に対向する面(27)は鏡面(27)であり、照射する工程においては、鏡面(27)によって光(23)を反射させることによって生成された反射光によって機能膜(7)を更に照射することを特徴とする。
また、本発明に係る樹脂成形方法は、上述の樹脂成形方法において、照射する工程においては、紫外光(23)を使用して機能膜(7)を照射することを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形型によれば、光触媒として機能する機能膜(7)が型面(6)に形成されている。これにより、光触媒に光(23)が照射されることによって生ずる酸化分解作用によって、型面(6)における付着物が分解される。したがって、型面(6)における付着物の堆積が防止されるので、樹脂成形型に対する成形体(13)の離型性が良好になるとともに、その状態が維持される。また、樹脂成形によって形成された硬化樹脂(12)も、型面(6)における付着物として捉えることができるので、硬化樹脂(12)において型面(6)に接触する部分、すなわち最も表面に存在する部分が酸化分解作用によって分解される。したがって、この点からも樹脂成形型に対する成形体(13)の離型性が良好になる。また、樹脂成形型において少なくとも型面(6)を含む部分に透光部(19)が設けられているので、型面(6)に形成され光触媒として機能する機能膜(7)に対して、その透光部(19)を介して光(23)が照射されることが可能になる。これにより、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において、機能膜(7)が照射されることによって機能膜(7)の酸化分解作用を活発に行わせることが可能になる。したがって、いっそう優れた離型性を有する樹脂成形型が実現される。
また、本発明に係る樹脂成形型によれば、光触媒として機能する機能膜(7)が型面(6)に形成されていることによって、樹脂成形型に対する成形体(13)の離型性が優れている樹脂成形型が実現される。
また、本発明に係る樹脂成形方法によれば、光触媒として機能する機能膜(7)を照射する工程を備えている。これにより、機能膜(7)を適宜照射することによって、機能膜(7)の酸化分解作用を活発に行わせることが可能になる。したがって、成形体(13)が樹脂成形型から離型しやすい状態を維持しながら、樹脂成形を行うことができる。また、樹脂成形型は少なくとも型面(6)を含む部分において透光部(19)を有するので、型面(6)に形成され光触媒として機能する機能膜(7)に対して、その透光部(19)を介して光(23)を照射することができる。これにより、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)に流動性樹脂が充填されていない状態、樹脂成形型が型締めしている状態、又は、樹脂成形型が型開きしてキャビティ(4)において硬化樹脂(12)が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において、機能膜(7)を照射することによって機能膜(7)の酸化分解作用を活発に行わせることができる。したがって、樹脂成形型から成形体(13)をいっそう離型しやすい状態を維持して、樹脂成形を行うことができる。
また、本発明に係る樹脂成形方法によれば、紫外光(23)を使用して機能膜(7)を照射することによって、機能膜(7)の酸化分解作用をいっそう活発に行わせることができる。したがって、樹脂成形型から成形体(13)をいっそう離型しやすい状態を維持して、樹脂成形を行うことができる。
相対向する上型と下型とは併せて樹脂成形型を構成し、上型には、流動性樹脂が充填されるキャビティ(4)と、キャビティ(4)につながり流動性樹脂が流動する樹脂流路(5)とが設けられている。上型における面のうち少なくともキャビティ(4)の内底面を含む面からなる型面(6)には、光触媒として機能する機能膜(7)が形成されている。また、樹脂成形型は少なくとも型面(6)を含む部分において透光部(19)を有するので、型面(6)に形成され光触媒として機能する機能膜(7)に対して、その透光部(19)を介して光(23)を照射することができる。これにより、紫外光(23)によって照射された機能膜(7)は光触媒として機能するので、その機能膜(7)の表面及びその近傍において強い酸化分解力が発生する。また、紫外光(23)により、適切な頻度で機能膜(7)が照射される。
参考例1
本発明の参考例1に係る樹脂成形型及び樹脂成形方法を、図1と図2とを参照しながら説明する。図1(1)は本参考例に係る樹脂成形型の型面が紫外光によって照射される状態を、図1(2)はその樹脂成形型が型締めする直前の状態を、図1(3)はその樹脂成形型のキャビティが流動性樹脂によって充填されている状態を、それぞれ示す部分断面図である。図2(1)は図1(3)の流動性樹脂が硬化して硬化樹脂が形成された状態を、図2(2)は樹脂成形型が型開きした状態を、それぞれ示す部分断面図である。
図1において、相対向する上型1と下型2とは、併せて樹脂成形型を構成する。上型1には、流動性樹脂3が充填されるキャビティ4と、キャビティ4につながり流動性樹脂3が流動する樹脂流路5とが設けられている。上型1の型面6には、二酸化チタンを含み光触媒として機能する機能膜7が形成されている。ここで、型面6は、上型1における面のうち、少なくともキャビティ4の内底面(図1では上面)を含む面である。本参考例においては、上型1においてキャビティ4が形成された側の面(図1では下側の面)を型面6として、この型面6に機能膜7が形成されている。
本参考例に係る樹脂成形方法を、説明する。まず、図1(1)に示すように、所定の温度に加熱されている上型1と下型2とが型開きした状態で、紫外光8を使用して、型面6に形成され光触媒からなる機能膜7を照射する。このことにより、紫外光8によって照射された機能膜7は光触媒として機能するので、機能膜7の表面及びその近傍において強い酸化分解力が発生する。したがって、型面6上の機能膜7に付着していた樹脂かす等の有機物、すなわち付着物を、分解することができる。更に、機能膜7の近傍を適宜吸引することによって、分解された付着物を除去することができる。この工程では、例えば、水銀ランプから発生する、185nm、254nm等の波長を有する紫外光8を使用することができる。また、エキシマランプから発生する、308nm、222nm、172nm、146nm、126nm等の波長を有する紫外光8を使用することもできる。
次に、図1(2)に示すように、下型2の型面の上に、半導体チップ等のチップ9が装着された回路基板10を、位置合わせして載置する。そして、平面視した場合にキャビティ4にチップ9が含まれるようにして、位置合わせを行う。ここで、チップ9と回路基板10との電極同士(図示なし)は、ワイヤ11によって電気的に接続されている。
次に、図1(3)に示すように、上型1と下型2とを型締めした後に、チップ9がキャビティ4に収容された状態において、プランジャ等の押圧機構(図示なし)を使用して、例えば、熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂3を押圧する。これにより、樹脂流路5を介してキャビティ4に流動性樹脂3を充填する。
次に、図2(1)に示すように、流動性樹脂3を加熱してこれを硬化させて、図1のキャビティ4と樹脂流路5とにおいて硬化樹脂12を形成する。これにより、回路基板10とチップ9と硬化樹脂12とを含む成形体13を形成する。硬化樹脂12が形成された状態において、硬化樹脂12の表面は、付着物が除去されているとともに強い酸化分解力が発生している機能膜7に接触している。
次に、図2(2)に示すように、上型1と下型2とを型開きする。その後に、搬送機構(図示なし)を使用して、吸着等の方法によって成形体13を固定して、上型1と下型2との間からこれを搬出する。そして、硬化樹脂12のうち不要な部分を成形体13から分離して、電子部品を完成させる。ここまでの工程により、トランスファ成形を使用して、電子部品を完成させることができる。その後に、図1(1)に示すように、上型1と下型2とを型開きした状態で、必要に応じて紫外光8によって機能膜7を照射してもよい。これにより、型面6上の機能膜7に付着していた樹脂かす等の有機物、すなわち付着物を、分解することができる。
本参考例によれば、上型1と下型2とを型開きする際に、次の2つの理由によって、フィルムやエジェクタピンを使用することなく、硬化樹脂12は型面6から、正確に言えば型面6上に形成された機能膜7から容易に引き離される。第1の理由は、付着物が除去されている機能膜7、言い換えれば付着物が堆積していない機能膜7から、硬化樹脂12が引き離されるからである。これにより、硬化樹脂12は、従来の樹脂成形型の型面に存在したような堆積した付着物に密着することがない。第2の理由は、型面6における付着物として捉えられる硬化樹脂12において最も表面に存在する部分、すなわち硬化樹脂12において機能膜7に接触する部分が、光触媒からなる機能膜7の酸化分解作用によって分解されるからである。これにより、硬化樹脂12の表面と機能膜7との間の密着性が低下する。これらの理由によって、上型1に対する、すなわち樹脂成形型に対する成形体13の離型性が良好になる。まとめて言えば、光触媒として機能する機能膜7の酸化分解作用によって、型面6における付着物を除去することができるとともに、型面6から成形体13を離型させやすくすることができる。
以上説明したように、本参考例によれば、型面6上に形成された機能膜7が奏する酸化分解作用によって、機能膜7における付着物の堆積が防止されるとともに、硬化樹脂12において機能膜7に接触する部分が分解される。これらにより、フィルムやエジェクタピンを使用することなく樹脂成形型に対する成形体13の離型性が良好になる。また、紫外光8を使用して機能膜7を適宜照射することによって、離型性が良好である状態が維持される樹脂成形型が実現される。
本参考例に係る樹脂成形型の製造方法を、図1(1)を参照しながら説明する。まず、光触媒として機能する物質、例えば、二酸化チタンの粒子を含む原料液を、上型1の型面6に塗布する。次に、上型1を所定の高温雰囲気中に放置して、原料液が塗布された型面6を乾燥させ、又は焼成する。このことにより、型面6に物質が付着しにくくなることを目的として、型面6において光触媒として機能する機能膜7を形成する。このように、少なくとも二酸化チタンの粒子を含む原料液を使用して型面6に二酸化チタンの粒子を含む層を形成する工程と、この層が形成された型面6を乾燥させ又は焼成することによって機能膜7を形成する工程とを備えることによって、型面6において光触媒として機能する機能膜7を形成することができる。なお、二酸化チタンを含む機能膜7を形成するには、上述の方法の他に、スパッタリング法や蒸着法を使用することもできる。また、二酸化チタンはアナターゼ型であることが好ましい。また、光触媒として機能する物質としては、二酸化チタン以外の物質を使用することができ、更に、光触媒アパタイトを使用することもできる。これらの製造方法及び物質については、他の参考例及び実施例でも同様に使用することができる。
図3(1)及び図3(2)は、本参考例に係る樹脂成形型の第1及び第2の変形例をそれぞれ示す部分断面図である。第1の変形例では、図3(1)に示されているように、キャビティ4の内底面を形成するキャビティブロック14が設けられている。そして、キャビティ4の内底面、すなわちキャビティブロック14におけるキャビティ4を構成する面を型面6として、型面6の上に機能膜7が形成されている。また、第2の変形例では、図3(2)に示されているように、キャビティ4と樹脂流路5との内面の上に、言い換えれば流動性樹脂が接触する面の上に、機能膜7が形成されている。この場合には、キャビティ4と樹脂流路5との内面以外の面をレジストによって覆い、その状態でキャビティ4と樹脂流路5との内面に二酸化チタンの粒子を含む機能膜7を形成し、その後にレジストを剥離すればよい。いずれの変形例においても、機能膜7を形成する際には、二酸化チタンの粒子を含む原料液を使用してもよく、スパッタリング法や蒸着法を使用してもよい。
参考例2
本発明の参考例2に係る樹脂成形型及び樹脂成形型の製造方法を、図4を参照して説明する。図4(1)は本参考例に係る樹脂成形型の製造方法における機能膜を形成する工程を、図4(2)は完成したその樹脂成形型の構成を、それぞれ示す部分断面図である。本参考例は、樹脂成形型が連通孔を有する多孔性材料からなることを特徴とする。
図4に示されているように、本参考例に係る樹脂成形型は、例えば、1nm−1μm程度の微小な径を有し3次元的に連通する多数の連通孔15が形成された多孔性材料16を基材としている。そして、型面6に開口17を有するようにして、その型面6に光触媒として機能する機能膜7が形成されている。また、機能膜7が形成された状態で、開口17と連通孔15との径は、流動性樹脂の粒子が通過できない程度に小さい値で、かつ、キャビティ内に存在し又は流動性樹脂に含まれるガス成分が通過できる程度に大きい値になっている。これらのことにより、まず、参考例1と同様に、樹脂成形型に対する成形体13の離型性が良好であり、その状態が維持される樹脂成形型が実現される。また、開口17と連通孔15とに流動性樹脂の粒子が目詰まりしないので、この点からも離型性が良好になる。更に、図4(2)に示されているように、型面6に機能膜7が形成されているとともに、開口17と連通孔15とを順次経由して、キャビティ4に対して気体を流動させることが可能になる。具体的には、第1に、樹脂成形型に配管と減圧手段(減圧ポンプや減圧タンク等)とを連結することによって、図4(2)に示された矢印の方向にキャビティ4の内部が吸引される。第2に、樹脂成形型に配管と高圧ガス供給手段(高圧タンク等)とを連結することによって、図4(2)に示された矢印とは逆の方向にキャビティ4の内部に気体が圧送される。
本参考例に係る樹脂成形型を使用して樹脂成形を行う場合には、参考例1における効果に加えて、次のような効果が得られる。第1に、キャビティ4に流動性樹脂を充填する際には(図1(3)参照)、キャビティ4の内部を吸引することによって、流動性樹脂に含まれるガス成分を吸引して樹脂成形型の外部に除去することができる。これにより、気泡(ボイド)のない成形体を製造することができる。第2に、樹脂成形型を型開きする際には(図2(2)参照)、キャビティ4の内部に向かって気体を圧送することにより、フィルムやエジェクタピンを使用することなく、成形体の離型をいっそう容易に行うことができる。
本参考例に係る樹脂成形型の製造方法を、図4を参照しながら説明する。まず、基材として、例えば、1nm−1μm程度の微小な径を有し3次元的に連通する多数の連通孔15が形成された多孔性材料16を準備する。
次に、多孔性材料16が有する面のうち、樹脂成形型において型面6になるべき面(以下単に「型面」という。)に、二酸化チタンを含む原料液18を塗布する。ここで、原料液18の表面張力によって開口17が塞がれるおそれがある。そこで、図4(1)に示すように、この原料液18を塗布する際に、連通孔15と開口17とを順次経由してキャビティ4の内部を吸引することが好ましい。これにより、開口17を塞いでいる原料液18が吸引されるので、開口17が再び形成される。したがって、型面6に開口17を残した状態で、その型面6の上に二酸化チタンを含む原料液18からなる層を形成することができる。なお、この工程では、連通孔15と開口17とを順次経由してキャビティ4の内部を吸引することに代えて、キャビティ4の内部に向かって気体を圧送してもよい。また、開口17と連通孔15とを順次経由して、キャビティ4の内部から樹脂成形型の外部に向かって気体を圧送してもよい。いずれの方法においても、連通孔15を経由して気体を流動させることによって、型面6に開口17を残すことができればよい。
次に、多孔性材料16において二酸化チタンを含む原料液18からなる層が形成された型面6を、乾燥させ又は焼成する。これにより、型面6に、開口17を残した状態で、二酸化チタンを含み光触媒として機能する機能膜7を形成することができる。そして、図4(2)に示された樹脂成形型が完成する。
本参考例によれば、まず、参考例1と同様に、樹脂成形型に対する成形体の離型性が良好であり、その状態が維持される樹脂成形型が実現される。また、流動性樹脂に含まれるガス成分を吸引して樹脂成形型の外部に除去することができるとともに、キャビティ4の内部に向かって気体を圧送することにより成形体の離型をいっそう容易に行うことができる樹脂成形型が実現される。また、型面6に開口17を残した状態で、その型面6の上に二酸化チタンを含み光触媒として機能する機能膜7を形成して、樹脂成形型を製造することができる。
本発明の実施例1に係る樹脂成形型及び樹脂成形方法を、図5を参照して説明する。図5(1)は本実施例に係る樹脂成形型の第1の構成を、図5(2)は本実施例に係る樹脂成形型の第2の構成をそれぞれ示すとともに、樹脂成形において機能膜に光を照射する工程をそれぞれ示す部分断面図である。本実施例は、次の2つの点を特徴とする。まず、樹脂成形型において、キャビティの内底面を少なくとも含む型面には機能膜が形成されているとともに、少なくともその型面を含む部分は透光性材料からなることである。また、樹脂成形方法において、その透光性材料からなる部分を透過して機能膜に光を照射する工程を備えることである。
図5(1)と図5(2)とに示されているように、本実施例に係る樹脂成形型は、キャビティ4と樹脂流路5とを含む部分において、透光性材料からなる透光部19を有する。ここで、透光部19は、透光性とともに耐熱性が要求されるので、例えば、耐熱性を有するホウケイ酸ガラスや石英ガラス等から構成される。また、透光部19における型面6には、光触媒として機能する機能膜7が形成されている。
第1の構成に係る樹脂成形型には、図5(1)に示されているように、透光部19に接触してこれを固定する側方ブロック20と上方ブロック21とが、設けられている。そして、上方ブロック21には貫通孔22が設けられ、上方ブロック21の上方には紫外光23を発する光源24が樹脂成形型に組み込まれて設けられている。この光源24は、水銀ランプやエキシマランプのような紫外光発光手段から構成されている。そして、光源24と上方ブロック21と透光部19とは、紫外光23が貫通孔22と透光部19とを順次通過して機能膜7を照射するようにして構成されている。この構成によって、型締めする前と型締めした後とのいずれの状態においても、また、成形体13が形成された後においても、紫外光23によって機能膜7を照射することが可能になる。
第2の構成に係る樹脂成形型には、図5(2)に示されているように、透光部19に接触してこれを固定する側方ブロック25と上方ブロック26とが、設けられている。そして、側方ブロック25は、透光部19と同様に、ホウケイ酸ガラス等の透光性と耐熱性とを有する材料によって構成されている。また、上方ブロック26は金属材料からなるとともに、その下面27は鏡面仕上げされている。更に、側方ブロック25の隣(図においては左隣)には、紫外光23を発する光源(図示なし)が設けられている。そして、光源と側方ブロック25と下面27と透光部19とは、紫外光23が、側方ブロック25と透光部19とを順次通過して、又は、それに加えて下面27によって反射して、機能膜7を照射するようにして構成されている。この構成によって、型締めする前と型締めした後とのいずれの状態においても、また、成形体(図示なし)が形成された後においても、紫外光23によって機能膜7を照射することが可能になる。
本実施例に係る樹脂成形方法は、透光部19を通過した紫外光23によって、光触媒として機能する機能膜7を照射する工程を設けるというものである。この照射する工程は、参考例1と同様に、上型1と下型2とが型開きした状態で行われてもよい。更に、本実施例によれば、上型1と下型2とが型締めした状態においても、透光性材料からなる透光部19を介して、その透光部19を通過した紫外光23によって機能膜7を照射することができる。すなわち、型締め後であって、流動性樹脂が充填される前、流動性樹脂が充填された後、又は、充填された流動性樹脂が硬化した後のいずれの状態においても、紫外光23によって機能膜7を照射することができる。これにより、まず、型面6上に形成された機能膜7及びその近傍において強い酸化分解力が発生した直後に、流動性樹脂を充填することができる。また、流動性樹脂が充填された状態で、機能膜7において強い酸化分解力を発生させることができる。また、流動性樹脂が硬化した状態で、機能膜7において強い酸化分解力を発生させることができる。
本実施例によれば、まず、参考例1と同様に、樹脂成形型に対する成形体13の離型性が良好でその状態が維持される樹脂成形型が実現される。また、参考例1と同様に、付着物が堆積していない機能膜7から、硬化樹脂12を引き離すことができる。また、参考例1とは異なり、機能膜7から硬化樹脂12を引き離し始める時点まで、更には、型開きが始まった後の時点においても、透光部19を介して機能膜7を照射することによって、機能膜7において強い酸化分解力を発生させることができる。このことにより、これらの時点においても、硬化樹脂12において機能膜7に接触する部分を、機能膜7の酸化分解作用によって分解することができる。したがって、機能膜7から成形体13をいっそう容易に引き離すことができるので、樹脂成形型に対する成形体13の離型性をいっそう良好にすることができる。
なお、本実施例では、紫外光23が貫通孔22と透光部19とを順次通過して機能膜7を照射することとした。これに限らず、透光部19と上方ブロック21とに代えて、例えば、1nm−1μm程度の微小な径を有し1次元的に連通する、すなわち直線的に連通する多数の連通孔が形成された多孔性材料からなる上方ブロックを使用することもできる。そして、樹脂成形型に含まれる光源24を使用して、上方ブロックの背面側(図5(1)では上側)からそれらの1次元連通孔を介して、型面6に形成された機能膜7を照射すればよい。この場合には、この上方ブロックが、透光部として機能することになる。
参考例3
本発明の参考例3に係る樹脂成形方法を、いずれも既出の図1と図2と図4とを参照して説明する。本参考例は、3次元的に連通する多数の連通孔が形成された多孔性材料からなる樹脂成形型を使用して、それらの連通孔を経由して型面に液体又は液体を含む気体を供給しながら樹脂成形を行うことを特徴とする。ここで、液体としては、純水やアルコール類、又はこれらの混合物等を使用することができる。
本参考例では、図1(1)に示すように、参考例1と同様に、所定の温度(例えば、熱硬化性樹脂からなる流動性樹脂3を硬化させる場合には180℃程度)に加熱されている上型1と下型2とが型開きした状態で、紫外光8を使用して、型面6に形成され光触媒からなる機能膜7を照射する。このことにより、紫外光8によって照射された機能膜7は光触媒として機能するので、機能膜7の表面及びその近傍において強い酸化分解力が発生するとともに、機能膜7の表面は超親水性を有する。
次に、図1(3)に示すように、参考例1と同様に、上型1と下型2とを型締めした後に、樹脂流路5を介してキャビティ4に流動性樹脂3を充填する。そして、図2(1)に示すように、流動性樹脂3を加熱してこれを硬化させて、キャビティ4と樹脂流路5とにおいて硬化樹脂12を形成する。この状態において、硬化樹脂12の表面は、超親水性を有している機能膜7の表面に接触している。
次に、図4(2)における樹脂成形型に配管と液体供給手段(ポンプ等)とを連結し、液体供給手段を動作させることにより、図4(2)に示された矢印とは逆の方向に、連通孔15と開口17とを順次経由してキャビティ4の内部に液体を供給する。これにより、供給された液体を、図2(1)における硬化樹脂12と機能膜7との間に浸透させる。ここで、機能膜7の表面は超親水性を有しているので、その液体を硬化樹脂12と機能膜7との間に広く浸透させることができる。したがって、硬化樹脂12と機能膜7との間の密着性を低下させることができる。
次に、図2(2)に示すように、上型1と下型2とを型開きする。この際に、硬化樹脂12と機能膜7との間の密着性が低下しているので、型面6上に形成された機能膜7の表面から、硬化樹脂12を、ひいては成形体13を、容易に引き離すことができる。
本参考例によれば、参考例2と同様の効果が得られる。また、硬化樹脂12を形成した後に、キャビティ4の内部に供給された液体を、硬化樹脂12の表面と超親水性を有している機能膜7の表面との間に広く浸透させる。これにより、硬化樹脂12と機能膜7との間の密着性を低下させる。したがって、フィルムやエジェクタピンを使用することなく、上型1と下型2とを型開きする際に、成形体13の離型を容易に行うことができる。まとめて言えば、光触媒として機能する機能膜7の超親水性によって、型面6から成形体13を離型させやすくすることができる。
なお、本参考例では、上型1と下型2とを型締めして、流動性樹脂3をキャビティ4に充填して硬化させた後に、キャビティ4の内部に液体を供給することとした。これに限らず、上型1と下型2との型締めの前後を問わず、流動性樹脂3をキャビティ4に充填する前の状態で、キャビティ4の内部に液体を供給してもよい。また、流動性樹脂3をキャビティ4に充填した後で硬化させる前の状態で、キャビティ4の内部に液体を供給してもよい。これらの場合には、機能膜7と流動性樹脂3との間における空間の温度・圧力等に応じて、供給された液体は、気化して蒸気になって、又は、液体のままで、その空間に存在する。これにより、流動性樹脂3は、超親水性を有する機能膜7の表面に液体又はその蒸気が広く存在している状態で、硬化して硬化樹脂12を形成する。したがって、硬化樹脂12の表面と機能膜7の表面との間において、広い範囲に液体又はその蒸気を存在させることにより、硬化樹脂12の表面と機能膜7の表面との間の密着性を低下させることができる。以上説明したように、この樹脂成形方法によっても、樹脂成形型に対する成形体13の離型性を良好にすることができる。
また、キャビティ4に収容されたチップ9を樹脂封止する場合には、品質保証上の観点から、水分等の液体成分を多く含まない雰囲気中で樹脂封止を行うことが望ましい。したがって、この場合には、硬化樹脂12を形成した後にキャビティ4の内部に液体を供給する樹脂封止方法を使用することが好ましい。
また、本参考例では、3次元的に連通する多数の連通孔15を経由して、キャビティ4の内部に液体を供給することとした。これに限らず、それらの連通孔15を経由して、キャビティ4の内部に液体を含む気体を、正確に言えば液体の蒸気を含む気体を供給することもできる。この場合においても、樹脂成形型に対する成形体13の離型性を良好にすることができる。
また、本参考例(参考例3)では、参考例2と参考例3とにおける多孔性材料からなる樹脂成形型を、ホウケイ酸ガラス等の透光性を有する多孔性材料から構成することもできる。これにより、参考例2と参考例3とにおける効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、図5に示すように、参考例1と同様にして、機能膜7から硬化樹脂12を引き離し始める時点まで、更に、型開きが始まった後の時点においても、透光部19を介して機能膜7を照射することができる。したがって、機能膜7から成形体13をいっそう容易に引き離すことができるので、樹脂成形型に対する成形体13の離型性をいっそう良好にすることができる。
なお、上述した各参考例及び実施例においては、紫外光8,23を使用して機能膜7を照射することとした。これに代えて、可視光応答型の光触媒を使用して機能膜7を形成することにより、通常の室内光の下においても、機能膜7の酸化分解作用と超親水性とを利用することができる。この場合には、特別な光源を使用することなく、室内光の光源を使用して、型面6に形成された機能膜7を照射する工程を行うことになる。
また、各参考例及び実施例における紫外光8,23の照射については、樹脂成形を行う度に照射してもよく、一定の回数だけ樹脂成形を行う毎に照射してもよい。このような紫外光8,23の照射の頻度は、型面6に対して付着物が付着する程度や、硬化樹脂の種類による離型性の程度等に応じて、予め実験と評価とを行って定めることができる。
また、ここまでは、トランスファ成形を使用してチップ9を樹脂封止するという樹脂成形について、参考例及び実施例を説明した。これに限らず、樹脂封止以外の樹脂成形や、射出成形を使用して樹脂成形を行う場合にも、本発明を適用することができる。更に、キャビティに流動性樹脂を注入し、又は、キャビティに供給された樹脂材料を溶融して、キャビティを流動性樹脂によって充填された状態にして、型締めした状態でその流動性樹脂を硬化させて樹脂成形を行う場合にも、本発明を適用することができる。
また、ここまでは、相対向する上型1と下型2とを使用する参考例及び実施例について説明した。本発明においては、上下方向に限らず相対向する複数の樹脂成形型を使用することができる。
また、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
図1(1)は本発明の参考例1に係る樹脂成形型の型面が紫外光によって照射される状態を、図1(2)はその樹脂成形型が型締めする直前の状態を、図1(3)はその樹脂成形型のキャビティが流動性樹脂によって充填されている状態を、それぞれ示す部分断面図である。 図2(1)は図1(3)の流動性樹脂が硬化して硬化樹脂が形成された状態を、図2(2)は樹脂成形型が型開きした状態を、それぞれ示す部分断面図である。 図3(1)及び図3(2)は、本発明の参考例1に係る樹脂成形型の第1及び第2の変形例をそれぞれ示す部分断面図である。 図4(1)は本発明の参考例2に係る樹脂成形型の製造方法における機能膜を形成する工程を、図4(2)は完成したその樹脂成形型の構成を、それぞれ示す部分断面図である。 図5(1)は本発明の実施例1に係る樹脂成形型の第1の構成を、図5(2)は本実施例に係る樹脂成形型の第2の構成をそれぞれ示すとともに、樹脂成形において機能膜に光を照射する工程をそれぞれ示す部分断面図である。
1 上型
2 下型
3 流動性樹脂
4 キャビティ
5 樹脂流路
6 型面
7 機能膜
8,23 紫外光(光、紫外光)
9 チップ
10 回路基板
11 ワイヤ
12 硬化樹脂
13 成形体
14 キャビティブロック
15 連通孔
16 多孔性材料
17 開口
18 原料液
19 透光部
20,25 側方ブロック
21 上方ブロック
22 貫通孔
24 光源
26 上方ブロック(ブロック)
27 下面(他の面に対向する面、鏡面)

Claims (7)

  1. キャビティに充填された流動性樹脂が硬化して硬化樹脂が形成されることによって成形体を製造する際に使用される樹脂成形型であって、
    前記樹脂成形型が有する面のうち前記キャビティの内底面を少なくとも含む一の型面と、
    前記一の型面に形成された機能膜と、
    前記樹脂成形型において前記一の型面を含むようにして設けられた透光部と、
    前記透光部において前記一の型面に対して前記キャビティとは反対の側に設けられた他の面と、
    前記樹脂成形型において前記他の面の側に設けられた光源とを備えるとともに、
    前記光源は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティに前記流動性樹脂が充填されていない状態、前記樹脂成形型が型締めしている状態、又は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティにおいて前記硬化樹脂が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において光を発し、
    前記機能膜は前記透光部を透過する前記光によって照射されることにより光触媒として機能することを特徴とする樹脂成形型。
  2. キャビティに充填された流動性樹脂が硬化して硬化樹脂が形成されることによって成形体を製造する際に使用される樹脂成形型であって、
    前記樹脂成形型が有する面のうち前記キャビティの内底面を少なくとも含む一の型面と、
    前記一の型面に形成された機能膜と、
    前記樹脂成形型において前記一の型面を含むようにして設けられた透光部と、
    前記透光部において前記一の型面に対して前記キャビティとは反対の側に設けられた他の面と、
    前記透光部において前記一の型面と前記他の面との間をつなぐ側面と、
    前記樹脂成形型において前記側面の側に設けられた光源とを備えるとともに、
    前記光源は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティに前記流動性樹脂が充填されていない状態、前記樹脂成形型が型締めしている状態、又は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティにおいて前記硬化樹脂が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において光を発し、
    前記機能膜は前記透光部を透過する前記光によって照射されることにより光触媒として機能することを特徴とする樹脂成形型。
  3. 請求項2記載の樹脂成形型において、
    前記樹脂成形型において前記他の面の側に設けられたブロックを備えるとともに、
    前記ブロックにおける前記他の面に対向する面は鏡面であり、
    前記光が前記鏡面によって反射した反射光によって前記機能膜が更に照射されることを特徴とする樹脂成形型。
  4. 流動性樹脂が充填されるべきキャビティが設けられた樹脂成形型を型締めする工程と、前記キャビティを前記流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、前記流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成することによって成形体を形成する工程と、前記樹脂成形型を型開きする工程と、前記成形体を取り出す工程とを有する樹脂成形方法であって、
    前記キャビティの内底面を少なくとも含む一の型面に光触媒として機能する機能膜が形成されており、
    前記樹脂成形型は、前記一の型面を含むようにして設けられた透光部を有し、
    前記透光部は、前記一の型面に対して前記キャビティとは反対の側に設けられた他の面を有するとともに、
    前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティに前記流動性樹脂が充填されていない状態、前記樹脂成形型が型締めしている状態、又は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティにおいて前記硬化樹脂が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において前記透光部を透過する光によって前記機能膜を照射する工程を備え、
    前記照射する工程においては、前記樹脂成形型において前記他の面の側から前記透光部を透過する光によって前記機能膜を照射することにより、前記機能膜を光触媒として機能させることを特徴とする樹脂成形方法。
  5. 流動性樹脂が充填されるべきキャビティが設けられた樹脂成形型を型締めする工程と、前記キャビティを前記流動性樹脂によって充填された状態にする工程と、前記流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成することによって成形体を形成する工程と、前記樹脂成形型を型開きする工程と、前記成形体を取り出す工程とを有する樹脂成形方法であって、
    前記キャビティの内底面を少なくとも含む一の型面に光触媒として機能する機能膜が形成されており、
    前記樹脂成形型は、前記一の型面を含むようにして設けられた透光部を有し、
    前記透光部は、前記一の型面に対して前記キャビティとは反対の側に設けられた他の面と、前記一の型面と前記他の面との間をつなぐ側面とを有するとともに、
    前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティに前記流動性樹脂が充填されていない状態、前記樹脂成形型が型締めしている状態、又は、前記樹脂成形型が型開きして前記キャビティにおいて前記硬化樹脂が形成されている状態のうち少なくともいずれか1つの状態において前記透光部を透過する光によって前記機能膜を照射する工程を備え、
    前記照射する工程においては、前記樹脂成形型において前記側面の側から前記透光部を透過する光によって前記機能膜を照射することにより、前記機能膜を光触媒として機能させることを特徴とする樹脂成形方法。
  6. 請求項5記載の樹脂成形方法において、
    前記樹脂成形型において前記他の面の側にはブロックが設けられており、
    前記ブロックにおける前記他の面に対向する面は鏡面であり、
    前記照射する工程においては、前記鏡面によって前記光を反射させることによって生成された反射光によって前記機能膜を更に照射することを特徴とする樹脂成形方法。
  7. 請求項4−6のいずれかに記載の樹脂成形方法において、
    前記照射する工程においては、紫外光を使用して前記機能膜を照射することを特徴とする樹脂成形方法。
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